2008/02/04(月)
442 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 14:51:47.76 ID:q8O+Jgwt0
俺遅筆だからその間に他の人も書いててくれたら嬉しいなーなんつってサーセン
※その2です
俺遅筆だからその間に他の人も書いててくれたら嬉しいなーなんつってサーセン
※その2です
445 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 15:17:28.70 ID:q8O+Jgwt0
「そろそろボードゲームも飽きたな」
何となく発した言葉だったんだが、古泉の笑顔は少し暗いものになった。
「僕としては何度やっても楽しいものですけどね」
少し溜息をついて、黒い駒を微量の白に染める古泉。
本当に…微量どころか一個しかひっくり返していないわけで、終局に近い盤上は俺の黒が圧倒的に多い。
白の敗北は確実に決まっているようなものだったが、古泉は投げ出したりはしない。
こいつはそういうやつだ。負けるとわかっていても決して途中で逃げる事はない。
――ゲームだけの話には留まらないんだろうな、きっと。
盤上に目を落としていたままの古泉と視線の先を合わせる。
……もうこうなればどこに置いても同じだろう、白が多く取れるような所に置いた。
「最後になってからの手加減なんてしないで下さいよ」
微苦笑を浮かべながらも、古泉は俺が先程置いた黒の隣に白を置いて、5つ程白に変えた。
その遠くに黒を置き、終了。
「終わるのも早いしな」
もっと面白いゲームは無いもんだろうか。自分一人でDSやるのも罪悪感がある。
「二人で出来る面白いゲーム、何があると思います?」
心を読まれたような気がしないでもないが、俺の記憶の箪笥を色々開けてみるが、
何だか対戦電子ゲームばかり思い浮かぶのは気のせいだろうか。
「こう考えてるだけでも暇になってくるな」
「そうですねえ」
古泉の目がまた伏せられる。悔しいがサマになりすぎてやがる、俺にもその容姿の良さを分けろよ。
たまにこいつの表情が崩れたら面白そうなんだが…………
447 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 15:18:14.79 ID:q8O+Jgwt0
そうだ。
「なあ、睨めっこでもしないか?」
意外にも古泉は、ぱっと俺の顔を見上げ肯定した。
「睨めっこ、ですか。いいですね、あまり続くものでもありませんが」
まさか乗ってくるとは思わなかった、だが古泉が自ら変顔をしてくると妄想しただけで笑えてくる。
これはちょっと楽しみかもしれん。それにいつも笑ってばかりの古泉だ、多分すぐに笑うだろう。
素で笑われなかったら俺のテンションもガタ落ちだろうから、
ダメージを緩和させる為に罰ゲームも提案する事にしよう。
さて、どうするか……
罰ゲームの内容>>448
448 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 15:19:21.61 ID:pZPJtgaJ0
くすぐり
453 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 15:29:39.00 ID:cAwSp8rN0
キョンVS古泉で、にらめっこ
罰ゲームは「くすぐり」
なんだこれ、すげえ和む……
455 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 15:36:17.30 ID:q8O+Jgwt0
「よし、じゃ負けたらくすぐりな」
「それは……腹筋崩壊を賭けた戦いになりそうですね」
くすくす、と声を立てて笑う古泉。この時点で勝ちが見込めそうな気がする。
横からハルヒが「楽しそうじゃない」と首を突っ込んできたが、参加を問うとあっさり断りやがった。
「あたしキョンにくすぐられるのはちょっとねー……。あ、勝ち負けの判定してあげるわ」
「そうかい。じゃ、行くぞ古泉」
「あ、ちょっと待ってください」
「わかった」
俺はもう作る顔は決まってある。これでも俺はポーカーフェイスには自信があるからな。
自分のやってる事には笑ったりしないだろう。もし古泉の変顔が笑えるものだったなら
それだけで俺は満足だ、くすぐりでも何でもされてやろうじゃないか。
ハルヒがちゃんと平等に判定するかが不安だが。
少し思案顔で顎に手を添え、右手で『ちょっと待った』のジェスチャーをしていた古泉も、
「もう良いですよ」とニコニコ顔で準備完了を告げた。
459 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 15:43:28.76 ID:xM98LcyxO
もしもこれでキョンが負けたら古泉がキョンをくすぐるのか?ww
想像つかねぇwwww
464 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 16:01:37.21 ID:q8O+Jgwt0
「じゃ行くぞ」
「はい」
声が自然と重なる。
「睨めっこしましょ、あっぷっぷ!」
――――会心の出来だったのか、古泉はほぼ一瞬で机に顔を伏せた。
古泉の変顔はというと、やろうとする直前にお蔵入りだ。顔に指は添えていたのだが……つまらん。
「きゃっはっはっ、あはははは!!キョンそれもうヤバっ、アハハハハハ!!」
これは言わずもがなハルヒの笑い声だ。
古泉の肩も逆に泣いているかのようにぶるぶる震えて、くぐもった笑い声が上がっている。
「は、はい、古泉君負け!あーヤバい本当キョンヤバすぎもーだめ!!もうそれ駄目!!」
「えっどんなのだったんですかぁ?見てみたかったですぅ」
「いやみくるちゃんあんな有毒なもの見ちゃ駄目よ!」
言いすぎだ。そんなに面白かったか?古泉を無理矢理起き上がらせると、真っ赤な顔で目に涙を溜めていた。
「ふふっ、ふふふ、いや、あのっ、……ぷっ、あっははははは!!反則、反則ですよ!!」
多分ここまで笑う古泉も滅多に見れないだろうが、何だか気に食わない。
「何が反則だ、負けは負けな」
「ふぅ、笑った笑った……キョン、あんたには一日中古泉君をくすぐっていい権利を差し出したいくらいだわ!」
「マジか、じゃ遠慮なくくすぐらせてもらうぞ古泉」
未だに笑い続ける古泉は上手く喋れないらしく、また顔を伏せて机を叩き始めた。
465 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 16:03:14.28 ID:dhyhpW9l0
>無理矢理起き上がらせると
>無理矢理起き上がらせると
>無理矢理起き上がらせると
かまわん、もっと虐めろ
468 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 16:08:38.81 ID:xM98LcyxO
どんな顔したんだよww
笑い転げてる奴見るとこっちまで楽しくなるなwww
481 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 16:38:13.96 ID:q8O+Jgwt0
一応待ってやると、微妙に顔を上げて息切れしながら喋りだした。
「もう無理ですって、ここまで笑ったのにまだ……」
「本当あたしだったら酸欠になりそうだわ!キョン、やっちゃいなさい!」
古泉の非難の声を無視して、後ろに回り込んでジャケットの中に手を突っ込みくすぐると、
変な抱き方をされたウサギのように暴れだした。
ちょっとやり辛いがくすぐり続けていると、ついには椅子からも転げ落ちて笑い声を上げた。
まるで普段の古泉とは別人のようだ。
ひーひー言っているせいかだんだん悲鳴に聞こえてきたが、
俺も楽しくなってきて、古泉を仰向けに転がしてくすぐると暴れている古泉の手が顔に当たった。
ここらで罰ゲーム中断、手を離して開放する。ハルヒも朝比奈さんも笑っていた。
古泉は……苦悶の表情でまたうつ伏せに転がった。
「ふぅ」
くすぐっていただけの俺も何だか疲れたが、古泉の疲労感とは比べ物にならないだろう。
横になったまま、ぜーぜー喘いでいた。
「あはは、キョンやりすぎ!面白かったけどね」
「古泉くんがこんなに笑ってるところ初めてですぅ……うふふ」
今少し落ち着いてみると、長門の視線があった。笑い声に掻き消されるほどの僅かなものだったが
明らかにいつもの無表情とは違った面持ちで古泉を凝視している。
490 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 17:04:29.15 ID:q8O+Jgwt0
俺も、いつの間にか自分が笑っていた事に気付く。
「……くくっ、大丈夫か、古泉」
背中を軽く叩いてやると、一回大きな溜息をついて、
「……ぜ……全然、……大丈夫なわけが……」
そこまで喋って、また腕を枕変わりにした。いっそ床でくつろぐ気か?
――と思ったが、やっとの事で徐々に起き上がった。まだ床に手はついたままだが。
「……やってくれましたね…」
恨めしげに睨まれたが、それも今では面白く思える。
「お前あれだけ笑えたんだからいいだろ」
笑いながら言ってやると、古泉の表情がふと和らいだ。
「本当に。これだけ笑ったのはどれ程前でしたっけ……」
力なく、笑い声が零れる。その表情には脱力だか諦観だか解らないような色が浮かんでいた。
「古泉君いっつも笑ってるけどね」
ハルヒの声と俺の心の中の声が重なったが、少し思う。
古泉がここまで素直に爆笑するのは滅多にない事なんじゃないか?
494 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 17:33:54.82 ID:q8O+Jgwt0
「……疲れたか?」
「そりゃ疲れましたよ……」
部室の床は朝比奈さんがいつも掃除してくれているおかげで、古泉の制服も思ったほど汚れていなかった。
この心底疲れきった微苦笑に埃をプラスしたら完璧なまでに似合っていたと思うんだが。
「ひどいですよ」
「どっちにしろ、あれだけ爆笑しちゃうとせっかくの良い顔が台無しね」
部室に緩い笑い声が響く。古泉の悔しそうな表情は少し新鮮だった。
こんな風に体力を費やすのも悪くはないな。
いつか普通の会話で古泉を爆笑させてやろう――と意気込んだのだが……
「でもさっきのキョンの方がよっぽどぶっさいくだったわね!」
水を差された気分だ。古泉もくすくすと笑い出しやがったもんだからデコピンしてやる。
長門の絶対零度の目が摂氏15度くらいになったのは見間違いでないことを祈ろう。
完
495 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 17:34:10.08 ID:q8O+Jgwt0
オチ正直すまんかった
496 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 17:36:49.06 ID:+quJUH51O
乙
497 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 17:38:34.17 ID:dhyhpW9l0
長門は俺の萌え
乙
527 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 19:52:01.98 ID:JkUeFcum0
「ちょっとキョン!何か面白いことしなさいよ!」
涼宮ハルヒは、どうやらご機嫌斜めのようだ。
かといって俺にハルヒの機嫌を取る義理はないし、いきなり面白いことと言われて思いつくような芸人魂は持ち合わせていない。
「なんかこうバーンとなってグァーンとなるようなことはないのかしら!?」
「とりあえず日本語を喋ったらどうだ?」
なんでこんな擬音で会話するようなやつが成績上位なんだろうか。
忌々しい あぁ忌々しい 忌々しい
「キョン!この前の変顔でも暇つぶしになるわ、やってみせなさいッ!」
「やだね。」
朝比奈さんが居る前でそんなことなどしたくない。
それに、長門の目線を自ら味わうことなど誰がするものか。
528 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 19:58:46.07 ID:JkUeFcum0
「じゃあ、みんなで何かゲームでもしますか?」
余計なことを言うな古泉、それでハルヒが暴走したらお前に責任取らせるぞ?
「ゲームねぇ・・・この際退屈しのぎになるんだったらなんでもいいわ。でも何にする?五人全員が楽しめるものっていったら・・・」
「待て、俺はいい」
「64でもあればいいんだけど・・・」
見事にスルーされるのはもう突っ込まないが、このご時世に64はないだろう。
しかも同時プレイできるのは4人までだった気がするが。
「王様ゲーム」
部室の窓際でいつものように分厚い本を読みふけっていた長門が、呟くように言った。
529 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 19:59:32.78 ID:uxujJEvj0
長門GJ!
533 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 20:09:22.06 ID:JkUeFcum0
王様ゲーム!?
なんでそんなハルヒの暴走が確定されたものをわざわざ選ぶのだろうか。
長門お前、ひょっとして・・・
「もしかして有希、夏の合宿の王様ゲーム楽しかったの?」
ハルヒの言葉に1ミクロンほど体を震わせた(ように見えた)長門は、少し間を置くとコクリと頷いた。
「じゃぁ王様ゲームにしましょう!ちょっと待ってなさい、道具を調達してくるわ!」
そう言うとハルヒはドタバタと音を立ててながらどこかに走っていった。
調達?強奪の間違いじゃないのか?
「やれやれ、これで一安心ですね。」
古泉が笑顔を崩さずにパイプ椅子の上で背伸びをした。
こいつも背伸びとかするんだな。
「一安心って、何がだ?本当の波乱はこれからだぞ?」
「いえ、僕は涼宮さんが退屈だとバイトに行かなければならないので、彼女が「面白いもの」を見つけて安心したのですよ。」
なるほど。
バタンッと蹴る様に扉を開き、満面の笑みを浮かべたハルヒが帰って来た。
その手にはしっかりと五本の割り箸が握られている。
「お前、それどっから持ってきた?」
「職員室からもらってきたのよ。体育教師がいつもカップラーメンを食べるために机の中に割り箸を買いだめしてるのは知ってたもの。ちょうど職員室には居なかったし。」
「居なかったって、勝手に引き出しを開けて持って来たのか?」
「知らないの?学校の敷地内に入ったものは全て生徒のものなのよ!常識よ、常識。」
そんな常識は初めて聞いた。
537 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 20:20:53.23 ID:JkUeFcum0
ハルヒは机の上に番号と王という文字がしっかりと記入された割り箸を無造作に置くと、
「ほらみくるちゃん!ゲーム始めるわよ!」
とお茶を汲み終わったばかりの朝比奈さんを呼んだ。
「みんな割り箸は取ったわね?それじゃ、王様だぁれっ!」
俺は始める前に一応意義を唱えてはみたが、華麗にスルーされて終わった。
こうなったらいっそ王様になってハルヒの困った顔でも拝みたいとでも思った。
が、俺の割り箸に書かれた文字は1。
「あ、私王様ですぅ。」
朝比奈さんがおずおずと手を挙げる。
「じゃみくるちゃん、なんでもいいから命令言ってみなさいッ!あ、先に言っとくけど王様の命令は絶対よ、絶対!」
まさかトップバッターになるとは思っていなかったのだろう、朝比奈さんは動揺しまくっている。
そんな表情も可愛いですと俺は密かに思いながら、自分に当たることがないようと祈っていた。
「えぇと・・・それじゃ、3番さんが眼鏡をかける・・・っていうのはどうですか?」
「いいわね!有希、眼鏡貸して?」
無言のまま長門はポケットから眼鏡を出し、ハルヒに手渡す。
ということは、3番は長門ではないようだ。
539 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 20:27:26.17 ID:JkUeFcum0
「ありがと。で、三番は誰ッ!?」
ハルヒの語尾はあがり続けている。
この状況が楽しくてしょうがないのだろう。仕切っているということは、ハルヒは該当していないんだな。
朝比奈さんは王様だし、俺の番号は1だ。
ということは・・
「僕・・・ですか」
苦笑いに近い表情を浮かべた古泉は、意気揚々としたハルヒの手から眼鏡を受け取ると、まるで危ないものでも触るような手つきで装着した。
「あら、以外とサマになってるわね。やっぱり地顔がいいものねぇ、キョンと違って。」
最後に一言多いが、眼鏡をかけた古泉にそこまで違和感がないのは確かだ。
それどころか、これはこれでその手の女子にウケそうだな。
「光栄です、閣下。・・・あれ?この眼鏡、度が・・・いえ、なんでもありません」
長門の異様な視線に気づいた古泉は、口をつぐむといそいそと眼鏡を外し、長門に返した。
540 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 20:35:38.23 ID:JkUeFcum0
「次いくわよ!ほら、みくるちゃんもボーッとしてないで早く棒引きなさい!」
「はっ、はいぃっ」
次は王様になりたい。
自分の直感を信じ、引き抜いた棒のに書かれていたものは・・・1。
結局俺には平凡な人生しか用意されていないのだろうか等と他愛無いゲームで悟りそうになる。
「今度はあたしが王様ね!さて、どんな命令にしようかしら?」
よりによって王様がハルヒとは・・・また夏の合宿のような目にあうのはごめんだ。
「ん~・・・じゃぁ、1番に3番と4番がほっぺちゅー!」
「はぁ!?」
俺は思わず叫んでしまった。
541 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 20:36:01.98 ID:S6Fc5cmn0
ざわ・・・ざわ・・
542 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 20:38:27.99 ID:dhyhpW9l0
・・・ざわわ・・・ざわわ・・・わ・・・
543 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 20:44:30.27 ID:JkUeFcum0
何も今該当しなくていいのにと、俺は自分の微妙な運を呪った。
「あら、1番がキョン?」
「待て待て待て待て、いくらなんでもそれはないだろう!?」
「いいじゃない、ほっぺなんだし。それに忘れたの?王様の命令は絶対!あんたもゲームに参加してるんだから最低限のルールぐらいは守りなさいよねッ!」
強制参加だろうが!
「で、3番と4番はだれ?」
「・・・私。」
長門が3と書かれた棒切れを見せる。
俺が心の中でガッツポーズをしたのは言うまでも無い。
そりゃ俺だって男だし、キスされるのが嬉しくないわけではない。
もうこうなったからには体裁なんて気にしないことにした。
これで4番が朝比奈さんだったら万々歳なのだが・・・
「・・・どうやら、今日は厄日なようですね。」
544 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 20:44:43.70 ID:VlwbexZcO
ここで長門とやってハルヒと古泉とみくるが嫉妬する展開もみたい!
545 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 20:47:25.90 ID:cAwSp8rN0
こwwwいwwwずwwみwwww
547 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 20:52:24.92 ID:JkUeFcum0
「あら、また古泉くん?まぁいいわ、早くやっちゃって!ほら、みくるちゃんこっち来てなさい♪」
♪じゃないだろ♪じゃ!
「では長門さん、お先にどうぞ」
なんでお前は承諾してるんだよと突っ込みたくなるが、古泉の言うとおり俺がゲームを中断し、ハルヒの機嫌を損ねたら大変なことになる。
ここは辛抱しろ、俺・・・
と拳を固めて我慢していると、
「・・・・しゃがんでくれないと、届かない」
と長門が僅かだが感情のこもった声で言った。
「あ、あぁ、すまん」
動揺しつつも長門と同じ目線になるように少し膝を曲げた。
――――チュッ
少しの間をおいて、一瞬だけ長門の小さな唇が俺の頬に触れた。
・・・小学生じゃあるまいし、ハルヒのゆうにほっぺちゅーだけでこんなに動揺する俺が変なのだろうか。
また元の姿勢に戻った長門の表情に変化はない。
生まれて三年の長門でさえそうなのだから、きっと俺がウブすぎるんだろう。
548 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 20:55:10.18 ID:cAwSp8rN0
長門にそういう感情がないことは重々承知済みだろww
549 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 20:55:17.43 ID:RF6OBzaNO
長門おおおおおお!!!!
550 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 20:56:16.03 ID:6hINVetZ0
長門もかわええがキョンもかわええw
若いっていいなぁぁぁ
551 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 20:56:45.96 ID:dhyhpW9l0
チュッ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
554 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 21:05:44.14 ID:JkUeFcum0
「・・・有希、家に帰ったら唇消毒しときなさいね。はい次は古泉くん!時間ないんだからさっさとやるわよ!」
相変わらず失礼なやつだ。
しかし、少しハルヒのテンションが下がった気がする。
そんな考えは一瞬で、俺は男のキスにどうやって対処するかを考えることにした。
「では・・・いいですか、キョン君?」
先に言っておくが俺にそんな趣味はひとっかけらもない。
古泉はというと、笑顔でも真顔でもない微妙な表情だった。
まぁそれが一般なんだろう。
「・・・さっさとやれ。」
「では、失礼します。」
覚悟を決め、グッと目を硬く閉じる。
「・・・終わりましたよ、涼宮さん」
「はい、お疲れ様!それじゃ次・・・「最終下校時刻になりました。校舎内に残っている生徒は、すみやかに下校してください」
ハルヒの声と放送委員のアナウンスが重なる。
「あら、もうそんな時間だったのね。全く、キョンがぐずぐずしてるから・・・」
ブツブツとハルヒは荷物をまとめはじめる。
「でも楽しかったわ。またやりましょー!じゃ、みんな帰るわよ!ほらほらみくるちゃんが着替えるから男二人は出てった出てった!」
556 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 21:10:06.63 ID:q8O+Jgwt0
やっぱ古泉器量いいな
557 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 21:14:13.13 ID:JkUeFcum0
「ふぅ・・・」
俺達はいつものように部室の扉に背を預け、朝比奈さんの着替えを待った。
「みくるちゃん、さっさとしないと置いてっちゃうわよ!」
「あわわ、待ってくださいぃ~」
「あたしが手伝ってあげるかさっさと脱ぐ!」
「ひゃぁっ、て、手伝ったら余計時間かかっちゃいますよぉ~」
ドアの向こうから俺に余計な想像をさせる会話がされている。
「今日はお互い災難でしたね。」
いつもの笑顔に戻った古泉が、ドアの向こうに聞こえないように小声で同意を求めた。
「全くだ。」
「でも僕は楽しかったですよ、最後のキスは別として。」
「・・・なんだお前、そんな趣味あったのか?」
「だっ、だから別としてって言ってるじゃないですか!」
「冗談だ、慌てるってことは図星じゃないのか?」
「・・・キョン君も涼宮さんに劣らないぐらい失礼ですよ。」
何とでも言え、こうやって古泉をウサ晴らしにでも使わないとハルヒたちの会話が俺の思考回路を変な風に持っていくのだ。
古泉にそんな趣味がないのは確かだろう。
長門にキスされた右頬と、古泉にキスされた左頬を同時に撫でる。
音もない、静かなキスだった。
だけど確かに、その感触は俺の頬に残っている。
なんだか変な気分だ。
558 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 21:14:15.08 ID:a5NjFynMO
なんて甘酸っぱいんだ…!イイヨイイヨー
561 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 21:20:44.63 ID:JkUeFcum0
「こんな風に、なんの意味もなくみんなで騒ぐのも楽しいですね、という意味ですよ」
古泉は若干遠い目で話していた。
「・・・まぁな」
「帰るわよ!」
ハルヒの無駄にでかい声とともにドアが唐突に開いたので、俺達は前に倒れこみそうになった。
「それじゃ、帰りましょう」
最近は五人全員で下校することが日課になってきている。
「長門、今日は本を持ち帰らないのか?」
「・・・取ってくる。」
「有希が忘れ物なんて珍しいわね。」
俺もなんだか長門の人間らしい一面を見たが気がした。
たまには、三年に一回ぐらいならこんな日があっても悪くないと思った。
~fin~
562 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 21:22:36.18 ID:cAwSp8rN0
乙!
なんか、古泉が切ない…
563 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 21:24:07.53 ID:RF6OBzaNO
おつ!長門可愛いよ長門
564 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 21:24:08.53 ID:dhyhpW9l0
長門が動揺してるwwww
乙!
※その3へ
フリーイング中最高
長門らしさが良く出ている
すんげえ欲しいんだけど・・・・
「そろそろボードゲームも飽きたな」
何となく発した言葉だったんだが、古泉の笑顔は少し暗いものになった。
「僕としては何度やっても楽しいものですけどね」
少し溜息をついて、黒い駒を微量の白に染める古泉。
本当に…微量どころか一個しかひっくり返していないわけで、終局に近い盤上は俺の黒が圧倒的に多い。
白の敗北は確実に決まっているようなものだったが、古泉は投げ出したりはしない。
こいつはそういうやつだ。負けるとわかっていても決して途中で逃げる事はない。
――ゲームだけの話には留まらないんだろうな、きっと。
盤上に目を落としていたままの古泉と視線の先を合わせる。
……もうこうなればどこに置いても同じだろう、白が多く取れるような所に置いた。
「最後になってからの手加減なんてしないで下さいよ」
微苦笑を浮かべながらも、古泉は俺が先程置いた黒の隣に白を置いて、5つ程白に変えた。
その遠くに黒を置き、終了。
「終わるのも早いしな」
もっと面白いゲームは無いもんだろうか。自分一人でDSやるのも罪悪感がある。
「二人で出来る面白いゲーム、何があると思います?」
心を読まれたような気がしないでもないが、俺の記憶の箪笥を色々開けてみるが、
何だか対戦電子ゲームばかり思い浮かぶのは気のせいだろうか。
「こう考えてるだけでも暇になってくるな」
「そうですねえ」
古泉の目がまた伏せられる。悔しいがサマになりすぎてやがる、俺にもその容姿の良さを分けろよ。
たまにこいつの表情が崩れたら面白そうなんだが…………
447 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 15:18:14.79 ID:q8O+Jgwt0
そうだ。
「なあ、睨めっこでもしないか?」
意外にも古泉は、ぱっと俺の顔を見上げ肯定した。
「睨めっこ、ですか。いいですね、あまり続くものでもありませんが」
まさか乗ってくるとは思わなかった、だが古泉が自ら変顔をしてくると妄想しただけで笑えてくる。
これはちょっと楽しみかもしれん。それにいつも笑ってばかりの古泉だ、多分すぐに笑うだろう。
素で笑われなかったら俺のテンションもガタ落ちだろうから、
ダメージを緩和させる為に罰ゲームも提案する事にしよう。
さて、どうするか……
罰ゲームの内容>>448
448 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 15:19:21.61 ID:pZPJtgaJ0
くすぐり
453 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 15:29:39.00 ID:cAwSp8rN0
キョンVS古泉で、にらめっこ
罰ゲームは「くすぐり」
なんだこれ、すげえ和む……
455 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 15:36:17.30 ID:q8O+Jgwt0
「よし、じゃ負けたらくすぐりな」
「それは……腹筋崩壊を賭けた戦いになりそうですね」
くすくす、と声を立てて笑う古泉。この時点で勝ちが見込めそうな気がする。
横からハルヒが「楽しそうじゃない」と首を突っ込んできたが、参加を問うとあっさり断りやがった。
「あたしキョンにくすぐられるのはちょっとねー……。あ、勝ち負けの判定してあげるわ」
「そうかい。じゃ、行くぞ古泉」
「あ、ちょっと待ってください」
「わかった」
俺はもう作る顔は決まってある。これでも俺はポーカーフェイスには自信があるからな。
自分のやってる事には笑ったりしないだろう。もし古泉の変顔が笑えるものだったなら
それだけで俺は満足だ、くすぐりでも何でもされてやろうじゃないか。
ハルヒがちゃんと平等に判定するかが不安だが。
少し思案顔で顎に手を添え、右手で『ちょっと待った』のジェスチャーをしていた古泉も、
「もう良いですよ」とニコニコ顔で準備完了を告げた。
459 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 15:43:28.76 ID:xM98LcyxO
もしもこれでキョンが負けたら古泉がキョンをくすぐるのか?ww
想像つかねぇwwww
464 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 16:01:37.21 ID:q8O+Jgwt0
「じゃ行くぞ」
「はい」
声が自然と重なる。
「睨めっこしましょ、あっぷっぷ!」
――――会心の出来だったのか、古泉はほぼ一瞬で机に顔を伏せた。
古泉の変顔はというと、やろうとする直前にお蔵入りだ。顔に指は添えていたのだが……つまらん。
「きゃっはっはっ、あはははは!!キョンそれもうヤバっ、アハハハハハ!!」
これは言わずもがなハルヒの笑い声だ。
古泉の肩も逆に泣いているかのようにぶるぶる震えて、くぐもった笑い声が上がっている。
「は、はい、古泉君負け!あーヤバい本当キョンヤバすぎもーだめ!!もうそれ駄目!!」
「えっどんなのだったんですかぁ?見てみたかったですぅ」
「いやみくるちゃんあんな有毒なもの見ちゃ駄目よ!」
言いすぎだ。そんなに面白かったか?古泉を無理矢理起き上がらせると、真っ赤な顔で目に涙を溜めていた。
「ふふっ、ふふふ、いや、あのっ、……ぷっ、あっははははは!!反則、反則ですよ!!」
多分ここまで笑う古泉も滅多に見れないだろうが、何だか気に食わない。
「何が反則だ、負けは負けな」
「ふぅ、笑った笑った……キョン、あんたには一日中古泉君をくすぐっていい権利を差し出したいくらいだわ!」
「マジか、じゃ遠慮なくくすぐらせてもらうぞ古泉」
未だに笑い続ける古泉は上手く喋れないらしく、また顔を伏せて机を叩き始めた。
465 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 16:03:14.28 ID:dhyhpW9l0
>無理矢理起き上がらせると
>無理矢理起き上がらせると
>無理矢理起き上がらせると
かまわん、もっと虐めろ
468 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 16:08:38.81 ID:xM98LcyxO
どんな顔したんだよww
笑い転げてる奴見るとこっちまで楽しくなるなwww
481 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 16:38:13.96 ID:q8O+Jgwt0
一応待ってやると、微妙に顔を上げて息切れしながら喋りだした。
「もう無理ですって、ここまで笑ったのにまだ……」
「本当あたしだったら酸欠になりそうだわ!キョン、やっちゃいなさい!」
古泉の非難の声を無視して、後ろに回り込んでジャケットの中に手を突っ込みくすぐると、
変な抱き方をされたウサギのように暴れだした。
ちょっとやり辛いがくすぐり続けていると、ついには椅子からも転げ落ちて笑い声を上げた。
まるで普段の古泉とは別人のようだ。
ひーひー言っているせいかだんだん悲鳴に聞こえてきたが、
俺も楽しくなってきて、古泉を仰向けに転がしてくすぐると暴れている古泉の手が顔に当たった。
ここらで罰ゲーム中断、手を離して開放する。ハルヒも朝比奈さんも笑っていた。
古泉は……苦悶の表情でまたうつ伏せに転がった。
「ふぅ」
くすぐっていただけの俺も何だか疲れたが、古泉の疲労感とは比べ物にならないだろう。
横になったまま、ぜーぜー喘いでいた。
「あはは、キョンやりすぎ!面白かったけどね」
「古泉くんがこんなに笑ってるところ初めてですぅ……うふふ」
今少し落ち着いてみると、長門の視線があった。笑い声に掻き消されるほどの僅かなものだったが
明らかにいつもの無表情とは違った面持ちで古泉を凝視している。
490 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 17:04:29.15 ID:q8O+Jgwt0
俺も、いつの間にか自分が笑っていた事に気付く。
「……くくっ、大丈夫か、古泉」
背中を軽く叩いてやると、一回大きな溜息をついて、
「……ぜ……全然、……大丈夫なわけが……」
そこまで喋って、また腕を枕変わりにした。いっそ床でくつろぐ気か?
――と思ったが、やっとの事で徐々に起き上がった。まだ床に手はついたままだが。
「……やってくれましたね…」
恨めしげに睨まれたが、それも今では面白く思える。
「お前あれだけ笑えたんだからいいだろ」
笑いながら言ってやると、古泉の表情がふと和らいだ。
「本当に。これだけ笑ったのはどれ程前でしたっけ……」
力なく、笑い声が零れる。その表情には脱力だか諦観だか解らないような色が浮かんでいた。
「古泉君いっつも笑ってるけどね」
ハルヒの声と俺の心の中の声が重なったが、少し思う。
古泉がここまで素直に爆笑するのは滅多にない事なんじゃないか?
494 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 17:33:54.82 ID:q8O+Jgwt0
「……疲れたか?」
「そりゃ疲れましたよ……」
部室の床は朝比奈さんがいつも掃除してくれているおかげで、古泉の制服も思ったほど汚れていなかった。
この心底疲れきった微苦笑に埃をプラスしたら完璧なまでに似合っていたと思うんだが。
「ひどいですよ」
「どっちにしろ、あれだけ爆笑しちゃうとせっかくの良い顔が台無しね」
部室に緩い笑い声が響く。古泉の悔しそうな表情は少し新鮮だった。
こんな風に体力を費やすのも悪くはないな。
いつか普通の会話で古泉を爆笑させてやろう――と意気込んだのだが……
「でもさっきのキョンの方がよっぽどぶっさいくだったわね!」
水を差された気分だ。古泉もくすくすと笑い出しやがったもんだからデコピンしてやる。
長門の絶対零度の目が摂氏15度くらいになったのは見間違いでないことを祈ろう。
完
495 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 17:34:10.08 ID:q8O+Jgwt0
オチ正直すまんかった
496 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 17:36:49.06 ID:+quJUH51O
乙
497 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 17:38:34.17 ID:dhyhpW9l0
長門は俺の萌え
乙
527 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 19:52:01.98 ID:JkUeFcum0
「ちょっとキョン!何か面白いことしなさいよ!」
涼宮ハルヒは、どうやらご機嫌斜めのようだ。
かといって俺にハルヒの機嫌を取る義理はないし、いきなり面白いことと言われて思いつくような芸人魂は持ち合わせていない。
「なんかこうバーンとなってグァーンとなるようなことはないのかしら!?」
「とりあえず日本語を喋ったらどうだ?」
なんでこんな擬音で会話するようなやつが成績上位なんだろうか。
忌々しい あぁ忌々しい 忌々しい
「キョン!この前の変顔でも暇つぶしになるわ、やってみせなさいッ!」
「やだね。」
朝比奈さんが居る前でそんなことなどしたくない。
それに、長門の目線を自ら味わうことなど誰がするものか。
528 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 19:58:46.07 ID:JkUeFcum0
「じゃあ、みんなで何かゲームでもしますか?」
余計なことを言うな古泉、それでハルヒが暴走したらお前に責任取らせるぞ?
「ゲームねぇ・・・この際退屈しのぎになるんだったらなんでもいいわ。でも何にする?五人全員が楽しめるものっていったら・・・」
「待て、俺はいい」
「64でもあればいいんだけど・・・」
見事にスルーされるのはもう突っ込まないが、このご時世に64はないだろう。
しかも同時プレイできるのは4人までだった気がするが。
「王様ゲーム」
部室の窓際でいつものように分厚い本を読みふけっていた長門が、呟くように言った。
529 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 19:59:32.78 ID:uxujJEvj0
長門GJ!
533 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 20:09:22.06 ID:JkUeFcum0
王様ゲーム!?
なんでそんなハルヒの暴走が確定されたものをわざわざ選ぶのだろうか。
長門お前、ひょっとして・・・
「もしかして有希、夏の合宿の王様ゲーム楽しかったの?」
ハルヒの言葉に1ミクロンほど体を震わせた(ように見えた)長門は、少し間を置くとコクリと頷いた。
「じゃぁ王様ゲームにしましょう!ちょっと待ってなさい、道具を調達してくるわ!」
そう言うとハルヒはドタバタと音を立ててながらどこかに走っていった。
調達?強奪の間違いじゃないのか?
「やれやれ、これで一安心ですね。」
古泉が笑顔を崩さずにパイプ椅子の上で背伸びをした。
こいつも背伸びとかするんだな。
「一安心って、何がだ?本当の波乱はこれからだぞ?」
「いえ、僕は涼宮さんが退屈だとバイトに行かなければならないので、彼女が「面白いもの」を見つけて安心したのですよ。」
なるほど。
バタンッと蹴る様に扉を開き、満面の笑みを浮かべたハルヒが帰って来た。
その手にはしっかりと五本の割り箸が握られている。
「お前、それどっから持ってきた?」
「職員室からもらってきたのよ。体育教師がいつもカップラーメンを食べるために机の中に割り箸を買いだめしてるのは知ってたもの。ちょうど職員室には居なかったし。」
「居なかったって、勝手に引き出しを開けて持って来たのか?」
「知らないの?学校の敷地内に入ったものは全て生徒のものなのよ!常識よ、常識。」
そんな常識は初めて聞いた。
537 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 20:20:53.23 ID:JkUeFcum0
ハルヒは机の上に番号と王という文字がしっかりと記入された割り箸を無造作に置くと、
「ほらみくるちゃん!ゲーム始めるわよ!」
とお茶を汲み終わったばかりの朝比奈さんを呼んだ。
「みんな割り箸は取ったわね?それじゃ、王様だぁれっ!」
俺は始める前に一応意義を唱えてはみたが、華麗にスルーされて終わった。
こうなったらいっそ王様になってハルヒの困った顔でも拝みたいとでも思った。
が、俺の割り箸に書かれた文字は1。
「あ、私王様ですぅ。」
朝比奈さんがおずおずと手を挙げる。
「じゃみくるちゃん、なんでもいいから命令言ってみなさいッ!あ、先に言っとくけど王様の命令は絶対よ、絶対!」
まさかトップバッターになるとは思っていなかったのだろう、朝比奈さんは動揺しまくっている。
そんな表情も可愛いですと俺は密かに思いながら、自分に当たることがないようと祈っていた。
「えぇと・・・それじゃ、3番さんが眼鏡をかける・・・っていうのはどうですか?」
「いいわね!有希、眼鏡貸して?」
無言のまま長門はポケットから眼鏡を出し、ハルヒに手渡す。
ということは、3番は長門ではないようだ。
539 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 20:27:26.17 ID:JkUeFcum0
「ありがと。で、三番は誰ッ!?」
ハルヒの語尾はあがり続けている。
この状況が楽しくてしょうがないのだろう。仕切っているということは、ハルヒは該当していないんだな。
朝比奈さんは王様だし、俺の番号は1だ。
ということは・・
「僕・・・ですか」
苦笑いに近い表情を浮かべた古泉は、意気揚々としたハルヒの手から眼鏡を受け取ると、まるで危ないものでも触るような手つきで装着した。
「あら、以外とサマになってるわね。やっぱり地顔がいいものねぇ、キョンと違って。」
最後に一言多いが、眼鏡をかけた古泉にそこまで違和感がないのは確かだ。
それどころか、これはこれでその手の女子にウケそうだな。
「光栄です、閣下。・・・あれ?この眼鏡、度が・・・いえ、なんでもありません」
長門の異様な視線に気づいた古泉は、口をつぐむといそいそと眼鏡を外し、長門に返した。
540 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 20:35:38.23 ID:JkUeFcum0
「次いくわよ!ほら、みくるちゃんもボーッとしてないで早く棒引きなさい!」
「はっ、はいぃっ」
次は王様になりたい。
自分の直感を信じ、引き抜いた棒のに書かれていたものは・・・1。
結局俺には平凡な人生しか用意されていないのだろうか等と他愛無いゲームで悟りそうになる。
「今度はあたしが王様ね!さて、どんな命令にしようかしら?」
よりによって王様がハルヒとは・・・また夏の合宿のような目にあうのはごめんだ。
「ん~・・・じゃぁ、1番に3番と4番がほっぺちゅー!」
「はぁ!?」
俺は思わず叫んでしまった。
541 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 20:36:01.98 ID:S6Fc5cmn0
ざわ・・・ざわ・・
542 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 20:38:27.99 ID:dhyhpW9l0
・・・ざわわ・・・ざわわ・・・わ・・・
543 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 20:44:30.27 ID:JkUeFcum0
何も今該当しなくていいのにと、俺は自分の微妙な運を呪った。
「あら、1番がキョン?」
「待て待て待て待て、いくらなんでもそれはないだろう!?」
「いいじゃない、ほっぺなんだし。それに忘れたの?王様の命令は絶対!あんたもゲームに参加してるんだから最低限のルールぐらいは守りなさいよねッ!」
強制参加だろうが!
「で、3番と4番はだれ?」
「・・・私。」
長門が3と書かれた棒切れを見せる。
俺が心の中でガッツポーズをしたのは言うまでも無い。
そりゃ俺だって男だし、キスされるのが嬉しくないわけではない。
もうこうなったからには体裁なんて気にしないことにした。
これで4番が朝比奈さんだったら万々歳なのだが・・・
「・・・どうやら、今日は厄日なようですね。」
544 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 20:44:43.70 ID:VlwbexZcO
ここで長門とやってハルヒと古泉とみくるが嫉妬する展開もみたい!
545 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 20:47:25.90 ID:cAwSp8rN0
こwwwいwwwずwwみwwww
547 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 20:52:24.92 ID:JkUeFcum0
「あら、また古泉くん?まぁいいわ、早くやっちゃって!ほら、みくるちゃんこっち来てなさい♪」
♪じゃないだろ♪じゃ!
「では長門さん、お先にどうぞ」
なんでお前は承諾してるんだよと突っ込みたくなるが、古泉の言うとおり俺がゲームを中断し、ハルヒの機嫌を損ねたら大変なことになる。
ここは辛抱しろ、俺・・・
と拳を固めて我慢していると、
「・・・・しゃがんでくれないと、届かない」
と長門が僅かだが感情のこもった声で言った。
「あ、あぁ、すまん」
動揺しつつも長門と同じ目線になるように少し膝を曲げた。
――――チュッ
少しの間をおいて、一瞬だけ長門の小さな唇が俺の頬に触れた。
・・・小学生じゃあるまいし、ハルヒのゆうにほっぺちゅーだけでこんなに動揺する俺が変なのだろうか。
また元の姿勢に戻った長門の表情に変化はない。
生まれて三年の長門でさえそうなのだから、きっと俺がウブすぎるんだろう。
548 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 20:55:10.18 ID:cAwSp8rN0
長門にそういう感情がないことは重々承知済みだろww
549 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 20:55:17.43 ID:RF6OBzaNO
長門おおおおおお!!!!
550 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 20:56:16.03 ID:6hINVetZ0
長門もかわええがキョンもかわええw
若いっていいなぁぁぁ
551 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 20:56:45.96 ID:dhyhpW9l0
チュッ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
554 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 21:05:44.14 ID:JkUeFcum0
「・・・有希、家に帰ったら唇消毒しときなさいね。はい次は古泉くん!時間ないんだからさっさとやるわよ!」
相変わらず失礼なやつだ。
しかし、少しハルヒのテンションが下がった気がする。
そんな考えは一瞬で、俺は男のキスにどうやって対処するかを考えることにした。
「では・・・いいですか、キョン君?」
先に言っておくが俺にそんな趣味はひとっかけらもない。
古泉はというと、笑顔でも真顔でもない微妙な表情だった。
まぁそれが一般なんだろう。
「・・・さっさとやれ。」
「では、失礼します。」
覚悟を決め、グッと目を硬く閉じる。
「・・・終わりましたよ、涼宮さん」
「はい、お疲れ様!それじゃ次・・・「最終下校時刻になりました。校舎内に残っている生徒は、すみやかに下校してください」
ハルヒの声と放送委員のアナウンスが重なる。
「あら、もうそんな時間だったのね。全く、キョンがぐずぐずしてるから・・・」
ブツブツとハルヒは荷物をまとめはじめる。
「でも楽しかったわ。またやりましょー!じゃ、みんな帰るわよ!ほらほらみくるちゃんが着替えるから男二人は出てった出てった!」
556 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 21:10:06.63 ID:q8O+Jgwt0
やっぱ古泉器量いいな
557 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 21:14:13.13 ID:JkUeFcum0
「ふぅ・・・」
俺達はいつものように部室の扉に背を預け、朝比奈さんの着替えを待った。
「みくるちゃん、さっさとしないと置いてっちゃうわよ!」
「あわわ、待ってくださいぃ~」
「あたしが手伝ってあげるかさっさと脱ぐ!」
「ひゃぁっ、て、手伝ったら余計時間かかっちゃいますよぉ~」
ドアの向こうから俺に余計な想像をさせる会話がされている。
「今日はお互い災難でしたね。」
いつもの笑顔に戻った古泉が、ドアの向こうに聞こえないように小声で同意を求めた。
「全くだ。」
「でも僕は楽しかったですよ、最後のキスは別として。」
「・・・なんだお前、そんな趣味あったのか?」
「だっ、だから別としてって言ってるじゃないですか!」
「冗談だ、慌てるってことは図星じゃないのか?」
「・・・キョン君も涼宮さんに劣らないぐらい失礼ですよ。」
何とでも言え、こうやって古泉をウサ晴らしにでも使わないとハルヒたちの会話が俺の思考回路を変な風に持っていくのだ。
古泉にそんな趣味がないのは確かだろう。
長門にキスされた右頬と、古泉にキスされた左頬を同時に撫でる。
音もない、静かなキスだった。
だけど確かに、その感触は俺の頬に残っている。
なんだか変な気分だ。
558 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 21:14:15.08 ID:a5NjFynMO
なんて甘酸っぱいんだ…!イイヨイイヨー
561 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 21:20:44.63 ID:JkUeFcum0
「こんな風に、なんの意味もなくみんなで騒ぐのも楽しいですね、という意味ですよ」
古泉は若干遠い目で話していた。
「・・・まぁな」
「帰るわよ!」
ハルヒの無駄にでかい声とともにドアが唐突に開いたので、俺達は前に倒れこみそうになった。
「それじゃ、帰りましょう」
最近は五人全員で下校することが日課になってきている。
「長門、今日は本を持ち帰らないのか?」
「・・・取ってくる。」
「有希が忘れ物なんて珍しいわね。」
俺もなんだか長門の人間らしい一面を見たが気がした。
たまには、三年に一回ぐらいならこんな日があっても悪くないと思った。
~fin~
562 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 21:22:36.18 ID:cAwSp8rN0
乙!
なんか、古泉が切ない…
563 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 21:24:07.53 ID:RF6OBzaNO
おつ!長門可愛いよ長門
564 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/02(土) 21:24:08.53 ID:dhyhpW9l0
長門が動揺してるwwww
乙!
※その3へ
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