マミ「マミられちゃった」

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2013/01/23(水)
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 22:46:50.76 ID:DEuvX2H60
まどか・さやか「きゃぁぁぁぁぁぁ!」

マミ(あの悲鳴……鹿目さんと美樹さん!?)

QB「2人とも、今すぐ僕と契約を!」

マミ(あぁ……そっか。さっき私、魔女にやられてしまったのね……)

QB「願い事を決めるんだ! 早く!」

マミ(大丈夫よきゅうべぇ。あの2人が契約しなくても、私が死んだなら)

ほむら「その必要はないわ」

マミ(そう。私が死んだら、あの子への拘束は解ける。来てくれて良かったわ)

ほむら「こいつを仕留めるのは、私。……?」

マミ(あ、あら? 今ちょっと、暁美さんと目が合ったような。気のせい、よね?)

マミ(いくら魔法少女でも、幽霊が見えるなんて話、聞いたことないもの)

マミ(……暁美さんたら、あんなにあっさり魔女を倒すなんて。少し悔しいかな)




2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 22:50:44.31 ID:DEuvX2H60
―シャル討伐後


ほむら「命拾いしたわね、あなた達」

マミ(本当ね。今回は暁美さんに感謝しないと、鹿目さん、美樹さん?)

まどか・さやか「え?」

マミ(え?)

さやか「え……ねぇ、ちょっと待って。さっきから、マミさんの声が聞こえない?」

まどか「さやかちゃんも? 私ずっと、幻聴か何かだとばかり」

マミ(おかしいわね。暁美さんならともかく、鹿目さんや美樹さんにも聞こえるの?)

マミ(幽霊の声が聞こえるなんて。2人ともそちらの素養もあったって事かしら)

ほむら「それは違うわ」

マミ(違う? いったい何が?)

さやか「幽霊、じゃない……? どういう事なのさ、転校生!」




3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 22:51:53.72 ID:DEuvX2H60
ほむら「あの魔女に噛まれる寸前、髪飾りが外れた。そのおかげで、幽霊にならずに済んだ」

まどか「じゃあ、マミさんは生きてるの!?」

ほむら「厳密に言えば、巴マミは死んでいる。でも、魔法少女としては無事」

マミ(私が死んでいて……でも、無事? 魔法少女としては……って?)

マミ(暁美さんが近づいてくる……でも、どうしてかしら?)

マミ(暁美さんがひどく大きく見えるわ)

マミ(ていうか、暁美さんに抓まれちゃってるんですけど!)

ほむら「このソウルジェムが、巴マミよ」

マミ(は?)

まどか・さやか「は?」




4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 22:56:24.01 ID:DEuvX2H60
ほむら「説明役なら適任がいるわ。きゅうべぇ」

QB「やれやれ。仕方ないな。ただの人間と同じ、壊れやすい身体のままで(ry

まどか「そんな……」

さやか「魂のない、抜け殻だなんて、そんなの」

マミ(そんなの、まるでゾンビじゃない!)
私の願いを、こんな形で叶えたっていうの、きゅうべぇ!?)

QB「単に魂の在処が移っただけで、人間としての営みに不自由はなかっただろう?」

ほむら「それ以上コイツに何を言っても無駄よ、巴マミ」

マミ(暁美さん……)

ほむら「とりあえず、今日のところは私と一緒に来てもらう。いいわね?」

マミ(仕方ないものね。でも、これだけは言わせて。鹿目さん、美樹さん)

まどか・さやか「はい?」

マミ(魔法少女になんて、なるものじゃないわ)

ほむら「同意見よ」




5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 22:58:31.69 ID:DEuvX2H60
―ほむら宅

マミ(みっともないところ、見られちゃったわね)

ほむら「そうね。現在進行形で」

マミ(貴女は驚かないのね。ひょっとして、知っていたの?)

ほむら「えぇ。知っていたわ」

マミ(こんな事になって……私、どうしたら)

ほむら「魔法による肉体の再生。それが最重要課題と言ってもいい」

マミ(できるの? そんな事が?)

ほむら「できる。今貴女がこうしてテレパシーをしているのは、どうしてと思う?」

マミ(それは、ソウルジェムが無事だからでしょう?)

ほむら「それに加えて、『幽霊という意識体を信じている』からよ」

マミ(どういう意味かしら?)




7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:01:36.50 ID:DEuvX2H60
ほむら「貴女は無意識のうちに幽霊の存在に肯定的になっていた。
    だから死んでも幽霊として意識は残り、時には意思が伝わる事もあると思っていた。
    その思い込みが、貴女にテレパシーを可能とさせている」

マミ(確かに最初、私は自分が幽霊だと思い込んでいたものね)

ほむら「きゅうべぇが言った通り、魔法少女は本来ソウルジェムさえ無事ならいくらでも
    戦える仕様なのよ。どんな重傷も、魔力があるならば問題にならない。つまり」

マミ(私も、きちんと魔力を使えば肉体を再生できる、って事ね)

マミ(……できないけど?)

ほむら「それは、貴女の思い込みが邪魔をしているのよ」

マミ(無意識にセーブしていると?)

ほむら「そう。貴女の意識では、貴女は一度死んでしまっている。だからソウルジェムが
    あったところで、命は戻らない。そう思い込んでしまっている。
    というより、私達の本体がソウルジェムであることを、認めたがっていない」




8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:04:39.25 ID:DEuvX2H60
マミ(それは、そうよ。まさかあの宝石が、というかこの宝石が、私自身だなんて)

ほむら「でも、事実よ。こうして私と会話している現実を認めるしかないわ」

マミ(そう、ね。今なら分かるわ。貴女があの2人の契約を邪魔していた理由が)

マミ(魔法少女の実態を知ってしまったら、オススメなんて出来るわけないもの)

ほむら「理解してもらえて良かったわ」

マミ(それで、どうして貴女は私達の実態を知ってしまったの?)

ほむら「……」

マミ(きゅうべぇの言う通り、ちょっとやそっとの事では気付けない仕組みよね?)

ほむら「……ヒントだけあげる。私の魔法は、時間に関するもの」

マミ(時間?)

ほむら「もうすぐこの町に、良くない事が起きる。
    その為にも、貴女には身体を再生させてもらうわ」




11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:09:22.02 ID:DEuvX2H60
―翌日昼休み・屋上

さやか「まどかはさ。今でもまだ、魔法少女になりたいって思ってる?」

まどか「……」

さやか「そうだよね。うん、仕方ないよ」

まどか「ずるいって、分かってるの。けれど、魂を抜かれるなんて。
    この身体が単なる入れ物になっちゃうなんて。
    そんなの、魔女じゃないけれど……その」

さやか「マミさんも言ってたけど……ゾンビみたい、だよね」

まどか「今朝ね、お父さんの作った朝ご飯がすっごく美味しかったの。
    でも、もし魔法少女になったら、その美味しさだって、ニセモノ
    になってしまうんじゃないかな……って考えたら」

さやか「マミさんは、教えてくれたんだね。
    魔法少女になるって意味を。それに必要な覚悟を。
    悔しいけれど、私にはその覚悟、ないや」

QB「うん、君達の気持ちは分かった。
   残念だけど、僕も無理強いはできない。お別れだね」

さやか「アンタいたの? 詐欺師はとっととどっかへ行って」

QB「……」




12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:11:52.38 ID:DEuvX2H60
―更に放課後、どこかの路上にて


ほむら「貴女も、魔法少女になるのを思い止まってくれたのね」

さやか「転校生。アンタ、もしかして最初から分かってて、色々言ってきたの?」

ほむら「魔法少女なんて、いいものではないわ。それを伝えたかっただけ」

さやか「そう、だよね。やっぱりいいもんじゃないよね。ゾンビもどきなんて」

ほむら(そのゾンビもどきを目の前にしてよく言ってくれるわね)

さやか「そうだな……アンタになら、言ってもいいかな」

ほむら「何?」

さやか「私ね、ある人の身体を治してもらおうかって思ってたんだ」

ほむら(あぁ、やっぱり今回もそうなのね)




13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:17:18.28 ID:DEuvX2H60
さやか「でも、マミさんに言われたんだ。
    『彼に夢を叶えてほしいの?
     それとも彼の夢を叶えた恩人になりたいの?』って」

ほむら「巴マミらしい言葉ね」

さやか「それ聞いた時は、ピンと来なかった。でも、今なら分かる。
    私は恭介に夢を叶えてほしかったし、そうする事で、
    私自身の願いも叶えたかったんだ」

ほむら「どういう意味かしら」

さやか「魔法少女だって事をすぐに明かすつもりだったわけじゃない。
    でも、元気になった恭介の傍にいて。それで、恭介に告白して、
    幼馴染じゃなくて、恋人になれたらなって、思ってた。
    だって恭介があんなんじゃ、告白したって振られるのは目に見えてたから。
    私の願いを叶えるには、まず恭介の夢を叶えないといけないんだよ」

ほむら「なるほど、そういう理屈ね」




14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:19:55.30 ID:DEuvX2H60
さやか「でも、魔法少女になるってことが、あんな宝石になるって意味なら。
    私の願いは、叶えられなくなっちゃう。
    ゾンビになった身体で、キスしてなんて言えないもん」

ほむら「……そう。どういう経緯であれ、貴女が契約を諦めたなら、それでいいわ。
    けれど、なぜそんな話を私に?」

さやか「アンタなら、そういう風に軽く流してくれるって思ったから」

ほむら(まぁぶっちゃけどうでもいい情報だし)

さやか「話、聞いてくれてありがとね。それじゃ」

ほむら「ええ。それじゃあ」




15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:22:30.41 ID:DEuvX2H60
―ほむら宅


マミ(あら、おかえりなさい)

ほむら「そのティーカップは何?」

マミ(例え身体の再生が出来なくても、魔法を使う事くらいは出来るかもって)

マミ(さすがに攻撃は試せないから。せめて紅茶だけでも試してみたの)

ほむら「だからって30杯はやり過ぎよ。誰が飲むって言うの?」

マミ(それはまぁ、順当に考えて暁美さんじゃないかしら?)

ほむら「……」




16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:24:46.49 ID:DEuvX2H60
ほむら「魔法を試す気力が出てきたのならいいわ。これから出かけるわよ」

マミ(魔女退治?)

ほむら「えぇ。貴女にも同行してもらう。今日は魔女が出る筈だから」

マミ(その事で、気付いたのだけど)

ほむら「何かしら?」

マミ(貴女の魔法って……未来予知なんじゃない?)

ほむら「……(出た廚二病ありがち設定)」

マミ(その沈黙。図星といったところかしら?)

ほむら「そうね。当たらずとも遠からず、と言っておくわ
    (今、巴マミの機嫌を損ねるのは避けないと)」




17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:25:46.06 ID:Pcc/M0/z0
ほむほむのお腹が紅茶でタプタプになってしまう




18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:27:03.36 ID:DEuvX2H60
―深夜、廃工場

マミ(確かに、魔女の結界を感じるわ)

ほむら「入るわよ」

マミ(あれは……鹿目さん!)

ほむら「ちょうどいいわ。巴マミ。貴女の出番よ。
    貴女のリボンで、彼女を助けだして」

マミ(そ、そうね……)

マミ(魔法、魔法、リボンの魔法……)

マミ(ごめんなさい。無理みたい)

ほむら「……仕方ないわね」

パァン! パァン!

マミ(それ、実銃!? 魔法じゃなくて銃で鹿目さんを助けた!?)




20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:29:37.29 ID:DEuvX2H60
ほむら「無事!?」

まどか「あ……ほむらちゃん、それにマミさんも」

ほむら「すぐに魔女を片付ける。だから巴マミを預けるわ」

まどか「え、私が?」

ほむら「まだ巴マミは魔法が使えないの。だからお願い」

まどか「分かったよ」

ほむら「すぐに終わるわ」

カチッ
カチッ
バンッ!

まどか「本当にすぐに終わっちゃった」

マミ(暁美さんの魔法って、計り知れないわね)




21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:31:54.98 ID:DEuvX2H60
まどか「結界が消えていく……」

ほむら「巴マミを預かっていてくれてありがとう、鹿目まどか」

まどか「ううん、お礼を言われるような事じゃないよ。
    こっちこそありがとう、助けてくれて」

ほむら「魔女退治は魔法少女の仕事よ。それこそ、礼の必要はないわ」


まどか「それじゃあ、これまで言えなかった分も、ありがとう」

ほむら「何の事?」

まどか「ほむらちゃん、魔法少女になるって意味を分かった上で、
    ならない方がいいって忠告してくれてたんだよね。
    だから、ありがとう」

ほむら「……」

まどか「あの、あのね。それで、マミさんは、どうなるのかな」




23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:34:47.56 ID:DEuvX2H60
ほむら「……肉体の再生は恐らく可能よ。
    今はまだ、巴マミが以前のようには魔法を使えないから難しい。
    けれど、ソウルジェムさえあれば戦えるのが、このシステムの利点だから」

まどか「そうなんだ。あのね、ほむらちゃん。私に出来る事は」

ほむら「ないわ」

マミ(暁美さん、そんな言い方)

ほむら「ここから先は、魔法少女の領分。
    あなたは一度関わってしまったから、気持ちの整理がつかないのだろうけど。
    もう魔法少女に関する事には、一切近づかない方がいい。
    それが賢明な判断というものよ」

まどか「そんな」

マミ(暁美さんは物言いがキツイけれど、私も基本的には彼女に賛成よ)

まどか「マミさんまで」




24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:37:00.28 ID:DEuvX2H60
マミ(貴女には資質があったから、あんな風に連れ回してしまったけれど。
   今なら、それがそもそも間違いだったんだって思えるの。
   魔法少女は希望を振りまく存在なのかもしれないけれど、その正体は……こんな宝石1つなのよ?)

マミ(もし貴女が今後も私達に関わりを持ったなら、危険な目に合う可能性だってグンと上がってしまう。
   そうして、私の時みたいに、選択の余地のない中で魔法少女にならざるを得なくなってしまったら?
   ……そう思うからこそ、私も暁美さんも、ここで線引きをしておきたいの)

マミ(気持ちだけは、ありがたく受け取っておくわ。
   でも大丈夫、今の私は1人じゃない。暁美さんがいる。
   だからお願い。先輩らしく、格好つけさせてよ。私は大丈夫……って)

まどか「マミ、さん……分かりました。
    魔法少女になるって約束、破ってしまってごめんなさい。
    ノートはさっき、マミさんの部屋に置いてきましたから……」

マミ(謝る必要はないのよ? 
   貴女がこんな石ころにならずに済んで良かったって、私は思うから)

まどか「分かりました。……ほむらちゃん、マミさんをお願いね」




25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:39:17.99 ID:DEuvX2H60
―翌日放課後、川原

さやか「じゃあ今日仁美が警察沙汰って言ってたのは、魔女絡みだったんだ」

まどか「そう。ほむらちゃんが助けてくれたんだよ」

さやか「へーぇ。やっぱりアイツも魔法少女なんだね」

まどか「あれ? もうほむらちゃんの事、転校生って呼ばないんだ?」

さやか「……まぁね。それで、マミさんはどうだった?」

まどか「ほむらちゃんが一緒だったよ。
    まだソウルジェムのままだけど、魔法少女のシステム上、そのうち身体を取り戻せるって言ってた」

さやか「そっか。良かった……って言っていいのかな?」

まどか「そう言えばさやかちゃん。今日は病院、行かないの?」

さやか「あー、うん。実はこの前、ちょっとね」

まどか「ふぅん……?」




28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:41:34.35 ID:DEuvX2H60
―夜、町境の路上にて

ほむら「せめて拘束魔法くらいは復活させてほしいものだわ」

マミ(えぇ、そうでないと足手まといのままだものね)

??「アンタかい? 噂のイレギュラーは」

ほむら「貴女は」

??「この前この町に出た魔女を倒したのがあのマミじゃなかったって聞いてね
   ひょっとして、マミのやつがくたばったんじゃないかって」

マミ(残念だけど、私はくたばってなんかいないわ、佐倉さん)

杏子「その声、マミか!? どこだ! どこにいやがる!」

ほむら「ひどく説明に困るのだけれど」

杏子「どこかに隠れてるってなら、その隠れ場所ごとぶちのめしてやるよ!」




30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:44:19.04 ID:DEuvX2H60
ほむら「くっ(今、時間操作の魔法を巴マミに知られたら嘘がばれてしまう!)」

マミ(そうはさせないわ!)


シュルシュルシュル


杏子「こいつは、マミの拘束魔法! 畜生、動けねぇ!」

マミ(今なら、話を聞いてくれるでしょう。暁美さん?)

ほむら「そうね。聞きなさい、佐倉杏子」

スッ

杏子「その黄色いソウルジェムは、マミのじゃねーか! どうしてお前が!」

マミ(それは、これこそが私本体だからよ)

杏子「はぁ!?」




31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:46:23.64 ID:DEuvX2H60
マミ(私もつい最近までは知らなかった。いい、佐倉さん? 魔法少女は(ry)

杏子「そんな……あたしらがそんな石ころだってのか!?」

ほむら「そう。そして、この石ころになってしまった巴マミを、貴女に預けたい」

マミ(暁美さん、急に何を)

ほむら「さっき、巴マミは佐倉杏子を止める為に拘束魔法を発動させた。
    ハコの魔女との戦いでは、リボンすら出現できなかったのに」

マミ(それは、咄嗟に)

ほむら「たとえ反射的な行動であっても、魔法を使えるようになったのは事実。
    ひょっとすると、私といるより、佐倉杏子と行動を共にした方が、
    巴マミの復活が早まるかもしれない」

杏子「あたしにマミのお守りをしろってのかよ!」




32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:48:28.02 ID:DEuvX2H60
ほむら「そういう言い方もできるかしら。けれど、巴マミの拘束魔法は便利でしょう?」

杏子「う」

ほむら「それに、私にも事情がある。だから、頼めるかしら、佐倉杏子?」

杏子「分かったよ……但し、条件がある」

ほむら「聞くわ」

杏子「こいつを預かるなら、こいつの家に行ってもいいよな(ニヤリ」

ほむら「ご自由に」

マミ(ちょっと! 私の意見は聞かないの!?)

ほむら「じゃあ、頼んだわよ(これ以上紅茶を飲み続けるのは嫌だもの)」




35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:50:44.11 ID:DEuvX2H60
―夜、マミ宅

杏子「あー、金の心配なしで風呂に入れるってのはいいなー」

マミ(宅配ピザにだって、私のお金を使ってたしね)

杏子「アンタのお守りをする正当な対価だよ。
   そういや、そのノートは何なんだ?
   すっごくフリフリなイラストが描いてあるけど」

マミ(私の後輩……になるかもしれなかった子のノートよ。
   魔法少女になる資格があったんだけれど、その前に私のこの姿を見たから)

杏子「それで、このノートをアンタに返しにきたってわけかい。
   でも、そいつは運が良かったな。契約する前に、真実を知る事ができたんだからさ」

マミ(佐倉さん)




36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:52:56.15 ID:DEuvX2H60
杏子「正直、まだ信じたくないんだ。あたしの魂がこのソウルジェムで、身体は死んでるなんて。
   でも、そんな姿のアンタを見たら、信じないわけにもいかねーし」

マミ(ごめんなさい。私がドジを踏んでしまったせいで)

杏子「知らずにどこかで魔女に返り討ちに合うよりはマシだった、と思うしかないや。
   でも、やっぱり、ショックだよな。
   あの時からずっと、魔法少女としての業は全部自業自得だって思ってた。
   けど、実は死んでいてゾンビ状態……ってのは、正直キツイ。
   アンタだって、ショックなんじゃないのかい?」

マミ(わ、私は)

杏子「……あたしは寝室使わせてもらうよ。アンタはこのリビングでいいだろ?」

マミ(そうね。おやすみなさい)

杏子「あぁ。おやすみ」




39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:55:07.66 ID:DEuvX2H60
―深夜

マミ(ショック、か。改めて言われると、確かにそうね)

マミ(事実なのよね。生きたいと願った私が、身体は死んでいるだなんて)

マミ(泣きたい。でもこんな状態じゃ、涙だって出て来ない)

マミ(魔法少女になって戦うのは、奇跡の対価だから当然だって思ってた)

マミ(でも、命を繋ぐという願いが、こんな歪んだ形で叶えられてたなんて)

マミ(もう嫌。こんな姿になってまで、生きていたくない)

マミ(でも、死に方も分からない。生きるしかないのよ。魔女と戦うしかないんだわ)

マミ(暁美さんの言う通り、この町に災いが来るのなら。
   せめてそれを何とかしてから、その後の事は考えよう……)

マミ(魔法少女として皆を守る事。それが嫌になった訳じゃないんだから)




40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:57:11.59 ID:DEuvX2H60
―数日後、放課後、ハンバーガーショップ

さやか「どうしたの仁美、話したい事があるなんて」

仁美「その……上条君のご加減はいかがですか?」

さやか「あー、実は私のここのところお見舞い行けてないんだ。
    この前、恭介に悪い事しちゃってさ。ちょっと間置こうかなって。
    でも、足はリハビリで何とかなるって。ただし左腕は……」

仁美「そう、ですの」

さやか「にしても、仁美が恭介の事訊いてくるなんて。どうしたの?」

仁美「実は、非常に言い難い事なのですが。 ……さやかさんと同じで、私も上条君をお慕いしているのです」

さやか「ひ、仁美が恭介を!? てか、私と同じって」

仁美「さやかさんも、上条君の事がお好きなのでしょう?見ていれば分かりますわ」




41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:59:14.67 ID:x7ARggoS0
こう考えるとマミさんって無償で魔法少女になったようなもんなのか




42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/30(火) 23:59:29.45 ID:DEuvX2H60
さやか「そんなに分かりやすいかな、私」

仁美「ええ。……本当は、例えばバレンタインの前にでも、話し合うつもりでしたの。
   友達同士で同じ人を好きになってしまうなんて、重大な事ですから。
   けれど、上条君が今のような事になってしまったら……」

さやか「うん……。きっと今の恭介に告白しても、想いは届かないと思う。
    恭介だって、演奏ができないって現実に必死に折り合いつけてるところなんだ。
    恭介の心の整理がつくまで待った方がいいんじゃないかな。お互いに」

仁美「……私を、責めたりはしませんの?」

さやか「え?」

仁美「よりによって、さやかさんの好きな人を好きになってしまうなんて」

さやか「それは、えーと」

さやか(ひょっとしたら。仁美がこの前魔女に魅入られたのは。
    私に対する罪悪感があったから、なのかな)




43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/31(水) 00:02:10.20 ID:5nDATczV0
さやか「……仁美に恭介を取られたらどうしようって、焦る気持ちはあるよ。
    でも、責めるのは、ちょっと違うと思う」

さやか(確かに、ショックを受けなかったって言えば嘘になるけど。
    でも、仁美は罪悪感から逃げずに、正々堂々と相談してくれた。
    だったら、私も仁美に向き合わなきゃ)

さやか「人を好きになるのって、どうしようもない部分があるじゃん」

仁美「さやかさんっ!」

ガバッ

仁美「さやかさん、ごめんなさい、ごめんなさい、でも、ありがとうございます!」

さやか「ちょっと仁美! 落ち着いて落ち着いて!」




46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/31(水) 00:04:24.01 ID:5nDATczV0
―ある夜、路地裏にて

まどか「あの、人違いだったらすみません。佐倉さん、ですか?」

杏子「ん? そうだけど?」

マミ(鹿目さん! 貴女、どうして!)

杏子「ひょっとして、例の元魔法少女候補か?」

まどか「ごめんなさい、マミさん。
    でも、ほむらちゃんからマミさんを他の頼れる人物に託したって聞いて」

杏子「それで? 信用できる人間かどうか、見定めに来たのかい?」

まどか「そんなんじゃありません。ただ。
    マミさんをよろしくお願いしますって、そう、言いたくて」

マミ(鹿目さん……)




47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/31(水) 00:06:42.85 ID:DEuvX2H60
杏子「そうかい。
   マミなら大丈夫さ。拘束魔法くらいなら自由に使えるくらいになったしな。
   だから、アンタはこれ以上あたしらに関わらない方がいいぜ?
   あたしらは魔法少女っていう名の無敵の石ころだ。心配する必要もない」

まどか「そんな事、ないと思います」

杏子「は?」

まどか「あの戦いで身体を失った時、マミさん、とても動揺してました。
    それに、あれから結構経った今でも、まだ身体を取り戻してないんですよね?
    確かに魔法少女の本体は石ころなのかもしれません。それでも。
    その心は、ごく普通に傷つくんです。だから、心配だってします」

杏子「……変なヤツだな、アンタ」

まどか「佐倉さんも、その、」

杏子「杏子でいいよ。それに、敬語もナシでいい」




49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/31(水) 00:08:53.05 ID:5nDATczV0
まどか「じゃあ、杏子ちゃんも、傷ついたんじゃないの?
    だって、自分が本当は死んでるなんて。想像しただけで、私……」

マミ(……)

杏子「そりゃあ、ちょっとはな。でも、そんな事言ってる場合じゃないらしい」

まどか「え?」

杏子「魔女の気配だ」


スウッ




52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/31(水) 00:11:19.98 ID:5nDATczV0
―祈りの魔女の結界内


まどか「これも、魔女の結界?」

杏子「あぁ。危ないから、アンタはこの中にいろ」

まどか「赤い格子……盾、かな? ありがとう、杏子ちゃん」

杏子「気休めだけどな。行くぜ、マミ!」

マミ(ええ!)

まどか(すごい……伸びてくるいっぱいの腕を、マミさんのリボンが止めてる。
    そこを、杏子ちゃんの槍で攻撃してるんだ……連携プレイ、だね)

マミ(あっ! 腕が増えて……)

杏子「しまった! 逃げろ!」




53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/31(水) 00:14:37.02 ID:5nDATczV0
まどか「え? きゃ!」

まどか(腕がどんどん増えて、マミさんのリボンが追い付かない!これじゃ格子の中まで入りこまれちゃう!)

マミ(危ない、鹿目さん! どうしよう、リボンじゃ間に合わない!
   でも助けなきゃ! こんな私達の事を想ってくれているあの子を、死なせたりはしない!)

パァァ

まどか(格子の前に誰かが……え、あれって!)

マミ「ティロ・フィナーレ!」

ドン!

マミ「良かった、間に合って。間一髪だったわね。鹿目さん」

まどか「マミさん……身体……」

マミ「え? ……私、身体が戻ったの……?」




54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/31(水) 00:17:22.96 ID:5nDATczV0
―元の路地裏にて

マミ「本当にありがとう、鹿目さん、佐倉さん」

まどか「そんな。私は何も」

マミ「きっかけをくれたのは貴女よ。それに、佐倉さんも、ね」

杏子「あたしだって、別に何もしてねーよ」

マミ「でも、これまでずっと、一緒にいてくれたでしょう?とても心強かったわ。
   お礼に今夜も、ウチに泊っていって。暁美さんの言っていた、この町に迫っているものについても話したいし」

杏子「いいのか!?」

まどか(この町に迫っている……もの?)

マミ「それにしても不思議な気分。またこうして身体を動かせてるのに、本体はこのソウルジェムなんですものね……」

マミ「大丈夫よ。あんなヘマはしないようにするから。身体も戻った事だし、私はまたパトロールを再開するわ。
   だから貴女も、貴女の日常に戻りなさい?とりあえず今日は、家の近くまで送って行くから、ね?」

まどか「はい……」




55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/31(水) 00:19:32.93 ID:5nDATczV0
―翌日、放課後

さやか「マミさんの身体戻ったんだ? 良かったぁ」

まどか「うん……良かった、んだよね」

さやか「どしたの? 歯切れ悪いね。悩み事かー?」

まどか「悩み事っていうか……マミさんが気になって。マミさんも、あと同じ魔法少女の杏子ちゃんも。
    自分たちがゾンビみたいなものだって事、気にしてるみたいで」

さやか「そうなんだよね。そこが引っ掛かるんだよね」

まどか「え……?」

さやか「あー、ごめん、まどか。私これから恭介のお見舞い行ってくる」

まどか「あれ。またお見舞い行くようになったんだ?」

さやか「うん。私じゃ役に立たないかもしれないけど。でも何もしないのも嫌だから、せめて、ね。それじゃ!」

まどか(さやかちゃん、もしかして……)




56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/31(水) 00:21:46.88 ID:5nDATczV0
―ある夜、ほむら宅

ほむら「……これが、ワルプルギスの夜の出現予測場所よ」

杏子「その出現予測の根拠はなんだい?」ズズー

マミ「暁美さんの未来予測魔法よ」ドヤッ

ほむら(そう言えば、まだ誤解を解いてなかったわね)

杏子「成程。ま、ワルプルギスの夜とはいえ、3人いれば大丈夫だろ」

ほむら「ええ。巴マミが復活してくれて良かったわ」

ほむら(この時間軸は今のところ順調と言っていいわ)

ほむら(魔法少女2人ではギリギリの戦いだけれど、今回は3人もいる。今度こそ、きっとまどかを……)

ほむら(魔法少女システムのごく一部を偶然知ったおかげで、
    まどかも契約を諦めてくれたし)

ほむら(あとは、ワルプルギスの夜さえ倒してしまえば……!)




57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/31(水) 00:23:50.93 ID:5nDATczV0
―翌日、昼休み

まどか「さやかちゃん、上条君はどうだった?」

さやか「正直、見てられなかったよ……落ち込んでてさ」

まどか「ねぇさやかちゃん。私の考えすぎだったらごめんね?
    ひょっとして、魔法少女になろうって、思ってる?」

さやか「まどか……どうして」

まどか「何となく、だよ。それに、そこにきゅうべぇがいるし」

さやか「うわ! 本当だ! いつの間に!」

QB「叶えたい願いが見つかったかい?」

さやか「とりあえず未確認生命体はどっか行っといて」

QB「……」




59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/31(水) 00:26:15.79 ID:5nDATczV0
さやか「実はね、仁美が恭介の事好きなんだってさ」

まどか「えぇ!?」

さやか「恭介が落ち着くまで現状維持って事になってるんだけど。
    その話を聞いてからずっと、気になって仕方ないんだ。
    私が覚悟さえ決めれば、恭介を助けられるのに……って」

さやか「魔法少女として戦う。それだけなら、頑張れると思う。
    この町には、マミさんっていう頼れる先輩もいるしね。
    でも、この身体が死体になるってところが、決意を鈍らせるんだ。
    だって……ただの石ころになっちゃうんだよ?
    もし恭介の腕が回復しても、私、何も言えない……。
    ゾンビなのに、告白なんて出来ないよ……」

さやか「お互いに恭介が回復するまで待とうって、仁美とは話したのに。
    私が契約すれば、間違いなく恭介は回復できるのに。
    そうしたら、私はただ、仁美と恭介とが付き合うのを眺める事しかできないんだよ?」




60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/31(水) 00:28:26.32 ID:5nDATczV0
さやか「だから、まだ魔法少女になるって決めたわけじゃない。
    ごめんねまどか、不安にさせちゃって」

まどか「……やっぱり、嫌だよね」

さやか「何が?」

まどか「魂が抜かれる事、だよ。
    きゅうべぇは、どうして魂の在処に拘るのか分からないって言うけど。
    私にだって、何となく拘ってしまうんだ、としか言いようがないけど。
    でも、マミさんも杏子ちゃんも……それにきっとほむらちゃんも。
    自分がゾンビみたいだっていう嫌悪感と戦ってるんじゃないかな」

まどか「ねぇ、きゅうべぇ。まだそこにいるんでしょ?
    訊きたいことがあるの。教えてくれるよね?」




61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/31(水) 00:30:34.97 ID:5nDATczV0
―その夜、マミ宅

マミ「大分連携が取れてきたわね」

杏子「そろそろほむらの爆弾にも慣れてきたしな」

ほむら「……拳銃より威力のある爆弾の方が良いって言ったのは貴女でしょ」

マミ「確かに、ワルプルギスの夜を相手取るなら、火力は強い方がいいわね。
   さて、解散の前にお茶にしましょうか」


ピンポーン


まどか「あの、すみません」

さやか「ちょっと、大切な話があって。入れてもらっていいですか?」

ほむら「!」




62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/31(水) 00:32:51.08 ID:5nDATczV0
マミ「あの2人……関わらない方が良いって言ったのに。
   でも、無下に帰すわけにもいかないわね」

ガチャッ

まどか「あの、入ってもいいですか?」

マミ「……どうぞ」

ガチャッ パタ、パタ

ほむら「適当に座って。用件は?」

さやか「マミさんと……それに、ほむらには謝らないといけない」

ほむら「何かしら」

まどか・さやか「私達、魔法少女になります」




65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/31(水) 00:35:21.91 ID:5nDATczV0
杏子「正気か!?」

マミ「本気なの?」

ほむら「な……何を言っているの貴女達は! あれ程忠告したでしょう!
    それに、その目で見た筈よ! 魔法少女の正体を!」

ほむら(どうして……どうしてなの!? せっかくここまで順調に来たのに! あと一歩だったのに!)

まどか「うん、見たよ。
    その事でマミさんや杏子ちゃんが傷ついてるのも知ってる」

さやか「私だって、ただの宝石になりたくはないよ。
    でも、どうしても諦めきれない願いがあるんだ」

マミ「……一体何を願うつもり?」

さやか「私の願いは、恭介の腕を治す事」

まどか「私の願いは、魔法少女の魂を、身体に戻す事」




67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/31(水) 00:39:46.03 ID:5nDATczV0
杏子「私達の魂をソウルジェムから身体に戻すなんて、そんな事できるのか!?」

まどか「きゅうべぇに聞いたの。私の素質なら、可能だって。
    でも、さすがに魔法少女全員を一辺に、とはいかないらしくって。
    それでも、私が魔法少女と直接触れ合えれば、戻せるくらいの魔力はあるみたい」

マミ「確かに、それが本当なら……正直、嬉しいっていう気持ちはあるわね。
   けれど、私は忠告したはずよ? 他人の為に願う事の重大さを」

さやか「私も、随分悩みました。
    考えて考えて考えて……一番後悔しない道を、選んだつもりです。
    マミさんには、それでも甘いって言われるかもしれないけど」

まどか「私も、私なりに考え続けたんです。
    でも、私に魔法少女の魂を身体に戻す力があるのなら。
    マミさんも杏子ちゃんもほむらちゃんも、嫌悪感に悩まされることもない。
    さやかちゃんも、迷いから解放される。
    本当は私、魔法少女になって皆の役に立てるってだけで良かったんだけど。
    私の願い事で、もっと身近な……友達の役に立てるなら。
    それはとっても嬉しいなって」




68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/31(水) 00:41:57.77 ID:5nDATczV0
ほむら(どうしよう。どうしよう。どうしよう)

ほむら(どうしたらまどかを止められる? まどかに魔法少女システムの全てを話す?)

ほむら(それはダメ。例えこの場でまどかがその話を受け入れてくれたとしても。
    かつての時間軸であったように、他の誰かが信じてくれない。
    最悪、全滅だってありうる!)

ほむら(それに何より……私はまどかのこの表情を知っている)

ほむら(私を置いてワルプルギスの夜に立ち向かった時や
    最後に残っていたソウルジェムを迷わず私に使った時と同じ。
    まどかのあの顔、あの目は、まどかの強い決意の表れなんだ……)

ほむら「臆病で、気が強いわけでもないのに……頑固なのは相変わらずなのね」

まどか「ほむらちゃん?」


カチッ




70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/31(水) 00:44:38.28 ID:5nDATczV0
―ほむらの時間停止魔法、作動中


ぎゅっ


まどか「ほむらちゃん、どうしたの? どうして他の皆は止まってるの?」

ほむら「ごめん、ごめんねまどか。私また、守れなかった……」

まどか「えと……そんな事ないよ?
    ほむらちゃんは何度も、私を守ってくれたじゃない」

ほむら「そうじゃない。そうじゃないの。足りないの」

ほむら(まどかを魔法少女の運命から守る。その為に繰り返してきたのに。
    またこうして、まどかが自ら魔法少女への道を選んでしまうなんて。
    この目をするまどかを止める術を、私は知らない。
    認めたくない、認めたくないけれど、私はまた失敗したんだ)




71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/31(水) 00:46:51.81 ID:5nDATczV0
ほむら「……取り乱して、ごめんなさい、鹿目まどか」

まどか「ううん。いいよ。それより、さっき私の事、名前で呼んでたよね?」

ほむら「あれは、混乱してしまって。ごめんなさい」

まどか「そうかもしれないけど、でも、名前で呼んでくれた方が嬉しいな」

ほむら「私が、貴女を名前で……いいの?
   (貴女を守りきれなかった私に、そんな資格ないのに)」

まどか「勿論だよ」

ほむら「じゃあ……まどか」

まどか「何、ほむらちゃん?」

ほむら「さよなら」


スッ




73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/31(水) 00:50:04.09 ID:5nDATczV0
ほむら(これでまどかも止まった)

ほむら(……私以外は皆、まだ止まってまま。この間に、『戻』ろう)

ほむら(でないと、この空間は、居心地がよすぎる。まどかが魔法少女になるまでは、だけれど)

ほむら(ごめんなさいね、まどか。私はまた別の戦場に行く)

ほむら(そして今度こそ、あなたを運命から救ってみせる)

ほむら(せめて、この時間軸のあなたが、少しでも長く笑顔でいられることを、
    ……祈って、いるわ)


パタ パタ バタン



カチッ




75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/31(水) 00:52:16.58 ID:5nDATczV0
―数日後


まどか(あの夜、ほむらちゃんは急にいなくなってしまった)

まどか(私に言った『さよなら』以外は、何の言葉もないまま)

まどか(私達4人とも、何が起きたのかさっぱり分からなくて混乱したけれど)

まどか(もっと混乱したのはその後。私とさやかちゃんが契約しようとした時)

まどか(杏子ちゃんが猛反対したんだよね)

まどか(あの時は、本当大変だったなぁ。さやかちゃんと杏子ちゃんが睨み合って)

まどか(マミさんが仲裁に入ってくれなかったら、ケンカ別れしてたかも)




76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/31(水) 00:54:28.01 ID:5nDATczV0
杏子「で、もうそろそろ後悔しはじめてんじゃねーの? 男なんかの為に願ったこと」

さやか「まさか。もうすぐ恭介が退院するらしいからね。これからこれから」

杏子「そりゃ、これから後悔するって意味かい?」

さやか「違うっつーの。これから後悔どころか、楽しい事が待ってるって意味よ」

まどか「さやかちゃん、仁美ちゃんと一緒にデートの作戦練るんだよね?」

さやか「ちょっとまどか! そういう事コイツに言わないでよ!」

杏子「あー、はいはい。せーぜー潔く振られて来い」

さやか「誰が振られるもんか!」

まどか(詳しくは教えてくれなかったけれど、杏子ちゃんは誰かの為に願った事で、悲しい事があったみたい)

まどか(だからあんなに猛反対したし、今でも気にかけてくれてる)

まどか(ちょっと口は悪いけど)




77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/31(水) 00:56:54.02 ID:5nDATczV0
マミ「3人とも。お喋りはそのくらいにしときなさい?
   もうすぐ、暁美さんの言っていた時間になるわ。準備は出来てる?」

杏子「こっちはいつでも問題ないよ」

さやか「回復魔法は任せてくださいね、マミさん!」

マミ「本当、頼りにしてるからね? 美樹さん。
   その分、援護は任せてちょうだい!」

まどか(魂がソウルジェムから身体に戻してしまえば、どうしても戦いにおけるリスクは増えちゃう。
    それでも皆、私の魔法を受け入れてくれた。
    やっぱり、ゾンビみたいな状態は誰だって嫌だったんだ。
    だから、さやかちゃんの回復魔法はとても頼もしい命綱なんだよね)




79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/31(水) 01:01:20.57 ID:5nDATczV0
マミ「大丈夫。例えワルプルギスの夜が相手でも、この4人なら、勝てるわ」

杏子「よゆーよゆー」

まどか「私はちょっと、緊張してるかな……」

さやか「まーどーかー、こういう時は、嘘でも大丈夫って言いきらなきゃ!」

マミ「早く終わらせて、皆でお祝いのケーキを食べましょうね?」

まどか「はいっ!」

まどか(きっとこの4人で、ワルプルギスの夜を倒してみせる。
    そうしたら、他の町の魔法少女達に会いに行くんだ。
    彼女たちも知らされずにいる悲しい事実を、覆すために。
    私は魔法少女として、絶望を、希望に変えてみせる。
    だから、心配しないで見ててね、ほむらちゃん……)



おわり。




81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/31(水) 01:05:59.72 ID:5nDATczV0
短いですが、これで終わりです。
支援して下さった皆様、こんな初心者にありがとうございました。




82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/31(水) 01:07:25.22 ID:Dfh63WfN0
乙乙




83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/31(水) 01:23:19.90 ID:X6W2zUYB0
続きあるんだよな!?





87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/31(水) 01:40:46.29 ID:5nDATczV0
>>83
続きはないけど閑話なら。

―ハコの魔女との戦闘後

ほむら「もう紅茶は飲みたくない……」

マミ(ごめんなさい。平和的な魔法ってこれくらいしか使えなくて)

ほむら「拘束されるのはごめんだしね」

マミ(あの時はごめんなさいね。貴女の話をもっと聞いておけば良かった)

ほむら「いいのよ。魔法少女がどういうものか、分かって欲しかっただけだから」

マミ(暁美さん……ありがとう)


―翌日

ほむら「で、これは何なのかしら」

マミ(暁美さんへの感謝の気持ちを表したいって一生懸命魔法を使ってみたの)

ほむら「それで、紅茶40杯……で、ケーキが1つ
    (身が持たない……もうそろそろ見滝原に来なさいよ、佐倉杏子!)」

END




88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/31(水) 01:41:50.80 ID:YXzkERkz0
おつおつ
いい速さだった




89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/31(水) 01:55:28.64 ID:5lO9pIMSO
ほむら的には何も報われてないのが悲しい
ともあれ乙







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この記事へのコメント
  1. 名前: 通常のナナシ #K4hmh3UY: 2013/01/23(水) 17:11: :edit
    華麗なる1ゲット
  2. 名前: 通常のナナシ #-: 2013/01/23(水) 17:19: :edit
    巴さんのふとももにおにんにんはさみたいよぉ
  3. 名前: 通常のナナシ #-: 2013/01/23(水) 17:37: :edit
    魂が体に戻った後で魔女化したらどうなるんだろう。
    エイリアンみたいに体ブチ破って出てくるとか?
  4. 名前: あ #-: 2013/01/23(水) 18:13: :edit
    くぅー疲れました
  5. 名前: 通常のナナシ #-: 2013/01/23(水) 18:35: :edit
    確かに体なくなった場合どうなるんだろうな
    さやかの時とかジェムに意識あるのかね
  6. 名前: 通常の名無し #-: 2013/01/23(水) 18:37: :edit
    今思うと、名字が巴さんだから早死にしたんじゃね?武蔵さん的な意味で。
  7. 名前: 通常のナナシ #-: 2013/01/23(水) 19:51: :edit
    個人的な感覚だったら、石とゾンビに関してだけは
    戦闘要員にとってありがたいシステムだと思うんだがな。
    このSSでも出た様に、回復役が居ないと大変になるのを
    誰でも魔力で自己修復で賄えるんだし

    女性だから真実に過剰反応し易いんじゃないか?とか
  8. 名前: 通常のナナシ #-: 2013/01/23(水) 20:31: :edit
    ほむらって自由に時間戻せないんじゃないの?
  9. 名前: 通常のナナシ #-: 2013/01/23(水) 20:37: :edit
    ※3
    仮面ライダーウィザードのファントムみたいなもんだな
  10. 名前: 通常のナナシ #- #-: 2013/01/23(水) 23:17: :edit
    体に戻したら体積的な意味で魔女化のリミットが拡大したりするんだろうか

    あと、ジェムの強度と範囲には不満があるが別に魂の場所なんてそこまで気にする必要ないと思うがなあ
    魔術師キャラとかむしろ積極的に自分の魂分離したりするくらいだし
    まあ、そこらへんの潔癖さで絶望しやすいのも含めての少女狙いなんだろうけど
  11. 名前: 通常のナナシ #-: 2013/01/24(木) 01:54: :edit
    米6のせいで、おにんにんさんがガチホモにしか見えなくなった
  12. 名前: 通常のナナシ #-: 2013/01/24(木) 11:32: :edit
    本当のイミでのやおいな作品だよね
    文章がしっかりしてるから残念
  13. 名前: 通常のナナシ #-: 2013/01/25(金) 09:04: :edit
    マミさんマミマミ
  14. 名前: 通常のナナシ #-: 2013/01/28(月) 22:21: :edit
    ※8
    たぶんドアから出て行って制限時間まで身をひそめてるつもりなんだろ
  15. 名前: #: 2014/10/28(火) 12:23: :edit
    このコメントは管理者の承認待ちです
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