ほむら「私の中に、もう1人……!?」その2

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2012/06/02(土)
349 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 03:01:10.27 ID:5upi7xT/0

その2です。



349 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 03:01:10.27 ID:5upi7xT/0



弱ほむ「……そんな……!」

ほむら『っ……うかつだった……!』

まどか「さ、さやかちゃん、そうなの……!?」

さやか「いやー、なんて言うか……ほんと、ほむらには申し訳ないんだけど……」

マミ「あれだけ忠告されてたのに……美樹さん、あなたって人は……」

さやか「すみません……あ、でも!勢いだけで契約しちゃったわけじゃないからね!
    確かにあいつとのケンカで勢い付いちゃったとこはあるけど……
    でも、ずっと考えてたんだ。この祈りはさ。だから、後悔なんてないよ」

マミ「……まぁ……契約してしまったものは仕方ないわね。
  これからは精一杯、魔法少女として頑張りましょう?」

さやか「はい!」

弱ほむ『……美樹さんの運命を、変えられなかった……!?』

ほむら『……いいえ、まだよ……まだ、諦めるわけにはいかない……!
    魔女化の運命は……それだけは、避けてみせる……!』

弱ほむ『っ……そう、ですよね……!まだ、諦めるには……!』




351 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 03:04:58.21 ID:5upi7xT/0
まどか「ねぇ、さやかちゃん……本当に大丈夫なの……?」

さやか「んー……そりゃ、ちょっとは怖いけど……。
    でも、マミさんとほむらが居るんだし、大丈夫だよ!」

弱ほむ「う、うん!美樹さんは、私たちが守るから……!」

マミ「ふふっ、心強いわね。暁美さんの言う通り。
   美樹さんのフォローは私たちでしっかりするから、鹿目さんは安心して?」

まどか「ほむらちゃん、マミさん……!」

さやか「ほむらってば、いつの間にかあたしを守る発言をするほどにまで……!
    よーし、ほむらもさやかちゃんの嫁候補に加えてやろう!」

ほむら『……断りなさい』

弱ほむ「あ、ごめんなさい。それはちょっと……」




353 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 03:07:15.41 ID:5upi7xT/0
さやか「なにー!?ふ、振られてしまった……やはりあたしにはまどかしか居ない!
    まどかぁー!まどかこそがあたしの、正妻なのだー!」

まどか「わっ、ちょ、さやかちゃん!?や、やめっ、きゃはははは!」

マミ「あら、私だけ仲間はずれ?一人ぼっちなんて、寂しいなー」

さやか「えっ?い、いやー、マミさんはなんというかその……」

マミ「うふふ、冗談よ」

弱ほむ「と、巴さん……あんまり、気にしないでください!
    その、美樹さんも悪気があったわけじゃ……」

マミ「だから冗談だってば」




355 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 03:10:02.60 ID:5upi7xT/0
放課後

まどか「えっと……送ってくれてありがとうございました。わざわざ、すみません……」

マミ「ううん、これもパトロールの一環だから気にしないで?」

さやか「まずは身近な1人から、ってね!」

弱ほむ「鹿目さんが、もう魔女に襲われたりなんかしないように、って。みんなで決めたんだもの」

さやか「まどかの登下校はこれから毎日、我々正義の魔法少女がきっちり守っちゃいますからねー!」

まどか「あ、ありがとう……え、っと、みんなは、これから……?」

マミ「えぇ。パトロールの続きね」

まどか「その……やっぱり、私が居ると邪魔になっちゃいます、よね?」




356 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 03:13:22.58 ID:5upi7xT/0
さやか「……まーどかー。あんたなんか、変なこと考えてないー?
    みんなが命がけで戦ってるのに、私だけ……とかさ」

まどか「えっと、その……」

弱ほむ「そんなこと気にしないで。私は、鹿目さんが元気で居てくれるだけで……」

まどか「ほむらちゃん……」

マミ「そうね。気持ちはとても嬉しいけれど、引け目なんて感じる必要はないわ。
   むしろ、そんなことで契約なんてしたらお説教よ?」

さやか「あたしたちを心配してくれる、その気持ちだけで十分だよ。
    あたしだって、もしまどかが変な理由で契約したりなんかしたら怒るからね!
    ゼッコーだよ、ゼッコー!」

まどか「う……うん。じゃ、じゃあみんな!気を付けてね!がんばって!」

弱ほむ「うん。ありがとう、鹿目さん」

さやか「んじゃ、また明日―!」




358 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 03:17:39.19 ID:5upi7xT/0



マミ「それじゃ、パトロールの前に……美樹さんの魔法を確認しても良い?」

さやか「えーっとですね。武器は確か、剣っていうか、サーベル、みたいな?」

マミ「そう……。だとしたら私や暁美さんとは真逆……敵と近い距離で戦うことになるわね」

弱ほむ「その分、私たちよりもダメージを負いやすい……ですね」

さやか「あ、でもそこは多分大丈夫。なんかあたし、回復力だけは凄く高いみたいだから……」

弱ほむ「そ、その考え方は……あんまり良くないと思う……」

さやか「えっ……?」

マミ「そうね、暁美さんの言う通り。すぐに治るから傷付いても良いだなんて……。
   それに、傷を治すのだって魔力を使うのよ?
   無茶な戦い方ばかりしていたら、魔力がいくらあっても足りないわ」

さやか「そ、そっか……。勉強になります……」




359 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 03:20:28.18 ID:5upi7xT/0
マミ「今日はまず実戦を見て、それから反省会ね。
   それで見付かった改善点は、明日から特訓して直して行くわよ!」

さやか「は、はい!頑張ります!」

マミ「ふふっ、意気込みは十分ね」

弱ほむ『巴さん、なんだか楽しそうですね』

ほむら『後輩が増えて……いえ、仲間が増えて嬉しいんでしょうね。
    あんなに張り切って……巴さんの特訓、ますます厳しくなるかもね』

弱ほむ『み、美樹さん、大丈夫かな……』

ほむら『何を言ってるの?あなたも他人事じゃないでしょう?』

弱ほむ『うっ……が、頑張ります……』




362 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 03:25:57.59 ID:5upi7xT/0
数日後

さやか「おぉりゃああ!!」

使い魔「ギャァアアアアアアア……!」

さやか「ふぅ……どうですか、マミさん!」

マミ「すごいわ、美樹さん。初めての時より、ずっと上手に戦えてるわ」

さやか「えへへ……マミさんが特訓してくれたおかげですよ!」

ほむら『大したものね。思っていたよりずっと成長が早いわ』

弱ほむ『はい……美樹さん、すごいです』

ほむら『……そろそろ良いかも知れない』

弱ほむ『え……?』

ほむら『2人に、話してみましょう』

弱ほむ『っ……!』

マミ「……暁美さん、どうかした?」

弱ほむ「……その……実はお2人に、お願いがあるんです……!」

さやか「んー?どうした、改まってー。なんでも言ってくれたまえ!」




364 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 03:30:32.35 ID:5upi7xT/0
弱ほむ「……2週間後、この町に……ワルプルギスの夜が来ます」

マミ「ッ……!?暁美さん、それ、本当……!?」

さやか「わ、ワル……なんなの、それ……?」

マミ「私も、噂でしか聞いたことがないけれど……史上最悪、最強と言われてる魔女の通称よ。
   歴史の中で起きた大きな災害、天変地異なんかは、この魔女が原因だって言われてるの」

さやか「なっ……そ、そんなの、今までの魔女と……!」

マミ「そう、桁が違うわ。放っておけば、この町の人たちみんなが犠牲になりかねない……」

弱ほむ「それで……お願いというのは、私と一緒に……その魔女を倒して欲しいんです……!」

マミ「暁美さん……。そんなこと、わざわざお願いするようなことじゃないわ。
   だって、私たちはこの町を守る正義の魔法少女なんだから」

さやか「そ……そうだよっ!ま、まったく、水臭いなぁほむらはー!」




368 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 03:35:30.37 ID:5upi7xT/0
マミ「美樹さん……無理はしなくて良いのよ?」

さやか「うっ……た、確かにちょーっとびっくりしちゃったけど……。
    でも、そんなやばい奴が来るってのに逃げたりなんかしたんじゃ、正義の味方失格だもん!
    それに、あたしだって強くなってるんだから!これからもっと強くなるんだし!」

弱ほむ「美樹さん……!」

さやか「そういうわけで、ほむら!あたしもマミさんも手伝うよ!」

マミ「……ありがとう、美樹さん。それじゃ、みんなで一緒に、ワルプルギスの夜を倒しましょう!」

弱ほむ「あ……ありがとう、ございます……!」

マミ「そうと決まれば、明日からは美樹さんの特訓をもっと厳しくしなくちゃね。
   ワルプルギスの夜が来る前に、一人前にならないと!」

さやか「げっ!い、今よりもっと厳しく……?」

マミ「あら。何か不満?」

さやか「い、いえ……なんでもないです……」




372 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 03:38:15.09 ID:5upi7xT/0
弱ほむ『やった……2人とも、協力してくれるって……!』

ほむら『えぇ、良かった……。あとは……もう1人ね』

弱ほむ『……その、本当に、あの子を仲間に……?』

ほむら『前にも言ったでしょう?まどかを救うためには、最善手を尽くすべき。
    佐倉杏子は強い。あの子が仲間になってくれれば、とても心強いもの』

弱ほむ『は、はい……。え、っと……説得は、私が……?』

ほむら『どうしても無理そうなら私が代わるわ』

弱ほむ『……いけるところまで、頑張ってみます』




373 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 03:41:28.37 ID:5upi7xT/0
ゲームセンター

弱ほむ「…………」

杏子「……あのさぁ。なんか用?そんなとこで突っ立ってさ」

弱ほむ「!そ、その……」

杏子「何か仕掛けてくるのかと思ったらそんなことはないし……。
   その様子からして、昨日の続きをしようってんじゃないんでしょ?用があるんならさっさと言いなよ」

弱ほむ「え、えっと、その……あ、あなたに、お願いがあって来たんです……!」

杏子「お願い?どういう風の吹き回しよ?」

弱ほむ「……に、2週間後……この町に、ワルプルギスの夜が来る……」

杏子「……突然何を言い出すのさ」

弱ほむ「だ、だから、そいつを倒すのを、あなたに手伝って欲しいんです……!」

杏子「ふん……やなこった」




374 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 03:44:43.98 ID:5upi7xT/0
弱ほむ「っ……!」

杏子「あんた今、巴マミとつるんでるんだろ?それに、あの馬鹿……美樹さやかとも。
   他人のために動こうなんてくだらねぇ連中なんかと組めるかってーの」

弱ほむ「そ、そんな……!」

杏子「あんたらみたいな腑抜けた連中と一緒に戦ったところで、相手はあのワルプルギスの夜だろ?
   勝てるわけないっしょ。無駄死にも良いとこだ」

弱ほむ「そ、そんなこと……!巴さんは、すごく強いです……美樹さんだって、
    巴さんに比べたらまだ日は浅いけど、毎日特訓して、どんどん強くなってます……!」

杏子「はぁ……そういう問題じゃないんだよ」




420 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 09:10:42.84 ID:5upi7xT/0
杏子「他人のために戦ったって、自分には何の見返りもありゃしない。
   そんなことしたって、ただ自分を不幸にするだけだ」

弱ほむ「……そんな……」

杏子「あんたも考え直すなら今のうちだぜ?
   やれ正義だの人助けだの、そんなくだらねぇことで命落としたくなかったらさ。
   最後に生き残るのは自分のためだけに生きてきた奴なんだよ。
結局、人間ってのは自分のために生きるしかないんだ」

弱ほむ「っ……」

杏子「とにかく、あんたらみたいな平和ボケした無能な腑抜けと組むなんて、あたしはごめんだね。
   ……ま、そういうわけだ、諦めな。
   確かにこの絶好の狩場を潰されるのは確かに惜しいが、それより命の方が惜しいね。
   あんたらはせいぜい馴れ合って、ワルプルギスの夜とやれば良いさ。
   あたしとあんたら、どっちが正しかったかなんてのはすぐに分かる。
   ま、その頃にはあんたらはもう死んじまってるだろうけどさ。
   命が惜しけりゃあたしみたいに逃げ出すこった。あいつらにもそう言っときな。
   んじゃ、あたしはもう行くよ。じゃあね」

ほむら「……ずいぶんよく喋るのね、佐倉杏子」

杏子「っ……!」




422 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 09:14:47.86 ID:5upi7xT/0
ほむら「それも、挑発的なことばかり……」

杏子「……へっ。なんだよ、怒ったのかい?」

ほむら「まさか。ただ、少し気に掛かっただけよ」

杏子「あんたさ……いったい何者だい?
   こないだもそんな風に、突然雰囲気が変わったよねぇ?
   普段は猫被ってて、そっちがあんたの本性ってわけ?」

ほむら「いいえ。どちらも、紛れもない“私”よ。……私のことはどうでも良いわ。
    それより、あなたに改めてお願いするわね。私たちに、力を貸してほしい」

杏子「……随分こだわるねぇ。あんたにはもうお仲間がいるじゃんか。
   それなりに上手くやれてんだろ?
   なんであたしなんかにわざわざ頼み込む必要があんだよ。あたしはあんたの敵だぜ?」

ほむら「私はあなたのことを敵と思ったことはないわ。私の敵は、私の邪魔をするものだけ」

杏子「……ふーん……。なんだ、あの2人とは違うみたいじゃん、あんた」




423 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 09:19:26.29 ID:5upi7xT/0
ほむら「どういう意味?」

杏子「自分の邪魔をする奴は、容赦なくぶっ潰す。そんな目をしてる」

ほむら「…………」

杏子「訂正するよ。あんたは平和ボケもしてないし、腑抜けでもない。
   あんたみたいな奴となら、組むのも悪くないね」

弱ほむ『……!』

杏子「……気に入った。あんたの頼み、考えといてやる」

ほむら「……ありがとう」

杏子「ただし、条件があるよ」

ほむら「……何かしら」

杏子「ワルプルギスの夜を倒した後は、あんたらは一切あたしの魔女狩りの邪魔をするんじゃない。
   もし結界で会ったりなんかした場合は、全部あたしに獲物を譲ってもらうよ?
   簡単に言えば、この町であたしの好きにさせろってことだ。
   それでも良いってんなら、手伝ってやる」

ほむら「…………」




427 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 09:22:55.51 ID:5upi7xT/0
杏子「なんだよ。不服かい?」

ほむら「いえ……少し意外だったわ。あなたのことだから、
    巴マミと美樹さやかをこの町から追い出す、くらいのことは要求してくると思ってたから」

杏子「……別に、そっちの方が良いってんならそれでも良いんだぜ?」

ほむら「いいえ。あなたの提示した条件でお願いするわ。2人に頼んでみるわね」

杏子「それと、当然ワルプルギスの夜のグリーフシードはあたしのもんだからな」

ほむら「えぇ……それじゃ、交渉成立ね」

杏子「そいつは気が早いんじゃない?まずはあいつらがあたしの条件を呑んでからだろ?」

ほむら「……また会いに来るわね。それじゃ」




428 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 09:25:47.85 ID:5upi7xT/0



マミ「佐倉さんを、仲間に……!?」

さやか「しかも条件付きって……何様よ、あいつ」

弱ほむ「ど……どう、でしょうか……?」

マミ「……わたしは、構わないけど……」

さやか「……正直、あたしはあんま気が進まないよ。
    あんな、自分のために他の人を犠牲にするような奴と組むなんて……」

弱ほむ「で、でも……ワルプルギスの夜を倒すには、佐倉さんの力が必要なんです……!」

さやか「あたしたちだけじゃ、頼りないってこと?」

弱ほむ「そ、そういうわけじゃ……」

マミ「美樹さん……あなたの気持ちもわかるけど、暁美さんの言うことももっともよ。
   相手はあのワルプルギスの夜……考えうる最善の手を打つ必要があると思わない?」

さやか「……マミさん……」




429 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 09:30:08.27 ID:5upi7xT/0
さやか「……わかったよ。マミさんがそう言うなら……」

弱ほむ「じゃあ、条件の方も……」

マミ「えぇ。たとえグリーフシード目当てであっても、魔女を倒してくれることには変わりないんだし。
   使い魔の方は今まで通り私たちが倒せば良いものね」

さやか「でも、大丈夫なんですか?あたしたちの分のグリーフシードは……」

マミ「さすがにあの子もこの町の全ての魔女を狩るなんてことは無理だろうし、
   必要最低限のグリーフシードくらいは、私たちも手に入れられるはずよ」

さやか「ん……。あー、でもやっぱなーんか釈然としないなぁー」

マミ「まぁまぁ。理由はどうあれ、あの子も命をかけてくれるんだから。
   今だけは仲間が増えたと思って割り切りましょう?」

さやか「……努力はしてみます……」

弱ほむ「あ……ありがとう、ございます……!」

ほむら『……なんとか、2人とも承諾してくれたわね』




432 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 09:35:24.06 ID:5upi7xT/0



弱ほむ「……こ、こんにちは……」

杏子「よぉ。……ん?なんだ、また猫被ってんのかい?」

弱ほむ「べ、別に、そんなんじゃ……」

杏子「ま、どうでも良いけどさ。それでどうだった?条件のこと、話してみたんだろ?」

弱ほむ「その……条件、呑んでくれました」

杏子「……へぇ。なんだよ、思ったより素直じゃん」

弱ほむ「あなたの力が、必要ですから……。手伝って、くれますか?」

杏子「……わかった、あんたらに協力してやるよ。
   んじゃ、ワルプルギスの夜をぶっ倒すまで一時共闘ってことで良いんだね?」

弱ほむ「あ、ありがとう、ございます……!」

杏子「……ほら、食うかい?」




434 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 09:46:32.97 ID:5upi7xT/0



杏子「いっただっきまーす!ん~、うめぇ~!」

QB「どうしたんだい杏子。やけに上機嫌じゃないか」

杏子「おわっ、キュゥべえ!」

QB「何か良いことでもあったのかい?」

杏子「別に……なんでもねぇよ」

QB「暁美ほむらたちと共闘することになったようだけど、そのことと関係があるのかな?」

杏子「ちっ……見てたのかよ。覗き見たぁ相変わらず良い趣味してるじゃんか」

QB「君も人のことは言えなんじゃないかな。よく遠くから彼女たちを見てるじゃないか」

杏子「……ふん」

QB「君が誰かと手を組むのは2度目だけど、今度は上手く行くと良いね」

杏子「……余計なお世話だよ」




435 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 09:53:26.32 ID:5upi7xT/0
放課後

マミ「みんな、お待たせ」

弱ほむ「あ、巴さん」

さやか「そんじゃ、全員集まったことだし、いつも通りまどかの護衛と行きますか!」

まどか「ご、護衛って、そんな……」

杏子「よぉ、楽しそうだね」

さやか「っ……!?」

まどか「あ、あなた……!」

杏子「おいおい、そんなに警戒すんなって。せっかく挨拶に来てやったってのにさ」

弱ほむ「佐倉さん……!」

ほむら『……まさかこの子の方から会いに来るなんてね』




437 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 09:59:36.56 ID:5upi7xT/0
マミ「久し振りね、佐倉さん……。話は聞いてるわ」

杏子「そうかい。だったら説明は要らないね」

マミ「……本当に、信じて良いのね?」

杏子「安心しなって。本気で縄張り奪うつもりなら、
    わざわざ全員揃ってる時にこんな堂々と顔見せたりなんかしないよ」

マミ「……そうね、ごめんね。変に疑ったりして」

杏子「別に。そのくらい警戒してくれてた方が、あたしだって気が楽だ」

マミ「そう……。ともかく、あなたが元気そうで安心したわ」

杏子「そりゃどーも」

さやか「……あんた、あとで裏切るつもりじゃないでしょうね」

杏子「理由が違おうが、目的は同じなんだ。
   少なくともワルプルギスの夜をぶっ倒すまでは、あんたらにゃ手出ししないよ。
   それに、騙して裏切って……なんてまどろっこしい真似も好きじゃないしね」

さやか「…………」

まどか「え、えっと……?」




438 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 10:04:23.92 ID:5upi7xT/0
まどか「ど、どうして、この子が……?それに、ワルプ……え……?」

ほむら『……!』

杏子「なんだ、あんたお友達なのに何も聞かされてないのかい?
   ま、ただの一般人に話すようなことでもないけどさ。
   あたしも出来るなら首突っ込んで欲しくないし」

まどか「えっと……」

ほむら『しまった……出来ればこの子には伏せておきたかった情報なのに』

弱ほむ『ど、どうしましょう?ここまで知られて隠し通すのは……』

QB「状況が飲み込めないのも無理はないね。その点については、僕から説明するよ」

マミ「キュゥべえ!いつの間に……」

QB「まどか、知りたいだろう?なぜあの佐倉杏子がこうして接触してきたのか。
  そして、ワルプルギスの夜とは、何なのか。
  君には知る権利がある。いや、知るべきと言えるかもしれないね」




440 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 10:08:44.18 ID:5upi7xT/0
まどか「っ……」

QB「良いかい、まどか。ワルプルギスの夜と言うのは……」

ほむら『っ……!』

弱ほむ「ま、待って!そのことは、私が説明します……!」

まどか「ほむらちゃん……?」

QB「そうかい?そうしてくれるのなら、別に構わないけど」

マミ「それなら少し……長い話になるかも知れないわ。
   佐倉さんも話があるだろうし、一度私の家に集まらない?美味しいお茶とケーキもあるし、ね?」

杏子「おぉ、ケーキ!」

さやか「…………」




441 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 10:14:00.98 ID:5upi7xT/0
マミ宅

マミ「さぁどうぞ、召し上がれ?」

杏子「んー!うめぇ!」

マミ「…………」

杏子「んぐ、んぐ……。ん、なんだよ?」

マミ「……ふふっ。変わってしまったと思ったけれど、そういうところは変わらないわね」

杏子「っ…………うるせぇ」

さやか「……?ねぇ、ほむら……あの2人って……?」




442 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 10:16:29.86 ID:5upi7xT/0
まどか「わたしも……ちょっと気になっちゃった」

弱ほむ「うん……えっとね、佐倉さんは確か、巴さんの……」

杏子「おい、何こそこそ話してやがる!暁美ほむら、あんたがどこまで知ってんのかは知らねぇが、
   余計なこと言いやがったらタダじゃおかねぇからな!」

マミ「こら、佐倉さん?大人しくしてないとケーキ没収よ?」

杏子「なっ、なんでだよ!くそっ……わかったよ……!」

さやか「…………」

QB「盛り上がってるところ悪いんだけど、そろそろ本題に入った方が良いんじゃないかな」

まどか「……!」

マミ「……そうね。それじゃ、暁美さん、お願いしても良い?」

弱ほむ「……はい」




444 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 10:19:54.30 ID:5upi7xT/0
弱ほむ「1週間後、ワルプルギスの夜と呼ばれる魔女がこの町に来るの……」

まどか「ワルプルギスの、夜……」

弱ほむ「簡単に言えば……すごく強い魔女。きっと、1人で倒せる魔法少女は、ほとんど居ないくらい」

まどか「そ、そんなに、強いの……!?」

弱ほむ「うん……だから私は、仲間を増やしたの」

まどか「……あ、それで……!」

杏子「そういうこった。利害関係の一致ってやつ?
   少なくともそいつをぶっ倒すまでは、あたしらはチームを組むことになるね」

さやか「仕方なくだけどね」

マミ「美樹さん?あんまりケンカ腰にならないの」




445 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 10:24:06.10 ID:5upi7xT/0
弱ほむ「ワルプルギスの夜は、確かに強い……でも、大丈夫。私たちは、負けないから」

まどか「ほ、本当に……?」

杏子「4人も居りゃ十分すぎるっての。それとも何?あんた、あたしらを舐めてるわけ?」

まどか「そっ、そういうわけじゃ……!」

マミ「もう、佐倉さんも。あんまり脅かさないの」

さやか「まぁ……その点については同感だよ。
    安心しなって、まどか。魔法少女が4人も居るんだよ?負けるわけないって!」

マミ「……そうね。みんなの言う通りよ、鹿目さん。絶対に負けるもんですか」

まどか「さやかちゃん、マミさん……」

弱ほむ「だから、お願い……私たちのことを信じて……!
    絶対に、この町を、鹿目さんを、守ってみせるから……!」

まどか「……うん……わかった、わたし、信じる。みんなのこと、信じるよ……!」




447 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 10:27:02.57 ID:5upi7xT/0
弱ほむ「ありがとう……鹿目さん……!」

さやか「まどかが信じてくれるんなら、元気百倍ってなもんですよ!」

マミ「ふふっ、そうね。応援してくれる人が居るだけで、とても心強いわ」

杏子「…………ふん」

マミ「それじゃ、一段落着いたところで。パトロール、行きましょうか。
   もちろん、鹿目さんのお家経由でね」

杏子「はっ、相変わらず熱心なことだねぇ」

弱ほむ「佐倉さんは、行かないんですか……?」

杏子「いいや、行くよ。あんたらがどれだけやんのか見ておきたいし」

さやか「何よ、偉そうに……」

杏子「一応命を預けるんだ。当然だろ?
   言っとくが、今日の戦い見て駄目だと思ったらあたしは降りさせてもらうからね」

さやか「なっ……そんな、突然……!」

杏子「なんだよ、自信がないのかい?」

さやか「べ、別にそういうわけじゃ……」

杏子「あーそっか。あんた、こん中じゃ一番の下っ端だもんねぇ」




454 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 10:35:55.46 ID:5upi7xT/0
杏子「それもよりによって他人のために契約したとなっちゃ……ははっ。実力が知れるってもんだ」

さやか「うるさいわね!契約の理由は関係ないでしょ!?」

杏子「ま、悔しかったら実戦で証明してみなよ」

さやか「上等よ!なんなら今すぐ、ここで証明してあげようか!?」

杏子「はっ、おもしれぇ!受けて立とうじゃん!
   あたしとやって証明になるわけなんてないけどな!」

さやか「舐めんじゃないわよ!
    あんただって大口叩いて後で恥かいたって知らないからね!謝るなら今のうちだよ!」

杏子「だーれが謝るってぇ!?その言葉そのままそっくりあんたに返してやるよ!」

マミ「ほらほら2人ともー?ウチの中であんまり暴れないでくれると助かるんだけどなー?」

さやか&杏子「っ……!?」




456 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 10:40:00.25 ID:5upi7xT/0
さやか「はっ……はいっ!ごめんなさいっ……!」

杏子「っ……んだよ……あいつが勝手に突っかかってきたんじゃんかよ……」

マミ「佐倉さん?」

杏子「っ……な、なんでもねぇよ……くそっ……」

マミ「そう?なら良いの。それじゃ、みんな行きましょう?」

まどか「は、はい……」

弱ほむ『こ、怖い……』

ほむら『怒らせると色々と厄介なのよね、この人は……』




458 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 10:42:50.55 ID:5upi7xT/0



使い魔「ケケケケケケケ!!」

さやか「てい!おりゃあ!」

杏子「…………」

さやか「ちょっとあんた!ぼーっと見てないでちょっとは手伝ったら!?」

杏子「何言ってんのさ?だからあたしは、あんたらがどんだけやんのか見たいだけだって」

弱ほむ「美樹さん、前!」

さやか「うぉっ、とぉ!あぶなっ!」

マミ「だめよ、美樹さん!今は戦いに集中して!」

さやか「くっ……もー!わかったわよ!じゃああんたはそこであたしの活躍を見てなさいよね!」

杏子「活躍かどうかは知らねえが、最初からそうさせてもらうつもりだっての」




462 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 10:47:00.28 ID:5upi7xT/0



さやか「どおりゃあああ!」

使い魔「ギャァアアアアアア……!」

弱ほむ「今ので、最後だったみたい……」

さやか「どーよ!あたしの実力!」

杏子「……まぁ、確かにだいぶマシにはなってるな」

さやか「ふん!もっと素直に褒めたらどーなのよ?」

杏子「調子に乗んな、まだまだ甘いっつーの。大体が、攻撃一辺倒すぎなんだよ。
   たまたま高い回復力に頼って防御も回避もろくにせずにただ突っ込むだけじゃね」

さやか「なっ……!」

杏子「視野が狭すぎんだよ。動きも無駄が多くて、しかもワンパターンと来た」




463 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 10:49:59.50 ID:5upi7xT/0
さやか「な、なによ、ぼーっと見てただけの癖に偉そうに……」

マミ「あら……私が言おうと思ってたこと、ほとんど言われちゃったわね」

さやか「えぇ!?」

マミ「驚いたわ、佐倉さん。あなた、そんなに的確なアドバイスまで出来るようになってたのね」

杏子「まぁね。言ったろ?あんたらには命を預けるんだ。お粗末なままじゃ困るんだよ。
   とは言え……全体的には悪くない。粗が目立ったのはそこのボンクラだけだしね」

さやか「ぼ、ぼんくら……!?」

杏子「とにかく、あんたにゃ強くなってもらわなきゃ困るんだ。あんたは……」

さやか「……?何よ」

杏子「……ま、さっきも言った通り、全体的には悪くないしね。
   これならなんとかやれそうだ。引き続き、よろしく頼むぜ?」




464 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 10:52:56.21 ID:5upi7xT/0



さやか「あーあ、もう何なのよあいつ!むかつくぅー!」

マミ「確かに口はちょっと悪いけど……でも、あのアドバイスは的確だったわ」

さやか「だから余計むかつくんですよ……ギギギ……悔しい……」

マミ「それに、気付かなかった?あの子、あなたのことばかり見てたのよ」

さやか「えっ?」

弱ほむ「それは、確かに私もそう思いました……」

マミ「それもすごく真剣な顔でね」




467 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 10:56:10.05 ID:5upi7xT/0
さやか「……きっとあたしのこと気に入らないから、粗を探してやろうと必死だったんだよ!」

マミ「本当にそう思う?」

さやか「…………でもあたしは……まだあいつのこと、好きになれません」

マミ「考え方の違い……ね。確かにその壁は大きいかも知れないわね。
   でも……人の考え方には、人それぞれの理由がある。佐倉さんだって例外じゃないわ」

さやか「…………」

マミ「確かにあの子の考え方は利己的かも知れないけど……
  進んで人を傷付けたりするような子じゃないってことは、分かってあげてね」

さやか「……うん」




468 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 10:58:43.29 ID:5upi7xT/0
翌日、病院

さやか「恭介!」

恭介「やぁ、さやか」

さやか「どう?怪我の具合」

恭介「それがね、実は明日退院することに決まったんだ」

さやか「え、そうなの!でも予定じゃもう少しかかるって……」

恭介「先生もびっくりするくらい経過が順調だし、もう問題ないだろうって。
   ベッドで寝てるよりも、外で出歩いた方がリハビリにもなるだろう、って」

さやか「そうなんだ……!やったじゃん!おめでとう、恭介!」

恭介「ありがとう、さやか」




472 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 11:01:58.59 ID:5upi7xT/0
さやか「そんな、良いって良いって!あたしなんにもしてないし!」

恭介「……さやかには、本当に色々迷惑をかけたよね」

さやか「め、迷惑なんてこと……!あたしが勝手にお見舞い来てたんだし!」

恭介「…………」

さやか「……恭介?」

恭介「ねぇ、さやか……1つ訊いても良いかい?」

さやか「……な、なに……?」

恭介「あの日……僕が、自殺しようとした日……」




473 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 11:04:30.42 ID:5upi7xT/0
さやか「っ……!」

恭介「さやかが言ってた……さやかの人生は、って」

さやか「え、えっと、それは……。ッ!?」

恭介「……さやか?」

魔力反応!?
こんな時に……!

い、いや、これは逆に、助かったのかも……?

さやか「ご、ごめん!あたし、急ぐ用事があるんだった!もう行くね!」

恭介「え?ちょっと、さやか……!」

さやか「ほんっとーにごめん!退院おめでとう、恭介!またね!ばいばい!」




476 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 11:07:07.66 ID:5upi7xT/0
病院の外

さやか「ご、ごめん!お待たせ!」

まどか「さやかちゃん!」

マミ「美樹さん……良かったの?彼ともう少し長くお喋りしなくて……
   今日は私たちに任せてくれても良いのよ?」

さやか「い、良いですよそんなの!それより、反応はどの辺りから……?」

弱ほむ「病院の中というわけじゃないみたい……」

マミ「不幸中の幸い、と言ったところかしらね」

さやか「そっか……それじゃ、行きますか!まどかはここで待っててね!すぐ終わらせて来るから!」

まどか「う、うん……!みんな、気を付けて!」




477 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 11:10:04.52 ID:5upi7xT/0



まどか「……みんな、今戦ってるのかな……」

QB「みんなの様子が気になるかい?」

まどか「キュゥべえ!」

QB「どうしても気になるのなら、僕が連れて行ってあげられるよ。
  君も本心では、みんなの力になりたいと思ってるんだろう?」

まどか「…………」

QB「だいたい、この現状はちょっと妙だよね。
  この町の……いや、世界中の誰よりも素質を持つ君が、こんな風にただ傍観しているだけなんて。
  僕としては、素質のある子ほど契約してくれるに越したことはないんだけどな」

まどか「……それは」

杏子「ったく。あいつらの目を盗んで勧誘かい?相変わらずこすい真似するねぇ」

まどか「っ!」

QB「……杏子」

杏子「だからさぁ、もうこれ以上魔法少女増やすんじゃないっつーの。迷惑だって言ってんでしょ?」




478 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 11:13:25.43 ID:5upi7xT/0
QB「おかしなことを言うね。ワルプルギスの夜を倒すのには、味方が1人でも多い方が良いじゃないのかい?」

杏子「そういうことじゃねぇんだよ。おい、あんた……まどかっつったか?」

まどか「う、うん……」

杏子「あんたみたいな幸せに暮らしてる奴に魔法少女になられるのが一番むかつくんだわ。
   覚えときな。もしあんたがくだらねぇ願いで契約なんかしたら、
   このあたしがいの一番にぶっ潰してやるよ」

まどか「……うん。大丈夫だよ。みんなが言ってたから……
    わたしには、信じて待っていて欲しいって。
    だからわたしは、そんな簡単に魔法少女になったりなんてしない」

杏子「わかってんなら良いんだ。ま、そういうこった。残念だったな、キュゥべえ」

QB「……ところで、君はみんなと一緒に戦わなくて良いのかい?」

杏子「だってあれ、ただの雑魚じゃん。あたしが行かなくたってあいつらだけで十分だろ。
   見るだけならこっからだって出来るしね」

QB「そうかい」

杏子「……あーあー何やってんだよあいつ……だからもっと周り見ろってんだ、ったく……」

QB「…………」




479 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 11:15:44.73 ID:5upi7xT/0



マミ「お待たせ、鹿目さん」

まどか「お疲れさまです!みんなも、お疲れさま!」

さやか「いやー、今日もさやかちゃん大活躍だったよ!」

杏子「どこがだよ、危なっかしいったらありゃしない」

さやか「なっ!?あ、あんた居たの!?」

弱ほむ「来てくれてたんですね……」

杏子「ま、一応ね」

マミ「それで、どうだった?今日も美樹さんのこと見てくれてたんでしょ?」

杏子「昨日言ったことには多少気を付けてるようだったが、でもまだまだ……」

さやか「っ……うるさいなぁ!見てるだけのあんたに言われたくないわよ!」




480 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 11:19:01.74 ID:5upi7xT/0
杏子「なんだよ、図星つかれて悔しいのかい?」

さやか「くっ……この……!」

弱ほむ「み、美樹さん、落ち着いて……!」

まどか「そ、そうだ!ねぇさやかちゃん!上条くんの具合、どうだったの?」

さやか「え……何、恭介がどうしたって?」

まどか「ほら、もう怪我が治って何日か経つよね!その後は順調なのかなーって!」

さやか「あ、うん。それがさ、明日には退院なんだって」

ほむら『……!』

マミ「まぁ!良かったわね、美樹さん」

さやか「えへへ……どーも」




481 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 11:21:24.42 ID:5upi7xT/0
杏子「あぁ、あんたが惚れてる男か。おめでたいこった」

さやか「あんたの“おめでたい”は絶対馬鹿にしてるでしょ!」

マミ「あら、もう“惚れてる”は否定しないのね」

さやか「うっ……そ、そそそんなこと……!」

まどか「さやかちゃん、もうみんな気付いてるよ……」

さやか「えっ!?う、うそ!?」

杏子「あたしが気付いててそいつらが気付かないわけないだろうが……」

弱ほむ『ふふっ……美樹さん、楽しそう』

ほむら『……浮かれてる場合じゃ、ないかも知れないわよ』

弱ほむ『えっ……?』

ほむら『忘れたの?あの子が……美樹さんが、魔女化してしまう理由。話したでしょう?』

弱ほむ『っあ……!』




482 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 11:23:59.70 ID:5upi7xT/0
さやか「も、もう良いでしょ!この話は!さー帰ろう帰ろう!」

弱ほむ「は、早く告白しなきゃ!」

さやか「うぇっ!?」

杏子「っ……なんだよ。急にでかい声出すなよな」

マミ「暁美さん、どうしたの突然?」

弱ほむ「は、早く告白しないと……と、取られちゃう……!」

まどか「取られちゃう、って……?」

弱ほむ「え、えっと、……だ、誰かが、
    上条くんが退院したら、告白しようかなーって、言ってた、ような……」

さやか「えっ……!?」

まどか「ほ、ほむらちゃん、それ、本当!?」

さやか「あ、あははは……そんなまさか……」

弱ほむ「ほ、本当ですっ……!」

マミ「だとしたら……美樹さん、これは一刻を争う事態よ。
   今からでも遅くはないわ。緊急会議を開きましょう」

杏子「あほくさ……勝手にやっててくれ。あたしは帰る」




483 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 11:26:25.59 ID:5upi7xT/0
さやか「い、良いよ緊急会議なんて大げさな……」

まどか「でも、さやかちゃん……」

マミ「美樹さん、本気で彼のこと好きなんでしょう?」

さやか「うっ……まぁ……う、うん……」

マミ「とにかく、まずはその誰かより先にアプローチを仕掛けないとね」

さやか「アプローチったってそんな、どうすれば……」

弱ほむ「と、とりあえず、朝一緒に学校に行こうって誘ってみたら……」

さやか「えっ……!で、でも変じゃない?そんな理由もなく……」

まどか「理由なんて考えちゃえば良いんだよ!」




558 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 18:07:26.05 ID:5upi7xT/0
マミ「そうね……例えば、退院直後で体が心配だから、とか?」

ほむら『そう言えば彼、退院直後は松葉杖を付いていたわ。外で歩くのもリハビリだって』

弱ほむ「……!じゃあ、リハビリの練習に付き合うって言うのはどうかな……」

さやか「あ……確かに恭介、リハビリがどうとか言ってたような……」

マミ「まぁ、だったらちょうど良いじゃない!
   まずはリハビリのお手伝いってことで、一緒に登校するところから始めましょう?」

さやか「……まぁ、そのくらいならなんとか……」

マミ「今日はもう遅いから無理かも知れないけど、明日には誘わなくちゃ。
  彼が登校してくるのは明後日でしょうし、それまでにね」

まどか「さやかちゃん、がんばって!」

弱ほむ「応援するね……!」

さやか「お、おう……。恥ずかしいなぁ、もう」




563 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 18:11:12.45 ID:5upi7xT/0
翌日、上条家

さやか「や、やっほー、恭介」

恭介「やぁ、さやか。今日はどうしたんだい?」

さやか「えっと……一応、もう1回おめでとうって言っておこうと思って……」

恭介「そんな、わざわざありがとう。嬉しいよ」

さやか「それでね、えっと……き、恭介!足の具合はどう!?」

恭介「前みたいに歩けるにはもう少し時間がかかりそうかな……。でも大丈夫。
   すぐに歩けるようになって見せるよ。今週中に松葉杖なしで歩くのが目標なんだ」

さやか「あの、えっと……て、手伝おっか……?」

恭介「え?手伝うって……」

さやか「だ、だから、恭介が早く元通りに歩けるように、手伝おっかな、って……」




566 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 18:14:29.69 ID:5upi7xT/0
さやか「と、登下校も、リハビリのうちなんでしょ?
    だから、その……い、一緒に登校してあげるよ!」

恭介「そんな……悪いよ。ただでさえ、さやかにはたくさんお見舞いに来てもらってたのに、
   退院してからもまだ手間をかけさせるなんて……」

さやか「い、良いの!あたしがやりたくてやってることなんだから!
    恭介はそんなこと気にしなくて良いの!遠慮しないでよ、幼馴染なんだからさ!」

恭介「さやか……本当に良いのかい?」

さやか「だから、良いんだって!」

恭介「そうか……ありがとう。だったら、お願いしようかな」

さやか「っ……!う、うん!」

恭介「それじゃ、明日からよろしくね、さやか」

さやか「うん!明日迎えに来るから!約束だよ!忘れちゃ嫌だからね!」




570 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 18:18:26.29 ID:5upi7xT/0
翌日

さやか「みんな、おっはよー!」

恭介「あはは、さやかは朝から元気だね」

まどか「さやかちゃん!」

ほむら『上手くいったみたいね』

弱ほむ「良かった……」

中沢「おい上条!もう怪我は良いのかよ!」

恭介「おかげさまで。足の方はもう少しかかりそうだけどね」

中沢「つーか、退院早々見せ付けてくれるじゃねぇか、おい!」

恭介「あはは、もう、からかわないでくれよ。さやかは僕のリハビリに付き合ってくれてるだけだよ」

さやか「そっ、そうだよ!やだなー勘違いしちゃってさみんな!ねぇ、仁美!」

仁美「……お2人は、まだお付き合いしてませんの?」




571 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 18:19:49.49 ID:BppDBCCC0
ワカメは こちらの ようすを うかがっている!




574 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 18:22:02.95 ID:vyYewbMz0
わかめ!空気読んで!




575 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 18:23:30.06 ID:5upi7xT/0
さやか「だーかーら、そう言ってるじゃん!仁美まで何言い出してんのよもう!」

仁美「……そうですか」

さやか「そうだよ!まったく、みんなしてからかっちゃってさ、困っちゃうわよねー!」

仁美「……さやかさん、今日の放課後、時間はありますか?」

さやか「へっ?今日の放課後。うん、まぁ別に良いけど?」

弱ほむ『……!こ、これってもしかして……』

ほむら『……でしょうね』

弱ほむ『と、止めた方が良いでしょうか……!』

ほむら『今止めたところで……志筑仁美の意志は変わらない。
    ……結局私たちに出来るのは手助けだけ。最終的に解決するのは本人でないと……」

弱ほむ『っ……』

ほむら『幸い、今の美樹さんは恋愛に関して比較的前向きになってる。
    今のあの子なら、きっと大丈夫。きっと……』




576 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 18:27:06.49 ID:5upi7xT/0
放課後

マミ「あら、今日は美樹さんは一緒じゃないの?」

まどか「はい。なんか、仁美ちゃんがさやかちゃんに大切な用事があるみたいで」

マミ「仁美……あぁ、あなたたちのお友達の志筑仁美さんね?」

まどか「うーん……2人っきりで話がしたいなんて、どうしたんだろ?」

弱ほむ「……上条くんのこと、だと思う」

まどか「へっ……?」

マミ「暁美さん……それ、どういうこと?」

弱ほむ「この前言った、上条くんが退院したら告白する人って……志筑さんのことだったんです……」




577 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 18:30:32.38 ID:5upi7xT/0
まどか「っ……え、う、うそ……!」

マミ「……それって……!」

まどか「そ、そんな……仁美ちゃんが……!?ど、どうしたら良いの、そんなの……!」

マミ「……こればっかりは……私たちが考えても仕方ないこと、だと思う。
  美樹さんと、志筑さんが2人で解決しないと……」

まどか「っ……」

マミ「……そうね。どんな結果になっても、恋ばっかりは、どうしようもないものね……。
   大丈夫、きっと美樹さんなら、良い結果を持って帰ってくれるわ!」

まどか「は……はい……。さやかちゃん……」




580 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 18:34:38.15 ID:5upi7xT/0



マミ「見つけた……!」

弱ほむ「反応、ここで間違いなさそうですね」

杏子「ん?よぉ、やっと来たか」

弱ほむ「佐倉さん!」

杏子「へへっ、今日はあたしが一番乗りだな。しかもこの反応、相手は魔女だ。
   一番乗りってことで、こいつのグリーフシードはあたしが頂くよ」

マミ「そんなルールを決めた覚えはないけど……まぁ良いわ。手伝ってくれるのなら」

弱ほむ「そうですね、今日は美樹さんも居なくて1人足りないからちょうど……」

さやか「お、お待たせしましたぁ!」

弱ほむ「えっ……?み、美樹さん!?」

ほむら『ッ……!この子、まさか……!』




582 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 18:40:11.94 ID:5upi7xT/0
マミ「あなた、志筑さんは……いえ、上条くんは……!?」

さやか「え……もしかして、みんな知ってるの?や、やだなぁもう……」

弱ほむ「か、上条くんのところには行ったの……!?」

さやか「……だってさ、魔女の気配がしたから……」

ほむら『っ……行かなかったのね……』

杏子「……大丈夫なのかよ」

さやか「……だってあたしは、魔法少女なんだから!魔女退治に優先することなんて……」

マミ「……わかったわ、それなら早く片付けちゃいましょう!」

弱ほむ『美樹さん……本当に大丈夫なんでしょうか……』

ほむら『そんなわけ、ないじゃない……。
    あの子は今、使命感と恋愛感情との間で揺れている……。
    そんな状態でいつも通りに戦えるはずがない……!』

さやか「…………」

……あたしは、大丈夫。
だってあたしは、魔法少女なんだから。
一番優先しなきゃいけないのは、自分のことなんかじゃなくて、他の人のことなんだから……!




588 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 18:48:41.16 ID:5upi7xT/0



魔女「オォオオオォォオオオ!!」

さやか「くっ……このっ……!」

杏子「何やってんだこの馬鹿!真面目にやれ!」

さやか「や、やってるよ……!でも……!」

っ……全然、体がいつもみたいに動かない……!

マミ「美樹さん……全然、いつもと違う……!連携が繋がらない……!」

弱ほむ「っ……やっぱり、美樹さん……!」

魔女「オォォォオオオオオオオオオ!!」

さやか「……あっ……!」




594 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 19:01:00.32 ID:5upi7xT/0
しまった……!

魔女「オォオオオオオオオオ!!」

魔女の、攻撃……大きい……!
これは受けちゃ駄目だ……絶対、避けないと……!

さやか「……!」

あ……駄目、無理、これ、避けられな……!

杏子「ッ!さやか!」

さやか「えっ……」

杏子「あぐぅっ……!」

う、うそ……あたしを……かばった……!?

杏子「がっ……はっ……!」




597 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 19:07:50.78 ID:5upi7xT/0
マミ「さ、佐倉さん!?」

弱ほむ「えっ……!?な、なに、何が……ッ!」

杏子「っ……くそ、直撃、かよ……!ぐっ……この程度の、傷……魔法で……!」

マミ「大変、すごい血が……!……え?さ……佐倉、さん……?」

杏子「な……んだよ、これ……」

さやか「っ……あ、あんた、なんで……」

杏子「な、んで……!変身、解けてんだよ……!」

ほむら『ッ……!』

弱ほむ「嘘……まさか……!ソウルジェムが、壊れ……!?」

ほむら『いいえ、ソウルジェムが破損したなら既に……これは……!』




600 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 19:12:33.82 ID:5upi7xT/0
ほむら『杏子の出血箇所……そうか……!魔女の攻撃で、ソウルジェムが抉り取られたのよ……!』

弱ほむ『そ……そんなことって……!』

魔女「オオオォォォォ……」

マミ「結界が、消え……!」

ほむら『まずい……!』

杏子「くそっ……逃が、すか……!」

さやか「だ、だめだよ!そんな傷で……!それに、変身もしてないのに……!」

ほむら「っ……!」

 カチッ

マミ「えっ……あ、暁美さん!?」




603 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 19:15:57.79 ID:5upi7xT/0
マミ「こんな時にどこへ……!」

QB「きっと、逃げた魔女を追いかけたんだろうね」

さやか「キュゥべえ!?ま、魔女を追いかけるって、そんなことしてる場合じゃ……」

QB「いや、彼女の判断は正しいよ。
  なんせ、君たち魔法少女が体をコントロールできるのは、せいぜい100m内が限度だからね。
  本体であるソウルジェムが結界ごと移動するとなると、少し大事になる」

さやか「え……?あ、あんた何言って……」

マミ「さ、佐倉さん?佐倉さん!?どうしたの!?しっかりして!!」

さやか「ッ……!?」

QB「まぁ、そうなるだろうね」

マミ「美樹さん!大変なの、佐倉さんが!傷は治したのに、治したはずなのに!
  どうして……!どうして死んじゃってるの!?」

さやか「……うそ……!」




606 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 19:20:49.13 ID:5upi7xT/0
さやか「ッ……キュ、キュゥべえ!どういうこと!?」

QB「だから、さっきも言ったじゃないか。ソウルジェムこそが、君たちの本体、魂なんだよ。
  そこに転がってるのは杏子じゃない。ただの抜け殻さ」

マミ「な……なに、を……」

QB「魔法少女と契約を取り結ぶ僕の仕事はね。
  君たちの魂を抜き取って、ソウルジェムに変換することなんだよ」

さやか「……うそ」

マミ「私たちの本体が……ソウルジェム……?
   どうして……どうしてそんな大事なことを黙ってたの!?」

QB「訊かれなかったからね。事実、知らなかったところで何の不都合もない。
   マミ、君は何も知らなかったけど今まで立派に魔法少女の務めを果たして来れたじゃないか」




608 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 19:23:39.75 ID:5upi7xT/0
マミ「っ……わたしたちを、騙してたの……?」

QB「騙すという行為自体、僕には理解できないよ」

さやか「じ……冗談じゃないわよ!そんな、そんなの……!
    あたしたち、ゾンビにされたようなもんじゃない!」

QB「やれやれ……君たちはいつもそうだね。真実を知ると決まって同じ反応をする。わけがわからないよ」

さやか「くっ……この……!」

ほむら「っ……はぁ……はぁ……はぁ……」

さやか「ほ、ほむら……!」

マミ「暁美さん!あの魔女は……さ、佐倉さんのソウルジェムは……!?」

ほむら「……ごめんなさい」




613 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 19:28:17.32 ID:5upi7xT/0
さやか「え……」

ほむら「気配を、見失ってしまった……逃がしてしまった……」

マミ「そんな……!」

QB「そうか、良かった」

さやか「ッ……!?ふざけんな!何が……!」

QB「だってまだ望みはあるってことだろう?ソウルジェムが砕けない限り、
  見付け出してそこの体の元に持って来れば、また元通りに動くようになるんだから」

マミ「……!」

QB「ただし、それまで体の扱いには注意した方が良いよ。
  せっかく魂が戻っても、鮮度が維持できていなければ……」

ほむら「もう良いわ、キュゥべえ。あとは私たちでなんとかする。目障りだから早く消えて」




616 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 19:34:12.03 ID:5upi7xT/0
QB「……君は怒るとずいぶん人が変わるみたいだね」

ほむら「消えろと言ったのよ。聞こえなかったのかしら」

QB「やれやれ、わかったよ」

ほむら「…………」

さやか「ね、ねぇ、ほむら……これからどうすれば……!?」

ほむら「あいつの言う通り……この子を元に戻す方法はある。
    それにはまず、この体をどこか安全な場所に移して、鮮度を魔力で維持しないと……」

マミ「っ……だ、だったら、私の家に移しましょう……!
  それにそういう魔力の使い方なら、きっと、私が一番向いているはず……」

ほむら「……巴さん……!」

さやか「じ、じゃああたし!あの魔女を、ソウルジェムを探して来る!」

ほむら「……2人とも、平気なの……?」

マミ「……確かに、ショックだけど……今はそれどころじゃないもの」




619 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 19:36:44.82 ID:5upi7xT/0
マミ「泣くのも落ち込むのも、全部終わってから。佐倉さんがこんな状態なのに……」

さやか「……あたしの……あたしのせいで……!」

ほむら「……後悔も、すべてが終わってからにしましょう。謝るのなら、この子に直接謝らないとね」

さやか「っ……うん……」

ほむら「……それから2人とも。ソウルジェムの穢れには十分注意して。
    ソウルジェムは、私たちの魂。魂が穢れるということは……」

マミ「……少なくとも、良くないことが起こることは確実ね」

さやか「それこそ本当に……死んじゃうとか……」

ほむら「そうね……そう考えてもらって良い。
    この宝石が黒く濁りきった時、私たちは人としての死を迎える」

マミ「っ……わかった、ソウルジェムの状態には細心の注意を払うわね」

ほむら「それじゃ、この子の体をお願いします。
    私は美樹さんと手分けしてソウルジェムを……」

さやか「う、うん……!」




620 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 19:39:54.34 ID:5upi7xT/0



ほむらは、悔やむのも全部終わってから、って言ったけど……やっぱり、無理だよ。
あたしのせいで誰かが死ぬかも知れないなんて、そんなの、悔やむなって方が無理……。

なんで、こんなことになっちゃんたんだろ……。

……あたしが、戦いに集中してなかったから……。
そうだ、戦ってる途中、ずっと頭がもやもやして、全然動かなかった……。
それはどうして……?

……恭介。
恭介のことばっかり、考えてたからだ……。

……あたしって、何なんだろ……。




623 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 19:42:46.71 ID:5upi7xT/0
正義の味方とか言っちゃって、人のために戦うとか言っちゃって……

結局あたしは、本当は恭介と幸せになりたかったんだ。
人のためじゃなくて、自分のため……自分が幸せになりたかったんだ。

でも、その幸せが手に入らないかも知れないってなったら、その途端に……。

結局、何もかも中途半端。

あたしは、何なの?
あたしは、何のために……。

さやか「う……ぁああああああ!!」

使い魔「ギャァァアアアアア……!」

さやか「はぁっ……はぁっ……ここじゃ、なかった……次……!」




628 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 19:47:37.05 ID:5upi7xT/0
翌日、放課後

まどか「さやかちゃんとほむらちゃん、結局学校来なかったな……」

QB「今良いかな、まどか」

まどか「キュゥべえ!ど、どうしたの?」

QB「2人が学校を欠席した理由が気になっている様子だったからね。ちなみに、マミも今日は欠席だ」

まどか「……!じゃあやっぱり……!」

QB「そうだね。魔法少女絡みだ。実は今、少し大変な状況にある」

まどか「た、大変って……!?」

QB「魔女との戦いで負った傷が原因で、佐倉杏子が目を覚まさないんだ。
  それも、さやかを庇って負ってしまった傷でね」




631 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 19:52:44.42 ID:5upi7xT/0
まどか「えっ……!?」

QB「そのおかげで、さやかはかなり精神的に動揺している。
   杏子はもとより、さやかまで危険な状態と言って良い。
   半ば自暴自棄気味に、魔女や使い魔を見境なく倒して行ってる。
   このままじゃあ、いつ何が起こるか分からない」

まどか「そ、そんな……!」

QB「最悪の場合、2人とも命を落とす可能性だってある。
  ただ……君なら、その運命も覆すことが可能だ」

まどか「っ……!」

QB「だから、まどか。僕と……」

ほむら「それには及ばないわ……!」




635 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 19:56:38.34 ID:5upi7xT/0
QB「…………」

まどか「ほむらちゃん……!」

ほむら「その件については、私が対処する……」

QB「……君だけで対処しきれるのかな。杏子の目を覚まさせるだけじゃなく、
  彼女を救わなければいけないはずのさやかにまで気をかけなければならない。
  君1人では荷が重過ぎないかい?」

ほむら「……平気よ……」

まどか「ほむらちゃん……本当に……!」

ほむら「……大丈夫よ、鹿目さん。美樹さんなら、きっと佐倉さんを救える。
    それに、私も巴さんも今、全力を尽くしてる……。
    前にも言ったでしょう?私たちを、信じていて欲しい……」

まどか「……で、でも……わたし……!」

ほむら「……どうしてもと言うなら……あの子の、佐倉さんのそばに居てあげて」




637 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 19:59:29.60 ID:5upi7xT/0
ほむら「家でじっと待っているのが我慢できないのなら、あの子の横で、見守ってあげてちょうだい」

まどか「っ……ほむらちゃん……!」

ほむら「佐倉さんは今、巴さんの家で眠っているわ」

まどか「わ……わかった!ありがとう……!」

ほむら「…………」

QB「やれやれ……君はわざと僕の邪魔をしてるよね」

ほむら「さぁね。あなたに構ってる暇はないの。それじゃ」

QB「…………」

弱ほむ『……あ、あの。良かったんですか?鹿目さん、巴さんのところに行かせても……』

ほむら『確かに、今の現状をまどかにはあまり知られたくはなかったけれど、
    私たちの目の届かないところであいつに契約を持ちかけられるよりはマシよ』

弱ほむ『……鹿目さんにはああ言ったけど……美樹さん、本当に、大丈夫なんですか……?』

ほむら『……急ぎましょう』




641 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 20:03:31.84 ID:5upi7xT/0
マミ宅

まどか「ま、マミさん……!」

マミ「っ……鹿目さん、どうしてここに……!」

まどか「き、杏子ちゃんが大変だって聞いて……杏子ちゃんは!?」

マミ「……今は、眠ってるわ」

まどか「……杏子ちゃ……えっ……?」

マミ「…………」

まどか「手が、冷たい……こ、これって……!」

マミ「……っ……」

まどか「そんな……!で、でも、生き返るんですよね!?
    だって今、さやかちゃんとほむらちゃん、頑張ってくれてるって……!」

マミ「……えぇ。ソウルジェムを、見付け出せば……」

まどか「……え……?」




643 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 20:07:05.98 ID:5upi7xT/0



まどか「そ、そんな……そんなことって……」

マミ「私も、すごく混乱してるわ……でも、今はそんなこと言ってる場合じゃない……。
   こんな……佐倉さんがこんな状態なのに……
   私たちだけで泣いたり騒いだりしてるわけにも、いかないもの……!」

まどか「マミさん……!」

マミ「……それとね。あなたが来てくれて、少しだけ気が楽になったわ。ありがとう、鹿目さん……」

まどか「……!い、いえ、そんな……」

マミ「……今は、私たちにできることを、するしかない……。
   暁美さんと美樹さんなら、きっと大丈夫。
   きっともうすぐ、佐倉さんのソウルジェムを持ってきてくれるわ」

まどか「は……はい……!」




646 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 20:09:26.69 ID:5upi7xT/0



さやか「はぁっ……はぁっ……違った……ここじゃ、なかった……」

次、探さなきゃ……。

昨日の晩から、もう丸1日近く戦い続けてる……。
学校なんて、当然言ってる場合じゃない。

……何時間経ったんだろ……。
夕方なのは分かるけど……。

……もう、そんなに時間が……!
早く、早くしないと……!

さやか「……あ」

あれ……公園のベンチに、誰か……。




654 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 20:14:32.24 ID:5upi7xT/0
あ……仁美と、恭介……。
そっか、そうだった……今日だった……。

っ……!
仁美が、恭介の手を……

さやか「っ……魔女、探さなきゃ……」

あたしは、その場を逃げるように後にした。
魔女を探すという理由で。

……その場から離れられるならどこでも良かった。
けど……闇雲に歩き回ったって、魔女は簡単には見付からない。

気付いたら……日が暮れてた。
でも、まだ魔女は見付からない。

さやか「っく……ぅ……っ……もう……なんなのよ……なんなの……なんなんだよぉ……!」




658 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 20:18:19.21 ID:5upi7xT/0
もう、何も分からない。
あたしは何のために祈ったのか。
何のために生きてるのか。
何のために、何をしているのか。
何も分からない……!

もしこのまま魔女が見付からなかったら……あたしは、あたしは……

ッ!?

さやか「こ、この、反応……!」

もしかして……いや、間違いない、この反応だ……!

さやか「っ……やっぱり、ここだ、この、結界だ……!」

やった、やっと見付けた……!
後は、魔力を頼りにソウルジェムを見付ければ……

 「きゃぁああああああ!?」

さやか「っ!?」




661 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 20:23:05.35 ID:5upi7xT/0
悲鳴!?
そんな、誰か結界に取り込まれて……!

さやか「くっ……!待ってて、今……ッ!?」

仁美「な、何……ここ、何、なの……!?」

……ひと、み……?

魔女の目の前に、座り込んでる少女。
その姿は間違いなく……あの、仁美だった。

魔女「オォオオオオオオオオ!!」

仁美「あ…………」

っ……!
……いや、気絶しただけみたいだ……。

……その時。
視界の端に、きらりと何かが……光るのを見付けた。




663 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 20:25:41.66 ID:5upi7xT/0
……!
あれは……!

拾って、手に取る。
間違いない、ソウルジェムだ……!

さやか「っ……あった……あった……!っ………………」

……ソウルジェムが、見付かった。

……ということは、もう、この結界には、用はない……?

そうだよ……あたしは、一刻も早く、戻らないといけないんだ。
早く、そうだよ、こんなとこ、出て、早く……。

さやか「ぁ……ぁあああああああああああああ!!!!」




668 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 20:30:27.12 ID:5upi7xT/0
魔女「ギャァアアアアアアアアアアア……!!」

さやか「うぁあああ!ああぁぁあああああッ!!」

あたしは、一心不乱に魔女に斬りかかった。
頭の中のごちゃごちゃを掻き消すように、とにかく、斬って、斬って、斬って……。

さやか「はぁっ……はぁっ……はぁっ……!」

気付けば、魔女も結界も消えていた。

仁美「ん……あ、あれ……?わ、私、今……?」

さやか「仁美……!」

仁美「さ、さやかさん……?な、何があったの……?私、さっきまでどこに……」

さやか「仁美の馬鹿!馬鹿馬鹿馬ばかばかばかばかばかぁあ!!」

仁美「いたっ、ちょ、ちょっと、さやかさん!?い、いたたっ……!」

さやか「あんたなんか大嫌い!ふざけんな!!ふざけんなぁあ!!
    馬鹿!馬鹿ぁあああ!!嫌い、嫌い嫌い嫌い!大嫌い!!
    うわぁああああああん!わぁあああああああああああああん!!!」




675 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 20:34:44.04 ID:5upi7xT/0
仁美「あっ……さやかさん、ま、待って……!」

さやか「ほっといてよ!!あんたなんかに構ってる暇ないんだから!!離して!!」

仁美「さっ……さやかさんの馬鹿!大っ嫌い!!」

さやか「っ……!?」

仁美「私だって、私だって……!想いは負けないはずなのに!!
   ずるいです、ずるいですわ……!
   幼馴染だというだけで有利なのに、あんなに、お見舞いにまで行って……!」

さやか「……仁美……?」

仁美「あんなに、健気に、一心に尽くして……そんなの、勝てるはず、ありませんもの……」




678 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 20:36:52.07 ID:5upi7xT/0
仁美「……振られて、しまいました……。上条くんに……私……」

さやか「…………え」

仁美「……さやかさん、あなたが居るから、って……そう、言われて……」

さやか「うそ……だ、だって……」

仁美「嘘なんかで、こんな辛いこと言えるはずない……さやかさんの、馬鹿……」

さやか「あ、えっと、その……」

仁美「……ぐすっ……急ぐ用事が、あるのでは……?」

さやか「っ……!っ……ごめんっ……!」

仁美「……さやかさんなんて、大嫌い……ぐすっ……」




680 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 20:38:04.17 ID:s8VT8jOp0
ええええええええええええ




681 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 20:38:33.84 ID:iYOjS86n0
どういうことや




685 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 20:39:43.93 ID:5upi7xT/0
マミ宅

さやか「マミさん!!」

まどか「さやかちゃん……!」

マミ「美樹さん……今ちょうど、暁美さんも戻って来て……っ!?そ、それ……!」

ほむら「美樹さん、あなた……!」

さやか「やった……見付けた……!」

ほむら「良かった……!早く、この子の胸の上に!!」

さやか「うん……!」

杏子「………………っは……!」




689 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 20:42:07.19 ID:5upi7xT/0
杏子「……あたし……」

さやか「杏子……!生き返った……!良かったぁ……!」

杏子「おわっ!な、なんだよ急に、抱き付くなよ……!」

マミ「本当に、良かった……!」

まどか「良かったぁ……!信じてて良かったよぉ……!」

杏子「……あんたら」

弱ほむ「……みんな、ずっと頑張ってくれてたんです」

杏子「あぁ……あたしのソウルジェム、探してきてくれたんだな」




693 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 20:44:28.19 ID:5upi7xT/0
さやか「っ……あんた、その……どこまで、知って……?」

杏子「……ソウルジェムが、あたしたちの魂、ってとこまでか。
   あいつの話をそこまで聞いて、意識が飛んだ」

マミ「……そう……聞いてたのね」

杏子「……まぁね」

さやか「……ごめん」

杏子「何がだよ?魂をソウルジェムにしやがったのは、キュゥべえの奴だろ?」

さやか「そうじゃない……!あたしのせいで、杏子が、杏子が……!」

杏子「あー……。別に良いよ、こうして助かったんだし。
   それにあたしだって、もう少し上手くやれたはずなんだ」

さやか「……どうして……?」

杏子「あん?」

さやか「どうして、あたしを助けてくれたの……?」




695 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 20:48:42.63 ID:5upi7xT/0
さやか「あんた……自分勝手な奴だと思ってたのに、どうしてあんな……
    傷付いてまで、あたしを……あたし、なんかを……」

杏子「……あんたには、死んでもらっちゃ困るんだよ。生きてくれなきゃ困るんだ」

さやか「……どういう、こと……?」

杏子「……別に良いだろ、どうでも」

さやか「お願い、教えて!教えてよ……!」

杏子「っ……!」

さやか「どうしてあたしなんか助けたの!?あたしに、助ける価値があったの!?あたしって、何なの!?」

杏子「さやか……」

さやか「お願い、教えてよ!今すぐあんたが教えてよ!!じゃないと、じゃないとあたし……!」

杏子「……最初はさ。あたしなりの、ケジメのつもりだった」

さやか「え……?」




697 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 20:50:56.19 ID:5upi7xT/0
杏子「ほら、あんたさ……あたしのせいで魔法少女になっちまったようなもんだろ?」

さやか「っ……あれは……」

杏子「あんたはどう思ってるか知らないが、あたしはそう思ってる。
   だからさ、せめて自分の責任は自分で、って。そう思って……。
   ほんの少しだけ、あんたに気をかけてやろうと思ってたんだ。
   あんたを、あたしと同じにさせないように……ってさ」

さやか「……あんたと、同じに……?」

杏子「あたしもさ、他人のために祈って……魔法少女になったんだよ」

さやか「っ……そう、だったの……?」

杏子「この力を手に入れてから、馬鹿みたいに張り切ったよ。
   あたしがみんなを救うんだ、悪い魔女からみんなを守る、正義の味方になるんだ、ってさ。
   ……だけど、駄目だった。あたしの祈りは……
   最後には、他人の幸せもあたしの幸せも、何もかもぶち壊したんだ」

さやか「……っ……!」




701 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 20:54:27.40 ID:5upi7xT/0
マミ「……佐倉さん……」

杏子「だから、このまま放っておけばあんたもあたしと同じ道を辿るだろうって、だから、放っておけなかったんだ。
   そうやってあたしは、あんたに自分を重ねて……いつの間にか、あたしはあんたに希望を抱くようになった」

さやか「……希、望……」

杏子「あんたは仲間と一緒に上手くやって、町のために、他人のために魔女と戦ってた。
   魔女を倒して、みんなを救う正義の魔法少女。
   あんたは、あたしがかつて目指した魔法少女に、理想の姿に、どんどん近付いていったんだ……!
   そうだ……あんたは、あたしの夢そのものなんだ……あんたは、あたしの希望なんだよ……!」

さやか「っ……あ、あたしが……?」




706 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 20:58:20.73 ID:5upi7xT/0
杏子「あたしは……あんたに証明して欲しいんだ。
   かつてあたしの目指した姿が正しかったってことを……。
   あたしはもうこんなになっちまったが、あんたならそれが出来る……!
   あんたは生き続けて、あたしに夢を見せ続けてくれ……
   そして救ってくれ……!夢を見て勝手に潰れた大馬鹿野郎を救ってくれ!」

さやか「っ……!」

杏子「頼む、さやか。……あたしを、助けてくれ……」

さやか「……ははっ。何よ、結局、あんたは自分のために、あたしを守ったってこと……?」

杏子「……そうだ、あたしには、あんたが必要なんだ。だから守った」

さやか「……あたしにも……こんなあたしにも……まだ、価値はあるの……?」

杏子「……さやか」

さやか「あたしね……さっき、魔女に襲われてる仁美を見て……迷っちゃったんだ」




707 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 21:01:54.00 ID:5upi7xT/0
まどか「えっ……ひ、仁美ちゃんが……?」

さやか「仁美を助けなければ、って……一瞬、考えちゃった……!
    魔法少女なのに……正義の味方なのに……!」

杏子「……結局助けたんだろ?だったら良いじゃんか」

さやか「で、でも……!」

杏子「迷わずに助けるのもすげぇけどさ。迷った上で助けるってのも、十分すごいと思うぜ?
   それって、たとえ自分の不利になるような相手でも、困ってたら助けるってことだろ?」

さやか「っ……!」

杏子「だからさ……自信持てって。あんたなら出来るんだよ。
   あんたなら、正義の魔法少女になれるんだよ!」

さやか「……こんな……体でも……?ゾンビでも……?」




709 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 21:04:05.41 ID:5upi7xT/0
さやか「もう死んじゃってる体でも……正義の味方に、なれるって言うの……?」

杏子「……あんた、言ってたじゃないか。あたしが意識取り戻した時、“生き返った”って。
   ……生きてるんだよ。どんな体だろうが、今生きてることには変わらないだろ?
   それにあんたがゾンビならあたしだってゾンビだ。
   今こうしてあんたが抱きしめてる体も、ゾンビだって跳ね除ける気かい?」

さやか「……何よ、馬鹿……。そんなこと、そんなこと言われたら……」

杏子「何か、間違ったこと言ったかよ?」

さやか「言ってない……言ってない……そうだよね……生きてるんだよね……。
    だってあったかい……こんなに、あったかいもん……!」

杏子「へへっ……そうだろ、あったかいだろ?暑いくらいだよ、そんなくっ付かれてさ。
   暑すぎて……汗、かいちまったよ……くそっ……暑いよな、ほんと……」

さやか「うん、うん……!」




712 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 21:06:54.45 ID:5upi7xT/0
ほむら『……良かった…………』

弱ほむ「……うっ……ひぐっ……ぅええ……」

まどか「ぐすっ……ひっく……」

杏子「……あんたらはなんで泣いてんだよ」

弱ほむ「だって……感動しました……」

まどか「良かった……良かったよぉ……」

マミ「そうね……あんなにいがみ合ってた2人がついに和解したんだもの。
  もう感動的すぎて正直私たちがここに居て良いものかどうかずっと迷ってたわ」

さやか「ぐすっ……そ、そんな変な気ぃ遣わなくても……あ、そうだ。ねぇ、杏子」

杏子「ん、なんだよ?」

さやか「あんたさっき、自分はもう無理だけど……
    みたいなこと言ってたけどさ。まだ、間に合うんじゃない?」




715 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 21:09:02.31 ID:5upi7xT/0
杏子「……駄目だ。あたしはもう、変わっちまった。誰かを救うなんてとてもじゃないが……」

さやか「あたしのこと、守ってくれたじゃん」

杏子「いや……だからそれは、自分のためで……」

さやか「良いじゃん、それで。結局は他人を助けてるんだしさ!
    他人を救って、自分も救う!これなら他人も自分も、みんな幸せ!」

杏子「……はっ、なんだそりゃ」

さやか「それに、気付いてないの?」

杏子「?何がだよ」

さやか「杏子もさ……さっきあたしのこと、救ってくれたんだよ?」

杏子「……!」

さやか「……ありがとうね、杏子……」

杏子「さやか……」

マミ(やっぱり席を外した方が良かったかしら……)




720 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 21:13:09.74 ID:5upi7xT/0
さやか「とにかくさ……だから一緒に目指そうよ!正義の味方!
    自分のために他人を救うってのもダークヒーローっぽくて良いじゃん!
    あたしはもちろん、正統派のヒーロー目指しちゃいますけどね!」

杏子「ったく……調子狂うよな、ほんと。わかったよ!
   ただし目指すんなら、あたしも正統派ヒーローだからな!」

弱ほむ「わ、私も目指します!」

杏子「うぉ!いきなり入ってくんなよ、びっくりすんだろ?」

マミ「あら、みんなが目指すなら私も目指しちゃおうかな」

杏子「あんたは初めからそのつもりだろ?昔っからさ」

さやか「じゃあやっぱり、あたしたちみんな正義の魔法少女だね!そしてまどかの護衛隊でもある!」

まどか「だ、だから護衛だなんて、大げさだよ……」

弱ほむ「お、大げさなんかじゃないよ。少なくとも、私は、鹿目さんを守りたい……」

さやか「こら!勝手に人の嫁を口説くんじゃない!あたしだってまどかを守るんだからさ!」




723 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 21:15:49.80 ID:5upi7xT/0
杏子「はぁ……ったく。おい、まどか。あたしは別にあんただから守るんじゃないぞ?
   町の人間を全員守るから、その中にあんたも含まれてるだけだからな」

まどか「……うん、ありがとう、みんな」

マミ「ううん。私たちの方こそ、お礼を言わなくちゃ」

まどか「え?」

マミ「守るべき人が、自分のことを知っていてくれる。
   自分のことを、覚えていてくれる、応援してくれる。それって、すごく嬉しいことなの」

弱ほむ「巴さん……」

杏子「ま……確かにな。普通魔法少女は、誰にも感謝されず、誰にも知られないまま、1人で死ぬんだ。
   その点、あんたが居るってだけで幸せもんなんだよ、あたしたちはさ」

さやか「そーいうこと!まどかの存在が、あたしたちの救いにもなってるってことだね!」

まどか「みんな……!」




726 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 21:18:45.72 ID:5upi7xT/0
杏子「あ……そうだ」

マミ「?どうしたの?」

杏子「そのさ……前言ったアレ。取り消すよ」

さやか「アレ?」

杏子「だから……あたしが共闘する、条件ってやつ。
   ワルプルギスの夜倒したら、あたしの魔女狩りの邪魔するな、って……」

マミ「佐倉さん……」

杏子「だからさ、その……あたしも……あんたらの、仲間に入れてくれないか?」

さやか「は?何言ってんの?あんたもしかして、意外と空気読めない子……?」

杏子「え……」

弱ほむ「……今この場であなたを仲間じゃないと思ってる人は、居ないと思います……」

杏子「っ……じゃ、じゃあ……!」

マミ「わざわざお願いするまでもなく、もうとっくに仲間になってると思ってたけど」

まどか「だ、だよね!杏子ちゃんがあんまり真剣だから、わたしが間違ってるのかと……」

杏子「そ、そっか……ははっ……くそっ……なんだよ、もう……!」




727 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 21:20:51.86 ID:5upi7xT/0
さやか「あれ……杏子、もしかして泣いてる?」

杏子「うっ、せぇよ!あんただって、さっきまでボロ泣きしてただろうが!」

さやか「ふふ~ん……それとこれとはまた話が別なのだよー。
    さっきはあたしも泣いてたから気付かなかったけど……。
    あんた、結構泣き顔可愛いじゃ~ん!」

杏子「っ……のやろ……!」

マミ「あらあら、こんな泣き虫な佐倉さん見るのなんて久し振りね。
   ふふっ、昔みたいに、慰めてあげようか?」

杏子「良いよ!いつの話だよ!」

まどか「マミさん、杏子ちゃん慰めてあげたりしてたんですか?」

マミ「えぇ。時どき泣いちゃうことがあって、『マミさんマミさん』って……。
   そんな時は私がぎゅってして、頭を撫でてあげてたら、いつの間にか寝ちゃったりして……」

弱ほむ「か……可愛い……」

杏子「だぁあああ!!てめぇら全員表に出ろぉおお!!」




729 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 21:23:50.23 ID:5upi7xT/0



弱ほむ『ふふっ……佐倉さん、実はとっても可愛い人だったんですね。ちょっぴり、意外でした。
    でも、本当に良かった……。佐倉さんも元に戻って、しかも美樹さんとも仲良くなって……』

ほむら『…………』

弱ほむ『ソウルジェムの秘密を知っても、みんな立ち直って……!』

ほむら『…………』

弱ほむ『鹿目さんも、契約しそうにないし……
    これならきっと、ワルプルギスの夜、倒せますよね!鹿目さんを守れますよね!』

ほむら『…………』

弱ほむ『……あの……?』

ほむら『……すぅ……すぅ……』

弱ほむ『あ……』

それで、ずっと静かだったんだ。
そっか……“私”、丸1日動き回って……。
ソウルジェムだけじゃなくて美樹さんのことも気にかけなきゃいけなかったんだもん。
疲れて寝ちゃうのも、仕方ない。

弱ほむ『……ありがとう、お疲れ様です……』




731 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 21:26:48.67 ID:5upi7xT/0
学校、朝

さやか「おっはよー!」

恭介「おはよう、みんな」

中沢「おーおー、今日も見せつけやがってよー」

恭介「もう、だからからかわないでくれって言っただろ?」

中沢「お前ら結婚しちまった方が良いんじゃねーの?はは!」

さやか「ちょ、ちょっともーやだなぁ!結婚なんて、気が早すぎるよ!ねぇ恭介?」

恭介「そうだね。まずはお互いの両親に挨拶に行かなきゃ」

中沢「え?」

まどか「え?」

弱ほむ「え?」




738 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 21:29:06.66 ID:5upi7xT/0
まどか「さ、さやかちゃん……もしかして……!」

さやか「えへへ……うん、まぁね」

まどか「すごーい!おめでとう、さやかちゃん!」

ほむら『驚いたわね……。昨日の様子から、てっきり失恋したものとばかり思っていたけど』

弱ほむ「よ、良かった……おめでとう!美樹さん!」

さやか「ありが……っ!」

まどか「あ……」

仁美「…………」

さやか「ひ、仁美……」

仁美「……さやかさん、おめでとうございます」

さやか「え、っと、その……」

仁美「……もう、そんな顔をしないで。私、心からお祝い申し上げておりますのに」

さやか「……!」




743 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2012/05/24(木) 21:31:57.86 ID:5upi7xT/0
仁美「でも、お祝いする心と……それとはまったく別の問題もありますのよ?」

さやか「へっ?」

仁美「上条くんに振られて傷心のところに、何を勘違いしたのか恋敵からの謂れの無い暴力……
   それを『ごめん』の一言で許せるほど、私は大人じゃありませんの」

さやか「あ、あれは、だってその……!」

仁美「えいっ!」

さやか「ぐふぅ!?」

まどか「さ、さやかちゃーん!?」

さやか「は……腹パン……だと……?」

仁美「……絶対に、お2人とも一緒に幸せになってください!
   もしどちらか一方でも幸せになれなかったら、その時は本気で怒りますからねー!」

さやか「これで……本気じゃない、だと……?がはっ……」

弱ほむ「み、美樹さーん!?」

ほむら『(何これ……?)』




747 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 21:34:18.06 ID:5upi7xT/0
放課後、マミ宅

マミ「まぁ!おめでとう、美樹さん!」

杏子「ふーん、良かったじゃん。おめでとさん」

さやか「えへへ……どーもどーも」

弱ほむ「でもそう言えば、いつの間に上条くんと……?」

まどか「あ、だよね。仁美ちゃんと話し合った後、上条くんと会ってないんじゃ……」

さやか「いやね、それが昨日みんなで解散した後に恭介と会ったんだよ」

まどか「えっ、そうなの?」

さやか「うん、家に帰ったら、家の前に恭介が立ってて……」




753 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 21:39:53.89 ID:5upi7xT/0



恭介「あ、さやか!」

さやか「きょ、恭介!?」

恭介「良かった、探したよ……。ここで待ってたら会えると思ったけど、正解だったみたいだね」

さやか「あ、あの……ど、どうしたの?あたしに、何か用……?」

恭介「……志筑さんから、何も聞いてない?」

さやか「……!」

恭介「もう知ってると思うけど……今日僕、志筑さんに……交際を申し込まれたんだ」

さやか「う……うん……」

恭介「すごく、びっくりしたよ。だって、志筑さんが僕なんかを慕ってくれてたなんて、思いもしなかったら……」

さやか「……どうして、断っちゃったの?」




755 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 21:45:14.01 ID:5upi7xT/0
恭介「なんだ、やっぱり聞いてたんじゃないか」

さやか「あ……うん……」

恭介「……ずっと、気に掛かってたことがあったんだ」

さやか「……気に掛かってた、こと……?」

恭介「前にも訊いて、結局教えてくれなかった……。
   あの日……僕が自殺しようとした日に、君が言った言葉の意味」

さやか「え……」

恭介「僕が居ないと、さやかの人生は……。そのことについて、ずっと考えてたんだ」

さやか「あ、えっと、そ、それは……!」

恭介「君がどういう意味でそう言ってくれたのかは分からない。
   でも、この言葉の意味を考えるうちに……気付いたんだ。
   僕には、僕の人生には。ヴァイオリンと同じくらい……
   いや、ヴァイオリンなんかよりもっと、大切なものがあったんだって」

さやか「恭、介……」

恭介「僕の人生には……いつも君が居た。
   僕が一番辛いときに一緒に居てくれたのは、君だった。
   誰よりも……僕の両親よりも……。
   いつもいつも支えていてくれたのは、君だったんだ」




759 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 21:47:26.73 ID:5upi7xT/0
さやか「っ……!」

恭介「そして……これからの人生も、僕は、君に居て欲しい。
   そばに居て、僕のことを支えていて欲しい……勝手かも知れないけど、そう思ってしまったんだ」

さやか「え、えっと、えっと……!」

恭介「僕から、お願いするよ。さやか。僕と……正式に付き合って欲しい」

さやか「きょ、恭介ぇええええ!!!」

恭介「わっ!」

さやか「恭介、恭介、恭介ぇ!!うわぁああああん!!」

恭介「さやか……」

さやか「嬉しい!嬉しい!!恭介、恭介恭介恭介!!」

恭介「!じゃあ……」

さやか「うん!付き合う!恭介と付き合う!あたしも好きだもん!ずっと、好きだったんだもん!
    恭介のこと、ずっとずっと!大好きだったんだもん!!」

恭介「そっか……ありがとう、さやか。君がそんな風に思っててくれたなんて、すごく嬉しいよ」

さやか「あたしの方が嬉しい!もっと嬉しい!!恭介!恭介ぇ!!」




765 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 21:49:48.23 ID:5upi7xT/0



さやか「……ということがあったのさ」

まどか「うん、うん!良かったね、さやかちゃん!」

弱ほむ「本当に、良かった……」

杏子「しっかし、よくもまぁそんなクサい台詞が吐けるよ。あー、聞いてるこっちがムズムズしてきた」

マミ「あなたが昨日美樹さんに言った台詞も負けてないと思うけど……」

杏子「はぁ!?んなわけねぇだろ!」

まどか「ううん、あの時の杏子ちゃん、とっても素敵だったよ!」

弱ほむ「ドラマみたいでした……!」

杏子「うっ……うるせぇよ!くそ、どいつもこいつも!」




768 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 21:51:50.80 ID:5upi7xT/0



さやか「これで、とどめだぁあ!!」

魔女「ギャァアアアアアア……!」

マミ「終わったわね……みんなお疲れさま」

さやか「お疲れさまです!どーよ杏子!今日のあたしの活躍っぷりは!」

杏子「へん!まぁまぁだが、まだまだあたしの方が強いな!」

さやか「何をー!?」

弱ほむ「ま、また2人とも……」

マミ「あら……今の魔女、グリーフシードを落とさなかったわね」

さやか「あ、ほんとだ。うーん……ワルプルギスの夜戦が近いからちょっと蓄え欲しいのになぁ」

杏子「あーそっか。そう言うことなら……ちょっと付いてきなよ」




770 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 21:53:58.77 ID:5upi7xT/0



さやか「ちょっと杏子ー。どこまで歩くのよ?」

杏子「もーちょいだよ」

ほむら『……確か、この先には……』

杏子「ほら、着いたよ」

弱ほむ「……教会?」

マミ「……佐倉さんの、お父様の……」

さやか「えっ?あんたんち、教会だったの!?」

杏子「そうだよ、言わなかったか?」

さやか「うん……なんて言うか、意外」

マミ「それで……どうして、こんな所に?」

杏子「ほら、これだよ」

弱ほむ「っ……!これ、もしかして……!」




773 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 21:57:29.07 ID:5upi7xT/0
さやか「グリーフシード!?しかも、こんなにたくさん……!」

杏子「この町に来てから、ずーっと溜めといたんだよ。すごいっしょ?」

弱ほむ「でも、どうしてこれを、私たちに……」

杏子「グリーフシード、要り様なんだろ?」

弱ほむ「えっ……い、良いんですか……!?」

杏子「当たり前だろ?だって、ほら……仲間、なんだからさ」

さやか「杏子……!」

杏子「とにかく、こんだけありゃなんとかなるだろ?」

マミ「えぇ……すごいわ、佐倉さん!」

さやか「これだけあれば、どんな強い魔女相手でも……!」

ほむら『(すごい……杏子と和解したことで、こんな……!
    これなら、今度こそ……絶対に、まどかを救える……!)』




775 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 22:00:01.74 ID:5upi7xT/0
ほむホーム

弱ほむ「……いよいよ、明日、ですね」

ほむら『えぇ……怖い?』

弱ほむ「……少し」

ほむら『大丈夫……あなたは1ヶ月前とは比べ物にならないくらい強くなった』

弱ほむ「本当に……私が行っても、大丈夫なんですか……?」

ほむら『私に扱える武器はもうほとんど扱えるし、戦い方も、ずいぶんサマになってる。
    この私がそう言うんだから、自信を持ちなさい。それとも、自分自身の言葉を信じられないの?』

弱ほむ「……!」

ほむら「それに……あなたには、心強い仲間が居るでしょう?』

弱ほむ「は……はい……!」

ほむら『大丈夫。あなたなら出来るわ。頑張りなさい』

弱ほむ「あ、ありがとうございます……頑張ります!」

ほむら『(そう……本当に、強くなってくれた。今のこの子なら……まどかを守れる……)』




778 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 22:04:46.89 ID:5upi7xT/0
当日

弱ほむ「……もうすぐ、来ますね」

マミ「えぇ……みんな、作戦の内容は頭に入ってる?」

杏子「まぁ、大体は……」

さやか「ちょ、ちょっとあんた!まさか忘れちゃったの!?」

杏子「大体覚えてるよ!そもそも、実戦がマニュアル通りに行くわけないんだから、
   全部覚えてる必要なんてねーだろ!?」

さやか「んなわけあるか!」

マミ「ちなみに、美樹さんは全部覚えてるの?」

さやか「だ、大体は……」

マミ「…………」

弱ほむ「だ、大丈夫!基本さえ覚えてれば、問題はないはず、です!」

ほむら『そういう作戦にしておいて正解だったわね……』




781 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 22:06:37.18 ID:5upi7xT/0


弱ほむ「……来ます……!みなさん、準備を……!」



マミ「おっけー、わかったわ!」



杏子「足ひっぱんじゃねーぞ、さやか!」



さやか「あんたこそね!」



ほむら『っ……来た……!』

ワルプルギス「アハハハハハ!ウフフ、アハ、アハハハ、アハハハハハハ!!」




783 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 22:08:46.56 ID:5upi7xT/0
避難所

まどか「…………」

QB「みんなのことが気になるかい、まどか」

まどか「……キュゥべえ……!」

QB「その様子だと、僕のことは既に色々と聞いてるみたいだね」

まどか「…………」

QB「勘違いしないで欲しいんだが、僕たちは別に君たちに悪意を持って接しているわけじゃないんだ」

まどか「……何しに来たの」

QB「冷たいなぁ。君のことを気にかけて来たっていうのに。
  ……君は本当に、こんなところでじっとしていて良いのかい?」

まどか「良いの。だってわたしは……みんなのこと、信じてるから」

QB「もし、みんなが劣勢だとしてもかい?」




787 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 22:11:08.81 ID:5upi7xT/0
まどか「えっ……どういう、こと……?」

QB「そのままの意味だよ。彼女たちが劣勢で、全員が命を落とすかもしれなくても、
  君は何もせずにここでじっとしているのかい?」

まどか「っ……でも……!」

QB「君がワルプルギスの夜についてどんな認識を持っているのかは知らないけど、
  僕の知る限り、人類の歴史の中であの魔女より強い魔女は居ない。
  ワルプルギスの夜は間違いなく、史上最悪、最強の魔女だ」

まどか「っ……」

QB「対して、今その魔女と戦っている魔法少女たちは、ごく平凡な魔法少女だ。
   素質の高いことは認めるけど、驚くに値するほどじゃない。
   そんな彼女たちが徒党を組んだからと言って勝てると信じ込むのは、少し楽観的過ぎると僕は思うけどね」

まどか「……!」

QB「まぁ、どうしても気になると言うのなら、その目で確かめると良い。
   彼女たちとワルプルギスの夜との、戦いの結末をね」




791 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 22:13:15.24 ID:5upi7xT/0



ワルプルギス「アハ、アハハハ、ウフフ、アハハハハハ!!」

マミ「はぁ!」

使い魔「キャッ!」

使い魔「キャァ!!」

マミ「今よ、佐倉さん!」

杏子「ナイス、マミ!だぁりゃあああ!!」

ワルプルギス「ッ、アハハ……ウフ、アハ、アハハ……アハハハハハ!!」

さやか「もう、なんなのこいつ!効いてんのか効いてないのか分かんない!」

ほむら『大丈夫……攻撃は間違いなく通ってる!ダメージも、確実に与えられてる!』

弱ほむ「大丈夫、効いてるはず!このまま行きます!」




792 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 22:15:23.21 ID:5upi7xT/0
杏子「そうかよ!そいつを聞いて安心したぜ!」

ワルプルギス「ウフ、アハハハ……アハハハハハ!」

マミ「いつまでも笑ってられると思わないことね!」

さやか「すぐに笑えないようにしてやるんだから!」

ほむら『(グリーフシードは……余裕とは言えないけど、まだ残されてる。
    ……行ける。このままなら、確実に……!)』

弱ほむ「……え……あれ、もしかして……!」

ほむら『え……ッ!?そんな、どうして……!』

まどか「……!」

弱ほむ「か、鹿目さん……!?」




804 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 22:53:19.58 ID:5upi7xT/0
QB「驚いたな……このままだと本当に彼女たちはワルプルギスの夜を倒してしまうね」

まどか「えっ……キュゥべえ、さっき劣勢だって……!」

QB「僕は仮定の話をしただけだよ」

まどか「っ……騙したの……!?」

QB「やれやれ。どうして君たちは認識の相違から生じた判断ミスを他人のせいにするのかな。
   君は自分の意志でここに来たんだよ?僕が連れて来たわけじゃない」

まどか「そんな……!」

ワルプルギス「アハハハハハ!アハハハハハハハ!」

まどか「っ!?」

ほむら『(まずい!ビルがまどかの方に……!)』

弱ほむ「ッ……!」

 カチッ




807 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 22:57:00.23 ID:5upi7xT/0
弱ほむ「くっ……はぁ……はぁ……」

良かった……なん、とか……!

まどか「え……あ、れ、わたし……ほ、ほむらちゃん!」

弱ほむ「鹿目さん、どうしてここに……!?」

まどか「あ、その……ッ!?ほむらちゃん!後ろ!!」

弱ほむ「え……っ!」

ほむら『ッ……!』

攻撃が……!
それも、あんなに大きい……!
時間を、駄目、間に合わない……魔力で、防御するしか……!

弱ほむ「くっ……!」

まどか「ほむらちゃん!」

弱ほむ「ぁ、ぁああ……!」

ほむら『っ……こんな魔力の塊、まともに受けたりなんかしたら……!』




810 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 23:00:22.07 ID:5upi7xT/0
弱ほむ「あぁぁあ……あぁぁああああ!」

ほむら『……!』

QB「へぇ……やるじゃないか」

弱ほむ「……な、んとか……」

防ぎき……った…………。

まどか「ほ……ほむらちゃぁああん!!」

さやか「なっ……!?ほ、ほむら!?なんであんなとこに……!」

マミ「っ!?うそ、鹿目さん!?」

杏子「な……くそっ!どうなってやがる!」

さやか「まどか!あんたなんで……!」

まどか「さ、さやかちゃん!みんな!どうしよう、ほむらちゃんが、ほむらちゃんが!」

杏子「っ……!?おい!ほむらの奴、どうしちまったんだ!?大丈夫なのか!?」




815 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 23:03:15.20 ID:5upi7xT/0
さやか「き、傷は今治したよ……!」

マミ「ソウルジェムの浄化もした!なのに……!目を、覚まさない……!」

QB「大丈夫、命の危険はないよ。でも、あれだけの魔力の塊を受けたんだ。
  少なくともこの戦いの間では意識は戻らないだろうね」

杏子「おい、ちょっと待て……!ってことは……!」

QB「君たちの善戦は、ほむらの魔法を軸に置いた作戦による効果が大きかった。
  けれど、彼女を欠いた今もうその作戦はまったく機能しない。
  つまりこれで、君たちがワルプルギスの夜に勝つ望みはなくなった」

マミ「そんな……!」

QB「でも、1つだけ方法があるよ。……鹿目まどか。君なら、この運命を覆せる」

まどか「っ……」

QB「だから僕と契約して、魔法少女に」

ほむら「その必要はないわ」




820 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 23:06:46.55 ID:5upi7xT/0
まどか「ほ、ほむらちゃん!」

QB「……!まさか!信じられない……!」

ほむら「あなたが信じようと信じまいと関係ないわ」

マミ「暁美さん、大丈夫なの!?どこもおかしなところはない!?」

ほむら「えぇ、大丈夫。平気よ」

さやか「しかもクールな方のほむらだ……!」

杏子「とにかく、あんたが戻ってくれて良かったよ。
   ……おい、まどか!この馬鹿!あんたなんでこんなとこに居やがる!あんたが……」

ほむら「この子を責めないで。まどかは、何も悪くない」

杏子「……!ほむら……」

ほむら「すべての元凶は……こいつよ」

QB「やれやれ。やっぱりそういう認識になるんだろうね。わけがわからないよ」




827 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 23:18:26.93 ID:5upi7xT/0
まどか「あ、あの、わたし、ごめんなさ……!」

ほむら「謝らないで。“私”は大丈夫だから」

ワルプルギス「アハハハハハ!アハハハ!ウフフ、アハハハハハハ!」

杏子「っと!おい、敵さんは待ってくれないみたいだぜ!」

マミ「鹿目さんは、早く安全な場所に避難して!」

さやか「もうそんなのに騙されちゃ駄目だよ!」

QB「酷い言われようだね」

ほむら「……鹿目さん、私の手に掴まって」

まどか「えっ?う、うん!」

ほむら「安全な場所まで行くわよ」

 カチッ




828 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 23:20:49.87 ID:5upi7xT/0
ほむら「……ここまで来れば、もう安全ね」

まどか「そ、その……ほむらちゃん」

ほむら「何かしら」

まどか「え、えっと、守ってくれて、ありが……」

ほむら「待って」

まどか「えっ……」

ほむら「お礼は、戦いが終わってから……きっと、喜ぶから」

まどか「……?う、うん」

ほむら「それじゃ……今度こそ、信じて待っててね」

まどか「う……うん!待ってる……!がんばって……!」




830 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 23:23:46.52 ID:5upi7xT/0



ほむら「お待たせ」

マミ「暁美さん!」

さやか「待ちくたびれたよ!まどかは大丈夫?」

ほむら「えぇ。安全なところまで避難させたわ」

杏子「よっしゃ!そんじゃ、反撃と行こうじゃん!」

ワルプルギス「アハハハハハ!アハ、アハハハハ!ウフフ、アハハハハハハハ!」

ほむら「即行で片を付けるわ。……今までの“私”みたいに優しくないから、覚悟しなさい」

マミ「ば、バズーカ砲にロケットランチャー、それに迫撃砲を一度に!?」

杏子「あんた……!」

ほむら「これからは、火力の大きな兵器の割合が高くなるわ。作戦の基本は同じだけど、爆風に注意して」

さやか「お、おう!」




833 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 23:27:19.64 ID:5upi7xT/0



QB「っ……これは……」

ワルプルギス「アハハ、アハ……アハ、ハハハ……!」

杏子「ははっ……!おい、あの野郎、ようやく笑えなくなってきたみたいだぜ……!」

さやか「ほんとだ……!よっし、もうちょい……!」

マミ「もう一押しで……行ける……!」

ほむら「ここで、一気に決めるわ!みんな、それぞれの最大火力を、打ち込んで……!
    まずは私が……こいつの動きを止める!」

マミ「たっ……対艦ミサイル……!?」

ワルプルギス「アハ……ウフフ、アハハハ……!」

ほむら「これでも食らいなさい……!」




834 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 23:30:26.66 ID:5upi7xT/0
対艦ミサイルを使っても、これだけじゃ、決め手にはならない……!
でも、私だけじゃない、みんなが居れば……!

ワルプル「ッ……ウフ、アハハ、アハ……!」

ほむら「今!」

杏子「っしゃあ!行くぞ、さやか!」

さやか「おっけー杏子!せーの!」

杏子&さやか「ぅおりゃあああああああ!!」

ワルプルギス「ッ…………ウフ、アハ……アハハ……」

杏子「マミぃ!今だ、やれ!」

さやか「やっちゃってください!」

マミ「任せて!飛び切り大きいのをお見舞いするわよ……!ボンバルダメント!!」

ワルプルギス「……ッ……!アハ……ウフ……アハ…………!」

QB「……!ワルプルギスの夜が……消えていく……!」




836 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 23:33:23.34 ID:5upi7xT/0
ワルプルギス「ア…………ハ…………」

ほむら「……!空が、晴れて……!」

マミ「終わった……終わったの……?」

杏子「へ、へへ……!勝ったんだよな……あたしたち、勝ったんだよな……!」

QB「……まさか本当にワルプルギスの夜を倒してしまうとはね。君たちには恐れ入ったよ」

ほむら「やった、勝った……!ワルプルギスの夜に、勝った……!」

さやか「やったあああ!!勝ったんだ、あたしたち、勝ったんだ!!」

ほむら「勝った……やっと、やっと……勝った……!
    あっ……!みんな、ソウルジェムは……!」

マミ「大丈夫よ。グリーフシードは使い切っちゃったけど……」

杏子「次の魔女を倒して手に入れりゃ良いことだしね」

ほむら「っ……!勝ったんだ……本当に、勝ったんだ……!やった……やったぁ……!」




840 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 23:35:34.56 ID:5upi7xT/0
まどか「みんな……!大丈夫……!?」

ほむら「……鹿目さん……!」

まどか「勝ったんだよね、ワルプルギスの夜に、勝ったんだよね……!!」

さやか「あったぼうよー!このさやかちゃんが負けるはずないじゃんか!」

杏子「ていうかマミ、最後のは何だありゃ」

マミ「“ボンバルダメント”のこと?うふふっ、実はね、ティロ・フィナーレよりもっと大きな技を考えてて、
   この技だけはとっておきだって決めてたの。イタリア語で、“砲撃”っていう意味なのよ?
   ティロ・フィナーレは“最後の射撃”って言う意味だけど、射撃より砲撃の方が威力が大きいでしょ?
   あっ、そうだわ。私がもっと強くなってボンバルダメントよりもっと強い攻撃をできるようになったら、
   その時は“ボンバルダメント・フィナーレ”って……」

杏子「……そういうとこ相変わらずかよ……」




842 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 23:37:56.85 ID:5upi7xT/0
さやか「マミさんかっこいいなぁー。あたしも何か、技名考えようかな……。
    ねぇ、杏子!一緒に必殺技考えようよ!」

杏子「は!?嫌だよ!やるならあんたらだけで勝手にやれ!」

マミ「あら、良いじゃない。そういうことだったら私も協力するわ、佐倉さん!」

まどか「あ、じゃあわたしも考え……」

杏子「やらねーっつってんだろ!」

ほむら「……ふふっ」

弱ほむ『ん……あ、あれ……私……』

ほむら『!』

弱ほむ『っ!ま、魔女は!?ワルプルギスの夜は!?』

ほむら『大丈夫よ、ワルプルギスの夜は倒した。もう全部……終わったの』

弱ほむ『え……うそ、ほんとに……!?』




844 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 23:39:59.99 ID:5upi7xT/0
弱ほむ『…………』

ほむら『……どうしたの?』

弱ほむ『私……結局、何もできませんでした』

ほむら『…………』

弱ほむ『気絶して、最後は結局、あなたに頼って……』

ほむら『……ばか』

弱ほむ『えっ……』

ほむら『あなたが居なければ、こんな結末は迎えられなかった。
    魔法少女全員が和解して、最高の形でこの戦いに臨めたのは……あなたが居てくれたからよ』

弱ほむ『で、でも……』




847 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 23:42:30.35 ID:5upi7xT/0
ほむら『それにあなたは……身を挺してまどかを守ってくれた。
    ……あなたの祈りは、なんだったかしら?』

弱ほむ『……彼女に守られる私じゃなくて、彼女を守る私になりたい……』

ほむら『まどか、あなたにお礼を言いたがっていたわ。守ってくれて、ありがとう、って』

弱ほむ『っ……!』

ほむら『あなたはもう、あなたの目指した姿に届いてる。
    もう、立派にまどかを守れるのよ。今までも……そして、これからも』

弱ほむ『私……私……!』

ほむら『……だからもう、安心できる。私は……あなたに、すべてを任せられる』

弱ほむ『…………え?』




848 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 23:45:48.20 ID:5upi7xT/0
弱ほむ『ちょ、ちょっと待って……それって、どういう……!』

ほむら『……このまま、1つの体に2つの魂がある生活が続くなんておかしいでしょう?
   同じ魂が2つあるなんて……このまま放置していたら、
   いつかこの世界に歪みを生み出してしまうかもしれない。
   私たちは……本来あるべき姿に戻らないといけないのよ」

弱ほむ『……!』

ほむら『この世界は、あなたが救ったもの。だから、この世界で暮らすのは、あなたであるべき』

弱ほむ『ッ!じ、じゃあ、あなたは……!』

ほむら『私は、また時間を巻き戻して、別の時間軸のまどかを救いに行くわ』

弱ほむ『そんな……!』




850 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 23:48:18.33 ID:5upi7xT/0
弱ほむ『な、何度も時間を繰り返して、やっと、鹿目さんを、救えたのに……!』

ほむら『……だからこそよ。こんな旅を続けるのは、私だけで十分。
    あなたには……こんな思いをして欲しくないもの』

弱ほむ『いやっ……そんなの、おかしい……あなたは……!』

ほむら『……それじゃ、もう私は行くわ』

弱ほむ『駄目!やめて……!そんなの、あんまりよ……!』

ほむら『まどかと……みんなと、幸せにね。……さようなら』

弱ほむ『駄目っ……やめ、や……ダメぇえええええええええ!!』




853 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 23:52:48.43 ID:5upi7xT/0
ほむら『……え』

弱ほむ「はぁっ……はぁっ……はぁっ……!」

ほむら『うそ、どうして……!どちらかが拒絶している限り、入れ替われないはず……!
    あ、あなた、何を……!どうやって……!』

弱ほむ『私たちが初めて出会った日、あなたが言ってた言葉……覚えてる……?
    “同じ魂なら、意志の強い方が優先される”……』

ほむら『っ……でもそれは、ただの仮説で……仮にそうだとしても……!』

弱ほむ『もちろん、あなたの意志が弱いなんてはずはない。
    だって、あなたは私なんかよりずっと長い時間、鹿目さんを救う努力を続けてきたんだもの……』

ほむら『だったら、なんで……!』

弱ほむ『でも、だからこそ。鹿目さんを救えた時の喜びも、
    達成感も……この世界で幸せに暮らしたいという気持ちも……。
    私なんかより、ずっとずっと、大きかったはず』

ほむら『っ……!』




856 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 23:55:27.73 ID:5upi7xT/0
弱ほむ『それが、私とあなたの……意志の差』

ほむら『で、でも、だからって……!』

弱ほむ『もう良い……もう良いんだよ……。あなたは、今まで頑張った。
    十分すぎるくらい、頑張った……。だから、今度は、私が頑張る番』

ほむら『あ、あなたは、何も知らないからそんなことが言えるのよ……!
    先輩が、友人が、親友が……私の目の前で死んでいく辛さが分かる!?
    何もできない辛さが分かる!?
    感情を消す以外に抑えることのできない苦しみが……あなたに……!』

弱ほむ『……大丈夫だよ。私なら、大丈夫。あなたが、色々教えてくれた。
    次の時間軸でも今回みたいに上手く行くとは限らない……
    でも、この時間軸であなたと一緒に過ごした時間は、決して無駄じゃないから。
    私はそれを胸に、きっと、頑張れる。鹿目さんのために……あなたのために』




859 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/24(木) 23:57:44.99 ID:5upi7xT/0
ほむら『っ……あなたは、それで良いの……!?そんな、自分から幸せを捨てて……
    辛くて苦しい思いをするのに……それでも良いの!?』

弱ほむ『良いの。それに、捨てるんじゃないよ。私は、あなたに……』

まどか「ほむらちゃん!こんなとこに居たの?探したんだよ?」

ほむら『っ……!』

弱ほむ「……うん、ごめんね、ちょっと」

まどか「あのね、ほむらちゃん……さっき言いそびれちゃったんだけど……
    私を守ってくれて、本当にありがとう……!」

弱ほむ「……!」

まどか「わたし、本当に、ほむらちゃんになんてお礼したら良いか……」

弱ほむ「ううん、良いの……。私、あなたを守れただけで……!」

ほむら『っ……』




860 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 00:00:12.96 ID:S/8U6mfD0
弱ほむ『……私ね、今すごく幸せだよ?もう、十分に、幸せ。
    だから……この世界のこれからの幸せは、あなたのもの。
    私は、この幸せな世界を捨てるんじゃない。この世界を……あなたに、“私”に贈るの』

ほむら『わ、私、に……』

弱ほむ『だから、絶対に幸せにならなきゃ駄目だよ。だってあなたは……“私”なんだから』

ほむら『……!』

まどか「……ほむらちゃん?」

弱ほむ「……あのね。お礼の代わりって言ったら変だけど……私のお願い、聞いてくれる?」

まどか「えっ?うん、なんでも言って!」

弱ほむ「これからも、“私”と仲良くしてくれる?」

まどか「?うん、もちろんだよ!」

弱ほむ「ありがとう……まどか」

まどか「……!」

弱ほむ『……じゃあね』

 カシャン




861 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 00:02:22.71 ID:5upi7xT/0
まどか「ほむらちゃん、やっと名前で呼んでくれたね……!」

ほむら「…………」

まどか「?ほむらちゃん……?」

ほむら「あの子の、ソウルジェムが……。……本当に……!
    ……っ……ぅ……あ……ぅくっ……ぅああああっ……!」

まどか「ほ、ほむらちゃん!?どうしたの!?」

さやか「どーした、まどかー?」

まどか「ほ、ほむらちゃんが急に、泣き出して……」

マミ「まぁ……戦いが終わって、緊張の糸が切れたのかしら?」

杏子「ははっ、あんだけ容赦ない攻撃しといて、実は緊張しまくりだったってか?」

まどか「ほむらちゃん、そんなに……。ありがとう、お疲れ様、ほむらちゃん」

ほむら「っ……!まどかぁ……まどかぁああ……!」




866 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 00:05:02.80 ID:S/8U6mfD0



あの子は、もうこの世界には居ない。
本当にこれで良かったのか……正直、私には分からない。

でも……あの子が贈ってくれた、この世界。
私に出来ることは、この世界を精一杯生きること。

ワルプルギスの夜は越えても、戦いの日々はまだまだ続く。
そして、戦い以外の日々も続く。

私はその全ての日々を精一杯過ごし、そして……幸せになろう。
私自身、後悔のないように……。
私は幸せなんだって、私が、私に、胸を張って言えるように。

マミ「お待たせ。さぁどうぞ、召し上がれ。好きなのを取ってね?」

杏子「うはー美味そぉー!いっただっきまーす!」

さやか「ちょっと杏子!みんな選び終わるまで待ちなって!んじゃ、あたしこれにしよーっと!」

まどか「わ、このケーキ可愛い!わたし、これ貰っても良いですか?」




868 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 00:07:33.03 ID:S/8U6mfD0
マミ「だったら、私は……あら?……ごめんなさい……買うときに間違えたみたい。
  1つ足りないわ……。暁美さん、私は良いからこれ食べて?」

ほむら「巴さんがミスするなんて、珍しいですね。
    大丈夫、私のことは気にしないでください。お茶も、とても美味しいから」

マミ「でも……」

まどか「あ、だったら!ほむらちゃん、わたしと半分こしようよ!」

ほむら「えっ?悪いわ、そんな……」

まどか「良いから良いから!はい、ほむらちゃんの分っ」

ほむら「まどか……」

まどか「ねっ?」

ほむら「……うん、ありがとう」

……本当に……。

ありがとう。




869 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 00:09:53.16 ID:S/8U6mfD0



和子「はい、それから。今日はみなさんに、転校生を紹介します!暁美さん、いらっしゃい?」

弱ほむ「はい……!」

……この時間軸でも、前回と同じように行くとは限らない。
でも、みんなで頑張ったあの日々は、決して無駄にはならない。
“私”に教わったたくさんのことは、決して無駄にならない。

巴さん、美樹さん、佐倉さん……みんなの協力を得て、そして、未来を勝ち取る。
私の幸せを、まどかの幸せを、みんなの幸せを……!

そう……私だけじゃない。
仲間が居るんだ。
みんなで、みんなの未来を、勝ち取るんだ……!

和子「はぁい、それじゃ自己紹介いってみよう!」

私はまだまだ弱いから、仲間に頼らないといけない。
でも、それでも……みんなで協力して、未来を、守ってみせる!

ほむら「暁美ほむらです、よろしくお願いします!」



 おしまい




882 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 00:13:34.91 ID:S/8U6mfD0
最後らへん鯖わやくそ杉わろりーぬ

付き合ってくれた人お疲れ、ありがとう




885 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/25(金) 00:14:21.52 ID:DTPYdo+X0
乙です






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※欄377さんありがとうです。



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コメント
この記事へのコメント
  1. 名前: 通常のナナシ #-: 2012/06/02(土) 14:05: :edit
    いいものを見た
    救われるSSが少ない性で最後悲しみで魔女化とか心配したが...
  2. 名前: 通常のナナシ #-: 2012/06/02(土) 14:18: :edit
    もう目が真っ赤で出掛けれない・・・
  3. 名前: 通常のナナシ #-: 2012/06/02(土) 14:51: :edit
    感動した
    ハッピーエンドってやっぱ良いもんだな
  4. 名前: 通常のナナシ #OARS9n6I: 2012/06/02(土) 14:57: :edit
    映 画 化 決 定
  5. 名前: 通常のナナシ #-: 2012/06/02(土) 16:01: :edit
    005getだぜ!
  6. 名前: 通常のナナシ #-: 2012/06/02(土) 16:36: :edit
    久しぶりにいいものを見た
  7. 名前: 通常のナナシ #-: 2012/06/02(土) 17:38: :edit
    よかった
  8. 名前: あ #-: 2012/06/02(土) 18:04: :edit
    このSSは感動した
  9. 名前: 通常のナナシ #-: 2012/06/02(土) 18:19: :edit
    ほむほむのふとももにおにんにんはさみたいよぉ
  10. 名前: 通常のナナシ #-: 2012/06/02(土) 18:24: :edit
    素晴らしい!
  11. 名前: 通常のナナシ #-: 2012/06/02(土) 19:21: :edit
    まどポの展開を若干踏襲してる感はあったがまあまあ楽しめた。
  12. 名前: 通常のナナシ #-: 2012/06/02(土) 20:32: :edit
       △  ¥ ▲
      ( ㊤ 皿 ㊤)  片肺になっても
      (        )      
     /│  二  │\         まだ飛べる
    <  \____/  >
        ┃   ┃
        =   =
    ツインドライブ3ゲットロボだよ
    いつもより大出力で3ゲットしてくれるすごいやつだよ
  13. 名前: 通常のナナシ #-: 2012/06/02(土) 22:09: :edit
    読んだSSの中では一番違和感なくて原作に近い感じがした
    感動したよ 乙
  14. 名前: 通常のナナシ #-: 2012/06/02(土) 22:36: :edit
    バッドエンドじゃなくてよかった・・・
  15. 名前: 通常のナナシ #-: 2012/06/02(土) 23:40: :edit
    感動的だな
  16. 名前: nasi #-: 2012/06/03(日) 00:44: :edit
    メガほむちゃんとクールほむらの会話が凄く良かったv
    杏子ちゃんのさやかとの和解は読んでてドキドキして感動しましたv
  17. 名前: 通常のナナシ #-: 2012/06/03(日) 01:12: :edit
    読み終わって、ふと気が付いたら涙が出そうになってた。自分にまだ涙が出せる気持ちがあるなんて思いもしなかった…
    正直、感動してしまった。SSの作者には感謝しても足りないくらいです、本当にありがとう!
  18. 名前: 通常のナナシ #-: 2012/06/03(日) 02:45: :edit
    なんか前に読んだことあるような感じがしたんだがお前らそんなことないよな?
    うーん…なんでだろう
  19. 名前: 通常のナナシ #-: 2012/06/03(日) 04:01: :edit
    >>18
    なんか俺も所々のシーンに既視感がある
    このSS見るのは確かに初めてなんだけど……
    他のSSと同じ作者で表現が似通ってたとかかなぁ?
  20. 名前: 19 #-: 2012/06/03(日) 04:12: :edit
    ああ分かった
    ほむら「この時間軸のまどかは……」
    ってSSとどことなく似てるんだ
    マミが張りきってパーティ並のお茶会の用意しちゃうところとか

    全体的に書式がかなり似てるから多分同じ作者じゃないかね
  21. 名前: 18 #-: 2012/06/03(日) 11:35: :edit
    ※19
    そうそう!マミが痛々しいくらい張り切りまくっちゃうとか、杏子がさやかにお前は自分の希望だと言ったり
    でも、同じ作者だったら「改変しました」の一言くらいあってもよくないか?
    まさか盗作…?
  22. 名前: 通常のナナシ #-: 2012/06/03(日) 13:44: :edit
    なんでssで盗作なんてすると思ったんだw
    普通に考えたら同じ作者か、もしくは昔読んだssに知らぬ間に影響を受けたかのどっちかだろう
  23. 名前: 通常のナナシ #-: 2012/06/04(月) 00:32: :edit
    いや、セリフもイベントもPSPのゲームをかなり踏襲してるから見た事あっても不思議じゃないかと。杏子の希望云々、お茶会のくだり、恭介の自殺、マミさんが共闘してる筈なのにほむらを信じられなくてお菓子の魔女に一人で挑むのも。公式なんだからどのS S で使われてもおかしくないでしょ
  24. 名前: 通常のナナシ #-: 2012/06/04(月) 01:17: :edit
    そもそも、これだけ同じ話のSSが作られりゃね。
    流れも原作正統派ルートで正攻法で倒すタイプだし、そりゃ既視感も感じるよ。
    よく書けてるけど目新しさも無しって感じ?
  25. 名前: 通常のナナシ #-: 2012/06/07(木) 01:03: :edit
    いやぁ良かった!作者様、乙です!!
  26. 名前: 通常のナナシ #-: 2012/08/11(土) 15:12: :edit
    良いものを読ませてもらった。
    作者とぷん太に感謝。

    通常時三つ編みメガほむで、緊急時はクールになって口調も変わるとかなにそれたまらん!て思ったが、
    よく考えたら外見はノーマルほむなんだよな。

    良い話だった。
    最後「弱ほむ」が「ほむら」に変わるとかにくい演出がまた。

    仁美はかわいそうだったが腹パンのおかげでちょっと救われたような気もする。
  27. 名前: 通常のナナシ #-: 2012/09/11(火) 22:12: :edit
    ちょっと感動しちゃったよ
    まどかSSの中でも一番好きなくらいだ
  28. 名前: 通常のナナシ #-: 2012/10/18(木) 23:42: :edit
    入れ替わって復活とかシンプルに熱いね
  29. 名前: 名無し #-: 2012/10/22(月) 00:12: :edit
    遊戯王を思い出した
  30. 名前: amor000 #QW6cPpbA: 2013/04/23(火) 18:59: :edit
    ずっと前から、なんかこのやりとり(二人のほむらの)と似たようなのを知ってるような……。と思ってたんだが、今読み直して思い出した。

    ヴァルキリープロファイル2シルメリアの主人公のやりとりと似てる気がする。
  31. 名前: 通常のナナシ #-: 2013/04/24(水) 01:55: :edit
    さっきまでまどポやってたし、まどポのシナリオと似た展開がいくつかあったから新ルートを読んでたような感覚だったw

    いいSSだった。

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