2008/11/23(日)
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 23:07:38.04 ID:XwpTw/TN0
江戸城本丸 松之大廊下(まつのおおろうか)
雪華綺晶のすけ「ええ、その様な形で執り行えばよろしいかと」
羅腑螺素「わかりました。手配しておきましょう」
この日、雪華綺晶のすけと羅腑螺素(らぷらす)は将軍蝋善(ろーぜん)の奉答の儀式を準備するため
江戸城本丸御殿松之大廊下で打ち合わせを行なっていた。
互いに意見がまとまり、さっそく取り掛かろうかとしたその時
事件は起こったのであった。
スタスタ……
あさの真紅のかみ「……」
雪華綺晶のすけ「これはこれは、真紅お姉様」
江戸城本丸 松之大廊下(まつのおおろうか)
雪華綺晶のすけ「ええ、その様な形で執り行えばよろしいかと」
羅腑螺素「わかりました。手配しておきましょう」
この日、雪華綺晶のすけと羅腑螺素(らぷらす)は将軍蝋善(ろーぜん)の奉答の儀式を準備するため
江戸城本丸御殿松之大廊下で打ち合わせを行なっていた。
互いに意見がまとまり、さっそく取り掛かろうかとしたその時
事件は起こったのであった。
スタスタ……
あさの真紅のかみ「……」
雪華綺晶のすけ「これはこれは、真紅お姉様」
2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 23:10:24.14 ID:XwpTw/TN0
スタスタ
あさの真紅のかみ「覚悟ぉぉぉぉぉ!」
ズバッ!
雪華綺晶のすけ「きゃあ!」
羅腑螺素「真紅! 気でも違ったか!」
あさの真紅のかみ「この間の恨み! 今ここで晴らしてやるのだわ!」
羅腑螺素「であえであえー! あさの真紅のかみを取り押さえろー!」
雪華綺晶のすけ「私が貴女に何をしたと言うの!?」
あさの真紅のかみ「忘れたとは言わせないわ! 一昨日の事を!」
………………
3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 23:13:40.94 ID:XwpTw/TN0
一昨日 夕食時
あさの真紅のかみ「いただきます」
雪華綺晶のすけ「いただきます。ところで真紅お姉様、こんな話を聞いたのですが」
あさの真紅のかみ「何かしら」
雪華綺晶のすけ「江戸城で出される焼き魚の尻尾は、何でも高貴な茶の味がするそうですよ」
あさの真紅のかみ「!? 本当なの、それ……」
雪華綺晶のすけ「はい、嘘は申しません」
あさの真紅のかみ「本当に本当なのよね……食べるわよ」
雪華綺晶のすけ「ええ、一口でどうぞ」
パクッ
あさの真紅のかみ「…………苦いっ!」
雪華綺晶のすけ「…………頭弱っ……」
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 23:14:55.28 ID:XwpTw/TN0
あさの真紅のかみ「雪華綺晶! 騙したわね!」
雪華綺晶のすけ「いえいえ滅相も無い。あ、そうでした勘違いしていました」
あさの真紅のかみ「何ですって?」
雪華綺晶のすけ「尻尾ではなく背骨の方でした。勘違いしないようにと言われていたのに、すっかり失念していた」
あさの真紅のかみ「……信じるわよ」
雪華綺晶のすけ「何なら私の背骨も差し上げましょう。二本まとめてどうぞ」
あさの真紅のかみ「…………」
パクッ パクパクッ
あさの真紅のかみ「味がしないのだけれど……」
雪華綺晶のすけ「(本当に食べている。お姉様、貴女やっぱり)」
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 23:17:10.00 ID:XwpTw/TN0
あさの真紅のかみ「……うーん、本当なのかしらね…………うぐぅっ!」
雪華綺晶のすけ「どうなさいました?」
あさの真紅のかみ「喉…………骨が、が……」
雪華綺晶のすけ「骨が喉に引っかかったのですか。これをどうぞ」
あさの真紅のかみ「(しょ、醤油じゃないのそれ……)」
雪華綺晶のすけ「うふふ……お姉様、私はそろそろ自室に戻らさせて頂きます」
あさの真紅のかみ「待ぢなざい……ゴホッ……骨、骨」
雪華綺晶のすけ「今渡したものがあるでしょう。それで骨をお取りになってください」
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 23:21:39.70 ID:XwpTw/TN0
あさの真紅のかみ「騙じだのね……ぎらぎじょう……!」
雪華綺晶のすけ「いえいえ、貴女の頭に何も詰まっていなかったのが原因です」
あさの真紅のかみ「何でずっでぇ……」
雪華綺晶のすけ「喉に骨は詰まっても、頭に学は詰まっていない……これは傑作」
あさの真紅のかみ「ぎらぎじょうぅぅぅ……まぢなざい……ゴホッ……」
雪華綺晶のすけ「まぁ、ゆっくりお食事なさって下さい。それではお姉様」
あさの真紅のかみ「ぎらぁぁ……うおえぇぇ…………」
………………
雪華綺晶のすけ「たかだかあの程度の事で……」
あさの真紅のかみ「私にとっては大問題だわ!」
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 23:24:00.84 ID:XwpTw/TN0
あさの真紅のかみ「あれから私は、骨を流す為に醤油を嫌と言う程飲んだのよ!」
雪華綺晶のすけ「……そうなのですか?」
あさの真紅のかみ「おかげで昨日一日、心ここに在らずだったわ。全ては貴女のせいで!」
雪華綺晶のすけ「ご飯をお食べになればよろしかったのでは……」
あさの真紅のかみ「え? 何ですって?」
雪華綺晶のすけ「骨が喉に詰まったときは、ご飯を丸呑みすると早く取れるのです」
あさの真紅のかみ「し、知らなかった。初耳よ……」
雪華綺晶のすけ「あんまりですよ、お姉様」
あさの真紅のかみ「う、う、うるさいわっ! やはり貴女は絶対に許せない!」
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 23:26:10.95 ID:rHop3BeM0
おー、いいね。忠臣蔵大好きよ
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 23:27:04.46 ID:XwpTw/TN0
雪華綺晶のすけ「落ち着いて下さい、今ならまだ……」
あさの真紅のかみ「でぇええい!」
スパッ!
雪華綺晶のすけ「痛っ!」
あさの真紅のかみ「とぉぉぉどぉぉぉめぇぇぇぇ!」
ガシッ!
羅腑螺素「馬鹿な真似は止しなさい! ここをどこだと思っている!」
あさの真紅のかみ「放して放して! 放してったら!」
羅腑螺素「誰か雪華綺晶を安全な場所へ!」
あさの真紅のかみ「放しなさいこの西洋かぶれ! あっ、雪華綺晶待ちなさい!」
羅腑螺素「荒縄を持って来い荒縄を! 縛り上げる荒縄を!」
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 23:30:28.43 ID:XwpTw/TN0
あさの真紅のかみ「嫌よ嫌よ! 放して頂戴! 雪華ああぁぁぁ!」
羅腑螺素「真紅落ち着きなさい! ここは殿中ですよ!」
殿中でござる! 殿中でござる!
あさの真紅のかみ「うるさいうるさいっ! それでも雪華綺晶は許せないのだわ!」
羅腑螺素「殿中でござる! 殿中でござる!」
殿中でござる 殿中でござる 殿中でござる………………
こうして、松之大廊下での刃傷は羅腑螺素の羽交い絞めと荒縄によって阻止された。
雪華綺晶のすけは僅かな切り傷を負ったのみで命に別状は無く、手向かい(反抗)をしていなかったのでお咎めも無かった。
しかし、あさの真紅のかみはそうもいかない。
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 23:36:27.62 ID:XwpTw/TN0
あさの真紅のかみ「はい……私がやりました……」
あさの真紅のかみは今回の殿中刃傷の責任を取る事となり、その日の内に幕府よりお尻500叩きの刑に処せられた。
この結果あさの真紅のかみは尻にかつて味わった事の無い深刻な損傷を受け、乗馬はおろか座って書物を読む事さえ出来なくなった。
寝たきりとなってしまったあさの真紅のかみは「早く良くなりますように」と呟きながら、お尻を優しく手で撫でる日々を送るのみ。
そして五日後、あさの真紅のかみを藩主とする真☆紅藩にこの事実が伝えられた。
ジュン「なななな、何だってぇぇぇぇぇ!?」
あさの家の家老であった桜田ジュンは、この報に対し驚きを露わにした。すぐに藩内で今回の件についての会議を行い、真☆紅藩士は一つの結論に達する。
――主君にかわり、自分達が雪華綺晶のすけを討つ(お尻1500叩き)べし。
こうして桜田ジュンを筆頭とする真☆紅藩士は、主君の無念を晴らすべく雪華邸への討ち入りを決意するのであった。
16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 23:40:13.51 ID:XwpTw/TN0
雪華邸近くの集合場所
ジュン「全員揃ったか」
雛苺「はいなの!」
金糸雀「これで全員かしら!」
水銀燈「そうみたいねぇ」
ジュン「僕を入れて四人か……驚く程の少なさだな」
金糸雀「一応、援軍の手立てはあるかしら。必要とあらばすぐに駆けつけると言っていたのよ」
ジュン「今がその必要な時だろ……」
17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 23:41:16.64 ID:ISQUEHVI0
雪華綺晶のすけ ← これ言いたかっただけだろ
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 23:45:22.99 ID:XwpTw/TN0
>>17
何故分かった
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 23:45:41.74 ID:XwpTw/TN0
水銀燈「ねぇ……どうして私がこんな事に付き合わなきゃいけないわけぇ?」
ジュン「見ての通りの人手不足だ。元藩士の水銀燈なら手伝ってくれると思ったんだよ」
水銀燈「謝礼は貰ったから一応やるけどぉ」
ジュン「期待してるから、よろしく頼むよ」
ヒソヒソ
金糸雀「大金を貰ったらしいかしら。ガメつい奴かしら~」
ヒソヒソ
雛苺「貰ったお金は病気の姉の為に使うみたいなの。えっと……めぐ、とかいう人だったのよ」
ヒソヒソ
金糸雀「ちょっと見直したかしら」
ジュン「そこ! こそこそ話してる暇があったらさっさと準備しろ!」
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 23:48:41.43 ID:XwpTw/TN0
金糸雀「準備出来たかしら!」
ジュン「よし。これから、憎き雪華綺晶のすけを討ち取りに行くぞ!」
水銀燈「(噂では雪華綺晶のすけはかなりの手練を囲っているとか……楽しみだわぁ)」
ジュン「それじゃあ、出発だ!」
雛苺「あいとー!」
金糸雀「行くかしらー!」
こうして、桜田ジュン率いる真☆紅藩士達は雪華邸へ向け出発した。
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 23:51:29.87 ID:XwpTw/TN0
ザッザッ……
水銀燈「ねぇ」
ジュン「どうした?」
水銀燈「貴方って本当にあのおばか藩主の為に討ち入りしようとか考えてるわけぇ?」
ジュン「今はね。最初はそうでも無かったけど」
水銀燈「何がきっかけでやろうと思ったのよぉ。下手すれば死ぬかもしれないのに」
ジュン「実はな……」
………………
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 23:56:28.92 ID:XwpTw/TN0
数週間前 真紅邸
あさの真紅のかみ「ジュン……こっちよ……」
ジュン「真紅、尻の方は大丈夫なのか」
あさの真紅のかみ「相変わらずね。さすってもさすっても良くならないわ」
ジュン「これ、手拭い。必要だと思って」
あさの真紅のかみ「助かるわ……お風呂にも入れないから、ずっと濡れ手拭いで体を拭いていたところなの」
ジュン「真紅……」
あさの真紅のかみ「そんな顔しないでジュン。これくらいで済んだだけまだマシよ」
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:00:13.60 ID:eHnCRoJO0
ジュン「真紅、何かあったら言ってくれよ。出来るだけ力になるからさ」
あさの真紅のかみ「そう……ありがとう、ジュン」
ポロポロ……ポロ
あさの真紅のかみ「あれ、おかしいわね……悲しくもないのに。変な事もあるものだわ……グスッ……」
ジュン「真紅」
あさの真紅のかみ「こんな私の手を握り締めてくれるのは貴方だけよジュン」
ジュン「そんな事……」
あさの真紅のかみ「ねぇジュン。お願いがあるの」
ジュン「何だよ」
あさの真紅のかみ「雪華邸への討ち入りの事だけど……何とか思い留まってくれないかしら」
26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:04:27.02 ID:eHnCRoJO0
ジュン「それは……」
あさの真紅のかみ「皆が傷つくのは見たくないわ。貴方もただでは済まないわよ」
ジュン「もう無理だよ。皆やる気になってるから(殆ど逃げちゃったけどな)」
あさの真紅のかみ「そう……」
ジュン「ああ。これだけは出来ないよ」
あさの真紅のかみ「分かったわ。ごめんなさいね、こんな情けない藩主の為に……」
ジュン「そんな事言うなよ。真紅は体の事だけ心配してろ」
あさの真紅のかみ「ジュン、本当にありがとう。本当に…………グスッ、ヒクッ……」
ジュン「……真紅。僕からも一ついいか?」
27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:05:12.78 ID:eHnCRoJO0
ジュン「真紅の今の気持ちを聞かせてくれないか?」
あさの真紅のかみ「どうして?」
ジュン「……僕は正直、討ち入りにはそれほど賛成していなかったんだ。流れで討ち入りの指揮を取る事になったけど、正直行きたくなかった」
あさの真紅のかみ「なら……」
ジュン「でも今日の真紅を見て、気持ちが変わりかけてる」
あさの真紅のかみ「ジュン、私は」
ジュン「だから真紅の本当の気持ちを知りたいんだよ。それで、きっと決心出来ると思うから」
あさの真紅のかみ「ジュン……ジュン!」
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:07:50.76 ID:eHnCRoJO0
ポロポロポロッ
あさの真紅のかみ「私……私、悔しい! わだじ……わだじ……グスッ……スン……」
ジュン「真紅、よく言ってくれたな」
あさの真紅のかみ「悔しい……本当は、ずっと、ずっとぉ……悔しくて情けなくて……グズッ……」
ジュン「今日は決心を固める為に来たんだ。これで討ち入りに行けるよ」
あさの真紅のかみ「ジュン……ジュン……うわああぁぁぁぁぁぁん!」
ジュン「(真紅……待ってろよ)」
………………
29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:10:29.11 ID:eHnCRoJO0
水銀燈「そんな事があったのねぇ」
ジュン「ああ。普段はふざけた君主だったけど、やっぱり僕の君主に変わりなかったよ」
水銀燈「それで討ち入りを決心した訳ね。最初は反対していたけれど」
ジュン「真紅の姿を見ていると、何だかやらなきゃいけない様な気がしてな」
水銀燈「ふぅん……」
ジュン「今度お見舞いに行ってやれよ。仲良かったんだろ?」
水銀燈「昔の話よ…………まぁ、討ち入りが終わったら行ってあげてもいいかしらねぇ」
ジュン「頼むよ」
ザッザッ
金糸雀「(何か真剣な雰囲気を出してるかしら。ちょっと格好いいのが悔しいかしら)」
雛苺「金糸雀、どうしたの? お腹空いたの?」
金糸雀「雛苺じゃあるまいし、そんなわけ無いかしら!」
雛苺「? 変な金糸雀なの」
30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:12:47.71 ID:eHnCRoJO0
ザッザッ
ジュン「そういえばお前ら、ちゃんと人工精霊刀は持ってきたんだろうな」
雛苺「はいなの!」
金糸雀「当然かしら。あれがなきゃ戦いになんて来ないかしら」
水銀燈「ふん……それでも貴女達には期待してないけど。ま、私の邪魔だけはしないで頂戴よ」
雛苺「そんな事ないの! ヒナだって頑張るんだから!」
ジュン「持って来たなら安心か。皆、力を合わせて戦うんだぞ」
金糸雀「分かったかしら!」
水銀燈「せいぜい頑張りなさぁい」
雛苺「うい!」
ジュン「よし、あと少し。心して行くぞ!」
31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:15:44.05 ID:eHnCRoJO0
――――その頃、雪華邸
雪華綺晶のすけ「(もうじき真紅の部下がやってくる……ふふふ、準備をしておかねば)」
雪華綺晶のすけ「御庭番! 出てきなさい」
シュバッ シュババッ
雪華綺晶のすけ邸宅・御庭当番(雪華綺晶のすけの代わりに、庭の草花の世話をするのが主な仕事)
――通称、御庭番
翠星石「ただいま到着ですぅ!」
蒼星石「到着いたしました」
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:19:15.51 ID:eHnCRoJO0
雪華綺晶のすけ「ふふ……今日の事は分かっていますね?」
翠星石「もちろんですぅ! 今日はいつもの庭師とは違う、翠星石達の裏の顔を見せるときです!」
蒼星石「このお屋敷に入り込む不届き者を、必ず退治してみせます」
雪華綺晶のすけ「期待しています……それと」
パンパンッ!
雪華綺晶のすけ「出てきなさい。仕事を与えます」
シュバババッ!
薔薇水晶「…………こちらに」
雪華綺晶のすけ「今回は貴女にも戦ってもらいます」
薔薇水晶「……了解……」
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:22:27.06 ID:eHnCRoJO0
雪華綺晶のすけ「今からいらっしゃる方々に遠慮は必要ありません……頼みましたよ」
翠星石「もちろんですぅ! ちょちょいと捻ってやるです!」
蒼星石「久しぶりに本気で体を動かせるね。今から楽しみだなぁ」
薔薇水晶「……確かに承りました…………」
雪華綺晶のすけ「(所詮はあの真紅の部下…………刃向かった事を後悔させてあげる……)」
ジュン一行は雪華邸を目指し、雪華綺晶のすけは迎え撃つ体制を整える。
今宵の月は満月、天気は快晴。冷え込み厳しい白んだ空の下で、最後に立つは果たしてどちらか。
35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:23:05.33 ID:eHnCRoJO0
雪華邸 表門前
ジュン「皆、準備はいいな」
金糸雀「ばっちりかしら」
雛苺「万全なの!」
水銀燈「……行きましょうか」
ジュン「それぞれ武器を取れ。行くぞ!」
金糸雀「正面突破よ!」
雛苺「うい!」
ジュン「(もう少し数がいれば、表門と裏門二手からの進入も出来たけど……仕方ないな)」
36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:25:11.39 ID:eHnCRoJO0
水銀燈「行くわよぉ!」
ジュン「行くぞぉ!」
ドガァァンッ!
ジュン達、真☆紅藩藩士は表門を蹴破り雪華邸内へ侵入した。
ジュン「雪華ああああぁぁぁぁ!」
金糸雀「雪華あああ! どこかしらぁぁぁぁぁぁ!」
雛苺「雪華ぁあー! どこー! どこなのー!」
水銀燈「雪華綺晶……家臣もまとめて私が潰してあげるわぁ」
ジュン「雪華ああああああああぁぁぁぁぁー! どこだぁぁぁぁ!」
37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:26:29.05 ID:eHnCRoJO0
ジュン「雪華あああああああああー! 出て来い雪華ああああー!」
水銀燈「ちょっとうるさい! 状況が掴めないじゃないの!」
金糸雀「どうなってるかしら!? 誰もいない……」
雛苺「待ち伏せされてると思ったの……」
ジュン「どういう事なんだ雪華あああぁぁぁぁぁぁぁー! 教えろおおおお!」
水銀燈「! あれはっ!」
スタッ、スタッ
翠星石「うるさい奴らですぅ。とっとと黙りやがれです」
蒼星石「勢いだけあっても勝てはしないよ」
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:27:33.78 ID:eHnCRoJO0
水銀燈「お出ましねぇ」
金糸雀「二人組……雛苺!」
雛苺「なの!」
金糸雀「この二人はカナ達が相手をするかしら! ジュンと水銀燈は、雪華綺晶を!」
雛苺「頼んだの!」
ジュン「っ……すまない。必ず生き残るんだぞっ! 頑張れよ、金雛(かなびな)!」
金糸雀「!? 良く分かんないけど、ジュン達も無事でいるかしらっ!」
ジュン「(よし。ここは二人に任せて先を急ぐか)」
ダダダダ……
39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:28:42.65 ID:eHnCRoJO0
雛苺「ジュン達を行かしてくれるなんて優しいの」
翠星石「勘違いすんなです。それぞれの取り分は決められてるです」
蒼星石「相手したくても出来ないんだよ」
金糸雀「随分と余裕かしら。よっぽど自信があるのね」
蒼星石「当然。僕達を君達と一緒にしないでほしいな」
雛苺「言ってくれるのね」
蒼星石「ふふふ……それじゃあ始めようか。金雛さん……」
40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:30:39.14 ID:eHnCRoJO0
ダダダ……
ジュン「あの二人は大丈夫なんだろうな……」
水銀燈「さっきの名前は何だったのよぉ」
ジュン「僕が今考えたんだ。中々だったろ?」
水銀燈「まぁ、中々と言えば中々よねぇ……色んな意味が入るけどぉ」
ジュン「それよりも雪華綺晶だ! くそっ、屋敷の中にいるのか!?」
水銀燈「! あれを、あれを見なさい!」
41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:31:50.41 ID:eHnCRoJO0
ジュン「あれは…………雪華ああああああああぁぁぁぁー!」
雪華綺晶のすけ「そんなに叫ばなくても、逃げたりしません」
水銀燈「(流石に自ら姿を現すとは思わなかったわねぇ)」
ジュン「行くぞ水銀燈!」
水銀燈「え、ええ!」
シュンッ!
水銀燈「(? 今、何かが……)」
シュバババッ!
水銀燈「!」
42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:33:40.27 ID:eHnCRoJO0
薔薇水晶「はっ!」
ガキイィィィンッ!
水銀燈「こいつっ! 何て身のこなし!」
薔薇水晶「(これを受けられるとは思っていなかった……)」
ダッ、ダダンッ!
薔薇水晶「……私の獲物は貴女…………」
スタタタ……
水銀燈「はぁっ!」
ヒュウンッ!
薔薇水晶「(振り抜くまでが速い! 私の動きを見切っている!)」
水銀燈「(反応が良い! 動きを読まれても攻撃をかわせるだけの技術がある!)」
43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:35:06.67 ID:eHnCRoJO0
ジュン「水銀燈! そいつは任せたぞ!」
水銀燈「ええ! 貴方は雪華綺晶を叩きなさい!」
ザリッザリッ……
薔薇水晶「……楽しい…………」
タタンッ、タタンッ……
水銀燈「(雪華綺晶と戦えないのは残念だけど……こっちも随分と楽しめそうだわぁ……)」
ジュン「雪華綺晶っ……!」
雪華綺晶のすけ「ふふ……」
ジュン「お前を守る奴はもういない。観念するんだな!」
雪華綺晶のすけ「何を馬鹿な……私は私が守ればいい」
スラァ……
雪華綺晶のすけ「刀を抜くのは久しぶり……」
44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:37:03.87 ID:eHnCRoJO0
薔薇水晶「……雪華綺晶様…………この男も私が……」
雪華綺晶のすけ「手助けはいりません。貴女は目の前の敵に集中して」
薔薇水晶「……でも…………」
雪華綺晶のすけ「貴女の目の前にいるのは水銀燈。数々の決闘に勝利している達人」
薔薇水晶「! ……どうりで……」
雪華綺晶のすけ「私達は彼女達の邪魔にならない様、移動しましょうか」
ジュン「一対一か。望むところだ!」
雪華綺晶のすけ「それでは薔薇水晶。勝利の報告を待っています」
ジュン「水銀燈、死ぬんじゃないぞっ! 待ってるからな!」
ダダダダダッ……
47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:41:05.96 ID:eHnCRoJO0
雪華綺晶のすけ「ここら辺でいいでしょう」
ジュン「広い庭で助かったよ」
雪華綺晶のすけ「ええ、自慢の庭です」
ジュン「……覚悟はいいな、雪華綺晶」
雪華綺晶のすけ「もとより……貴方は?」
ジュン「……もとより、だっ! 雪華あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁー!」
雪華綺晶のすけ「(見ていなさい真紅。貴方の大切な家臣を奪い、お尻の傷をさらにえぐってあげるわ!)」
ジュン「(まずは先手必勝で行く! 桜田流の剣道、見せ付けてやる!)」
三分割された庭で、それぞれの戦いが始まる。
金雛 対 翠星石&蒼星石
水銀燈 対 薔薇水晶
桜田ジュン 対 雪華綺晶のすけ
空と月の白銀は、彼らの刃を表している様にも見えた。
48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:43:20.47 ID:eHnCRoJO0
水銀燈戦闘開始より少し前 雪華邸表門付近
金糸雀「雛苺っ!」
雛苺「うい!」
蒼星石「連携か。翠星石、こっちも行くよ」
翠星石「分かったですぅ」
金糸雀「さぁ、カナの愛刀『扉智火亜兎(ピチカート)』のさびになるかしら!」
翠星石「それっ、いくですぅ!」
雛苺「……これは霧なの、霧が出来てるのー!」
金糸雀「(霧!? それもこの辺りだけ……こんなのおかしいかしら!)」
雛苺「どんどん濃くなっていくのよー」
蒼星石「ふふ……今の君達に僕の姿が見えるかい?」
金糸雀「ど、どこから話してるかしら!」
雛苺「霧が濃くて何も見えないの……」
49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:46:46.64 ID:eHnCRoJO0
翠星石「これが翠星石の愛刀『水土里囲霧(スィドリーム)』の力です。刀身から出る霧は辺りを包んで、消える事は無いですぅ」
雛苺「だ、だ、大ピンチなの!」
金糸雀「人工精霊刀を持ってるのはカナ達だけだと思ってたかしら! だから余裕ぶっこいてたのに……」
蒼星石「一気に形勢はこちら側に傾いたわけだ。僕には君達の位置が分かるからね」
雛苺「声だけ聞こえてきて、何だか気持ち悪いの」
金糸雀「むむむ……これはカナも全力で行くしかないかしら!」
蒼星石「そろそろ攻撃させてもらうよ。悪く思わないでね」
雛苺「金糸雀! 来るのよ!」
金糸雀「(扉智火亜兎……頑張るかしら)」
蒼星石「(あの黄色いのは僕の存在に気づいていない。いける!)」
50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:49:48.12 ID:eHnCRoJO0
ジャリッ
蒼星石「(僕の勝ちだ!)」
キィィンッ!
金糸雀「た、助かったかしら」
蒼星石「受け止めただって!?」
翠星石「(あいつ等に蒼星石の姿は見えんはずですぅ! なのにどうして……)」
金糸雀「つばぜり合いなら負けないかしら~!」
ギチ、ギチギチ……
蒼星石「どうして……僕の攻撃を受け止められたんだい?」
雛苺「金糸雀ー! どこにいるか分からないけど頑張るのー! あいとよー!」
金糸雀「カナには誰がどこにいるのかくらい分かるかしら!」
蒼星石「ちっ!」
51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:51:20.75 ID:QxqWjFuoO
これが噂のローゼンメ江戸ンか……
52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:51:46.03 ID:eHnCRoJO0
金糸雀「逃がさないかしら!」
蒼星石「(正確に追ってくる。彼女は『人工精霊刀を持ってるのはカナ達だけ』と言っていたから、刀の力によるものか)」
翠星石「(翠星石のところにあの黄色いのはこないです。てことは……)」
蒼星石「君の刀の力はもしかして、音を探るとかだったりするの?」
金糸雀「あ、よく分かったかしら。私の扉智火亜兎は、ほんの小さな音でも聞き取る事が出来るかしら!」
蒼星石「(なるほど。だから誰がどこにいるかくらいは分かる、か……)」
雛苺「金糸雀! それ言っちゃ駄目なの! 秘密なのー!」
金糸雀「しまったかしら! やっぱり今の無し! 嘘、嘘かしら!」
蒼星石「なるべく音を立てずに行くことにするよ」
金糸雀「カナの刀、本当は今の時間が正確に分かるっていう力で……」
蒼星石「貰った!」
53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:53:58.36 ID:eHnCRoJO0
金糸雀「ひぃぃぃ! ひなっ、雛苺! 助けるかしら!」
雛苺「ういっ! 辺里苺辺留(ベリーベル)!」
ワサワサワサ……
蒼星石「(足元に大量の苺わだち……これがあのチビちゃんの刀の……)」
雛苺「この苺わだちに触れると、それがヒナにぶるぶるって伝わってくるの」
ワサワサ……
雛苺「これでヒナにも『誰がどこにいるか』分かるのよー」
蒼星石「(まずい……翠星石のところへ伸ばされるまでに彼女を倒したいけど、間に合わない!)」
ジャリィッ!
金糸雀「! 雛苺っ後ろっ!」
54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:55:55.12 ID:eHnCRoJO0
雛苺「うゆ?」
翠星石「貰ったですぅ!」
蒼星石「(僕と同じ事を考えて先に行動していた。さすが、僕の姉というだけはあるね)」
金糸雀「雛苺ぉー!」
雛苺「嫌あっ!」
…………
雛苺「………………うゆ?」
翠星石「だ、誰ですかお前は……」
金糸雀「雛苺とですです女の間に誰かいるかしら……」
――カナ、カナ……
金糸雀「む、遠くから声が聞こえるかしら」
「カナっ! そこから離れて!」
金糸雀「この声は……これは早速逃げるしかないかしら!」
55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:57:22.01 ID:eHnCRoJO0
金糸雀が逃げた瞬間、轟音と共に辺り一面爆風が吹き荒れる。
先程までの濃霧が綺麗に無くなってしまった。
蒼星石「ゴホッゴホッ……何だ一体!」
翠星石「痛いです……もう、何なんですかぁ!」
金糸雀「霧が晴れて……よく見えるかしら。相変わらず綺麗かしら……」
雛苺の前に立つのは一人の女の子。美しい刺繍が施された桜色の着物を着ている。
手には一本の刀。木で作られた柄には「雛」の焼印。
短く切った髪をなびかせながら真っ直ぐ前を見つめるその姿は、思わず息を呑んでしまうほど美麗。
雛苺「助けに来てくれたのねー! トゥモエー!」
足元に擦り寄る雛苺を抱き上げて笑う、彼女は巴。
56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:58:50.17 ID:eHnCRoJO0
巴「雛苺、大丈夫だった?」
雛苺「うん! 花丸げんきぃー!」
巴「そう、良かった」
雛苺「でもどうして助けに来てくれたの?」
巴「それはね……」
スタッ!
みつ「私が呼んだのよ」
金糸雀「みっちゃん! やっぱりさっきの爆発はみっちゃんだったかしらー!」
金糸雀の前に、法被姿にさらしを巻いた女性が一人降り立った。
手には身の丈と同じほどの巨大な筒。法被に施された「金糸雀」の刺繍は、黄金に輝いている。
彼女は草笛みつ。先程の爆撃をやってみせた、着物仕立屋兼花火職人である。
57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:00:32.04 ID:eHnCRoJO0
金糸雀「でもみっちゃん。カナ達は救援用の打ち上げ花火をまだ上げてなかったかしら」
みつ「だってぇ~、カナ達の事が心配だったんだもん」
巴「居ても立ってもいられないって言うものだから、合図を待たずに来たの」
みつ「カナ~、怪我は無い? 痛いところは?」
金糸雀「だ、大丈夫かしら……」
蒼星石「援軍か。これは僕達が相手をしても良いよね」
翠星石「これで楽しみがまた増えたです。翠星石達は運が良いですぅ」
蒼星石「翠星石、僕はあの黄色いのと法被の人をやるよ」
翠星石「じゃあ翠星石は、おばかちびちびともう一人をやるです」
みつ「黄色いの……?」
巴「おばかちびちび……?」
58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:01:58.43 ID:TNh5u1X0O
トゥモエとみっちゃんの設定いいな
着物の巴とか、それはそれは美しいだろうなぁ
60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:03:18.14 ID:eHnCRoJO0
金糸雀「(まずいかしら……みっちゃんの悪い癖が……)」
雛苺「トモエ、顔が怖いのよ」
巴「……大丈夫よ雛苺。ゆっくり休んでいていいからね」
蒼星石「それじゃ再開しようか」
金糸雀「みっちゃん、カナは相手の言う事なんて気にしてないかしら。だから……」
みつ「発射ぁ!」
ゴオォォォォォンッ!
蒼星石「ぐぅっ!」
翠星石「い、いきなりなんてずりーです!」
みつ「もう一発! 草笛みつ特製大玉花火ぃ!」
ゴオオオオォォォンッ!
蒼星石「うわぁぁっ!」
翠星石「蒼星石っ!」
61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:04:49.08 ID:eHnCRoJO0
シュバッ!
巴「貴女は私なんでしょ?」
翠星石「っ!」
キィンッ!
翠星石「(何とか後ろに回り込んで仕留めてやるですぅ! そして蒼星石を助けに……)」
巴「せえっ!」
翠星石「(刀の振りが……と、とんでもなくはえーですぅ!)」
みつ「あっはは! お祭りよぉ~!」
ドゴーンッ! ドゴーンッ!
62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:07:01.37 ID:eHnCRoJO0
蒼星石「(仕方ない、僕も人工精霊刀を使うか……)」
みつ「むむっ!? 怪しげな動き!」
蒼星石「『錬光華(レンピカ)』行くよっ!」
翠星石「蒼星石っ! 後ろですぅ!」
蒼星石「え?」
みつ「むふふ……私の花火は高いのよ。これだけ近くで見られるなんて、滅多にないんだから」
ヂヂヂヂ……
みつ「零距離花火、発射ぁ!」
ドゴォォォォォンッ!
蒼星石「ごっ」
金糸雀「た、たーまやー……かしら…………」
翠星石「蒼星石ぃ! お、お前、許さんですぅ!」
巴「よそ見しない」
翠星石「ひぃっ!」
63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:09:05.20 ID:eHnCRoJO0
翠星石「来るならきやがれです! 蒼星石一人残して逃げるわけねーですぅ!」
巴「最初から逃がすつもりなんて無いわ」
翠星石「(か、勝てる気がしねーですぅ……)」
巴「…………スー……ハー……」
翠星石「(構えながら目を閉じてやがるです! こいつは勝機ですぅ!)」
雛苺「踏み込んじゃ駄目なの!」
翠星石「へ?」
タンッ
巴「はあぁっ!」
スパァァァンッ!
翠星石「……あっ…………」
巴「御免なさいね、間合いが広くて」
雛苺「もう勝っちゃったの……」
金糸雀「カナ達はとんだ道化だったかしら……」
64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:11:18.99 ID:eHnCRoJO0
みつ「勝ったよカナ! カナ~!」
金糸雀「みっちゃん格好よかったかしら!」
巴「さ、皆のところへ行きましょう」
雛苺「あ、そうなの! 水銀燈とジュンのすけだちに行くの!」
みつ「よーし、カナ! 私張り切っちゃうからね!」
金糸雀「みっちゃんはあんまり張り切りすぎると駄目かしら」
みつ「それじゃ、皆を助けに出発!」
雛苺「はいなのー!」
第一試合 雪華邸表門の戦い
○金糸雀 ×蒼星石(全身打撲と軽症の火傷。火をみると思わず泣いてしまう様になってしまった)
○雛苺 ×翠星石(腹部にびっくりするほど重度の損傷。胃が荒れて食が細くなってしまった)
65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:11:20.79 ID:TNh5u1X0O
ミーディアム組強いな
66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:12:24.41 ID:eHnCRoJO0
ジュン戦闘開始より少し前 雪華邸之庭 中央付近
水銀燈「さて、始めましょうか。今頃あのお馬鹿さん二人も戦っているでしょうから」
薔薇水晶「…………」
水銀燈「(変な子ねぇ。何か喋りなさいよぉ)」
薔薇水晶「……」
キィンッ!
水銀燈「いきなりやってくれるじゃない!」
薔薇水晶「……もう一発……」
ガギィンッ!
水銀燈「(一撃一撃が重い。やっぱりこの子は『当たり』だったみたいねぇ)」
67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:13:10.61 ID:eHnCRoJO0
薔薇水晶「……それ…………」
ビュンッ!
水銀燈「っ!」
薔薇水晶「……まだまだ…………」
ガギィンッ! チュインッ!
水銀燈「(ちょっとぉ……押されてるじゃないのよぉ)」
薔薇水晶「…………これで終わり」
スパァァンッ!
水銀燈「ちっ!」
薔薇水晶「……惜しい…………」
水銀燈「仕方ないわね」
薔薇水晶「?」
水銀燈「おいで『雌射雌射(メイメイ)』!」
薔薇水晶「……いいな、人工精霊刀……私には無い…………」
水銀燈「(潤んだ目で見たってあげないわよぉ)」
68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:15:45.15 ID:eHnCRoJO0
水銀燈「雌射雌射、いきなさぁい」
薔薇水晶「……」
水銀燈「はぁっ!」
薔薇水晶「(羽根を飛ばした。人工精霊刀は使わない……?)」
スパッ!
薔薇水晶「これは……羽根の一枚が、何と言う切れ味……」
水銀燈「雌射雌射は私の羽根の切れ味を上げるのよぉ」
薔薇水晶「(……弱い…………)」
水銀燈「行くわよぉ!」
薔薇水晶「(ちょっと勝てる気がしてきた……)」
水銀燈「それっ!」
ビュビュンッ!
薔薇水晶「……痛い……」
水銀燈「流石に避けきれないみたいねぇ。いい気味よぉ」
70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:17:37.13 ID:eHnCRoJO0
水銀燈「勝ちは貰ったわぁ!」
ドゴォォォォン――――
金雛のところに草笛みつが光臨した瞬間であった。
水銀燈「な、何事よぉ!」
薔薇水晶「(謎の爆音だが、これは勝機)」
水銀燈「しまった……」
薔薇水晶「……殺った…………」
水銀燈「(殺られる!)」
ズバッ!
薔薇水晶「……しぶとい」
水銀燈「か、間一髪……」
71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:21:26.17 ID:eHnCRoJO0
薔薇水晶「(これで流れは完全にこちらのもの。押し切れば終わる)」
水銀燈「何よ何よぉ! 必死になっちゃって、ばっかじゃないのぉ!?」
薔薇水晶「(羽根の動きも予測できる……勝った)」
水銀燈「お、おお、お馬鹿さぁん!」
薔薇水晶「せいっ!」
カァンッ!
水銀燈「刀が!」
薔薇水晶「丸腰の貴女は恐るるに足らず……」
水銀燈「(まずい! 悔しいけど逃げるわぁ!)」
薔薇水晶「……待て」
水銀燈「ついてこないでよぉ!」
薔薇水晶「ふふふ……ふふ……」
72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:23:15.35 ID:eHnCRoJO0
水銀燈「あっ!」
ドテッ!
薔薇水晶「転ばなければ逃げられたのに……」
水銀燈「まだよ! まだ負けていないわぁ!」
――ぎんとう
水銀燈「……え?」
金糸雀「水銀燈ー! 頭抱えるかしらー!」
水銀燈「……何……?」
みつ「……発射ぁ!」
ズドォォォォォンッ!
薔薇水晶「ぎゃああっ!」
水銀燈「がああぁぁぁっ!」
金糸雀「水銀燈ー! ごめんかしらー!」
73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:25:42.72 ID:5z9wABu70
巻き添えw
74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:26:24.51 ID:QxqWjFuoO
もうみっちゃんと巴だけで勝てるんじゃね?
75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:26:42.71 ID:eHnCRoJO0
水銀燈「痛い……痛いわぁ……」
薔薇水晶「ゴホ……ゴホ……ぎ、ぎぎ……」
雛苺「トモエ!」
巴「ええ!」
薔薇水晶「…………来るなら……来い……」
巴「覚悟っ!」
シュバッ!
薔薇水晶「……回り込まれる隙を作った貴女が悪い……」
巴「何の!」
キィィンッ!
薔薇水晶「(何と言う立ち回り。出来る……)」
みつ「キャー! 巴ちゃん格好いい!」
雛苺「トモエー! きれいなのー!」
76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:28:33.52 ID:eHnCRoJO0
薔薇水晶「……断ち切る……」
巴「ふっ!」
キィンッ! ガッ、ギチ……
金糸雀「頑張るかしら!」
みつ「巴ちゃん、ゴメンね」
金糸雀「まさかみっちゃん……」
みつ「てー!」
ドゴォォォォォォンッ!
薔薇水晶「うわぁぁぁ!」
巴「まだまだっ!」
雛苺「トモエは無事なの!」
水銀燈「(あの巴とかいう子……今、炎を斬ったわよ…………)」
77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:30:09.94 ID:eHnCRoJO0
薔薇水晶「一度ならず二度まで……誇りは無いの……」
みつ「私は武士じゃなくて花火職人だから。あと仕立屋さん」
薔薇水晶「……くそ……」
雛苺「もうこんな事しちゃだめなのよ! めっ!」
ギュウウウウ……
薔薇水晶「痛い……放して」
雛苺「ほっぺが赤くなるまでだめなの!」
薔薇水晶「痛い…………」
78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:30:49.49 ID:6YeHr9SWO
みっちゃん自重www
79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:31:43.69 ID:eHnCRoJO0
金糸雀「これは決着ありと見ていいかしら」
みつ「そうね。またまた私達の勝ちよね」
水銀燈「まさか貴女達に助けられるとはねぇ……」
巴「仲間だもの…………さ、早く桜田君のところへ行きましょう」
第二試合 雪華邸之庭中央の戦い
○水銀燈 ×薔薇水晶(二度の爆撃による軽度の火傷と、頬の損傷。頬をつねられると気分が高揚する様になった)
80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:33:48.88 ID:eHnCRoJO0
雪華邸裏門付近
ジュン「雪華ああああ! 許さないからなぁぁぁ!」
雪華綺晶のすけ「お願いだから静かにして」
ジュン「ハァ……ハァ……」
雪華綺晶のすけ「(どう出てくるか……)」
ジュン「桜田流の剣術を見ろ!」
雪華綺晶のすけ「!」
ジュン「せぇぇい!」
キィィィンッ!
ジュン「受け止めるとは流石!」
雪華綺晶のすけ「……」
81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:35:24.03 ID:eHnCRoJO0
ジュン「せいっ! はぁっ!」
キンッ、カァンッ
ジュン「やるな雪華綺晶。でも、こっちもまだまだいくぞ!」
雪華綺晶のすけ「(…………)」
チィィィンッ!
ジュン「まだ受け止めるかっ! ならこれでどうだ!」
雪華綺晶のすけ「あまりに…………弱すぎます」
ビュゥゥゥンッ!
ジュン「うはひぃぃっ!」
雪華綺晶のすけ「さっきから何ですか。この目に余る酷さは」
ジュン「何だとぉ、こっちは本気だぞ!」
雪華綺晶のすけ「(そう言えばさっき桜田流がどうとか……)」
ジュン「何だよその目は……」
83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:37:30.32 ID:eHnCRoJO0
雪華綺晶のすけ「まさか、桜田流とはあの桜田流なのですか?」
ジュン「あの、って何だよ。桜田流は僕だけが持つ剣術だぞ」
雪華綺晶のすけ「ふふふ……やはりあの、あの桜田……」
ジュン「何がおかしいんだよ雪華あぁぁぁぁぁー!」
雪華綺晶のすけ「日本一弱い、迷惑だから名前を変えろ……」
ジュン「うっ……」
雪華綺晶のすけ「その噂は私の耳にまで届くほど」
ジュン「うるさいっ! 桜田流をバカにするな!」
雪華綺晶のすけ「たしか創始者の名前は……」
ジュン「桜田のり、僕の姉ちゃんだ」
84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:40:02.86 ID:eHnCRoJO0
雪華綺晶のすけ「へぇ……」
ジュン「姉ちゃんはろくに刀も触った事無いくせに……僕が真☆紅藩の藩士になるからっていう理由で、この剣術を編み出したんだ」
雪華綺晶のすけ「その結果がこれですか」
ジュン「名前は立派だから箔がつくなんて言ってな……」
雪華綺晶のすけ「それは可哀想に……クスクス……」
ジュン「笑うなっ!」
雪華綺晶「!」
ジュン「姉ちゃんはなぁ……僕を思って、僕の為に一生懸命考えてくれたんだ」
雪華綺晶のすけ「……」
ジュン「だから僕はこの桜田流で、誰にも負けないと姉ちゃんに誓った」
雪華綺晶のすけ「今まさに負けそうですけどね」
ジュン「まだだっ! 僕は桜田流を創った姉ちゃんの誇りも、真紅の思いも壊さない!」
85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:42:36.38 ID:eHnCRoJO0
雪華綺晶のすけ「格好をつけて……可哀想な人」
ジュン「哀れむな雪華あああああああ!」
ダダダダッ!
ジュン「覚悟しろぉ!」
雪華綺晶のすけ「それ」
ガギィィィンッ!
雪華綺晶のすけ「(太刀筋が変わった……さっきより防ぎ辛い……?)」
ジュン「一の太刀が駄目なら二の太刀だ!」
雪華綺晶のすけ「てい」
チュインッ!
雪華綺晶のすけ「(中々の強さ! 才能はあったようね……)」
86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:44:49.98 ID:eHnCRoJO0
ジャリッ
雪華綺晶のすけ「それだけに……実に惜しい」
ビュウンッ!
ジュン「受け止めてみせる!」
ガギィィンッ!
ジュン「よしっ!」
雪華綺晶のすけ「(今の手応え……もしかして)」
ポロッ
ジュン「か、刀が……」
雪華綺晶のすけ「……ニヤリ」
ジュン「折れたあああ! 雪華あああああああ!」
87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:46:10.71 ID:eHnCRoJO0
ジュン「やば、やば」
雪華綺晶のすけ「先程までの威勢はどうしました」
ビュンッ! ビュンッ!
ジュン「ちょっと待て! 休憩だ休憩!」
雪華綺晶のすけ「待った無しです」
ビュウンッ!
ジュン「ひぃぃぃぃ」
雪華綺晶のすけ「逃げるな!」
ジュン「(やっぱり無理だ……家に帰って春画でも眺めてた方が……)」
雪華綺晶のすけ「何の力も無いくせに私に刃向かうのがそもそもの間違い」
ジュン「(何の力も無い、か。確かにそうだ……せめて刀が人工精霊刀なら何とかなったかもな……)」
雪華綺晶のすけ「追い詰めましたよ」
88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:50:03.43 ID:eHnCRoJO0
ジュン「(ああ……走馬灯が駆け巡る……)」
――姉ちゃん、本当にこの刀貰っていいの?
――うん、遠慮しなくていいからね。
――この刀はねぇ……
ジュン「(この刀は……この……)」
雪華綺晶「貰ったぁ!」
――ジュンくんならきっと神業級の職人になれるわよぅ。この刀は……
ジュン「この刀は…………『真回守徒炉(マエストロ)』!」
ガキィィィィンッ!
雪華綺晶のすけ「刀が……直った!?」
89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:51:05.11 ID:eHnCRoJO0
ジュン「この刀は人工精霊刀だったのか…………多分」
雪華綺晶のすけ「ちっ!」
ジュン「(もう一撃、受け止める!)」
ガギッ! ボキィッ
ジュン「また折れた!」
雪華綺晶のすけ「今度こそ」
キンッ!
ジュン「直った! これ何度でも直るぞ!」
雪華綺晶のすけ「これは……折れても折れても再生する刀なの?」
ジュン「何度でも再生する刀……真回守徒炉」
雪華綺晶のすけ「面白いわ。色んな意味で」
ジュン「この刀……一応凄いけどさ……」
90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:53:13.53 ID:eHnCRoJO0
ジュン「結局弱いじゃないか! 雪華あああぁぁー!」
雪華綺晶のすけ「私に言われても……お姉さんに言ったらどうですか」
ジュン「普通は絶対折れない刀とかだろう……何だよ折れても直るとか……」
雪華綺晶のすけ「……隙あり」
シュバアッ! ポキーンッ
ジュン「またいった!」
雪華綺晶のすけ「折れるのが癖になってきていますね」
ジュン「(これはもう……)」
91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:54:50.57 ID:QxqWjFuoO
使えねえ……
92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:55:12.02 ID:5z9wABu70
不覚にもちょっとワロタ
93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:55:22.09 ID:eHnCRoJO0
雪華綺晶のすけ「あ、待ちなさい!」
ジュン「逃げるしかない……皆に倒してもらおう!」
雪華綺晶のすけ「この臆病者」
ジュン「うるさいっ! …………ん、あれは……金糸雀!」
金糸雀「ジュンー! 今すぐしゃがんでほしいかしらー!」
ジュン「ちょうど良かったー! 僕の代わりに雪華綺晶の相手をしてくれー!」
ゴガアァァァァァンッ!
ジュン「あがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
金糸雀「重ね重ねごめんかしらー!」
95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:57:43.83 ID:eHnCRoJO0
ジュン「また刀が……そして僕も……」
雛苺「ジュンー! 大丈夫?」
雪華綺晶のすけ「まさか……彼女達は負けたのですか」
金糸雀「そんなの当然かしら! あんな奴らに負ける訳無いかしら!」
水銀燈「……」
金糸雀「別に嫌味で言ったわけじゃないかしら……元気出して水銀燈!」
水銀燈「え、ええ……」
巴「まぁとにかく、無事ならそれでいいじゃない」
雛苺「トモエの言うとおりなのー!」
ジュン「何でもいい……とにかくあいつは任せたぞ……」
みつ「ジュンジュンしっかりして! 傷は浅いよ!」
ジュン「はは……二人とも来てくれてたのか……」
金糸雀「カナと雛苺はジュンの手当てをするかしら。後の三人に雪華綺晶は任せたかしら!」
97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 02:00:27.92 ID:eHnCRoJO0
水銀燈「(名誉挽回汚名返上よぉ……見てなさぁい)」
巴「(雪華綺晶のすけ……腕前は随一との噂。試してみましょう……)」
みつ「(あぁ~ん、カナカナカナ。献身的なカナの姿も素敵よぉ~)」
雪華綺晶のすけ「三対一とは情けない……いいでしょう、どうぞご自由に」
水銀燈「随分となめてくれるじゃないのよぉ」
みつ「……よいしょ」
巴「皆伏せて!」
みつ「発射ぁぁ!」
98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 02:02:51.01 ID:eHnCRoJO0
雪華綺晶のすけ「見切った!」
ボシュンッ!
みつ「やるぅ!」
水銀燈「(導火線を斬った!?)」
巴「私が行くわ」
雛苺「トモエー! やっつけちゃうのー!」
巴「任せて雛苺!」
雪華綺晶のすけ「歯ごたえありそうね」
雛苺「あいとよトモエー!」
99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 02:03:37.63 ID:+EUtu9Pi0
みっちゃんが変態で最強すぎるwww
100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 02:05:01.13 ID:eHnCRoJO0
巴「はぁぁっ!」
雪華綺晶のすけ「くっ……中々!」
水銀燈「(ちょっとぉ……これじゃあ私の意味が無いじゃないのよぉ。何とか攻撃しないと……)」
雪華綺晶のすけ「これならどう?」
巴「まだまだっ!」
水銀燈「今よぉ雌射雌射! 食らえ雪華綺晶っ!」
シュパパパパッ!
巴「痛たたたっ!」
水銀燈「あぅっ……」
雪華綺晶のすけ「よく分からないけどこれは隙あり」
シュパァァァァンッ!
巴「あっ……」
雛苺「ト……トモエぇぇぇぇ!」
101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 02:07:24.62 ID:eHnCRoJO0
巴「うぐっ……」
雪華綺晶のすけ「直撃を回避するとは流石……」
水銀燈「待ちなさい!」
雪華綺晶のすけ「ふふ……貴女のお陰で勝つ事が出来ましたよ」
水銀燈「だから今度は私が相手よぉ。自分の失敗は自分で責任取るわ」
雪華綺晶のすけ「……ふん」
ギキィィィンッ!
水銀燈「いきなりとはやるわねぇ」
雪華綺晶のすけ「貴女にかける時間はありませんから」
みつ「巴ちゃん、これ二人に……」
巴「はい、分かりました……」
水銀燈「何してるのよぉ! さっさと逃げなさぁい!」
102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 02:10:31.81 ID:eHnCRoJO0
巴「(そろそろかな……)」
水銀燈「貴女一体何してるのよぉ! そこにいると危ないったら……」
巴「二人とも、これ!」
ポイッ
水銀燈「!」
ヂヂヂヂヂ……
雪華綺晶のすけ「!」
ヂヂ……
雪華綺晶のすけ「え、まず」
ゴォォォォォンッ!
雪華綺晶のすけ「ぎゃあああああぁぁぁ!」
水銀燈「痛あぁぁぁぁぁぁぁ!」
みつ「よしっ☆」
103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 02:12:55.27 ID:eHnCRoJO0
雪華綺晶のすけ「(直撃してしまった……息が……)」
水銀燈「…………プスプス……」
金糸雀「水銀燈から煙が出てるかしら……」
雛苺「可哀想なの……」
ジュン「今こそ本当の勝機ってやつだ」
雛苺「ジュン、もう平気なの?」
ジュン「休んだからばっちりだ! さぁ雪華綺晶のすけ、最終決着だ!」
みつ「頑張れジュンジュン!」
金糸雀「(雪華綺晶が弱った途端これ見よがしに……)」
ジュン「行くぞ雪華ああああああぁぁぁー!」
104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 02:15:42.70 ID:eHnCRoJO0
ジュン「雪華あああ! 立てえええ!」
雪華綺晶のすけ「…………貴方、恥ずかしくないの……」
ジュン「何の事だ」
雪華綺晶のすけ「相手が弱った瞬間、鬼の首でも取ったかの様に勇んで……恥ずかしくないのっ!?」
ジュン「ないっ!」
金糸雀「言い切った!」
ジュン「今のお前になら勝てる。それで僕は十分だ」
雪華綺晶のすけ「舐めないで……そこまで私は弱っていない……」
ジュン「そんな震えた足で何が出来る! 強がりは止すんだな!」
雪華綺晶のすけ「ええいっ!」
ジュン「いけぇぇ真回守徒炉ぉぉぉぉぉ!」
キンッ! ヒューン……
雪華綺晶のすけ「私の刀が……」
105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 02:17:28.34 ID:QxqWjFuoO
もうJUM帰れよwwwwwwww
106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 02:18:03.40 ID:eHnCRoJO0
ジュン「勝負あったな」
雪華綺晶のすけ「何を馬鹿な……」
ジュン「丸腰じゃ戦えない。もうお前は負けたんだ」
雪華綺晶のすけ「……認めない……」
ジュン「いや、もう終わりだ。きっちり償ってもらうぞ」
雪華綺晶のすけ「……っ」
金糸雀「ジュン……」
雛苺「…………ほんとにやるの?」
ジュン「ああ、僕はやる」
雪華綺晶のすけ「……」
ジュン「ひとまず移動だ。さっき水銀燈が戦ってた場所に行くぞ」
107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 02:20:59.55 ID:eHnCRoJO0
雪華邸之庭 中央付近
ジュン「さぁ雪華綺晶、座るんだ」
雪華綺晶のすけ「くっ……」
雛苺「トモエ、あんまり動いちゃダメなの。傷が広がっちゃうの」
巴「大丈夫よ雛苺……」
みつ「カナカナカナカナ~。カナが無事でみっちゃん満足よ~!」
金糸雀「その元気を水銀燈にも分けてあげたいかしら」
水銀燈「……節々が痛い…………」
雪華綺晶のすけ「こうなった以上、もう覚悟は出来ています。早く刀を振るいなさい」
ジュン「そう思っているのはこの場でお前一人だけだ」
雪華綺晶のすけ「え……」
ジュン「まずは四つん這いになれ」
109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 02:26:58.79 ID:eHnCRoJO0
雪華綺晶のすけ「……こう?」
ジュン「では早速……それっ!」
ガバッ! スルンッ
雪華綺晶のすけ「きゃあっ! な、何を……///」
ジュン「お尻の一つや二つでガタガタ言うな! 真紅はこれを500回引っ叩かれたんだぞ!」
雪華綺晶「まさか貴方…………いや、嫌! それだけは……」
ジュン「今頃気づいても遅い! 真紅の三倍、お尻1500叩きで沈んでもらう!」
120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 02:59:48.89 ID:eHnCRoJO0
雪華綺晶のすけ「いや、嫌! 嫌よ!」
ジュン「鼓を叩く要領で行くぞ雪華あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁー!」
雪華綺晶のすけ「いやぁぁぁぁー!」
雪華邸の中心、満月の下、雪華綺晶のすけの尻に衝撃走った。
最後に生き残ったのは、自らの正義を貫こうと進んだ真☆紅藩士。
日の出の輝きは、彼らを祝福している様でもあった。
第三試合 雪華邸裏門の戦い
○桜田ジュン ×雪華綺晶のすけ(お尻に、生まれて初めての衝撃を刻み込んだ)
122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 03:01:39.69 ID:eHnCRoJO0
かくして桜田ジュン一行は見事雪華綺晶のすけを討ち取り、君主あさの真紅のかみの無念を晴らした。
その後ジュン達は帰路につき、それぞれの場所へと戻っていった。
それから一週間後、討ち入りの参加者は真紅からの手紙によって真紅邸に召集されていた。
ジュン「真紅、尻の具合はどうだ?」
真紅「最近は布に擦れてもそれほど痛みは無いの」
金糸雀「治ってきてるかしら!」
真紅「そうね。これからもっと良くなると思うわ」
ジュン「それで今日の話というのは」
真紅「ええ……この前の討ち入りに関する事なのだけれど」
みつ「そうじゃないかなって思ってた」
真紅「実は……雪華綺晶のすけから手紙が届いたの」
ジュン「雪華綺晶のすけから……?」
123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 03:02:54.11 ID:eHnCRoJO0
雛苺「うゆ……気になるの……」
ジュン「討ち入りを幕府に報告するという内容だろう。真紅、僕達は覚悟出来てるよ」
巴「桜田君……」
ジュン「どういう理由であれ、討ち入りは裁かれる。僕達が刑に処せられるのは覚悟の上だ」
金糸雀「……かしら」
ジュン「柏葉達と水銀燈は助っ人だから僕達の様に罰を受けなくてもいい。でも僕と雛苺と金糸雀は……」
巴「桜田君、雛苺が罰を受けるなら私も受けるわ」
みつ「みっちゃんだってカナ一人に辛い思いさせないんだから!」
水銀燈「私も、逃げるなんて真似だけはしないわ」
ジュン「三人とも……」
金糸雀「皆覚悟してるかしら! さぁ真紅、手紙の内容を教えて!」
真紅「全員……勘違いをしているわ。もしそうなら、私はきっと泣いているもの」
ジュン「…………え?」
124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 03:06:40.94 ID:eHnCRoJO0
真紅「手紙の内容は、討ち入りを幕府に流す様なものでは無かったわ」
ジュン「そうなのか?」
真紅「ええ。今、読み上げるから」
真紅は静かに、そして穏やかに手紙を読み始めた。
その場に集まった一同は、真紅の言葉に聞き入った。
前略
この度の討ち入りについて、私は大変不快に思っておりました。と言いますのも、
今では私も貴女と同じ様にお尻を労わり、優しくさする日々を送らねばならなくなったからです。
趣味としていた庭の観賞も満足に出来なくなり、ただただお尻の回復を待つばかり。
正直に申し上げれば、幕府にこの事実を伝えようと何度思った事か分かりません。
しかし、三日程床に臥して、心にある変化が芽生えたのです。
自分の体が弱って初めて気づかされました。私は貴女に、随分と酷い事をしてしまった。
貴女の刃傷を、仕方ない事とは言えません。ですが、私にも少しばかりの責任はありました。
貴女が罪を受けた様に、私もまた、罪を受けたのでしょう。そう思える様になったのです。
ですから、今回の討ち入りにつきましては、手打ちという事で終わりにしたいと考えております。
私から幕府に報告するという事はいたしません。その代わり、貴女からの報告もしないで頂きたいのです。
この話、呑んでいただければ幸いです。
草々
真紅「彼女は私達の事を報告するつもりは無いらしいわね」
125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 03:09:00.86 ID:eHnCRoJO0
ジュン「だけど僕達だけ無事で済むなんていいのかな」
巴「私はいいと思う」
ジュン「柏葉……」
巴「彼女は幕府に報告しないと言っている。それを断って私達が罰を受ける事も出来るけれど」
雛苺「それだと……雪華綺晶の『思い』を捨てる事になるの」
真紅「彼女の思いを守る為にも、この要求は呑んだ方がいいわね」
ジュン「……そうだな。そういうことなら」
みつ「(ま、実際は保身だろうけどね。幕府に告げれば身の回りの調査もされるだろうし)」
金糸雀「みっちゃん?」
みつ「(何か嗅ぎ付けられちゃまずい事にでも手を出してたのかもね)」
金糸雀「みっちゃん……どうしたの?」
みつ「ん、何でも無い何でも無い!」
金糸雀「変なみっちゃん」
126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 03:11:05.45 ID:eHnCRoJO0
水銀燈「何とか一件落着かしらねぇ……」
真紅「……ねぇ皆。実はもう一つ話があるの」
ジュン「何だよ一体」
真紅「今回の事、本当に感謝しているわ。そこで、皆にしばらくの休暇をあげようと思うの」
金糸雀「お休み?」
真紅「今が大事な時期だという事は十分承知よ。でも、せめてこれくらいはさせて頂戴」
雛苺「いいの?」
真紅「私からの感謝の気持ちよ。どうか受け取って」
ジュン「……じゃあ、遠慮なく貰っちゃおうかな」
水銀燈「(家老がそれでいいのかしらぁ……)」
真紅「しばらく休んで、お互い元気な姿で再会しましょう」
127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 03:14:51.91 ID:eHnCRoJO0
ジュン「それじゃあ、僕達はそろそろ行くよ」
真紅「ええ。またね、ジュン」
ジュン「ああ。また必ず来る」
……………………
ジュン「ん~、良い天気だな」
雛苺「これからみんなどうするの?」
巴「私はまた色んな所を見て回ろうと思ってる。見たい景色もあるし」
金糸雀「みっちゃんは?」
みっちゃん「そろそろ新しい着物を作ろうと思うの。だから、その準備で忙しくなるかな」
金糸雀「じゃあ、カナはみっちゃんを手伝うかしら!」
雛苺「ヒナもトモエについて行くのー!」
水銀燈「私は……あの子の所へ行く事になるわねぇ」
ジュン「そうか……じゃあ皆とは一旦お別れだな」
128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 03:16:52.84 ID:eHnCRoJO0
巴「桜田君は?」
ジュン「僕は故郷に帰ろうと思う。姉ちゃんの顔も久しぶりに見たいし」
巴「そう……道中気をつけてね」
ジュン「ああ、柏葉も気をつけてな」
みつ「ジュンジュンの顔が見れなくなるのは寂しいな~。でも、また会えるよねっ」
ジュン「真紅と同じ。また必ず」
雛苺「ジュン、約束よ?」
金糸雀「約束かしら!」
水銀燈「せいぜい無事でいる事ね」
巴「桜田君、約束」
ジュン「分かってる。約束だ」
129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 03:21:40.73 ID:eHnCRoJO0
ジュン「それじゃ皆、達者でな!」
みつ「元気でね~」
金糸雀「さよならは言わないかしら!」
巴「またね桜田くん」
雛苺「ジュンー! 今度会うときは、一緒にうにゅー食べるのよー!」
水銀燈「それじゃ……また」
こうして、あさの真紅のかみと雪華綺晶のすけとの一連の騒動は幕を閉じた。
ジュン達は実に晴れ晴れとした面持ちでまたの再会を胸に刻み、別れを告げる。
本日は太陽輝く快晴。煌く暖かな空気に包まれたジュン達の心もまた、日輪の如く輝いていた。
終わり
131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 03:22:39.22 ID:QxqWjFuoO
乙!
132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 03:26:20.80 ID:eHnCRoJO0
こんな時間になるとは……
久しぶりに書くと中々上手くいかないと思って書き溜めておいてよかった
見てくれた人ありがとう
133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 03:27:32.88 ID:jPYRjZrk0
おっつかれ!
134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 03:37:48.96 ID:+EUtu9Pi0
乙!
137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 08:27:03.07 ID:XGCqlD5zO
今読みオワタ>>1乙
ところで…
スパンキングに目覚めたきらきーがJUMを追い回す話はまだですか
-----------------------
当ブログについて
※欄142さんありがとうです。
-----------------
お絵かき掲示板よりevisuさんありがとうです。

読み物:ローゼン
お絵かき掲示板
スタスタ
あさの真紅のかみ「覚悟ぉぉぉぉぉ!」
ズバッ!
雪華綺晶のすけ「きゃあ!」
羅腑螺素「真紅! 気でも違ったか!」
あさの真紅のかみ「この間の恨み! 今ここで晴らしてやるのだわ!」
羅腑螺素「であえであえー! あさの真紅のかみを取り押さえろー!」
雪華綺晶のすけ「私が貴女に何をしたと言うの!?」
あさの真紅のかみ「忘れたとは言わせないわ! 一昨日の事を!」
………………
3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 23:13:40.94 ID:XwpTw/TN0
一昨日 夕食時
あさの真紅のかみ「いただきます」
雪華綺晶のすけ「いただきます。ところで真紅お姉様、こんな話を聞いたのですが」
あさの真紅のかみ「何かしら」
雪華綺晶のすけ「江戸城で出される焼き魚の尻尾は、何でも高貴な茶の味がするそうですよ」
あさの真紅のかみ「!? 本当なの、それ……」
雪華綺晶のすけ「はい、嘘は申しません」
あさの真紅のかみ「本当に本当なのよね……食べるわよ」
雪華綺晶のすけ「ええ、一口でどうぞ」
パクッ
あさの真紅のかみ「…………苦いっ!」
雪華綺晶のすけ「…………頭弱っ……」
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 23:14:55.28 ID:XwpTw/TN0
あさの真紅のかみ「雪華綺晶! 騙したわね!」
雪華綺晶のすけ「いえいえ滅相も無い。あ、そうでした勘違いしていました」
あさの真紅のかみ「何ですって?」
雪華綺晶のすけ「尻尾ではなく背骨の方でした。勘違いしないようにと言われていたのに、すっかり失念していた」
あさの真紅のかみ「……信じるわよ」
雪華綺晶のすけ「何なら私の背骨も差し上げましょう。二本まとめてどうぞ」
あさの真紅のかみ「…………」
パクッ パクパクッ
あさの真紅のかみ「味がしないのだけれど……」
雪華綺晶のすけ「(本当に食べている。お姉様、貴女やっぱり)」
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 23:17:10.00 ID:XwpTw/TN0
あさの真紅のかみ「……うーん、本当なのかしらね…………うぐぅっ!」
雪華綺晶のすけ「どうなさいました?」
あさの真紅のかみ「喉…………骨が、が……」
雪華綺晶のすけ「骨が喉に引っかかったのですか。これをどうぞ」
あさの真紅のかみ「(しょ、醤油じゃないのそれ……)」
雪華綺晶のすけ「うふふ……お姉様、私はそろそろ自室に戻らさせて頂きます」
あさの真紅のかみ「待ぢなざい……ゴホッ……骨、骨」
雪華綺晶のすけ「今渡したものがあるでしょう。それで骨をお取りになってください」
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 23:21:39.70 ID:XwpTw/TN0
あさの真紅のかみ「騙じだのね……ぎらぎじょう……!」
雪華綺晶のすけ「いえいえ、貴女の頭に何も詰まっていなかったのが原因です」
あさの真紅のかみ「何でずっでぇ……」
雪華綺晶のすけ「喉に骨は詰まっても、頭に学は詰まっていない……これは傑作」
あさの真紅のかみ「ぎらぎじょうぅぅぅ……まぢなざい……ゴホッ……」
雪華綺晶のすけ「まぁ、ゆっくりお食事なさって下さい。それではお姉様」
あさの真紅のかみ「ぎらぁぁ……うおえぇぇ…………」
………………
雪華綺晶のすけ「たかだかあの程度の事で……」
あさの真紅のかみ「私にとっては大問題だわ!」
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 23:24:00.84 ID:XwpTw/TN0
あさの真紅のかみ「あれから私は、骨を流す為に醤油を嫌と言う程飲んだのよ!」
雪華綺晶のすけ「……そうなのですか?」
あさの真紅のかみ「おかげで昨日一日、心ここに在らずだったわ。全ては貴女のせいで!」
雪華綺晶のすけ「ご飯をお食べになればよろしかったのでは……」
あさの真紅のかみ「え? 何ですって?」
雪華綺晶のすけ「骨が喉に詰まったときは、ご飯を丸呑みすると早く取れるのです」
あさの真紅のかみ「し、知らなかった。初耳よ……」
雪華綺晶のすけ「あんまりですよ、お姉様」
あさの真紅のかみ「う、う、うるさいわっ! やはり貴女は絶対に許せない!」
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 23:26:10.95 ID:rHop3BeM0
おー、いいね。忠臣蔵大好きよ
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 23:27:04.46 ID:XwpTw/TN0
雪華綺晶のすけ「落ち着いて下さい、今ならまだ……」
あさの真紅のかみ「でぇええい!」
スパッ!
雪華綺晶のすけ「痛っ!」
あさの真紅のかみ「とぉぉぉどぉぉぉめぇぇぇぇ!」
ガシッ!
羅腑螺素「馬鹿な真似は止しなさい! ここをどこだと思っている!」
あさの真紅のかみ「放して放して! 放してったら!」
羅腑螺素「誰か雪華綺晶を安全な場所へ!」
あさの真紅のかみ「放しなさいこの西洋かぶれ! あっ、雪華綺晶待ちなさい!」
羅腑螺素「荒縄を持って来い荒縄を! 縛り上げる荒縄を!」
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 23:30:28.43 ID:XwpTw/TN0
あさの真紅のかみ「嫌よ嫌よ! 放して頂戴! 雪華ああぁぁぁ!」
羅腑螺素「真紅落ち着きなさい! ここは殿中ですよ!」
殿中でござる! 殿中でござる!
あさの真紅のかみ「うるさいうるさいっ! それでも雪華綺晶は許せないのだわ!」
羅腑螺素「殿中でござる! 殿中でござる!」
殿中でござる 殿中でござる 殿中でござる………………
こうして、松之大廊下での刃傷は羅腑螺素の羽交い絞めと荒縄によって阻止された。
雪華綺晶のすけは僅かな切り傷を負ったのみで命に別状は無く、手向かい(反抗)をしていなかったのでお咎めも無かった。
しかし、あさの真紅のかみはそうもいかない。
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 23:36:27.62 ID:XwpTw/TN0
あさの真紅のかみ「はい……私がやりました……」
あさの真紅のかみは今回の殿中刃傷の責任を取る事となり、その日の内に幕府よりお尻500叩きの刑に処せられた。
この結果あさの真紅のかみは尻にかつて味わった事の無い深刻な損傷を受け、乗馬はおろか座って書物を読む事さえ出来なくなった。
寝たきりとなってしまったあさの真紅のかみは「早く良くなりますように」と呟きながら、お尻を優しく手で撫でる日々を送るのみ。
そして五日後、あさの真紅のかみを藩主とする真☆紅藩にこの事実が伝えられた。
ジュン「なななな、何だってぇぇぇぇぇ!?」
あさの家の家老であった桜田ジュンは、この報に対し驚きを露わにした。すぐに藩内で今回の件についての会議を行い、真☆紅藩士は一つの結論に達する。
――主君にかわり、自分達が雪華綺晶のすけを討つ(お尻1500叩き)べし。
こうして桜田ジュンを筆頭とする真☆紅藩士は、主君の無念を晴らすべく雪華邸への討ち入りを決意するのであった。
16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 23:40:13.51 ID:XwpTw/TN0
雪華邸近くの集合場所
ジュン「全員揃ったか」
雛苺「はいなの!」
金糸雀「これで全員かしら!」
水銀燈「そうみたいねぇ」
ジュン「僕を入れて四人か……驚く程の少なさだな」
金糸雀「一応、援軍の手立てはあるかしら。必要とあらばすぐに駆けつけると言っていたのよ」
ジュン「今がその必要な時だろ……」
17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 23:41:16.64 ID:ISQUEHVI0
雪華綺晶のすけ ← これ言いたかっただけだろ
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 23:45:22.99 ID:XwpTw/TN0
>>17
何故分かった
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 23:45:41.74 ID:XwpTw/TN0
水銀燈「ねぇ……どうして私がこんな事に付き合わなきゃいけないわけぇ?」
ジュン「見ての通りの人手不足だ。元藩士の水銀燈なら手伝ってくれると思ったんだよ」
水銀燈「謝礼は貰ったから一応やるけどぉ」
ジュン「期待してるから、よろしく頼むよ」
ヒソヒソ
金糸雀「大金を貰ったらしいかしら。ガメつい奴かしら~」
ヒソヒソ
雛苺「貰ったお金は病気の姉の為に使うみたいなの。えっと……めぐ、とかいう人だったのよ」
ヒソヒソ
金糸雀「ちょっと見直したかしら」
ジュン「そこ! こそこそ話してる暇があったらさっさと準備しろ!」
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 23:48:41.43 ID:XwpTw/TN0
金糸雀「準備出来たかしら!」
ジュン「よし。これから、憎き雪華綺晶のすけを討ち取りに行くぞ!」
水銀燈「(噂では雪華綺晶のすけはかなりの手練を囲っているとか……楽しみだわぁ)」
ジュン「それじゃあ、出発だ!」
雛苺「あいとー!」
金糸雀「行くかしらー!」
こうして、桜田ジュン率いる真☆紅藩士達は雪華邸へ向け出発した。
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 23:51:29.87 ID:XwpTw/TN0
ザッザッ……
水銀燈「ねぇ」
ジュン「どうした?」
水銀燈「貴方って本当にあのおばか藩主の為に討ち入りしようとか考えてるわけぇ?」
ジュン「今はね。最初はそうでも無かったけど」
水銀燈「何がきっかけでやろうと思ったのよぉ。下手すれば死ぬかもしれないのに」
ジュン「実はな……」
………………
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/21(金) 23:56:28.92 ID:XwpTw/TN0
数週間前 真紅邸
あさの真紅のかみ「ジュン……こっちよ……」
ジュン「真紅、尻の方は大丈夫なのか」
あさの真紅のかみ「相変わらずね。さすってもさすっても良くならないわ」
ジュン「これ、手拭い。必要だと思って」
あさの真紅のかみ「助かるわ……お風呂にも入れないから、ずっと濡れ手拭いで体を拭いていたところなの」
ジュン「真紅……」
あさの真紅のかみ「そんな顔しないでジュン。これくらいで済んだだけまだマシよ」
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:00:13.60 ID:eHnCRoJO0
ジュン「真紅、何かあったら言ってくれよ。出来るだけ力になるからさ」
あさの真紅のかみ「そう……ありがとう、ジュン」
ポロポロ……ポロ
あさの真紅のかみ「あれ、おかしいわね……悲しくもないのに。変な事もあるものだわ……グスッ……」
ジュン「真紅」
あさの真紅のかみ「こんな私の手を握り締めてくれるのは貴方だけよジュン」
ジュン「そんな事……」
あさの真紅のかみ「ねぇジュン。お願いがあるの」
ジュン「何だよ」
あさの真紅のかみ「雪華邸への討ち入りの事だけど……何とか思い留まってくれないかしら」
26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:04:27.02 ID:eHnCRoJO0
ジュン「それは……」
あさの真紅のかみ「皆が傷つくのは見たくないわ。貴方もただでは済まないわよ」
ジュン「もう無理だよ。皆やる気になってるから(殆ど逃げちゃったけどな)」
あさの真紅のかみ「そう……」
ジュン「ああ。これだけは出来ないよ」
あさの真紅のかみ「分かったわ。ごめんなさいね、こんな情けない藩主の為に……」
ジュン「そんな事言うなよ。真紅は体の事だけ心配してろ」
あさの真紅のかみ「ジュン、本当にありがとう。本当に…………グスッ、ヒクッ……」
ジュン「……真紅。僕からも一ついいか?」
27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:05:12.78 ID:eHnCRoJO0
ジュン「真紅の今の気持ちを聞かせてくれないか?」
あさの真紅のかみ「どうして?」
ジュン「……僕は正直、討ち入りにはそれほど賛成していなかったんだ。流れで討ち入りの指揮を取る事になったけど、正直行きたくなかった」
あさの真紅のかみ「なら……」
ジュン「でも今日の真紅を見て、気持ちが変わりかけてる」
あさの真紅のかみ「ジュン、私は」
ジュン「だから真紅の本当の気持ちを知りたいんだよ。それで、きっと決心出来ると思うから」
あさの真紅のかみ「ジュン……ジュン!」
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:07:50.76 ID:eHnCRoJO0
ポロポロポロッ
あさの真紅のかみ「私……私、悔しい! わだじ……わだじ……グスッ……スン……」
ジュン「真紅、よく言ってくれたな」
あさの真紅のかみ「悔しい……本当は、ずっと、ずっとぉ……悔しくて情けなくて……グズッ……」
ジュン「今日は決心を固める為に来たんだ。これで討ち入りに行けるよ」
あさの真紅のかみ「ジュン……ジュン……うわああぁぁぁぁぁぁん!」
ジュン「(真紅……待ってろよ)」
………………
29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:10:29.11 ID:eHnCRoJO0
水銀燈「そんな事があったのねぇ」
ジュン「ああ。普段はふざけた君主だったけど、やっぱり僕の君主に変わりなかったよ」
水銀燈「それで討ち入りを決心した訳ね。最初は反対していたけれど」
ジュン「真紅の姿を見ていると、何だかやらなきゃいけない様な気がしてな」
水銀燈「ふぅん……」
ジュン「今度お見舞いに行ってやれよ。仲良かったんだろ?」
水銀燈「昔の話よ…………まぁ、討ち入りが終わったら行ってあげてもいいかしらねぇ」
ジュン「頼むよ」
ザッザッ
金糸雀「(何か真剣な雰囲気を出してるかしら。ちょっと格好いいのが悔しいかしら)」
雛苺「金糸雀、どうしたの? お腹空いたの?」
金糸雀「雛苺じゃあるまいし、そんなわけ無いかしら!」
雛苺「? 変な金糸雀なの」
30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:12:47.71 ID:eHnCRoJO0
ザッザッ
ジュン「そういえばお前ら、ちゃんと人工精霊刀は持ってきたんだろうな」
雛苺「はいなの!」
金糸雀「当然かしら。あれがなきゃ戦いになんて来ないかしら」
水銀燈「ふん……それでも貴女達には期待してないけど。ま、私の邪魔だけはしないで頂戴よ」
雛苺「そんな事ないの! ヒナだって頑張るんだから!」
ジュン「持って来たなら安心か。皆、力を合わせて戦うんだぞ」
金糸雀「分かったかしら!」
水銀燈「せいぜい頑張りなさぁい」
雛苺「うい!」
ジュン「よし、あと少し。心して行くぞ!」
31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:15:44.05 ID:eHnCRoJO0
――――その頃、雪華邸
雪華綺晶のすけ「(もうじき真紅の部下がやってくる……ふふふ、準備をしておかねば)」
雪華綺晶のすけ「御庭番! 出てきなさい」
シュバッ シュババッ
雪華綺晶のすけ邸宅・御庭当番(雪華綺晶のすけの代わりに、庭の草花の世話をするのが主な仕事)
――通称、御庭番
翠星石「ただいま到着ですぅ!」
蒼星石「到着いたしました」
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:19:15.51 ID:eHnCRoJO0
雪華綺晶のすけ「ふふ……今日の事は分かっていますね?」
翠星石「もちろんですぅ! 今日はいつもの庭師とは違う、翠星石達の裏の顔を見せるときです!」
蒼星石「このお屋敷に入り込む不届き者を、必ず退治してみせます」
雪華綺晶のすけ「期待しています……それと」
パンパンッ!
雪華綺晶のすけ「出てきなさい。仕事を与えます」
シュバババッ!
薔薇水晶「…………こちらに」
雪華綺晶のすけ「今回は貴女にも戦ってもらいます」
薔薇水晶「……了解……」
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:22:27.06 ID:eHnCRoJO0
雪華綺晶のすけ「今からいらっしゃる方々に遠慮は必要ありません……頼みましたよ」
翠星石「もちろんですぅ! ちょちょいと捻ってやるです!」
蒼星石「久しぶりに本気で体を動かせるね。今から楽しみだなぁ」
薔薇水晶「……確かに承りました…………」
雪華綺晶のすけ「(所詮はあの真紅の部下…………刃向かった事を後悔させてあげる……)」
ジュン一行は雪華邸を目指し、雪華綺晶のすけは迎え撃つ体制を整える。
今宵の月は満月、天気は快晴。冷え込み厳しい白んだ空の下で、最後に立つは果たしてどちらか。
35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:23:05.33 ID:eHnCRoJO0
雪華邸 表門前
ジュン「皆、準備はいいな」
金糸雀「ばっちりかしら」
雛苺「万全なの!」
水銀燈「……行きましょうか」
ジュン「それぞれ武器を取れ。行くぞ!」
金糸雀「正面突破よ!」
雛苺「うい!」
ジュン「(もう少し数がいれば、表門と裏門二手からの進入も出来たけど……仕方ないな)」
36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:25:11.39 ID:eHnCRoJO0
水銀燈「行くわよぉ!」
ジュン「行くぞぉ!」
ドガァァンッ!
ジュン達、真☆紅藩藩士は表門を蹴破り雪華邸内へ侵入した。
ジュン「雪華ああああぁぁぁぁ!」
金糸雀「雪華あああ! どこかしらぁぁぁぁぁぁ!」
雛苺「雪華ぁあー! どこー! どこなのー!」
水銀燈「雪華綺晶……家臣もまとめて私が潰してあげるわぁ」
ジュン「雪華ああああああああぁぁぁぁぁー! どこだぁぁぁぁ!」
37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:26:29.05 ID:eHnCRoJO0
ジュン「雪華あああああああああー! 出て来い雪華ああああー!」
水銀燈「ちょっとうるさい! 状況が掴めないじゃないの!」
金糸雀「どうなってるかしら!? 誰もいない……」
雛苺「待ち伏せされてると思ったの……」
ジュン「どういう事なんだ雪華あああぁぁぁぁぁぁぁー! 教えろおおおお!」
水銀燈「! あれはっ!」
スタッ、スタッ
翠星石「うるさい奴らですぅ。とっとと黙りやがれです」
蒼星石「勢いだけあっても勝てはしないよ」
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:27:33.78 ID:eHnCRoJO0
水銀燈「お出ましねぇ」
金糸雀「二人組……雛苺!」
雛苺「なの!」
金糸雀「この二人はカナ達が相手をするかしら! ジュンと水銀燈は、雪華綺晶を!」
雛苺「頼んだの!」
ジュン「っ……すまない。必ず生き残るんだぞっ! 頑張れよ、金雛(かなびな)!」
金糸雀「!? 良く分かんないけど、ジュン達も無事でいるかしらっ!」
ジュン「(よし。ここは二人に任せて先を急ぐか)」
ダダダダ……
39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:28:42.65 ID:eHnCRoJO0
雛苺「ジュン達を行かしてくれるなんて優しいの」
翠星石「勘違いすんなです。それぞれの取り分は決められてるです」
蒼星石「相手したくても出来ないんだよ」
金糸雀「随分と余裕かしら。よっぽど自信があるのね」
蒼星石「当然。僕達を君達と一緒にしないでほしいな」
雛苺「言ってくれるのね」
蒼星石「ふふふ……それじゃあ始めようか。金雛さん……」
40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:30:39.14 ID:eHnCRoJO0
ダダダ……
ジュン「あの二人は大丈夫なんだろうな……」
水銀燈「さっきの名前は何だったのよぉ」
ジュン「僕が今考えたんだ。中々だったろ?」
水銀燈「まぁ、中々と言えば中々よねぇ……色んな意味が入るけどぉ」
ジュン「それよりも雪華綺晶だ! くそっ、屋敷の中にいるのか!?」
水銀燈「! あれを、あれを見なさい!」
41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:31:50.41 ID:eHnCRoJO0
ジュン「あれは…………雪華ああああああああぁぁぁぁー!」
雪華綺晶のすけ「そんなに叫ばなくても、逃げたりしません」
水銀燈「(流石に自ら姿を現すとは思わなかったわねぇ)」
ジュン「行くぞ水銀燈!」
水銀燈「え、ええ!」
シュンッ!
水銀燈「(? 今、何かが……)」
シュバババッ!
水銀燈「!」
42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:33:40.27 ID:eHnCRoJO0
薔薇水晶「はっ!」
ガキイィィィンッ!
水銀燈「こいつっ! 何て身のこなし!」
薔薇水晶「(これを受けられるとは思っていなかった……)」
ダッ、ダダンッ!
薔薇水晶「……私の獲物は貴女…………」
スタタタ……
水銀燈「はぁっ!」
ヒュウンッ!
薔薇水晶「(振り抜くまでが速い! 私の動きを見切っている!)」
水銀燈「(反応が良い! 動きを読まれても攻撃をかわせるだけの技術がある!)」
43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:35:06.67 ID:eHnCRoJO0
ジュン「水銀燈! そいつは任せたぞ!」
水銀燈「ええ! 貴方は雪華綺晶を叩きなさい!」
ザリッザリッ……
薔薇水晶「……楽しい…………」
タタンッ、タタンッ……
水銀燈「(雪華綺晶と戦えないのは残念だけど……こっちも随分と楽しめそうだわぁ……)」
ジュン「雪華綺晶っ……!」
雪華綺晶のすけ「ふふ……」
ジュン「お前を守る奴はもういない。観念するんだな!」
雪華綺晶のすけ「何を馬鹿な……私は私が守ればいい」
スラァ……
雪華綺晶のすけ「刀を抜くのは久しぶり……」
44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:37:03.87 ID:eHnCRoJO0
薔薇水晶「……雪華綺晶様…………この男も私が……」
雪華綺晶のすけ「手助けはいりません。貴女は目の前の敵に集中して」
薔薇水晶「……でも…………」
雪華綺晶のすけ「貴女の目の前にいるのは水銀燈。数々の決闘に勝利している達人」
薔薇水晶「! ……どうりで……」
雪華綺晶のすけ「私達は彼女達の邪魔にならない様、移動しましょうか」
ジュン「一対一か。望むところだ!」
雪華綺晶のすけ「それでは薔薇水晶。勝利の報告を待っています」
ジュン「水銀燈、死ぬんじゃないぞっ! 待ってるからな!」
ダダダダダッ……
47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:41:05.96 ID:eHnCRoJO0
雪華綺晶のすけ「ここら辺でいいでしょう」
ジュン「広い庭で助かったよ」
雪華綺晶のすけ「ええ、自慢の庭です」
ジュン「……覚悟はいいな、雪華綺晶」
雪華綺晶のすけ「もとより……貴方は?」
ジュン「……もとより、だっ! 雪華あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁー!」
雪華綺晶のすけ「(見ていなさい真紅。貴方の大切な家臣を奪い、お尻の傷をさらにえぐってあげるわ!)」
ジュン「(まずは先手必勝で行く! 桜田流の剣道、見せ付けてやる!)」
三分割された庭で、それぞれの戦いが始まる。
金雛 対 翠星石&蒼星石
水銀燈 対 薔薇水晶
桜田ジュン 対 雪華綺晶のすけ
空と月の白銀は、彼らの刃を表している様にも見えた。
48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:43:20.47 ID:eHnCRoJO0
水銀燈戦闘開始より少し前 雪華邸表門付近
金糸雀「雛苺っ!」
雛苺「うい!」
蒼星石「連携か。翠星石、こっちも行くよ」
翠星石「分かったですぅ」
金糸雀「さぁ、カナの愛刀『扉智火亜兎(ピチカート)』のさびになるかしら!」
翠星石「それっ、いくですぅ!」
雛苺「……これは霧なの、霧が出来てるのー!」
金糸雀「(霧!? それもこの辺りだけ……こんなのおかしいかしら!)」
雛苺「どんどん濃くなっていくのよー」
蒼星石「ふふ……今の君達に僕の姿が見えるかい?」
金糸雀「ど、どこから話してるかしら!」
雛苺「霧が濃くて何も見えないの……」
49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:46:46.64 ID:eHnCRoJO0
翠星石「これが翠星石の愛刀『水土里囲霧(スィドリーム)』の力です。刀身から出る霧は辺りを包んで、消える事は無いですぅ」
雛苺「だ、だ、大ピンチなの!」
金糸雀「人工精霊刀を持ってるのはカナ達だけだと思ってたかしら! だから余裕ぶっこいてたのに……」
蒼星石「一気に形勢はこちら側に傾いたわけだ。僕には君達の位置が分かるからね」
雛苺「声だけ聞こえてきて、何だか気持ち悪いの」
金糸雀「むむむ……これはカナも全力で行くしかないかしら!」
蒼星石「そろそろ攻撃させてもらうよ。悪く思わないでね」
雛苺「金糸雀! 来るのよ!」
金糸雀「(扉智火亜兎……頑張るかしら)」
蒼星石「(あの黄色いのは僕の存在に気づいていない。いける!)」
50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:49:48.12 ID:eHnCRoJO0
ジャリッ
蒼星石「(僕の勝ちだ!)」
キィィンッ!
金糸雀「た、助かったかしら」
蒼星石「受け止めただって!?」
翠星石「(あいつ等に蒼星石の姿は見えんはずですぅ! なのにどうして……)」
金糸雀「つばぜり合いなら負けないかしら~!」
ギチ、ギチギチ……
蒼星石「どうして……僕の攻撃を受け止められたんだい?」
雛苺「金糸雀ー! どこにいるか分からないけど頑張るのー! あいとよー!」
金糸雀「カナには誰がどこにいるのかくらい分かるかしら!」
蒼星石「ちっ!」
51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:51:20.75 ID:QxqWjFuoO
これが噂のローゼンメ江戸ンか……
52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:51:46.03 ID:eHnCRoJO0
金糸雀「逃がさないかしら!」
蒼星石「(正確に追ってくる。彼女は『人工精霊刀を持ってるのはカナ達だけ』と言っていたから、刀の力によるものか)」
翠星石「(翠星石のところにあの黄色いのはこないです。てことは……)」
蒼星石「君の刀の力はもしかして、音を探るとかだったりするの?」
金糸雀「あ、よく分かったかしら。私の扉智火亜兎は、ほんの小さな音でも聞き取る事が出来るかしら!」
蒼星石「(なるほど。だから誰がどこにいるかくらいは分かる、か……)」
雛苺「金糸雀! それ言っちゃ駄目なの! 秘密なのー!」
金糸雀「しまったかしら! やっぱり今の無し! 嘘、嘘かしら!」
蒼星石「なるべく音を立てずに行くことにするよ」
金糸雀「カナの刀、本当は今の時間が正確に分かるっていう力で……」
蒼星石「貰った!」
53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:53:58.36 ID:eHnCRoJO0
金糸雀「ひぃぃぃ! ひなっ、雛苺! 助けるかしら!」
雛苺「ういっ! 辺里苺辺留(ベリーベル)!」
ワサワサワサ……
蒼星石「(足元に大量の苺わだち……これがあのチビちゃんの刀の……)」
雛苺「この苺わだちに触れると、それがヒナにぶるぶるって伝わってくるの」
ワサワサ……
雛苺「これでヒナにも『誰がどこにいるか』分かるのよー」
蒼星石「(まずい……翠星石のところへ伸ばされるまでに彼女を倒したいけど、間に合わない!)」
ジャリィッ!
金糸雀「! 雛苺っ後ろっ!」
54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:55:55.12 ID:eHnCRoJO0
雛苺「うゆ?」
翠星石「貰ったですぅ!」
蒼星石「(僕と同じ事を考えて先に行動していた。さすが、僕の姉というだけはあるね)」
金糸雀「雛苺ぉー!」
雛苺「嫌あっ!」
…………
雛苺「………………うゆ?」
翠星石「だ、誰ですかお前は……」
金糸雀「雛苺とですです女の間に誰かいるかしら……」
――カナ、カナ……
金糸雀「む、遠くから声が聞こえるかしら」
「カナっ! そこから離れて!」
金糸雀「この声は……これは早速逃げるしかないかしら!」
55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:57:22.01 ID:eHnCRoJO0
金糸雀が逃げた瞬間、轟音と共に辺り一面爆風が吹き荒れる。
先程までの濃霧が綺麗に無くなってしまった。
蒼星石「ゴホッゴホッ……何だ一体!」
翠星石「痛いです……もう、何なんですかぁ!」
金糸雀「霧が晴れて……よく見えるかしら。相変わらず綺麗かしら……」
雛苺の前に立つのは一人の女の子。美しい刺繍が施された桜色の着物を着ている。
手には一本の刀。木で作られた柄には「雛」の焼印。
短く切った髪をなびかせながら真っ直ぐ前を見つめるその姿は、思わず息を呑んでしまうほど美麗。
雛苺「助けに来てくれたのねー! トゥモエー!」
足元に擦り寄る雛苺を抱き上げて笑う、彼女は巴。
56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 00:58:50.17 ID:eHnCRoJO0
巴「雛苺、大丈夫だった?」
雛苺「うん! 花丸げんきぃー!」
巴「そう、良かった」
雛苺「でもどうして助けに来てくれたの?」
巴「それはね……」
スタッ!
みつ「私が呼んだのよ」
金糸雀「みっちゃん! やっぱりさっきの爆発はみっちゃんだったかしらー!」
金糸雀の前に、法被姿にさらしを巻いた女性が一人降り立った。
手には身の丈と同じほどの巨大な筒。法被に施された「金糸雀」の刺繍は、黄金に輝いている。
彼女は草笛みつ。先程の爆撃をやってみせた、着物仕立屋兼花火職人である。
57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:00:32.04 ID:eHnCRoJO0
金糸雀「でもみっちゃん。カナ達は救援用の打ち上げ花火をまだ上げてなかったかしら」
みつ「だってぇ~、カナ達の事が心配だったんだもん」
巴「居ても立ってもいられないって言うものだから、合図を待たずに来たの」
みつ「カナ~、怪我は無い? 痛いところは?」
金糸雀「だ、大丈夫かしら……」
蒼星石「援軍か。これは僕達が相手をしても良いよね」
翠星石「これで楽しみがまた増えたです。翠星石達は運が良いですぅ」
蒼星石「翠星石、僕はあの黄色いのと法被の人をやるよ」
翠星石「じゃあ翠星石は、おばかちびちびともう一人をやるです」
みつ「黄色いの……?」
巴「おばかちびちび……?」
58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:01:58.43 ID:TNh5u1X0O
トゥモエとみっちゃんの設定いいな
着物の巴とか、それはそれは美しいだろうなぁ
60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:03:18.14 ID:eHnCRoJO0
金糸雀「(まずいかしら……みっちゃんの悪い癖が……)」
雛苺「トモエ、顔が怖いのよ」
巴「……大丈夫よ雛苺。ゆっくり休んでいていいからね」
蒼星石「それじゃ再開しようか」
金糸雀「みっちゃん、カナは相手の言う事なんて気にしてないかしら。だから……」
みつ「発射ぁ!」
ゴオォォォォォンッ!
蒼星石「ぐぅっ!」
翠星石「い、いきなりなんてずりーです!」
みつ「もう一発! 草笛みつ特製大玉花火ぃ!」
ゴオオオオォォォンッ!
蒼星石「うわぁぁっ!」
翠星石「蒼星石っ!」
61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:04:49.08 ID:eHnCRoJO0
シュバッ!
巴「貴女は私なんでしょ?」
翠星石「っ!」
キィンッ!
翠星石「(何とか後ろに回り込んで仕留めてやるですぅ! そして蒼星石を助けに……)」
巴「せえっ!」
翠星石「(刀の振りが……と、とんでもなくはえーですぅ!)」
みつ「あっはは! お祭りよぉ~!」
ドゴーンッ! ドゴーンッ!
62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:07:01.37 ID:eHnCRoJO0
蒼星石「(仕方ない、僕も人工精霊刀を使うか……)」
みつ「むむっ!? 怪しげな動き!」
蒼星石「『錬光華(レンピカ)』行くよっ!」
翠星石「蒼星石っ! 後ろですぅ!」
蒼星石「え?」
みつ「むふふ……私の花火は高いのよ。これだけ近くで見られるなんて、滅多にないんだから」
ヂヂヂヂ……
みつ「零距離花火、発射ぁ!」
ドゴォォォォォンッ!
蒼星石「ごっ」
金糸雀「た、たーまやー……かしら…………」
翠星石「蒼星石ぃ! お、お前、許さんですぅ!」
巴「よそ見しない」
翠星石「ひぃっ!」
63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:09:05.20 ID:eHnCRoJO0
翠星石「来るならきやがれです! 蒼星石一人残して逃げるわけねーですぅ!」
巴「最初から逃がすつもりなんて無いわ」
翠星石「(か、勝てる気がしねーですぅ……)」
巴「…………スー……ハー……」
翠星石「(構えながら目を閉じてやがるです! こいつは勝機ですぅ!)」
雛苺「踏み込んじゃ駄目なの!」
翠星石「へ?」
タンッ
巴「はあぁっ!」
スパァァァンッ!
翠星石「……あっ…………」
巴「御免なさいね、間合いが広くて」
雛苺「もう勝っちゃったの……」
金糸雀「カナ達はとんだ道化だったかしら……」
64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:11:18.99 ID:eHnCRoJO0
みつ「勝ったよカナ! カナ~!」
金糸雀「みっちゃん格好よかったかしら!」
巴「さ、皆のところへ行きましょう」
雛苺「あ、そうなの! 水銀燈とジュンのすけだちに行くの!」
みつ「よーし、カナ! 私張り切っちゃうからね!」
金糸雀「みっちゃんはあんまり張り切りすぎると駄目かしら」
みつ「それじゃ、皆を助けに出発!」
雛苺「はいなのー!」
第一試合 雪華邸表門の戦い
○金糸雀 ×蒼星石(全身打撲と軽症の火傷。火をみると思わず泣いてしまう様になってしまった)
○雛苺 ×翠星石(腹部にびっくりするほど重度の損傷。胃が荒れて食が細くなってしまった)
65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:11:20.79 ID:TNh5u1X0O
ミーディアム組強いな
66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:12:24.41 ID:eHnCRoJO0
ジュン戦闘開始より少し前 雪華邸之庭 中央付近
水銀燈「さて、始めましょうか。今頃あのお馬鹿さん二人も戦っているでしょうから」
薔薇水晶「…………」
水銀燈「(変な子ねぇ。何か喋りなさいよぉ)」
薔薇水晶「……」
キィンッ!
水銀燈「いきなりやってくれるじゃない!」
薔薇水晶「……もう一発……」
ガギィンッ!
水銀燈「(一撃一撃が重い。やっぱりこの子は『当たり』だったみたいねぇ)」
67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:13:10.61 ID:eHnCRoJO0
薔薇水晶「……それ…………」
ビュンッ!
水銀燈「っ!」
薔薇水晶「……まだまだ…………」
ガギィンッ! チュインッ!
水銀燈「(ちょっとぉ……押されてるじゃないのよぉ)」
薔薇水晶「…………これで終わり」
スパァァンッ!
水銀燈「ちっ!」
薔薇水晶「……惜しい…………」
水銀燈「仕方ないわね」
薔薇水晶「?」
水銀燈「おいで『雌射雌射(メイメイ)』!」
薔薇水晶「……いいな、人工精霊刀……私には無い…………」
水銀燈「(潤んだ目で見たってあげないわよぉ)」
68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:15:45.15 ID:eHnCRoJO0
水銀燈「雌射雌射、いきなさぁい」
薔薇水晶「……」
水銀燈「はぁっ!」
薔薇水晶「(羽根を飛ばした。人工精霊刀は使わない……?)」
スパッ!
薔薇水晶「これは……羽根の一枚が、何と言う切れ味……」
水銀燈「雌射雌射は私の羽根の切れ味を上げるのよぉ」
薔薇水晶「(……弱い…………)」
水銀燈「行くわよぉ!」
薔薇水晶「(ちょっと勝てる気がしてきた……)」
水銀燈「それっ!」
ビュビュンッ!
薔薇水晶「……痛い……」
水銀燈「流石に避けきれないみたいねぇ。いい気味よぉ」
70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:17:37.13 ID:eHnCRoJO0
水銀燈「勝ちは貰ったわぁ!」
ドゴォォォォン――――
金雛のところに草笛みつが光臨した瞬間であった。
水銀燈「な、何事よぉ!」
薔薇水晶「(謎の爆音だが、これは勝機)」
水銀燈「しまった……」
薔薇水晶「……殺った…………」
水銀燈「(殺られる!)」
ズバッ!
薔薇水晶「……しぶとい」
水銀燈「か、間一髪……」
71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:21:26.17 ID:eHnCRoJO0
薔薇水晶「(これで流れは完全にこちらのもの。押し切れば終わる)」
水銀燈「何よ何よぉ! 必死になっちゃって、ばっかじゃないのぉ!?」
薔薇水晶「(羽根の動きも予測できる……勝った)」
水銀燈「お、おお、お馬鹿さぁん!」
薔薇水晶「せいっ!」
カァンッ!
水銀燈「刀が!」
薔薇水晶「丸腰の貴女は恐るるに足らず……」
水銀燈「(まずい! 悔しいけど逃げるわぁ!)」
薔薇水晶「……待て」
水銀燈「ついてこないでよぉ!」
薔薇水晶「ふふふ……ふふ……」
72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:23:15.35 ID:eHnCRoJO0
水銀燈「あっ!」
ドテッ!
薔薇水晶「転ばなければ逃げられたのに……」
水銀燈「まだよ! まだ負けていないわぁ!」
――ぎんとう
水銀燈「……え?」
金糸雀「水銀燈ー! 頭抱えるかしらー!」
水銀燈「……何……?」
みつ「……発射ぁ!」
ズドォォォォォンッ!
薔薇水晶「ぎゃああっ!」
水銀燈「がああぁぁぁっ!」
金糸雀「水銀燈ー! ごめんかしらー!」
73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:25:42.72 ID:5z9wABu70
巻き添えw
74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:26:24.51 ID:QxqWjFuoO
もうみっちゃんと巴だけで勝てるんじゃね?
75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:26:42.71 ID:eHnCRoJO0
水銀燈「痛い……痛いわぁ……」
薔薇水晶「ゴホ……ゴホ……ぎ、ぎぎ……」
雛苺「トモエ!」
巴「ええ!」
薔薇水晶「…………来るなら……来い……」
巴「覚悟っ!」
シュバッ!
薔薇水晶「……回り込まれる隙を作った貴女が悪い……」
巴「何の!」
キィィンッ!
薔薇水晶「(何と言う立ち回り。出来る……)」
みつ「キャー! 巴ちゃん格好いい!」
雛苺「トモエー! きれいなのー!」
76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:28:33.52 ID:eHnCRoJO0
薔薇水晶「……断ち切る……」
巴「ふっ!」
キィンッ! ガッ、ギチ……
金糸雀「頑張るかしら!」
みつ「巴ちゃん、ゴメンね」
金糸雀「まさかみっちゃん……」
みつ「てー!」
ドゴォォォォォォンッ!
薔薇水晶「うわぁぁぁ!」
巴「まだまだっ!」
雛苺「トモエは無事なの!」
水銀燈「(あの巴とかいう子……今、炎を斬ったわよ…………)」
77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:30:09.94 ID:eHnCRoJO0
薔薇水晶「一度ならず二度まで……誇りは無いの……」
みつ「私は武士じゃなくて花火職人だから。あと仕立屋さん」
薔薇水晶「……くそ……」
雛苺「もうこんな事しちゃだめなのよ! めっ!」
ギュウウウウ……
薔薇水晶「痛い……放して」
雛苺「ほっぺが赤くなるまでだめなの!」
薔薇水晶「痛い…………」
78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:30:49.49 ID:6YeHr9SWO
みっちゃん自重www
79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:31:43.69 ID:eHnCRoJO0
金糸雀「これは決着ありと見ていいかしら」
みつ「そうね。またまた私達の勝ちよね」
水銀燈「まさか貴女達に助けられるとはねぇ……」
巴「仲間だもの…………さ、早く桜田君のところへ行きましょう」
第二試合 雪華邸之庭中央の戦い
○水銀燈 ×薔薇水晶(二度の爆撃による軽度の火傷と、頬の損傷。頬をつねられると気分が高揚する様になった)
80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:33:48.88 ID:eHnCRoJO0
雪華邸裏門付近
ジュン「雪華ああああ! 許さないからなぁぁぁ!」
雪華綺晶のすけ「お願いだから静かにして」
ジュン「ハァ……ハァ……」
雪華綺晶のすけ「(どう出てくるか……)」
ジュン「桜田流の剣術を見ろ!」
雪華綺晶のすけ「!」
ジュン「せぇぇい!」
キィィィンッ!
ジュン「受け止めるとは流石!」
雪華綺晶のすけ「……」
81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:35:24.03 ID:eHnCRoJO0
ジュン「せいっ! はぁっ!」
キンッ、カァンッ
ジュン「やるな雪華綺晶。でも、こっちもまだまだいくぞ!」
雪華綺晶のすけ「(…………)」
チィィィンッ!
ジュン「まだ受け止めるかっ! ならこれでどうだ!」
雪華綺晶のすけ「あまりに…………弱すぎます」
ビュゥゥゥンッ!
ジュン「うはひぃぃっ!」
雪華綺晶のすけ「さっきから何ですか。この目に余る酷さは」
ジュン「何だとぉ、こっちは本気だぞ!」
雪華綺晶のすけ「(そう言えばさっき桜田流がどうとか……)」
ジュン「何だよその目は……」
83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:37:30.32 ID:eHnCRoJO0
雪華綺晶のすけ「まさか、桜田流とはあの桜田流なのですか?」
ジュン「あの、って何だよ。桜田流は僕だけが持つ剣術だぞ」
雪華綺晶のすけ「ふふふ……やはりあの、あの桜田……」
ジュン「何がおかしいんだよ雪華あぁぁぁぁぁー!」
雪華綺晶のすけ「日本一弱い、迷惑だから名前を変えろ……」
ジュン「うっ……」
雪華綺晶のすけ「その噂は私の耳にまで届くほど」
ジュン「うるさいっ! 桜田流をバカにするな!」
雪華綺晶のすけ「たしか創始者の名前は……」
ジュン「桜田のり、僕の姉ちゃんだ」
84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:40:02.86 ID:eHnCRoJO0
雪華綺晶のすけ「へぇ……」
ジュン「姉ちゃんはろくに刀も触った事無いくせに……僕が真☆紅藩の藩士になるからっていう理由で、この剣術を編み出したんだ」
雪華綺晶のすけ「その結果がこれですか」
ジュン「名前は立派だから箔がつくなんて言ってな……」
雪華綺晶のすけ「それは可哀想に……クスクス……」
ジュン「笑うなっ!」
雪華綺晶「!」
ジュン「姉ちゃんはなぁ……僕を思って、僕の為に一生懸命考えてくれたんだ」
雪華綺晶のすけ「……」
ジュン「だから僕はこの桜田流で、誰にも負けないと姉ちゃんに誓った」
雪華綺晶のすけ「今まさに負けそうですけどね」
ジュン「まだだっ! 僕は桜田流を創った姉ちゃんの誇りも、真紅の思いも壊さない!」
85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:42:36.38 ID:eHnCRoJO0
雪華綺晶のすけ「格好をつけて……可哀想な人」
ジュン「哀れむな雪華あああああああ!」
ダダダダッ!
ジュン「覚悟しろぉ!」
雪華綺晶のすけ「それ」
ガギィィィンッ!
雪華綺晶のすけ「(太刀筋が変わった……さっきより防ぎ辛い……?)」
ジュン「一の太刀が駄目なら二の太刀だ!」
雪華綺晶のすけ「てい」
チュインッ!
雪華綺晶のすけ「(中々の強さ! 才能はあったようね……)」
86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:44:49.98 ID:eHnCRoJO0
ジャリッ
雪華綺晶のすけ「それだけに……実に惜しい」
ビュウンッ!
ジュン「受け止めてみせる!」
ガギィィンッ!
ジュン「よしっ!」
雪華綺晶のすけ「(今の手応え……もしかして)」
ポロッ
ジュン「か、刀が……」
雪華綺晶のすけ「……ニヤリ」
ジュン「折れたあああ! 雪華あああああああ!」
87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:46:10.71 ID:eHnCRoJO0
ジュン「やば、やば」
雪華綺晶のすけ「先程までの威勢はどうしました」
ビュンッ! ビュンッ!
ジュン「ちょっと待て! 休憩だ休憩!」
雪華綺晶のすけ「待った無しです」
ビュウンッ!
ジュン「ひぃぃぃぃ」
雪華綺晶のすけ「逃げるな!」
ジュン「(やっぱり無理だ……家に帰って春画でも眺めてた方が……)」
雪華綺晶のすけ「何の力も無いくせに私に刃向かうのがそもそもの間違い」
ジュン「(何の力も無い、か。確かにそうだ……せめて刀が人工精霊刀なら何とかなったかもな……)」
雪華綺晶のすけ「追い詰めましたよ」
88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:50:03.43 ID:eHnCRoJO0
ジュン「(ああ……走馬灯が駆け巡る……)」
――姉ちゃん、本当にこの刀貰っていいの?
――うん、遠慮しなくていいからね。
――この刀はねぇ……
ジュン「(この刀は……この……)」
雪華綺晶「貰ったぁ!」
――ジュンくんならきっと神業級の職人になれるわよぅ。この刀は……
ジュン「この刀は…………『真回守徒炉(マエストロ)』!」
ガキィィィィンッ!
雪華綺晶のすけ「刀が……直った!?」
89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:51:05.11 ID:eHnCRoJO0
ジュン「この刀は人工精霊刀だったのか…………多分」
雪華綺晶のすけ「ちっ!」
ジュン「(もう一撃、受け止める!)」
ガギッ! ボキィッ
ジュン「また折れた!」
雪華綺晶のすけ「今度こそ」
キンッ!
ジュン「直った! これ何度でも直るぞ!」
雪華綺晶のすけ「これは……折れても折れても再生する刀なの?」
ジュン「何度でも再生する刀……真回守徒炉」
雪華綺晶のすけ「面白いわ。色んな意味で」
ジュン「この刀……一応凄いけどさ……」
90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:53:13.53 ID:eHnCRoJO0
ジュン「結局弱いじゃないか! 雪華あああぁぁー!」
雪華綺晶のすけ「私に言われても……お姉さんに言ったらどうですか」
ジュン「普通は絶対折れない刀とかだろう……何だよ折れても直るとか……」
雪華綺晶のすけ「……隙あり」
シュバアッ! ポキーンッ
ジュン「またいった!」
雪華綺晶のすけ「折れるのが癖になってきていますね」
ジュン「(これはもう……)」
91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:54:50.57 ID:QxqWjFuoO
使えねえ……
92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:55:12.02 ID:5z9wABu70
不覚にもちょっとワロタ
93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:55:22.09 ID:eHnCRoJO0
雪華綺晶のすけ「あ、待ちなさい!」
ジュン「逃げるしかない……皆に倒してもらおう!」
雪華綺晶のすけ「この臆病者」
ジュン「うるさいっ! …………ん、あれは……金糸雀!」
金糸雀「ジュンー! 今すぐしゃがんでほしいかしらー!」
ジュン「ちょうど良かったー! 僕の代わりに雪華綺晶の相手をしてくれー!」
ゴガアァァァァァンッ!
ジュン「あがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
金糸雀「重ね重ねごめんかしらー!」
95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 01:57:43.83 ID:eHnCRoJO0
ジュン「また刀が……そして僕も……」
雛苺「ジュンー! 大丈夫?」
雪華綺晶のすけ「まさか……彼女達は負けたのですか」
金糸雀「そんなの当然かしら! あんな奴らに負ける訳無いかしら!」
水銀燈「……」
金糸雀「別に嫌味で言ったわけじゃないかしら……元気出して水銀燈!」
水銀燈「え、ええ……」
巴「まぁとにかく、無事ならそれでいいじゃない」
雛苺「トモエの言うとおりなのー!」
ジュン「何でもいい……とにかくあいつは任せたぞ……」
みつ「ジュンジュンしっかりして! 傷は浅いよ!」
ジュン「はは……二人とも来てくれてたのか……」
金糸雀「カナと雛苺はジュンの手当てをするかしら。後の三人に雪華綺晶は任せたかしら!」
97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 02:00:27.92 ID:eHnCRoJO0
水銀燈「(名誉挽回汚名返上よぉ……見てなさぁい)」
巴「(雪華綺晶のすけ……腕前は随一との噂。試してみましょう……)」
みつ「(あぁ~ん、カナカナカナ。献身的なカナの姿も素敵よぉ~)」
雪華綺晶のすけ「三対一とは情けない……いいでしょう、どうぞご自由に」
水銀燈「随分となめてくれるじゃないのよぉ」
みつ「……よいしょ」
巴「皆伏せて!」
みつ「発射ぁぁ!」
98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 02:02:51.01 ID:eHnCRoJO0
雪華綺晶のすけ「見切った!」
ボシュンッ!
みつ「やるぅ!」
水銀燈「(導火線を斬った!?)」
巴「私が行くわ」
雛苺「トモエー! やっつけちゃうのー!」
巴「任せて雛苺!」
雪華綺晶のすけ「歯ごたえありそうね」
雛苺「あいとよトモエー!」
99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 02:03:37.63 ID:+EUtu9Pi0
みっちゃんが変態で最強すぎるwww
100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 02:05:01.13 ID:eHnCRoJO0
巴「はぁぁっ!」
雪華綺晶のすけ「くっ……中々!」
水銀燈「(ちょっとぉ……これじゃあ私の意味が無いじゃないのよぉ。何とか攻撃しないと……)」
雪華綺晶のすけ「これならどう?」
巴「まだまだっ!」
水銀燈「今よぉ雌射雌射! 食らえ雪華綺晶っ!」
シュパパパパッ!
巴「痛たたたっ!」
水銀燈「あぅっ……」
雪華綺晶のすけ「よく分からないけどこれは隙あり」
シュパァァァァンッ!
巴「あっ……」
雛苺「ト……トモエぇぇぇぇ!」
101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 02:07:24.62 ID:eHnCRoJO0
巴「うぐっ……」
雪華綺晶のすけ「直撃を回避するとは流石……」
水銀燈「待ちなさい!」
雪華綺晶のすけ「ふふ……貴女のお陰で勝つ事が出来ましたよ」
水銀燈「だから今度は私が相手よぉ。自分の失敗は自分で責任取るわ」
雪華綺晶のすけ「……ふん」
ギキィィィンッ!
水銀燈「いきなりとはやるわねぇ」
雪華綺晶のすけ「貴女にかける時間はありませんから」
みつ「巴ちゃん、これ二人に……」
巴「はい、分かりました……」
水銀燈「何してるのよぉ! さっさと逃げなさぁい!」
102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 02:10:31.81 ID:eHnCRoJO0
巴「(そろそろかな……)」
水銀燈「貴女一体何してるのよぉ! そこにいると危ないったら……」
巴「二人とも、これ!」
ポイッ
水銀燈「!」
ヂヂヂヂヂ……
雪華綺晶のすけ「!」
ヂヂ……
雪華綺晶のすけ「え、まず」
ゴォォォォォンッ!
雪華綺晶のすけ「ぎゃあああああぁぁぁ!」
水銀燈「痛あぁぁぁぁぁぁぁ!」
みつ「よしっ☆」
103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 02:12:55.27 ID:eHnCRoJO0
雪華綺晶のすけ「(直撃してしまった……息が……)」
水銀燈「…………プスプス……」
金糸雀「水銀燈から煙が出てるかしら……」
雛苺「可哀想なの……」
ジュン「今こそ本当の勝機ってやつだ」
雛苺「ジュン、もう平気なの?」
ジュン「休んだからばっちりだ! さぁ雪華綺晶のすけ、最終決着だ!」
みつ「頑張れジュンジュン!」
金糸雀「(雪華綺晶が弱った途端これ見よがしに……)」
ジュン「行くぞ雪華ああああああぁぁぁー!」
104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 02:15:42.70 ID:eHnCRoJO0
ジュン「雪華あああ! 立てえええ!」
雪華綺晶のすけ「…………貴方、恥ずかしくないの……」
ジュン「何の事だ」
雪華綺晶のすけ「相手が弱った瞬間、鬼の首でも取ったかの様に勇んで……恥ずかしくないのっ!?」
ジュン「ないっ!」
金糸雀「言い切った!」
ジュン「今のお前になら勝てる。それで僕は十分だ」
雪華綺晶のすけ「舐めないで……そこまで私は弱っていない……」
ジュン「そんな震えた足で何が出来る! 強がりは止すんだな!」
雪華綺晶のすけ「ええいっ!」
ジュン「いけぇぇ真回守徒炉ぉぉぉぉぉ!」
キンッ! ヒューン……
雪華綺晶のすけ「私の刀が……」
105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 02:17:28.34 ID:QxqWjFuoO
もうJUM帰れよwwwwwwww
106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 02:18:03.40 ID:eHnCRoJO0
ジュン「勝負あったな」
雪華綺晶のすけ「何を馬鹿な……」
ジュン「丸腰じゃ戦えない。もうお前は負けたんだ」
雪華綺晶のすけ「……認めない……」
ジュン「いや、もう終わりだ。きっちり償ってもらうぞ」
雪華綺晶のすけ「……っ」
金糸雀「ジュン……」
雛苺「…………ほんとにやるの?」
ジュン「ああ、僕はやる」
雪華綺晶のすけ「……」
ジュン「ひとまず移動だ。さっき水銀燈が戦ってた場所に行くぞ」
107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 02:20:59.55 ID:eHnCRoJO0
雪華邸之庭 中央付近
ジュン「さぁ雪華綺晶、座るんだ」
雪華綺晶のすけ「くっ……」
雛苺「トモエ、あんまり動いちゃダメなの。傷が広がっちゃうの」
巴「大丈夫よ雛苺……」
みつ「カナカナカナカナ~。カナが無事でみっちゃん満足よ~!」
金糸雀「その元気を水銀燈にも分けてあげたいかしら」
水銀燈「……節々が痛い…………」
雪華綺晶のすけ「こうなった以上、もう覚悟は出来ています。早く刀を振るいなさい」
ジュン「そう思っているのはこの場でお前一人だけだ」
雪華綺晶のすけ「え……」
ジュン「まずは四つん這いになれ」
109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 02:26:58.79 ID:eHnCRoJO0
雪華綺晶のすけ「……こう?」
ジュン「では早速……それっ!」
ガバッ! スルンッ
雪華綺晶のすけ「きゃあっ! な、何を……///」
ジュン「お尻の一つや二つでガタガタ言うな! 真紅はこれを500回引っ叩かれたんだぞ!」
雪華綺晶「まさか貴方…………いや、嫌! それだけは……」
ジュン「今頃気づいても遅い! 真紅の三倍、お尻1500叩きで沈んでもらう!」
120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 02:59:48.89 ID:eHnCRoJO0
雪華綺晶のすけ「いや、嫌! 嫌よ!」
ジュン「鼓を叩く要領で行くぞ雪華あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁー!」
雪華綺晶のすけ「いやぁぁぁぁー!」
雪華邸の中心、満月の下、雪華綺晶のすけの尻に衝撃走った。
最後に生き残ったのは、自らの正義を貫こうと進んだ真☆紅藩士。
日の出の輝きは、彼らを祝福している様でもあった。
第三試合 雪華邸裏門の戦い
○桜田ジュン ×雪華綺晶のすけ(お尻に、生まれて初めての衝撃を刻み込んだ)
122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 03:01:39.69 ID:eHnCRoJO0
かくして桜田ジュン一行は見事雪華綺晶のすけを討ち取り、君主あさの真紅のかみの無念を晴らした。
その後ジュン達は帰路につき、それぞれの場所へと戻っていった。
それから一週間後、討ち入りの参加者は真紅からの手紙によって真紅邸に召集されていた。
ジュン「真紅、尻の具合はどうだ?」
真紅「最近は布に擦れてもそれほど痛みは無いの」
金糸雀「治ってきてるかしら!」
真紅「そうね。これからもっと良くなると思うわ」
ジュン「それで今日の話というのは」
真紅「ええ……この前の討ち入りに関する事なのだけれど」
みつ「そうじゃないかなって思ってた」
真紅「実は……雪華綺晶のすけから手紙が届いたの」
ジュン「雪華綺晶のすけから……?」
123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 03:02:54.11 ID:eHnCRoJO0
雛苺「うゆ……気になるの……」
ジュン「討ち入りを幕府に報告するという内容だろう。真紅、僕達は覚悟出来てるよ」
巴「桜田君……」
ジュン「どういう理由であれ、討ち入りは裁かれる。僕達が刑に処せられるのは覚悟の上だ」
金糸雀「……かしら」
ジュン「柏葉達と水銀燈は助っ人だから僕達の様に罰を受けなくてもいい。でも僕と雛苺と金糸雀は……」
巴「桜田君、雛苺が罰を受けるなら私も受けるわ」
みつ「みっちゃんだってカナ一人に辛い思いさせないんだから!」
水銀燈「私も、逃げるなんて真似だけはしないわ」
ジュン「三人とも……」
金糸雀「皆覚悟してるかしら! さぁ真紅、手紙の内容を教えて!」
真紅「全員……勘違いをしているわ。もしそうなら、私はきっと泣いているもの」
ジュン「…………え?」
124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 03:06:40.94 ID:eHnCRoJO0
真紅「手紙の内容は、討ち入りを幕府に流す様なものでは無かったわ」
ジュン「そうなのか?」
真紅「ええ。今、読み上げるから」
真紅は静かに、そして穏やかに手紙を読み始めた。
その場に集まった一同は、真紅の言葉に聞き入った。
前略
この度の討ち入りについて、私は大変不快に思っておりました。と言いますのも、
今では私も貴女と同じ様にお尻を労わり、優しくさする日々を送らねばならなくなったからです。
趣味としていた庭の観賞も満足に出来なくなり、ただただお尻の回復を待つばかり。
正直に申し上げれば、幕府にこの事実を伝えようと何度思った事か分かりません。
しかし、三日程床に臥して、心にある変化が芽生えたのです。
自分の体が弱って初めて気づかされました。私は貴女に、随分と酷い事をしてしまった。
貴女の刃傷を、仕方ない事とは言えません。ですが、私にも少しばかりの責任はありました。
貴女が罪を受けた様に、私もまた、罪を受けたのでしょう。そう思える様になったのです。
ですから、今回の討ち入りにつきましては、手打ちという事で終わりにしたいと考えております。
私から幕府に報告するという事はいたしません。その代わり、貴女からの報告もしないで頂きたいのです。
この話、呑んでいただければ幸いです。
草々
真紅「彼女は私達の事を報告するつもりは無いらしいわね」
125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 03:09:00.86 ID:eHnCRoJO0
ジュン「だけど僕達だけ無事で済むなんていいのかな」
巴「私はいいと思う」
ジュン「柏葉……」
巴「彼女は幕府に報告しないと言っている。それを断って私達が罰を受ける事も出来るけれど」
雛苺「それだと……雪華綺晶の『思い』を捨てる事になるの」
真紅「彼女の思いを守る為にも、この要求は呑んだ方がいいわね」
ジュン「……そうだな。そういうことなら」
みつ「(ま、実際は保身だろうけどね。幕府に告げれば身の回りの調査もされるだろうし)」
金糸雀「みっちゃん?」
みつ「(何か嗅ぎ付けられちゃまずい事にでも手を出してたのかもね)」
金糸雀「みっちゃん……どうしたの?」
みつ「ん、何でも無い何でも無い!」
金糸雀「変なみっちゃん」
126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 03:11:05.45 ID:eHnCRoJO0
水銀燈「何とか一件落着かしらねぇ……」
真紅「……ねぇ皆。実はもう一つ話があるの」
ジュン「何だよ一体」
真紅「今回の事、本当に感謝しているわ。そこで、皆にしばらくの休暇をあげようと思うの」
金糸雀「お休み?」
真紅「今が大事な時期だという事は十分承知よ。でも、せめてこれくらいはさせて頂戴」
雛苺「いいの?」
真紅「私からの感謝の気持ちよ。どうか受け取って」
ジュン「……じゃあ、遠慮なく貰っちゃおうかな」
水銀燈「(家老がそれでいいのかしらぁ……)」
真紅「しばらく休んで、お互い元気な姿で再会しましょう」
127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 03:14:51.91 ID:eHnCRoJO0
ジュン「それじゃあ、僕達はそろそろ行くよ」
真紅「ええ。またね、ジュン」
ジュン「ああ。また必ず来る」
……………………
ジュン「ん~、良い天気だな」
雛苺「これからみんなどうするの?」
巴「私はまた色んな所を見て回ろうと思ってる。見たい景色もあるし」
金糸雀「みっちゃんは?」
みっちゃん「そろそろ新しい着物を作ろうと思うの。だから、その準備で忙しくなるかな」
金糸雀「じゃあ、カナはみっちゃんを手伝うかしら!」
雛苺「ヒナもトモエについて行くのー!」
水銀燈「私は……あの子の所へ行く事になるわねぇ」
ジュン「そうか……じゃあ皆とは一旦お別れだな」
128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 03:16:52.84 ID:eHnCRoJO0
巴「桜田君は?」
ジュン「僕は故郷に帰ろうと思う。姉ちゃんの顔も久しぶりに見たいし」
巴「そう……道中気をつけてね」
ジュン「ああ、柏葉も気をつけてな」
みつ「ジュンジュンの顔が見れなくなるのは寂しいな~。でも、また会えるよねっ」
ジュン「真紅と同じ。また必ず」
雛苺「ジュン、約束よ?」
金糸雀「約束かしら!」
水銀燈「せいぜい無事でいる事ね」
巴「桜田君、約束」
ジュン「分かってる。約束だ」
129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 03:21:40.73 ID:eHnCRoJO0
ジュン「それじゃ皆、達者でな!」
みつ「元気でね~」
金糸雀「さよならは言わないかしら!」
巴「またね桜田くん」
雛苺「ジュンー! 今度会うときは、一緒にうにゅー食べるのよー!」
水銀燈「それじゃ……また」
こうして、あさの真紅のかみと雪華綺晶のすけとの一連の騒動は幕を閉じた。
ジュン達は実に晴れ晴れとした面持ちでまたの再会を胸に刻み、別れを告げる。
本日は太陽輝く快晴。煌く暖かな空気に包まれたジュン達の心もまた、日輪の如く輝いていた。
終わり
131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 03:22:39.22 ID:QxqWjFuoO
乙!
132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 03:26:20.80 ID:eHnCRoJO0
こんな時間になるとは……
久しぶりに書くと中々上手くいかないと思って書き溜めておいてよかった
見てくれた人ありがとう
133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 03:27:32.88 ID:jPYRjZrk0
おっつかれ!
134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 03:37:48.96 ID:+EUtu9Pi0
乙!
137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 08:27:03.07 ID:XGCqlD5zO
今読みオワタ>>1乙
ところで…
スパンキングに目覚めたきらきーがJUMを追い回す話はまだですか
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この記事へのコメント
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名前: 通常のナナシ #-: 2008/11/23(日) 14:35: :edit1かな?
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名前: 通常のナナシ #-: 2008/11/23(日) 14:39: :editなんか良い意味でも悪い意味でも時代劇テイストだな
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名前: toraoji #-: 2008/11/23(日) 15:03: :editいいなこれww
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名前: 通常のナナシ #-: 2008/11/23(日) 15:07: :editなんか出し物調で再生された
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名前: 通常のナナシ #-: 2008/11/23(日) 15:12: :editクレしんのスペシャルのやつっぽいなwww
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名前: 通常のナナシ #-: 2008/11/23(日) 15:16: :editラプラス出番最初だけw
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名前: #-: 2008/11/23(日) 15:28: :edit>>17が全てで笑ったw
その割りに語呂が悪くて2度笑った
乙 -
名前: 通常のナナシ #-: 2008/11/23(日) 15:40: :editJUMwwwwww春画wwwwww
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名前: VIPPERな名無しさん #-: 2008/11/23(日) 15:40: :editなんぞこれwww
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名前: 通常のナナシ #-: 2008/11/23(日) 15:55: :edit年末はやっぱ忠臣蔵がアツいな
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名前: 通常のナナシ #-: 2008/11/23(日) 16:06: :edit雪華が目覚めたから許してくれたと思ってたのに・・・
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名前: 通常のナナシ #-: 2008/11/23(日) 16:31: :edit雪華=吉良からの思いつきでよくぞここまでw
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名前: 通常のナナシ #-: 2008/11/23(日) 16:37: :edit吉良だけに雪華ってか
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名前: 通常のナナシ #OARS9n6I: 2008/11/23(日) 16:43: :editJUM「一発目だ、そりゃあ!」
バチーン
雪華「いたっ!………こんなことをしてただで済むと…」
JUM「黙れ!」
バチーン
雪華「ひゃうっ」
・
・
・
JUM「これで500発目だ!真紅のかたきいいぃぃ!」
バチーン
雪華「うあっ」
雪華「…もう…止めて………」
・
・
・
JUM「1000発目だ、雪華あああぁぁ!」
バチーン
雪華「………シクシク…」
・
・
・
JUM「ハアハア……さすがに疲れたよ」
JUM「…ハアハア…これでラスト、1500発目だっ!」
JUM「ほえりゃ!」
バチーーーン
雪華「…………」
JUM「………ふぅ」
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名前: 通常のナナシ #-: 2008/11/23(日) 17:02: :edit良い。非常に面白かった。
銀魂っぽい -
名前: 通常のナナシ #-: 2008/11/23(日) 17:04: :editスレタイで大奥とかそんなんかと思った
だが面白かった! -
名前: 通常のナナシ #-: 2008/11/23(日) 17:05: :edit叩かないで撫でたい。頬をすりすりしたい。
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名前: 通常のナナシ #-: 2008/11/23(日) 18:18: :edit火を見る毎に泣いちゃう蒼石星萌え
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名前: 通常のナナシ #-: 2008/11/23(日) 18:24: :editばらすぃーは頬を抓られたら気分が高揚するなら、きらきーも・・・
と思ったが、んなこたぁなかった。 -
名前: 通常のナナシ #-: 2008/11/23(日) 19:09: :edit>火をみると思わず泣いてしまう様になってしまった
ハァハァハァハァ -
名前: 通常のナナシ #-: 2008/11/23(日) 19:12: :edit面白い。OLローゼンと同じ作者かな?
まとまりがあって完成度が高いなあ -
名前: 通常のナナシ #-: 2008/11/23(日) 19:27: :edit面白かったwwwいいねこういうの
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名前: 通常のナナシ #-: 2008/11/23(日) 21:10: :edit尻叩きっていうのがいいんだなこれが
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名前: 通常のナナシ #-: 2008/11/23(日) 22:16: :edit町中で花火使ったみつは、下手したら火付けで死刑じゃないか?
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名前: 通常のナナシ #-: 2008/11/23(日) 22:43: :editとりあえず次回作に期待
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名前: 通常のナナシ #-: 2008/11/23(日) 22:47: :editこれは面白かった
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名前: か #-: 2008/11/23(日) 23:47: :edit蒼い子の前でタバコ吸って苛めてみたい
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名前: 通常のナナシ #-: 2008/11/23(日) 23:59: :editこれはもっと評価されてもいい
最高だ -
名前: 通常のナナシ #-: 2008/11/24(月) 00:24: :edit俺の趣味ではないな
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名前: ニコニコ名無しさん #-: 2008/11/24(月) 06:11: :editちょっとまて銀様がかませいdkぁいrjんcgkfs
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名前: 通常のナナシ #-: 2008/11/25(火) 00:10: :edit良作なのに伸びないな
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名前: 通常のナナシ #-: 2008/11/25(火) 00:22: :editテーマ的にとっつきづらいからな・・・
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名前: 通常のナナシ #-: 2008/11/25(火) 12:05: :edit地味に翠が重傷なのに※欄ですら誰も気遣ってくれてない事実
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/01/19(月) 16:57: :edithjkほpくhj
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/03(火) 23:13: :edit絵が無駄にクオリティたけぇww
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名前: 通常のナナシ #-: 2013/02/26(火) 22:37: :edit
ローゼンメイデンで忠臣蔵か!
カオスSSかと思ったら凄い良作だった!
ありがとう!
あと、最後の春画に興奮した私は末期でしょうか? -
名前: 通常のナナシ #-: 2013/06/27(木) 12:50: :edit面白いじゃあないの!!

俺の妹がこんなに可愛いわけがない 黒猫 白猫Ver.