ほむら「私の中に、もう1人……!?」その1

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2012/06/02(土)
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 19:01:45.81 ID:DAD+ViGC0
ほむら「……また、駄目だった」

目が覚めたら、そこは“いつもの”病院。
私はベッドから上体を起こす。

……諦めない。
今度こそ私は、まどかを……

 『ほ、本当に戻っ……えっ……?あ、あれ……?どうして……?』

ほむら「!?」

何……?
突然、頭の中から声が……!?
テレパシーじゃない……これは……私の中に、誰か……!




4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 19:04:24.55 ID:DAD+ViGC0
 『か、体が動かない……!声も……なんで……!』

ほむら『どういうことなの……!あなた、私の頭に、どうして……!?』

 『ッ!?え、な、なに?何なの……?』

ほむら『あなたは何者……!?』

 『えっ……あ、あなたこそ……!私の体に、何をしたの……!
 どうして私、体が動かせないの……!あなたが、動かしてるの……!?』

ほむら「……!?“私の体”……!?あなた、何を……ッ!」

まさか……!

ほむら『あなた、名前は……?』

 『え……?』

ほむら『良いから、名前を教えて!』

 『っ!え、えっと……あ、暁美、ほむらです……』

ほむら「……そんな……」




6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 19:06:27.22 ID:DAD+ViGC0
メガほむ『そっ……そういうあなたは……!』

ほむら『……私も、暁美ほむらよ』

メガほむ『……え……』

ほむら「…………」

私以外の“私”が、同じ奇跡を望み、
そして契約した時間軸があった……そういうことかしらね。

……確かに、パラレルワールドは無限にあるんだもの。
私が契約した時間軸と似たような時間軸が複数あったとしても、おかしくはない。
でも、まさか……そのうちの2人が、こうして同じ時間軸に“戻ってくる”なんて……!

2人の暁美ほむらが戻ってこようとも、1つの時間軸に暁美ほむらの体は1つ。
だから、今の私の体には、2つの暁美ほむらの意識が……。




9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 19:08:38.12 ID:DAD+ViGC0
メガほむ『あ、あなた、何を……』

ほむら『あなた、時間を巻き戻して来たんでしょう?キュゥべえと契約して、得た力で』

メガほむ『っ……!ど、どうして、それを……』

ほむら『私も、あなたと同じだからよ』

メガほむ『えっ……えっ……?』

ほむら『……もしかしてあなた、時間を戻すのは……』

メガほむ『は……初めてです……』

ほむら『……やっぱり』

道理で、飲み込みが悪いと思ったわ。

ほむら『それじゃあ、私たちの身に何が起こったのか。今から説明するからよく聞きなさい』




10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 19:10:54.89 ID:DAD+ViGC0



メガほむ『そ、そんな……そんなことって……』

ほむら『考えられる原因はこれしかない。どれだけ信じがたくても、これが事実でしょうね』

メガほむ『ど……どうして、そんなに落ち着いていられるんですか……?』

ほむら『私だって戸惑っているわ。こんなこと、今までで初めてだもの』

メガほむ『今までで……?な、何回も、やり直してるんですか……?』

ほむら『……えぇ。少なくとも、あなたよりはずっと多く』

メガほむ『な……何回、くらい……』

ほむら『数えるのを、諦めるほど』

メガほむ『っ……!』





12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 19:13:32.00 ID:DAD+ViGC0
ほむら『でも、私は諦めない。このおかしな時間軸だって……諦めるつもりはない』

メガほむ『えっ……か、髪、ほどいちゃうんですか?』

ほむら『不服かしら』

メガほむ『い、いえ……。(こ、怖いよぅ……。この人、本当に私なの……?)』

ほむら「…………そう。なるほどね」

メガほむ『(っ!?も、もしかして、こっそり考えたことも全部……!)
     あ、あの……今のはその、別にあなたの悪口を言ったとかじゃ……!』

ほむら『見なさい……ソウルジェムが、2つあるわ』

メガほむ『へっ……?あ……ほ、ほんとだ……!』

ほむら「…………」

この体には、魂も2つ……というわけね。




13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 19:15:47.54 ID:DAD+ViGC0
ほむら『ところで……あなた?
    さっき、私の悪口がどうとか言ってたけどどういうことかしら』

メガほむ『えっ?あ、いや、その、な、なんでも……ないです……』

ほむら「…………」

……思考の共有はできないみたいね。
体は同じでも2つの意識は完全に分離したままと言うことかしら。

ほむら『……まぁ、良いわ』

メガほむ『えっ?あ、えっと、どこに行くんですか……?』

ほむら『まどかのところよ』

メガほむ『っ!か、鹿目さん……!』

ほむら『……嬉しそうね。でも会話はしないから、そのつもりで』




15 :もうメガネしてないから「弱ほむ」で:2012/05/23(水) 19:17:52.86 ID:DAD+ViGC0



ビル屋上

ほむら「見なさい。あれが私たちが行く学校で、あそこが配属されるクラスよ」

弱ほむ『……あれが……。それにしても、メガネなしで、あんなに遠くまで見えるなんて……』

ほむら「当然よ。魔法で視力は治せるもの。……居た」

弱ほむ『あっ……鹿目さんだ……!』

ほむら「……良かった」

見たところ、この時間軸ではまだまどかは契約してない。
ひとまず安心、と言ったところかしら。

ほむら「用は済んだわ。それじゃ、病院に戻るわよ」

弱ほむ『えっ、も、もう……?』




18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 19:19:57.55 ID:DAD+ViGC0



病院、夜

弱ほむ『……結局、今日1日私なんにもしてない……』

ほむら「仕方ないわ。いわゆる主人格が、あなたでなく私なんだから」

弱ほむ『でも、どうして……あなたも私も、同じ“私”なのに、あなたの方が……』

ほむら「さぁ。同じ魂なら、意志の強い方が優先されるんじゃないの?
    何度も繰り返した分、私の意志の方が強かったということね……なんて、想像に過ぎないけど」

弱ほむ『…………』

ほむら「まぁ、分からないことを考えても仕方ないわ。もう遅いし、寝ましょう」




19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 19:22:06.62 ID:DAD+ViGC0
弱ほむ『(……“私”、寝ちゃった。それでもまだ私は起きてる、って言うことは……。
     やっぱり、2人の意識は完全にバラバラなんだ……)』

ほむら「すぅ……すぅ……」

弱ほむ『(今日1日、この“私”が体を動かしてたけど……交代とかできないのかな……。
     もしかして、ずっと、このまま私は、何もできずに……?』

ほむら「すぅ……すぅ……」

弱ほむ『(そんな……せっかくキュゥべえと契約したのに、そんなのって酷い……。
     いやだ……私も、私だって、この体で、頑張りたい……!私だって……!)』

ほむら『ん……すぅ……すぅ……』

弱ほむ「…………え?」

あ、あれ?
私……もしかして……!




20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 19:25:04.79 ID:DAD+ViGC0



ほむら『(ん……朝、ね。……え?)』

弱ほむ「おはようございます!」

看護師「あらぁ、ほむらちゃん今朝は元気ねぇ。やっぱり退院が近いから?」

弱ほむ「えへへ……まぁ、そんなところです」

看護師「あら?ほむらちゃん、メガネしなくて大丈夫?あ、もしかしてコンタクトにしたの?」

弱ほむ「あ、はい。そうです!」

ほむら『ちょ、ちょっとあなた!?どうして……!』

弱ほむ『あ、おはようございます!』

ほむら『いや、おはようございますじゃ……!』




22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 19:27:40.94 ID:DAD+ViGC0



弱ほむ「……というわけなんです」

ほむら『まぁ……当然と言えば当然ね。全く同じ魂だもの、入れ替われないと考える方がおかしいわ』

弱ほむ「これで、私も頑張れますね!」

ほむら『……そうね。こんなおかしな状況だけど、せっかくなら最大限に利用しましょう。
    適当に入れ替わって、お互いに協力し合えば今度こそ……」

弱ほむ「はい!2人で、鹿目さんを、守りましょう……!」

ほむら『そう言えば……入れ替わるにはどちらかが寝てないと駄目なのかしら?』

メガほむ「え……?うーん……どうなんでしょう?」

ほむら『試しに今、替わってみましょうか』

弱ほむ「えっ……で、でもせっかく……」

ほむら『安心して。そのまま乗っ取ったりなんかしないわ』

弱ほむ「は……はい……。それじゃ……えい!」




25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 19:31:01.63 ID:DAD+ViGC0
ほむら「…………。私たちの意志次第で、自由に入れ替われるみたいね」

弱ほむ『ほんとだ……』

ほむら「それじゃ、確認も済んだし……また入れ替わりましょうか」

弱ほむ『え……また私に……?良いんですか……?』

ほむら「えぇ、もちろん。……」

ほむら『……ふぅ』

弱ほむ「……!え、えっと……」

ほむら『むしろ、私はこれからあなた主体で行ってもらうつもりよ。
    もちろん常に助言はするし、どうしても必要な時は私に交代してもらうけれど』

弱ほむ「……どうして……」

ほむら『あなたも……まどかを守りたいんでしょう?』

弱ほむ「あ……は、はい!ありがとう、ございます……!」




27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 19:34:47.93 ID:DAD+ViGC0
弱ほむ「鹿目さんを、守る……。早く一緒に戦いたいな……魔法少女の鹿目さんと……えへへ」

ほむら『(……!そうか、この“私”はまだ……!)』

弱ほむ「今度は私の方が先に魔法少女になってるんだし、先輩として、鹿目さんを……」

ほむら『駄目よ』

弱ほむ「えっ……?」

ほむら『まどかを魔法少女にさせるなんて、絶対に駄目。
    いえ……そもそも、あの子に契約させないことが、私の目標』

弱ほむ「っ……!?ど、どうして……!?」

ほむら『……あなたは、知っておくべきね。魔法少女の真実を』

弱ほむ「魔法少女の……真実……?」




29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 19:39:00.73 ID:DAD+ViGC0



弱ほむ「う……うそ、ですよね……?」

ほむら『全て事実よ』

弱ほむ「そん、な……そんなことって……。っ!じゃ、じゃあ、巴さんも……!?」

ほむら『えぇ……。魔法少女はみんな、例外なく同じ運命を背負ってる』

弱ほむ「と、巴さん、止めなきゃっ……!魔法少女に、ならないように……」

ほむら『無駄よ。聞いていないの?巴マミが契約した理由……。彼女はもう……手遅れ』

弱ほむ「ッ……じゃあ、せめてこの話だけでも……」

ほむら『それもやめておきなさい。下手にこの真実を知られると……厄介なことになりかねない。
    今はまだ話すべきじゃないわ。いえ……
    むしろ、ずっと知らないままで居た方が幸せかもしれない』




30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 19:41:44.90 ID:DAD+ViGC0
弱ほむ「もう、遅いの……?みんな、救えないの……?」

ほむら『魔法少女になった時点で、変わってしまった運命は変えられない。
    でも……まどかの運命は変えることができる』

弱ほむ「っ……!」

ほむら『これで分かったでしょう?
    まどかを守るということは、あの子と一緒に戦うことじゃない。
    あの子を戦わせないこと。決して魔法少女にさせないこと。
    キュゥべえから守ること。……良いわね?』

弱ほむ「……はい……!」

ほむら『(……良かった。この子は魔法少女の真実を知っても、悲観に暮れたりなんかしない。
    自分で言うのもなんだけど……安心したわ。この“私”の決心も固いのね)』




33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 19:44:41.86 ID:DAD+ViGC0



和子「はい、それから。今日はみなさんに、転校生を紹介します!暁美さん、いらしゃい?」

弱ほむ「はい……!」

さやか「おわっ、すっげー美人……」

まどか「……えっ?あの子……」

和子「はぁい、それじゃ自己紹介いってみよう!」

弱ほむ「暁美ほむらです、よろしくお願いします!」

クラスをぐるりと見渡す。
鹿目さんは……居た!
前とおんなじ席だ!

まどか「……?」




35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 19:48:01.59 ID:DAD+ViGC0
弱ほむ「っ……」

鹿目さんだ……生きてる、鹿目さんだ……!
元気な鹿目さん……鹿目さんだぁ……!

和子「暁美さんはずっと、心臓の病気で……え?」

ほむら『ちょ、ちょっと、あなた……!』

弱ほむ「鹿目さん!」

まどか「へっ?」

弱ほむ「わ、私、私……!これから、よろしくね!鹿目さん!」

まどか「えっ、あ、えっと……う、うん……よろしく、ね……?」

さやか「……?」

ほむら『(やってしまった……)』




37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 19:52:05.14 ID:DAD+ViGC0



女生徒1「ねぇねぇ、暁美さんって、前はどんな学校に通ってたの?」

女生徒2「鹿目さんと知り合いだったの?住んでる場所が近かったとか?」

弱ほむ「え、えっと、それは、その……」

弱ほむ『ど、どうしよう……』

ほむら『あなたが撒いた種よ。自分でなんとかするのね』

弱ほむ『そんなぁ……くすん』

ほむら『(……まぁ、こうなることを予測しきれなかった私にも責任はあるかしら。
    それに、実際私も似たようなことをしてしまったのだし……)』

女生徒3「ねぇねぇ暁美さん!」

弱ほむ「え、えっと、あの、その……」

ほむら『……仕方ないわね。それじゃあ、こうしなさい……』




41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 19:54:47.60 ID:DAD+ViGC0
弱ほむ『……は、はい……!』

女生徒1「……暁美さん……?」

弱ほむ「ご……ごめんなさい、ちょっと、緊張しすぎたみたいで、気分が……。
    ほ、保健室に、行かせてください……」

女生徒2「あ、それじゃあ私が連れてってあげるよ!」

女生徒3「あたしもあたしもー!」

弱ほむ「い、いえ!係りの人にお願いしますから、お構いなく……!」

まどか「……えっ?」

弱ほむ「か、鹿目さん!保健室に、連れて行ってください……!」

まどか「……?う、うん」




44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 19:57:44.83 ID:DAD+ViGC0



まどか「…………」

弱ほむ「…………」

まどか「…………」

弱ほむ「…………」

まどか「……暁美さん?」

弱ほむ「ひゃ、ひゃい!」

まどか「っ!?」

ほむら『……なんて声を出してるのよ、あなた』

弱ほむ『ご……ごめんなさい。いざ2人きりになると、緊張しちゃって……』

弱ほむ「あ、あのあの、えっと……」

まどか「……ぷっ、あははは!もう、そんなに緊張しなくて良いよぉ」




46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 20:01:01.31 ID:DAD+ViGC0
ほむら『……!』

弱ほむ「えっ、あ、あの……う、うん……!」

まどか「……なんて、ごめんね。本当はね、わたしの方もちょっと緊張してたんだ」

弱ほむ「え?そ、そうなの?」

まどか「うん……それに、ちょっと不思議で……。ねぇ、暁美さん?
    わたしたちって、どこかで会ったこと、あるかな?」

弱ほむ「えっ……」

まどか「どうして、さっき……?」

弱ほむ「あの、えっと……それは……」

ほむら『(これを上手くごまかす言い訳なんてあるのかしら……)』

まどか「……暁美さん……?」

弱ほむ「え、えっと……!か、鹿目さんと!お、お友達に、なりたいなぁ……なんて……」




48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 20:04:01.78 ID:DAD+ViGC0
まどか「……そう、なの?どうして、わたしなんかと……?」

弱ほむ「えっ、ど、どうして、って……。……か、鹿目さん、優しそうだったから!」

まどか「…………」

弱ほむ「あ、あの……」

ほむら『……やっぱり少し、無理があったようね』

弱ほむ『そんなぁ……』

弱ほむ「え、えっと、だからね、その……」

まどか「……ありがとう、すっごく、嬉しい……!」

弱ほむ「え……?」

まどか「わたしね、初めてなんだ。初対面の子に、そんな……
    お友達になりたいなんて、言ってもらえたの……」

ほむら『……まどか……』




54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 20:06:59.59 ID:DAD+ViGC0
まどか「わたしってね……あんまり、自分に自信がなかったの。
    どんくさいし、運動も勉強も得意じゃないから……」

弱ほむ「鹿目さん……」

まどか「だからね、すごく嬉しいんだ。暁美さんみたいな美人さんが、
     こんな、何の取り得もないわたしなんかに……」

弱ほむ「そ、そんなことないよ!」

まどか「えっ……?」

弱ほむ「鹿目さんは、とっても優しくて、かっこよくて……か、可愛くて……!
    それに、鹿目さんは、私を……!」

まどか「……?わたしが、暁美さんを……?」

弱ほむ「あっ……え、えっと、とにかく……そんな、自分のこと、そんな風に、言わないで……」

まどか「……うん、わかった。ごめんね、暗くなっちゃって!ありがとう、ほむらちゃん!」

弱ほむ「……!」




56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 20:09:39.76 ID:DAD+ViGC0
まどか「あ、ごめんね……もしかして、名前で呼ばれるのイヤだったかな……?」

弱ほむ「そっ、そんなこと、ないです!」

まどか「そっか、良かった……。わたしね、実はさっきからずっと、
    ほむらちゃんのこと名前で呼びたいなぁって思ってたんだ!」

弱ほむ「え……ど、どうして……?」

まどか「えへへ、なんとなくなんだけどね、素敵な名前だなーって。
    燃え上がれーって感じで、カッコイイと思わない?」

ほむら『ッ……』

弱ほむ「……!」




58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 20:11:57.60 ID:DAD+ViGC0
まどか「……ほむらちゃん?」

弱ほむ「あっ……ご、ごめんなさい。ちょっと、その……嬉しくって……
    そんなこと言ってくれたの、鹿目さんが、初めてだったから……。
    私……がんばって、この名前みたいにかっこよくなるね!」

まどか「えへへ。うん、がんばってね!ほむらちゃん!あ、そうだ……」

弱ほむ「?」

まどか「あのね、もし良かったら、わたしのことも“まどか”って呼んで欲しいな、って」

弱ほむ「え、で、でも……その……。な、慣れたら、で、良い……?」

まどか「……そっか、わかったよ!それじゃ、ほむらちゃんが名前で呼んでくれるの、待ってるね!」

弱ほむ「う……うん!」




62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 20:15:57.92 ID:DAD+ViGC0
保健室

ほむら『本当に休むつもりなんてなかったんだけど……
    まぁ、案内されてしまったものは仕方ないわね』

弱ほむ『えへへ……』

ほむら『……?随分機嫌が良さそうね』

弱ほむ『だって……鹿目さんと、いっぱいお喋りしちゃいました』

ほむら『……あなたには確か、まどかと必要以上に親しくするのは良くないって言っておいたはずだけど』

弱ほむ『あっ……ご、ごめんなさい……』

ほむら『いいえ、良いの。前言ったこと、訂正するわ。
    今回のことで、私も少し認識を変える必要があることに気付けたから』




65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 20:18:23.31 ID:DAD+ViGC0
弱ほむ『え……?それって、どういう……』

ほむら『まどかが契約してしまう理由には、あの子の自信のなさが前提としてある。
    でも今は……自分を慕ってくれる人が居ることで、あの子は少し自信を持てたみたい』

弱ほむ『慕ってくれる、人……』

ほむら『あなたのおかげよ。あなたが、この時間軸のまどかの心を……少しとは言え、救ったの』

弱ほむ『わ、私が、鹿目さんを……!』

ほむら『今まではまどかと出来るだけ距離を置くようにしていたけれど、今回は逆の方法を試しましょう。
    あなたなら……それができるはずだから』

弱ほむ『は……はい!』




69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 20:22:17.89 ID:DAD+ViGC0



さやか「お、帰ってきた。お帰りー」

まどか「うん、ただいま!」

さやか「んー?どうした、まどかー。にやにやしちゃって」

まどか「へっ?や、やだ、わたし、そんな顔してた?」

さやか「うん、なんかすっげー嬉しそうな顔。転校生と何か面白い話でもしたの?」

仁美「そんな幸せそうな顔をするなんて、
    あの短時間に2人の間に一体何が……はっ!まさか……!」

さやか「いや、何考えてんのか大体わかるけどそりゃねーわ流石に。
    で?何があったの?別に内緒の話ってんなら言わなくても良いけどさ」

まどか「あ、えっとね……ほ、ほむらちゃんに、友達になって欲しいって、お願いされちゃった……」




73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 20:25:59.11 ID:DAD+ViGC0
さやか「へぇ~……って、あんたあの子と知り合いじゃなかったの!?」

まどか「う、うん。初対面」

仁美「今朝のあの方の様子から、てっきりまどかさんとは既にお知り合いなのかと……」

さやか「まどかが忘れてるだけじゃないのー?」

まどか「そんなはずは……そうなのかな?」

さやか「もし本当に初対面だったら相当変わってる子だよね、その子。
    変な子に目ぇ付けられちゃったね、あははっ!」

まどか「そ、そんなことないよぉ!ほむらちゃん、とっても良い子そうだもん!」

さやか「ふーん。まー、あたしも悪い子とは思っちゃいないけどさ」

仁美「はっ……もしかしてやっぱり、まどかさんに一目惚れ……!」

さやか「いや、だからそりゃねーわ流石に」




76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 20:29:24.71 ID:DAD+ViGC0
昼休み

ほむら『さぁ、行きなさい』

弱ほむ『は、はい……!』

弱ほむ「あ、あの、鹿目さん!」

まどか「ほむらちゃん。どうしたの?」

弱ほむ「そ、その!良かったら、一緒にお昼を……」

さやか「まーどかー!屋上行こー!」

弱ほむ「っ!」

さやか「ん?転校生の……どうした?また何かまどかに用事?」

弱ほむ「え、えっと、その、あの……」




79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 20:33:36.41 ID:DAD+ViGC0
ほむら『何を戸惑っているの。美樹さやかはまどかの親友。居て当たり前でしょう?』

弱ほむ『だ、だって……私、美樹さんとあんまり話したことない……』

さやか「……?用がないんなら行っちゃうよ?
    ほらまどか、行こっ!あたしお腹空いちゃったよー」

まどか「えっ?で、でも……」

弱ほむ「……ごめんなさい。なんでも、ないです……」

ほむら『……あなたって子は』

まどか「……ねぇ、ほむらちゃん!良かったら、一緒にお昼ご飯食べない?」

ほむら『!』

弱ほむ「えっ……い、良いの……?」

まどか「もっちろん!ね、良いでしょ?さやかちゃん」

さやか「へっ?うん、別に良いけど」




84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 20:42:53.24 ID:DAD+ViGC0



さやか「なぁーんだもう!暁美さんも一緒にご飯食べたかったんならそう言えば良いのに!」

弱ほむ「え、っと……ご、ごめんなさい……」

さやか「っと、そっか。そういやあんた、まどかと友達になったんだった。
    暁美さんも一緒に誘ってあげりゃ良かったのよね。
    気付かなかったあたしも悪かったわ、ごめんごめん!」

弱ほむ「あ、いえ……」

さやか「……なんかさー。あたしへの態度だけ、まどかと違わない?
    ものすごーく壁を感じるんですけど?」

弱ほむ「えっ、あ、いや、そ、そんなつもりじゃ……!」

さやか「ふむ……やっぱあれ?まどかが忘れてるだけで、実は本当に知り合いだったとか?」

弱ほむ「いえ、そういう、わけじゃ……」

さやか「?知り合いじゃなかったんだ。なのに今朝はまどかに一直線に?
    暁美さーん……あんた、人から変わってるって言われない?」




87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 20:48:14.29 ID:DAD+ViGC0
弱ほむ「あ、あの、その……」

まどか「さやかちゃん、もうそのくらいで……」

さやか「だーってさ、いきなりかましてくれちゃってるんだもん!
    ただでさえ美人なのに、初っ端からあんな挨拶!目立ちまくりったらありゃしない!」

弱ほむ「び、美人……!?そ、そんな……」

さやか「仁美じゃないけど、まさかマジでまどかが運命の人だなんて言うんじゃないでしょうねー!
    暁美ほむらと鹿目まどかは、前世では恋人同士だったのだ……なんて!
    くーっ!転校初日からキャラ立ちしてくるとは、なかなかやるじゃん、転校生!」

弱ほむ「?……?あ、ありがとう、ございます……?」

ほむら『面倒くさい……』

さやか「あ、っと。いっけない!あたし、昼休み先生に用事頼まれてるんだった!
    それじゃあたし先に戻ってるね!じゃあね、まどか、ほむら!」

弱ほむ「えっ……?」




91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 20:52:49.27 ID:DAD+ViGC0
さやか「むっ?何よその顔ー。まどかは良いのに、あたしには名前で呼ばれたくないっての?」

弱ほむ「あ、いや、そういうわけじゃ……ちょっと、びっくりしちゃって……」

さやか「友達の友達は友達!でしょ?それじゃ改めて、じゃあね、ほむら!」

弱ほむ「あ……う、うん。じゃあね……」

まどか「……さやかちゃん……なんだかいつもより賑やかだったような……」

弱ほむ「……ふぅ」

まどか「ごめんね。ほむらちゃん、退院したばっかりなのに騒がしくしちゃって。疲れちゃった?」

弱ほむ「あ、ううん……大丈夫。ちょっと、こんなに賑やかだったの、久し振りだったから……。
    ……でも、楽しかったかも。美樹さんって、面白い人だね」

まどか「えへへ、今日は特に、お友達が増えてはしゃいじゃってるのかも」

弱ほむ「……そうなんだ、お友達、か……えへへ」

ほむら『(……美樹さやかと、友達、か……)』




96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 20:56:35.24 ID:DAD+ViGC0
放課後

まどか「ほむらちゃーん、一緒に帰ろう?」

弱ほむ「あ……うん!」

さやか「たーだーし、寄り道してもらうよ?良い喫茶店があるんだ!」

まどか「それに、仁美ちゃんも一緒にお喋りしたいしね」

弱ほむ「あ……志筑さん……」

仁美「初めてお話しますわね、暁美さん?これから、よろしくお願い致しますわ」

弱ほむ「は、はい……よろしく、お願い致します……」

さやか「あははは!ほむらまで丁寧口調になってるよー!」

まどか「さやかちゃん、あんまり笑っちゃ駄目だよっ」

仁美「そうですわよ、さやかさん。暁美さん?あまり気になさらないでくださいね?」

弱ほむ「は、はい……」





100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 21:00:57.47 ID:DAD+ViGC0



まどか「……それでね、その時さやかちゃんったら……」

弱ほむ「ふふっ……美樹さんって、面白い方なんですね……」

仁美「でしょう?ふふっ」

さやか「なによ2人して。もしかして、馬鹿にしてるでしょー?」

弱ほむ「あっ、ううん、そんなこと……」

ほむら『……お喋りも良いけど、まどかの様子には注意して』

弱ほむ『は、はいっ?』

ほむら『早ければ、そろそろよ……あいつが、キュゥべえが、まどかに接触してくる』

弱ほむ『あっ……!そ、そうですね……!』

ほむら『こうして一般人が周りに居るうちは安心だけど、
    まどかが人気のない場所に行かないように、注意して』

弱ほむ『わかりました……!』




105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 21:04:50.80 ID:DAD+ViGC0



まどか「それじゃ、仁美ちゃんまたねー」

さやか「お稽古、がんばってくれたまえー」

仁美「えぇ、それではみなさん、ごきげんよう」

ほむら「ご、ごきげんよう……」

さやか「あはっ、またお嬢様口調になってる!」

まどか「もう、さやかちゃ……」

 【助けて……】

まどか「えっ……?」

さやか「まどか?どうしたの?」

まどか「さ、さやかちゃん、今何か……」

 【助けて……!】




113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 21:09:33.51 ID:DAD+ViGC0
まどか「ほ、ほらまた!」

ほむら『ッ……!』

弱ほむ『鹿目さん……これって、もしかして……!』

さやか「だ、だからぁ、何がどうしたってのよ?」

まどか「誰か、呼んでる……助けてって……!」

ほむら『助けを……!?使い魔に襲われたふりでもして、結界に誘い込む気ね……!
    キュゥべえ、卑怯な真似を……!』

弱ほむ『ど、どうすれば……!』

ほむら『まどかを止めて!どんな手を使っても良い、
    今はとにかく、まどかを引き止めることが最優先……!』




122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 21:16:20.51 ID:DAD+ViGC0
弱ほむ『鹿目さんを止める……でも、どうやって……そ、そうだ……!』

まどか「わ、私、行かなきゃ!」

さやか「何言ってんのよ、あたしには何にも聞こえないよ!気のせいじゃないの?」

まどか「そ、そんなはず……だって、さっきからずっと……!」

弱ほむ「た、助けて……!くっ……苦しいっ……!」

まどか「えっ……!?」

まどか「ほ、ほむらちゃん!?」

弱ほむ「あっ……ぅ……い、痛いっ……痛いっ……!」




134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 21:24:59.73 ID:DAD+ViGC0
ほむら『……!あなた、まさか……!……考えたわね』

さやか「ちょ、ちょっと!?どうしたの!?胸なんか押さえて……!」

まどか「も、もしかして、心臓の病気が……!?」

弱ほむ「苦しいよぉ……痛い、よぉ……!」

さやか「あ、あわわわわ……!ま、まどか!救急車!救急車呼んで!」

まどか「え、あっ、うん!」

弱ほむ「あっ……だ、大丈夫、治った、から……。ちょっとした発作が……」

まどか「だ、大丈夫なわけないよ!あんなに苦しんでたのに!」

弱ほむ「あ、いえ……よくあることだから、大丈夫……」

さやか「余計大丈夫じゃないよ!」




137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 21:30:23.03 ID:DAD+ViGC0
弱ほむ「あの、本当にもう……」

まどか「じゃあせめて、病院で診てもらおうよ!大丈夫?歩ける?」

さやか「ほら、肩貸してやるから。掴まって!」

弱ほむ「あ、そんな……!1人で歩けますから……!」

さやか「遠慮すんなって!よい、っしょっと。ほら、行くよ!」

弱ほむ「あ、ありがとう、ございます……」

弱ほむ『……これで、良かったんですよね?』

ほむら『まさか、演技をしてまどかを引き止めるなんて……。
    確かに目の前で友達が苦しんでいれば、そちらを優先するでしょうね。
    あなた……見かけによらず計算高いのね』

弱ほむ『そ、そこまで考えてたわけじゃ……!それに、あなたも人のことは……』

ほむら『……そうね。あなたは、私だものね。
    それにしても流石、つい最近まで入院してただけあってリアリティがあったわ』

弱ほむ『最近まで入院してたのはあなたも同じじゃ……』

ほむら『体感時間の差よ。もう、発作の苦しみなんて忘れてしまったもの』




139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 21:33:31.28 ID:DAD+ViGC0



マミ「もう、キュゥべえ?気をつけなきゃ駄目でしょ?
  結界に飲み込まれるなんて、私が通りかからなかったらどうなってたか……」

QB「ごめんね、マミ。でもまさか君に助けられるなんて、思ってもみなかったよ」

マミ「当然でしょう?すごく探したんだから。友達が居なくなったら心配するもの」

QB「そうか、ありがとう」

マミ「ふふっ、どういたしまして」

QB「……それより、マミ。1つ報告しておきたいことがあるんだ」

マミ「あら、なぁに?突然改まって」

QB「新しい魔法少女候補の話さ」




142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 21:38:16.32 ID:DAD+ViGC0
ほむホーム

ほむら『今日はお疲れ様。どうだった?久し振りの学校は』

弱ほむ「あ、はい……あの……すごく、楽しかったです。
    その……鹿目さんや、美樹さん、志筑さんとも、お友達になれて……。
    まさか、あんなに一度に、友達ができるなんて……」

ほむら『……そう言えば、言っておかないといけないことがあるわ』

弱ほむ「……?』

ほむら『美樹さやかも、魔法少女の素質を持っている』

弱ほむ「えっ……!じゃ、じゃあ、美樹さんも魔法少女に……!?」

ほむら『放っておけば、高い確率で。そして高い確率で……あの子は魔女化する』




144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 21:43:17.84 ID:DAD+ViGC0
弱ほむ「っ……美樹さんが、魔女に……!?そんな……だったら、絶対止めないと……!」

ほむら『えぇ。あの子を魔法少女にするわけにはいかないわ。私たちの目的の障害になる』

弱ほむ「……障、害……?」

ほむら『美樹さやかを元の人間に戻すために、まどかが契約してしまうのよ。
    だから、まどかを救うためには、その障害を取り除かなければならない』

弱ほむ「……っ」

ほむら『美樹さやかと親しくなったのは正解かもね。
    そうすれば、あの子の監視もずっとやりやすくなる』

弱ほむ「……そう、ですね。友達になれば、監視をしやすく……」




148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 21:47:11.61 ID:DAD+ViGC0
学校、昼休み

さやか「さー、お昼だお昼だー!」

まどか「あはは、さやかちゃんってば。授業中、お腹ぐーぐー鳴ってたもんね」

さやか「げっ!聞こえてた?ま、まさかほむらのとこまでは聞こえてないよねー……?」

弱ほむ「あ、あの……聞こえてました」

さやか「がーん!それって教室中に響き渡ってたってことじゃん!なんで教えてくれなかったのよー!」

まどか「だって、さやかちゃん寝てたし……」

さやか「あたしって、ほんとバカ……」

女生徒「ねぇ、鹿目さんと美樹さん。なんか3年生の先輩が呼んでるよ?」

まどか「へっ?3年生の先輩?」

さやか「なんだろ?」

弱ほむ「……もしかして……!」

ほむら『っ……キュゥべえ、余計なことを……』




151 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 21:51:10.82 ID:DAD+ViGC0
マミ「こんにちは、鹿目まどかさんに、美樹さやかさんね?」

ほむら『(……やっぱり)』

まどか「は、はい。そうですけど……」

さやか「えっと……まどか、知り合い?」

マミ「あら、ごめんなさい。自己紹介がまだだったわね。私は3年生の、」

弱ほむ「巴さんっ……!」

マミ「えっ?」

ほむら『ッ……あなた、また……!』

弱ほむ「あっ……」




153 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 21:54:43.68 ID:DAD+ViGC0
まどか「なんだ、ほむらちゃんの知り合いだったんだね」

弱ほむ「え、えっと……」

マミ「……ごめんなさい、どこかで会ったかしら……?」

さやか「ま……まさか、またまどかの時みたいに……!どこまでキャラ立てすりゃ気が済むのよ!」

マミ「……?」

さやか「あー、ごめんなさい。この子ちょっと変わってて、
    初対面の人には大体こうなんで……あんまり気にしないでください」

まどか「それより、話って言うのは……?」

マミ「あぁ、そうだったわね。えっと、あなたは……」

弱ほむ「あ、暁美、ほむらです」

マミ「暁美さんね。ごめんなさい……鹿目さんと美樹さんと、3人で話がしたいの。
   ちょっとだけ2人を借りても良い?」

弱ほむ【……もしかして、魔法少女の話ですか……?】

マミ「っ!?」




154 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 21:59:00.12 ID:DAD+ViGC0
マミ「あなた……!」

弱ほむ【わ、私は、2人を巻きこむのは反対です……!】

マミ「……!」

まどか「……あの……?」

さやか「先輩?」

マミ「……ごめんなさい。私から訪ねておいて申しわけないんだけど……
  私、暁美さんと大事なお話があるんだったわ」

まどか「へっ?」

マミ「それじゃ、突然ごめんなさいね。……さ、行きましょう」

弱ほむ「その……ふ、2人ともごめんね!ま、また後で……!」

まどか「な……なんだったんだろ?」

さやか「……あの先輩も変な人なのかなぁ?」




158 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 22:02:20.66 ID:DAD+ViGC0



マミ「……まさか、同じ中学に魔法少女が転校してきたなんてね……。
   キュゥべえったら、どうせならそっちの方を教えてくれれば良かったのに」

弱ほむ「…………」

マミ「?なぁに?私の顔じっと見て……」

弱ほむ「あ、いえ……なんでもないです」

巴さんだ……元気なままの、巴さんだ……。
前と一緒の、優しそうな、巴さんだ……。

弱ほむ「……えへへ……」

マミ(……美樹さんの言う通り、変わった子みたいね)

ほむら『(私って、こんなに駄目な子だったかしら……)』




161 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 22:06:07.62 ID:DAD+ViGC0
マミ「ところで……どうして私のことを知ってたの?
   私の名前もだけど、どうして魔法少女だって……」

弱ほむ「あ、その、えっと……」

ほむら『(……当然、そう来るわよね)』

弱ほむ「キュ……キュゥべえから聞いたんです!」

マミ「あら、そうなの?暁美さんには私のことを教えといて、私には何も言ってくれないなんて……」

弱ほむ「あ、え、えーっと!どうだったかな……!もしかしたら、前の町で噂を聞いたのかも……」

マミ「うーん……噂になるようなことはしてないつもりだけどな……」

弱ほむ「あ、あのあの、えっと……」

マミ「……まぁ良いわ。どこかで聞いたけど思い出せないなんて、よくあることだものね」

弱ほむ「あ、は、はい……」

マミ「……それで?あなたはこれからどうする気?」




164 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 22:10:21.95 ID:DAD+ViGC0
弱ほむ「ど、どうすると言うのは……?」

マミ「……この町の縄張りを私から奪うつもりなのかどうか、そう訊いてるの」

弱ほむ「っ……!」

ほむら『……相変わらず、敵意剥き出しね。まぁ、仕方ないことだけど……』

弱ほむ「そっ、そんな……違います!私は、巴さんと一緒に……」

マミ「……一緒に?」

弱ほむ「い、一緒に、戦いたい……と……思ってます……!」

マミ「……!……本当に……!?」

弱ほむ「だ、駄目、ですか……?やっぱり、私なんかじゃ……」

マミ「……駄目なんかじゃない。すごく、嬉しい……!」

ほむら『……!』

弱ほむ「じゃ、じゃあ……!」

マミ「もちろん、大歓迎よ!これからよろしくね、暁美さん!」

弱ほむ「……!は、はい!」

ほむら『(こんなに、あっさり……)』




168 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 22:16:45.04 ID:DAD+ViGC0



マミ「それじゃ、暁美さん。また放課後ね」

弱ほむ「は、はい……」

ほむら『まさかこうも簡単に、巴マミと協力関係になるなんて。
    あの時、キュゥべえを攻撃しなかったのが良かったみたいね』

弱ほむ「そう、なんですか……?」

ほむら『えぇ、今まではキュゥべえの阻止を最優先に考えていたから……。
    そのおかげで、あいつと仲の良い巴マミとの関係は、あまり良好じゃなかったわ』

弱ほむ「でも、今回は巴さんとコンビになれました……!」

ほむら『そうね。これで、ワルプルギスの夜に向けての戦力を1つ確保できた』

弱ほむ「……!」

ほむら『……どうかした?』

弱ほむ「あの……巴さん……“戦力”、なんですか……?」

ほむら『……?どういう意味かしら』

弱ほむ「……いえ、なんでも、ないです……」




170 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 22:20:24.90 ID:DAD+ViGC0
放課後、下校中

さやか「それにしても、昼間の先輩、なんだったんだろうねー」

まどか「うーん……わかんない……」

さやか「ほむらは何の話してたか教えてくれないし、今日も用事があるって先に帰っちゃうしさ……」

 「彼女たちのことがそんなに気になるかい?」

さやか「へっ?まどか、今何か言った?」

まどか「わ、わたしじゃないよ。どこからか、声が……」

 「ここだよ、ここ」

まどか「……!さやかちゃん、あそこ!」

さやか「な、なに……?白い……ぬいぐるみ?」

QB「初めまして、僕の名前はキュゥべえ!」




175 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 22:23:35.21 ID:DAD+ViGC0
まどか「ぬ、ぬいぐるみが喋った……!?」

さやか「きもっ!」

QB「酷い言われようだなぁ。それに、僕はぬいぐるみなんかじゃないよ。れっきとした生き物だ」

まどか「ね、ねぇ、さやかちゃん……これ、夢じゃないよね……?」

さやか「う、うん……たぶん……」

QB「紛れもない現実だよ。僕は君たちにお願いがあってきたんだ」

まどか「お、お願い……?」

QB「僕と契約して、魔法少女に」

弱ほむ「そ、その必要はありません!」

まどか「っ!ほむらちゃん!?」

マミ「もう、キュゥべえ?そういうのはあまり関心しないな」

さやか「それに、昼間の先輩まで……どういうこと……!?」




178 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 22:26:57.35 ID:DAD+ViGC0
QB「そう言われても、マミ。素質を持つ子を勧誘するのが僕の務めだよ」

マミ「でも、この町にはもう2人も魔法少女が居るのよ?
   これ以上無理に増やす必要なんて無いと思わない?
   まぁ……この子たちに、どうしても叶えたい願い事があるというのなら話は別だけど……」

さやか「あ、あの、すみません!ちょっとあたしたち混乱しちゃってるんですけど……」

マミ「あ、ごめんなさい。そうね……ここまできて何も話さないっていうのも、
  隠し事してるみたいであまり良い気分じゃないし……。
  説明だけでもしてあげた方が良いかしら。暁美さん、どう思う?」

弱ほむ『ど、どうしましょう……?』

ほむら『……ここでごまかしても、いずれはキュゥべえによって全て話されるでしょう』




180 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 22:31:58.57 ID:DAD+ViGC0
ほむら『それならむしろ、あいつが余計なことを言い出す前に私たちの口から説明してしまった方が……』

弱ほむ「……そう、ですね。それじゃ、説明だけ……」

マミ「決まりね。ねぇ、2人とも」

まどか「は、はいっ」

マミ「ここで立ち話って言うのもなんだし、今から私の家に来ない?
   美味しいお茶とケーキでも食べながら、ね?」

さやか「……まどか、行こ」

まどか「う……うん」

弱ほむ「…………」

QB(……暁美ほむら……この子は一体……?)




184 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 22:38:16.70 ID:DAD+ViGC0



マミ「どうぞ、召し上がれ」

さやか「わ……すごく美味しい……!」

まどか「紅茶も、ケーキも、美味しいです……!」

マミ「そう、良かった。……それじゃ、早速本題に入っても良い?」

まどか「っ……は、はい」

マミ「一応確認するけど……あなたたち、この子の姿が見えるのよね?」

QB「彼女たちには素質があるって昨日言ったじゃないか。僕を疑っているのかい?」

マミ「ごめんね、一応ね」

まどか「あの……はい、見えてます」

さやか「でも、見えてるからって、それが……?」

マミ「……それじゃ、説明するわね。“魔法少女”について」




186 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 22:44:11.34 ID:DAD+ViGC0



マミ「……信じてもらえたかしら?」

まどか「……えっと……」

さやか「……正直、あんまり実感ないって言うか……」

QB「でも、現に君たちの理解を超えた存在がこうして目の前に居るじゃないか。
  僕の姿を目の当たりにしても、まだ信じられないというのかい?」

まどか「そ、それは……」

マミ「まぁ……仕方ないわね。
  魔女なんか今まで見たこともないのに、そんなのが周りに居るなんて言われても……」

弱ほむ「……信じられないのなら、信じないままでも良いの。
    だって、私はあなたたちには、契約なんてして欲しくないから……」

QB「……。だったら、こういうのはどうだい?2人とも、マミの魔法少女退治に付き合うというのは」

ほむら『っ……!こいつ……!』




189 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 22:48:03.94 ID:DAD+ViGC0
マミ「えっ?でもキュゥべえ、それは……」

弱ほむ「だ……駄目ですっ……!そんな、2人を危険に巻き込むようなこと……!」

QB「2人に魔法少女と魔女の存在を信じさせるには、これが一番効率的だと思うけどな」

マミ「……いいえ、駄目よキュゥべえ。暁美さんの言う通り。2人を巻き込むようなこと、できないわ」

弱ほむ「巴さん……!」

マミ「信じられないなら信じられないままで良い。
   ……本当に叶えたい願い事があるなら、半信半疑でもすがりたくなるはず。
   信じられないってことは、今のままで不自由してないっていうことでしょ?だったら、それが一番だものね」

さやか「あの……」

マミ「ごめんね、おかしな話を聞かせちゃって。今日はもう遅いから、帰った方が良いわ」

まどか「……いえ、こちらこそ、ごめんなさい……お茶とケーキまでご馳走になったのに……」

マミ「ううん、気にしないで。じゃあね、気を付けてね」




192 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 22:51:50.85 ID:DAD+ViGC0
帰り道

さやか「……ねぇ、まどかはさ。どう思う……?」

まどか「……わたしは……嘘、ついてるようには……」

さやか「うーん……だよねぇ。本当に冗談みたいな話だけど、あそこまで真剣に話されるとなぁ……」

まどか「……うん……」

さやか「もしさ、あの話が全部本当だったとして……まどかは何か叶えたい願い事とかあるの?」

まどか「わたしは……うーん……」

さやか「やっぱそっかぁ……。意外とないもんだよねぇ、命がけで叶えたい願い事ってさ」




196 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 22:56:09.92 ID:DAD+ViGC0



マミ「ティロ・フィナーレ!」

弱ほむ「……!やっぱり、すごい……」

マミ「ふぅ……終わったわね。お疲れ様、暁美さん」

弱ほむ「は、はい……お疲れ様です……!」

マミ「それにしても暁美さんが拳銃を使うなんてちょっと意外だったわ。
   ちょっとイメージと違うって言うか……」

弱ほむ「ですよね……私も、そう思います……」

ほむら『そうかしら。でも今からそんなことを言っては居られないわよ。
    今はまだあの程度の拳銃の使い方しか教えられてないけど、
    あなたにはこれからもっと大型の重火器も扱えるようになってもらわないと』

弱ほむ『は、はいぃ……』




197 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 22:58:41.36 ID:DAD+ViGC0
マミ「拳銃もだけど……あの不思議な魔法。瞬間移動か何かかしら?」

弱ほむ「あ、えっと……はい。そんな、ところです」

マミ「そう……。とにかくこれから、コンビネーションの練習もしなくちゃね!
   瞬間移動と組み合わせた戦法なんて考えたことなかったから難しいとは思うけれど、
   その分やりがいがあるわ。2人で頑張りましょう!」

弱ほむ「は、はい……!」

マミ「それじゃこんな時間だし、今日はこのくらいにしておきましょうか。ゆっくり休んでね」

弱ほむ「あ、はい……お休みなさい」

マミ「えぇ、おやすみ。また明日ね」




200 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 23:01:31.06 ID:DAD+ViGC0



QB「お疲れ、マミ。どうだい?彼女は」

マミ「暁美さんのこと?ちょっと大人しいけれど、とっても良い子よ。
   戦い方もまだぎこちないけれど、これからもっと強くなると思う。
   2人でのコンビネーションも上手く行けば、きっと良い魔法少女コンビになれるわ!」

QB「ずいぶん張り切っているね。でも、忘れたわけじゃないだろう?
   かつて君にもパートナーが居たことを。そしてその結末を」

マミ「……今度は、きっと大丈夫。暁美さん、とっても優しくて良い子だもの。
   私の考えにも賛同してくれてるみたいだし」

QB「本当にそう言いきれるのかい?」

マミ「……どういうこと?」

QB「暁美ほむら。彼女には謎が多すぎる。まず、僕には彼女と契約した覚えがないんだ」




203 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 23:03:49.10 ID:DAD+ViGC0
マミ「えっ……?それって、キュゥべえと契約する以外にも魔法少女になる方法があるってこと?」

QB「僕の知る限りでは、無いね。とにかく、マミもあまり油断しない方が良いよ」

マミ「……暁美さんが私を騙して、縄張りを奪い取ろうとしている、ということ?」

QB「可能性の話だけどね」

マミ「それはきっとないわ。だって、確かにあの子にはちょっと分からないことがあるけど……。
   あの様子は間違いなく魔法少女になりたての、戦い慣れてない女の子だもの。
   そんな子が、誰かの縄張りを奪おうとするなんて、考えられない」

QB「……とにかく、用心しすぎるということはない。僕が言いたいのはそれだけだ」

マミ「心配してくれてありがとう、キュゥべえ。一応、心に留めておくわね」

QB「そうしてくれるとありがたいよ」




205 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 23:06:27.59 ID:DAD+ViGC0
翌日、放課後

弱ほむ「え、えい!えい!」

使い魔「ギャァァアアァアア……!」

弱ほむ「……お、終わった……?良かったぁ……」

マミ「すごいわ、暁美さん。今日は昨日よりずっと上手に戦えてたわよ」

弱ほむ「ほ、本当ですか……?ありがとうございます……!」

マミ「……ちなみに、魔女と戦った経験はどのくらいあるの?」

弱ほむ「えっ……と……。実は、まだ、全然……」

マミ「……だよね。うん、だったら良いの。ごめんね、変なこと訊いて」

弱ほむ「……?いえ……」

ほむら『…………』




208 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 23:09:56.44 ID:DAD+ViGC0
ほむホーム

弱ほむ「今日の巴さん、なんだかちょっと変だったような……」

ほむら『たぶん、キュゥべえに何か吹き込まれたんでしょうね』

弱ほむ「何かって……?」

ほむら『暁美ほむらを信用してはいけないとか、そんなところでしょう……』

弱ほむ「えっ、そんな……!」

ほむら『そうは言っても、疑念という程の感情を巴マミが抱いているわけではなさそうだし。
    この調子であなたが彼女と共闘し続ければ、またすぐに信用が戻るわよ』

弱ほむ「だったら、良いんですけど……」

ほむら『……休憩は終わり。説明を続けるわよ。良い?閃光弾と手榴弾は……』




211 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 23:12:34.62 ID:DAD+ViGC0
学校、放課後

まどか「さやかちゃん、帰ろ!」

さやか「ごめーんみんな。あたし今日、日直なんだ……先、帰っててくんない?」

まどか「そうなの?だったら待ってるよ!仁美ちゃんはお稽古があるって先に帰っちゃったし」

弱ほむ「私も、待つから……」

さやか「いや、悪いよ。日直終わったら、あたし病院行くつもりだし……」

まどか「あ、上条くんの……。うーん、そっか……ほむらちゃん、どうする?」

ほむら『上条恭介のお見舞いね……丁度良いわ。美樹さやかに付いて行きましょう』

弱ほむ『えっ……でも私、上条くんのこと、よく知らない……』




216 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 23:16:26.72 ID:DAD+ViGC0
ほむら『そんなことを言ってる場合じゃないでしょう。美樹さやかの監視のためよ』

弱ほむ『は……はい……』

弱ほむ「えっと……私も、病院に付いて行っても良い、かな……?」

さやか「へっ?別に良いけど……あんた恭介のこと知ってるの?」

弱ほむ「えっと……知らないから、転校生として、挨拶に行っておこうかな……って」

まどか「そう言えばそうだね……ほむらちゃんが行っても大丈夫?さやかちゃん」

さやか「なっ、何が?何が大丈夫って?」

まどか「え?だって、2人っきりの方が良いんじゃ……」

さやか「な、なーに言ってんのよ!お、大勢の方が賑やかで良いに決まってるでしょお!?」

弱ほむ「……?」

さやか「なんならまどかも付いて来なよ!ごめんね!さっさと仕事終わらせちゃうからさ!
    その後、みんなで恭介のお見舞いに行こー!恭介、きっと喜ぶぞー!」

まどか「さやかちゃん……」

ほむら『(これでバレてないと思えてるのがこの子らしいわね。こんなの、誰がどう見ても……)』

弱ほむ『美樹さん、本当に賑やかなのが好きなんですね。あんなに楽しそうに……』

ほむら『…………』




220 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 23:19:01.34 ID:DAD+ViGC0



さやか「いやーごめんごめん、すっかり遅くなっちゃったよ。面会時間、まだ間に合うかな」

弱ほむ「ぎりぎり……間に合わないかも」

まどか「あれ、ほむらちゃん面会時間知って……あ、そっか。入院してたんだもんね」

さやか「さて、病院に到着……したは良いものの。うーん……時間微妙だなぁ。
    これじゃ、本当にほむらが挨拶しただけで終わっちゃうよ」

まどか「でも、せっかく来たんだし挨拶だけでも……」

弱ほむ「ッ!?」

ほむら『ッ……この反応……!』

弱ほむ『そんな……病院に、魔女だなんて……!』

ほむら『(……まずい……!)』




223 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 23:21:16.75 ID:DAD+ViGC0
まどか「ほむらちゃん?どうしたの……?」

ほむら「……今日はもう時間もないみたいだから、帰った方が良いと思うわ」

さやか「え?でも、せっかく待ってくれたのに……」

まどか「良いの?ほむらちゃん」

ほむら「えぇ、大丈夫。だから早く帰りましょう。日も暮れそうだし、暗くなったら危ないもの」

さやか「うーん……そうだね。
    どうせなら、挨拶のあとも色々話せた方が良いだろうし。また今度にしよっか」

ほむら「それじゃ、私の家はあっちだから。さようなら!」

まどか「あっ……行っちゃった。……変なほむらちゃん」

さやか「何か焦ってたみたいだし、急用でも思い出したんじゃないの?
    ま、仕方ないね。あたしたちも帰ろっか」




227 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 23:24:57.19 ID:DAD+ViGC0
ほむら「……まどかたちは帰ったわね。それじゃ、行くわよ」

弱ほむ『は、はい……でも、どうして急に代わって欲しいなんて……』

ほむら「……巴マミが危ないわ」

弱ほむ『え……!?』

ほむら「あなたはまだ見たことがないでしょうけど……。巴マミはこの結界の主に負けるわ」

弱ほむ『っ……!そ、そんな……!あの巴さんがまさか……!』

ほむら「相性が最悪なのよ。しかも……さっきこの結界内から巴マミの魔力反応を感じた……!」

弱ほむ『じゃ、じゃあもう、この中で戦って……!?は、早く助けないと!』

ほむら「えぇ。こんなところで巴マミに死なれるわけにはいかない……!
    彼女を欠いては、ワルプルギスの夜に勝つ可能性が……絶対に、助けるわよ……!」

弱ほむ『っ……』




230 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 23:29:12.03 ID:DAD+ViGC0
ほむら「着いた、ここが最深部……!ッ!」

マミ「ティロ・フィナーレ!」

弱ほむ『巴さん!良かった……これで勝っ……』

ほむら「駄目!まだ終わってない!」

マミ「…………え」

弱ほむ『(そんな、魔女の中から、もう一体……!?)』

ほむら「ッ……!」

 カチッ

マミ「っ……あ、あれ……?わ、私……生き、てる……?」

ほむら「…………」

マミ「あ、暁美、さん……!?」

弱ほむ『ま、間に合った……』

ほむら『この魔女は、あなたには荷が重い。
私が相手をするわ。よく見てなさい、お手本を見せてあげるから』

弱ほむ『は、はいっ……!』




231 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 23:32:11.96 ID:DAD+ViGC0



ほむら「……終わったわね」

マミ「す……すごい……」

ほむら「…………」

マミ「あ、暁美さん、あなた……そんなに……!」

弱ほむ「と、巴さぁあん……!」

マミ「……え?」

弱ほむ「間に合って、良かった……私、巴さんが……し死んじゃうかも、って……!」

マミ「私の、ために……?」

弱ほむ「良かった、良かったぁ、巴さぁん……!」

マミ「……ごめんね、ありがとう、暁美さん」




235 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 23:35:30.34 ID:DAD+ViGC0
弱ほむ「……ぐすっ……」

マミ「落ち着いた?」

弱ほむ「は、はい……ありがとうございます……」

マミ「ふふっ……もう、これじゃどっちが助けられたのか分からないわね。
   お礼を言うのはこっちの方。改めて、本当にありがとう、暁美さん」

弱ほむ「巴さん……」

マミ「それから……ごめんね。せっかくコンビを組んだのに、勝手なことしちゃって……」

弱ほむ「い、いえ、そんなこと……!」

マミ「私ね……実は暁美さんのこと、ちゃんと信用しきれてなかったの……。
   暁美さんみたいな子がそんな……そんなはずないって分かってても、どうしても……」

弱ほむ「……仕方、ありません……。
    縄張りを横取りしようとする子は、多いって聞きます……。で、でも私は……!」

マミ「うん、大丈夫。暁美さんは、そんな子じゃないわ。
   あなたを信じなかった私が駄目な子だったの。
   ……改めて、これからよろしくね、暁美さん!」

弱ほむ「は、はいっ!」




236 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 23:38:00.72 ID:DAD+ViGC0
マミ「そうだ、私、暁美さんにきちんとお礼しなくちゃね!暁美さん、週末に何か予定はある?」

弱ほむ「?いえ、特には……」

マミ「良かったぁ。だったら、お茶会を開きましょう!
   私と暁美さんの、魔法少女コンビ結成記念パーティよ!
   助けてもらったお礼も兼ねて、うんとおもてなしするわね!」

弱ほむ「えっ?そ、そんな、お礼だなんて……」

ほむら『良いじゃない、行ってくれば。断る理由もないでしょう?』

弱ほむ「…………」

マミ「遠慮なんてしないで、ね?」

弱ほむ「あの、それじゃ……良いですか?お言葉に甘えても……」

マミ「もちろん!それじゃ、時間なんかはまた連絡するわね!」

弱ほむ「はい、お願いします……」




237 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 23:40:34.89 ID:DAD+ViGC0



ほむら『危ないところだったわね……でも、良かった。巴マミを救えて』

弱ほむ「…………」

ほむら『……どうしたの?』

弱ほむ「あ、あの……ちょっと、訊いても良いですか……」

ほむら『何かしら』

弱ほむ「巴さんを助けたのは……どうして、ですか?」

ほむら『……?彼女に死んで欲しくなかったからに決まってるじゃない』

弱ほむ「死んで欲しくなかったのは、どうしてですか……?」

ほむら『……何が言いたいのかしら』




238 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 23:40:43.33 ID:4b73rv5U0
仲間や自分がピンチになるともうひとつの人格がでてくるとかマミさん好きそうな感じ




241 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 23:45:01.65 ID:DAD+ViGC0
弱ほむ「この前、言って、ましたよね……。美樹さんは、鹿目さんを救うための障害なんだって……。
    美樹さんと友達になった時も、美樹さんを監視するのに都合が良い、って……」

ほむら『……言ったわね』

弱ほむ「それじゃあ、巴さんを助けたのは……。
     ワルプルギスの夜を倒すための、戦力が欲しいから……?それとも……」

ほむら『あなた……もしかして私を責めているの?』

弱ほむ「…………」

ほむら『……あなたの気持ちも、よくわかるわ。私の考えが人道的でないことも自覚してる』

弱ほむ「じゃあ……!」

ほむら『でもね、私はあなたとは違う。私は変わってしまった。
    長い旅を続けるうちに……私は、迷子になってしまったんだと思う。
    巴マミを救った理由……それが何なのか、今の私にはわからない。
    救うために救った、そう答えられれば良いんだけど。
    ……今の私には、それももう、できない……』

弱ほむ「っ…………」




242 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 23:47:41.22 ID:DAD+ViGC0
週末

マミ「どう、キュゥべえ?上手に出来たかな?」

QB「そうだね、少なくとも見た目のインパクトは大きいと思うよ。
  とてもじゃないけど、個人が準備した料理とは思えない」

マミ「見た目だけじゃなくて、味も保障済みよ!いつもより念入りに味見したんだから!」

QB「そうかい、すごい張り切りようだね。これなら暁美ほむらも喜ぶだろう」

マミ「あら、もう暁美さんのこと怪しんだりしないの?」

QB「彼女にはまだまだ謎が多いことには変わりないけれど、君の命を救ったことは事実だ。
  少なくとも、君の隙をついて縄張りを奪おうだとかは考えていないだろうね」

マミ「えぇ、本当に、暁美さんには感謝してもしきれないわ……。
   だから、今日はうんとおもてなししなくっちゃね!」




244 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 23:50:36.23 ID:DAD+ViGC0



マミ「そろそろ来る頃だけど……」

 ピーンポーン

マミ「っ!はーい!」

弱ほむ「こ、こんにちは……」

マミ「いらっしゃい、暁美さん!待ってたわ、どうぞ、あがって?」

弱ほむ「はい、おじゃまします……えっ……!こ、これって……!」

マミ「うふふっ……ちょっと、張り切りすぎちゃったかな?」

ほむら『(壁一面が飾り付けてある……)』

弱ほむ「す、すごいです……!わっ……このお料理も、全部巴さんが……!?」

マミ「えぇ、一応全部手作り。暁美さんのお口に合うと良いんだけど……」

ほむら『……すごいわね、本当に……』




247 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 23:54:16.99 ID:DAD+ViGC0
マミ「それじゃ、冷めないうちにいただきましょう?」

弱ほむ「は、はい、いただきます……っ!」

マミ「……どう?」

弱ほむ「す、すごく美味しいです……!」

マミ「本当!良かったぁ。食後には美味しいケーキもあるから、楽しみにしててね!」

ほむら『(壁の飾りつけ、それに豪華な食事……まるで、パーティね。
    いえ……彼女にとって、これはパーティなんだわ。
    いったい、準備するのにどれだけの労力を……。
    それほどまでに、コンビを組めるということが彼女にとっては……)』

弱ほむ『あ、あの……』

ほむら『何かしら。……もしかして、私に気を遣っているの?』

弱ほむ『だって、こんなにすごいお料理……』

ほむら『そんなこと、気にしないで良いわ。
    巴マミの好意は、彼女を心から思っているあなたが受けるべき。
    ……私には、そんな資格なんてないもの』

弱ほむ『…………』




249 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/23(水) 23:56:49.59 ID:DAD+ViGC0



マミ「さぁ、お茶が入ったわ。どうぞ召し上がれ?」

弱ほむ「ありがとう、ございます……」

マミ「それにしても……こうして誰かとお茶会を開くなんて、ずいぶん久し振り……」

弱ほむ「はい……本当に、久し振りですね……」

マミ「あら、暁美さんも昔はよくお茶会を?」

弱ほむ「えっ?あ、は、はい!その……はい、昔は、よく……」

危ない……また、余計なこと言っちゃうところだった……。
でも、本当に懐かしかったんだもん……。
巴さんとこんな風に、お茶会なんて……すごく久し振り。

……ということは、“私”は、それ以上に……。




252 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 00:00:25.78 ID:DAD+ViGC0
マミ「それにしても……あの時の暁美さん、本当にすごかったわ。
   あなたに、あんな戦い方ができたなんて……」

弱ほむ「あ、あれは、その……必死だったから……か、火事場の、ばか力というか……」

マミ「……私のためにそんなに必死になってくれたのね。すごく、嬉しい……。
   あのね、暁美さん……。その……もう1回、お礼を言わせて欲しいの」

弱ほむ「え?そんな、だってあの時にもう……」

マミ「ううん、言わせて?だって、あの時暁美さんが来てくれなかったら、
   こんな風にお茶を飲むことも、お喋りすることだって……」

弱ほむ「巴さん……」

マミ「だからね、暁美さん……!」

ほむら「…………え?」

マミ「私を助けてくれて、本当にありがとう……!」




255 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 00:06:58.19 ID:5upi7xT/0
ほむら「え?あの、えっ、と……」

ほむら『ちょ、ちょっとあなた……!いきなり……!』

弱ほむ『だって……本当にお礼を言われるべきなのは、私じゃなくて……』

ほむら『だから、そんなこと気にしなくても……』

マミ「暁美さん……?どうしたの?」

ほむら「えっ……あの、いえ、なんでもありません……」

マミ「お茶もケーキも、まだ口を付けてないみたいだし……。
   あっ、もしかして体調が……!?そういえば暁美さん、心臓の病気で入院してたって……!」

ほむら「い、いえ。大丈夫です。本当に。ちょっと考え事をしてただけですから……。
    それに心臓はもう治りました」

マミ「そ、そう?だったら、良いんだけど……。ごめんね。私ったら、取り乱しちゃって……」

ほむら「……ケーキ、いただきますね」

マミ「えぇ、どうぞ召し上がれ!」




256 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 00:11:14.46 ID:5upi7xT/0
マミ「それでね、その時とってもおかしくって……」

ほむら「そうなんですか。それは……」

マミ「……ねぇ、暁美さん。変なことを訊くようだけど……なんだかちょっと、雰囲気が変わった?
   なんていうか、とても落ち着いているというか……」

ほむら「えっ……?……そうですか?それはきっと……巴さんと一緒に居るからですね。
    巴さんと一緒に居ると、なんだか、すごく落ち着きますから」

マミ「まぁ……そんなことを言われると、なんだか照れちゃうわね。ふふっ、ありがとう」

ほむら「…………」

マミ「……暁美さん?」

ほむら「あ……ごめんなさい。ちょっと……その、懐かしくって」




259 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 00:14:24.05 ID:5upi7xT/0
マミ「それ、さっきも言ってたじゃない?暁美さんったら、変なの」

ほむら「……そう、ですね」

この人に素直な好意を向けられて……
すっかり忘れていたものが、思い出されるような感覚がする。

……いつ以来だろう。
この人とこうしてお茶会をするのは。
いつ以来だろう、この人とこうして分け隔てなく他愛もない話をするのは。

いつからだろう、この人と距離がずれ始めたのは。
いつからだろう……この人を戦力としか考えなくなったのは。

ほむら「……巴さん」

マミ「なぁに?どうしたの?」

ほむら「これから……よろしくお願いしますね」




262 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 00:17:22.48 ID:5upi7xT/0
マミ「?えぇ、もちろん!これから一緒に頑張りましょう」

ほむら「私のこと、たくさん鍛えてください。もっともっと、強くなりたいんです」

マミ「あら……ふふっ。良いの?私、ちょっとスパルタになっちゃうかもよ?」

ほむら「もちろん。思い切り厳しくしてもらって構いません」

弱ほむ『あ、あのー……もしかして……』

ほむら『えぇ。鍛えてもらうのはあなたよ。夜にこっそり私が教えるだけじゃ、限界があるもの』

弱ほむ『や、やっぱり……』

ほむら『彼女に……巴さんに、しっかり鍛えてもらいなさい。言っておくけど、結構厳しいわよ?』

弱ほむ『は、はいぃ……頑張ります……』




269 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 00:20:58.95 ID:5upi7xT/0



マミ「いけないわ、敵の動きを見てからじゃ遅い!予測して、避けて、撃つ!」

弱ほむ「は、はいぃ……!」

マミ「あなたの魔法は強力だけど、それだけに頼ってちゃ魔力の無駄使いになっちゃうわ!
   それにあなたの場合は実弾兵器なんだから、弾も無駄に出来ないのよ!」

弱ほむ「は、はいぃ……!」

ほむら『(相変わらずね……。後輩の特訓となると、普段からは考えられないくらい厳しい……。
    でも、確実に“私”の動きはよくなってきてる。やっぱり彼女にお願いして正解だったわね)』

マミ「ふぅ……今日はこのくらいにしておきましょうか。暁美さん、大丈夫?疲れたでしょう?」

弱ほむ「はぁ……はぁ……い、いえ……大丈夫、です……」

マミ「無茶はいけないわ?少し休みましょうか。パトロールへは、その後行きましょう」

弱ほむ「は、はい……」




271 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 00:23:41.82 ID:5upi7xT/0
病院

さやか「……お待たせ、まどか」

まどか「あ、ううん。……さやかちゃん?」

さやか「ん……何、どうかした?」

まどか「……上条くんの怪我……あんまりよくないの……?」

さやか「あ……うん、まぁ……。
    やっぱり、ちょっと参っちゃってるみたいでさ……」

まどか「……そうなんだ……」

さやか「……それじゃ、帰ろっ!まどか!」

まどか「……うん」




277 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 00:27:21.37 ID:5upi7xT/0
帰り道

さやか「……ねぇ、まどか」

まどか「……?」

さやか「恭介の指って……どうやったら治るのかな……」

まどか「……さやかちゃん……」

さやか「……ごめん、変なこと訊いちゃったね。やだな、あたしってば。あははっ」

まどか「あ、あのね、さやかちゃん……」

さやか「ん?なに?」

まどか「その……この前の、あの話……魔法少……」

さやか「っ……!?ちょっと待って……ねぇ、まどか。ここ……どこ……?」




280 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 00:31:21.17 ID:5upi7xT/0
まどか「え……?っ……な、なに、これ……周りの景色が、どんどん変わっていく……!?」

さやか「ど、どうなってんの……!?何よ、これ……!」

まどか「やっ、やだ……!さ、さやかちゃん、あれ……!何か居る……!」

魔女「…………」

さやか「ひっ……!な、なんだよあれ……!生き物……!?」

QB「どうやら君たちは、魔女の結界に取り込まれたようだね……」

まどか「っ!?キュ、キュゥべえ!?」

さやか「うそ、でしょ……?これが、この前言ってた……じゃ、じゃあ、あの変なのが……!」

魔女「!」

QB「まずい、気付かれた!このままじゃ君たちは2人とも命を落とすことになる!」




281 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 00:36:06.37 ID:5upi7xT/0
まどか「ッ……!こっちに来る……やだっ、誰か、誰か……!」

さやか「そ、そんな……な、なんとかならないの!?」

QB「僕にはどうしようもないよ。ただ……君たちは違う。
   言っただろう?君たちには、魔女を倒すための力が、素質が備わっているんだ」

さやか「えっ……そ、それって……!」

魔女「ケケケケケケケケ!!」

まどか「ひっ……!」

QB「君たちが助かるには、もうこれしかない!今すぐ願い事を決めて、僕と契約を……」

魔女「ギャァアアアアアアアア……!」

 「へへっ、いっちょあがりっと」

さやか「っ……え……?」

QB「……!君は……!」




284 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 00:39:43.38 ID:5upi7xT/0
杏子「よぉ。命拾いしたね、あんたたち」

まどか「え、えっ……!?」

QB「佐倉杏子、どうして君がこの町に?」

杏子「あっちの方はしけてやがんだよ。それに比べて、こっちはやっぱ良いね。
   魔女がうじゃうじゃ居る。絶好の狩場だ」

さやか「あ、あの……!」

杏子「ん?」

さやか「あ、あなた、魔法少女、なの……?」

杏子「……あー、あんたら、魔女もキュゥべえも見えてるんだね。
   なるほどね……素質持ちってわけか。
   それでピンチにかこつけて、契約なんて結ぼうとしちゃったわけだ、こいつは」

QB「2人の命を救うにはあれしか方法がなかったからね」

杏子「ふん、よく言うぜ。っていうかさ、やめてくんない?
   ただでさえこの町にはマミの奴が居るってのに。
   これ以上好き勝手に魔法少女増やされたら、さすがに迷惑だわ」




286 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 00:43:52.12 ID:5upi7xT/0
QB「そんなことを言われても、僕の使命は素質のある子と契約を結ぶことだよ」

杏子「ちっ……ま、とにかく魔女も狩ったし、あたしは行くよ。じゃあね」

まどか「あ、あの!」

杏子「なんだよ……まだなんかあるわけ?」

まどか「……た、助けてくれて、ありがとう……」

杏子「……よしなよ。別にあたしはあんたたちを助けようと思ったわけじゃない。
   獲物が居たから、狩っただけだ。礼なんか要らないよ」

まどか「で、でも……」

杏子「……もしあれが使い魔だったら、あたしはあんたらを見殺しにしてたんだからさ」

さやか「え……それ、どういうこと……?」

杏子「どうでも良いじゃん、そんなこと。魔法少女でもないあんたたちが知ったってさ。
   ま、そういうことで。どうせ食われるんなら、次は使い魔に食われなよー。じゃあね!」




288 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 00:46:44.88 ID:5upi7xT/0
さやか「……キュ、キュゥべえ!あの子なんなの……?助けてくれたのは良いけど、なんか……」

QB「君が魔法少女に対してどんなイメージを持ってたのかは知らないけど、
  彼女、佐倉杏子こそが魔法少女として一番正しい生き方をしていると言える」

まどか「正しい、生き方……?」

QB「それはともかくとして、これで僕たちの話を信じてくれる気になったかい?
  魔女と魔法少女を目の当たりにしたんだ。信じざるを得ないはずだよ」

さやか「う、うん……ごめん、変な風に疑っちゃって」

まどか「やっぱり全部、本当のことだったんだね……」

QB「最初からそう言ってるじゃないか。
  それじゃ、全て真実だと確認した上でもう一度改めて訊くよ。
  僕と契約して、魔法少女になる気はないかい?」

まどか「っ……それは……」

さやか「……ごめん。まだちょっと、心の整理が……」

QB「そうか……。無闇に急かすわけにもいかないから、じっくり考えると良いよ。
  何か願い事が決まったら、いつでも僕に声をかけて。待ってるからね」




291 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 00:50:10.45 ID:5upi7xT/0



QB「君がこの町に来るなんてね。まったく予想外だったよ」

杏子「何よ、あたしが見滝原に来ちゃいけないっての?」

QB「そうは言ってないさ。ただ、ちょっと意外だったからね。だって、この町にはマミが居るだろう?」

杏子「ふん……それは確かに気に入らないが、あいつと係わり合いにならなきゃ良いだけのことだろ?
   あたしはあたしで、勝手にグリーフシード集めるさ。
   ま、場合によっちゃマミの縄張りを奪うってのも手だけどねー」

QB「すべて君の思い通りに行くとは限らないよ?
   なんせ、この町にはマミの他にもう1人魔法少女が居るからね」

杏子「はぁ?何よそれ、聞いてないんだけど?」

QB「訊かれなかったからね」




294 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 00:53:15.99 ID:5upi7xT/0
QB「しかも、その魔法少女は今、マミとコンビを組んでいる。かつての君のようにね」

杏子「……何が言いたいのさ」

QB「別に。僕はただ現状を報告してるだけだよ。深い意味はない」

杏子「ふん。マミなんかと組んでるってことは、そいつも甘ったれた腑抜けだろ?
   そんなのが何人居ようが、あたしの敵じゃないっしょ。
   あーあ、この町にゃそんな魔法少女しか居ないのかねー……。
   その方があたしにとっちゃ好都合なんだけどさ、ははっ」

QB「マミに賛同しているのは確かだけど、あまり油断しない方が良いよ?
  一見するとマミにも君にも及ばないけど、彼女が時折見せる実力の片鱗から考えると、
  本当の力はきっとそんなものじゃないはずだ」

杏子「何?もしかしてあんた、あたしが負けるとでも思ってるわけ?」

QB「だから、僕はただ現状を報告しているだけだよ」

杏子「ちっ……。まー挨拶くらいには行っても良いかもね。
   マミなんかと組もうってのはどんな甘ちゃんなのか、気にもなるしさ」




296 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 00:56:45.55 ID:5upi7xT/0
学校

弱ほむ「え……なんで、どうしたの……?」

マミ「急に、魔法少女のこと信じる気になっただなんて……」

さやか「その……実は、あたしたち昨日、魔女に襲われたんです」

ほむら『っ……!』

弱ほむ「そ、そんな……!」

マミ「で、でも、普通は助からないはず……契約でもしない限りは……。まさか……」

まどか「あ、いえ……契約はしてないです」

弱ほむ「だったら、どうして……」

さやか「その……魔法少女に、助けられたんだ、あたしたち」

マミ「えっ……!?でも、この町には私と暁美さん以外には……」

ほむら『(もしかして……)』

QB「佐倉杏子。彼女がこの町に来たんだよ」




298 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 00:59:30.88 ID:5upi7xT/0
マミ「ッ……!」

ほむら『…………』

弱ほむ『え?だ、誰……?』

マミ「そんな……どうして、佐倉さんが……?」

さやか「マミさん、知ってるんですか!?」

マミ「えぇ……でも、私の知ってるあの子はもう、人助けなんか……」

QB「そうだね。杏子の目的はあくまでもグリーフシードだ。
  まどかとさやかは、杏子の狩りの結果、たまたま助かったに過ぎないだろうね。
  杏子自身もそう言ってたし」

まどか「えっと……?そ、その子、どんな子なんですか……?」

さやか「確か……あたしたちを襲ったのが使い魔だったら見殺しにしてた、とか言ってて……」

弱ほむ「えっ……!?そ、それって……!」




299 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 01:02:37.81 ID:5upi7xT/0
マミ「……そう言えば、あなたたちには言ってなかったわね。
  使い魔は……人を殺すことで、魔女に成長するのよ」

さやか「なっ……!?」

マミ「だから、魔女の持つグリーフシードが目的の佐倉さんは……」

さやか「ちょ、ちょっと待って……!それってつまり、人間を使い魔の餌みたいに考えてるってこと!?」

まどか「ひどい……!」

マミ「実際ね、そういう魔法少女って少なくないの。哀しいことだけど……」

QB「むしろ、マミたちのように人助けのために魔女も使い魔も区別なく倒す魔法少女は珍しいんだ。
  大抵の子は、リスクとリターンを天秤にかけて効率を第一に考えるからね」

さやか「そ、そんなのって……!」

QB「でもそれを非難できるのは、同じ魔法少女としての運命を背負った子だけじゃないかな」

さやか「っ……!」

QB「まぁとにかく、用心した方が良いよ。マミ、ほむら。
  杏子の狙いがグリーフシードである以上、彼女との衝突は避けられないだろうしね」

マミ「……そうね。気を付けるわ」




301 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 01:06:09.51 ID:5upi7xT/0



ほむら『佐倉杏子……あの子が来ていたなんて。近々会いに行かないとね』

弱ほむ『えっ……どうして……?……もしかして、その子も、仲間に……?』

ほむら『えぇ。ワルプルギスの夜を倒すには、あの子の力が必要だもの』

弱ほむ『……でも、その、佐倉さんって……』

ほむら『杏子の考え方には、あの子なりの理由があるのよ。
   それにあの子の考えに同調できないからと言って、彼女の協力を得ないというわけにはいかない。
   まどかを救うためだもの。そうでしょう?』

弱ほむ『……はい……』

ほむら『……それから、もう1つ。魔法少女の存在について今まで半信半疑だった2人が、
   今回のことでその認識を改めた。このことが何を意味しているか、わかるわね?』

弱ほむ『……契約する可能性が、上がった……?』

ほむら『その通りよ。特に、美樹さやか。あの子には今まで以上に注意しないと……』

弱ほむ『は、はい……!』




302 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 01:08:42.75 ID:5upi7xT/0



使い魔「ギャァアアアアアア……!」

マミ「ふぅ……お疲れ、大丈夫?暁美さん」

弱ほむ「はぁ、はぁ……な、なんとか……」

マミ「疲れるのも、無理はないわ。
   まさか特訓の直後に結界が出来るなんて……ソウルジェムは大丈夫?」

弱ほむ「はい、大丈夫、です……」

マミ「なら良いんだけど……体力の方はそうはいかないわね。
  今日はもう解散しましょう。家に帰って、ゆっくり体を休めてね?
  自然に体を休めた方が、魔力の節約にもなるし」

弱ほむ「は、はい……お疲れ様でした……」




304 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 01:11:50.77 ID:5upi7xT/0
帰り道

ほむら『お疲れ様。今日は少しハードだったわね』

弱ほむ『は、はい……』

ほむら『交代、しましょうか?私が体を動かしている分、あなたは休めるし』

弱ほむ『いえ、大丈夫です!このくらいで、根を上げてちゃ……』

杏子「よぉ、あんたが噂の巴マミの相棒だね」

弱ほむ「え……?きゃあっ!?」

杏子「ん……?おいおい、なんだよ。挨拶代わりのつもりだったんだけど。
    こんなのも避けられないのかい?それでよくマミのパートナーが務まるよ」

ほむら『ッ……佐倉杏子……!?』

弱ほむ「……!」




305 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 01:14:29.38 ID:5upi7xT/0
弱ほむ「あ、あなたが、佐倉杏子……!?」

杏子「なんだ、あたしのこと知ってるのかい?キュゥべえの奴にでも聞いたか?」

弱ほむ「な、何しに、来たんですか……?」

杏子「言ったろ?ちょっとした挨拶だよ。あたしの後釜がどんな奴か、見ておこうと思ってさ。
   ついでにその実力も……と思ったんだけど、てんで大したことないみたいだね。
   あんな不意打ちにもなってないような攻撃も避けられないようじゃ……さ!」

弱ほむ「きゃっ……!?」

杏子「あーあーなんだよったく。まるで話になんないじゃん。
   多少やる奴なら、変身なんてしなくてもこのくらいは余裕でかわせるはずなんだけど……。
   キュゥべえの奴、思わせぶりなこと言いやがって、これじゃ拍子抜けだ。
   今日は挨拶で済ますつもりだったけど……ついでだ。
   ここで1人、敵を潰しておくってのも悪くないね」

弱ほむ「っ!」

ほむら『ッ……駄目、今のあなたじゃ杏子には勝てない!代わりなさい!』

杏子「そんじゃ、あばよ!甘ったれた腑抜けちゃん!」

弱ほむ『だ、だめ、間に合わ……!』

さやか「な、何やってんのよ、あんたたち!?」




306 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 01:20:13.67 ID:5upi7xT/0
弱ほむ「み、美樹さん……!?」

杏子「あん?……あんた、こないだの。ふーん……こいつのお友達ってわけか」

さやか「こ、この子に、手を出さないで……!」

ほむら『……!』

杏子「あんた、何してるか分かってんの?人間が魔法少女同士の戦いに割り込んで、ただで済むと思ってるわけ?
   ……まさか、正義感とかいうくっだらない理由でこんなことしてるわけじゃないよねぇ?」

さやか「う、うるさい!どっか行きなさいよ!」

杏子「ははっ、笑わせてくれるじゃんか。ビビりまくってるくせにさ。
   そういうのは勇気って言うんじゃない、ただの馬鹿って言うんだよ。
   ま、そもそも人のために何かしようってのが馬鹿の発想だけどね……。
   とにかく怪我したくなかったらさっさと退きな。あたしが用があるのは、あんたの後ろの奴だ」

さやか「っ……く、来るなら、来てみなさいよ……!」

杏子「……うぜぇ。あぁ分かった……そこまで言うんなら知らないよ!
   病院のベッドの上で、ゆっくり後悔しな!」

さやか「っ……!」

ほむら「その必要はないわ」




307 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 01:23:29.05 ID:5upi7xT/0
杏子「なっ……!?」

さやか「えっ?あ、あれ!?さっきまであたしの後ろに……」

杏子「てめぇ、何しやがっ……なっ!?……また後ろに……!」

ほむら「おかしいわね。あなた、一般人に手を上げるような子だったかしら。
    もう少し冷静な子だと思っていたのだけど。私の思い違い?」

杏子「……何者だ、あんた」

ほむら「あなたと同じ、魔法少女よ」

杏子「……なるほどね。キュゥべえの奴が警戒するわけだ。確かにあんたは得体が知れない。
   今日のところは、退かせてもらうよ!」

さやか「あっ……行っちゃった……」

ほむら「…………」

さやか「……ほ、ほむら……だよね……?」

ほむら「…………ありがとう、美樹さん」




310 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 01:26:58.52 ID:5upi7xT/0
さやか「そ、それは良いんだけど、あんた……」

弱ほむ「み……美樹さぁあん……!」

さやか「へっ?」

弱ほむ「も、もう駄目かと思った……怖かったよぉ……」

さやか「あ、あれー……?さっきのクールビューティは何だったんだ……?」

弱ほむ「えぐっ……ぐすっ……」

さやか「……ま、いっか」




311 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 01:30:24.98 ID:5upi7xT/0
弱ほむ「ぐすっ……美樹さん……」

さやか「ん、何?」

弱ほむ「その……本当に、ありがとう……あなたが来てくれなかったら、私……」

さやか「良いってそんなの!だってあたし、何もしてないし……
    結局、あいつを追っ払ったのは、ほむらな訳じゃん?」

弱ほむ「ううん、そんな……」

さやか「あたしってバカだからさ、ほんと後先考えずに行動しちゃうんだよ。
    さっきのだって、半分はあいつの言う通り。あたしのしたことは、ただのバカ……」

弱ほむ「そ、そんなこと、ないよ……!だって、ほら、私助かってる……!
    それに、すごく嬉しかった、から……だから、バカなんて、言わないで……」

さやか「ほむら……ははっ、ありがと!」

ほむら『(……この子は、本当に……)』




313 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 01:33:39.95 ID:5upi7xT/0
弱ほむ「ところで……美樹さんは、どうしてこんな時間に……?」

さやか「あー……まぁ、ちょっと病院にね」

弱ほむ「あ……上条くんの……」

さやか「ん……ま、そういうこと……」

ほむら『……これ以上は触れない方が良いわね。彼の具合、あまり良くないみたい』

弱ほむ『そう……ですね』

さやか「……それじゃ、もう結構遅いしあたし行くね!また明日!」

弱ほむ「あ、うん……また、明日」




324 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 02:00:29.31 ID:5upi7xT/0
弱ほむ『……美樹さん、すごいですね……』

ほむら『……魔法少女相手に、生身で立ち向かおうとするなんて。
    魔女と戦う姿を目の当たりにしているはずなのに……』

弱ほむ『すごく、勇敢な人です……』

ほむら『……本当に、愚かで、浅はかで、向こう見ずで、後先を考えない……』

弱ほむ『っ……で、でも』

ほむら『……友達思いで、正義感が強い、真っ直ぐな子。……真っ直ぐ過ぎる子』

弱ほむ『……!』

ほむら『だからこそ……本当にあの子は、魔法少女には向いてない。
    ……あの子の運命を、変えましょう。あの子のために』

弱ほむ『っ……は、はい!』

ほむら『この時間軸では……まどかだけじゃない。
    巴さんも……美樹さんも、全員の運命を変える。私とあなたの、2人でね』




328 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 02:07:01.31 ID:5upi7xT/0
放課後

さやか「…………」

まどか「さやかちゃん……大丈夫……?」

さやか「え?あ、何が?大丈夫大丈夫、さやかちゃんはいつも大丈夫ですよー!
    これからお見舞いに行くってのに、こっちが病気でどうすんの、ってね!」

まどか「さやかちゃん……」

ほむら『……もうすぐ病院に着くというのに、本当に大丈夫かしら』

弱ほむ『やっぱり、上条くんの怪我の具合……あんまり良くないんでしょうか……』

ほむら『でしょうね……。怪我の具合というよりは、彼の精神状態の問題でしょうけど……』

まどか「……あれ?ね、ねぇ……」

さやか「ん、何?どうしたの?」

まどか「あそこ……屋上に、誰か居る……!」

さやか「え……。ッ!?嘘……恭介!?」

弱ほむ「っ……!そんな……!」

ほむら『ッ……!』




329 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 02:10:07.53 ID:5upi7xT/0
ほむら『変身を!』

弱ほむ『はっ、はい……!』

まどか「えっ、えっ!?うそ、やだっ……!」

さやか「駄目!恭介!!待って、お願い!!やめてぇ!恭介ぇええ!!」

弱ほむ「っ……!」

 カチッ

弱ほむ「…………!」

ほむら『……間に合ったわね』

弱ほむ「……はい……でも、どうしてそんな、自殺、なんて……」

ほむら『ショックを受けるのも仕方ないけど、早く地面に降ろしてあげなさい。
    そう長くは時間を止めてはいられないんだから』

弱ほむ「は……はい……」




332 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 02:15:00.24 ID:5upi7xT/0
まどか「っ……あれ……!か、上条くん、無事なの……!?」

さやか「ほ、ほむら、もしかしてあんたが……!」

恭介「ん……僕は……どうして生きて……」

さやか「きょ、恭介ぇ!!」

恭介「さやか……!」

さやか「バカ!バカバカバカぁ!!なんで、なんであんなこと!?なんで……!」

恭介「……僕は、もう……生きてたって、仕方ないんだ……。
    ヴァイオリンが弾けない人生なんて、そんなの、耐えられない……!
    僕からヴァイオリンを取ったら、何も残らないんだよ……!」




333 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 02:17:20.58 ID:5upi7xT/0
さやか「そ、そんなこと言わないで!あたしは、ヴァイオリンなんか弾けなくたって……!」

恭介「ヴァイオリンなんかって何だよ!?そんな言い方はよしてくれ!
   僕にとって、ヴァイオリンは全てなんだ、ヴァイオリンがないと、僕は……!」

さやか「……それじゃ、あたしの人生は……?あたしの人生はどうなるの……?」

恭介「え……?」

さやか「……あ……やだ、ご、ごめん……な、なんでもないよ……」

まどか「……さやかちゃん……」

さやか「とにかく、病室に戻ろう?それで、落ち着こうよ……ね……?」

弱ほむ「…………」




335 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 02:21:39.16 ID:5upi7xT/0



まどか「……上条くん、大丈夫……?」

さやか「うん……鎮静剤だか睡眠薬だかわかんないけど……今は、眠ってる」

まどか「……そっか」

さやか「ねぇ、ほむら……。ほむら、だよね?恭介助けてくれたの……?」

弱ほむ「あ、えっと……うん」

さやか「……すごいな、魔法って。そんな簡単に人を助けられちゃうんだ」

弱ほむ「美樹さん……」

さやか「あたしなんて、ただ、見てるだけ……昨日だって……」




336 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 02:28:01.23 ID:5upi7xT/0
まどか「さやかちゃん……?」

弱ほむ「……この力は、望んで手に入れるものじゃない……。
    仕方なく契約した人が、結果として手に入れるものだって……。
    ……そういう風に、私は、考えてます。だから……」

さやか「うん……そうだよね。あんた、あたしたちには契約して欲しくないんだもんね」

弱ほむ「…………」

さやか「……大丈夫だよ。契約なんてしないって!だから、心配しないで。ね?」

弱ほむ「……うん」

さやか「それじゃ、もう帰ろっか。……じゃあね、2人とも、また明日ね!」




337 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 02:30:39.15 ID:5upi7xT/0



さやか「……はぁ……」

あたし、何やってるんだろ……。
昨日だって、今日だって、あたしはただ見てるだけ。

あたしには、何の力もない。
あたしには、友達も、恭介も、守ることなんて出来ない……。
ただ、見てるだけの……。

あたしって……

使い魔「……ケケケケケケ!」

杏子「さっさと魔女になれよー!魔女になったら真っ先にぶっ殺してやるからな!」

さやか「っ!?あいつ……!」

杏子「はぁ……ったく、とんだ無駄足だった」

さやか「あ、あんた、今……!」

杏子「あん?……んだよ、ったく。またあんたか」




339 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 02:33:46.23 ID:5upi7xT/0
さやか「い、今の使い魔でしょ!?あんた、逃がしちゃったの!?」

杏子「はぁ?当たり前じゃん。使い魔なんて狩っても何の意味もないっしょ。
   卵生む前のニワトリ絞めてどうすんのさ」

さやか「そ、そんな……!あいつ、人襲うんでしょ!?殺しちゃうんでしょ!?」

杏子「だーかーら。それで良いんだって。弱い人間を魔女が食う。その魔女をあたしたちが食う。
   そういうルールなんだから。食物連鎖。学校で習ったよねぇ?」

さやか「あんた、本当に……!自分のために他の人を犠牲にできるの……!?」

杏子「あーあーまた正義の味方気取りの説教かよ。鬱陶しい。
   ただの人間のあんたに言ってもわからねぇだろうが、
   魔法ってのは徹頭徹尾自分のためだけに使うもんなんだよ!」

さやか「っ……次にあいつが襲うのは、あんたの大切な人や、家族かも知れないんだよ!?
    あんたのせいで家族が死んじゃっても、それでも良いの!?」

杏子「ッ……うぜぇ。超うぜぇ……!何も知らない癖にごちゃごちゃうるせぇんだよ!
そこまで言うんなら、あんたがあの使い魔ぶっ倒してくれば!?
   はん!どーせ何もできない癖にさ!関係ない一般人が首突っ込んでんじゃねぇっつーの!」

さやか「ッ……うるさい、うるさいうるさいうるさい!あたしだって、あたしにだって……!」




341 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 02:37:56.90 ID:5upi7xT/0
さやか「キュゥべえ!居るんでしょ!?」

QB「なんだ、気付いてたのかい?」

杏子「……おい、あんたまさか……!」

QB「それで、何か用事かい?さやか」

さやか「あたし、契約する……!」

杏子「なっ……!?馬鹿、よせ!今のは……!」

QB「やっと決心してくれたんだね。嬉しいよ。さて、君は何を望むのかい?」

さやか「恭介の指を治して……!元通りに、またヴァイオリンが弾けるように!」

杏子「ッ……!?ふざけんな!おい、キュゥべえ!やめろ!こんな契約、結んじまったら……!」

QB「契約は成立だ。さやか、君の祈りはエントロピーを凌駕した。
   さぁ、手に取ると良い。それが君の運命だ」






その2へ





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コメント
この記事へのコメント
  1. 名前: 通常のナナシ #-: 2012/06/02(土) 16:00: :edit
    001getだぜ!
  2. 名前: 2ゲット #-: 2012/06/02(土) 17:44: :edit
    さやかやってしまったな、
    さあどうなるかな?
  3. 名前: 通常のナナシ #-: 2012/06/02(土) 18:19: :edit
    さやかちゃんのふとももにおにんにんはさみたいよぉ
  4. 名前: 通常のナナシ #-: 2012/06/02(土) 23:05: :edit
     イェイ♪  イェイ♪
     ∧,_∧
    (´・ω・`) )) イェイ♪
    (( ( つ ヽ、
     〉 とノ )))イェイ♪
    (__ノ^(_)
  5. 名前: 名無しさん #-: 2012/06/03(日) 10:50: :edit
    ボルガ「頭の中に、ダイナマイト……!?」
  6. 名前: 通常のナナシ #-: 2012/08/11(土) 14:11: :edit
    面白いなこれ
    弱ほむとノーマルほむの掛け合いがうまい。
  7. 名前: 名無しさん #-: 2012/10/13(土) 00:08: :edit
    >>QB「でもそれを非難できるのは、同じ魔法少女としての運命を背負った子だけじゃないかな

    淫獣は本編でもこんな事言ってるけど使い魔に捕食される側に回る可能性はあるんだから別に非難すること自体はおかしいことじゃないよな
  8. 名前: 通常のナナシ #-: 2012/10/13(土) 18:14: :edit
    ※7
    まあ人情としては自然だけれど理屈は通ってないって事だろうな
    要約すると「力があるのにどうして助けてくれないの?」って言ってる訳だし
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俺の妹がこんなに可愛いわけがない 黒猫 白猫Ver.
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