麦野「美琴、私のものになりなよ」 その2

***
--/--/--(--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2013/05/03(金)
439 :カザキリ様がみてる ◆S83tyvVumI:2010/07/08(木) 23:13:15.68 ID:fG9FuNUo

その2です。



439 :カザキリ様がみてる ◆S83tyvVumI:2010/07/08(木) 23:13:15.68 ID:fG9FuNUo

―第十七学区 不穏分子アジトビル 1F  22:00―


墓穴の底から響くような声がそこかしこから聴こえてくる。
十七学区の路地裏。今は使われていない廃ビルの正面玄関前、絹旗、フレンダ、滝壺の三名は
辺りに転がった無残な死体の山を見下ろして一息ついたところだった。


絹旗「何とか片付きましたね」


額の汗をぬぐいながらふぅと息を吐く絹旗。
足元には鉄骨や車の下敷きにされた男達の死体が転がっている。


フレンダ「結局用心棒の能力者がちょっと厄介だったけど、追いかけてった麦野大丈夫かな?」

絹旗「麦野が負けることなんて、それこそレベル5でも出てこない限り超あり得ません」


本日の仕事は先日の能力開発関連のデータを海外に売り裁くにあたって仲介人となったブローカー達の抹殺だ。
アジト内部に売人と用心棒である『風力使い(エアロシューター)』がまだ逃亡中のため、麦野がそちらの掃討。
3人は外の敵を潰しつつ、このビル唯一の入り口である正面玄関を封鎖しているところだった。


フレンダ「いや、そっちの心配じゃなくて。派手にやらかし過ぎて野次馬が寄ってくるような騒ぎにならないかなって」


苦笑しているフレンダ。
麦野の『原子崩し』はとにもかくにも目立つ能力だった。
光輝くわ轟音はすごいわ、おまけに能力者の麦野自信がハイになるとそれはそれはよく吼える。
弱い犬ほどよく吼えるというが、例外もいるのだということを証明しているかのように。
とにかく相手の自尊心を粉々に粉砕するまで罵倒し続ける麦野。
街中だったら5秒で『警備員(アンチスキル)』や『風紀委員(ジャッジメント)』が飛んでくることだろう。




440 :カザキリ様がみてる ◆S83tyvVumI:2010/07/08(木) 23:16:15.74 ID:fG9FuNUo

絹旗「……それは、何とも言えませんね」


絹旗も呆れてため息をついた。


滝壺「二人とも、データが入ったディスクも回収したよ」 


ブローカーの一人が持っていたアタッシュケースの中から、データが入ったディスクの一つを取り出して滝壺がぼんやりと言う。
いくつかに分けて所持しているようで、中にいる連中も恐らく持っているだろう。


絹旗「あとは上の階に上っていった麦野だけですか。まあ何か問題が起こるとは超考え辛いですが」


窓ガラスが割れて煤けた30階建ての廃ビルを見上げて絹旗が頭をポリポリとかく。
少々てこずっているのか遊んでいるのか、やけに静かな夜だった。


フレンダ「とりあえず、終わったら車戻るように麦野に言われたし、退散しよっか」

絹旗「ですね、いつ頭上から電子線の雨が降ってくるか分からないですし」


敵を追いかけてビルに入っていった麦野は最初こそ罵詈雑言を吐き連ねながら電子線を乱射していたが、
それは威嚇のつもりだったのだろう。今はねっとりと舌なめずりでもしながら狩を楽しんでいるのに違いない。
物音のしないビルを見上げて、フレンダと絹旗は同時にゴクリと唾を飲み込んだ。
次の瞬間には、ビルが跡形もなく消し飛ぶような攻撃を放つかもしれないのだから。


滝壺「むぎの、今日も随分はりきってるね」


ビルを見上げているのか、その中にいる麦野を見ているのか、滝壺は上を向いたままポツリと呟いた。


フレンダ「麦野が本気出してくれたらこっちも楽だしいいんじゃない?」

絹旗「確かに、麦野は楽しい、私達は楽。みんな超ハッピーです。おっと、相手さんは不幸になるだけでしたね」

フレンダ「あはは、それ言えてる。結局、今日はどんなことやらかしてくれるのかしらね」


軽口を叩きあって、フレンダは携帯電話で少し離れたところに待機している浜面を呼び寄せようとボタンを操作し始めた。




441 :5日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/08(木) 23:18:54.47 ID:fG9FuNUo

―第十七学区 不穏分子アジトビル 3F  22:10―


廃墟と化したビルの内部。
二人の男が息を殺して誇りまみれの部屋の隅で辺りの様子を伺っていた。
そのうちの一人は某国へ学園都市の能力開発関連のデータを売り捌くべく学園都市内部に侵入していたブローカーであり、
小奇麗なスーツと趣味の悪い宝石がこれでもかとちりばめられた金時計を腕に巻く太めの男。
もう一人は学園都市内部の能力者で、金ほしさにブローカーに協力しているレベル4の『風力使い』である。


カツーン… カツーン…


女のヒールが床を叩く音が遠くから響いている。
ゆっくりとした足取り。
彼らの姿を探して歩いているようだ。
がらんとした無人の廃墟に、嫌に鮮明に足音が響いていた。


売人「はぁ……はぁ……ここまで足音聴こえてきやがる……な、なんなんだあの女!」


壁に100キロ近くある体重を預けて汗をぬぐいなら男が荒く呼吸した。
ほんの30分ほど前のことを思い出す。
突如アジト前に横付けされた巨大なキャンピングカーの中から現れたのはたった4人の少女だった。
警備を任せていた二人の屈強なボディーガードを瞬き一つの間に肉片へ変えた一人のモデル風美女は、
彼らの眼前に降り立つなりこの世のものとは思えない恐ろしい笑顔でこう言い放った。


  「ブチコロシ、かくていね」




442 :5日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/08(木) 23:23:37.92 ID:fG9FuNUo

アジト内から飛び出していく学園都市内で雇った勇敢なチンピラ達は、まるで餌に釣られた肉食獣のようだった。
突如目の前に現れた可憐な少女達をとっ捕まえて欲望のはけ口にでもしてやろうと、軽い気持ちだったのだろう。
しかし、ブローカーはその時既に危険を察知していた。
長年こういった仕事をしている者としての勘が告げたのだ。
今すぐ逃げろと。
あの女の前に立てば、並大抵の苦しみで殺してなどはくれない。
たっぷりねっとりと。
骨の髄までしゃぶりつくして、吐き出した吐しゃ物をもう一度骨に刷り込んでまた嘗め尽くすような、
それはそれは凄惨で無慈悲な殺され方をするだろう。


カツーン… カツーン…


響く足音を聞きながら隣で冷や汗を流している用心棒の男を一瞥する。
レベル4の『風力使い』で、修羅場をくぐることにかけてはそれなりに慣れているとのたまった男だが、
彼もあの女の前では何の役にも立たなかった。
ただただ一方的な虐殺を前に尻尾を巻いて逃げ出すことしか出来なかった。
だが無理もない。
あんな風に解体されていく人体など、ブローカーは40年近い人生で一度もお目にかかったことはなかった。
初めて潜入した学園都市はまさに人外の魔境であったのだ。


風力使い「こっちが聞きてえよ! あんなの出てくるなんて聴いてねえぞ! 邪魔してくる奴を
     ぶっ飛ばすだけで金がもらえるからって手伝ってやったのにっ! 何だよあの化け物女!」


レベル4『風力使い』。小学生のころから順当に成長を続け、それなりの苦労をしつつこの位置まで上り詰めた。
そこそこの努力をして、だが学生生活も適当にこなしてきた。友人にも恵まれ、レベルも高いことから女にもそれなりにモテた。
そんなつまらない日常に、ちょっとした刺激をと思って始めた今回の仕事。
路地裏のスキルアウトをボコボコにして正義の味方を気取っていたこともある。
今回も、そんな簡単な仕事の一つだと思っていたのだ。




443 :5日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/08(木) 23:26:14.24 ID:fG9FuNUo

カツーン… カツーン…


だが、これはそんな生易しいものではなかった。
強すぎるという言葉で片付けるのは簡単だろう。
犯罪に与しているというのはなんとなく分かっていたが、自分はストレスの解消と小遣い目当てだから大して罪悪感も無い。
アホ面下げてやってきた連中を吹っ飛ばす。
それだけのことだと思っていたのに。
キャンピングカーから出てきた彼女を見たとき、まず最初に思ったのは、今まで付き合ったどの女よりも美人だということだった。
2秒後。
それは幼いころ見た夢に出てくる怪物のような、恐ろしいものであると理解した。
青白い閃光を纏って侵略してくるただ一人のインベーダー。
フレディよりも、ジェイソンよりも、エイリアンよりも。
もっと恐ろしい化け物。
紛れもない『レベル5』。
学園都市の頂点に君臨するその存在に、レベル4以下の数字など何の価値もないのだと悟った。


売人「あいつ俺達を探してるぞ……お前レベル4なんだろ! あの女それでどうにかならねえのかよ!?」


無理だ。
それは学園都市外の彼よりも、内部の人間の方がよっぽど分かっている。
レベル5にまともに勝てる人間なんて、この世にはいない。


カツッ…


風力使い「さっき散々試しただろ! クソッ! 何とか逃げ道探さねえと、俺達どうなっちまうんだ……」




444 :麦のんは化け物じみてるくらいが可愛い ◆S83tyvVumI:2010/07/08(木) 23:28:08.50 ID:fG9FuNUo

忌々しげに歯噛みする風力使い。
すると、突如目の前のブローカーがこちらを指差してガクガクと歯を鳴らし始めた。


売人「あっ……あ……」 


青白い顔。尋常ではない怯え方だった。


風力使い「ど、どうしたんだよ?」


大の大人の恐慌状態を目の当たりにして焦りが生じた。
故に判断が遅れる。


売人「う、後ろ……」


彼は、こちらを指差していたのではない。
部屋の扉の僅かな覗き窓。


風力使い「え?」



そこから、女の目がこちらを見ていた。



 「   み   ぃ   つ   け   た   」 




445 :5日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/08(木) 23:30:27.85 ID:fG9FuNUo

吹き飛ぶドア。
口を耳まで引き裂くように嗤う彼女を見つけた瞬間、
風力使いは迷わず手近のロッカーを女に向けて射出しようと手を動かした。


風力使い「テメェぶっ殺」


だが能力が発動することなどない。
風力使いの右腕は、女の手から放たれた青白い光によって胴体と別れを告げた。


麦野「トロいんだよ遅漏が。乾いちまうだろぉがぁぁあ!! ギャハハハハハハハッ!」 


異様なテンションで馬鹿笑いをする女の声などもう届かない。
吹き飛んだ右腕から絶え間なく吹き出る大量の鮮血が部屋中を赤く染め上げていった。


風力使い「ギャァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!!
       腕がっ! 俺の腕がぁああああアアアアアァァッッ!!!! 」 


のた打ち回る男。
床に転がった彼にはもう興味を無くしたように、今度は小便を漏らして床にへたりこんでいるブローカーを
ニマニマとねめつけている。


麦野「ギャーギャー喚くなよド低能。私は今めちゃくちゃ機嫌がいいの。
    特別サービスよ。面白いもん見せてあげる」

売人「う、うわぁぁぁっ!!!」 


もはや逃げる以外の選択肢など頭の中には無かった。
少しでもこの化け物から遠ざかりたいという欲求に、ただの人間である彼が勝てるはずもない。




446 :5日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/08(木) 23:33:54.54 ID:fG9FuNUo

麦野「ばぁかっ! このビルにもう逃げ場なんざねえんだよっ!」 


心底馬鹿にするような声で、女は右から左に腕を薙いだ。
同時に室内に広がる青白い閃光。
360度、全方向に向けて放たれる極太の光の槍。
何枚もの壁を粉砕し、その向こうから夜空が覗き見えた。


売人「ひっ! や、やめてくれ! た、頼むっ!」 


それは一つとして男に当てられることは無かったが、威嚇としては充分な効果をあげたようで、
彼はでかい尻から床に転げて両手を前に突き出し命を乞う。
だが、女は今度は無表情のまま唇を動かした。


麦野「あー、もうそれ無理だわ。今の一発で終わったから」

売人「は?」 


終わった?
まだ自分は生きているし、風力使いの男もそこで転がって血の気を失いガタガタと震えている。


麦野「このビル30階建ての廃ビルだっけ? テメェら二人の棺桶にくれてやるよっ!」


轟々とした地鳴りがビル全てを襲った。
青白い顔をした風力使いがさらに顔を青くして呟く。




447 :5日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/08(木) 23:36:26.77 ID:fG9FuNUo

風力使い「ま……ま、まさかこの音って……」

売人「こ、こんなことしらお前まで死ぬんだぞっ!」


そう。彼女は先ほどの一撃で。
ビルにある支柱全てを破壊してしまったようだった。
ゆっくりと歩き回っていたのは広さを把握するためだったらしい。
しかしこのままでは女も心中だ。
ブローカーはそれがハッタリであることを願うように、女に問いかける。


麦野「そりゃ困る。だから窓から逃げるわ」


無機質な微笑みで、女は窓の欄干に足を掛けてこちらに向けて手を振った。


風力使い「な、なっ……た、助け」


愕然として、風力使いの男が誰にともなく手を伸ばす。


麦野「ばいばーい」


そして女は、もう一度ヒラヒラと手を振って彼の願いを踏みにじる。

次の瞬間。
30階建てのビルは粉塵の中、世界の終わりのような音を立てて瓦礫の山へと成り果てていった。




448 :5日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/08(木) 23:38:05.97 ID:fG9FuNUo

―第十七学区 不穏分子アジトビル前  22:20―


浜面「おいおい……なんかビルが倒壊していくんだが俺の気のせいか?」

絹旗「奇遇ですね。私にも超そんな幻覚が見えてますよ」

滝壺「……むぎの、やりすぎ」

フレンダ「早く逃げないと面倒なことになる訳よ。麦野のアホー!」

麦野「誰がアホだって?」 スタスタスタ

フレンダ「げっ……」

麦野「3階なんてものの高さじゃないっつの。これで証拠も隠滅。経年劣化によって突如崩壊したビルの中から
    グチャグチャになった男達の死体らしきものが見つかるけど、事故じゃしょうがないよね」

フレンダ「うん。それは仕方ない訳よ」

絹旗「超事故ですからね。にしてもなんでこんな真似を?
    ここまでやらなくてもいつも通り死体ごと消滅させるか下部組織の連中に処理させたほうがよかったんじゃないですか?」

麦野「べっつにー。ちょっとやってみたかっただけ」

麦野(あの白井とかいう風紀委員のマジメちゃんに出来てこの私にできないはずないことを証明したかっただけよ)




449 :5日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/08(木) 23:42:57.75 ID:fG9FuNUo


浜面「んじゃ後片付けは他の連中に任せて帰るか」

麦野「そうね。ご飯食べて帰る? フレンダ、アンタには迷惑かけたからなんか奢るよ?」

絹旗「超行きたいです。気分的にはカレーですね」

麦野「何でアンタまで奢られる気なのよ。フレンダだけ」

絹旗「ぶー……麦野はいちいち器が超小さいですね」

麦野「あらあらまあまあ。体まで小さいあなたには言われたくないわねー」

絹旗「ガァァッ! 麦野だってでかいの乳だけでしょうっ!」

麦野「あァん? 乳すら小さい奴が何言ってんのよ。分かった分かった、全員私が奢ったげるわよ」

絹旗「おや、珍しい。麦野がこんなに簡単に折れるなんて」

麦野「やっぱ無しにすんぞチビ旗」

絹旗「冗談です。何がいいですかねー」

フレンダ「まあまあ二人とも。せっかくの奢りなんだからいいものを食べたい訳よ」

浜面「あー、悪い。今日は俺達パスするわ」

麦野「なんでよ」

浜面「それはだな……えっと……」

滝壺「今日ではまづらと付き合って一ヶ月だから、お祝いしたいなって」

麦野「一ヶ月でお祝いって、毎月やるつもり?」

滝壺「ううん、次は半年かな」




450 :5日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/08(木) 23:45:03.92 ID:fG9FuNUo

フレンダ「まあまあ。二人が記念日っつってんだから仕方ない訳よ。そういうことなら今日はやめとこっか」

絹旗「そうですね。麦野、また今度お願いします」

麦野「分かったわよ。にしても一ヶ月ねえ? どう、付き合ってて。何か変わった?」

浜面「何かって?」

麦野「楽しい?」

滝壺「楽しいよ。いつも一緒にいられるし」

麦野「ふぅん……」

麦野(そういう楽しさ私にゃ一っつも分からなかったけどね……やっぱ恋人がいるっていうのは楽しいことなのかしら)

絹旗「何照れてんですか超浜面のくせに」 ニヤニヤ

フレンダ「結局、あんまり滝壺を独占しないでよねー」 ニヤニヤ

浜面「う、うるせえな。ほらとっとと乗れよ。まだ仕事中だろ」

絹旗「浜面に仕事のことで注意されるなんて超心外です」 ブー

フレンダ「帰ってご飯作るのめんどくさーい。帰りどっかコンビニ寄ってよ」

浜面「はいよ」

滝壺「むぎの? どうしたの、帰ろう」

麦野「……ん、ああ。行く行く」

麦野(恋人ねえ。こういうの見てると欲しいとは思わなくもないけど……。欲しいからって作るもんでもないわよねえ)




451 :5日目後半 ◆S83tyvVumI:2010/07/08(木) 23:46:48.14 ID:fG9FuNUo

―常盤台中学学生寮 二○八号室 24:00―


御坂(結局今日は返ってこなかったなぁ。色々話したかったのに……)

白井「……」 zzz…


ヴーン! ヴーン!


御坂「き、きたっ!」 ガシッ!

白井「……ん……ぅうん……」 ゴソゴソ

御坂(おっと、黒子起こしちゃ悪いわよね。静かに静かに…) カチカチ


――――――――――――――――――――
from:麦野沈利
件名:こんばんは
本文:
返事遅れて悪い。ちょっと立て込んでた。
上手くいったみたいでよかったね。
と言いたいところだけど、いけそうなチャンスには
いっといたほうがよかったと思うわよ?


――――――――――――――――――――


御坂(やっぱそうなんだ……。失敗したかなぁ……で、でも時間はいくらでもあるわよ!
    次は大丈夫! ちゃんと心の準備していくんだから!……っと、続きある) 




452 :5日目後半 ◆S83tyvVumI:2010/07/08(木) 23:48:40.36 ID:fG9FuNUo

――――――――――――――――――――

いっといたほうがよかったと思うわよ?








まあでもアンタにしては頑張ったんじゃない?
――――――――――――――――――――


御坂(褒めて……くれてるのよね……) ドキドキ

御坂(よーし……私も……)メルメルメル


――――――――――――――――――――
to:麦野沈利
件名:うん(*>艸<)
本文:
次はがんばるっ!麦野さんの応援を無駄にしな
いためにも、あいつを仕留めてみせるわよ!


――――――――――――――――――――
>送信 




453 :5日目後半 ◆S83tyvVumI:2010/07/08(木) 23:49:40.15 ID:fG9FuNUo

御坂(ふふっ……麦野さんを照れさせてやるわよ)


――――――――――――――――――――

いためにも、あいつを仕留めてみせるわよ!








前にも言ったけど、麦野さんのそういうとこ好きだ
よ(∩∀`*)
――――――――――――――――――――
>送信 ピッ


御坂(はー……麦野さんからの返事待つのなんでこんな緊張するんだろ……。
    あいつは意外とそうでもなかったのに……) ドキドキドキ

御坂(自分でも思ってるより麦野さんのこと好きなのかなぁ……) トクンッ

御坂(って、何考えてんのよ! そりゃ嫌いじゃないけど好きのベクトルをあいつと同じに考えちゃ駄目でしょ!
    女の子同士なんだから……) 




454 :5日目後半 ◆S83tyvVumI:2010/07/08(木) 23:51:16.14 ID:fG9FuNUo

御坂(女の子同士だから、緊張するのかしらね……。どう付き合っていいかまだ分からないし……。
    だけど麦野さんとのこの距離は、もっと縮めていきたいなって思うのよね……。
    長い付き合いじゃないけど、そこそこ深い付き合いだもん。 
    その方向が変われば……もっと麦野さんに近づけるのかな……)


メールゲコ!メールゲコ!


御坂(着信音が鳴るだけで麦野さんの顔が浮かぶ……。結構私重症なんじゃない?)


カチッ
――――――――――――――――――――
from:麦野沈利
件名:無題
本文:
私も好きよ。美琴


――――――――――――――――――――


御坂(ええええええええええええええええええっっっ!!!???) ガタッ!

白井「ぅ……うぅん……お姉様ぁ……ムニャムニャ」 zzz…

御坂(やばっ! ごめんね黒子。
    ビ、ビックリしたぁ……な、何これ……) ドキドキドキドキ…




455 :5日目後半 ◆S83tyvVumI:2010/07/08(木) 23:52:12.28 ID:fG9FuNUo

御坂(あれ……? 続きある……?)


――――――――――――――――――――

私も好きよ。美琴











ドキッとした?
したならアンタは女子高に染まり過ぎてます。
ご注意(*ゝω・*)-☆キャピッ
――――――――――――――――――――


御坂(……そ、そんなの……!)

御坂(何よ……後半の方がドキッとしちゃったじゃないの……) ドキドキドキ




456 :5日目後半 ◆S83tyvVumI:2010/07/08(木) 23:54:41.31 ID:fG9FuNUo

―麦野宅 浴室 24:30―


チャプッ…


麦野「~♪」

麦野(極楽……。あー、そういや御坂とお風呂行こうって約束まだ日取り決めてなかったな) チャポッ

麦野(けどあいつ明後日来るんだっけ? せっかくだからその時行くか)


ハーナテココローニキザンダユメモミライサエオーキーザーリーニシーテー!


麦野(おっ。さてさてさて、何て返してくれるんでしょうかね、美琴ちゃんは) ニヤニヤ

麦野(っつかお風呂にまで携帯持って入るって……どうよこれ。なんつって。
    だって早く反応見たいんだもん☆ ビニールで包んでりゃ全然大丈夫だしねー) ククッ


カチッ
――――――――――――――――――――
from:御坂美琴
件名:驚かせないでよo(≧ε≦o)
本文:
ドキッとなんてするわけないでしょっ!
下の名前で呼ばれるなんてそうそう無いからそこ
はビックリしたけどね(´・ω・`)

随分帰り遅いのね。
……仕事ってやつ?
――――――――――――――――――――




457 :5日目後半 ◆S83tyvVumI:2010/07/08(木) 23:57:10.31 ID:fG9FuNUo

麦野「なんだつまんない」

麦野(仕事のこと突っ込んできやがったな……。よせって言ったのに) メルメルメル


――――――――――――――――――――
to:御坂美琴
件名:ちっ
本文:
つまらねーの。
まだ起きてていいの?ガキは寝る時間よ。

それに関してはコメントを差し控えさせて頂きます
っつか詮索すんなよ超電磁砲。
私はアンタとの間に仕事の話を持ち込むつもりは
無い。それがお互いのためだしね。
――――――――――――――――――――
>送信 ピッ


麦野(ま、これが正解でしょ。私らとは一切関わり無いところにアンタがいてくれるから
    私はこうして楽しくメールできんだしね)

麦野(楽しく……ね。受け入れ過ぎでしょ私。暇つぶしだったはずなんだけど……。
    私はこいつとどうなりたいんだか……)




458 :5日目後半 ◆S83tyvVumI:2010/07/08(木) 23:58:31.15 ID:fG9FuNUo

ハーナテココローニキザンダユメモミライサエオーキーザーリーニシーテー!


麦野(もう日付変わってんだから寝ろよ……)


カチッ
――――――――――――――――――――
from:御坂美琴
件名:もうちょっとo(≧ε≦o)
本文:
もうちょっとだけ麦野さんと話してたい…。
だめ?(´・ω・`)

分かった。変なこと聞いてごめん!
――――――――――――――――――――


麦野(……ったく。ちょっと言い過ぎたか?) メルメルメル


――――――――――――――――――――
to:御坂美琴
件名:仕方ないわねえ
本文:
私のこと大好きなのね(笑)

いいよ。ところで、明後日泊まりに来るなら前言っ
てたレジャーお風呂はその日の夜行く?
っつかアンタって泊まりとか大丈夫なの?
――――――――――――――――――――
>送信 ピッ


麦野(書いててちょっと恥ずかしいじゃないのよ) チャプン…ブクブクブク

麦野(体洗おうっと) ザバァッ




459 :5日目後半 ◆S83tyvVumI:2010/07/08(木) 23:59:55.39 ID:fG9FuNUo

―常盤台中学学生寮 二○八号室 24:50―


御坂(大好きって……変に意識してるときにそんなこと言われたら余計寝れないじゃないっ!)

御坂(明日寝不足確定ねー……いいけど) メルメルメル


――――――――――――――――――――
to:麦野沈利
件名:まあ
本文:
普通に好きだよ(*>艸<)

それいいわね。そうしましょ☆
わー、友達の家に泊めてもらうの初めて!
すっごい楽しみ!(∩∀`*)
水曜日はテスト休みで休日なのよん(*´∀`)ノ
外泊申請出しといたから大丈夫ヾ(・ω・*)
――――――――――――――――――――
>送信 ピッ


御坂(お風呂かー。いよいよ敗北感を味わう羽目に……) 

御坂(麦野さんスタイルいいわよねー……私もああなりたいけど、ま、これからよねっ!) フフッ 




460 :5日目後半 ◆S83tyvVumI:2010/07/09(金) 00:01:45.56 ID:DJx/cTQo

メールゲコ!メールゲコ!


御坂(お泊りってどうしてこうワクワクするのかしら) フフッ


――――――――――――――――――――
from:麦野沈利
件名:あっそ
本文:
素直でよろしい(笑)

そんなに期待しないでよ。何も面白いものなんて
無いんだから。
まあご飯くらいは作ってあげるけどね。
1泊2食で10万円になります(*ゝω・*)-☆キャピッ
――――――――――――――――――――


御坂「う……」

御坂(ヤバ……また麦野さんのウィンク思い出しちゃった……。
    あれだけ美人なんだからもうちょっと言葉遣い直したらすごいことになるんじゃないかしら) メルメルメル




461 :5日目後半 ◆S83tyvVumI:2010/07/09(金) 00:03:48.49 ID:DJx/cTQo

――――――――――――――――――――
to:麦野沈利
件名:えー(*´∀`)ノ
本文:
麦野さんって色々こだわってそうだから部屋オシ
ャレっぽい(*ゝω・*)
お金取るなってのo(≧ε≦o)
麦野さんの手料理も楽しみだわー(・∀・)
――――――――――――――――――――
>送信 ピッ


御坂(……もう一時過ぎか……さすがに寝ないと明日しんどいだろうな……)

御坂(……けど麦野さんと話していたいというジレンマ……。うーん、けど向こうだって眠いわよね。
    ここらで切り上げた方がいいかも……でもなぁ……んー) ウトウト

御坂(……あー……寝そう……麦野さん……から……返事…………) ウツラウツラ……


ヴーンヴーン


御坂「……くー」 zzz…




491 : ◆S83tyvVumI:2010/07/09(金) 22:19:58.91 ID:DJx/cTQo

6日目


―???―


濃厚に香る蜜の匂い。
静寂に閉ざされた世界の中で、優しい声が聴こえた。

「御坂……! 御坂起きろよ」

「!?」


涼やかな男の声に、私は薄く瞳を開いて現実に呼び戻された。
ゆっくりと体を起こすと、私はどこかの部屋のベッドで眠っていたようだ。
クイーンサイズの巨大なベッドの四隅から天蓋に伸びる螺旋の柱が聳え、薄いシルクのカーテンの向こうは
靄がかかったように何も見えない。


「まだ寝るには早い時間だぞ、御坂?」

「……ごめん……ってあんた何よその格好!?」


声の主、上条当麻は一糸纏わぬ姿で隣に腰掛けている。下半身はシーツがかかっているから直接見えないものの、
何も着ていないということは腰周りの様子から見て取れた。
私は熱くなる顔を隠すようにバッとそこから視線を外す。
彼は私の頭の後ろでクスリと笑い声をあげた。
そっと体に回される腕。
白く細い、しなやかな指先が私の皮膚を這い回り、ゾクゾクとした電流が全身を駆け巡っていった。




492 : ◆S83tyvVumI:2010/07/09(金) 22:24:39.87 ID:DJx/cTQo

「何言ってんだよ御坂。俺達、今日結ばれるんだろ? ……もう我慢できねえよ、いいだろ?」


耳元に口を寄せて甘く囁く。
私はピクリと体を跳ね上げてその声に酔いしれた。
ああ、これはきっと夢だ。
だから私は、彼のその言葉を何の迷いもなく受け入れることができた。
彼とこうなることを望んでいたのは私も同じはずだったから。


「で……でも! 私初めてだから……その……怖い……」


いつにも増して積極的な彼と、夢の中での睦み事を愉しむ。
彼の体に自らの体を預けて、私は抵抗する気も起きずに体を緩く捩るばかりだった。


「大丈夫だよ……私に任せなさい……」 


胸元で握った私の手を、彼のピンク色のネイルで彩られた指が解きほぐす。
耳元に吹きかかる熱い吐息が、私の脳を蕩けさせて思考能力を奪う。
背中に密着する彼の体。
柔らかな二つの丘が背中へ押し付けられ、掌は私のささやかな膨らみを優しく包み込んだ。
わずかな違和感。
男の体とは、こんなにもしっとりと柔らかいものだっただろうか。


「あ……あんた、随分柔らかいわね……女の子みたい」


空いた片方の手が私の足の付け根へと滑り降りていく。
よく手入れされた綺麗な手だった。

そう。

まるで、女のそれであるかのように。




493 : ◆S83tyvVumI:2010/07/09(金) 22:27:10.90 ID:DJx/cTQo

「何言ってんの? 私、女の子だよ?」


凛とした声だった。
振り返ったその瞬間、私は絶句する。
量の多い、ふわふわの栗毛。
芸術品のような整った顔立ちと白く繊細な肌。
長い睫をたくわえた鋭い大きな瞳。
細い首筋から綺麗な鎖骨を通りすぎ、その下に鎮座する神々しいまでの美麗かつ大きな乳房。
無駄な肉の無い腹部と、細い腰の下にはムッチリとしたお尻と肉付きの良い長い脚が見える。


「む……ぎのさん……?」


そこにいたのは上条当麻などではなく。
どういうわけか麦野沈利その人であった。


「美琴……我慢できないよ……しよ……?」


トロンとした瞳で、私の首に腕を回してくる。
鼻先五センチのところで囁く彼女の吐息は恐ろしく甘く香り、私の鼻腔を蠱惑的にくすぐる。
理性をボロボロに砕かれそうになるのをこらえながら、私は最後の抵抗として、ギュッと瞳を閉じて拳を握った。




494 : ◆S83tyvVumI:2010/07/09(金) 22:29:30.03 ID:DJx/cTQo

「だ、だって私達……女同士なんだよっ! こ、こんなのおかしいわよっ!」

「大丈夫……私がぜぇんぶ……教えてア・ゲ・ル……」

「ふぁ……む……むぎのさん……ぁっ」


栗色の毛先が私の肌を柔らかくくすぐった感触の後、彼女の舌先が私の首筋を這い回っていく。
熱く濡れたヌルヌルの舌先に、私の欠片ほどの理性がどこか遠くへと消しとんだ。
女の体を知り尽くしているのは、他ならぬ女の自分自身であるということを証明するかのように、
彼女は私の嬌声を導き出す奏者の如くこの体を弾き鳴らしていった。


「ぁっ! ぁあっ! 麦野さん……駄目っ……私はあいつのことが好きなのに……こ、こんなの……んぅっ!」

「だから? こんなに濡らしてるくせに何生意気言ってんの?」


天蓋付ベッドはまるで外の世界と隔離されているように何事をも外界へ伝えることは無く。
私はただ体の上を這い回る彼女の指先に翻弄されるばかりだった。
体の奥底から溢れてくる情欲の蜜がシーツを色濃く濡らしていく。
奥底をかき回す彼女のしなやかな中指は、まるで生き物の様に私の最奥を擦り上げて刺激する。


「はぁんぅっ! ぁぁあ……! 駄目……! 駄目なのぉっ……!」

「ふぅん。指一本でキツキツの割にはエロい体してんのね」




495 : ◆S83tyvVumI:2010/07/09(金) 22:31:10.54 ID:DJx/cTQo

彼女は、私の薄い茂みをジッと眺めて意地悪く微笑んでいた。
快楽に身を委ねる私を嘲るその視線に、言い知れぬ酔いが全身を走りぬける。
私は永遠とも思える時間を、彼女の指先一つで作り上げられた。
気持ちよすぎて。何も考えられない。
やがてさらに奥底を目指すその指先が、ある地点で動きをピタリと止める。


「そ……そこからは本当に駄目っ! は、初めてなのぉっ!」

「……じゃあ、それも私のね」


残酷に笑う彼女の唇が艶かしく蠢いた。
ギラギラと私を射抜く熱っぽい視線に、もうどうにでもしてと、私はとうとう涙を零して笑みを浮かべることしかできなかった。



「これでアンタは、私のものよ」



ギチギチと裂かれていくような破瓜の痛みと抑えきれない喘ぎの中で、私の意識はプツリと途切れた。




497 :6日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/09(金) 22:34:56.71 ID:DJx/cTQo

―常盤台中学学生寮 二○八号室 6:00―


御坂「!?」 ガバッ!

白井「……ぐぉぉ……お、お姉様ぁ……そこは汚いですのぉ……グヘヘヘ……ムニャムニャ」 zzz…

御坂「夢……?」

御坂(なんつー夢見てんの私っ!)

御坂(む、むむむっ麦野さんとあんなことする夢なんて……) カァァッ

御坂(ハッ……そか、メールしながら寝ちゃってたんだ……)

白井「ぁはぁん……お姉様……黒子をめちゃめちゃにしてくださいましぃ……がぁぁぁ……」 zzz…

御坂(黒子がこんな寝言呟いてるから……! 恥ずかしいー! 明日麦野さんの家行くのに顔見れないわよ……!)

御坂(女同士でそんな……! 大体どうやってするっての!? 麦野さんの指が私の……ああああぁぁぁ!
    思い出すな思い出すな! うわぁ~……最悪……どんな顔して麦野さんに会えばいいのよ……)

御坂(私にはあいつがいるのに……女の人と……エ、エッチする夢見るとか何なのよ……)

御坂(わ、私はそもそもエッチなことなんて……! きょ、興味ないんだからね!)

御坂(ぁぁぁああぁぁっ! やだもう最低っ! なんでよりにもよって麦野さんなのよー!) バタバタバタッ

御坂(リアル過ぎるわよ……。麦野さんならきっとあんな風に……駄目駄目駄目! 無理無理無理!)

御坂(おちけつ! 冷静になるのよ私っ! 深呼吸深呼吸……) スーハースーハー

御坂(あ、そ、そだメール……) カチッ




498 :6日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/09(金) 22:37:06.03 ID:DJx/cTQo

――――――――――――――――――――
from:麦野沈利
件名:いや
本文:
そこまでじゃないけど…
ほんと大したことないわよ?

こんな美人の手料理ってだけで価値跳ね上がる
のに、アンタ無料で食おうっての?(笑)
――――――――――――――――――――


御坂(昨日の夜はこのメール見る前に寝ちゃったのか……)

御坂(頭冷えるまでメール返せないな……。あーもうやだっ! と、とにかくシャワー浴びてこないと……) イソイソ…

御坂(ごめんね麦野さん……夢の中で、あんたとしちゃったわ……) ドキドキドキ…




499 :6日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/09(金) 22:39:38.74 ID:DJx/cTQo

―麦野宅 17:00―


麦野「結局あいつから返事無いな……」 ボソッ

麦野(珍しいわね。昨日まで麦野さん麦野さん言ってきたくせに)

麦野(明日の準備のためにわざわざあいつらとの集まり切り上げて帰ってきたんだけど、
    気になって掃除が手に付かないじゃないの……) イライラ

麦野(にしても今日変な夢見たな……)

麦野(……御坂とセックスする夢って……欲求不満なのか私は)

麦野(何でよりによって相手が女のあいつなのよ……)

麦野(まあ身近に男なんていないわけだけど……わざわざあいつが出てこなくたっていいじゃないの、ねえ?)

麦野(フレンダよりはマシだけど……)

麦野(夢の中のあいつは随分積極的だったな……。年下にいいようにやられるなんて……夢とはいえ屈辱だわ……)

麦野(まあそんな機会ないだろうけど、せめてあいつの夢にでも出てグッチャグチャに犯してやらなきゃ気が済まないわね……)

麦野(ああ……私に屈服する第三位。……うふふふふっ、考えただけで素敵。首輪とか付けて人間の尊厳なんて根こそぎ奪って
    ボロッボロのクッタクタにしてやりたいわ……) クスクス




501 :6日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/09(金) 22:42:14.90 ID:DJx/cTQo

麦野(そこまでやればあいつを素直に可愛がれるかも)

麦野(どうでもいいけどあいつたぶん処女よね。違うとか言われるほうが驚くわ)

麦野(うはー泣かせてえ……。あの生意気な御坂がビービー泣いてるとこなんてそれだけでご飯食べられるわね) ゾクゾクッ

麦野(……って、何考えてんだか。いじめがい有りすぎて思考がおかしな方向に行っちゃったわ)

麦野(っつかあいつ返事返せよ……。何で私が一人でやきもきしなくちゃなんないわけ? あー腹立つ)

麦野(っていうかあいつ明日ここに泊まるのよね。布団はフレンダ達が来たとき用のがあるからそれ使うとして……。
    着替えはあいつ持ってくるか。ってことはやっぱ料理ね。何しよっかなぁ……)

麦野(あー、けど夜お風呂行くもんね。朝から作っておけるもんのほうがいいか。
   季節的にもシチューとかいいかも。よし、決めた! ビーフシチュー! あいつ好きかなぁ……ふふっ)

麦野(……何うきうきしてんだか。ったく、あいつのこと考えると調子狂うな。
    アホくさ……とっとと掃除しよ……) ハァ…

麦野「けど……楽しみね」 ボソッ




502 :6日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/09(金) 22:44:00.59 ID:DJx/cTQo

―常盤台中学学生寮 二○八号室 20:00―


――――――――――――――――――――
to:麦野沈利
件名:返事遅れてごめんねo(≧ε≦o)
本文:
ちょっと忙しくってさ(≧Д≦;)
ところで明日学校終わってから行くけど、場所分
からないから迎えに来てくれたりしない?(´・ω・
`)
住所教えてくれれば自分で行くけどね(*´∀`)ノ
――――――――――――――――――――
>送信 ピッ


御坂「よし。さぁて、明日の準備準備」 ガサゴソ


ガチャッ


黒子「あらお姉様。何をなさってますの?」

御坂「あれ、言ってなかったっけ。明日の夜私いないから」 ガサガサ

黒子「は?」

黒子「お、おおおお姉様!? とうとう黒子に愛想を尽かせてしまいましたの!?
    嫌ですの! どうか、どうか考えをお改めになってぇっ!」 ビー

御坂「は!? ちょっ、何泣いてんのよ!」




503 :6日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/09(金) 22:45:35.44 ID:DJx/cTQo

黒子「お姉様はここを出て行ってしまわれるんですのねー!? 嫌ですのー!」 ビー

御坂「違うって。明日は麦野さんの家に泊めてもらうの。水曜日テスト休みでしょ。遊びにいくだけよ」 ヨシヨシ

黒子「あら……そうでしたの。けどまた麦野さん……。随分仲がよくなりましたのね」

御坂「まーねー。気が合うみたい」

黒子「ではお楽しみになってくればよろしいんじゃありません?」 プィッ

御坂「? あんた何か怒ってる?」

黒子「怒ってなどおりませんの!」 フンッ

御坂「……そう」
   
 
メールゲコ!メールゲコ!


御坂「あっ! 麦野さんだ!」 パァッ




504 :6日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/09(金) 22:46:54.50 ID:DJx/cTQo

――――――――――――――――――――
from:麦野沈利
件名:うん
本文:
いいわよ。迎えに行ってあげる。
夕食用のパンを買わないといけないし。
寮の前で待ってるから、時間教えてくれる?
――――――――――――――――――――


白井「…………」

御坂(あ、駄目もとだったけど来てくれるみたいね。やっぱいい人だわ) メルメルメル


――――――――――――――――――――
to:麦野沈利
件名:ありがとう(*ゝω・*)ノ
本文:
さっすが麦野さん!やーさしい(*>∀<*)
4時半くらいには寮帰れると思うわよ(*>艸<)
――――――――――――――――――――
>送信 ピッ


御坂「お風呂セットの用意もしとかないと。あー、今から楽しみだわ」 フフッ




505 :6日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/09(金) 22:48:04.83 ID:DJx/cTQo

白井「……」 スタスタスタ ガチャッ

御坂「あれ、黒子どこ行くのー?」

白井「黒子はお邪魔なようなので他のお部屋でお喋りでもしてきますの。お忘れ物の無いようにお気をつけくださいまし……」 バタンッ

御坂「……何よ、別に邪魔なんかに思ってないのに。……拗ねてんの? ま、そのうち機嫌直るか」


メールゲコ!メールゲコ!


御坂「はいはーい」 カチッ


――――――――――――――――――――
from:麦野沈利
件名:はいはい
本文:
褒めても何もでないわよ。褒めなかったら食事抜
きになるとこだったけど。
じゃあそれくらいに行くね。寮の前に居て不審人
物扱いされるとか無いわよね?
――――――――――――――――――――


御坂「ふふっ、面倒見いいわねえ」




506 :6日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/09(金) 22:49:45.66 ID:DJx/cTQo

御坂(……私ももう少し黒子の面倒見てやったほうがいいかしら。 
    最近構ってあげられてなかったもんね……。よし、明後日帰ってきたら黒子とも遊びに行こうっと) メルメルメル


――――――――――――――――――――
to:麦野沈利
件名:危ない危ない(≧ε≦;)
本文:
麦野さん小さーい(´・ω・`)ご飯抜きはいやー(゜Д
゜;)
大丈夫大丈夫(*´∀`)ノたぶん(笑)
出来るだけ遅れないように行くわね(*ゝω・*)ノ
――――――――――――――――――――
>送信 ピッ


御坂「さ、今日はお風呂入って早く寝ないとね!」 ポイッ

御坂(あー……いよいよ明日かー。麦野さんの色んなことが知れたらいいな) 




549 :7日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/12(月) 01:31:50.44 ID:Mw93XFoo
7日目


―麦野宅 12:30―


グツグツグツ… コトコトコト…


麦野「ズズッ……うん。大体完成ね。4時過ぎに出れば間に合うから、あとは煮込んで置いておくか」 

麦野(料理良し。布団良し。お菓子と飲み物良し。お酒も一応買ってあるし、これでいつあいつ来ても大丈夫ね)

麦野(ちょっと気合入れすぎ……? この私にここまでさせるなんて、あいつってばなんて幸せ者なのかしら)

麦野(ま、初めて来るからこれくらいはね。何も用意してないのも感じ悪いしさ……誰に言い訳してんだ私は)


ハーナテココローニキザンダユメモミライサエオーキーザーリーニシーテー!


麦野(ん、あいつかな。時間的には昼休みか)


――――――――――――――――――――
from:御坂美琴
件名:昼休み!
本文:
お腹減ったーo(≧ε≦o)
ママー、今日の晩御飯何ー?(∩∀`*)
――――――――――――――――――――




550 :私が選挙に行くことも、サッカーを見ることも、このSSには何一つ関係が無いので ◆S83tyvVumI:2010/07/12(月) 01:33:59.11 ID:Mw93XFoo

麦野「野朗ォ……」 ピキッ


――――――――――――――――――――
to:御坂美琴
件名:ママだと?
本文:
テメェに食わせる飯はねえ
――――――――――――――――――――
>送信 ピッ


麦野「ふんっ」

麦野(この私が中学生の娘がいるような年に見えんのかっつの)


ハーナテココローニキザンダユメモミライサエオーキーザーリーニシーテー!


麦野「ちょっとは反省したかしら?」 カチッ


――――――――――――――――――――
from:御坂美琴
件名:怒らないでヾ(・ω・`*)
本文:
冗談じゃない(笑)
――――――――――――――――――――




551 :7日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/12(月) 01:35:54.19 ID:Mw93XFoo

麦野「私は私を実年齢以上に見てくる奴を許しはしないのよバカ死ね」

麦野(……そういやこいつの母親ってどんな人なんだろ。やっぱこんな感じなのか?) メルメルメル

麦野(ま、会うことなんて無いだろうからどうでもいいけど……なんて言ってると会っちゃったりするのよねー、怖い怖い)


――――――――――――――――――――
to:御坂美琴
件名:言葉には
本文:
気をつけろ。死ぬわよ。

今日はビーフシチューよん。
――――――――――――――――――――
>送信 ピッ


麦野(さてと。私も化粧してあいつ迎えに行く準備するか)




552 :7日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/12(月) 01:37:51.54 ID:Mw93XFoo

―常盤台中学学生寮前 16:30―


スタスタスタ…


麦野(ここね。相変わらず立派な寮だこと)

麦野(常盤台か……。受けるよう薦められたけど結局受けなかったな。
    まあ受けてたところで御坂とは年が離れてるから同じ時期に学校にはいられなかったけどね)


キャッキャウフフ ワイワイ キャッキャッ


麦野(下校してくる奴らが増えてきたな。そろそろか)

麦野(にしてもガキっぽいな……中学生だと思うからそう見えんのかねー。
    いくら名門常盤台で大学生並みの勉強してても中身も外見も結局これなのよね……)

麦野(そう考えると御坂はわりと大人っぽい方か。絹旗も見た目はガキくさいけど中身はそこそこしっかりしてるし、
    経験の差ってやつかしら)


タッタッタッ


御坂「麦野さんごっめーん! ちょっと遅れちゃったね! ダッシュで帰ってきたんだけど、結構待った?」 ハァ…ハァ…

麦野「別に。今来たとこよ。わざわざ走ってご苦労さま。ルームメイトの子は一緒じゃないの?」




553 :7日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/12(月) 01:40:01.42 ID:Mw93XFoo

御坂「黒子は風紀委員(ジャッジメント)の活動があるからねー。部屋から荷物取ってくるからちょっと待っててちょうだい。
    あ、それか部屋上がる? 今は黒子もいないし遠慮しなくても大丈夫よ」

麦野「いいの? ちょっと興味あるな。常盤台の寮の部屋ってどんなとこなのかしら」

御坂「全然普通だってば。ま見れば分かるでしょ。おいでよ」

麦野(こいつの部屋か……ふむ)


スタスタスタッ ガチャッ


麦野「玄関からいきなりすごいオシャレね」

御坂「まあ年一回一般公開もするしね。2階だから、こっちよ」 タッタッタ

麦野「そう言や私のあげたヘアピン使ってくれてんのね」

御坂「ああこれ? うん、可愛いしお気に入りよ」

麦野「そりゃよかった。よく似合ってるわね」

御坂「えへへ、ありがと」

おさげの女生徒「あ、御坂様、お帰りなさいませ」

御坂「ただいまー。あなたはどこかへお出かけ?」




554 :7日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/12(月) 01:42:51.96 ID:Mw93XFoo

おさげの女生徒「はい。お友達とお茶をしに」

御坂「そう。変なのに絡まれないように気をつけてね」 ニコッ

おさげの女生徒「ありがとうございます。失礼致します」 ペコッ

麦野(後輩か。やっぱ御坂どこでも慕われてんのねー)

大人しい女生徒「あ、御坂様、お帰りなさいませ」

御坂「ただいま。どこか行くの?」

大人しい女生徒「今日は食堂の掃除なので」

御坂「そう。頑張ってね。あ、ほら襟がめくれてる。寮監に怒られるわよ」 ナオシナオシ

大人しい女生徒「あ、ありがとうございます!」 ペコリッ!

御坂「いいから。行ってらっしゃい」

大人しい女生徒「失礼します」 ペコッ

御坂「ふう……」

麦野「いい先輩してんじゃない」

御坂「ありがと。寮の子はみんな仲良くしてくれるわよ」

麦野(いるじゃん友達。……いや違うか。いい先輩と可愛い後輩の関係ね。
    年齢で言えば私と御坂の方が離れてるってのに)




555 :7日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/12(月) 01:45:51.25 ID:Mw93XFoo

御坂「それよりほら、ここが私の部屋」

麦野「ここで毎晩アンタは後輩を連れ込んで夜の指導をしているわけね」 ククッ

御坂「セクハラオヤジみたいなこと言わないで。はーいどうぞ我が家へ」 ガチャッ

麦野「お邪魔ー……へぇ、レトロで良い雰囲気の部屋じゃない」

御坂「まあちょっと古いけど、綺麗なのは綺麗でしょ」 ボフッ

麦野「ベッドが二つ並んでるのね。プライベートな空間が無いのってストレス溜まらない?」

御坂「慣れちゃえばなんてことないわよ」

麦野「オナニーとかどこですんのよ」

御坂「しないわよ! なんであんたはそう発想が下品なのかしらね!」

麦野「単純な興味でしょ。お高く止まってんじゃないわよメスガキ。
    アンタはしてなくてもアンタの後輩達はアンタでぶっこいてるっつの。女の性欲なめんな」

御坂「!」

御坂「……ほんとサイッテー……。この寮でそんなこと言わないでくれる?」 

御坂(ああもう最悪……昨日見た夢思い出しちゃうじゃないの……) カァァ…




556 :7日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/12(月) 01:46:58.35 ID:Mw93XFoo

麦野「ん? ねえ御坂、このぬいぐるみ何? こっちにやたらでかい熊もあるけど、アンタの?」 ヨイショッ

御坂「それ? あー……ゲコ太って言ってね。まあ……なんというか……
    そう、そこそこ嫌いじゃないキャラクターなのよねーって……何よその目」
    
麦野「アンタこの前カエルのヘアピン買ってあげたでしょ。今更何隠してんのよ」

御坂「だ、だって黒子にもいつも笑われたりバカにされたりするんだもん……」 ゴニョゴニョ

麦野「別にアンタの好きなもん否定するほど私はガキじゃないわよ。ぷっくく……しかしこれをアンタがねえ……くくっ」 クスクス

御坂「笑ってんじゃないの! もういい返して! ほ、ほらさっさとあんたの家行くわよ!」 ヒョイッ

麦野「はいはい。パンツ忘れんじゃないわよー」

御坂「持ってるわよ!」 ガッ!




557 :7日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/12(月) 01:48:36.22 ID:Mw93XFoo

―麦野宅 17:00―


麦野「はいどうぞ」 ガチャリ

御坂「お、お邪魔しまーす」 ドキドキドキ…

御坂(うわー、麦野さんの部屋だ……いい匂いがする……)

麦野「何突っ立ってんの? さっさと荷物置いてお風呂行きましょ」

御坂「う、うん……あ、もう晩御飯作ってくれてたんだ」 チラッ

麦野「そうそう。ビーフシチューって言ったと思うけど、食べれるよね?」

御坂「うん。好きよ」

御坂(麦野さんがここで生活してると思うとなんか……なんだろこの気持ち) ドキドキ

麦野「ご飯は心配しないの。荷物こっち持ってきな」

御坂「はーい。……うわ、部屋中に鞄やら靴やらが……」

麦野「服はなんとかクローゼットに突っ込んだだけど靴と鞄が入らなくてさー。
    ウォークインクローゼット付の部屋に引っ越そうかなってちょっと真剣に考えたわ。
    荷物適当にそのへん置いといて」




558 :7日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/12(月) 01:50:45.97 ID:Mw93XFoo

御坂「ありがとう。買い物好きなの?」 

御坂(麦野さんのベッド……ピンクのシーツって意外ね……。もっとシックな感じの趣味かと思ってた)

麦野「まあ好きね。一度に大量に買うことってないんだけど、毎回一つ二つ買って帰るといつの間にかこんな風に
    なっちゃったの。散らかってて悪いわね」

御坂「ううん。うちの学校っていつも制服だからこんなに服とか色々買うことないから珍しくって」

御坂(部屋もピンク系の小物が多いわね。大人っぽい部屋かと思ったら案外可愛いのが好きなのかぁ……)

麦野「何ジロジロ見てんのよ」

御坂「あ、ごめんごめん。可愛い部屋だなって思って」

御坂(化粧台もすごい……なんか高そうな化粧品ばっかり……)

麦野「そう? 白とピンク基調だからそう見えるだけよ。ファンシーなデザインってそんなに好きじゃないし」

御坂「そうなんだ。にしても大きい部屋ねー。一人だと寂しくならない?」

麦野「いや全然。部屋はともかくお風呂が結構広めで気に入ってるのよ」

御坂「へー見せて見せてー」

麦野「こっちよ、おいで」 




559 :7日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/12(月) 01:52:19.72 ID:Mw93XFoo

ガチャッ


御坂「わっ、広っ!? 何これ。5人くらいは入れそうね」

麦野「掃除ちょっと大変なんだけどね。ここ押すとミストサウナになるのよ。
    んでこっちはジャグジーで……」 イソイソ

御坂「うひゃー……これすっごい。こっちも入ってみたいわねー」

麦野「また今度入りに来れば?」

御坂「うん! 行きたい行きたい!」

御坂(ここでいつも麦野さん体洗ってるんだ……って、今日私麦野さんと裸の付き合いするんじゃない!?
    ど、どうしよ緊張してきた……) ドキドキドキ

麦野(無邪気なもんね。お風呂なんかで喜ぶなんて可愛いとこあるわ)

麦野「それじゃあ二十二学区まで行きましょうか。それともちょっとお茶でもする? 学校出てからバタバタしっぱなしでしょ」

御坂「あ、ううん大丈夫。行こ行こ」

麦野「隣の学区だけどちょっと遠いからタクシーでも呼ぶか?」

御坂「まだ明るいし、駅前から無料送迎バス出てたと思うわよ。それ使ったらいいんじゃない?」




560 :7日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/12(月) 01:53:19.58 ID:Mw93XFoo

麦野「そう。じゃあそれで」

御坂(はぁ……恥ずかしいわねー……。麦野さんの裸はやっぱり夢のときみたいな凄い感じなのかしら……) チラッ

御坂(……どう見てもでかいし……ちょっと見てみたいような見たくないような……) ドキドキ

麦野(ってか考えたら私こいつの前で裸になるのか……。お腹のお肉は……うん、大丈夫) コソッ ギュムッ

麦野(けどこいつ細いわよねえ……一緒にいたら私太って見えるかな……。
    ……脚なんか全然太さ違うし……) チラッ

麦野(あー……今になって昨日の夢思い出した……。あの華奢な体であんなことされるなんて……くそっ。
    恥ずかしくなってきたじゃないの……) カァァ

御坂「い、行かないの?」

麦野「い、行くわよ!」

麦野御坂((はぁ……緊張する……))




561 :7日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/12(月) 01:55:04.04 ID:Mw93XFoo

―第二十二学区 スパリゾート『安泰泉』 17:40―


ワイワイ ガヤガヤ ザワザワザワザワ


御坂「着いたわ」

麦野「二十二学区はどうも空気が薄く感じるのよねー」

御坂「間違いなく気のせいね。むしろ外より空気は綺麗なくらいだし」

麦野「圧迫感の所為かしら。ま、そんなことどうでもいいから行きましょ」


ウィーン… ガヤガヤガヤガヤ

アイサコモエミテミテ ウエニハレストランガイッパイアルンダヨ!
シスターチャンマズハオフロガサキナノデスッ! 
コンカイノワタシノデバンハコレダケデハナイハズ。

ガヤガヤガヤガヤガヤ スタスタスタ…


麦野「人結構多いわね」

御坂「いい時間だしねー。ねね、どのお風呂行く?」

麦野「うーん……。サウナで汗流したいのよねぇ」




562 :7日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/12(月) 01:56:25.18 ID:Mw93XFoo

御坂「お、いいわね。出た後の水風呂がたまんないのよね」

麦野「えーっと。サウナがあるのは……健康風呂。これね」

御坂「それ行ったことないわ。どんなのかしら。あ、エレベータこっちね」


ポチッ…  チンッ!

スタスタスタ


御坂「何階だっけ?」

麦野「12階だってさ」


ウィーン


御坂「………」 ジー

麦野「………」 ジー

御坂「……エレベータ乗ってるときって何か階数表示板見ちゃわない?」

麦野「分かる分かる。誰か乗ってたら無駄に声潜めちゃったりね」

御坂「あるある! 開ボタン押そうとして間違えて閉ボタン押しちゃって降りる人挟んじゃったり」

麦野「いやそれはない」

御坂「あるわよ!」

麦野「アンタだけ」




563 :7日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/12(月) 01:59:15.87 ID:Mw93XFoo

ウィーン キャッキャウフフ チーンッ!


麦野「ここね。施設案内があるわ」 スタスタスタ

御坂「なになに?」

麦野「健康風呂は歩行浴、ジャグジー、打たせ湯、寝湯等、9種類のお風呂が楽しめますだって。
    普通の銭湯みたいなもんか。これでいい?」

御坂「うん。いいわよ。あんた普通の銭湯なんて行ったことあるの?」

麦野「友達に連れられて一回だけ。じゃ受付行きましょ」

麦野(滝壺が健康ランド好きなのよね……)

「いらっしゃいませ。料金はお一人様1000円となっております」

御坂「あ、一万円しかないや」

麦野「私千円札あるからまとめて払って。はい千円」 ピラッ

御坂「はいはい。じゃあこれで二人分で」

「1万円お預かりいたしましたので、8千円のお返しです」 ガチャリーン

御坂「どーも」 

「こちらがタオルとロッカーの鍵になっております。それからこちらがキャンペーンのスタンプシールです。ではごゆっくりどうぞ」




564 :7日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/12(月) 02:00:14.86 ID:Mw93XFoo

麦野「何々? 10枚集めると湯上りゲコ太ストラッププレゼント……はぁん。
    そういやキャンペーンでもらえるもんが欲しくて常連なったんだっけ?」 ニヤニヤ

御坂「に、ニヤニヤすんじゃないわよ!」

麦野「はい」 ポスッ

御坂「え?」 キョトン

麦野「私いらないし。これで2枚一気に溜まったわね、ラッキー」

御坂「あ、ありがと……」

麦野「あと何枚でもらえんの?」

御坂「……今日で溜まった……」 ボソッ

麦野「よかったわね。帰り貰ってきなさい」

御坂「う、うん……」 ナオシナオシ

麦野「えっと女湯は……こっちか」




565 :御坂の財布は超電磁砲1巻参照 ◆S83tyvVumI:2010/07/12(月) 02:02:30.75 ID:Mw93XFoo

スタスタスタ


麦野「アンタの財布、チェック柄可愛いね、どこの?」

御坂「これ? 常盤台に入学した時親にお祝いで買ってもらったのよ。
    サンクティスてブランドなんだけど知ってるかな」

麦野「分かる分かる。第六学区にショップあるよね」 スタスタスタ

御坂「あーその店で買ったのよ。結構気に入ってるの」 スタスタスタ

麦野「へー」 ガチャッ

御坂「ロッカー1063番は……っとここだ」 ロッカーガチャッ

麦野「私は1067番。近いわね」 ガチャッ

御坂「麦野さんは財布どこの?」 バサッ

麦野「Tomson=Oよ。分かる?」 プチップチッ

御坂「うひゃー、いいもん使ってるわねー」 シュルシュル…

麦野「でも結構長く使っててボロくなってきたからそろそろ変えようと思ってるのよねー」 ファサッ

御坂「ふぅん、次はどこの……うわっ!」

麦野「ん?」

御坂「な、なんでもない……」 アセアセッ

御坂(そ、想像以上にでかかった……。下着もなんか大人っぽー……)




566 :くどいようですがブランド名等は今回登場しない魔術サイドから適当に ◆S83tyvVumI:2010/07/12(月) 02:04:53.82 ID:Mw93XFoo

麦野「そういやアンタ帰りの着替え持ってきてんの? 制服で帰る気?」 ホックパチッ…プルンッ

御坂「校則だとそうしなきゃいけないだけどさすがに汗かいてるからね。ちゃんと持ってきてまーす」

御坂(ホック外してブルンッて! すごい! 大きいのに形も綺麗だし……いいなあ。
    っていうか恥ずかしくなってきた。夢での麦野さんこれを私の背中に……) カァァ

麦野「偉い偉い。あ、下着可愛いね。てっきりキャラものが出てくるかと思ってたわ」

麦野(夢で見た通り慎ましいというか華奢というか……。でもスタイルはやっぱりいいわね)

御坂「さすがにそんなの穿いてこないわよ」 ホックパチッ…シュルッ

御坂(昨日の夜気付いてよかったー……。恥かくとこだったわ)

麦野「そりゃ悪かった。わ、腰細いわねーアンタ」

麦野(胸も薄いけど。75、いや8くらいはあるか? AかギリBってとこかしら……)

御坂「ちょっ! 何見てんのよ!」 タオルバサッ!

御坂(うわー……何この胸。E? いやFはあるわね……。固法先輩よりはちょっと小さいかしら。
    けどウェストもほっそ。モデルみたい……) ジー ゴクリッ

麦野「アンタこそ胸ばっかジロジロ見てんじゃないわよ」 タオルマキマキ




567 :7日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/12(月) 02:07:05.03 ID:Mw93XFoo


御坂「あーごめん。そこまで大きい人ってあんまり見たことないから」

麦野「このタオル短いね。下ギリギリだわ。ああ、まあ中学生じゃこれからでしょ」 ガチャッ カギシメッ

御坂「育ってくれりゃいいんだけどねー」 ガチャッ カギシメッ

麦野「よし、行きましょっか。嫌味とかじゃなくて、ほんと大きいのもそれはそれで邪魔よ。似合わない服とかもあるし」 スタスタ

御坂「そういうもんかしらねー」 スタスタ チラッ

麦野「そういうもんよ。なに、触る?」 ズイッ ニヤッ

御坂「えっ!? い、いいいいわよ!」 アセッ

御坂(夢であんなに触られたの思い出しちゃうもん……) カァァ

麦野「別に遠慮することないのに」

麦野(やばっ、我ながら恥ずかしいこと口走ってしまったわ……) アセッ

麦野(ふふっ、でもこいつ照れてやんの。こういうからかい方もあるのね。
    こんなのアホの浜面くらいにしか通じないと思ってたけど、御坂にもいけるのか。いい方法見つけちゃった) ニヤッ

御坂「?」




568 :7日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/12(月) 02:08:46.83 ID:Mw93XFoo

―浴場―


ガララララ… ワイワイ ガヤガヤ

バシャー ジャババババ ゴォォォォ ジャバーン

ペチャペチャペチャ


御坂「これぞ銭湯って感じよね。まずかけ湯かけ湯」 ジャバー

麦野「ここはそんなに混んでなくてよかったわね」 ジャバー

御坂「まずどうする? 体洗おっか」 ペタペタ

麦野「そうね。あ、しまった洗顔忘れた」 ペタペタ

御坂「私のでよかったら貸すけど?」

麦野「マジ? 助かるわ」

御坂「ここ2つ空いてるからここにしましょ」 




569 :7日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/12(月) 02:09:47.37 ID:Mw93XFoo


ジャバー バシャバシャバシャ


御坂「麦野さんってお風呂長いでしょ」 ゴシゴシ

麦野「何突然。別に長くないわよ」 バシャバシャ

御坂「ふぅん。一番長い時でどれくらい入ってるの?」 ゴシゴシ

麦野「……3時間くらい」 ジャボー

御坂「逆に干からびそうね」 ゴシゴシ

麦野「半身浴だから大丈夫なんですー。
    それに髪長いからシャンプーとトリートメントだけでも結構時間かかるのよ」 ゴシゴシ

御坂「確かに髪長いわよねー。いつから伸ばしてるの?」 ザバー

麦野「ショートにしたことないからねー。そういう意味じゃ子供のときから?」 ゴシゴシ

御坂「麦野さんって可愛げない子供だったって断言できるわ」 ジャボジャボ

麦野「あァん? 失礼ね」 シャー!

御坂「うわっ冷たっ! 水かけないでよ!」 ガタガタッ




570 :7日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/12(月) 02:10:42.16 ID:Mw93XFoo

麦野「天使のような子だったわよ」 フフンッ

御坂「自分で言うなっつの。そんな良い子はあんな下品なこと言う子には育ちませんっ!」

麦野「下品下品言うな」 バシャッ

御坂「だから冷たいって!」

麦野「ふん。じゃあ……」

御坂「ん? 何よ……」

麦野「品がない私らしく、こうやって背中流してあげよっかにゃー?」 ギュッ ピトッ ムニュッ

御坂「!!!!!?????」

御坂(背中にっ! ムニュッて! 柔らかいのが!? あわわわわわわ……!)

麦野「何硬くなってんのー? ほらほらー柔らかくて気持ちいでしょー」 スリスリ

麦野(抵抗しないな……。おいおい、引っ込みつかなくなるじゃないのよ……) グニグニ

御坂「や……やめ……」




571 :7日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/12(月) 02:11:48.97 ID:Mw93XFoo

御坂(うー……先っぽの感触が生々しい……。……何なのこの人……。
    夢と一緒で……そういう人なの?) カァァァ

麦野(こっちも恥ずかしいんだけどどのタイミングでやめればいいのよ……。ちょっとは抵抗しろっつの……。
    それともこいつもしかして喜んでたり……いやいや無い無い。それだとこっちが困る) ムニムニ

御坂「お願い……恥ずかしいから……やめて……」 ボソボソ…

麦野「……! あ、ああ……」 バッ

麦野(マズったな……。こういう反応は予想外だわ……。
    恥ずかしがるのはさっきので分かってたけど、黙っちゃうなんてね……)

御坂「……」 ドキドキドキドキ

麦野「……悪い」 

御坂「……う、うん。もうしないでね……」

麦野「……」 ゴシゴシ

御坂「……」 ワシャワシャワシャ

麦野(気まず……ちょっとふざけだけでそんなに恥ずかしがることなくない? それとも怒ってる……?
    まあ確かに私がフレンダにあれされたら迷わずぶん殴るけど……ヤバ、完全に失敗だったのか……) 




572 :7日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/12(月) 02:13:06.88 ID:Mw93XFoo

御坂「……」 ワシャワシャ

麦野「……ごめん」 ジャバー

御坂「え?」 ワシャ…

麦野「いや、やりすぎたかなって……嫌だったよね」 ジャババババ

御坂「いやそんな……」

御坂(面食らっただけだし。感触がまだ背中に残ってる……ドキドキして麦野さんの顔見れないよ……)

麦野(こっち向いてくれないな……なんであんなことしちゃったんだろ、バカだな私) 

御坂「別に……怒ってはいないわよ」

御坂(でも気まずいままじゃ駄目よね。黒子にやられたらぶん殴るだけじゃない! 切り替え切り替え!
    麦野さんの目を見ないと……!) チラッ 

麦野「……ほんと? 無理しなくていいわよ」 バチッ

御坂(目ぇ合った! ……あー、でもちょっと寂しそうな顔してる。私の所為よね。
    ただのじゃれあいなんだから意識しすぎ! いつまでも引きずってたらせっかくのお風呂が台無しだもんね!)

御坂「ほんとほんと! 驚いただけだって! 麦野さんったらエロいんだからー」 ニヘラッ




573 :7日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/12(月) 02:14:30.77 ID:Mw93XFoo


麦野(よかった……笑ってくれたわ) ホッ

麦野(って、なんで安心してんのよ……! 私を不安にさせるなんてこんのバカ超電磁砲!……次からもうちょっと気をつけよ)

麦野「誰がエロよ。せっかくサービスしてあげたのに」 フンッ

御坂「その発想がエロいっての。彼氏にもあんなのやってたの……?」 ジャァァアア

麦野「やらねえよ。アンタだけだよ」 バチコンッ☆

御坂「……う、そ、そっか」 ジャアア

御坂(ウィンクとかそういう仕草は天然なの? ああもう一々ドキドキさせないでよね!) ドキドキ

麦野(これは照れてるよね。線引きが難しいけど、スキンシップは苦手と見た) 

御坂「……あ、洗顔使う?」 ハイッ

麦野「ありがと。シャンプー忘れなくてよかったわ。あっちは借りれないもんね」 カパッニュル

御坂「そう? 別に大丈夫じゃない?」 カパッ ヌルヌル

麦野「いつも使ってるやつから変えたら髪キシキシになるのよ」 ヌルヌル メイクオトシオトシ




574 :7日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/12(月) 02:15:55.48 ID:Mw93XFoo

御坂「それでそんなに携帯用のシャンプーとかトリートメント持ち込んでるのね。一日くらい別にねえ……」 ヌルヌル

麦野「そういう油断が切れ毛枝毛の元なのよ。アンタも髪短いからって手入れサボッてると毛先ドンドン痛むわよ」 ジャボー

御坂「大丈夫大丈夫。それなりには気使ってるし。麦野さんなんて元が良いんだから適当でも問題なさそうなのに」 ジャボー

麦野「それはアレよ。もともとレベル4だったやつがレベル5を目指す努力をしないようなもんよ」 バシャバシャ

御坂「それはそれは。自己評価が高くていらっしゃるのね」  バシャバシャ

麦野「自分を客観視できていると言ってくれる? 私が美しいことは悪いけど揺ぎ無い事実なのよね」 バシャバシャ

御坂「うらやましいわねその自信。実際その通りだから何も言えないし」 バシャバシャ

麦野「アンタだって悪くないわよ。私が保証したげる」 ジャバージャブジャブ

御坂「そりゃどうも。あ、でも麦野さんすっぴんのほうが可愛いわよ」 ジャブジャブ

麦野「っ! そ、そんなわけないでしょ! 眉毛薄いんだからあんま見るな!」




575 :7日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/12(月) 02:17:58.50 ID:Mw93XFoo

御坂「おやおやぁ? 麦野さんの自己評価もまだまだねー。
    化粧してるのも大人っぽくて素敵だけど、こっちは年相応っていうか、若……ハッ!」

御坂(あぶないところだったわ! 麦野さんに若いとか年とかは禁句禁句……。晩御飯は食べたいもんね……) チラッ

麦野「…………」 カァァ

御坂「あ、あれ……?」

御坂(て、照れてる……? 自信満々かと思ってたけどそうでもないのね。
    むしろ化粧とかは自信の無さの表れってこと? ……駄目だ、この人可愛い……) ドキドキ…

麦野(何なのよこいつ……可愛いとか言われたことないんだからビックリさせんな……) ドキドキ…

御坂「ふふっ、麦野さんも照れたりするのね!」 タオルギュッ ジャー

麦野「は、はぁ!? 照れてない! ほら行くわよ! まずはジャグジーから攻めるからね!」 タオルギュッ ジャー

御坂「はいはい、お供します」 ペタペタ




576 :7日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/12(月) 02:19:43.29 ID:Mw93XFoo

―ジャグジー―


麦野「ぁー……お風呂最高……明日までここにいれるわ」

御坂「ちょっと寝ないでよ?」

麦野「寝ろって言われればすぐにでも寝れるけどね」

御坂「勘弁して。私は何してりゃいいのよ」

麦野「はいはい。美琴ちゃんは寂しがりやだもんねー。お姉ちゃんが相手してあげますからねー」

御坂「ムカつくわね……。あんた家にジャグジー付いてんでしょうが」

麦野「それとこれとは別。そんなこと言い出したら家に足伸ばし放題のバスタブあるわよ」

御坂「麦野さんそんなにお風呂好きだったの?」

麦野「うん、好き」

御坂「まあ嫌いな人のほうが珍しいか。さっぱりするしねー」

麦野「ここ貸切風呂もあるみたいだし、アンタの好きな例の男と一緒に入りにくれば?」

御坂「そ、そんなもん誘えるわけないでしょ! 一緒にお風呂って……裸じゃないの!」




577 :7日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/12(月) 02:20:49.14 ID:Mw93XFoo

麦野「水着なんて野暮なこと言わなかったのは褒めてあげるわ。
    っつかアンタせっかくいい雰囲気になったのに告白しなかったんだって?」

御坂「だって……恥ずかしかったし。そういうのは男のほうからしてくれるもんじゃないの!?」

麦野「そりゃ好きな女に告白も出来ないようなヘタレは願い下げだけど、
    だからってアンタからしなくていいってことにはならないでしょ」

御坂「それは……そうかも」

麦野「鈍感な相手に惚れたアンタが悪いのよ。もたもたしてると他人にとられちゃうわよ」

御坂「そ、そんなの駄目!」 バシャン!

麦野「わっぷ! 飛沫かけんな。ありえないことじゃないでしょが。いくら鈍感だからって好きって言えば
    伝わっちゃうんだからね。アンタの他にそいつのこと狙ってる女がいるかもしれないじゃない」

御坂「……た、確かに。……あいつよく他の女の子と一緒にいるし。ライバルは多いような……」

麦野「告白するのが嫌なら、デートのほとぼりが冷めないうちに誘って誘って誘いまくって気付かせなさいよ」

御坂「う、うん……」 ドキドキ

麦野(ほんと分かってんのかこいつ……。けど早い方がいいわ……なんか胸騒ぎがするのよね……) 




579 :7日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/12(月) 02:23:16.65 ID:Mw93XFoo

御坂「ありがとね、麦野さん」

麦野「あァ?」

御坂「あんたいつも真剣に私の話聞いてくれてるわよね。麦野さんが背中押してくれるから私頑張れてるのよ?」

麦野「……ふん。一度乗った船だもの。最後まで付き合ってやるわよ」

御坂「麦野さんがあいつだったらよかったのにね……」 ボソッ

麦野「なんて? ……ジャグジーの音でよく聞こえなかった」

御坂「何でもない。ちょっとした妄言よ」 ニコッ

麦野(……聴こえてるわよ……。私を逃げ場所にしようなんていい度胸じゃない……ばか)

御坂(なんでそんなこと言うのよ私……聴こえてなかったみたいでよかった……。
    あいつが麦野さんだったら……私は迷わず告白できたっての……?)

御坂(ばっかみたい……。あいつは麦野さんじゃないんだよ……。そんなの、あいつにも麦野さんにも失礼すぎるじゃないの)

麦野(……けどこいつに逃げ込まれたら私は……)

麦野(……ってそれよりこいつまた落ち込んでやがんの……。めんどくさい子ね。……やれやれ)

麦野「よし御坂。サウナ行きましょう。汗を捨てて体重落とすのよ」 バシャッ!




581 :7日目 ◆S83tyvVumI:2010/07/12(月) 02:27:09.96 ID:Mw93XFoo

御坂「わぷっ! 何でお湯かけるのよ!」

麦野「泣きそうな顔してんじゃないわよ」

御坂「……え?」

御坂(ヤバ、顔に出てたみたいね……。余計な心配かけちゃったかな)

麦野「……私はあんたが悩んで、頑張って、苦しんでることを知ってるもの。
    どんな結果になったって、あんたを笑って受け止めてあげるわよ。
    だからいつもみたいに生意気な面してなさい。そっちのほうがアンタらしいから」

麦野(らしくないこと言ってるわねー……。こいつとあの男が上手くいって、本当に笑顔で祝福できるのかしら……。
    考えただけでもやもやするってのに……何なのよこの気持ち、ムカつく)

麦野(何なのよって……白々しい、ほんとは分かってんじゃないの?)

御坂「麦野さん……」

麦野「ほら行くわよ。次私の前でそんな暗い顔したら顔面吹っ飛ばすんだから」 ザバァッ ペタペタペタ

御坂「……ほんと……どうしてあんたじゃないんだろ……」

麦野「あン?」

御坂「何でも! ささ、行こ行こ! 先に耐え切れなくなったほうがジュース奢りね!」

麦野「受けて立つわ。吠え面かくんじゃないわよ」

麦野(けどまあこいつが笑っててくれてるほうが私としては嬉しいしね……)

麦野(……こいつに偉そうに言えるような状態じゃないな、私も……)




596 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/12(月) 15:17:21.32 ID:miOCsDk0
これはもう傷心のフレンダと黒子がくっつくしかないね!




624 :7日目後半 ◆S83tyvVumI:2010/07/15(木) 01:29:10.19 ID:nWIXdL2o

―サウナ―


ジリジリジリ… 

ボトッ…ボトッ…


麦野「……」

御坂「……」

麦野「……」

御坂「……」

麦野(かれこれ15分……。正直暑くてクラクラしてきた……こいつさっさと出たいって言えよ) チラッ

御坂(うぅ……頭ボーっとする……。っていうかこれ女の子のする勝負じゃないわよね……) チラッ

麦野「……どうした御坂ぁ。さっきから黙っちゃって。そろそろヘバったんじゃないのー……」 ダラリ…

御坂「そっちこそ……。随分辛そうな顔してんじゃない……。そろそろ出たほうが体のためよ……?」 ダラダラ…

麦野「上等だコラァ……。私にはこんなの適温なのよねぇ……」 ハァ…ハァ…

御坂「私だって涼しくて夜の海岸かと思っちゃったくらいよ……」 ハァ…ハァ…




627 :7日目後半 ◆S83tyvVumI:2010/07/15(木) 01:31:48.62 ID:nWIXdL2o

麦野「……吹いてんじゃないわよ超電磁砲……」 ゼェゼェ……

御坂「そっちこそ無理してんじゃないわよ原子崩し……」 ゼェゼェ…

麦野「……」

御坂「……」

麦野(ッベェ……。マジで倒れそう……。にしてもコイツ……贅肉全然無いな……クソが……
    ……肌綺麗でお尻も小さいし、何着ても似合いそう……。抱きしめたら折れそうね……) ゴクリッ

御坂(ぁああ……暑い熱い暑い熱い! ……麦野さんよく平気ねー……汗でジットリしてて色っぽいな……
    髪が肌に張り付いてなんかやらしい……。タオル巻いてるから谷間すごいし……
    これがさっき私の背中に擦り付けられたのよね……) ジー…

麦野「また胸見てる……。なにアンタ……おっぱいフェチ……?」 ダラダラ…

御坂「んなわけないでしょ……。そんだけでかかったら嫌でも目がいくっつの……」 ダラダラ…

麦野「……別に触ってもいいわよ……」 ハァ…ハァ…

御坂「……触って欲しいわけ……? さっきも同じこと言ってたじゃない……」 ハァ…ハァ…

麦野「ばぁか……アンタが物欲しそうな顔で見てるからでしょが……鬱陶しいのよその視線……」 ゼェゼェ…

御坂「……じゃあもう触らせなさいよ……うらやま忌々しいわねぇ……」 ゼェゼェ…




628 :7日目後半 ◆S83tyvVumI:2010/07/15(木) 01:35:01.17 ID:nWIXdL2o

麦野「……好きにすれば……? ほら……」 グィッ

御坂「……柔らかい……でも思ったより張りがあるのね……」 グニュグニュ…

麦野「んっ……ただの脂肪の塊じゃないのよ……」 ハァ…ハァ…

御坂(……すごい……何この感触……これはクセになるわ……) ムニュムニュ…

麦野(何よこいつ……無駄に触り方上手いわね……。変な気分になるじゃないの……) ダラリ…

御坂「…………」 ムニムニムニムニ

御坂(確か黒子はこんな風に触ってきたような……)

麦野「……んぅっ……ちょっと……もういいでしょ……ぁんっ……」

御坂「……あんたが触っていいっつったんでしょ……。これ気持ちいいわ。もうちょっと楽しませて」 グニュグニュグニュ

麦野「……こ、このいい加減にしろエロ中学生!」 ゼェゼェ…

御坂「ばっ、そんなんじゃないわよ……! これはこう……癒し効果みたいな……」 ダラダラ…

麦野「分かったから離せよ……! んぅっ……はぁっ……! 触りすぎ! 
    普通ちょっと触って『なるほどーこんな感触なんだ』ってなって終わりでしょが……!」 ハァ…ハァ…




629 :7日目後半 ◆S83tyvVumI:2010/07/15(木) 01:36:55.06 ID:nWIXdL2o

御坂「変な声出してんじゃないわよ……! 汗で手に張り付いてくるわね……やらしー……」 ハァ…ハァ…

麦野「出してねぇよ……! くそっ、私ばっかりムカつくっ……! アンタも触らせろ……!」 ガバチョッ!

御坂「ちょっ! いきなりっ……」


ガタガタッ…! ステーンッ!


御坂「……いたた……もう。急に飛び掛ってこない……ぁ」

麦野「アンタが変に調子乗るから……ぁ」

御坂(顔近いっ! あわわっ! 胸がっ! 胸にっ! そんなお約束って……! あのバカじゃないんだからっ!) アセッ

麦野(汗で体がひっついて……ヤバイ……すっごい変な気分になってきた……) ドキッ

御坂「ど、どきなさいよ! ばかぁっ!」 ガァァ

麦野「ど、どくわよ! ばかぁっ!」 ガァァ


ガチャッ




630 :ベタ ◆S83tyvVumI:2010/07/15(木) 01:38:32.74 ID:nWIXdL2o

小萌「さあシスターちゃん、姫神ちゃん! 先生と一緒にサウナに入るのですよ!
    この後のビールがたまらなく美味し」

禁書「こもえ? どうした……の……?」

姫神「ビールはどうせ飲ませてくれないくせに」

麦野「」

御坂「」

禁書「短髪が知らない女の人とくんずほぐれつなんだよ……」

小萌「ご、ごめんなさいなのですっ! サウナでハッテンするのは男の人だけだと思っていたのですっ!
    ささ姫神ちゃんシスターちゃんもこっちにくるのですよっ!」 ダッ

禁書「た、短髪がそんな人だなんてしらなかったんだよ! どどど同性愛は十字教では諸説あるけど私はあばばばば!」 

姫神「出番があった。私はそれで満足。ごゆっくり」 


ギィィ…パタン




631 :7日目後半 ◆S83tyvVumI:2010/07/15(木) 01:39:52.88 ID:nWIXdL2o

ポツーン…

ジリジリジリ…


御坂「ちょっ! 私はそんなんじゃないっ!」 ガバッ!

麦野「私も違うっつの! なんでこんなお約束な事態に巻き込まれなくちゃなんないわけ!? アンタのせいだからね!」

御坂「るっさいわね! もとはと言えばあんたが……あっ……やば……急に立ち上がったから……」 クラッ

麦野「ちょちょちょ! しっかりしなさいよ……!」 ダキッ

御坂「ごめん……」 ギュッ

麦野(御坂、体小さいな……それに柔らかい……) ドクドク

御坂(……麦野さんの体温……なんか安心する……) ドックンドックン

麦野御坂((って……だから私は何考えてんだ――――――!!)) 




632 :7日目後半 ◆S83tyvVumI:2010/07/15(木) 01:42:04.43 ID:nWIXdL2o

―大浴槽―


麦野「アンタの所為で最悪な目にあったわ……。私はこれっぽっちもそっちのケはないんだから勘違いすんじゃないわよ!」

御坂「私だってそうよ……! 女同士で抱き合って喜ぶ趣味なんか全っっっ然ないんだからね!」

麦野(くそっ……何でこいつに胸触っていいなんて言っちゃったんだか……。
    のぼせあがっててまともに思考できてなかったもんなぁ……)

御坂(何で胸触らせろなんて言っちゃったのよ……。
    頭くらくらして訳わかんないことしちゃったわね……)

麦野「と、とにかく今のは無かったことにするわよ!」

御坂「当然でしょ! あんたと裸で抱き合うなんて気持ち悪……」

御坂(……くはなかったわね……。案外普通っていうか、意外と心地よかった……アホかっ!
    お、女同士で抱き合って気持ちいいなんて変態か私はっ!? 黒子じゃないんだから!)

麦野「私だってアンタを抱き寄せたかと思うと最悪の気分……」

麦野(でもなかったな……。意外と抱き心地よかったというか……抱き枕に最適サイズというか……ばっかみたい!
    あ、ああ頭沸いてんじゃないの!? 裸の御坂に乳揉まれて声まで出したあげくに悪くないなんて、
    フレンダじゃないんだからっ!)

御坂「…………」

麦野「…………」

御坂「あ、あがろっかシャワー浴びて」 ブクブクブク

麦野「そ、そうね。そうしましょ。居辛くなっちゃったし」 ブクブクブク




634 :7日目後半 ◆S83tyvVumI:2010/07/15(木) 01:45:21.12 ID:nWIXdL2o

―更衣室―


御坂「はー、さっぱりした。やっぱお風呂最高っ!」 フキフキ

麦野「そうね」 ペタペタヌリヌリ

御坂「あれ、麦野さん何やってんの?」

麦野「化粧水と乳液塗ってんのよ。保湿しないと乾燥するでしょ。当たり前だけど」

御坂「んなもん帰ってからでいいじゃないの」

麦野「バカなこと言わないで。帰ってからじゃ遅いのよ。アンタはやってないの?」

御坂「まあ自分の部屋だったらするけど、わざわざ外に持って行ったりはしないわねー」

麦野「そんなこと言ってたらそのうち後悔するわよ」 ペチャペチャ

御坂「そうなの? 私も塗っといたほうがいいかしら」

麦野「今すぐにね。ほら、貸したげるからちゃんと保湿しなさい」 ポーイ

御坂「おっと。ありがと」 キャッチッ

麦野「あ、やっぱアンタじゃ不安だから私がやったげる。貸して」




635 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/15(木) 01:45:31.12 ID:.SEjrjU0
小萌ハッテン言うなwwwww




636 :7日目後半 ◆S83tyvVumI:2010/07/15(木) 01:49:05.08 ID:nWIXdL2o

御坂「え、い、いいわよ別に」

麦野「つべこべ言わないー。はい座る。黙る。大人しくする」

御坂「麦野さんってばほんっと世話焼きなんだから」

麦野「うるさい。帰ったらパックもしたげよっか?」 ペチャペチャ

御坂「いらないわよー。麦野さんがルームメイトだとすっごい面倒くさそうだわ……」

麦野「そうだったらご愁傷様ね。その代わり2割増しで可愛く仕上げてあげるわよ。
    ただし可愛げのある子に限る」 ペチャペチャ

御坂「私だったら?」

麦野「生意気だからいじめて部屋から追い出す」 ヌリヌリ

御坂「ひっどーい! アンタマジでやりそうよねー……」

麦野「しないっつの。嫌いな奴には嫌いって言うし」 ヌリヌリ

御坂「それ言っちゃうのも駄目でしょ」

麦野「よしオッケー。これでアンタも玉のお肌よ」

御坂「そんなすぐ効果出ないでしょ。さ、帰ろ帰ろ。コーヒー牛乳とフルーツ牛乳どっちにしようかしら」




637 :7日目後半 ◆S83tyvVumI:2010/07/15(木) 01:50:29.11 ID:nWIXdL2o

麦野「水」

御坂「うわっ、つまんないっ! 風呂上り、特に温泉と銭湯の後はそのどっちかって決まってるじゃないの!」

麦野「冷たい水は代謝が良くなるの。美容のためにはお風呂のセオリーなんてクソ食らえだわ」

御坂「まあ私もそこまでこだわってるわけじゃないけどさ。そう言われると意地でも飲ませたくなるわよね」

麦野「何でもいいけど帰るためにメイクしないと」

御坂「はぁっ!? 何言い出すの!? お風呂入った意味ないじゃない!」

麦野「スッピンで外なんか出られるわけないでしょ!」

御坂「麦野さんのスッピンは宇宙一可愛いから大丈夫っ!」 

麦野「なっ……!」 

御坂「よしっ! 化粧品没収! さ、行くわよ!」 ダッ!

麦野「ちょ、テメッ! ……くそっ、なんてこと言うのよ……」 ドキドキ…




638 :7日目後半 ◆S83tyvVumI:2010/07/15(木) 01:51:40.78 ID:nWIXdL2o

―休憩所―


御坂「はい麦野さんこれ」 ヒョイッ

麦野「何よこれ」 

御坂「フルーツ牛乳」

麦野「私ミネラルウォーターって言ったでしょ」

御坂「うん。それも買ってきた。けどまずはこれなの! 一緒に腰に手を当てて飲むのよ!」

麦野「ぅぇえ?」

御坂「そんなあからさまに嫌そうな顔しないでよね。美琴センセーからの奢りよ。
    まさか突っ返したりなんてしないわよね?」

麦野「まあアンタの奢りなら飲むけどさ……」 キュポッ

御坂「じゃ、かんぱーい!」

麦野「何によ」

御坂「何でもいいのよそんなの。ほら、二人の出会いに!」 ガチャンッ

麦野「出会って数秒で殺しあったのを祝ってどうすんだか」 ガチャンッ




639 :7日目後半 ◆S83tyvVumI:2010/07/15(木) 01:52:43.37 ID:nWIXdL2o

御坂「んぐっんぐっ……んぐっんぐっ……っぷはぁっ! おいしー!」

麦野「ごっきゅごっきゅごっきゅ……ぷはっ。ん、悪くないわ」

御坂「ねー? 私からの奢りだと思うと余計美味しいでしょ?」

麦野「ま、タダだしそれはそうね」

御坂「よしよし。じゃ、帰りましょ。楽しかったね」

麦野「……そうね。たまにはこういうのもいいもんだわ」

御坂「ストラップももらったことだし、いよいよ帰ってご飯食べるだけか」

麦野「あんま期待すんじゃないわよ」

御坂「お腹ペッコペコだから大丈夫。何でも美味しいわよ」

麦野「私の手料理は満腹でだって美味しいわよ!」 カチンッ

御坂「どっちなのよ……」




640 :7日目後半 ◆S83tyvVumI:2010/07/15(木) 01:56:30.30 ID:nWIXdL2o

―麦野宅 21:15―


御坂「はー! 美味しかったー! ごちそうさま。期待するな、なんて言って料理上手なんじゃない」 マンプクッ

麦野「はいお粗末様。一応自炊してるからね。時間かけりゃまともなもん出来るわよ」 カチャカチャ

御坂「またまた謙遜しちゃって。あ、片付けは私もやるわよ」 カチャカチャ

麦野「いいわよ、アンタ一応お客なんだから座ってテレビでも見てなさいよ」

御坂「あんたが片付けしてる横でそんなの出来ないわよ」

麦野「そ。殊勝な心がけね。じゃこれでテーブルでも拭いててちょうだい」 ポイッ

御坂「はーい」

麦野「それ終わったら布団敷いてくれる? 手前のクローゼットに入ってるから」 ガチャガチャ

御坂「おっけー」 フキフキ

御坂(今日はここで一緒に寝るのよね……あんなことあった後だと思うとちょっと緊張するわ……) ドキドキ

御坂(……けど麦野さんの寝顔は見たいな) フキフキ

御坂「手前のクローゼット……これね。布団布団っと……」 ガララ…

御坂(お、あったあった。……うわ、麦野さんの下着が畳んである……これすご……。
    黒子も似たようなもん持ってたけど着る人が違うとやっぱり違うわねー……) ピロリ




641 :7日目後半 ◆S83tyvVumI:2010/07/15(木) 01:58:03.35 ID:nWIXdL2o

麦野「こら、何見てんの?」

御坂「わ! こ、これはたまたま目に入ったからよ! っつかあんたこんなやらしーの着つけるの!?」

麦野「着けるわよ。悪い?」

御坂「いや悪くはないけどさー……そっか」 ジー

麦野「私をジロジロ見るな。今の着けてる下着は普通よ。着替え見てんでしょが」

御坂「いやー、あれでも私から言わせりゃ充分すごいんだけどね……下着がというよりトータルで」

麦野「アンタがお子様過ぎんの。それよりさっさと布団敷いて」

御坂「ごめんごめん。今敷くわよ。っていうかアンタ何持ってんの?」

麦野「酒」

御坂「ちょっ! 私達未成年じゃないの!」

麦野「細かいことはいいのよ。夜はまだまだこれからよ? まあいい子ちゃんの美琴ちゃんはもうおねむかもしんないけどぉ?」

御坂「ちっ! 上等じゃない! 付き合ってやるわよ!」 キッ

麦野「よろしい。んじゃパジャマに着替えて飲みましょ」 クスクスッ




642 :7日目後半 ◆S83tyvVumI:2010/07/15(木) 02:00:13.96 ID:nWIXdL2o

―22:00―


御坂「よし、布団も敷いたし、パジャマに着替えたし。いつでも始められるわね!」

麦野「っつか何よあんたのその可愛いパジャマ。カエル柄ってありえなくない?」

御坂「う、うるさいわねー。 可愛いじゃないの!」

麦野「いやまあ可愛いけどさ……」

御坂「あんたなんかそれパジャマじゃないでしょ! ベビードールに下着って……!」

麦野「寒い日はジャージとかで寝るわよ。今日はそうでもないし、飲んだら暑くなるから」

御坂「どんな顔してそれ見てりゃいいのよ私は……」

麦野「いちいち気にすることないでしょ。……ムラッときても襲ったりしないでよ?」

御坂「するわけないでしょ。それ女の子に言う言葉じゃないわよ」

麦野「アンタほんと胸ばっか見すぎなのよ。無いものねだりすんな」

御坂「無いとか言わないで。あ、そだ。ねえ麦野さん、それ何?」

麦野「どれ?」

御坂「ベッドの上のボロボロのぬいぐるみ」




643 :7日目後半 ◆S83tyvVumI:2010/07/15(木) 02:02:26.10 ID:nWIXdL2o

麦野「こ、これは……なんでもないのよ」 バサッ

御坂「何で隠すのよ。……ははぁん、もしかしてそれ抱いてないと寝られないとか?」

麦野「う、うるさい! 小さいときからのお気に入りなの!」 ギュッ

御坂「あんただって私のパジャマのことどうこう言えないじゃない」 ププッ

麦野「いいでしょ別に! いつも一緒に寝てるんだからもうこれないと寝られないの!」

御坂「一緒に、とか言っちゃうあたりが微笑ましいわねー」

麦野「黙れぶっ殺すわよ! ほ、ほら! どれ飲むの!」

御坂「お酒なんてお正月に実家帰ったときにちょっと飲まされるくらいだからねー……どれが何なのやら」

麦野「缶チューハイばっかりよ。あとは私の晩酌用のウィスキーと芋焼酎とワインね。
   浜づ……友達の罰ゲーム用のウォッカとテキーラもあるけど」

御坂「ん、一番きつくないやつちょうだい」

麦野「おっけー。ウォッカストレート。めんどくさいからジョッキでいいわよね?」




644 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/15(木) 02:04:09.55 ID:1MjBgMDO
こらむぎのんw




645 :7日目後半 ◆S83tyvVumI:2010/07/15(木) 02:05:07.71 ID:nWIXdL2o

御坂「ちょっと待ちなさい。いくら私でもそんなのには騙されないわよ」

麦野「お、えらいえらい。騙されて酔った勢いで食われちゃ駄目ってことを教えてあげようと思ったのよ」

御坂「嘘ね。思いっきり飲ませる目だったわ」

麦野「チッ、缶チューハイで勘弁してあげるわよ」 ポイッ

御坂「ありがと。カルピスサワー……度数2%、これなら飲めそうね」 プシュッ

麦野「私はレモンハイで。じゃ、今日はお疲れ様ー」 プシュッ カツンッ

御坂「はーい。ありがとねー」 カツンッ
    
麦野「ゴクッゴクッゴクッ……ぷはぁっ!」

御坂「ズズ……うん、ジュースみたい」

麦野「おつまみどれ食べる?」

御坂「あ、コアラのマーチ好き」 ガサガサ

麦野「はいよ。私はピザポテト開けよ」 バリッ

麦野「結構するよ。まあ缶チューハイはあんまり買わないけど」 パリッ

御坂「こっちの瓶のお酒ばっかりってこと?」 ズズッ




646 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/15(木) 02:05:25.05 ID:oxYp/gDO
ウォッカストレートとか飲めねぇよwwwwwwwwwwww




648 :7日目後半 ◆S83tyvVumI:2010/07/15(木) 02:06:43.89 ID:nWIXdL2o

麦野「そうそう。焼酎ロック一杯とチー鱈とかでね」 グビグビ

御坂「オッサンくさー」 ボリボリ

麦野「いいじゃないチビチビ飲むのも好きなのよ」

御坂「女の子二人でお酒片手にお菓子ボリボリ食べて、何か華が無いわよねー」

麦野「私という咲き誇る一輪の華があるじゃないの」

御坂「毒の花だけどね」

麦野「テメェ……よし、怒った。お酌したげるから飲みなさい」 ガッ

御坂「ちょっ! まだこっち入ってるわよ!」

麦野「空けなさい」

御坂「無理矢理飲ませるの駄目、絶対! 一気かっこわるいわよ!」

麦野「うるさい飲め潰れろゲロ吐け」

御坂「一蹴ね。じゃあ麦野さんが飲んだら飲むわ」

麦野「言ったわね。後悔すんじゃないわよ!」 ゴッゴッゴッゴッ!

御坂「いい飲みっぷりね。その調子でこれもお願い!」 サッ




649 :7日目後半 ◆S83tyvVumI:2010/07/15(木) 02:10:20.49 ID:nWIXdL2o

麦野「……ぷはっ! っざけんな。それはアンタが飲め」

御坂「ちぇッ、残念。………ぷは」 ゴクゴクゴク

麦野「よし。ほら、グラス持って」 ドプドプドプ

御坂「芋焼酎って書いてあるんですけど……」 ポー

麦野「顔赤くなってきたわよ。弱いわねー。まだまだ夜は長いのに」

御坂「あんらこんなに飲ませてどうするつもりらのよ……」 ポー

麦野(呂律が回ってない……。缶チューハイ一本でこれって……)

御坂「ははぁーん、さてはわらしを襲う気ねー。そんな軽い女じゃないんらからー……」 フラフラ

麦野「襲ってどうする。悪いけど私はアンタに突っ込む棒切れ持ってないのよ」

御坂「やぁーん、麦野さんのエッチー。突っ込むとか女の子が言っちゃ・ら・め」 ケラケラ

麦野(面倒くせぇ……飲ませんじゃなかった)

御坂「御坂美琴、一気しまーふ!」 グッ

麦野「ちょっ!」

御坂「……」 ニヤッ

麦野「な、なによ……」




650 :7日目後半 ◆S83tyvVumI:2010/07/15(木) 02:11:44.85 ID:nWIXdL2o

御坂「んー」 ムチュッ

麦野「アンタ、何をむぐっ! んー! んー!」 ジュルジュル

御坂「むー……」 ジュルルル…

麦野(こいつ……酒流し込んで……!)

御坂「ぷはぁ! なんてね♪ ふへへ、麦野さんの唇柔らかーい!」 ゲラゲラ

麦野「っはぁ! アンタブチ殺すわよ!」 フラッ

麦野(久しぶりにキスしちゃった……や、やだ何これドキドキする! くそっ! 酒の所為よ酒の!)

御坂「怒っちゃらめー。麦野さんともっと仲良くしたいのぉ」 スリスリ

麦野(どんだけ甘えてくるのよこいつはぁっ! あーやば……私も焼酎回ってきたかも……) ポー

御坂「麦野さん、年下の女の子は嫌い~?」 ギュッ ウルウル

麦野(なんか可愛く見えてきたわねー……あー……ブチ犯してぇ……ってアホか!  
    駄目よ駄目駄目! 酒如きにこの私が飲まれるわけにはいかないわ!) ブンブン

御坂「ささっ、麦野さん。もっと飲みましょーよー」 ドポドポドポ

麦野「そ、そうね。それじゃ返杯」 トプトプトプ

御坂「二人の夜にかんぱーい!」 チンッ




651 :7日目後半 ◆S83tyvVumI:2010/07/15(木) 02:12:52.48 ID:nWIXdL2o

麦野「か、乾杯」 チンッ

御坂「麦野さん柔らかーい」 スリスリ

麦野「離れろよ……」

御坂「やーだ。麦野さん体からいい匂いするわねー……何の匂い?」 スンスン

麦野「髪乾かす時にほんのちょっとだけ香水つけてるからその匂いじゃないの?」

御坂「美味しそうね、ペロッ」

麦野「ひゃぁんっ! ……アンタ馬鹿じゃないの!?」

御坂「可愛い声出しちゃってー。ええやろええやろー? ここがええのんけー?」 ペロペロ

麦野「ぁあんっ! く、首筋舐めるなぁっ!」 ビクビク

麦野(もうやだこいつ……。くそっ! ええいこうなりゃヤケよ! 私も酔ってしまえ!) グッ

御坂「麦野さんカッコイー! よぉっし! わらしもいきまーふ!」 ググッ

麦野(もういいや、明日こいつも休みみたいだし寝かせとこ……あー……いい気持ち……) フラフラ




652 :地獄絵図 ◆S83tyvVumI:2010/07/15(木) 02:14:38.01 ID:nWIXdL2o

―00:00―


麦野「だからねぇ、私はその時言ってやったのよ! はーまづぁ! テメェの×××に焼きゴテの刑だってねぇ!」 フワフワ

御坂「あはははははっ! 麦野さんおもしろーい!」 ケラケラ

麦野「ヒック……!そんな浜面だって童貞卒業してんのよ! 世の中おかしいと思わない!?」 カッ

御坂「思う思う! あいつのドーテーは私が奪うっ! じゃ一番御坂美琴! 脱ぎまーす!」

麦野「ギャハハハハッ! いいぞいいぞ! ぬーげ! ぬーげ! ぬーげ!」 パチパチパチ!

御坂「ちゃらららららーん♪ あっはーん、麦野さんにブラジャーあげちゃうんらからー」

麦野「やだもう生暖か~い! サイズ小さ~い!」 ケラケラケラ

御坂「パンツも欲しい~?」 ゲラゲラ

麦野「いらなーい。汚ーい」 キャッキャッ

御坂「汚くないわよぅ。この格好で告白したらあいつ落ちるかしらねー」 フラフラ

麦野「落ちる落ちるー!ようぅっし、今電話して告っちゃいなさいよーぅ!」 キャッキャッ

御坂「それいい! よーし、わらし言っちゃうわよー。『その童貞をブチ犯すっ(キリッ)』てねぇ!」 キャッキャッ

麦野「いいじゃんいいじゃん! 奪ったれ奪ったれ! 御坂のバージンは、今夜私がいただくけどねー」 ウフフフ




653 :その童貞をブチ犯す=そどぶ ◆S83tyvVumI:2010/07/15(木) 02:16:47.70 ID:nWIXdL2o

御坂「あげないもーん! あいつの電話番号はーっと」 ピッピッ!

麦野「いけいけー!」


prrrrrrrrr……prrrrrrrrrr……ガチャッ


上条『はいもしもし? 御坂か?』

御坂「……あもしもしー!? あんた誰ー!?」

上条『お前が電話してきたんだろ。上条さんですよ。何か用か?』

御坂「いいこと、よく聴きなさいよー! あんたに言いたいことが……言いたいことが……!」

麦野「どしたどしたー! そ・ど・ぶ! そ・ど・ぶ!」 パッチンパッチン

御坂(あ、あれー? ……わ、私なんでこいつに電話してんのよ……!)

上条『何か騒がしいな。お前まさか酒でも飲んでんのか? お嬢様でも酒盛りなんかすんのな』

御坂(そ、そか……流れで告白することになっちゃったんだ……と、とりあず何か言わなきゃ!)

御坂「……あ、明日話あるから……前にあんたと喧嘩した河川敷に来てくれる……?」

麦野「……あれ?」

麦野(あっ……ヤバ、酔っ払ってとんでもないことしてるんじゃ……) アセッ




654 :7日目後半 ◆S83tyvVumI:2010/07/15(木) 02:18:28.19 ID:nWIXdL2o

上条『明日か。……まあいいけど。前言ったとおり、お前に言いたいこともあるしな』

御坂「言いたいことって……何よ」

麦野(やっべぇ……。御坂ごめん! 止めてあげるべきだったのに……。がんばれ、超がんばれ!) ハラハラ

上条『お前こそ……なんだよ』

御坂「……明日言う。絶対言う」

上条『そうか。じゃあ俺も明日だ。何時くらいにする? 上条さんには補習があるのでできれば夕方にしていただけませんでせうか』

御坂「……わかった。6時に河川敷でどう?」

上条『おう、それでいいぞ。じゃな、あんま飲み過ぎんなよ』

御坂「うん、遅くにごめんね。……じゃ、明日」


ピッ


御坂「…………」 フゥ

麦野「あ、御坂……その、ごめん……」

御坂「なにが?」

麦野「なんか勢いでやらせたみたいな感じになっちゃったし……」




655 :7日目後半 ◆S83tyvVumI:2010/07/15(木) 02:20:07.55 ID:nWIXdL2o

麦野「そ、そっか……」

御坂「……でも、どうしよ」

麦野「御坂、こっちおいで」 ギュッ

御坂「あっ……」 ドキドキドキ

麦野「……私にも責任あるから、明日アンタをとびっきり可愛く仕上げてあの男のとこに送り届けてあげるからね……」

御坂「……む、麦野さん……」

麦野「あーごめん……私まだ酔ってるみたいだわ……。もうちょっとこうしててもいいわよね?」

御坂「酔ってたら……体熱いんじゃない……?」

麦野「いや別に……ううん、熱い……。私も上脱ぐね」 シュルッ

御坂「麦野さん温かいな……」 スリスリ

麦野「アンタ甘えんぼなのね」 ギュッ

御坂「酔ってるからよ」

麦野「そう。じゃあ仕方ないわね」

御坂「うん……仕方ないの」 ドキドキ… ギュッ

麦野「……」 ドキドキ…

麦野(……ヤバい……この流れ……しちゃう……あーもう! 人肌ってなんでこんな気持ちいいのよ……)

麦野「ベッド行く……?」

御坂「う……うん……」 コクッ




656 :7日目後半 ◆S83tyvVumI:2010/07/15(木) 02:21:59.39 ID:nWIXdL2o

―00:40―


ボフッ


麦野「もっとこっち来なさいよ……」 グッ

御坂「……うん」 ススッ ピトッ

麦野「電気消すね」 ピッ

御坂(……これって……そうなのよね……。私……麦野さんに初めてを……)

麦野(全然抵抗しない……何よこれ……私は迷いまくってるっていうのに……)

御坂(あいつじゃなくて……麦野さんなんだよ……? 何で私こんなに嫌な気持ちにならないのよ……。
    女の人なのに……あいつじゃないのに……)

麦野(もう何もかも無かったことにしてこいつを食べ散らかしたい……。めちゃくちゃに犯して私のものにしたい……。
   女の子なのに……男じゃないのに……。なんでこんなにこいつが欲しいのよ……!) グッ

麦野「……大丈夫よ」

御坂「え……?」

麦野「アンタを抱いたりなんかしない。アンタとセックスはしない」

御坂「……どうして?」




657 :7日目後半 ◆S83tyvVumI:2010/07/15(木) 02:23:26.07 ID:nWIXdL2o

麦野「してほしいの?」

御坂「……そうじゃないけど……そういうつもりなのかなって思うわよ……」

麦野「女同士ってとこに抵抗持たないの?」

御坂「麦野さんは持つの?」

麦野「めちゃくちゃ持つ。気持ち悪い。……でも、アンタなら嫌じゃないって思う」

御坂「……じゃあどうして……」

麦野「アンタは明日別の人を好きになるから。そいつのところに、綺麗なアンタを届けてあげたいじゃない……」

御坂「……それは、その……」

麦野「それだけじゃないけど……まああとはこっちの事情だから」

御坂「何?」

麦野「言えない。アンタには関係ない」

麦野(……人の壊し方しか知らない人間だって、垣根はそう言ったわ)

麦野(こんなときにそんなこと思いだすなんてね……)

麦野(……御坂。アンタをどう扱ってやればいいのか、まだ私には分かんないのよ……)

御坂「麦野さん……私がしたいって言ったら……してくれるの?」

麦野「……ごめん」




658 :7日目後半 ◆S83tyvVumI:2010/07/15(木) 02:25:56.79 ID:nWIXdL2o

御坂「ううん、私も怖いからいいわよ……。けど、今日はこうして寝てくれるんでしょ?」 ギュッ

麦野「アンタが嫌じゃないなら……」 グッ

御坂「嫌じゃないよ……」 ギュッ

御坂(嫌なわけない……)

麦野(御坂の体凄く熱い……。溶けそう……。駄目だ私……こいつのこと……) 


クチュリ…


麦野(もうヤバい……濡れまくってる……。下着越しだけどバレてるよなぁ……太もも当たってるし……) 

御坂(麦野さんの心臓の音がする……。太もも汗かいちゃったかな……熱くてヌルッとする)

麦野(御坂の指細いな……。これだったら2本は入るかな……。そういや、女同士ってどうやってするんだろ……)

御坂(お酒まだ全然抜けてないもんなー……。私って結構軽い女だったのかしら……やだな。
   あいつが好きなのに、麦野さんにこうされるのが嫌じゃないなんて……) ハァ…

麦野(我ながら酷い酔い方してる……。御坂を抱きたいなんてさ……。早く寝ちゃおう。
    ……明日になったら、こいつをうんと可愛くしてやろう)

御坂(あいつと上手くいってもいかなくても、麦野さんには何かお礼をしなくちゃね……。
    ここまで私のことを真剣に考えてくれたんだもん……ほんと、麦野さんがいてくれてよかった)

麦野(ああ、落ち着く……朝までずっとこうしてたい……―――)

御坂(……私のこと、大事にしてくれてるのよね……きっと。こんなに優しく抱きしめてくれるんだから……―――)



麦野御坂(―――いっそ明日なんて、来なければいいのに……)




709 :8日目前編 ◆S83tyvVumI:2010/07/17(土) 02:09:58.57 ID:EQvVUnUo
8日目


―麦野宅 10:00―


チュンチュンチュン……


麦野(……ん……ぅーん……寝すぎたか……?) ムクッ

御坂「……スー……スピー……」

麦野(あのまま寝ちゃったみたいね……。昨日は妙なこと考えてたなー……酒って怖い)

御坂「……スー……スー……」

麦野(でもこいつとしなくてよかった。こんなアホ面さらして寝てる顔見られるんだもんね) ツンッ

御坂「ん……んぅ……」 ゴロリ

麦野(胸丸見えだっつの。私もだけど。風邪ひくわよ) ファサッ

御坂「んぅ……とうまぁ……ムニャムニャ」

麦野「……」

麦野(……アンタにその気がないって分かってるのに、結構きついなそれ) フゥ…

麦野(さて、シャワー浴びてちょっと気合入れた朝食でも作ってやるか) スルッ


ガチャッ パタン




710 :と言っても1日分の投下量はいつもと同じくらいですが ◆S83tyvVumI:2010/07/17(土) 02:11:55.87 ID:EQvVUnUo

麦野(しかしあいつと裸で寝るような関係になるなんて想像もしてなかったわ……) シュルッストッ

麦野(それだけならまだしも……たぶんこれ……そういうことなんだろうな……) センタクキガパッ

麦野(この私がまさか女の子相手にねえ……) ポイッ


ガチャッパタン ペタペタ

キュッキュッ シャワァァァァァ


麦野(つってもまああいつには例の男がいるわけだし、私にゃどうにもならないわね) バシャァァァ

麦野(……なんて、本当は少し昨日期待したんだけどな。でもやっぱ駄目だわ。
    あいつは告白する腹括ったんだもん……私は、それを邪魔することなんてできない……) シャワァァァァァ

麦野(暗いわねえ私。んなもん建前のくせに……。断られんのが怖いだけだろっての。
    まあけど、あいつがあの男とくっついて幸せだっつーんなら私は別にいいか) シャワァァァァァ

麦野(私よりは、そっちのほうが絶対いいだろ) シャワァァァァァ


シャワワワァァァ……キュッ


麦野(ふう。それはもう考えるのやめよ。今日の私の仕事はあいつを最高に可愛い状態に仕上げて
    例の男のところへ届けることなのよ。あいつの告白を成功させるためにも、余計なこと考えてる暇ないの)

麦野(そうよね御坂……。アンタが求めてくれるなら、私はそれでも構わないけど……)




711 :8日目前編 ◆S83tyvVumI:2010/07/17(土) 02:13:58.28 ID:EQvVUnUo

ガチャッパタン


御坂「……スピー……スピー」

麦野(アホな顔で寝てるわ。こうして見るとやっぱまだ中学生よねー) スッ

麦野(化粧はまあ薄くしてやればいいとして、服はどうしようかなー……) クローゼットガララ…

麦野(ちょっと背伸びした感じも可愛いわよね。胸はないからそっち方面でアピールは無理と。
    私の好みでもいいかしら?) ウーン

麦野(こいつ素材はいいから着せ替えるの楽しそうね。
    あー、けどサイズ大丈夫かな。身長も私のほうが結構高いし……)

御坂「ん……ぅん……」 モゾモゾ

麦野「ん?」

御坂「……麦野さん……? 何してるの……?」 ムニャムニャ

麦野「はよ。今日アンタが着る服考えてるの」

御坂「ふぁぁ~……おはよー。服……? 制服があるからいいわよそんなの」

御坂「って私裸のまま!?」 バサッ

麦野「隠すほどのもんじゃないでしょが。ほら、シャワーでも浴びて歯磨きしてこい。
    そしたら朝ご飯にしましょ」




712 :8日目前編 ◆S83tyvVumI:2010/07/17(土) 02:15:10.95 ID:EQvVUnUo

御坂「う、うん……昨日はなんか……その……」 カァァ…

麦野「い、言うな!……恥ずかしいでしょ。飲んでたし夜中で変なテンションになってただけよ。
    そんなことより、アンタは今日どうやって告白するかでも考えてなよ」

御坂「うっ……そ、そうだった」 ハァ…

麦野「なにアンタ忘れてたの?」

御坂「覚えてるわよ。はぁ……緊張してきた」

麦野「アンタでも緊張なんてするんだね。タオルは洗面所に置いてあるから」

御坂「ありがと。ま、決めたことだし仕方ないわよね。決まった以上はちゃんとやるわよ」

麦野「そうね」

御坂「んじゃシャワー借りまーす」 ガチャッ


パタン


麦野(やれやれ。呑気なもんね。私の方がハラハラしてるんじゃないかしら)

麦野(なんて。あいつもどうせ腹の中じゃビクビクしてるんでしょね。私にできる応援なんてこのくらいだし、
    その辺はあいつが自分で折り合いつけてくれる以外にどうしようもないわ) フゥ…


Prrrrrrrrrrrr… Prrrrrrrrrrrr…


麦野(ん、電話?) カチャッ

麦野「電話の女……。今日も仕事か」




713 :8日目前編 ◆S83tyvVumI:2010/07/17(土) 02:16:44.49 ID:EQvVUnUo

―11:00―


御坂「ふー、ご馳走さま。麦野さんのオムレツ美味しかったー」 ゲプ

麦野「そう? そりゃ作った甲斐があったわ」

麦野(すっごい練習したからね)

御坂「あいつと会うまで結構時間あるけど、帰るのも面倒だからここにいてもいい?」

麦野「私はもともとそのつもりなんだと思ってたけど」

御坂「助かるー。麦野さんち居心地よくって困るわー。ここに住みたいもん。
    じゃあ片付けしましょっか」

麦野「いつでも来ていいよ。片付けは後。それよりアンタ何着ていく?」

御坂「いや、だから私は……」

麦野「制服じゃいつもと一緒でつまらないじゃない。
    可愛い格好してドキッとさせてやりましょうよ」

御坂「可愛い……」 ピクッ

麦野「そうそう。昨日の夜約束したしね。いいからアンタも選びなさいよ」

御坂「選べって言われても……あんたのクローゼット服で埋まってんじゃないの。こんな中から選べるわけないでしょ」




714 :8日目前編 ◆S83tyvVumI:2010/07/17(土) 02:18:42.74 ID:EQvVUnUo

麦野「つっても、アンタ細っこいからこの中で着れそうなのはそんなに……この黒のミニスカートとかどう?」

御坂「うーん……」

御坂(ヒラヒラしてるし可愛いかも……。穿いてみたいけど……また笑われそうな)

麦野「アンタこういうの好きかと思って。少女趣味だし」 クスクスッ

御坂「は、穿くだけ穿いてみようかな……なんて」

御坂(麦野さんって私の趣味を笑うけど馬鹿にはしないのよね……)

麦野「うん。どうぞ」

御坂「なんか人前で着替えるのって恥ずかしい」 シュルッ ストッ

麦野「お風呂一緒に入ったのに?」

御坂「確かに。でもちょっと違うのよねー」 ハキハキ

麦野「分からないでもないけど。お、似合う似合う。ウェスト大丈夫?」

御坂「ピッタリよ。麦野さんホント腰細いのね」

麦野「まーね。んじゃ下はそれで決定。トップスはどんなのがいい?」

御坂「んー……」




715 :8日目前編 ◆S83tyvVumI:2010/07/17(土) 02:20:07.78 ID:EQvVUnUo

御坂(どうせなら思いっきり可愛い格好もしてみたいような……あ、あれ可愛い……) チラッ

御坂(でもシフォン素材かー……。これもふわっとしててちょっと私にはイメージ合わないかな……。こっちにしとこ)

御坂「じゃあこれとか……」 スッ

麦野「いやアンタこっち見てたじゃないの。これにしなさいよ」 パッ

御坂「あはは、バレてたか。でもねー……」

麦野「アンタのキャラじゃないって? アンタが可愛い服着て誰が損するっての?」

御坂「それは……」

麦野「似合わないなら止めてあげるから、着たいもん選びなさいよ。オシャレなんて所詮自己満足。
    けどそれで一日良い気分で過ごせたり、違う自分になれる気がするならそれでいいじゃない」

御坂「麦野さん……」

麦野「はい上脱いでこれ着て」 ズイッ

御坂「うん……」 ヌギヌギ

御坂(ヤダ……ちょっとウルッときちゃった……。麦野さんって私のこと否定しないのね……)

麦野(……これ着た御坂絶対可愛いよね。私のファッション魂が疼く……まさに磨けば光る原石よ。
    こいつが可愛いことは誰もが認めてるんだから、私の手でさらに上の次元へ連れて行ってあげるっ!) メラメラ




716 :8日目前編 ◆S83tyvVumI:2010/07/17(土) 02:22:01.44 ID:EQvVUnUo

御坂「ど、どうかな……」

麦野「あらいいじゃない。女の子らしくて。モノトーンだから無駄に甘くないし。
    うん、あとはアクセでちょっと色味足してやれば完璧ね」

御坂「そ、そかな……」

御坂(こ、こんなに自分の趣味褒められたの初めて……! 麦野さんのセンスのおかげよね。
    正直めちゃくちゃ嬉しいんですけど……)

麦野「ネックレスどれにしようかな。シンプルめにこのハートモチーフにするか……いやもっと抑えたチャームでも……」 ブツブツ

御坂(何かスイッチ入ってるみたいね……そっとしておきましょう)

麦野「御坂、アンタピアス開いてる?」

御坂「ううん。学校はもちろん禁止だし、開けたいと思ったこともないわね」

麦野「私イヤリング持ってないから無しか……。まあネックレスだけで充分ね」

御坂「こんなの借りてもいいの……?」

麦野「そんなに高いもんじゃないからいいわよ。気に入ったんなら餞別にあげるし」

御坂「もらったりはさすがに出来ないわ」

麦野「そう? んで後はメイクね」




717 :8日目前編 ◆S83tyvVumI:2010/07/17(土) 02:23:39.75 ID:EQvVUnUo

御坂「お化粧かー……。正直気が乗らないなー」

麦野「なんでよ。必死に見られるのが嫌ってこと?」

御坂「そういうのもあるけど、慣れてないから崩れた時困るなって」

麦野「一理あるわね。今晩は8時くらいから雨らしいし。バッチリキメずにナチュラルを心がけるよ」

御坂「えー」

麦野「えーとか言わない。まだ時間早いから行く前にしてあげるわね」 ニコニコ

御坂(楽しんでる……?)

麦野「靴ばっかりはサイズ合わないだろうからサンダルで合わせるとして……。あ、エロい下着穿いとく?」

御坂「穿いてどうすんのよ!」

麦野「もしかしたら脱がされるかもしれないし」

御坂「脱ぐか! 仮に上手くいっても初日からそんなことするわけないでしょ!」

麦野「何言ってんのよ。アンタ昨日……ハッ」

御坂「……」 カァァァ

麦野「う……わ、悪い」




718 :8日目前編 ◆S83tyvVumI:2010/07/17(土) 02:25:57.77 ID:EQvVUnUo

御坂「べっつにー。もう気にしてないもん」

麦野「そうかよ。あ、そだ。アンタにこれだけは渡しとかないと」 ゴソゴソ

御坂「ん? なになにー?」

麦野「はい、コン○ーム」 ヒョイ

御坂「なっなななななななななななんつーもん出してきてんのよあんたって人はぁぁぁああっっ!!」

麦野「ゴムくらい持っときなって。私だって男と会うときは一応念のため鞄に2つ3つ入れてるわよ」

御坂「念のためって……何の念よ!」

麦野「何がどう間違ってそういうことする羽目になるか分からないでしょ」

御坂「な、なるほど……」

麦野「せがまれても生でさせるんじゃないわよ?」

御坂「しないっての……」

麦野「何が起こるか分からないのが人生なのよ」

御坂「そんなこと言ったら何でもそうでしょ。分かったわよ、もらっとく」 グッ

麦野「一応言っておくけどそれ意味も無く相手に見せるなよ。期待させるから」

御坂「見せないわよ! 財布にしまっとく!」

麦野「さて、それじゃいいともでも見ながら夕方までゆっくりしましょ」

御坂(私のこと想って言ってくれてるのかただ楽しんでるだけなのか……どっちもでしょうねこれは……) ハァ…

御坂(でもまあありがたいか。あいつに何て告白するか考えなくっちゃ……) ドキドキドキ…




719 :8日目前編 ◆S83tyvVumI:2010/07/17(土) 02:27:23.82 ID:EQvVUnUo

―17:30―


麦野「い、いよいよね……」

御坂「なんか麦野さん緊張してない?」

麦野「し、してないわよっ!」 スハースハー

御坂「そ、そう?」

麦野「ア、アアアンタこそ大丈夫なんでしょね!?」

御坂「うん。服も化粧も麦野さんがバッチリ決めてくれたし、何よりそんなにブルブルしてる麦野さん見てたらなんだか
    緊張とか吹っ飛んじゃったわよ」

麦野「私は緊張なんかしない! 生まれてから一度もしたことない!」

御坂「そういうことにしといてあげるわよ。……じゃ、行くね」

麦野「え、ええ……」

麦野(行っちゃうのか……上手くいけばもうこいつは他の誰かのもの……私とメールしたり
    遊んだりするのも随分と減っちゃうよね……正直寂しいわ。寂しいなんて感情、私の中にあったのね)

御坂(あいつと上手くいったら麦野さんに真っ先に報告しなくっちゃ。
    そしてあいつにも紹介しよう。この人が私の親友の麦野さんだよって)




720 :8日目前編 ◆S83tyvVumI:2010/07/17(土) 02:28:41.79 ID:EQvVUnUo

麦野「……一回しか言わないからよく聴きなさいよ?」 

御坂「ん?」

麦野「今のアンタ正直めちゃくちゃ可愛いから、自信持ってバシッと伝えてきなさい!」

御坂「……っ!」

麦野「ほんと、誰かにあげるなんて勿体ないくらいね……」 

御坂「……ありがとう、麦野さん」

麦野「ん。結果ちゃんと教えてね」

御坂「うん、それじゃね!」 ダッ


タッタッタッ…


麦野「……」

麦野(ああ……やっぱり結構きついな……) 

麦野(御坂……私が応援できるのはここまでよ……。
    私がアンタの無償の理解者でいられるのは……きっとこれで最後だからね)




721 :8日目前編 ◆S83tyvVumI:2010/07/17(土) 02:30:40.79 ID:EQvVUnUo

―第七学区 河川敷 17:59―


御坂(そ、そろそろ時間よね……) ドッドッドッ

御坂(麦野さんから借りた服とメイクは完璧なはずよね……あとは私の言葉と気持ち次第……)

御坂(あいつに会ったらまず何て言おうかな……)

御坂(『おっすー遅いわよー』 ……ちょっと砕けすぎかな。
    『私より早く来ないなんてどういうつもり!?遅刻、罰金!』 ……これはなんか違う……。
    『来てくれてありがと……』 ……こんなとこかしらね。
    どうせ好きって言うんだから、素直にならないと……)

上条「おーい、御坂ー」


タッタッタッ


御坂「あっ、と、当麻……」

上条「悪い、待たせたか?」

御坂「ううん、今来たとこ……来てくれてありがとね当麻……」 モジモジ

上条「お、おおう……」

上条(当麻……? どうしたんだこいつ……。しかも何かいつもより可愛いような……) ゴクリ…

御坂(……い、いよいよね……) ゴクリ

御坂「と、当麻! 私あんたに言いたいことあるって言ったよね……」 ドキドキドキ

上条「ん? ああ、そうだったな。で、何だ?」

御坂「あのね……当麻……。私ね―――」




722 :8日目前編 ◆S83tyvVumI:2010/07/17(土) 02:32:02.98 ID:EQvVUnUo

―常盤台中学学生寮 玄関ホール 19:20―


ガチャッ ギィィ バタンッ

カツカツカツ…


御坂「……」 カツカツカツ…

寮監「遅いお帰りだな、御坂。しかも私服で帰宅とは、いい度胸だ」 ギラッ

御坂「……すみませんでした」

寮監「何を俯いている。目を見て話せ」

御坂「……」 カツカツカツ…

寮監「おいどこへ行くつもりだ」 ピキピキ

御坂「部屋に帰るんですよ……もういいでしょ、謝ったんだから。次からは気をつけます」

寮監「貴様私を舐めているのか……? お前がそんな調子では後輩達にも示しがつかんだろうが。
    お前には明日寮の玄関の扉掃除を」


ビシュゥゥゥゥゥゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッッ ズガァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!

パラパラ… フシュー…




724 :8日目前編 ◆S83tyvVumI:2010/07/17(土) 02:34:16.88 ID:EQvVUnUo

寮監「な……何をしている……」

御坂「綺麗になったじゃないですか……ドアは無くなっちゃったけど」

寮監「寮内での能力使用。寮の破壊。私への恫喝の意図も見てとれる。痛い目を見ないと分からんようだな」 ゴキッゴキッ

御坂「で?」

寮監「何……?」

御坂「私に勝てるとでも思ってんですか? あー、じゃあもうかかってくればいいでしょ。
    黒子達にするみたいに問答無用で」

寮監「お、おい御坂。お前何かあったのか……?」

御坂「いえ……何も。ドアを壊してしまって申し訳ありませんでした……。弁償します。
    罰も必ず受けますから……しばらく放っておいてください……失礼します」 カツカツカツ…

寮監「おい御坂待てっ!」

寮監「ちっ……何もだと? だったら何だというんだ、その顔は……」




725 :8日目前編 ◆S83tyvVumI:2010/07/17(土) 02:36:21.94 ID:EQvVUnUo

―常盤台中学学生寮 二○八号室 19:30―


ガチャッ パタン


御坂「ただいま……」


スタスタスタ… ボフッ


御坂「……」

御坂「……」


ガチャッ…


白井「あらお姉様、帰ってらしたんですの? 門限はもうとっくに過ぎておりますわよ?
    よくご無事で入ってこられましたわね」

御坂「んー。見つかってこっぴどく怒られてきたわよ……」

白井「それで帰ってくるなり枕に顔を埋めてふて寝ですの? 
    本日も随分と遅いお帰りでしたし、さぞかし楽しい時間を過ごされたようですわね」

御坂「……」

白井「あら、ところでお姉様私服ですわね。そのようなお洋服はお持ちでしたかしら。
    よくお似合いですけれど、そのままご帰宅なされるのはいかがなものかと思いますわ」

御坂「……ハァ」




726 :8日目前編 ◆S83tyvVumI:2010/07/17(土) 02:37:45.16 ID:EQvVUnUo

白井「お姉様、聞いておられますの? こちらを向いてくださいまし」

御坂「……」 カチッ メルメル

白井「……またですのね」 フゥ…

御坂「はぁ? 何がよ」

白井「また麦野さんとメールしてらっしゃるんですのねと申しております」 ハァー

御坂「そうよ、悪い……?」

白井「悪いとは申しませんけれど、例の殿方のことはもうよろしいんですの?
    ここ最近、朝から晩まで麦野さんのことばかりですわよ」

御坂「……っ」 

白井「お姉様の交友関係に口をお出しするつもりはありませんけれど、
    お姉様の周りにいらっしゃるのは麦野さんだけでは無いことを覚えておいてくださいましね。
    ずっと携帯ばかりに向き合って、黒子の目も見てくれないのは寂しいですの」

御坂「黒子……。ごめん……」 シュンッ

白井「うっ……」

白井(あらいやですわ、しゅんとなんているお姉様も可愛いじゃありませんの。虐められオーラがプンプンでしてよー!)




729 :8日目前編 ◆S83tyvVumI:2010/07/17(土) 02:41:29.10 ID:EQvVUnUo

白井「大体、お姉様はいつもそうですの。
    ゲコ太だとか言うワケの分からないマスコットキャラに現を抜かしておられるときもそうです。
    集中力がお有りになるのは結構ですけれど、もう少し周りをご覧になってはいかがですの?」 クドクド

御坂「……ごめん」

白井「あの殿方のことにしてもそう。寝ても覚めても上条さん上条さんと。気に入ってらっしゃるのは分かりますが、
    聞かされるこちらの身にもなっていただきたいものですの」 クドクドクド

御坂「……はい」 

白井「そもそも、お姉様には常盤台のエースとしての自覚が欠けておりますの。
    あの麦野さんもご自分の能力を高めることに関しては真剣に考えておられましたわよ?
    それを毎日立ち読みやらゲコ太やらで無為な時間をお過ごしになって、黒子はお姉さまが心配でなりません」 クドクドクドクド

御坂「……」 イラッ

白井「黒子はお姉様のためを思って言っておりますの。
    先ほどは麦野さんを非難するようなことを申し上げたように聴こえたかもしれませんが、むしろわたくしは
    あの方とお付き合いされることに関しては賛成ですの。
    ご自分の力をより向上させる手段としてではありますが、社会貢献もされておられるようですし、
    学校に通っておられないのも進学先が決まっているからと思えばまあ納得もできます。
    お姉様もあのお方のように少しはご自分のお力に自覚を持たれてはいかがです?」 クドクドクドクドクド

御坂「……」 ピキピキッ

白井「ついでに言わせて頂きますが、お姉様の短パンや子供っぽい下着類はそろそろご卒業なさってはどうですの?
    この前もパステルカラー満載の水玉模様の下着を買ってらして、黒子は正直目を疑いましたの。  
    せっかくお姉様には素晴らしいプロポーションと美しいお顔が備わっておられるのですから、
    もっとご自分の身の丈に合った格好をするべきだとわたくしは常々思っておりましたの」 クドクドクドクドクドクドクド

御坂「……」 ブチッ!




731 :8日目前編 ◆S83tyvVumI:2010/07/17(土) 02:46:26.51 ID:EQvVUnUo

白井「それに一般人であるお姉さまが風紀委員の仕事に首を突っ込んでこられるのも……ちょっとお姉様聞いてますの?」

御坂「うるせぇぇぇぇぇぇええええええええええッッッ――――――!!!!」 ガシャーーン!

白井「ビクゥッ!……お、お姉様……?」

御坂「あんたは私のママかっ! どうして後輩のあんたにそこまで言われなくちゃいけないのよっ!
    私が誰と付き合おうが私の勝手! 私が何を着ようが私の勝手! 私が何をしようが私の勝手でしょうがっ!
    風紀委員のことはともかく、他でいつあんたに迷惑かけたのっ!? 
    親でも無いのにそんなこと言われる筋合いないわ大きなお世話よ!
    大体あんたこそ何なの寝ても覚めてもお姉様お姉様って!
    私は四六時中あんたの傍であんたの相手してなきゃなんないってわけ!? ええっ!?」

黒子「そ……それは……」 ビクビク…

御坂:「私だって自由な時間が欲しいのよ! 学校や寮内じゃ御坂サマ御坂サマ言われて笑顔返さなくちゃなんないし、
     部屋に帰ればあんたの良き先輩でいなくちゃなんないなんてまっぴらなのよっ!
     麦野さんは私にそんなこと強要しないっ! 私を対等に見てくれるっ! むしろ見下してくれるわっ!」

白井「……お、お姉様、黒子が悪かったですの……ですからどうか落ち着いてくださいまし……」 ビクビク

御坂「麦野さんは私を馬鹿にしない! 麦野さんは私を受け止めてくれる!
    もううんざりよ! 私のことは放っておいて!」

白井「お姉様……黒子が言い過ぎましたの。ですからどうか気を落ちつけて……」 スッ




732 :8日目前編 ◆S83tyvVumI:2010/07/17(土) 02:47:38.43 ID:EQvVUnUo

御坂「触んないで! もういいっ! 私たちちょっと距離置いたほうがよさそうね……!」 ゼェ…ゼェ…

白井「そ、そんな……何もそこまで……ハッ」

御坂「……グスッ」

白井「お、お姉様……? 泣いておられますの……? そのお顔……目元が赤く腫れて」

御坂「うるさい黙れっ!」 ガッ

白井「ひっ……!」 ビクッ

御坂「……」

白井「あ……こ、これは……違いますのよ。
    お姉様の勢いに驚いただけであって、決してお姉さまが恐ろしいとかでは……」 ビクビク

御坂「出て行く」 スクッ

白井「え……? ほ、本当ですわよ!? わたくしを見損なわないでくださいましっ!」

御坂「別にそんな風には思ってないわよ……。驚かせてごめん……ここに居たらあんたに当たっちゃうから……」

白井「……お姉様、何がありましたの?」

御坂「……」




733 :8日目前編 ◆S83tyvVumI:2010/07/17(土) 02:48:37.10 ID:EQvVUnUo

白井「黒子ではお力になれませんの?」

御坂「最初に報告する人はもう決めてあるの……」 スタスタ

白井「……そうですの……」 シュン…

御坂「しばらく戻らないけど……心配しなくていいから」

白井「こ、こんな時間にどちらに行かれるつもりですの!?」

御坂「……ほんと、お願いだから一人にさせて」 バッ


タッタッタ…


白井「あっ! お、お姉様ー!」

白井(何があったというのでしょうか……。と、とにかく追いかけないと……) グッ

白井「……」 ゾクッ

白井(……どうしてですの……。今日のお姉様が……とても怖いですの……) 




775 :8日目中編 ◆S83tyvVumI:2010/07/18(日) 01:39:08.66 ID:WVQ/.Uco

―第七学区 河川敷 18:10―


時刻は僅かに遡る。
間も無く辺りも暗闇に包まれる時間帯。
静かなる決意を秘めた御坂美琴は、懇親の力を振り絞って彼に伝えるべき言葉を伝えようと
目の前に立つ彼を真っ直ぐに見上げた。
黒いツンツンの髪も、たくましいその腕も全てが愛おしく見えて。
彼に吐き出したい思いが溢れてくる。


御坂「当麻……。私ね……」


緊張で滑りの悪い喉を削り取るような声で御坂は言葉を紡ぎだした。
キョトンとしたままの上条がこちらを見下ろし、不思議そうな視線を投げかけてきていた。


御坂「私……あんたのことが……―――」


麦野に借りたドット柄の黒いバルーンスカートの裾を握り締める。
ヒラヒラのシフォンのチュニックも、赤いハートモチーフのネックレスも、ガラス製のコスモスのようなヘアピンも。
麦野がまるで勇気をくれたように思えて。
彼に伝えたい言葉を教えてくれているような気がして。
だから御坂は、真っ直ぐに彼の瞳を見つめて口を開いた。


■■「上条くん。お待たせ」




776 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/18(日) 01:40:40.62 ID:heRzi4Qo
■■ェ…




777 :8日目中編 ◆S83tyvVumI:2010/07/18(日) 01:40:46.62 ID:WVQ/.Uco

だが、喉まで競り上がってきていた大切な言葉は、ついに世界へ羽ばたくことなく口の中でおし留められた。
道路からゆっくりと階段を下りてきたのは、長い黒髪とおっとりとした雰囲気を持つ、地味目の和風美少女だった。
セーラー服に身を包んだ彼女は、上条の傍らまで歩いてくると、こちらをチラリと一瞥して彼に問いかける。


■■「上条くん。紹介したい人ってこの子?」

上条「ああ、友達の御坂だ。常盤台のお嬢様でレベル5なんだ」

■■「そう。それはすごい」

御坂「……紹介?」


低いトーンで御坂が首を傾げる。
その質問に、上条は照れくさそうに頭をかきながらはにかんで頷いた。


上条「御坂、紹介するよ。姫神だ。日曜日から付き合い始めた」

御坂「――――――っ!?」


呼吸が出来ない。
汗がだらりと頬を通り過ぎる。
日曜日と言えば、自分と映画を見た日じゃないか。
紹介された姫神という少女はペコリと頭を下げてぼんやりとした瞳をこちらに向けてきた。


御坂「……どうして……紹介なんてしようと思ったの……?」


喉からひりだした声は恐ろしく震えていた。
受け入れがたい現実をまざまざと突きつけられたように、心がその事実を激しく拒絶している。




779 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/18(日) 01:41:50.89 ID:FV8r5jg0
ひィィィィィめェェェェェがァァァァァみィィィィッ!
てめぇ・・・・




780 :8日目中編 ◆S83tyvVumI:2010/07/18(日) 01:42:07.50 ID:WVQ/.Uco

上条「ん? いやお前のアドバイスのおかげで付き合うことになったからさ」

御坂「は?」


ポカンと口を開け放って御坂が眉間にシワを寄せる。
敵に塩を送るような真似をしたつもりはないが。
隣に立つ姫神の頬が少しだけ赤いのがやけに気に障った。


上条「お前言ったろ? 少しでもいいなって思う子には素直に告白しろって。
    実はお前と映画見に行った後姫神から呼び出されてさ。
    モジモジしてたから俺から告白したんだ。前から結構メールしてたんだけど、
    いつもそっけないから駄目もとだったけど、素直な気持ちぶつけたら上手くいったよ」

姫神「……あんな情熱的な告白は初めてだった」


体が震える。
そんなつもりで言ったんじゃないのに。
自分で告白するのが恥ずかしいものだから、彼からしてほしいということを暗に伝えようとしたのが
裏目に出たらしい。
彼はそれを自分のおかげだと思ってくれているようだった。
残酷なことに、それをわざわざ目の前で伝えてくれるという律儀な真似までして感謝の気持ちを伝えてくる。
笑顔を浮かべている上条。
御坂は膝から崩れ落ちそうになるのを必死で抑えながら、引きつった下手くそな笑顔を浮かべる。


御坂「そ……そう。よかったじゃない……」




781 :8日目中編 ◆S83tyvVumI:2010/07/18(日) 01:44:02.45 ID:WVQ/.Uco

俯き、拳を握り締めて御坂は吐き捨てるように言った。
シンとした空気が場に流れる。


上条「別に遠慮することねえぞ。上条さんは義理人情に熱い男なんですことよ」

御坂「いらないっつってんでしょ!」


思わず声を張り上げていた。
それ以上浮かれた顔を見たくなかった。
嬉しそうな声を聴きたくなかった。
想い人が自分以外に向けた好意なんて、きっと世界中のどんな猟奇的で残酷な物語よりもえげつなく。
まして幸せそうに頬を染める恋人が隣に寄り添っているから、よりグロテスクで救いが無い。
上条はそれに気付かず、御坂の心を丁寧にスプーンで抉り取るような素敵な笑顔を向けてきた。


上条「ははーん。御坂、お前上条さんが羨ましいんだなー? いやいや分かるぞ。俺もこの前まで
    道行くカップル達を忌々しく思っていたもんだ」


もうやめて。

御坂は血が滲むほど唇を噛み締め、決して涙を零さないように拳を強く握りながらプルプルと体を震わせていた。


姫神「?」

上条「だが安心しろ。こんな俺でも彼女が出来たんだ。お前は俺なんかと違って顔も可愛いし、性格だって悪くない。
    心配しなくたって彼氏くらいすぐ出来るさ」




785 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/18(日) 01:47:12.53 ID:NAz8jUDO
胸が痛くなるな・・・




786 :8日目中編 ◆S83tyvVumI:2010/07/18(日) 01:47:20.12 ID:WVQ/.Uco

彼氏が欲しいんじゃない。
あんたが欲しかったのに。

あの時告白していれば。
次頑張ろうなんて思わずに、あの時頑張って告白をしていれば……。
御坂の後悔は尽きない。
勇気を出せなかった自分が、殺したいほど恨めしい。
彼に悪気が無いのは分かっている。
むしろ全てが善意だ。
彼はきっと心から御坂が御坂自身のために放った言葉を良くも悪くも前向きに解釈して、この凶悪な結末を叩きつけてきた。
だからこそ彼を責められない。
姫神を憎めない。
どこにも悪意なんて無いのに、自分だけが地獄の底へと叩き落されたのだ。


姫神「!」

上条「にしてもお前の彼氏になれる奴ってのはどんなやつなんだろうなー。
    きっと高レベルで頭が良くて。おまけに……」

姫神「上条くん。そのくらいにして」

上条「あー、そうだな。ごめんな御坂、何かのろけたみたいで。
    自慢したかったわけじゃないんだよ……。ほんと、ありがとな、御坂」


ポンポンと頭を撫でてくる。


上条「そういやお前の話途中だったよな、何だったっけ?」

御坂「っ!」




787 :8日目中編 ◆S83tyvVumI:2010/07/18(日) 01:48:59.33 ID:WVQ/.Uco

御坂はその手を、懇親の力で振り払った。
パシンッという乾いた音と共に弾かれる彼の手。
強く強く睨み付けると、彼は驚いたような顔でこちらを見下ろしていた。


上条「み、御坂……?お前、泣いて……」


わなわなと震える唇。
目尻に浮かんだ涙が耐え切れなくなって頬を滑り落ちていった。


御坂「なんでもないわよ……。欠伸しただけ」

上条「で、でも目が真っ赤に……」

姫神「上条くん。帰ろう」

上条「い、いやこんな状態で御坂を置いていけるわけないだろ!」

姫神「上条くん! いいから!」

上条「……姫神?」


姫神はどうやらこちらの気持ちに気付いているようだった。
そりゃそうだ。
こんな状況で必死の形相で涙をこらえる姿を見れば誰にだって分かる。
分からないのは、彼だけ。その鈍感さはもはや人を殺せるレベルに達していた。


姫神「ごめんね……」




788 :8日目中編 ◆S83tyvVumI:2010/07/18(日) 01:51:33.54 ID:WVQ/.Uco

近寄ってきた姫神がどうしていいか分からないといった様子でポツリと呟いた。


御坂「……分かってる。一人にして」

姫神「うん……。もう暗いから。すぐ帰ったほうがいいよ」

御坂「……放っておいて」


鼻を啜り、俯いたまま淡々とした口調で御坂が返した。
姫神の顔なんて見たくない。
これから彼とたくさん笑顔を浮かべあって。抱き合って、キスをする顔なんて。
惨めな自分をいっそ笑ってくれれば、少しは憎まれ口も叩けたのに。
触れることすらしてこなかった姫神の優しさに、もうどうしたらいいのかが分からなくなった。


上条「御坂、なんか、ごめんな」

御坂「いいから……彼女ちゃんと送って帰んのよ?
    ほら行った行った。私もちゃんと帰るから心配しないでいいわよ」

上条「……本当だな?」


無理矢理の笑顔を浮かべて、彼らを送り出す。
彼らは何一つ悪いことなどしていないのだから。
行き場の無い感情を彼にぶつけそうになってしまったが、それはあまりに理不尽だ。
掌に爪を突き刺してその衝動をこらえる御坂。




789 :8日目中編 ◆S83tyvVumI:2010/07/18(日) 01:52:56.16 ID:WVQ/.Uco

御坂「しつこーい。言っとくけど、彼女が出来たからって私の電撃があんたを襲わなくなるわけじゃないんだかんね?」

上条「ゲッ、まじかよ」

御坂「あったりまえでしょ! 私とあんたは……友達なんだから」


最後まで不安げだったが、何とか上条と姫神は帰ってくれた。
寄り添い歩く二人の背中はどう見ても恋人同士のそれで。
今自分は失恋したんだなとようやく自覚することができた。
同時にこみ上げてくる喪失感と虚脱感。
バチバチという漏電の音が静かな河川敷に寂しく響く。
御坂は悲しみの全てを吐き出して咆哮するかのように、河の水面に向けてポケットに入っていたコインを弾き飛ばした。
超電磁砲。
音速の3倍に達するその一撃は、高々と水柱を上げて河川敷に水しぶきを撒き散らした。
呼吸が荒くなり倒れそうになるまで、御坂は何発も何発も、水面に穴を開けていくのだった。


御坂「アぁッァァアアあぁぁぁぁぁああああああっぁっぁああアアアアああああアアァァァッッッ――――――!!!!」


辺りに響き渡る轟音で、崩壊していく『自分だけの現実(パーソナルリアリティ)』と共に放たれた御坂の悲鳴と絶叫は
誰にも届くことなくかき消された。




792 :8日目中編 ◆S83tyvVumI:2010/07/18(日) 01:55:35.27 ID:WVQ/.Uco

―アイテム専用キャンピングカー車内 22:00


本日の仕事は一連の能力開発関連データ流出に関する事件の最後の後始末だった。
一部加担していたと思われる統括理事会の役員秘書の男を捕縛し、他の組織に預けて一連の事件は幕を閉じた。
あっけない幕切れだが、いつも仕事の最後はこんなものだ。


フレンダ「結局、テレビでも買おうかと思ってる訳よ。めちゃくちゃでかいやつ」

絹旗「いいですね。私も一部屋オーディオルームに超改造してホームシアターにしようかと」

滝壺「新しい枕が欲しい」


車内にて姦しく喋っている3人。
今回の仕事は結構大きな事件だっということで非常にギャラも良い。高級車が一台買えるくらいの額だ。
また、しばらくは休みをくれるということらしいので、『アイテム』の一同は車内でわいわいと報酬で何を買おうかという話で盛り上がっている。
そんな中、麦野は携帯電話のディスプレイを不安げに眺めていた。
もう夜の十時になるというのに、一向に御坂からの結果報告の連絡が無い。
寮の門限があるのでもう部屋には戻っているはずなのだ。


麦野(成功してどっかのラブホにでもシケこんでんのか……?)


そうであったなら構わないが。
どうにも胸騒ぎがしていた。
あの律儀な御坂のことだから、上手くいったら真っ先に連絡をくれるような気がする。
何かあったのではないだろうか。




795 :8日目中編 ◆S83tyvVumI:2010/07/18(日) 01:59:48.88 ID:WVQ/.Uco

フレンダ「ねーねー、麦野は何買うー? バッグとか?」


にこやかに語りかけてくるフレンダ。


麦野「貯金。今別に欲しいもんないし」

絹旗「麦野の辞書に貯蓄、倹約なんて言葉があったんですね」

麦野「ぶつわよ」


それを適当に流しながら、麦野は携帯をパカパカと開閉して落ち着かない様子で御坂のことを考えていた。


滝壺「あ、雨降ってるね」


外を見ると、滝壺の言うとおり大粒の雨が窓を叩いている。
暗雲立ち込める空が、麦野の心に重圧となって圧し掛かる。
この雨の下に、せめてあいつがいないことを祈りたい。


フレンダ「やっば、洗濯物干しっぱなしな訳よ」

麦野「朝天気予報で雨だっつってたでしょうが」

フレンダ「あーん、雨に濡れ濡れで今日穿く下着がない! というわけで麦野の濡れ濡れの下着をイテッ!」




796 :8日目中編 ◆S83tyvVumI:2010/07/18(日) 02:01:00.71 ID:WVQ/.Uco

飛び掛ろうとするフレンダの顔面にクッションを投げつけてやる。
それを横目に見ながら、麦野はもう一度窓の外に視線を移した。
大きな河が見える。
第七学区に戻ってきたようだ。
雨で水量が増しており、濁流となって流れている。
そのとき視界の端に何かが踊った。


麦野「浜面止めて!」

浜面「あ? お、おう!」


麦野が思わず運転席の浜面に向けて叫んでいた。
まさか。まさか。
麦野は眉間に皴を寄せ、唾を飲み込みそちらを振り返る。


麦野「くそっ!」


麦野は舌打ちをして、怪訝そうに首を傾げる皆を放り、傘も持たずにその雨の中へ飛び出した。




797 :8日目中編 ◆S83tyvVumI:2010/07/18(日) 02:04:07.15 ID:WVQ/.Uco

―河川敷 22:10―


降りしきる雨の中、御坂は一人河川敷に佇んでいた。
先ほどまで上条と言葉を交わし、一気にこの世の地獄に叩き落されたあの場所だ。
白井に八つ当たりをしてしまい、寮を飛び出して最初に向かった場所は麦野の部屋だった。
縋りつくようにドアの前まで来て呼び鈴を慣らせば、面倒くさそうな顔をして自分を優しく迎え入れてくれるはず。
そう思っていた。
だが、彼女は一向に姿を現さなかった。


御坂(麦野さんに……依存してたんだな、私は……)


どんな時だって、麦野は文句を言いながらも助けてくれるのだと勝手に思っていた。
期待を裏切られたなんて思ってはいない。
だが、自分の一番辛い時に一緒にいてほしいと思える人物がいないというのは、
御坂の精神に負担を強いた。
逃げるように彼女のマンションを後にして、結局御坂が辿り着いたのはこの河川敷。
きっとまだ認めたくないのだ。
これは実は全て夢で、今から自分は彼に告白をするためにここに呼び出す。
ひょっこりと現れた彼に想いを告げると、はにかんでそれを受けた上条が自分を抱きしめてくれる。
雨の中呆然と立ち尽くし、御坂はずっとそんなことばかりを考えていた。
空虚感から逃げたくて、絶望を忘れたくて。
御坂は体を雨風にさらして水量を増した河をじっと見つめていた。
化粧は雨で落ち、せっかく麦野が貸してくれた可愛らしい洋服は雨でボトボト。
それでも御坂は、その場所から動く気にはなれなかった。


御坂(……もう寮には戻れないわね……)




798 :8日目中編 ◆S83tyvVumI:2010/07/18(日) 02:05:22.43 ID:WVQ/.Uco

寮を破壊し、寮監を脅した上に白井とも喧嘩した。
退寮は免れないだろうし、下手をすると退学もあり得る。
濡れてぴったりと頬に張り付いた髪をかき上げながら、御坂はぼんやりと虚空を見上げた。


御坂(まあいいか……どうでも……)


今はそんなことを考えている余裕などない。いや、もうどうでもいい。
失恋によって心はズタズタに引き裂かれ、何もする気力が起きなかった。


御坂(あー……死にたい……)


遠くを轟々と流れる河を眺める。
その濁流の中へと飛べば、重苦しい心は楽になるだろうか。
そんな考えがチラリと頭を掠める。


「御坂っ!」


女の人の声が聴こえた。
振り返ると、道路の方から傘も差さずに麦野が駆け下りてくる。
ふわふわの栗毛が雨で濡れるのにもおかまい無しで、黄色いワンピースが肌に張り付き下着が透けるのも関係なく。
真っ直ぐにこちらに向って駆け寄ってくる。


麦野「アンタ……何してんだよ……」




799 :8日目中編 ◆S83tyvVumI:2010/07/18(日) 02:07:59.41 ID:WVQ/.Uco

沈痛な面持ちだった。
心配してくれているのだろう。
だが、正直御坂は今更こんなところを見られたくはなかった。
上条という想い人を失い、白井という理解者を失い、帰る場所を失った。
そんな惨めな姿を、麦野の前にさらしたくはないという気持ちの方が強い。
そのはずなのに。


御坂「麦野さん……っ!」


御坂は、とうとうこらえきれなくなった涙を雨に隠して、麦野の大きな胸に飛び込んだ。
冷たい雨に濡れた服の向こう側に確かな彼女の体温を感じて、御坂は貪るように彼女を抱きしめた。
温もりが欲しい。
何もかも失い、孤独になった自分に、麦野の温かな体温は最後の拠り所だった。


麦野「……バカ。体冷えてんじゃないのよ……」

御坂「……グスッ……ヒグッ……駄目……エグッ……だったよ……!」


嗚咽し、途切れ途切れに言葉を紡いでい自分に、麦野は何も言わず頭を撫でてくれた。


麦野「そっか……」

御坂「……あいつ……エグッ……日曜日、私と会った後女の子に告白されて……グスッ……彼女に……!」

麦野「……そりゃまた……」




800 :8日目中編 ◆S83tyvVumI:2010/07/18(日) 02:10:28.64 ID:WVQ/.Uco


御坂が強く麦野を抱きしめると、彼女もまたふわりと胸元に顔を抱き寄せてくれる。
御坂はそのあまりの温かさと柔らかさに、感情の吐露を止めることができずにいた。


御坂「あの時私が……ヒグッ……告白してればもしかしたらって……グスッ……」

麦野「……」


後悔だけがどうしても拭いきれない。
どんなに悲しみを叫んでも、涙を流しても。
あの日、あの時、自分の想いを口に出していればという自責の念に駆られる。


麦野「とりあえずここに居たら風邪ひいちゃうね。ウチおいで」

御坂「でも……麦野さんに迷惑かける……」

麦野「ばか。言ったでしょ、どんな結末になったって、アンタを笑って受け止めてあげるって」


僅かに微笑んで麦野はそう告げた。
これが私の恋の結末。
告白することすら出来ず、戦いの土俵に立つ前に、既に勝負は決していた。
思えばあっけない幕切れだ。
御坂は胸にポッカリと空いた穴を埋めるように、麦野に縋りつく。
もはや麦野だけが、自分に生きている実感をくれる存在だった。


滝壺「むぎの……」




801 :8日目中編 ◆S83tyvVumI:2010/07/18(日) 02:12:03.89 ID:WVQ/.Uco

ふと気付くと、麦野の背後にビニール傘を差した黒髪の少女が立っていた。
肩口で切り落とした髪とぼんやりとした瞳が特徴的な高校生くらいの少女だ。
先日絶対能力進化計画関連の研究所を潰して回っていたときに一度だけ麦野と共に交戦したことがある。
御坂は泣き顔を隠すように麦野の胸元に顔を埋めた。


麦野「滝壺……どした?」

滝壺「濡れちゃうよ、はい傘」


自分の分とは別に携えていたビニール傘を麦野に手渡す滝壺と呼ばれた少女。


麦野「ありがと」

滝壺「ひとまず車に戻ろう」

麦野「そうね、御坂。アンタも……」


傘を広げた麦野が土手の上に停められているキャンピングカーへと脚を向けた。
しかし、御坂は麦野を引き止めるように強く体を抱きしめる。
怪訝そうにこちらを見下ろす麦野の胸元で、御坂はただ無言で首を横に振った。


麦野「御坂……」

滝壺「大丈夫だよ、私達はむぎのの友達だから」




802 :8日目中編 ◆S83tyvVumI:2010/07/18(日) 02:13:52.51 ID:WVQ/.Uco

不安に思っていると感じたのだろう、滝壺が優しく語りかけたが、御坂はもう一度だけ首を横に振った。
泣き顔を見られたくない。
麦野の友達に迷惑をかけたくない。
何より惨めな自分が許せなかった。
失恋のショックからすら一人で立ち上がることの出来ない自分の弱さが、酷く情けなく思えてならなかった。


麦野「あー、ごめん滝壺。もう家すぐそこだしあなた達は先に帰って。こいつとゆっくり歩いて帰るから」

滝壺「……うん、分かった」


小さく首肯する滝壺。
空気を読んでくれたのだろう。
チラリと滝壺の方を覗き見ると、こちらを心配そうに見つめているのが見えた。


麦野「悪いわね、今日はお疲れ」

滝壺「うん。気をつけてね」


そう言って去っていく滝壺。
その背中を見送って、麦野はため息をついて御坂に語りかけた。


麦野「私達も帰るわよ。ちょっと歩くからね」

御坂「うん……」


麦野に手を引かれ、御坂もまた彼との記憶が残る河川敷を後にした。




803 :8日目中編 ◆S83tyvVumI:2010/07/18(日) 02:15:17.00 ID:WVQ/.Uco

―麦野宅 浴室 23:00―


チャプ…


御坂(……結局また麦野さんの家に来ちゃったな……。お世話になりっぱなしって感じだわ……) ブクブクブク

御坂(ちょっと落ち着いてきたけど……ほんとこれからどうしようかな……) チャポン…

御坂(麦野さんの家に居る訳にはいかないし……。しばらくはホテル借りてそこで暮らすしかないよね……)

御坂(学校はどうしよう。鞄も制服も家だし……財布と携帯くらいしか持ってない……)

御坂(取りに帰るの嫌だなぁ……) ハァ…


コンコン


麦野「御坂ー。お湯加減大丈夫?」

御坂「あ、うん。大丈夫よ。ありがと……」

麦野「んじゃ私も入るわねー」

御坂「は?」


ガララ…


御坂「えええええぇぇぇぇぇっっっ!?」




804 :8日目中編 ◆S83tyvVumI:2010/07/18(日) 02:16:28.27 ID:WVQ/.Uco

麦野「何よ?」 ドーン

御坂「ちょっ! だって……ええぇええ!?」

麦野「昨日一緒にお風呂入ったし裸で寝たって今日何回言わせるつもり? いい加減慣れろバカ」 ペタペタ

御坂「いやまあそうだけど……心の準備が……」

麦野「誰かさんの所為でビッチョビチョになったんだけど?」 キュッ…シャワァァァァァ

御坂「う……ごめん……」 シュン…ブクブクブク

麦野「冗談よ。もうちょっとそっち詰めて」 チャプッ…

御坂「はい……」

麦野「……」

御坂「……」

麦野「……何があったの?」

御坂「……あいつに彼女がいて……」

麦野「そっちじゃなくて」

御坂「ああ……うん、黒子と喧嘩してさ……」




805 :8日目中編 ◆S83tyvVumI:2010/07/18(日) 02:17:41.91 ID:WVQ/.Uco

麦野「どういうこと?」

御坂「私服で帰ったら寮監に怒られて、妙にムシャクシャしてたから寮の扉ぶっ潰した……」

麦野「あら、優等生のくせにそんなことできんのね」

御坂「それから部屋に戻って、黒子に色々お説教されて喧嘩した……」

麦野「お説教ねえ……」

御坂「常盤台のエースとしての自覚を、とか。短パンやら子供趣味はやめろ、とか。
    ……腹立って麦野さんはそんなこと言わないのにって言い返しちゃった……」

麦野「買いかぶりすぎね。アンタの学校や趣味に興味が無いから言わないだけよ」

御坂「そうよね……」

麦野「……嘘よ。っつか、アンタガキねやっぱ」

御坂「分かってる……」

麦野「本当かしら」

御坂「分かってるわよ!」 バシャッ!

麦野「そう」




806 :8日目中編 ◆S83tyvVumI:2010/07/18(日) 02:19:20.11 ID:WVQ/.Uco

御坂「……私がガキだから……あいつに気持ちが届かなかったのかな……」

麦野「かもね」

御坂「……あいつに素直に気持ちを伝えていれば……結果は違ったのかな……」

麦野「かもね」

御坂「……もうどうしたらいいのかわかんないわよ……」 グスッ

麦野「……」

御坂「初恋だったの……あいつとは結構前に出会ったんだけど……」

麦野「悪い、興味ない」

御坂「冷たいわね……聴いてくれるだけでいいのに」

麦野「アンタがあの男にどんな風に恋をして、どんな風に想いを募らせていったのかなんて、もう聴きたくない。
    だってそれ、全部無駄じゃない。結果は出たんだから」

御坂「…………麦野さん?」

麦野「……いい機会だから、正直に言うね」

御坂(何……? 何を言おうとしてるの……?) ドキドキドキドキ…

麦野「私、アンタがフラれて今すっごい嬉しい」




807 :8日目中編 ◆S83tyvVumI:2010/07/18(日) 02:22:30.53 ID:WVQ/.Uco

御坂「……っ!?」

麦野「だって、これでアンタの気持ちの先には誰もいないんだもん」

御坂「…………はじめから、失敗すればいいって思ってたの?」

麦野「違うわよ」

御坂「……」

麦野「今日の夕方アンタを送り出すまでは、アンタの恋が上手くいけばいいって、心からそう思ってた」

麦野「けどアンタを送り出してから、気付いたんだ」

麦野「ああ、私はアンタを応援するフリをして、さっさとこの恋に決着を着けさせたかっただけなんだなって」

御坂「それ……どういう……」

麦野「いつからだったんだろうね。アンタをそんな風に思ったのは。アンタ、気づいてた?」

御坂「何……なんなのよ……」

麦野「私がアンタに律儀に返信したり、アンタの悩みを聴いたり、アンタを応援したりしたのはね」

御坂「……」

麦野「結局、アンタのためなんかじゃなくて。私はそうすることでアンタを手に入れられると思ってたからなのかもしれない」

御坂「それって……」




808 :8日目中編 ◆S83tyvVumI:2010/07/18(日) 02:24:01.99 ID:WVQ/.Uco

麦野「ねえ御坂。私にしなよ」

御坂「え……?」

麦野「私なら、アンタのことあの男より気持ちよくしてあげられるよ」

御坂「な……な……」

麦野「アンタがあの男のものになっていたら、私は諦められたんだ」

麦野「だからさっき、あの河川敷で、アンタを見つけて。……アンタが失恋したんだって知って。
    私はアンタに伝えようって決めたの」

麦野「もうあの男はいない。あの男はアンタのものにはならない。ざまあみろって、ちょっと本気で思ってるの」

御坂「……」

麦野「私のこと、酷い奴だって思う?」

御坂「……それは……」

麦野「いいよ別に。けど、誤解しないで欲しいのは、アンタにしたアドバイスは私なりに本気で考えて、
    アンタが幸せな結末を迎えられたらいいなって、本当にそのとき思ってたんだ」

御坂「……あんたが何をしたかったのか分からないわね……」

麦野「アンタを送り出してから、ずっと昨日の夜のことを思い出してた……」




809 :8日目中編 ◆S83tyvVumI:2010/07/18(日) 02:25:23.92 ID:WVQ/.Uco

御坂「……っ」 カァァ

麦野「アンタの肌が忘れらなくて、アンタの温もりが心地よくて……泣けたわ」

麦野「河川敷でアンタを見つけたとき……ようやく私は確信したの」

御坂「……」

麦野「御坂、私ね。アンタが好きみたい」

麦野「ねぇ……私のものになりなよ。アンタが欲しくなっちゃった」 スッ

御坂「……私、女なのよ……?」 ピクッ

麦野「知ってるよ?」

御坂「……お、おかしいじゃない。女同士で付き合うって……その……」

麦野「昨日と言ってること違うわね。けどまあ……私ちょっと頭おかしいみたい。なんせ脳みそ弄り回されてるからさ。
    でも、アンタの心も体も慰めてあげられる。アンタを誰より理解してあげられる」

御坂「……」

麦野「アンタがここに来たのってさ、結局のところ私に慰めて欲しかったんでしょ?」




810 :8日目中編 ◆S83tyvVumI:2010/07/18(日) 02:26:57.50 ID:WVQ/.Uco

御坂「!」

麦野「友達の少ないアンタには、頼れる人間なんてそんなにいない。数少ない理解者の後輩にガキッぽい八つ当たりして、
    ヤケクソになったアンタの行動パターンなんてお見通しなのよ」

御坂(ど、どうしよう……混乱してわけわかんない……)

麦野「……私が欲しかったんだろ? いいよ、美琴。アンタの期待に応えてあげる」

御坂(駄目……駄目……それを言われたら私は……)

麦野「ねえ知ってた? 私、悪い人間なんだ」

御坂(焦らされてるの……? 麦野さんの言葉が欲しくてたまらないのが……バレてるの……?)

麦野「……もう一度言うわよ―――」

御坂「……だめっ!」



麦野「―――美琴、私のものになりなよ」




922 :8日目後編 ◆S83tyvVumI:2010/07/20(火) 01:32:11.54 ID:Ic6YbRYo

―23:15―


御坂「そんなの……」

麦野「私と付き合おう。もう男には戻れない体にしてあげる……」

御坂「だ……だって……今あんたの告白を受け入れたら……
    あいつに失恋した悲しさを埋めるためにあんたと付き合うようなもんなのよ……」

麦野「それの何がいけないの? 私はアンタが欲しい。アンタは私に慰めてもらえる。誰も損をしないわ。
    重要なのは、アンタの気持ちだけ。っていうか、アンタそのつもりでここに来たんでしょ」

御坂「違う!……そ、そんなすぐ気持ちの切り替えなんて……」

麦野「一瞬であんな男のことなんて忘れさせてあげる。心も体も……私を刻みつけてあげる」

御坂「……私と……しないんじゃなかったの……?」

麦野「……そうね。……けど恋人同士なら、してもおかしくないでしょ」

御坂「お、おかしいわよ……そんなの……」

麦野「どうして? 女同士だから……? 昨日まであんなに応援してくれたのにって? アンタ、私のこと嫌い?」

御坂「……嫌いじゃないけど……」

麦野「もっとこっち来なよ……」 グッ

御坂「あっ……」




924 :8日目後編 ◆S83tyvVumI:2010/07/20(火) 01:33:48.13 ID:Ic6YbRYo

御坂(顔近い……ヤダ……頭ボーッとしてきた……)

麦野「ねえ……沈利って呼んでよ……」 フッ…

御坂(耳元で……。駄目……こんな気持ちの時にそんなこと言われたら……拒めないじゃない……) ハァ…

御坂「離れて……そんなの……駄目よ」

麦野「アンタ、最初からずっと嫌って言わないよね……」

御坂「……っ……」

御坂(……確かに……嫌じゃない……。麦野さんに好きだって言われて、嬉しいって思っちゃってる……) ドキドキドキ…

麦野「もちろん無理強いはしない……。私も腹括って言ってんだよ」

御坂(最近頭の中が麦野さんでいっぱいだったのは……私も麦野さんが好きだったからなの……?
    けどそれは、仲の良い友達としてであって……)

御坂(本当にそうかしら……麦野さんと昨日抱き合って眠って……ずっとドキドキしてたじゃない……)

御坂(や、やだ……麦野さんを受け入れる方向に考えがいっちゃってる……)

麦野「……もういいよ」 ザバッ

御坂「え……?」

麦野「アンタ私のこと嫌いみたいだし。この話は忘れて。もちろん今日泊まるのは全然構わないから」




925 :8日目後編 ◆S83tyvVumI:2010/07/20(火) 01:35:21.18 ID:Ic6YbRYo

御坂「そ……んな……」

麦野「妄言だったわね……好きになっちゃってごめん……もう上がるね、今の私はアンタのことそういう目で見ちゃうし……」

御坂「ま、待って……!」 グッ!

麦野「……!」

御坂「…………分かった」 ボソッ

麦野「何が?」

御坂「なる……! 麦野さんのものになるっ!」

麦野「…………無理しなくてもいいのよ」

御坂「私も……麦野さんのこと好きだから……」

麦野「へえ、それは意外ね」

御坂「……女の子同士でも……麦野さんとだったら嫌じゃないから……」

麦野「……」

御坂「私を……麦野さんのものにしてくれる……?」 ジッ

麦野「……」

御坂「……」




926 :8日目後編 ◆S83tyvVumI:2010/07/20(火) 01:36:57.25 ID:Ic6YbRYo

麦野「……沈利って、呼んで」

御坂「沈利……さん」

麦野「可愛いね、美琴。確認しとくけど……アンタ、私の彼女よ?」 

御坂「……実感無いな……」

麦野「まあね。……本当にいいのね?」

御坂「うん……。今考えてみれば……最近麦野さんのことしか頭になかったから……。
    きっと私も麦野さんが好きだったんだと思う……」

麦野「おーおー、二股とはいい度胸してるわ」

御坂「ち、違うわよ! 凄く仲の良い友達だって思ってた……けど、少しだけ違ったのね……。
    私にはあいつがいたから……。麦野さんへの気持ちはそれとは違うものだって思い込んでたのよ……。
    あいつへの気持ちのほうが大きかったのも事実だし」

麦野「分かってるわよ……私もそうだったから……」

御坂「麦野さんこそいいの……? これ、やっぱりあいつに失恋したから麦野さんに乗り換える形になっちゃってるのよ?」

麦野「……いいよ。アンタが手に入るなら……。今日から……私だけを見てくれるなら」

御坂「……うん、もう麦野さんしか見えない……。麦野さんが……大好き」




927 :8日目後編 ◆S83tyvVumI:2010/07/20(火) 01:38:37.77 ID:Ic6YbRYo

麦野「し・ず・り! 次間違えたらチューするわよ」

御坂「……麦野さん」

麦野「……っ……」

御坂「……してくれないの?」

麦野「……生意気っ! んっ……!」 チュッ

御坂「んぅっ……」 チュッ

麦野「……これでいいんでしょ」

御坂「……しちゃったね。……ヤバイ、私、麦野さんにもっともっと依存しそう……」

麦野「いいよ。この先待ってるのは地獄だけどね。アンタもう、私から離れられないんだから」

御坂「……いいのかな」

麦野「問題無いわ。ふふっ、やっと手に入ったわ……先あがってるね」 ガチャッ バタン




928 :8日目後編 ◆S83tyvVumI:2010/07/20(火) 01:40:16.20 ID:Ic6YbRYo

御坂「あっ……」

御坂「……」

御坂(……勢いで付き合うことになっちゃった……)

御坂(本当にいいのかしら……?……こんなので)

御坂(……麦野さんの唇、柔らかかったな……) ドキドキドキ

御坂(それに良い匂いがした……)

御坂(こ……恋人……ってことなのよね……) ドキドキドキ

御坂(こういう始まり方も有りなんだ……)

御坂(思ってたのとは少し違うけど……うん、麦野さんとなら……
    沈利さんとなら……上手くやっていける気がする……!)

御坂(にしても彼女か……黒子のこともう何も言えないわね) ハァ…




929 :8日目後編 ◆S83tyvVumI:2010/07/20(火) 01:41:37.50 ID:Ic6YbRYo

    

ガチャッ バタンッ!


麦野「…………」

麦野「はぁ……」 ヘタリ

麦野(まさかこんなに上手くいくなんてね……) ドキドキドキ

麦野(押しに弱そうだから失恋中だし駄目もとでやってみたら……う、うそでしょ?) ドキドキドキ

麦野(何あいつ可愛いっ! めちゃめちゃ可愛い……! もう失恋中とかそんなのどうだっていい!
    あの可愛いの……私の恋人なんだ……!) ドキドキドキ

麦野(だ、騙すような真似しちゃったわよね……ううん、なんでもいい……あいつが手に入った! 
    御坂……私のなんだ……) ハァ…

麦野(まさか女の私に彼女が出来るとは……。キスまでしちゃったし……デートとか誘ってもいいのかしら……?
    い、いいわよね……恋人同士なんだもんね……! ど、どこ行こうかしら……)


ガチャッ




930 :8日目後編 ◆S83tyvVumI:2010/07/20(火) 01:42:40.07 ID:Ic6YbRYo

御坂「ふぅ……いいお湯だった。沈利さん、何やってんの? 座り込んで」

麦野「きゃっ……!」

麦野(やだ私舞い上がってる……! 相手は中学生よ……落ち着いた対応をしなくちゃ駄目よ……)

御坂「ちゃんと拭かないと風邪ひくわよ?」

麦野(裸の美琴……いざ恋人だと思うと……ムラッとくるわね……) ゴクリ…

麦野「アンタが拭いてよ……」

御坂「え……」

麦野「ねぇ……いいでしょ?」

御坂「う、うん……」 ドキドキ…

御坂「い、いくわよ……」 フキフキ

麦野「んっ……」 ビクッ

麦野(……やば……タオルが柔らかくて思ったより気持ちいい……)

御坂(うー……やわらか……。っつかどこまで拭けばいいのよ……そこも、ここも濡れてるのに……) フキフキ

麦野「も、もういいわ……ありがと」

御坂「あ、そ、そう?」




931 :8日目後編 ◆S83tyvVumI:2010/07/20(火) 01:43:34.84 ID:Ic6YbRYo

御坂(……谷間とかどうしようって思ってたからよかった……)

麦野(存外ヤバいわねこれ……。私も触りたいな……)

麦野「じゃ、じゃあ今度私の番ね……」

御坂「ええっ!? い、いいわよそんなのっ!」

麦野「文句言うんじゃないの……ほら、貸しなさいよ」

御坂「う、うん……」

麦野「い、いくわよ……」 フキフキ

御坂「ぁ……」

御坂(なんか体がむずむずする……。麦野さんに触られてるから……?)

麦野(細い……小さい……でもしっかり柔らかくて……ちゃんと胸も膨らんでる……) フキフキ

御坂「ん……もういいんじゃない……?」

麦野(ああ……直接触りたいな……) フキフキ

御坂「麦野さん、聴いてる?」

麦野「え? な、なんだっけ?」

御坂「はぁ……何夢中になってんのよ……エッチ」




932 :8日目後編 ◆S83tyvVumI:2010/07/20(火) 01:44:22.04 ID:Ic6YbRYo

麦野「う、うるさい! アンタだって昨日サウナで私の触りまくったでしょ……」

御坂「あ、あれは麦野さんの触り心地が良すぎるのが悪いのよ……!」

麦野「また麦野さんになってる。そんなに私にチューしてほしいわけ?」

御坂「……ごめん沈利さん」

麦野「許さない」 スッ

御坂「ぁ……んむっ……」 

麦野「んっ……ちゅぷっ……んちゅ……」

麦野(……昨日まで仲の良い友達だったのにこんなことしてるって思ったら……めちゃめちゃ興奮してきた……) ハァ…

御坂(……頭ボーっとする……。沈利さんの舌……ぬるっとしてて……気持ちいいな……) トローン…

麦野(……もっと欲しい……意識飛びそう……美琴が欲しくてたまらない……) グッ

御坂「……んう!…………っぷは……!」

麦野「……あ……ごめん、苦しかった?」

御坂「……ばか。……興奮しすぎ」

麦野「……しょ、しょうがないでしょ! アンタが……!」

御坂「……え」




933 :8日目後編 ◆S83tyvVumI:2010/07/20(火) 01:45:11.38 ID:Ic6YbRYo

麦野「アンタが可愛くてたまらないんだから……!」

御坂「……ぅ」

麦野「わ、悪い……!?」

御坂「べ、別に……私だって……」

麦野「う、うん……?」

御坂「……沈利さんのこと……」

麦野「……」

御坂「……っくちゅんっ!」

麦野「おい」 ガクッ

御坂「ズズーッ!……湯冷めしちゃったみたいね。とりあえず着替えない?」 グスッ

麦野「……ぐぐっ……」 ギリギリギリ

御坂「え、何?」 ワシャワシャ

麦野「なんでもないっ! はいこれアンタの寝巻きね」 ズイッ




934 :8日目後編 ◆S83tyvVumI:2010/07/20(火) 01:45:50.96 ID:Ic6YbRYo

御坂「おっと。ありがと。ってちょっと! 何よこれ! スケスケなんですけどー?!」

麦野「うるさい! 嫌なら裸でいろ!」

御坂「えー……何怒ってんのよう」 ブツクサ

麦野(やっぱ舞い上がってるな……こいつよりテンション上がっちゃってるのが腹立つ……)

御坂「ねーねー、沈利さん。ジャージとか無いのー?」 ダキッ

麦野「私の分しかない」

御坂「Tシャツでもいいからー。こんなの着て寝れないわよ」 グイグイ

麦野「だーもう! うっとうしいわねぇ! わかったわよ! ジャージでいいんでしょ!」

御坂「やたっ! ありがと、沈利さん!」 ニコッ

麦野「う……」

麦野(……こいつの笑顔は反則よね……) カァァ




935 :8日目後編 ◆S83tyvVumI:2010/07/20(火) 01:46:54.36 ID:Ic6YbRYo

―麦野宅 リビング 24:00―


麦野「美琴ー、アンタご飯食べる? 私実は晩御飯まだなのよ」 

御坂「んー、食べる食べる! 私もお腹ぺこぺこー」

麦野「ちょっとは迷いなさいよ。こんな時間に食事することの恐ろしさが分かってないのね」

御坂「もう3回目くらいだけど、私太らない体質なのよね」

麦野「言うな忌々しい」

御坂「あ、私作るわよ。もうお客さんじゃないんだし」

麦野「いいわよ。アンタは休んでなさい」

御坂「私は沈利さんの恋人だもん。 沈利さんに手料理食べてもらいたいのっ」

麦野「……そ、そう……じゃ、一緒に作ろ」

麦野(ずるい奴……そんな言い方されたら断れないじゃないの)

御坂「オッケー。何作る?」

麦野「昨日のビーフシチューがまだ結構残ってるから、これご飯にかけて食べればいいんじゃない?
    お米は家出る前に炊いておいたから」 カチッ 

御坂「あ、じゃあこれ明日にも残しておいて、ハンバーグ煮込みましょ。3日目だとかなり煮詰まってるし」




936 :8日目後編 ◆S83tyvVumI:2010/07/20(火) 01:48:20.74 ID:Ic6YbRYo

麦野「いいわね。明日の夕食も決定ー」

御坂「サラダでも作る? 冷蔵庫見せてね……うーん、大根サラダくらいなら作れそうね。乾燥わかめある?」 ガサガサ

麦野「あるわよ、そっちの戸棚。ドレッシングは絶対やめてよね」

御坂「分かってますって。油は抵抗あるんでしょ。ポン酢あるからこれにしましょ」

麦野「アンタ意外と手際いいじゃない。寮で家事なんてしないくせに」 グツグツグツ

御坂「するわよ。洗濯と掃除は。料理だって別に難しいもん作るわけじゃないんだし、
    これくらいは適当でも何とかなるでしょ」 ザクザクザク

麦野「まあ確かに。アンタ好きな食べものとかあるの? 逆に嫌いなもんとか」 グツグツグツ

御坂「んー、嫌いなもんは別に無いわねー。甘いものとかお菓子は普通に好きだし、
    ジャンクフードもまあ嫌いじゃないわよ」 ザクザク

麦野「張り合い無いわね。毎日嫌いなもん食べさせて直してやろうと思ったのに」 ガチャガチャ

御坂「それ絶対逆効果でしょ」 トットットットッ

御坂(……それってつまり毎日ここに来てもいいってことよね……) ドキドキ

麦野「よし、シチューは温まったわよ。大根切れた?」

御坂「ん、だいじょぶ。あとは盛り付けて完成ねっ! 二人でやると早い早い」 イェーイ

麦野「そうね」 パチンッ

御坂「よし、美琴センセー特製の大根サラダ出来たわよ!」




937 :8日目後編 ◆S83tyvVumI:2010/07/20(火) 01:49:43.89 ID:Ic6YbRYo

麦野「大根千切りにしてわかめとドカ盛してポン酢かけただけのね」

御坂「分かってないわねー。切るという作業が重要なのよ。さ、食べよ食べよ!」

麦野「はいはい。ビール飲む?」 ガチャッ

御坂「ナチュラルにお酒勧めないでくれる? 私中学生なんですけど?」

麦野「学園都市じゃ5歳からお酒飲んでいいという条令があるのよ」

御坂「そんな条令聞いたことないわね」

麦野「いいじゃん、飲もう飲もう。今日だけ今日だけ」

御坂「ビールって太るんじゃないの?」

麦野「こんなおめでたい日に飲まない方が嘘でしょ」

御坂「昨日も飲んだくせに。酔って襲わないでよねー」 スタスタ

麦野「おいこら、そりゃこっちのセリフだっつの」

麦野(けど確かに昨日みたいなことになったらどうしよ……いやむしろ歓迎?)

麦野(……さっきはああ言ったけどこいつとしてもいいのかな……。……こいつ初めてなのに、どうしてあげたらいいのか……)

麦野(って、何でしちゃう前提なのよ!……出来るわけないでしょ……私なんかと)

御坂「何してんのー? 早く食べようよー」

麦野「あ、うん。今持ってく」




938 :8日目後編 ◆S83tyvVumI:2010/07/20(火) 01:51:09.81 ID:Ic6YbRYo

―24:20―


麦野「じゃ、かんぱーい」 プシュッ

御坂「かんぱーい!」 プシュッ

麦野「ゴクゴクゴクゴク……っぷはぁっ! このために生きてるわねぇっ!!」 ガンッ!

御坂「ゴク……うぇ、ビール苦。っつかあんたそんなにお酒好きなの?」 イタダキマース

麦野「ううん、普通。晩酌くらいはするけど。今のは言ってみたかっただけよ」 イタダキマース

御坂「そっかー。お、二日目のシチューも美味しい! ご飯にかけるのも全然アリね」 ウマウマ

麦野「ハヤシライスみたいなもんよね。私が作ったんだから美味しいに決まってるでしょ」 ウマウマ

御坂「んー、沈利さんの他の料理も食べてみたいなー」 

麦野「何言ってんの。これからいくらでも食べれるわよ」 

御坂「やった。恋人特権てやつよねー」

麦野「そういうこと。よかったわね、料理上手な彼女で」

麦野(恋人か……接し方があんまり変わらないから実感沸かなかったけど……やっぱ嬉しいな)

御坂「ねね、私のサラダも食べて食べて」

麦野「言われなくても食べるわよ」

御坂「感想が聞きたいの。あ、ポン酢の味とか言うの無しよ! 愛情が篭ってるんだからね」




939 :8日目後編 ◆S83tyvVumI:2010/07/20(火) 01:52:30.34 ID:Ic6YbRYo

麦野「わかったわかった。ったく……ご飯くらい好きに食べさせてよ。どれ……」 パクッ シャリシャリ

御坂「どう?」

麦野「うん、大根の味」

御坂「うんそりゃね。じゃなくてっ!」

麦野「はいはい美味しいわよ。美琴ちゃんは自慢の彼女です」

御坂「よろしい。包丁握った甲斐があったわ」

麦野「めんどくせえ奴」

御坂「こら、彼女にそんなこと言わないの」

麦野「はいはい」

御坂「ったくもう。……私は沈利さんの彼女よね」

麦野「そうね」

御坂「沈利さんは私の彼女」

麦野「だから?」

御坂「どっちも彼女って何か変な感じね」

麦野「確かに。人に紹介すると聞き返されそうね」

御坂「女の子と付き合ってますって堂々と言えるの?」




940 :8日目後編 ◆S83tyvVumI:2010/07/20(火) 01:53:32.11 ID:Ic6YbRYo

麦野「言えるよ」

御坂「そっかー」

麦野「アンタは抵抗ある?」

御坂「抵抗っていうか、ああもちろん沈利さんと付き合ってるのが恥ずかしいとかそんなんじゃないのよ?
    けど何かいちいち説明するのが面倒というか……」

麦野「それは分かる。男相手だと『こいつらどうやってセックスするんだろう』ってエロい目で見られるわよ」

御坂「紹介する男の人いるの?」

麦野「一人だけ。仕事仲間でね」

御坂「そっか。……仕事のことは……」

麦野「教えません」

御坂「だよねー」

麦野「っつか別にそこまで大層なもんじゃないって。警備員(アンチスキル)みたいなもんだよ」

御坂「ほんとかなぁ」

麦野「ほんとよ。アンタに余計な心配かけたくないし」

御坂「分かった。もう訊かないわよ。ごめん」

麦野「いいえ」




941 :8日目後編 ◆S83tyvVumI:2010/07/20(火) 01:55:20.96 ID:Ic6YbRYo

御坂「……」 モグモグ

麦野「……」 モグモグ

御坂(……ところで本当にどうやってするのかしら……) ドキドキドキ

麦野(……女同士のセックスって……一応調べといた方がいいわよね。
    指使うってくらいしかイメージが無い……) ドキドキドキ

麦野「あ、そういやアンタって明日学校は?」

御坂「ん? ええ、普通にあるわよ」

麦野「いやいや普通にじゃねえだろ。制服は? 鞄は? っつか逆にアンタが今持ってるもんて何?」

御坂「財布と携帯と……あとは麦野さんに借りた服くらい。あ、服濡らしちゃってごめん!」

麦野「今更ね。別にいいわよ。洗濯すりゃいいだけだし。それより、そんな状態で学校行けるの?」

御坂「取りに帰らないとねー……」

麦野「っつかとっとと謝って仲直りしてこいよ」

御坂「うん……黒子には謝り倒してくるつもりよ。けど寮監はまずいわ……下手すりゃほんとに殺されるかも」

麦野「むしろ少しほとぼりが冷めるまで待ったほうがいいか……」

御坂「うん……」

麦野「んじゃ明日はもう学校サボりなよ。後輩の子にはメールだけしておいて」




942 :8日目後編 ◆S83tyvVumI:2010/07/20(火) 01:56:44.98 ID:Ic6YbRYo

御坂「寮監に謝るなら早い方がいいような……」

麦野「そこまでやらかしてりゃいつ謝ったって一緒でしょ。……代わりに明日はデートしよ」

御坂「えー? 普通サボッてデートしようなんて言う? 
    そこは恋人として毅然とした態度で学校行きなさいっていうのがいい大人ってもんじゃないの?」

麦野「私は悪い子だしね。っつか、テメェ今微妙に私が成人に達してるような発言しやがったな」

御坂「違う違う。沈利さんは頼りになるお姉様だなーって思っただけ」

麦野「ほんとかよ」

御坂「インディアンウソツカナイワヨ」

麦野「インディアンがもう嘘だろ。で、どうすんの? ちゃんと学校行くの?
    それとも……」

御坂「……」

麦野「私と……デートするの?」 ドキドキ…

御坂「……沈利さんとデートしたい」

麦野「……ほんと?」

御坂「明日一日だけ……不良になります」

麦野「ま、まあそこまで言うならどこか連れてったげる」

麦野(やたっ!……ど、どこ行こう! 初デートってどういうところがいいのかしら……!)




943 :8日目後編 ◆S83tyvVumI:2010/07/20(火) 01:57:48.91 ID:Ic6YbRYo

御坂(恥ずかしいこと言わせるわねー……! けど……楽しみ。私ってば浮かれてんのかしら) カァァ…

麦野「じゃあ忘れずに後輩にはメール打っときなよ」

御坂「ううん、ご飯食べたら電話するわよ」

麦野「ああ、それがいいね。さっさと仲直りしなさいよね」

御坂「心配してくれてるの?」

麦野「違う。後輩との関係捨ててまで私と仲良くされてもって感じじゃない?
    アンタが私を良く思ってくれてたのは嬉しいけど、別に私はアンタから離れていったりしないからさ。
    後輩にもちょっとは構ってあげなよ」

御坂「……」

麦野(ちょっと偉そうだったか?)

御坂「意外」

麦野「あン?」

御坂「まさかあんたからそんな言葉が出るなんてね。すっごい独占欲強そうなのに、他とも仲良くしなさいなんて」

麦野「うるっさいわねー……。私が原因で喧嘩なんかされるの胸糞悪いじゃないのよ」

御坂「うん、分かった……」

麦野「まあでもそれで私をないがしろにするような真似したらマジでアンタ監禁するわよ」

御坂「うぇ、それは勘弁してほしいかも」

麦野「独占欲強いもん」




944 :8日目後編 ◆S83tyvVumI:2010/07/20(火) 01:58:41.68 ID:Ic6YbRYo

御坂「……まあでもありがと。麦野さんやっぱ大人ね」

麦野「当然よ。アンタみたいなガキとは違うの」

御坂「ガキに告白した癖に。言っとくけど犯罪よ犯罪」

麦野「いいんだよ。愛があれば」

御坂「わひゃっ!」

麦野「……何?」

御坂「は、恥ずかしいこと言ってんじゃないわよ!」

麦野「恥ずかしい……ハッ! ちょ、違う、一般論としてよ! 別にアンタに対して言ったわけじゃ……」

御坂「え、違うの?」 シュン…

麦野「う……違わないけど……」

御坂「ほんと? 嬉しいっ!」 パァッ

麦野「う……うん」

麦野(くそ……その顔には弱いのよね……)

御坂「それより沈利さん。明日はどこに行くの?」

麦野「そうねー……なんか行きたいとこないの?」

御坂「行きたいところかぁ……」

御坂(あいつと行けたらなって思うところはあったけど……それを提案するのもちょっと気が引けるわねー……)




945 :8日目後編 ◆S83tyvVumI:2010/07/20(火) 01:59:46.66 ID:Ic6YbRYo

麦野「アンタあの男と行きたいとこ妄想したりしなかったの?」

御坂「っ!」 ビクッ!

御坂(な、なんで考えてること分かったのかしら……) アセッ

麦野「分かりやすすぎ。……気ぃ遣ってんの?」

御坂「だって……沈利さんをあいつの代わりにしたくないんだもん……」

麦野「私はそんなの気にしないから大丈夫だって。ほらほら、希望があるなら言いなさいよ」

御坂「えと……と言ってもありきたりなところばっかりなんだけど、遊園地とか水族館とか……あと公園でピクニックしたり、
    普通に映画やカラオケに、それからショッピングとか夜景見たりも……」

麦野「多いわね。ま、ちょっと考えるわ」

御坂「でもご飯食べ終わったら、普通ならもう寝る時間じゃない? 今決めた方が……」

麦野「何言ってんの。今夜は寝かさないからね」

御坂「なっ……!」 カァァ

麦野「深読みすんなバカ。……アンタといっぱい話がしたいの……」

御坂「あ、ああ、そういうことね……私ももっともっと麦野さんのこと知りたい」

麦野「アンタって結構なムッツリよね」

御坂「はぁ!? ば、馬鹿なこと言わないでよ!」




946 :8日目後編 ◆S83tyvVumI:2010/07/20(火) 02:00:46.80 ID:Ic6YbRYo

御坂「なななな何を根拠にそんなこと言ってるわけ!」

麦野「だって私中二の頃なんて毎日オナニーしてたし、エロいことばっか考えてたわよ」

御坂「あんたと一緒にすんな! ってか男子かあんたはー!」

麦野「お高く止まってんじゃないわよ。そんなことばっか考えてるから変な深読みすんのよ」

御坂「そ、それはあんただってそうでしょうが!」

麦野「そだよ。正直に言うと風呂上りのビールの所為でいい感じに酔ってムラムラしてんの」

御坂「身の危険を感じるわね……」

麦野「アンタ今日は酔わないのね。アンタが酔っ払ったら押し倒そうと思ってんだけど」

御坂「正直すぎるのも困りもんね……。ビール苦いからほとんど飲んでないのよ」

麦野「つまんないの。ま、別に焦んないけどね」

御坂「ったく。顔赤くなってるわよ。片付けはやっといたげるから、ご飯食べたら横になってなさい」

麦野「えー、食べてすぐ寝たら太るから嫌よ」

御坂「酔っ払いは黙って寝るの」

麦野「分かったわよ、じゃあよろしくね」

御坂「任せといて」

御坂(真剣に私のこと考えてくれてると思ったらこれだもんね。一緒にいて飽きない人だわ) クスッ




948 :8日目後編 ◆S83tyvVumI:2010/07/20(火) 02:02:50.34 ID:Ic6YbRYo

―常盤台中学学生寮 二○八号室 25:30―


白井(お姉様からの連絡がありませんの……どこに行ってしまわれたのでしょう……) 

白井(初春達にも協力してもらって辺りを探しましたけれど、全然見つかりませんでしたし……困りましたわね……)

白井(お姉様に限ってまさかということは無いでしょうが、心配ですの)

白井(可能性としては例の殿方と一緒にいるか……もしくは麦野さん……)

白井(是非後者でお願いしたいところですが……いずれにせよ明日もう一度しっかりと探してみないといけませんわね)

白井(電話をかけても繋がりませんし……何をしていらっしゃいますの、お姉様……)


PiPiPi…!


白井「っ! こ、これは……お姉様からのメールですの……!」

白井「……な、何かあったのでしょうか……」 カチッ


――――――――――――――――――――
from:お姉様
件名:ごめん
本文:
電話にしようと思ったんだけど、もう寝てるだろう
からまた明日ちゃんと言うね。
あれから行くあてもなくてフラフラしてたら偶然沈
――――――――――――――――――――


白井(ええい、電話の方が早いですのっ!) ピッ




949 :8日目後編 ◆S83tyvVumI:2010/07/20(火) 02:03:48.94 ID:Ic6YbRYo

trrrrrrrrrrrr… trrrrrrrrrrrrrr…ガチャッ


御坂『はい……』

白井「お、お姉様!? 今どちらにいらっしゃいますの!?」

御坂『メール読んでくれてないの? 今は沈利さん家。行くあてが無くて河川敷でぼんやりしてたら家に
    連れてきてくれたのよ』

白井「そ、そうでしたの……。てっきりわたくしはお姉様の身に何かあったのかと……よかったですの」

御坂『ねえ、黒子……』

白井「な、なんですの……」

白井(ま、まさかもう寮には戻らないとか言い出すつもりでは……そ、そんなの嫌ですのー!)

御坂『ごめん……ほんとにごめん……。私、失恋してあんたに八つ当たりしちゃったんだ……』

白井「は?」

御坂『怒ってるよね……またそっち戻ったらちゃんと謝るから……ごめんね』

白井「いえ、そうではなくて……その、失恋とおっしゃいましたのは……?」

御坂『あ……うん、あいつに……』

白井「例の上条さんのことですの……?」

御坂『…………うん』

白井「そうですの……それは……」




950 :8日目後編 ◆S83tyvVumI:2010/07/20(火) 02:05:58.06 ID:Ic6YbRYo

白井(ど、どうお慰めすればよろしいんですの?! 正直複雑ですの……お姉様が上条さんと恋人関係にならないというのは
    わたくしとしては一安心ですけれど、傷ついたお姉様は見たくありませんの……)

御坂『ああっ! でも大丈夫よ! それはもう何とか整理がついたから!
    でも冷静になって、あんたに酷いこと言っちゃったなって思ってさ……いくら謝っても許されないのかもしれないけど……』

白井「いえいえ! そ、そんなことはありませんの! わたくしはお姉様がご無事ということであればそれだけで充分ですの!
    ですからどうかお気になさらずにっ!」

御坂『でも……』

白井「わたくしが言い過ぎたところも確かにありましたので。ですからこの話はもうこれで終わりにいたしましょう。
    わたくしこそお姉様がお辛いのに気がつけず、心無い言葉をぶつけてしまい、申し訳ありませんでした」

御坂『黒子……』

白井(これはわたくしの時代がついに来ましたのねっ! 
    失恋したわりに随分とお元気なご様子ですし、お姉様はもう新たな恋を探して歩き始めておられますの。
    つまりっ! この白井黒子がお姉様の新たな恋人候補に繰り上がったと言うことですのー!)

御坂『……あんたみたいないい子が友達で……パートナーで、嬉しいよ。私も本当にごめんなさい』

白井(キャ――――――! お姉様から早速最上級の褒め言葉ですのっ!
    いいですわよいいですわよ。遂にお姉様もわたくしというかけがえのない存在にお気づきになられましたのねっ!
    もはや言葉は無粋。お姉様とベッドにて肉体言語で語り合えるのをお待ち申し上げておりますの!)

白井「ではお姉様。仲直りということで、今夜は遅いので明日にでもお戻りになられますの?
    あ、けれど明日は学校がありますから、よろしければ今からお迎えにあがりますわよ?」

御坂『あ、そのことなんだけど、明日までは沈利さん家に厄介になるわ。
    寮監は正直相当怒ってるだろうし……少し間を置こうと思って……』

白井「な、なるほど、確かにそうかもしれませんわね。わたくしからも説得しておきますわ」




951 :8日目後編 ◆S83tyvVumI:2010/07/20(火) 02:07:38.99 ID:Ic6YbRYo

白井(まあ確かに、仲直りした途端家に戻るというのは麦野さんに対しても失礼というか、愛想が無い話ですの。
    焦らずともお姉様とのラブストーリーは既に始まっていることですし、ここはじっくりと……)

麦野『美琴ぉー……! 寂しくて寝られないー……!』

白井「!?」

御坂『はーい、今黒子と電話中だから待ってー!』

白井「!?」

御坂『ごめん黒子、そんなわけだから明日は学校休むわね。明日の夜には帰ると思うから』

白井「な、なんですの今の声は……」

白井(気のせいか『美琴』とか聴こえたような……気のせいですわよね)

御坂『沈利さんお酒飲んで酔っ払ってるの』

白井「そうですの……」

白井(まあそういうことなら仕方ありませんわね。ところであの方未成年ではありませんの……? )

御坂『あー……黒子』

白井「はいお姉様」

御坂『……帰ったらどっか遊びに行きましょ』

白井「へ……?」

御坂『最近あんたに構ってあげれてなかったし、どっか行きたいとこ考えておいてくれる? 
    たまには後輩のあんたに奢ったげるわよ』

白井「……ほ、本当ですの?」




952 :8日目後編 ◆S83tyvVumI:2010/07/20(火) 02:09:04.67 ID:Ic6YbRYo

御坂『ん……。別に初春さん達も一緒でもいいけど』

白井「いいえ! 二人で! 是非二人きりでデートがしたいですの!」

御坂『そう。あ、デートと言えば私ね』

白井(ハァー……ハァー……お姉様と二人きりでデート……ハァー……。
    やはりホテルのスウィートを確保して、学園都市の夜景を見ながら結ばれるのがウヒヒヒヒヒ) ジュルリ

御坂『まいっか……』

白井「ハッ! あまりの嬉しさに我を忘れておりましたの。何のお話でしたかしら?」

御坂『あーいいのいいの。また今度話すわ。もう夜も遅いしそろそろ電話切るわね』

白井「分かりましたの。またお部屋でお待ちしておりますわね。それではお姉様、お休みなさいませ」

御坂『うん、ほんとごめんね! 寮監にもきっちり謝るから! それじゃお休みー!』 ガチャッ


ツーツーツー


白井「……」

白井「……くひっ!」

白井「ぷくく……くひゃひゃひゃっ……うへへへへへへへへっ……」 ダラーン

白井(……くくくっですの! ついにこの部屋は正真正銘お姉様と黒子の愛の巣へと成る日が来ましたのね。
    これは何としても寮監様を説得しなくてはなりませんわ。お姉様とのアバンチュールの実現のためなら、
    黒子はどんな手でも使いますのー!) ゴゴゴゴゴゴ…

白井(にしても、麦野さんには感謝しなくてはなりませんわね。お姉様に手を差し伸べてくださって。
    お姉様と黒子の挙式の際には必ずお呼びしなくてはなりませんわ) クネクネ

白井(それにしてもお姉様ったら麦野さんのことを沈利さんだなんて。少々仲良くなられたようですわね。
    きっとあの方ならわたくしとお姉様の仲を祝福してくださいますのグヘヘヘヘヘ) ウネウネ

白井「デート~♪ デート~♪ お姉様と恋のデート~♪」 ニマニマニマニマ




953 :8日目後編 ◆S83tyvVumI:2010/07/20(火) 02:10:52.42 ID:Ic6YbRYo

―麦野宅 26:00―


御坂「電話終わったわよー」

麦野「電話中だったか、ごめんごめん」

御坂「ったくもう。寂しくて寝られないなんて意味わかんないこと言って」

麦野「言ってみたかっただけよ。その様子だと仲直りできたみたいね」

御坂「まあね。明日行くとこ決まった?」

麦野「まったく。初デートは色々と前準備したいから明日は家でゆっくりしましょ」

御坂「準備って……。ま、いいか。どうせ寝不足だし」

麦野「ゴロゴロ惰眠を貪ろうじゃないの」

御坂「たまにはいいわね。それじゃ明日は夕方くらいに帰るわね」

麦野「それが良いわね。まあ寮追い出されたらウチに来なさいよ。泊めてあげるから」

御坂「うん、すごく助かる。結構その確率高いからね……はぁ」

麦野「自業自得でしょ」

御坂「だからどうしようもないんだって。……それじゃ今日はもう寝ましょうか」

麦野「ええ。こっちいらっしゃい」

御坂「えと、私の布団は?」

麦野「……」 パンパン

御坂「いやいや。それは沈利さんのベッドでしょ?」




954 :8日目後編 ◆S83tyvVumI:2010/07/20(火) 02:11:55.05 ID:Ic6YbRYo

麦野「……」 チョイチョイ

御坂「手招きされても……」

麦野「何よ! 昨日一緒に寝たじゃないの!」

御坂「そ、それは……雰囲気に流されて……酔ってたし」

麦野「雰囲気作られたら誰とでも寝るのかこの売女がぁっ!」

御坂「んなわけないでしょ! あんただけよ……! っつか彼女に対してなんてこと言うの!」

麦野「いいから来なさい。アンタは今日から私の抱き枕なの。拒否は許さないわ」

御坂「なんて勝手な……ふ、布団が無いから仕方なくなんだからね!」 ゴソゴソ

麦野「よしよし。もっとこっち来て」

御坂「そっち詰めなさいよ。せまいでしょ」 モゾモゾ

麦野「人のベッドを狭いとか言わないでくれる? あら、あったかーい」 ギュッ

御坂「ちょ、ちょっと抱きつかないでよね」

麦野「何で? いいじゃん恋人同士なんだから。背中向けてないでこっち向きなよ」

御坂「……眠れないじゃない……」

麦野「私が寝たら離れてもいいわよ」

御坂「自分本位過ぎて惚れ惚れするわ……」

麦野「そんな私が好きなんでしょ?」 ギュゥッ

御坂「あーはいはい、そういうことにしといてあげるわよ」




955 :8日目後編 ◆S83tyvVumI:2010/07/20(火) 02:12:50.35 ID:Ic6YbRYo

麦野「美琴は甘えたり甘えられたりするの好きじゃないわけ?」 モミモミ

御坂「……ど、どうなんだろう……。何せしたことないから……」

麦野「それもそうね。いいわよ、どんどん甘えてきなさい」 モミモミ

御坂「沈利さんって絶対突き放してくるタイプだと思ったけど、そんなこと無いのね」

麦野「二人きりだもん。私は自分の欲望に忠実なのよ」 モミモミ

御坂「そう言われるとすごい納得だわ。……ってさっきから何胸揉んでんのよ」

麦野「いい位置にあるからつい。揉む程無いけどねー」

御坂「余計なこと言わなくていいのよっ! 小さいのも味があっていいでしょ!」

麦野「自分で言うそれ? 味ねえ……それじゃ一口……」

御坂「ばか。そういう意味じゃないわよ!」

麦野「冗談よ。今はこうしてるだけで幸せだよ」

御坂「う……そ、そう」

麦野「あれー? また恥ずかしがってんのかにゃーん?」

御坂「うるっさい! こんな寝方したことないんだから当たり前でしょっ!」

麦野「そりゃそうね。私だって無いし」

御坂「え……あ、そうなんだ……」

御坂(元彼とも無いんだ……てことは沈利さんの初めては私か……ちょっと嬉しいかも)




956 :8日目後編 ◆S83tyvVumI:2010/07/20(火) 02:13:44.32 ID:Ic6YbRYo

麦野「あのクソのこと考えてる? アンタを安心させるって言い方が正しいのかは分からないけど、
    私ほんとにヤリ捨てられただけみたいなもんだから、アンタにしてることは大体全部初めてよ。
    ……というか、恋人が出来たら一緒にゴロゴロするのが夢だったの」

御坂「別に言わなくてもいいわよ……」

麦野「不安になってるのかと思って」

御坂「全然。むしろ聞きたくないわ。あんたが他の誰かを好きだった話なんて。
    ……沈利さんと同じようにね」

麦野「……そっか、そうよね。ごめん……」

御坂「いいって。私のことを想って言ってくれてるんだもんね。
    それに……」 ゴロッ 

麦野「……っ! 急にこっち向かないでよ!」

御坂「あんたの顔が見たくなったのよ」

麦野「ばか……それに、何なのよ……」

御坂「麦野さんだって私のものなんでしょ?」

麦野「……アンタが私のもんなの」

御坂「同じことじゃない」

麦野「違うっつの。あくまで私が所有者。アンタは私の所有物」

御坂「言い方悪いわねー。恋人なんだからもちっと何とかならないの?」




957 :8日目後編 ◆S83tyvVumI:2010/07/20(火) 02:14:52.38 ID:Ic6YbRYo

麦野「……恋人という名の所有物」

御坂「そこは譲らないわけね。まいいけど。初日からこんな濃厚に絡んでたら沈利さん飽きちゃうんじゃない?」

麦野「言ったでしょ。私は独占欲が強いの。……一度手に入れたもんを手放したりしない……どう扱うかも私が決める」

御坂「あんたを裏切らない限り。って付け足したい感じね」

麦野「……そうよ」

御坂「目が怖いわよ。私はもしかしてとんでもない人に捕まっちゃったのかしら?」

麦野「かもね。……私のものじゃなくなったら……許さないわよ?」 ツン

御坂「目が笑ってないって。……大丈夫……。
    今、『私って実は麦野さんのこと大好きだったんだなあ』って実感してるとこだから……」

麦野「……アンタも言うようになったわね」

御坂「まああんたに今日一日でかなり鍛えられたからね」

麦野「でもアウト。また麦野さんって言った」

御坂「あっ。ごめんごめん、慣れるまでちょっとかかるかも」

麦野「慣れなくてもいいわよ」 スッ

御坂「え……?」 ドキッ




958 :8日目後編 ◆S83tyvVumI:2010/07/20(火) 02:16:02.75 ID:Ic6YbRYo

麦野「だって、アンタにキスが出来る理由になるんだから……」

御坂「理由なんていらないわよ。あんたがしたいときは……私だってしたいもん……んっ」 チュッ

麦野「んちゅっ……んぅ……ちゅぅっ……ちゅぷっ……」

御坂「ふぁっ……んぅちゅっ……ちゅっ……ン……」

御坂(段々激しくなってる……。気持ちいい……) ポー…

麦野(こいつなんでこんなに良い匂いがするのかしら……やば、また変な気分になってきちゃった……) ハァッ

御坂「……そっち向くんじゃなかった……」

麦野「どうして?」

御坂「……やっぱり眠れそうにないもん」

麦野「朝までもう4時間もないわ……眠ってしまうなんて、もったいないじゃない」

御坂「明日目が覚めてもちゃんと隣にいてあげるわよ」

麦野「ううん、私より早く目が覚めたらご飯作って」

御坂「なんてひどい奴なのかしら。……先に目が覚めたらね」

麦野「期待してるわね、美琴」 ギュッ

御坂「仕方ないわね、私のほうが早く起きたらよ、沈利さん」 ギュッ








その3へ




私の世界を構成する塵のような何か。: 1 (百合姫コミックス)
私の世界を構成する塵のような何か。: 1 (百合姫コミックス)天野 しゅにんた

一迅社 2012-08-18
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
わがままミルフィーユ (百合姫コミックス) 純水アドレッセンス (百合姫コミックス) ブラックヤギーと劇薬まどれーぬ (百合姫コミックス) くちびるに透けたオレンジ (百合姫コミックス) Raubritter* (百合姫コミックス)

コメント
この記事へのコメント
  1. 名前: 通常のナナシ #-: 2013/05/03(金) 18:30: :edit
    まだあるのか・・・
  2. 名前: 通常のナナシ #-: 2013/05/03(金) 19:42: :edit
    最愛のふとももにおにんにんはさみたいよぉ
  3. 名前: 通常のナナシ #1Enu3lsU: 2013/05/04(土) 09:46: :edit
    黒子ぇ…
  4. 名前: 通常のナナシ #-: 2013/05/10(金) 01:40: :edit
    ウォッカストレートは実はそんなにきつくない
    冷凍庫で氷点下に冷やしてとろとろになった奴を
    ショットグラスでくいっとやるより、ちびちび舐めながら飲むと味がわかる
    ギルビーやスミノフはあんまりうまくないので、
    できればストリチナヤをお奨めしたい
  5. 名前: #: 2013/08/08(木) 08:09: :edit
    このコメントは管理者の承認待ちです
コメントを投稿する
c o m m e n t
p a s s
 
俺の妹がこんなに可愛いわけがない 黒猫 白猫Ver.
俺の妹がこんなに可愛いわけがない 黒猫 白猫Ver.

 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。