2008/10/03(金)
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 01:41:57.73 ID:Yq+9GnBa0
雪華綺晶「…………シクシク」
雪「…………メソメソ」
雪「…………ヒック」
雪「今日も一人……」
雪「寂しい、ですわぁ……クスン」
雪華綺晶「…………シクシク」
雪「…………メソメソ」
雪「…………ヒック」
雪「今日も一人……」
雪「寂しい、ですわぁ……クスン」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 01:45:13.63 ID:Yq+9GnBa0
ジュン「ん? 何だ……泣き声?」
ジ「どこから聞こえるんだろう」
雪「……シクシク。グスン」
ジ「うわああぁっ!」
ジ「パ、パソコンが真っ暗に……水銀燈の時みたいだな。泣き声はここから……?」
雪「グスン。ウゥ……」
ジ「画面の中にドールが……あれは」
雪「……ヒック。だぁれ?」
ジ「きら、きしょう……?」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 01:46:22.57 ID:Yq+9GnBa0
雪「あなたは、だぁれ?」
ジ「ぼ、僕は桜田ジュン。真紅と翠星石のミーディアムだ」
雪「真紅……紅薔薇のお姉さま……うっ」
ジ「えっ、ちょ、おい!」
雪「びえええええええぇぇん!!」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 01:48:06.70 ID:Yq+9GnBa0
五分後。
ジ「落ち着いたか?」
雪「はい……お騒がせ、しました……」
ジ(なんか調子狂うな……)
ジ「で、こんな時間にアリスゲームをしに来たのか? 真紅たちならもう寝てるけど……」
雪「違います……自分のフィールドで泣いていたら、いつの間にかここに……」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 01:51:20.05 ID:Yq+9GnBa0
ジ「ふーん。そういえば、なんで泣いてたんだ?」
雪「それは……あの、紅薔薇のお姉さまのミーディアムさん……」
ジ「長っ。ジュンでいいよ」
雪「では、ジュン様……お願いがあるのです」
雪「私とお友達になってくださいませんか?」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 01:53:01.92 ID:Yq+9GnBa0
ジ「……はあ?」
雪「ダメ、ですか……?」
ジ(くっ! 涙目の上目遣いは反則だろ……!)
ジ「どどど、どうして、急に!? だって、お前は僕たちの敵で……」
雪「敵? 私は……敵、なのですかぁ? ううぅ……」
ジ「うわわわわ! 泣くな、ストップ!」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 01:54:52.18 ID:Yq+9GnBa0
ジ「はあ……。で、敵じゃないのか? だって、前に雛苺を襲っただろ?」
雪「?」
ジ「?」
ジ(なんか変だな)
ジ「よし、一つずつ片付けていこう。まず、敵じゃないのは分かった。それで、なんで僕と友達になりたいんだ?」
雪「その……話し相手が、欲しくて」
ジ(頬を赤らめる雪華綺晶……萌え!)
雪「ご存知のとおり、私は実体がありません。nのフィールド内しか移動できないドールです」
ジ「うんうん」
雪「nのフィールドには誰もいません。唯一の話し相手は憎たらしい兎野郎だけです」
雪「来る日も来る日も兎、兎、兎……正直、もううんざりです」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 01:57:02.60 ID:Yq+9GnBa0
雪「たまに、お姉さま方が入ってこられても、私を見るなり皆さん、何故か怒り出してしまって……」
ジ(怒ってるわけじゃないと思うけど)
雪「私、何か気に触ることでもしてしまったのでしょうか?」
ジ「いや、まあ……」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 01:58:54.24 ID:Yq+9GnBa0
ジ「えーと……次! 次に行こう! 前に雛苺を襲ったのはどうしてだ?」
雪「襲った? 私が桃薔薇のお姉さまを?」
ジ「ほら。前に雛苺を頭からガブリと食べそうになったじゃないか。寸前で真紅たちが止めに入ったけど」
雪「あれは襲ったわけじゃありません!」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:00:24.60 ID:Yq+9GnBa0
雪「初めてお姉さまと接触が持てて、舞い上がってしまっただけです!」
ジ「ん?」
雪「私が作られてから早数世紀……何百年も一人きりで過ごし、ようやく、お姉さま方とお喋りできる機会に巡りあえて、嬉しさのあまりつい……」
ジ「『つい』で食べかけたのか……」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:03:00.73 ID:Yq+9GnBa0
ジ「……最後に質問。アリスゲームについて、どう思ってる?」
雪「私も早く参加したいですわ」
ジ(なっ! やっぱりこいつ……!)
雪「次はどんな遊びをするのでしょう? うふふ、待ち遠しいですわ」
ジ「……はい?」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:05:03.48 ID:Yq+9GnBa0
ジ「あー、雪華綺晶さん?」
雪「なんでしょう、ジュン様」
ジ「雪華綺晶の思い描いてる『アリスゲーム』について教えてもらいたいんだけど……」
雪「姉妹でいろいろなゲームをして遊ぶのですよね? 『ろーざみすてぃか』という賞品を貰える、と聞いていますわ」
ジ「……」
雪「ジュン様?」
ジ(そういえば、前に戦った時も……)
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:05:40.14 ID:BWS0vzbLO
きらきーは純粋だなー
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:08:43.13 ID:Yq+9GnBa0
回想。nのフィールド内。
真紅「ローズテイル!」
雪「まあ、今回は鬼ごっこですか? 負けませんよ?」
紅「黙りなさい! 花びらよ、捕えなさい!」
雪「あら、捕まってしまいましたわ。では、今度は私が鬼ですね。行きますよー」
紅「なっ……! ローズテイルの拘束をあんな簡単に……!」
雪「えいっ」
紅「ひでぶっ!」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:11:14.55 ID:drCdGjYj0
真紅よええwww
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:12:03.71 ID:1slrXUTbO
真紅弱すぎて泣ける
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:12:52.59 ID:Yq+9GnBa0
雪「うふふ。タッチですわ。また紅薔薇のお姉さまが鬼ですわね」
紅「うっ、ドレスがぼろぼろなのだわ。翠星石! 雛苺!」
翠星石「ガッテン承知ですぅ!」
雛苺「も、もう齧られたくないのよー!」
雪「あら? 皆さん鬼ですか? 困りました。逃げるのが大変そうです」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:16:17.70 ID:Yq+9GnBa0
翠「余裕こいてられるのも今のうちですぅ! すこやかにー! 伸びやかにー!」
紅「ホーリエ!」
苺「苺わだちなのー!」
ジ「熱っ! 指輪が熱い! 火傷する!」
翠「指の一本や二本でガタガタぬかすなですぅ!」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:17:18.87 ID:1slrXUTbO
ジャム死ぬwww
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:19:10.10 ID:Yq+9GnBa0
ジ「やったか!?」(←やってない)
雪「また捕まってしまいましたわ。では、今度は私が皆さんを捕まえる番ですわね」
紅「そ、そんな……」
苺「全然効いてないのー……」
雪「では、参ります(ニコッ)」
翠「あうっ!」 苺「きゃあっ!」 紅「あべしっ!」
雪「ふふふ。楽しいですわ~」
回想終了。
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:20:49.78 ID:drCdGjYj0
真紅だけ世紀末ww
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:22:20.84 ID:Yq+9GnBa0
ジ(あれは本当に遊んでたのか)
雪「ジュン様? ジュン様!」
ジ「うわあっ!」
雪「どうかされましたか?」
ジ「い、いや、なんでもない」
雪「変なジュン様」
ジ(あ、笑った。子供みたいな笑顔だな。あ、こいつって末っ子なんだっけ)
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:25:36.78 ID:1slrXUTbO
ヤバい…
一翠会のオレがきらきーにやられそうだ
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:26:31.22 ID:Yq+9GnBa0
雪「あのぅ、それでお友達には……」
ジ「あ、ああ。そういう話だったっけ。うん。まあ。いいよ、友達くらいなら」
雪「本当ですか!?」
ジ「こうやって画面越しに話すくらいしかできないけど」
雪「十分ですわ!」
ジ(ま、眩しい! なんて眩しい笑顔なんだ!)
雪「うーれしーでーすわー!」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:30:09.32 ID:Yq+9GnBa0
雪「あのあの! では、早速お話しましょう! わ、私は雪華綺晶ですっ。趣味は眼帯の薔薇を伸ばすこと。好きなものは……」
ジ「お、おいおい。もっとゆっくりでも大丈夫だって」
雪「そ、そうですか? その、私ったら取り乱してしまって……あら?」
ジ「どうした?」
雪「……邪魔が入ったみたいですわ。ごめんなさい、ジュン様。今日はもう無理みたいですわ」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:33:42.36 ID:Yq+9GnBa0
ジ「そっか。今日と同じ時間に来れば真紅たちは寝てるから」
ジ「じゃあ、また明日」
雪「はい。では、その、また明日、ですわ! ……チッ。あの似非紳士ウサギ。今日こそ鍋にしてやりますわ」
ジ「……」
ジ「……なんか、疲れた。寝よう」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:36:41.16 ID:Yq+9GnBa0
次の日。深夜。
ジ「う~ん。昨日はあんなこと言ってたけど、本当に来るのかな? 罠って可能性も……」
雪「ジュン様!」
ジ「うわっ!」
雪「お待たせしてしまって申し訳ありません。昨晩の鍋の残りを片付けていたので」
雪「さあ! お話しましょう!」
ジ(なんか……疑ってごめん)
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:40:08.43 ID:Yq+9GnBa0
それからそれから。二人の夜の密会は毎日のように続いた。
ジ「水銀燈に会ったことは?」
雪「黒薔薇のお姉さまには一度だけ……」
雪「まだ第二ドールのお姉さまには会ったことがありませんの」
ジ「あいつか。えっと、カナ、かな、……金縛り、だっけ?」
雪「昨日は蒼薔薇のお姉さまと遊びましたわ~」
ジ「ああ、だからあんなにボロボロになってたのか……」
紅「最近、ラプラスの姿を見かけないわね?」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:44:56.24 ID:Yq+9GnBa0
さらに数日後。
雪「まあ。ジュン様は服を作るのが趣味なのですか?」
ジ「趣味っていうか、昔やってただけっていうか……真紅たちが雪華綺晶と戦……遊んだあと、ボロボ……汚れたドレスを直すのも僕がやってるしね」
雪「まあ。羨ましいですわ~」
ジ(随分とコロコロ表情が変わるようになったよな~)
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:48:00.81 ID:Yq+9GnBa0
雪「あ。そろそろ空が明るくなってきましたわ。そろそろお暇させていただきますわ」
ジ「ん。もうこんな時間か」
雪「それではジュン様。また明日ですわ」
ジ「うん。またな」
ジ「ふわあ。僕も寝るか」
数字時間後。朝。
紅「のり。ジュンはまだ眠ってるの?」
翠「最近、チビ人間のやつってば、やけに起きてくるのが遅いですぅ」
苺「そうなのよ~。それにジュンったら、目の下にくまさんを作ってるのよ。ねむねむなのよ」
翠「確かに、毎日昼寝ばーっかりしてるです。ちったあ翠星石ともお喋りしたり……ゴニョゴニョ」
のり「……あのね、みんな。ジュンくんも男の子だからそっとしておいてあげて? みんなが眠ってる時しかできない『お仕事』もあるのよ?」
翠紅苺『?』
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:50:11.25 ID:Yq+9GnBa0
その晩。
紅「それじゃあ、ジュン。おやすみなさい(昼間のりの言ってたことが気になるわね)」
翠「チビ人間も早く寝るですよ(鞄の中からこっそり監視してやるですぅ!)」
苺「おやすみなさーい! なの!(うーんとお昼寝したもん! ヒナ頑張るんだから!)」
ジ「はいはい。おやすみー」
ジ「……そろそろかな」
雪「ジュン様! こんばんわ!」
ジ「こんばんわ。雪華綺晶」
翠紅苺(き、雪華綺晶~~~!?)
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:51:46.43 ID:Yq+9GnBa0
翠(な、なんでパソコンの画面に雪華綺晶が映ってるですか!? それも、なんかジュンと親しそうです!)
紅(わ、私に聞かないでちょうだい!)
苺(う~……ヒナは美味しくないのよ~)
雪「ジュン様。今日はお願いがあるんですの」
ジ「お願い?」
雪「私にドレスを作ってくれませんか?」
ジ「ドレス?」
雪「はい。昨日のジュン様のお話を聞いて、その……」
ジ「?」
雪「お姉さま方が羨ましいなぁって……」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:52:46.69 ID:Yq+9GnBa0
翠(声がよく聞こえねえです。何を話してるんですかねえ?)
紅(静かにしなさい、翠星石。あまり騒ぐとばれてしまうわ)
苺(うゆ~……ヒナは苺味じゃないのよ~)
ジ「ドレスか……でも、雪華綺晶はnのフィールドでしか動けないんだろ? こっちの世界で作ったものを着れるのか?」
雪「あ、そうでした……」
ジ「……」
雪「……クスン」
ジ「!!!!」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:54:12.54 ID:Yq+9GnBa0
ジ「待った! 泣くな! 一つ思い浮かんだ!」
雪「え……?」
ジ「僕がnのフィールドに行って作れば、お前も着れるんじゃないか?」
雪「あ……で、でも。ジュン様は紅薔薇のお姉さまのミーディアムで……」
ジ「そんなの今更だよ。それよりも、雪華綺晶のミーディアムの方が気になるな。勝手に仲良くなって怒られないかな?」
雪「それなら平気です。私にミーディアムはいませんから」
ジ「あれ? オディールは?」
雪「とっくに解消しました。あんな『雛苺、雛苺』うるさいパツ金小娘なんてこっちから願い下げです」
ジ(っていうことは、最近の戦いはミーディアムなし? マジっすか……)
翠(「泣くな」? 雪華綺晶が泣いてるんですか? 信じられねえです)
紅(よく見えないわね。もう少し近づいてみましょうか)
苺(ヒナの頭はうにゅーじゃないのよ~)
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:55:42.40 ID:Yq+9GnBa0
翠紅(あ……!)
翠「どういうことです!? ジュンがパソコンの中に入っちまったですぅ!」
紅「これは……nのフィールド? でも、何故ジュンが……」
苺「ヒナは……」
翠「ええい! さっきからうるせえです! せいやっ!」
苺「ごふっ! なの、よ……」
紅「……ダメだわ。騒いでいるうちに入り口が閉じてしまったわ。こうなってしまっては、ジュンが帰ってくるまで待つしかないわね」
翠「ジュンは帰ってこれるですか? さらわれたのかもしれんですよ……」
紅「たぶん平気よ。さっきまでの二人の雰囲気は……その、敵同士って感じではなかったわ」
苺「っていうか、恋人同士みたいだったの~」
翠紅『!!』
苺「うにゅ~……むにゃむにゃ……すぅすぅ……」
翠紅『……』
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:56:35.52 ID:Yq+9GnBa0
nのフィールド内。
雪「ようこそジュン様。私のフィールドへ」
ジ「お邪魔します。……って、工房?」
雪「はい。材料ならたっくさんありますわ」
ジ「はいはい。じゃあまず、どんなデザインがいい?」
雪「デザイン……ですか?」
ジ「そ。レースがたくさん付いてる、とか、動きやすい、とか。現物の写真なんかあればいいんだけど」
雪「あ! これがいいです!」
ジ(雑誌? どこから取り出したんだ?)
ジ「どれど……うっ!」
雪「これです!」
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:00:27.82 ID:Yq+9GnBa0
ジ(これって……ウェディングドレスじゃないか!)
ジ(確かに「白」は雪華綺晶に似合うと思うけど。さすがにこれは……)
ジ「あの、他のがいいんじゃないかと……」
雪「ダメですか……ウルッ」
ジ「オーケー。僕に任せてくれ、子猫ちゃん」
下書き中。
ジ「そういえば。僕がドレスなんか作っちゃっていいのか?」
雪「あの、ご迷惑でしたら……」
ジ「違う違う。そうじゃなくて。今、雪華綺晶が着てる服は『お父様』からもらった大事な服なんだろ? 真紅なんかちょっと触っただけで殴られたよ。なのに僕が新しい服を作るなんていいのかなぁって」
雪「……」
ジ「雪華綺晶?」
雪「これは……拾った服なんです」
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:04:09.25 ID:Yq+9GnBa0
ジ「は? 拾った服?」
雪「私はアストラル体ですから……実体のない人形の服を、お父様は作れなかったんです。生まれてからしばらくは、その、は、裸で過ごしていたんです……」
ジ(頬を染めて照れる雪華綺晶……激萌っ! つーか、ロ-ゼン! 服くらい気合で作れよ!)
ジ「……その頃に会いたかったな」
雪「はい?」
ジ「おっとつい本音が……いやいや、なんでもないよ」
雪「?」
ジ「ま、まあ、そういうことなら、遠慮なく作れるな。……っと、とりあえず全体像はこんなものか」
雪「まあ! 素晴らしいですわ!」
ジ「細かいところはあとで調整するとして……あの、最初にサイズを測っておきたいんだけど」
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:07:39.88 ID:Yq+9GnBa0
雪「? 何のサイズですか?」
ジ「だから、雪華綺晶の身長とか、す、スリーサイズ、とか……」
雪「え、あ、あの……」
雪「わ、分かりました……」
ジ「!!」
雪「こ、このままでよろしいです、か?」
ジ「あ、できれば下着姿の方が……」
雪「は、はい……」
パチッ。シュルシュル。パサッ。
ジ「じゃ、じゃあ、さっさと測るから」
雪「はい。……ジュン様」
雪「優しく、してくださいね……?」
ジ「!!?!???!?」
ジ(耐えろ! 耐えろ、僕! 負けるな理性! 雪華綺晶は僕を信頼してくれてるんだぞ!)
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:10:53.89 ID:Yq+9GnBa0
時は流れて。早朝。
ジ「あー、疲れたぁー。……ふっ。本能があれほど強敵とはな。自分の理性を褒めてやりたいよ」
紅「おかえりなさい。ジュン」
ジ「げっ! 真紅! なんでこんな時間に……」
翠「朝帰りとはいいご身分ですぅ。どこで誰とナニをしてたのか、包み隠さず吐きやがれですぅ!」
ジ「翠星石まで……」
苺「浮気は男の甲斐性なのよ~……むにゃむにゃ……」
ジ「……べ、別に何も……」
翠「嘘つくなですぅ! おめぇが雪華綺晶と一緒に話してるのを翠星石たちはばっちり見てたんですよ!」
紅「あなたがnのフィールドに入っていくところもね」
苺「ヒナは愛人の一人や二人、許してあげるのよ~……すぅすぅ……」
ジ「……」
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:13:23.61 ID:Wpe3yebF0
雛苺が何気に黒いwwwwww
度量が大きいと言うべきか
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:14:03.30 ID:Yq+9GnBa0
ジ(ダメだ……! こいつら目がマジだ!)
ジ(でも、雪華綺晶に真紅たちには黙っててくれ、ってお願いされたし……)
ジ(けどこの状況は……!)
雪「ジュン様。忘れ物です……あら?」
翠紅『雪華綺晶!』
苺「よくものこのこ現れやがったなの、この女狐! ヒナとジュンの輝かしい未来のために死んでもらうのよ!」
その他全員『!!??』
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:16:16.91 ID:3ejOOgCEO
雛www 睡眠中の包容力はどこ
いったwwwwwwwww
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:17:02.05 ID:Yq+9GnBa0
雪「あの、ジュン様。これは……」
ジ(こうなりゃヤケだ……!)
ジ「逃げるぞ、雪華綺晶! 僕をnのフィールドへ!」
雪「は、はい!」
紅「逃がさないわ! ローズテイ」
ジ「真紅! 『夏季限定くんくん浴衣人形』が一階の物置にあるぞ!」
紅「くんくん!」
バタンッ! ダダダダッ……。
ジ「まずは一人……! 次、雛苺! キッチンの戸棚の中に賞味期限が今日までのうにゅーが山積みだ!」
苺「たたた、大変なの~!」
ジ「ちょろい! 最後!」
翠「ふんっ! 翠星石にそんな姑息な手は通用せんです!」
ジ「それはどうかな……!」
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:20:03.41 ID:Yq+9GnBa0
翠「何とでも言えです! スィドリー」
ジ「愛してる! 翠星石!」
翠「ふぇぇぇえええええ!?!!??」
翠「そそそそんなことを急に言われても翠星石にも心の準備というものがというか翠星石とチチチビ人間では釣り合いが取れてないでもジ
ュジュジュジュンがどうしてもというなら特別にここ恋人に」
ジ「今のうちだ!」
雪「……はい」
ジ「なにむくれてるんだ?」
雪「……なんでもないですっ!」
ジ「よし! 早く入り口を閉じ」
翠「初デートは遊園地がいいですぅぅぅぅっ!」
ジ「うわっ! 飛び掛ってきた!」
翠「もう離れないですぅ。ジュ~ン(ハート」
ジ「……仕方ない。翠星石は連れてくしかないな」
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:22:52.52 ID:Wpe3yebF0
JUMが羨ましいな
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:23:08.11 ID:Yq+9GnBa0
工房内。
翠「ジュ~ン☆」
ジ「おーい。いい加減目を覚ませよー」
翠「やっぱり子供は三人は……はっ! こ、ここはどこですぅ!?」
雪「ようこそ、翠薔薇のお姉さま。私のフィールドへ」
翠「す、すいばら~? って、雪華綺晶! それにここは……」
ジ「だから、雪華綺晶のフィールドだって言ったろ。少し落ち着けよ。全部説明するから」
雪「では、お茶をお淹れいたします」
ジ「(説明中)……というわけだ」
翠「……はあ。にわかには信じられねえです。けど」
翠「(チラッ)あんなにニコニコして紅茶を淹れてる雪華綺晶を見ると……」
雪「~♪」
翠「……拍子抜けですぅ」
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:26:12.47 ID:Yq+9GnBa0
ジ「それじゃ、僕は一眠りしてからドレス作りを始めるから」
翠「家には戻らんのですか?」
ジ「……今戻ったら赤鬼と桃鬼に八つ裂きにされる気がする」
翠「さっきの全部嘘なんですね……」
ジ「ま、ほとぼりが冷めるまでこっちにいるよ。お前はどうするんだ?」
翠「ジュンと雪華綺晶を二人きりにするわけにはいかねーです! 翠星石も一緒にいてやるです! 感謝しやがれですぅ!」
ジ「んじゃ。おやすみー……ぐーぐー」
翠「早っ! のび太並ですぅ」
翠「まあいいです。今はこっちに用があるです……雪華綺晶!」
雪「は、はい!」
翠「翠星石を差し置いてドレスを作ってもらおうなんざあつかましいですぅ。とか、言いたいことはいろいろあるですが」
翠「まず最初に言っておくです。翠星石はお前とは『友達』にはなれないです」
雪「!!」
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:28:55.57 ID:Yq+9GnBa0
翠「翠星石たちは『姉妹』です。『友達』にはなれんですよ」
雪「え……? じゃあ……」
翠「ま。このローゼンメイデン一、可憐で優雅な翠星石が寂しがり屋の妹を可愛がってやるです。感謝するですよ?」
雪「は、はい! ありがとうございます、翠薔薇の……」
翠「不正解ですぅ! 姉妹なら呼び捨てにするです!」
雪「す、すいせ……翠姉さま……」
翠「う~ん。仕方ないから今はそれで勘弁してやるですぅ」
二時間後。
翠「で、蒼星石ったら……」
雪「まあ。私が以前お会いした時は……」
ジ「ぐーぐー」
紅「見つけたわ、雪華綺晶!」
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:32:05.23 ID:Yq+9GnBa0
雪「あ、紅薔薇のお姉さま……」
翠「んげっ! 真紅! どうしてここに!?」
紅「あら? 翠星石も一緒だったの? まあいいわ。それよりも……」
苺「ジュンを返すのよ、雪華綺晶!」
ジ「(熟睡中)んがー」
翠「ま、待つです真紅! 雪華綺晶にも事情が……!」
紅「? どうしたの翠星石。あなたが雪華綺晶を庇うなんて。……ああ、操られているのね。可哀相に。あとで助けてあげるわ。今はそれよりも……」
雪「(びくっ)」
紅「私の愚かな下僕を差し出しなさい、雪華綺晶。そうすればあなたと戦う気はないわ」
雪「……え?」
紅「まったく! 主人に嘘をつくなんて、どういうつもりかしら! なによこの『ぐんぐん人形』って! 完全にパチモンじゃない!」
苺「戸棚から黒い悪魔が飛び出したのよ~。ヒナの頭に乗っかったのよ~(涙目)」
ジ「(熟睡中)やめろ! 流しそうめんは、流しそうめんだけは……!」
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:34:33.13 ID:OGD89G3W0
何の夢だw
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:35:13.23 ID:Yq+9GnBa0
紅「躾のなっていない下僕にはお仕置きが必要だわ。さ、ジュンをよこしなさい」
雪「……嫌です!」
紅「……へえ」
雪「ジュン様は私のために嘘をついてくれました! そんなジュン様に酷いことをするなら……私がお相手しますわ!」
紅「そう。なら、始めましょう。……アリスゲームを!」
紅「ホーリエ!」 苺「ベリーベル!」
雪「くっ! 荊の鞭よ、捕まえて!」
紅「同じ技を何度もくらうわけないでしょう!」
苺「苺わだちなのよ!」
雪「きゃあっ! う、動けない……」
紅「終わりよ! ローズテイル!」
雪「ジュン様。守れなくてごめんなさ……」
ジ「(熟睡中)ひ、雛苺が巨乳に……! これはこれで……」
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:37:48.46 ID:Wpe3yebF0
ジュン最低だwwwww
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:38:02.85 ID:Yq+9GnBa0
翠「スィドリーム!」
紅苺『翠星石!?』
雪「す、翠姉さま……?」
翠「やれやれ。ぶちキレた真紅は手に負えんですぅ。防ぐのだけで一苦労です」
紅「どういうつもりかしら、翠星石? ああ、そうだったわね。あなたは……」
翠「操られてなんかねえですよ。これは翠星石の意思です」
雪「翠姉さま……」
翠「ジュンはある意味自業自得だと思うですが……妹を守るのは姉の務めです! ジュンと雪華綺晶は翠星石が守るですよ!」
紅「……そう。どういうつもりか知らないけど、立ちはだかるなら容赦しないわよ」
苺「ヒナも怒ってるのよ~!」
翠「ふふん。たまには、姉としての威厳を見せつけてやるですよ! かかってこいや、です! 妹ども!」
雪「負けません……!」
ジ「ぐーぐー……ん? なんだ? 熱っ!? 指輪が熱いっ!?」
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:41:01.74 ID:Yq+9GnBa0
ジ「うぎゃああ! 火傷する!!」
紅「あら? 起きたようね。ジュン、覚悟はできてるかしら?」
ジ「あっつ……ん? 真紅!? この指輪、お前たちのせいか!」
紅「静かにしてなさい。あなたの調教もすぐに始めるわ(ニコッ)」
ジ「こ、怖え~~」
翠「長期戦はまずいですね。今の真紅はそう簡単に止まらんですよ」
ジ「勝ち目は?」
翠「ほぼゼロです」
ジ「お前、さっき啖呵切ってなかったか?」
翠「ノリです」
翠「真紅は今まで、雪華綺晶と戦う時も手を抜いていたです。力を使いすぎないように、ジュンを気遣って全力を出していなかったです」
翠「けど、今の真紅は怒りで我を忘れている」
ジ「そんなに嫌だったか、ぐんぐん人形……」
翠「本気でキレた真紅はゴジラすら片手でなぎ払うと言われているですぅ」
106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:43:46.79 ID:Wpe3yebF0
強すぎワロタ
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:44:00.60 ID:0pRFiYLLO
起きたばっかなのにノリがいいなJUMwww
108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:44:07.01 ID:Yq+9GnBa0
翠「方法は一つ。次の一撃で勝負を決めること。全力で叩き込むです。それ以上長引けば、確実にこちらの負けです」
ジ「失敗したら……?」
翠「ジュンは見事、真紅の奴隷になるです。三角の木馬に乗って『女王様!』って叫ぶ豚野郎に調教されるです」
ジ「お前、そんな言葉どこで知った……?」
翠「パソコンの『Do・M』っていう中にいっぱい入ってたです」
ジ「うがああああああっ!」
翠「ちなみに。成功した場合は、ジュンは翠星石のペットになるです。翠星石は優しいので、毎晩首輪をつけてお散歩してあげるです」
ジ「……」
ジ「……甲乙付けがたいな」
翠雪『!?』
ドカッスカッバキッ!
翠「じょ、冗談に決まってるです! 本気にするんじゃねえですよ!」
雪「ジュン様……」
ジ「ほ、ほめんなふぁい……」
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:47:00.64 ID:Yq+9GnBa0
翠「とにかく! 絶望的な状況は変わらんです!」
ジ「……ほんの少しでも、勝率を上げる方法がある」
翠「?」
紅「話は済んだかしら? それじゃ、行くわよ……!」
ジ「迷ってる暇はない! 雪華綺晶!」
雪「はい!」
ジ「お前と契約したい!」
翠雪『!?』
翠「何を……!」
雪「……分かりました!」
ジ「頼む! 一撃で決めてくれ! 翠星石! 雪華綺晶!」
紅「お仕置きなのだわ!」
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:50:06.86 ID:Yq+9GnBa0
そして。
苺「ぶわぁぁああん! 翠星石がいじめるの~!」
翠「油断しているチビ苺がいけないんです~!」
紅「……はあ。うるさいわね」
ジ「……で? お前は何してるんだ?」
雪「ふふふ。ジュン様登り、ですわ」
ジュンの部屋にある鞄の数は、4つに増えていた。
112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:50:54.75 ID:TpsqVS6k0
何故出てきた
113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:52:37.77 ID:OGD89G3W0
実体化・・・した・・・?
114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:53:08.56 ID:Yq+9GnBa0
翠「しっかし、さっぱり分からんですぅ。どうして、雪華綺晶は実体を持てたんでしょう?」
雪「えと、私にも……」
紅「あのドレスのせいじゃないかしら」
真紅が指差す先――きょとんと首を傾げる雪華綺晶は、純白のウェディングドレスをまとっていた。
紅「ジュンと契約することで二人の間に『絆』が生まれた。そして、ジュンが自ら作ったドレスを着ることで、『絆』はさらに強くなった」
紅「『絆』による力が溢れ、雪華綺晶は実体を得た。ってところかしらね」
ジ「そんなものか?」
紅「さあ? 本当のところは私にだって分からないわ。あくまで推測よ」
翠「けど、ドレスを脱いだら実体化がとけちまうです。真紅の言っていることもあながち間違いじゃないと思うです」
苺「ヒナはみんな一緒で嬉しいのよ~」
当初は怯えていた雛苺も、だいぶ雪華綺晶に慣れたようだ。今では一緒に手紙を書いている姿もしばしば。
115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:56:01.55 ID:Yq+9GnBa0
翠「ほら、チビ人間! 手を休めるなです! さっさと翠星石のドレスも作るですよ!」
紅「あら? 次は私のドレスでしょう。ジュン。美しく仕上げるのよ」
苺「ヒナもヒナも~!」
ジ「分かった分かった。順番な。ったく」
雪「ふふふ。ジュン様はもてますわね」
ジ「こき使われてるだけだと思うけど……」
ドールズ『……はあ』
ジ「なんで揃って肩を竦めてるんだよ?」
雪華綺晶も、真紅たちにだいぶ溶け込めていた。
116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:59:04.83 ID:Yq+9GnBa0
翠「なんでもねーですよ。いいからジュンは裁縫を続けるです! 翠星石のために!」
苺「ちがーうのー! ヒナのためー!」
紅「あら? ジュン。紅茶を淹れてきて頂戴」
ジ「だー! うるさーい!!」
雪「ふふふ……」
雪「ジュン様?」
ジ「ん?」
雪「私、幸せですわ」
寂しさで泣いていた女の子はもういない。
117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 04:01:28.25 ID:Yq+9GnBa0
ジ「……そっか。よかったな」
雪「はい。……でも」
雪「このドレスを『本来の意味』で着れたら、もっと幸せになれると思いますわ?」
ジ「本来の? ……って!?」
雪「うふふ。いつかその日が来るのを、楽しみにしてますわ。ね、ジュン様?」
ジ「な、な、な……」
雪「ふふふ。ジュン様……」
雪「だーいすき、ですわ」
チュッ。
翠紅苺『あーーーーーーっ!!!!』
完
118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 04:01:52.60 ID:Wpe3yebF0
良かったぜ
乙だ
119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 04:02:33.73 ID:KhqcDk6PO
お疲れ様
120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 04:02:33.74 ID:FPOrSfuT0
乙。きらきしょーが可愛かった。
131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 04:07:42.78 ID:Yq+9GnBa0
どうも、>>1です。
自分の初SSいかがだったでしょうか? 楽しんでいただけたら幸いです。
誤解のないように言っておきますが、自分はドールたちはみんな好きです。嫌いな子はいません。
けど、出せなかったドールたちについては、ごめんなさいです。
支援してくださった方。投下のアドバイスをくれた方。最後まで付き合ってくださった方(こんなにいるとは思ってなかったw)。
みんなに感謝感謝です。
ありがとう。
それでは、この辺で。
もし新作を書いたら、またその時にでも。
ではでは。
144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 04:27:41.50 ID:0pRFiYLLO
兎が食われた事には誰も突っ込まない不思議
読み物:ローゼン
お絵かき掲示板
ジュン「ん? 何だ……泣き声?」
ジ「どこから聞こえるんだろう」
雪「……シクシク。グスン」
ジ「うわああぁっ!」
ジ「パ、パソコンが真っ暗に……水銀燈の時みたいだな。泣き声はここから……?」
雪「グスン。ウゥ……」
ジ「画面の中にドールが……あれは」
雪「……ヒック。だぁれ?」
ジ「きら、きしょう……?」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 01:46:22.57 ID:Yq+9GnBa0
雪「あなたは、だぁれ?」
ジ「ぼ、僕は桜田ジュン。真紅と翠星石のミーディアムだ」
雪「真紅……紅薔薇のお姉さま……うっ」
ジ「えっ、ちょ、おい!」
雪「びえええええええぇぇん!!」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 01:48:06.70 ID:Yq+9GnBa0
五分後。
ジ「落ち着いたか?」
雪「はい……お騒がせ、しました……」
ジ(なんか調子狂うな……)
ジ「で、こんな時間にアリスゲームをしに来たのか? 真紅たちならもう寝てるけど……」
雪「違います……自分のフィールドで泣いていたら、いつの間にかここに……」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 01:51:20.05 ID:Yq+9GnBa0
ジ「ふーん。そういえば、なんで泣いてたんだ?」
雪「それは……あの、紅薔薇のお姉さまのミーディアムさん……」
ジ「長っ。ジュンでいいよ」
雪「では、ジュン様……お願いがあるのです」
雪「私とお友達になってくださいませんか?」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 01:53:01.92 ID:Yq+9GnBa0
ジ「……はあ?」
雪「ダメ、ですか……?」
ジ(くっ! 涙目の上目遣いは反則だろ……!)
ジ「どどど、どうして、急に!? だって、お前は僕たちの敵で……」
雪「敵? 私は……敵、なのですかぁ? ううぅ……」
ジ「うわわわわ! 泣くな、ストップ!」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 01:54:52.18 ID:Yq+9GnBa0
ジ「はあ……。で、敵じゃないのか? だって、前に雛苺を襲っただろ?」
雪「?」
ジ「?」
ジ(なんか変だな)
ジ「よし、一つずつ片付けていこう。まず、敵じゃないのは分かった。それで、なんで僕と友達になりたいんだ?」
雪「その……話し相手が、欲しくて」
ジ(頬を赤らめる雪華綺晶……萌え!)
雪「ご存知のとおり、私は実体がありません。nのフィールド内しか移動できないドールです」
ジ「うんうん」
雪「nのフィールドには誰もいません。唯一の話し相手は憎たらしい兎野郎だけです」
雪「来る日も来る日も兎、兎、兎……正直、もううんざりです」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 01:57:02.60 ID:Yq+9GnBa0
雪「たまに、お姉さま方が入ってこられても、私を見るなり皆さん、何故か怒り出してしまって……」
ジ(怒ってるわけじゃないと思うけど)
雪「私、何か気に触ることでもしてしまったのでしょうか?」
ジ「いや、まあ……」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 01:58:54.24 ID:Yq+9GnBa0
ジ「えーと……次! 次に行こう! 前に雛苺を襲ったのはどうしてだ?」
雪「襲った? 私が桃薔薇のお姉さまを?」
ジ「ほら。前に雛苺を頭からガブリと食べそうになったじゃないか。寸前で真紅たちが止めに入ったけど」
雪「あれは襲ったわけじゃありません!」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:00:24.60 ID:Yq+9GnBa0
雪「初めてお姉さまと接触が持てて、舞い上がってしまっただけです!」
ジ「ん?」
雪「私が作られてから早数世紀……何百年も一人きりで過ごし、ようやく、お姉さま方とお喋りできる機会に巡りあえて、嬉しさのあまりつい……」
ジ「『つい』で食べかけたのか……」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:03:00.73 ID:Yq+9GnBa0
ジ「……最後に質問。アリスゲームについて、どう思ってる?」
雪「私も早く参加したいですわ」
ジ(なっ! やっぱりこいつ……!)
雪「次はどんな遊びをするのでしょう? うふふ、待ち遠しいですわ」
ジ「……はい?」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:05:03.48 ID:Yq+9GnBa0
ジ「あー、雪華綺晶さん?」
雪「なんでしょう、ジュン様」
ジ「雪華綺晶の思い描いてる『アリスゲーム』について教えてもらいたいんだけど……」
雪「姉妹でいろいろなゲームをして遊ぶのですよね? 『ろーざみすてぃか』という賞品を貰える、と聞いていますわ」
ジ「……」
雪「ジュン様?」
ジ(そういえば、前に戦った時も……)
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:05:40.14 ID:BWS0vzbLO
きらきーは純粋だなー
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:08:43.13 ID:Yq+9GnBa0
回想。nのフィールド内。
真紅「ローズテイル!」
雪「まあ、今回は鬼ごっこですか? 負けませんよ?」
紅「黙りなさい! 花びらよ、捕えなさい!」
雪「あら、捕まってしまいましたわ。では、今度は私が鬼ですね。行きますよー」
紅「なっ……! ローズテイルの拘束をあんな簡単に……!」
雪「えいっ」
紅「ひでぶっ!」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:11:14.55 ID:drCdGjYj0
真紅よええwww
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:12:03.71 ID:1slrXUTbO
真紅弱すぎて泣ける
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:12:52.59 ID:Yq+9GnBa0
雪「うふふ。タッチですわ。また紅薔薇のお姉さまが鬼ですわね」
紅「うっ、ドレスがぼろぼろなのだわ。翠星石! 雛苺!」
翠星石「ガッテン承知ですぅ!」
雛苺「も、もう齧られたくないのよー!」
雪「あら? 皆さん鬼ですか? 困りました。逃げるのが大変そうです」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:16:17.70 ID:Yq+9GnBa0
翠「余裕こいてられるのも今のうちですぅ! すこやかにー! 伸びやかにー!」
紅「ホーリエ!」
苺「苺わだちなのー!」
ジ「熱っ! 指輪が熱い! 火傷する!」
翠「指の一本や二本でガタガタぬかすなですぅ!」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:17:18.87 ID:1slrXUTbO
ジャム死ぬwww
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:19:10.10 ID:Yq+9GnBa0
ジ「やったか!?」(←やってない)
雪「また捕まってしまいましたわ。では、今度は私が皆さんを捕まえる番ですわね」
紅「そ、そんな……」
苺「全然効いてないのー……」
雪「では、参ります(ニコッ)」
翠「あうっ!」 苺「きゃあっ!」 紅「あべしっ!」
雪「ふふふ。楽しいですわ~」
回想終了。
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:20:49.78 ID:drCdGjYj0
真紅だけ世紀末ww
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:22:20.84 ID:Yq+9GnBa0
ジ(あれは本当に遊んでたのか)
雪「ジュン様? ジュン様!」
ジ「うわあっ!」
雪「どうかされましたか?」
ジ「い、いや、なんでもない」
雪「変なジュン様」
ジ(あ、笑った。子供みたいな笑顔だな。あ、こいつって末っ子なんだっけ)
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:25:36.78 ID:1slrXUTbO
ヤバい…
一翠会のオレがきらきーにやられそうだ
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:26:31.22 ID:Yq+9GnBa0
雪「あのぅ、それでお友達には……」
ジ「あ、ああ。そういう話だったっけ。うん。まあ。いいよ、友達くらいなら」
雪「本当ですか!?」
ジ「こうやって画面越しに話すくらいしかできないけど」
雪「十分ですわ!」
ジ(ま、眩しい! なんて眩しい笑顔なんだ!)
雪「うーれしーでーすわー!」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:30:09.32 ID:Yq+9GnBa0
雪「あのあの! では、早速お話しましょう! わ、私は雪華綺晶ですっ。趣味は眼帯の薔薇を伸ばすこと。好きなものは……」
ジ「お、おいおい。もっとゆっくりでも大丈夫だって」
雪「そ、そうですか? その、私ったら取り乱してしまって……あら?」
ジ「どうした?」
雪「……邪魔が入ったみたいですわ。ごめんなさい、ジュン様。今日はもう無理みたいですわ」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:33:42.36 ID:Yq+9GnBa0
ジ「そっか。今日と同じ時間に来れば真紅たちは寝てるから」
ジ「じゃあ、また明日」
雪「はい。では、その、また明日、ですわ! ……チッ。あの似非紳士ウサギ。今日こそ鍋にしてやりますわ」
ジ「……」
ジ「……なんか、疲れた。寝よう」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:36:41.16 ID:Yq+9GnBa0
次の日。深夜。
ジ「う~ん。昨日はあんなこと言ってたけど、本当に来るのかな? 罠って可能性も……」
雪「ジュン様!」
ジ「うわっ!」
雪「お待たせしてしまって申し訳ありません。昨晩の鍋の残りを片付けていたので」
雪「さあ! お話しましょう!」
ジ(なんか……疑ってごめん)
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:40:08.43 ID:Yq+9GnBa0
それからそれから。二人の夜の密会は毎日のように続いた。
ジ「水銀燈に会ったことは?」
雪「黒薔薇のお姉さまには一度だけ……」
雪「まだ第二ドールのお姉さまには会ったことがありませんの」
ジ「あいつか。えっと、カナ、かな、……金縛り、だっけ?」
雪「昨日は蒼薔薇のお姉さまと遊びましたわ~」
ジ「ああ、だからあんなにボロボロになってたのか……」
紅「最近、ラプラスの姿を見かけないわね?」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:44:56.24 ID:Yq+9GnBa0
さらに数日後。
雪「まあ。ジュン様は服を作るのが趣味なのですか?」
ジ「趣味っていうか、昔やってただけっていうか……真紅たちが雪華綺晶と戦……遊んだあと、ボロボ……汚れたドレスを直すのも僕がやってるしね」
雪「まあ。羨ましいですわ~」
ジ(随分とコロコロ表情が変わるようになったよな~)
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:48:00.81 ID:Yq+9GnBa0
雪「あ。そろそろ空が明るくなってきましたわ。そろそろお暇させていただきますわ」
ジ「ん。もうこんな時間か」
雪「それではジュン様。また明日ですわ」
ジ「うん。またな」
ジ「ふわあ。僕も寝るか」
数字時間後。朝。
紅「のり。ジュンはまだ眠ってるの?」
翠「最近、チビ人間のやつってば、やけに起きてくるのが遅いですぅ」
苺「そうなのよ~。それにジュンったら、目の下にくまさんを作ってるのよ。ねむねむなのよ」
翠「確かに、毎日昼寝ばーっかりしてるです。ちったあ翠星石ともお喋りしたり……ゴニョゴニョ」
のり「……あのね、みんな。ジュンくんも男の子だからそっとしておいてあげて? みんなが眠ってる時しかできない『お仕事』もあるのよ?」
翠紅苺『?』
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:50:11.25 ID:Yq+9GnBa0
その晩。
紅「それじゃあ、ジュン。おやすみなさい(昼間のりの言ってたことが気になるわね)」
翠「チビ人間も早く寝るですよ(鞄の中からこっそり監視してやるですぅ!)」
苺「おやすみなさーい! なの!(うーんとお昼寝したもん! ヒナ頑張るんだから!)」
ジ「はいはい。おやすみー」
ジ「……そろそろかな」
雪「ジュン様! こんばんわ!」
ジ「こんばんわ。雪華綺晶」
翠紅苺(き、雪華綺晶~~~!?)
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:51:46.43 ID:Yq+9GnBa0
翠(な、なんでパソコンの画面に雪華綺晶が映ってるですか!? それも、なんかジュンと親しそうです!)
紅(わ、私に聞かないでちょうだい!)
苺(う~……ヒナは美味しくないのよ~)
雪「ジュン様。今日はお願いがあるんですの」
ジ「お願い?」
雪「私にドレスを作ってくれませんか?」
ジ「ドレス?」
雪「はい。昨日のジュン様のお話を聞いて、その……」
ジ「?」
雪「お姉さま方が羨ましいなぁって……」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:52:46.69 ID:Yq+9GnBa0
翠(声がよく聞こえねえです。何を話してるんですかねえ?)
紅(静かにしなさい、翠星石。あまり騒ぐとばれてしまうわ)
苺(うゆ~……ヒナは苺味じゃないのよ~)
ジ「ドレスか……でも、雪華綺晶はnのフィールドでしか動けないんだろ? こっちの世界で作ったものを着れるのか?」
雪「あ、そうでした……」
ジ「……」
雪「……クスン」
ジ「!!!!」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:54:12.54 ID:Yq+9GnBa0
ジ「待った! 泣くな! 一つ思い浮かんだ!」
雪「え……?」
ジ「僕がnのフィールドに行って作れば、お前も着れるんじゃないか?」
雪「あ……で、でも。ジュン様は紅薔薇のお姉さまのミーディアムで……」
ジ「そんなの今更だよ。それよりも、雪華綺晶のミーディアムの方が気になるな。勝手に仲良くなって怒られないかな?」
雪「それなら平気です。私にミーディアムはいませんから」
ジ「あれ? オディールは?」
雪「とっくに解消しました。あんな『雛苺、雛苺』うるさいパツ金小娘なんてこっちから願い下げです」
ジ(っていうことは、最近の戦いはミーディアムなし? マジっすか……)
翠(「泣くな」? 雪華綺晶が泣いてるんですか? 信じられねえです)
紅(よく見えないわね。もう少し近づいてみましょうか)
苺(ヒナの頭はうにゅーじゃないのよ~)
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:55:42.40 ID:Yq+9GnBa0
翠紅(あ……!)
翠「どういうことです!? ジュンがパソコンの中に入っちまったですぅ!」
紅「これは……nのフィールド? でも、何故ジュンが……」
苺「ヒナは……」
翠「ええい! さっきからうるせえです! せいやっ!」
苺「ごふっ! なの、よ……」
紅「……ダメだわ。騒いでいるうちに入り口が閉じてしまったわ。こうなってしまっては、ジュンが帰ってくるまで待つしかないわね」
翠「ジュンは帰ってこれるですか? さらわれたのかもしれんですよ……」
紅「たぶん平気よ。さっきまでの二人の雰囲気は……その、敵同士って感じではなかったわ」
苺「っていうか、恋人同士みたいだったの~」
翠紅『!!』
苺「うにゅ~……むにゃむにゃ……すぅすぅ……」
翠紅『……』
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 02:56:35.52 ID:Yq+9GnBa0
nのフィールド内。
雪「ようこそジュン様。私のフィールドへ」
ジ「お邪魔します。……って、工房?」
雪「はい。材料ならたっくさんありますわ」
ジ「はいはい。じゃあまず、どんなデザインがいい?」
雪「デザイン……ですか?」
ジ「そ。レースがたくさん付いてる、とか、動きやすい、とか。現物の写真なんかあればいいんだけど」
雪「あ! これがいいです!」
ジ(雑誌? どこから取り出したんだ?)
ジ「どれど……うっ!」
雪「これです!」
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:00:27.82 ID:Yq+9GnBa0
ジ(これって……ウェディングドレスじゃないか!)
ジ(確かに「白」は雪華綺晶に似合うと思うけど。さすがにこれは……)
ジ「あの、他のがいいんじゃないかと……」
雪「ダメですか……ウルッ」
ジ「オーケー。僕に任せてくれ、子猫ちゃん」
下書き中。
ジ「そういえば。僕がドレスなんか作っちゃっていいのか?」
雪「あの、ご迷惑でしたら……」
ジ「違う違う。そうじゃなくて。今、雪華綺晶が着てる服は『お父様』からもらった大事な服なんだろ? 真紅なんかちょっと触っただけで殴られたよ。なのに僕が新しい服を作るなんていいのかなぁって」
雪「……」
ジ「雪華綺晶?」
雪「これは……拾った服なんです」
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:04:09.25 ID:Yq+9GnBa0
ジ「は? 拾った服?」
雪「私はアストラル体ですから……実体のない人形の服を、お父様は作れなかったんです。生まれてからしばらくは、その、は、裸で過ごしていたんです……」
ジ(頬を染めて照れる雪華綺晶……激萌っ! つーか、ロ-ゼン! 服くらい気合で作れよ!)
ジ「……その頃に会いたかったな」
雪「はい?」
ジ「おっとつい本音が……いやいや、なんでもないよ」
雪「?」
ジ「ま、まあ、そういうことなら、遠慮なく作れるな。……っと、とりあえず全体像はこんなものか」
雪「まあ! 素晴らしいですわ!」
ジ「細かいところはあとで調整するとして……あの、最初にサイズを測っておきたいんだけど」
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:07:39.88 ID:Yq+9GnBa0
雪「? 何のサイズですか?」
ジ「だから、雪華綺晶の身長とか、す、スリーサイズ、とか……」
雪「え、あ、あの……」
雪「わ、分かりました……」
ジ「!!」
雪「こ、このままでよろしいです、か?」
ジ「あ、できれば下着姿の方が……」
雪「は、はい……」
パチッ。シュルシュル。パサッ。
ジ「じゃ、じゃあ、さっさと測るから」
雪「はい。……ジュン様」
雪「優しく、してくださいね……?」
ジ「!!?!???!?」
ジ(耐えろ! 耐えろ、僕! 負けるな理性! 雪華綺晶は僕を信頼してくれてるんだぞ!)
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:10:53.89 ID:Yq+9GnBa0
時は流れて。早朝。
ジ「あー、疲れたぁー。……ふっ。本能があれほど強敵とはな。自分の理性を褒めてやりたいよ」
紅「おかえりなさい。ジュン」
ジ「げっ! 真紅! なんでこんな時間に……」
翠「朝帰りとはいいご身分ですぅ。どこで誰とナニをしてたのか、包み隠さず吐きやがれですぅ!」
ジ「翠星石まで……」
苺「浮気は男の甲斐性なのよ~……むにゃむにゃ……」
ジ「……べ、別に何も……」
翠「嘘つくなですぅ! おめぇが雪華綺晶と一緒に話してるのを翠星石たちはばっちり見てたんですよ!」
紅「あなたがnのフィールドに入っていくところもね」
苺「ヒナは愛人の一人や二人、許してあげるのよ~……すぅすぅ……」
ジ「……」
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:13:23.61 ID:Wpe3yebF0
雛苺が何気に黒いwwwwww
度量が大きいと言うべきか
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:14:03.30 ID:Yq+9GnBa0
ジ(ダメだ……! こいつら目がマジだ!)
ジ(でも、雪華綺晶に真紅たちには黙っててくれ、ってお願いされたし……)
ジ(けどこの状況は……!)
雪「ジュン様。忘れ物です……あら?」
翠紅『雪華綺晶!』
苺「よくものこのこ現れやがったなの、この女狐! ヒナとジュンの輝かしい未来のために死んでもらうのよ!」
その他全員『!!??』
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:16:16.91 ID:3ejOOgCEO
雛www 睡眠中の包容力はどこ
いったwwwwwwwww
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:17:02.05 ID:Yq+9GnBa0
雪「あの、ジュン様。これは……」
ジ(こうなりゃヤケだ……!)
ジ「逃げるぞ、雪華綺晶! 僕をnのフィールドへ!」
雪「は、はい!」
紅「逃がさないわ! ローズテイ」
ジ「真紅! 『夏季限定くんくん浴衣人形』が一階の物置にあるぞ!」
紅「くんくん!」
バタンッ! ダダダダッ……。
ジ「まずは一人……! 次、雛苺! キッチンの戸棚の中に賞味期限が今日までのうにゅーが山積みだ!」
苺「たたた、大変なの~!」
ジ「ちょろい! 最後!」
翠「ふんっ! 翠星石にそんな姑息な手は通用せんです!」
ジ「それはどうかな……!」
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:20:03.41 ID:Yq+9GnBa0
翠「何とでも言えです! スィドリー」
ジ「愛してる! 翠星石!」
翠「ふぇぇぇえええええ!?!!??」
翠「そそそそんなことを急に言われても翠星石にも心の準備というものがというか翠星石とチチチビ人間では釣り合いが取れてないでもジ
ュジュジュジュンがどうしてもというなら特別にここ恋人に」
ジ「今のうちだ!」
雪「……はい」
ジ「なにむくれてるんだ?」
雪「……なんでもないですっ!」
ジ「よし! 早く入り口を閉じ」
翠「初デートは遊園地がいいですぅぅぅぅっ!」
ジ「うわっ! 飛び掛ってきた!」
翠「もう離れないですぅ。ジュ~ン(ハート」
ジ「……仕方ない。翠星石は連れてくしかないな」
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:22:52.52 ID:Wpe3yebF0
JUMが羨ましいな
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:23:08.11 ID:Yq+9GnBa0
工房内。
翠「ジュ~ン☆」
ジ「おーい。いい加減目を覚ませよー」
翠「やっぱり子供は三人は……はっ! こ、ここはどこですぅ!?」
雪「ようこそ、翠薔薇のお姉さま。私のフィールドへ」
翠「す、すいばら~? って、雪華綺晶! それにここは……」
ジ「だから、雪華綺晶のフィールドだって言ったろ。少し落ち着けよ。全部説明するから」
雪「では、お茶をお淹れいたします」
ジ「(説明中)……というわけだ」
翠「……はあ。にわかには信じられねえです。けど」
翠「(チラッ)あんなにニコニコして紅茶を淹れてる雪華綺晶を見ると……」
雪「~♪」
翠「……拍子抜けですぅ」
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:26:12.47 ID:Yq+9GnBa0
ジ「それじゃ、僕は一眠りしてからドレス作りを始めるから」
翠「家には戻らんのですか?」
ジ「……今戻ったら赤鬼と桃鬼に八つ裂きにされる気がする」
翠「さっきの全部嘘なんですね……」
ジ「ま、ほとぼりが冷めるまでこっちにいるよ。お前はどうするんだ?」
翠「ジュンと雪華綺晶を二人きりにするわけにはいかねーです! 翠星石も一緒にいてやるです! 感謝しやがれですぅ!」
ジ「んじゃ。おやすみー……ぐーぐー」
翠「早っ! のび太並ですぅ」
翠「まあいいです。今はこっちに用があるです……雪華綺晶!」
雪「は、はい!」
翠「翠星石を差し置いてドレスを作ってもらおうなんざあつかましいですぅ。とか、言いたいことはいろいろあるですが」
翠「まず最初に言っておくです。翠星石はお前とは『友達』にはなれないです」
雪「!!」
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:28:55.57 ID:Yq+9GnBa0
翠「翠星石たちは『姉妹』です。『友達』にはなれんですよ」
雪「え……? じゃあ……」
翠「ま。このローゼンメイデン一、可憐で優雅な翠星石が寂しがり屋の妹を可愛がってやるです。感謝するですよ?」
雪「は、はい! ありがとうございます、翠薔薇の……」
翠「不正解ですぅ! 姉妹なら呼び捨てにするです!」
雪「す、すいせ……翠姉さま……」
翠「う~ん。仕方ないから今はそれで勘弁してやるですぅ」
二時間後。
翠「で、蒼星石ったら……」
雪「まあ。私が以前お会いした時は……」
ジ「ぐーぐー」
紅「見つけたわ、雪華綺晶!」
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:32:05.23 ID:Yq+9GnBa0
雪「あ、紅薔薇のお姉さま……」
翠「んげっ! 真紅! どうしてここに!?」
紅「あら? 翠星石も一緒だったの? まあいいわ。それよりも……」
苺「ジュンを返すのよ、雪華綺晶!」
ジ「(熟睡中)んがー」
翠「ま、待つです真紅! 雪華綺晶にも事情が……!」
紅「? どうしたの翠星石。あなたが雪華綺晶を庇うなんて。……ああ、操られているのね。可哀相に。あとで助けてあげるわ。今はそれよりも……」
雪「(びくっ)」
紅「私の愚かな下僕を差し出しなさい、雪華綺晶。そうすればあなたと戦う気はないわ」
雪「……え?」
紅「まったく! 主人に嘘をつくなんて、どういうつもりかしら! なによこの『ぐんぐん人形』って! 完全にパチモンじゃない!」
苺「戸棚から黒い悪魔が飛び出したのよ~。ヒナの頭に乗っかったのよ~(涙目)」
ジ「(熟睡中)やめろ! 流しそうめんは、流しそうめんだけは……!」
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:34:33.13 ID:OGD89G3W0
何の夢だw
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:35:13.23 ID:Yq+9GnBa0
紅「躾のなっていない下僕にはお仕置きが必要だわ。さ、ジュンをよこしなさい」
雪「……嫌です!」
紅「……へえ」
雪「ジュン様は私のために嘘をついてくれました! そんなジュン様に酷いことをするなら……私がお相手しますわ!」
紅「そう。なら、始めましょう。……アリスゲームを!」
紅「ホーリエ!」 苺「ベリーベル!」
雪「くっ! 荊の鞭よ、捕まえて!」
紅「同じ技を何度もくらうわけないでしょう!」
苺「苺わだちなのよ!」
雪「きゃあっ! う、動けない……」
紅「終わりよ! ローズテイル!」
雪「ジュン様。守れなくてごめんなさ……」
ジ「(熟睡中)ひ、雛苺が巨乳に……! これはこれで……」
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:37:48.46 ID:Wpe3yebF0
ジュン最低だwwwww
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:38:02.85 ID:Yq+9GnBa0
翠「スィドリーム!」
紅苺『翠星石!?』
雪「す、翠姉さま……?」
翠「やれやれ。ぶちキレた真紅は手に負えんですぅ。防ぐのだけで一苦労です」
紅「どういうつもりかしら、翠星石? ああ、そうだったわね。あなたは……」
翠「操られてなんかねえですよ。これは翠星石の意思です」
雪「翠姉さま……」
翠「ジュンはある意味自業自得だと思うですが……妹を守るのは姉の務めです! ジュンと雪華綺晶は翠星石が守るですよ!」
紅「……そう。どういうつもりか知らないけど、立ちはだかるなら容赦しないわよ」
苺「ヒナも怒ってるのよ~!」
翠「ふふん。たまには、姉としての威厳を見せつけてやるですよ! かかってこいや、です! 妹ども!」
雪「負けません……!」
ジ「ぐーぐー……ん? なんだ? 熱っ!? 指輪が熱いっ!?」
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:41:01.74 ID:Yq+9GnBa0
ジ「うぎゃああ! 火傷する!!」
紅「あら? 起きたようね。ジュン、覚悟はできてるかしら?」
ジ「あっつ……ん? 真紅!? この指輪、お前たちのせいか!」
紅「静かにしてなさい。あなたの調教もすぐに始めるわ(ニコッ)」
ジ「こ、怖え~~」
翠「長期戦はまずいですね。今の真紅はそう簡単に止まらんですよ」
ジ「勝ち目は?」
翠「ほぼゼロです」
ジ「お前、さっき啖呵切ってなかったか?」
翠「ノリです」
翠「真紅は今まで、雪華綺晶と戦う時も手を抜いていたです。力を使いすぎないように、ジュンを気遣って全力を出していなかったです」
翠「けど、今の真紅は怒りで我を忘れている」
ジ「そんなに嫌だったか、ぐんぐん人形……」
翠「本気でキレた真紅はゴジラすら片手でなぎ払うと言われているですぅ」
106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:43:46.79 ID:Wpe3yebF0
強すぎワロタ
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:44:00.60 ID:0pRFiYLLO
起きたばっかなのにノリがいいなJUMwww
108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:44:07.01 ID:Yq+9GnBa0
翠「方法は一つ。次の一撃で勝負を決めること。全力で叩き込むです。それ以上長引けば、確実にこちらの負けです」
ジ「失敗したら……?」
翠「ジュンは見事、真紅の奴隷になるです。三角の木馬に乗って『女王様!』って叫ぶ豚野郎に調教されるです」
ジ「お前、そんな言葉どこで知った……?」
翠「パソコンの『Do・M』っていう中にいっぱい入ってたです」
ジ「うがああああああっ!」
翠「ちなみに。成功した場合は、ジュンは翠星石のペットになるです。翠星石は優しいので、毎晩首輪をつけてお散歩してあげるです」
ジ「……」
ジ「……甲乙付けがたいな」
翠雪『!?』
ドカッスカッバキッ!
翠「じょ、冗談に決まってるです! 本気にするんじゃねえですよ!」
雪「ジュン様……」
ジ「ほ、ほめんなふぁい……」
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:47:00.64 ID:Yq+9GnBa0
翠「とにかく! 絶望的な状況は変わらんです!」
ジ「……ほんの少しでも、勝率を上げる方法がある」
翠「?」
紅「話は済んだかしら? それじゃ、行くわよ……!」
ジ「迷ってる暇はない! 雪華綺晶!」
雪「はい!」
ジ「お前と契約したい!」
翠雪『!?』
翠「何を……!」
雪「……分かりました!」
ジ「頼む! 一撃で決めてくれ! 翠星石! 雪華綺晶!」
紅「お仕置きなのだわ!」
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:50:06.86 ID:Yq+9GnBa0
そして。
苺「ぶわぁぁああん! 翠星石がいじめるの~!」
翠「油断しているチビ苺がいけないんです~!」
紅「……はあ。うるさいわね」
ジ「……で? お前は何してるんだ?」
雪「ふふふ。ジュン様登り、ですわ」
ジュンの部屋にある鞄の数は、4つに増えていた。
112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:50:54.75 ID:TpsqVS6k0
何故出てきた
113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:52:37.77 ID:OGD89G3W0
実体化・・・した・・・?
114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:53:08.56 ID:Yq+9GnBa0
翠「しっかし、さっぱり分からんですぅ。どうして、雪華綺晶は実体を持てたんでしょう?」
雪「えと、私にも……」
紅「あのドレスのせいじゃないかしら」
真紅が指差す先――きょとんと首を傾げる雪華綺晶は、純白のウェディングドレスをまとっていた。
紅「ジュンと契約することで二人の間に『絆』が生まれた。そして、ジュンが自ら作ったドレスを着ることで、『絆』はさらに強くなった」
紅「『絆』による力が溢れ、雪華綺晶は実体を得た。ってところかしらね」
ジ「そんなものか?」
紅「さあ? 本当のところは私にだって分からないわ。あくまで推測よ」
翠「けど、ドレスを脱いだら実体化がとけちまうです。真紅の言っていることもあながち間違いじゃないと思うです」
苺「ヒナはみんな一緒で嬉しいのよ~」
当初は怯えていた雛苺も、だいぶ雪華綺晶に慣れたようだ。今では一緒に手紙を書いている姿もしばしば。
115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:56:01.55 ID:Yq+9GnBa0
翠「ほら、チビ人間! 手を休めるなです! さっさと翠星石のドレスも作るですよ!」
紅「あら? 次は私のドレスでしょう。ジュン。美しく仕上げるのよ」
苺「ヒナもヒナも~!」
ジ「分かった分かった。順番な。ったく」
雪「ふふふ。ジュン様はもてますわね」
ジ「こき使われてるだけだと思うけど……」
ドールズ『……はあ』
ジ「なんで揃って肩を竦めてるんだよ?」
雪華綺晶も、真紅たちにだいぶ溶け込めていた。
116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 03:59:04.83 ID:Yq+9GnBa0
翠「なんでもねーですよ。いいからジュンは裁縫を続けるです! 翠星石のために!」
苺「ちがーうのー! ヒナのためー!」
紅「あら? ジュン。紅茶を淹れてきて頂戴」
ジ「だー! うるさーい!!」
雪「ふふふ……」
雪「ジュン様?」
ジ「ん?」
雪「私、幸せですわ」
寂しさで泣いていた女の子はもういない。
117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 04:01:28.25 ID:Yq+9GnBa0
ジ「……そっか。よかったな」
雪「はい。……でも」
雪「このドレスを『本来の意味』で着れたら、もっと幸せになれると思いますわ?」
ジ「本来の? ……って!?」
雪「うふふ。いつかその日が来るのを、楽しみにしてますわ。ね、ジュン様?」
ジ「な、な、な……」
雪「ふふふ。ジュン様……」
雪「だーいすき、ですわ」
チュッ。
翠紅苺『あーーーーーーっ!!!!』
完
118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 04:01:52.60 ID:Wpe3yebF0
良かったぜ
乙だ
119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 04:02:33.73 ID:KhqcDk6PO
お疲れ様
120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 04:02:33.74 ID:FPOrSfuT0
乙。きらきしょーが可愛かった。
131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 04:07:42.78 ID:Yq+9GnBa0
どうも、>>1です。
自分の初SSいかがだったでしょうか? 楽しんでいただけたら幸いです。
誤解のないように言っておきますが、自分はドールたちはみんな好きです。嫌いな子はいません。
けど、出せなかったドールたちについては、ごめんなさいです。
支援してくださった方。投下のアドバイスをくれた方。最後まで付き合ってくださった方(こんなにいるとは思ってなかったw)。
みんなに感謝感謝です。
ありがとう。
それでは、この辺で。
もし新作を書いたら、またその時にでも。
ではでは。
144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/30(火) 04:27:41.50 ID:0pRFiYLLO
兎が食われた事には誰も突っ込まない不思議
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読み物:ローゼン
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この記事へのコメント
-
名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/03(金) 18:03: :edit1
-
名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/03(金) 18:14: :editもえ~
-
名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/03(金) 18:25: :editきらきーがここまで可愛いとはw
-
名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/03(金) 18:27: :editキラキー可愛いよキラキー
でも、キャラ違うよね・・・? -
名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/03(金) 18:30: :edit2
-
名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/03(金) 18:31: :editこれで銀様が手を引いたらもうローゼン涙目だな
-
名前: 承認待ちコメント #-: 2008/10/03(金) 18:33: :editふぅ・・・・・
-
名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/03(金) 18:34: :edit上手いし面白いな、純粋に
-
名前: 通常のナナシ #- #-: 2008/10/03(金) 18:40: :editきらきー好きな俺にはたまらん(´Д`*)
-
名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/03(金) 18:46: :editこういうのが読みたかった
GJ! -
名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/03(金) 18:50: :editやるではないか
-
名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/03(金) 18:53: :edit益々きらきーが好きになったな
-
名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/03(金) 19:10: :editカナ…何たら「おい、おいらはどうしたよ? あん?」
-
名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/03(金) 19:25: :editカナ・・・?
ああ、キムシジュンのことか -
名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/03(金) 19:28: :edit※13
カナ何とかって語尾に「だべ?」じゃなかった? -
名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/03(金) 19:36: :editラプラスーーーー!!!!11
-
名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/03(金) 19:37: :edit読んだあとがすっきりして
とても面白かった!! -
名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/03(金) 19:42: :editまた、カナ…ダワシの出番は無しか
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名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/03(金) 19:53: :edit何度見てもユキゲキショウと読んでしまう
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名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/03(金) 20:11: :editリアルタイムで参加してたな~このスレ。
面白かった。 -
名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/03(金) 20:46: :editふぅ・・・
-
名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/03(金) 21:13: :edit兎鍋完全にスルーだなw
-
名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/03(金) 21:24: :editきらきー可愛いw
-
名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/03(金) 21:54: :editきらきーがこんなに可愛かったとは
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名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/03(金) 22:01: :edit結論:ドールズはみんな可愛い
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名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/03(金) 22:06: :editほのぼのしててよかったけど
きらきーっぽくないなぁ・・・ -
名前: 通常のナナシ #gPYvKTQE: 2008/10/03(金) 22:37: :edit兎鍋の話はどこにwwww
-
名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/03(金) 22:54: :edit雪華綺省の俺としては最高のSSだった
-
名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/04(土) 00:05: :editそれで何だっけ
カナ・・・ディアンマンは結局出てこなかったの? -
名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/04(土) 00:10: :edit良かった!
だが、そろそろぷん太の変態発作が・・・。 -
名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/04(土) 00:20: :editあぁもう可愛いなちくしょう
そろそろ変態ローゼン来るな -
名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/04(土) 00:20: :edit米28
俺も雪華綺省入りたいです -
名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/04(土) 00:30: :edit次変態ローゼンに100円賭ける
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名前: #-: 2008/10/04(土) 00:30: :edit所々ジュンの口調がアレっぽくて作者自己投影しすぎじゃ?
って感じてしまった
しかし和ませて貰ったよ
乙 -
名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/04(土) 01:17: :editきらきーメインとは!
何だか珍しいスレが続くねぇ -
名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/04(土) 02:05: :edit蒼出てこなくて残念だったけど、
きらきー可愛かったし話も良かった! -
名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/04(土) 02:11: :edit改めてローゼンSSの真髄は日常系と思い知るね
俺ランキングが大幅改正しちまったよ -
名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/04(土) 02:24: :editまあ、あれだ。
ばらしーが鍵なくしたのと同じノリで
銀ちゃんが出てくると。 -
名前: 774 #-: 2008/10/04(土) 02:33: :editきらきーはヤンデレだろ常識的に…
でもそれでは面白くないのは事実。 -
名前: . #-: 2008/10/04(土) 07:18: :editきらきー可愛い
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名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/04(土) 07:26: :editどうでもいいけどお前らうさぎドロップも読んであげて!!
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名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/04(土) 09:30: :edit銀様がいない・・・だと・・・
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名前: でお #-: 2008/10/04(土) 11:13: :editばらしーきらきーSSはたまらん
あの幼いような感じのドール
いいよいいよきらきー -
名前: 名無し #-: 2008/10/04(土) 12:47: :edit水銀燈と金糸雀がいない・・・・・
次は変態だと思うのだが・・・ -
名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/04(土) 15:47: :editん?俺の嫁(真紅)以外誰かいたか?
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名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/04(土) 16:24: :edit薔薇水晶にした方が合うような気がする
でも面白かった
今度は下ネタ一切なしで書いてほしい -
名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/04(土) 17:59: :edit雪華綺晶とミーディアム・・・
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名前: VIPPERな名無しさん #-: 2008/10/05(日) 03:58: :editきらきーが…ゴクリ…
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名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/05(日) 07:19: :edit兎なら喰っていい
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名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/05(日) 15:20: :edit糞苺と不人気はジャンクになればよかったのに
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名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/05(日) 20:20: :editゆっきーの本当の魅力かどうかはわからんが新たな発見をしちまったようだぜ・・・
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名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/09(木) 16:32: :edit初めてきらきーに好感が持てたよ
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名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/24(金) 18:52: :editこれの話のつづきみたいなのあったはず
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名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/27(月) 17:39: :edit紅薔薇をロサキネンシスと読んでしまった俺はもう遠い所に来てしまったんだろうか…
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名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/27(月) 22:54: :edit>>54
マリみて×ローゼンか…。
どんな設定なのか想像もつかんな。 -
名前: 通常のナナシ #-: 2008/11/01(土) 22:42: :edit蒼い子のことも思い出してあげてください
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名前: 地理教師 #-: 2008/11/17(月) 22:13: :edit最後は、アッーーーーーーーーー
にするべき。 -
名前: VIPPERな名無しさん #-: 2008/12/10(水) 00:03: :edit雪華綺晶かわえええええええええええええ
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名前: VIPPERな名無しさん #-: 2008/12/13(土) 13:57: :editきらきーは
「~ですわ。」なんて言わんw
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名前: VIPPERな名無しさん #-: 2009/02/19(木) 01:56: :editきらきー萌えええええええええええ
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名前: VIPPERな名無しさん #-: 2009/08/30(日) 03:44: :editだよな。
きらりすは「です。」だ。
中性的な紳士っぽさ -
名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/23(水) 23:43: :editやっぱきらきーだな
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名前: 通常のナナシ #-: 2010/07/14(水) 16:14: :editきらきーが可愛かったwww
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名前: 白薔薇 #-: 2011/03/15(火) 22:07: :editとてもおもしろかったです♪
雪華綺晶かわいいです♪
勿論、ドールは全員大好きです♪
次は 水銀燈とかも沢山出してほしいです♪ -
名前: 桃種 #-: 2013/02/08(金) 15:10: :edit良き哉!!!!!!!!!
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名前: 通常のナナシ #-: 2013/02/17(日) 09:29: :edit雪華綺晶は原作じゃ黒幕だからね…
御都合主義な気もするケド、
雪華綺晶が救われて良かった! -
名前: 通常のナナシ #-: 2013/02/25(月) 15:50: :edit何回読んでも良い話だにゃー☆

俺の妹がこんなに可愛いわけがない 黒猫 白猫Ver.