垣根「『ていとくん』って何?」その2

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2011/08/11(木)
248 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/10(木) 23:17:22.50 ID:rMi+jP/X0

その2です。


248 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/10(木) 23:17:22.50 ID:rMi+jP/X0
数日経ったある日のこと(後日談)

垣根「今日はスクールの仕事はねえし、どっかデートにでもいくか」

心理定規「積極的ね」

垣根「じゃ、どこ行く?」

心理定規「まだ返事してないんだけど」

垣根「テメェは『俺の女』なんだから、拒否権はねぇんだよ」

心理定規「そうだったわね。ゴメンなさい、ていとくん」

垣根「……」

心理定規「どしたの?」

垣根「やっぱていとくんってやめね??俺のキャラじゃない…ぜ」

心理定規「(今更そんなこと言われても)」




249 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/10(木) 23:25:55.40 ID:rMi+jP/X0
垣根「とにかくだ。どこ行く?車の中で考えるか?」

心理定規「パス」

垣根「え?」

心理定規「車でどっか遠方に出かける気分じゃないの」

垣根「じゃあ何か?お前は徒歩や公共交通機関で初デートを楽しむつもり?」

心理定規「そもそも、あなたとは暗部の仕事以外で街を闊歩したことないもの。
プライベートのときのあなたがどういう顔をするか…間近で眺めていたいじゃない?」

垣根「それは車に乗りながらでも見れるだろが」

心理定規「歩く素のあなたを見たいの」

垣根「変わった女だな…。じゃ、それでいいわ。歩きながら行き先でも考えるか」

こうして二人の一日は始まった




252 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/10(木) 23:34:12.19 ID:rMi+jP/X0
垣根「さて、どうすっか。まずは商店街あたりから攻めてみっか」

心理定規「いいんじゃない?」

垣根「本来、お前なら高級デパートや高級料理店ってキャラなんだろうがな」

心理定規「決めつけないの。私は駄菓子に興味を示すようなとても無垢な女の子。
そんなに、一般人に混じって商店街で買い物袋を提げてる私がおかしい?」

垣根「主婦の大群が入り乱れる安売りコーナーじゃ、特に」

心理定規「あ、それいいわね」

垣根「あ?」

心理定規「一回、私あの中に入って彼女たちと争奪戦を繰り広げてみたかったの。
普段暗部の仕事やってたら、絶対お目にかかれない体験じゃないの!」

垣根「ホントにお前って変わってるよな」

心理定規「あなたに言われたくないわ。ていとくん」

垣根「(今の、地味にすっげー傷ついた)」




253 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/10(木) 23:43:35.54 ID:rMi+jP/X0
心理定規「それに、いざとなったらメジャーハートで彼女たちの感情は操作するから、
特売品は全部私のものよね。あってよかったメジャーハート♪」

垣根「何そのキャッチコピー。ってか、そんなくだらんことに能力使うなよ…」

心理定規「自分の能力をどう使うかなんてその人の勝手よ」

垣根「そりゃそうだが」

心理定規「レベル5第3位の超電磁砲なんてこの前、鉄製の壁を垂直に上り下りしながら
『たっのしー♪』って言って遊んでるの見かけたし、第4位の原子崩しだって
解体予定現場の物品を片っ端からメルトダウンさせて『やっぱこれ、ストレス解消には最高ねー!』
って光線撃ちまくってんの見かけたし」

垣根「……」

心理定規「驚いた?」

垣根「そいつら愉快すぎ」

心理定規「別に誰だってこのくらいすると思うけど」

垣根「いやいやいや。前者はあるにしても後者はねえよ。危ねえよ」

心理定規「あなたはダークマターでストレス解消はしないの?」

垣根「しねーから」




255 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/10(木) 23:53:59.51 ID:rMi+jP/X0
心理定規「というかそもそもの疑問なんだけど、あなたってその能力戦闘以外じゃ使わないの?
何かの高級品に似せた未元物質を駆使すれば、案外簡単にお金稼げそうだけど」

垣根「それ詐欺じゃね?ってか、お前黒くね?」

心理定規「しないんだ」

垣根「しねーよッ!そんな小物っぽいこと!?」

心理定規「そうね。あなたがそんなことしてたら、正直幻滅ものだもの」

垣根「お前は俺をどうしたいのよ…」

心理定規「ていとくん」

垣根「意味わかんねえ平仮名5文字をどや顔で放ってんじゃねえッ!!」

心理定規「ていとくん♪」

垣根「可愛く言ってもダメだ」




260 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 00:03:12.86 ID:MWu/wMqh0
垣根「ってか、本当にどこ行くよ?このままじゃ商店街通り越しちまうぞ」

心理定規「そうね。じゃ、ここにでも入りましょ」

垣根「小さな売店だな。いいけど」

心理定規「へー、いろんなお弁当が陳列してあるわ。ここはお弁当屋さんだったのか」

麦野「シャケ弁ください!」

目の前に第4位がいた

垣根「あ!?」

麦野「えっ…?」

心理定規「こんにちは麦野沈利さん」

垣根「(いや、何でお前は平然と挨拶してんの??こいつアイテムのリーダーだろ??敵なんじゃねえの??)」




263 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 00:10:03.47 ID:MWu/wMqh0
麦野「第2位とその連れか…。ケッ、何の用だよ?」

心理定規「別に。お弁当を買いに来たの。麦野さんはここの常連さん?」

麦野「だったらどうしたぁ?」

心理定規「オススメがあるなら教えてくれない?私こういうのには疎くて…」

麦野「!そういうことなら、このシャケ弁がおいしいと思うんだにゃー♪」

垣根「何この状況」

しばらくして店を出る二人

心理定規「また来ようっと」

垣根「お前ってさ、本当相手を抱き込むのうまいよな」

心理定規「何のこと?純粋に私はアドバイスを乞うただけなんだけど」

垣根「え?あれ素だったの?」




265 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 00:20:14.61 ID:MWu/wMqh0
心理定規「それで。次はどこ行こうかしら」

垣根「…いつのまにか、揺れ動くままにどこかを訪れる旅の行脚と化してるな」

心理定規「私、そういうの好きだけど。明確な目的地に縛られず
その過程を楽しむのって、十分旅の醍醐味だと思うわよ?」

垣根「これって旅だったのか」

心理定規「そ。なんか新鮮な感じで楽しいでしょう?」

垣根「新鮮すぎるぜ」

心理定規「あ、あれなんかどうかしらっ!?」

彼女が目を向ける、その先はゲームセンターだった

垣根「ほうゲーセンか。暇潰しにはもってこいだな」

心理定規「え?私とのこの初デートが暇潰しってどういうこと…??」

垣根「違うから。ゲーセンに付随する一般論を言っただけだから」

心理定規「冗談よ。必死になって否定するていとくん可愛い♪」

垣根「マジ疲れるし」




266 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 00:28:00.49 ID:MWu/wMqh0
そんなこんなで二人はゲーセンの中へと入る

心理定規「いろんなゲームがあるわね。何からしようかしら…」

垣根「そうだな。初心者なんだっけかお前は?なら、クレーンゲームでもどうだ」

心理定規「それ、何かバカにしてない?仮にも私は暗部の人間よ?」

垣根「…暗部の人間だからといって、いきなり格ゲーで無双できるとかは思わねえけどな…」

心理定規「他にないの?」

垣根「そんなにクレーンゲームが嫌かお前は。じゃあ…もぐら叩きでも」

心理定規「やっぱバカにしてるわね」

垣根「だからしてねえって!可愛らしい遊びをチョイスしたつもりなんだぜ…?これでも。
それに、こういうのはストレスの解消にもなっていいしな」

心理定規「もしかしてさっきの話の続きだけど、あなたってもぐら叩きでストレス解消してんの?
そっか。だからダークマター云々には興味なかったのね」

垣根「話が戻りすぎだろ。後、冷静に返答するけど、今のもあくまで一般論だから。
最近お前の勘違い癖が甚だしいから強調してもう一回言っとくが、一般論だからな。
…もっとも、それで本当にストレスを発散してるヤツは見たことねえが」

美琴「うおおおおおおおおおりゃああああああああーッ!!!!!」

垣根「……」




267 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 00:30:38.17 ID:enAKqfoA0
御坂さんなにやってんすか…




269 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 00:34:36.29 ID:MWu/wMqh0
心理定規「目の前にいるじゃない」

垣根「正直びっくりしている」

美琴「ぁんのツンツン頭ァァァァァァーッ!!」

ドゴッ

美琴「せっかく遊びに誘ったのに…ッ!誘ったのに!」

ドガガッ!

美琴「すっぽかすったぁ一体どういうことだコラァァァァァッ!!?」

ドガガガッ!

美琴「おまけにその連絡すらよこさないとか、マジ死ねこの野郎ォォォォォッ!!!」

ドゴオオオオオンッ!

テロレロリン♪BEST SCORE!You are number1!!

周りの人1「お、おい!?何か凄いことになってるぜ!?」

周りの人2「こんなハイスコア見たことねえ!何者だこのコ!?」

心理定規「私、感動しちゃった…!」




271 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 00:42:57.88 ID:MWu/wMqh0
垣根「(超電磁砲…だよな?こんなトコで何やってんだこいつは…)」

心理定規「もぐら叩きってこんなに熱いゲームだったのね。私、ちょっと見誤ってたかも」

垣根「たぶんお前の認識はそれで正しい」

心理定規「他にも私ができるような熱いゲームってないの?」

垣根「うーん…じゃあ音ゲーとかどうだ?」

心理定規「オトゲー?」

垣根「リズムに合わせて、指定されたボタンを押すようなゲームだ。
まあボタンに限らず、例えば太鼓とか足で踏むダンスゲーとか、種類はいろいろだけどよ」

心理定規「なんか楽しそうね。やってみようっと」

二人は音ゲーの機械を探す

心理定規「あ!このダンスゲームとか楽しそうじゃない!?」

垣根「先客がいるな。って、こいつ…!!」

心理定規「!凄いわこの人!!」




272 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 00:47:15.30 ID:MWu/wMqh0
なんと顔がゲーム画面に向いていない。にもかかわらず、
彼は見事なステップで華麗にゲームをクリアしていっていた。

垣根「(しかもハードだろこれ…。よそ見してダンスとか、どんだけ余裕なんだこいつは)」

まさに達人のなすワザと言えた

心理定規「あれ、でも何か変じゃない?」

垣根「どうした?」

心理定規「見なくても踊れるってのは凄いけど、それにしても首が同じ方向に
ずっと固定されたままじゃない?普通は、見ないにせよ少しくらいはキョロキョロするわよね?」

垣根「確かに…」

どうにも不自然だった。もしかしたら、彼は何か凝視でもしてるのだろうか?
気になった二人は、その視線の先へと目をころばせた。

美琴「上条当麻の馬鹿野郎ォォォォォォッ!!!」

第2ラウンドを開始してる美琴がいた

海原「(美琴さん…今日もお美しいです)」

御坂美琴に釘付けにされ踊っていた、その青年の名は海原光貴だった




274 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 00:49:53.22 ID:0LGC5a2fQ
海ァァァァ原ァァァァくゥゥゥゥン!?




275 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 00:53:59.86 ID:MWu/wMqh0
海原「(こうして同じゲームセンターでゲームをしているならば、見ていたところで
別段怪しまれることもないでしょう。我ながら考えたものです)」

首が固定された、その動作が怪しすぎることに彼は気付かない

垣根「(よくわからんけど、どうやら俺たちはカオスな状況を目の当たりにしてるっぽい)」

心理定規「…それにしても。もぐら叩きにせよダンスにせよ、こんなに凄い人たちが
眼前にいるんですもの。自分がするより、そんな彼らの洗練された動きを見てた方が楽しそうだわ」

垣根「なんかそれ、ゲーセンに遊びにきた理由としては本末転倒なような気がするがな…」

心理定規「私が楽しいと感じてるんだからいいじゃないの」

垣根「まぁ、そうだけど」

垣根「(というか今気付いたけど、こいつグループの海原光貴ってヤツじゃねえのか?)」

美琴「おらおらおらおらおらーッ!!」

海原「(そんなスタンドまがいの美琴さんも美しいです)」

垣根「……」

垣根「(見なかったことにしよう)」




277 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 01:00:30.39 ID:MWu/wMqh0
十分堪能したのか、二人は外へと出る

心理定規「あなたもこれでわかったでしょ?」

垣根「ぁ?いきなり何だ」

心理定規「これが、目的もなく漂う旅ってやつよ。その証拠に、期せずして
面白い状況に立ち会うことができたじゃない?弁当屋では麦野沈利、
ゲームセンターでは御坂美琴に海原光貴といった具合にね」

垣根「(二人の正体もちゃんと把握してるし)」

垣根「……」

垣根「まぁ、確かにお前の言う通りかもしれん。たまにはこういうのもいいかもな」

心理定規「リラックスできた?」

垣根「え?」

心理定規「スクールの仕事で疲れてそうだったから。いつもとは違う空気に触れてみるってのも、
良い息抜きになったんじゃないかなって。好きな人を気遣うのは、彼女として当然の役割だものね」

垣根「お前…そこまで俺のことを」

心理定規「じゃ、また適当にぶらぶらしましょ!」




279 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 01:06:45.83 ID:MWu/wMqh0
垣根「あぁ。それはいいんだが、そろそろ昼食とらないか?」

心理定規「そういえばそんな時間だったわね。あら、このファミレス…」

垣根「?どうした?」

心理定規「この前、私が幻想殺しの少年と一緒に食事したファミレスだなーって思って」

垣根「あぁ、お前らここで食べてたのか。うまかったか?」

心理定規「もしかして二つの意味を孕んでる?味自体のおいしさと、
上条当麻と食事して味はおいしく感じられたのかっていう」

垣根「『うまかったか?』一つに深読みしすぎだお前は…」

心理定規「そう?ゴメンなさい。暗部の人間なら、言葉の多重解釈くらい当たり前かなって思って」

垣根「それじゃ何の気なしに『うまかったか?』て言った俺がバカみてぇじゃねえか」

心理定規「あなたはそれでいいと思うわよ。いつものていとくんでいて♪」

垣根の腕へとしがみつく彼女。傍から見ればバカップルである。

垣根「お前が俺のことをバカにしてるっていう事実だけはわかった」

垣根「って、抱きつけば許されるとか思ってんじゃねぇぞコラァァァッ!!」




282 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 01:15:49.56 ID:MWu/wMqh0
心理定規「冗談よ冗談」

垣根「はぁ…。俺はこれまでいろんな女に会ってきたけどな?お前ほど手ごわいのは見たことねえぜ…」

心理定規「それは光栄ね」

垣根「褒めてねえから」

心理定規「とにかくさっきの答えだけど、味はもちろん、
上条当麻と一緒にいて楽しかったわよ。優しい人は私、好きだもの」

垣根「…へえ、そうか」

心理定規「嫉妬した?」

垣根「レベルゼロに嫉妬する意味がわからねえ」

垣根「でも、第1位を倒した男でもある」

垣根「…はいはい」

彼女を無視し、ファミレスへと一人で向かう垣根

心理定規「ちょ、待ってってば!怒らせたのならゴメンなさい!?」




283 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 01:25:19.27 ID:MWu/wMqh0
心理定規「あなただって十分に優しいから安心して?だからこそ、私はあなたのこと好きになったんだから」

垣根「優しいだぁ?お前を置いて店に向かってるってのにか」

心理定規「…歩幅がいつもより小さい」

垣根「っ!?」

心理定規「私が見失わないように、敢えて歩幅を私に合わせてるんでしょ?そういうところ、好きよ」

垣根「お前さぁ…人の動きを観察しすぎだろ常識的に考えて…」

心理定規「嫌だった?」

垣根「バカなこと言ってねえで、とっとと中に入るぞ」

そうは言いつつ、どことなく嬉しい感じがした垣根帝督だった。




284 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 01:34:36.79 ID:MWu/wMqh0
垣根「席は…ここでいいな。何を頼む?」

心理定規「そう急かさない。時間はまだあるんだから」

垣根「時間があるとかいって油断してるとなぁ。時間なんてのは、あっという間に経過しちまうんだよ」

心理定規「経験者が言うと説得力があるわね」

垣根「え?ちょ、それどういうー」

心理定規「この前も、『まだ時間はある』とか余裕ぶちかまして、
結局打ち止めを誘拐できなかったんだものね」

垣根「…あぁ、そうだよッ!!せいぜい俺を反面教師にしろよこのクソったれ」

心理定規「(逆切れするていとくん可愛い♪)」

ほのぼのとしていた。

一方通行「アァ!?補習があるから来れねェだァ!?バカかテメェはッ!!?」

突然の怒声。ほのぼのは終了した。

垣根「…なあ。一方通行の声が聞こえた気がしたんだが、気のせいだよな?
いけねぇいけねぇ。あいつに対する執着(殺す的な意味で)にはけじめをつけたつもりだったのに
こんな幻聴が聞こえちまうなんて、情けねえ話だ」




285 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 01:44:27.91 ID:MWu/wMqh0
心理定規「言ったでしょ?予想外の面白いことが起こる、それが旅の醍醐味だって」

垣根「予想外はともかく、面白いってのは違うと思う。絶対違うと思う」

心理定規「まぁまぁ。とりあえず様子を見守りましょうよ」

そんな二人が見守る彼は、二人からは少し離れたテーブルへと座っている。

一方通行「ァんの土御門の野郎…次会ッたら半殺し確定だコラ」

??「あなたと二人っきりって時点でなんとなく察してたけど、案の定ってわけね…」

そして、そこには肩を落とす…もう一人の同伴者がいた。

一方通行「なァ結標。グループの会議より補習を優先させる野郎ォってどう思う?」

結標「少なくとも、付き合おうとは思わないわね」

一方通行「海原も海原で連絡が取れねえし…マジどうなッてんだよこの組織はよォ!?」

垣根「……」

心理定規「……」

え?海原って確か、さっきゲーセンで踊ってた人だよね?と顔を見合わせる二人だった。




286 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 01:50:04.73 ID:MWu/wMqh0
結標「私にそれを言われても…。そもそも、集合場所がこんなファミレスって時点でおかしくなかった?」

一方通行「ァ?」

結標「だってそうでしょう??暗部に関わるような秘密事項を、こんな人あふれる場所で話すって
一体何なの??どういうこと??ありえないわよこんなの普通に考えれば」

一方通行「…確かにそうだァ」

結標「はめられたわね私たち」

一方通行「ってことは会議ッてのも嘘かァ!?土御門ォ!テメェは半殺しどころかスクラップ相当だ糞が!!」

結標「にしても、何でその組み合わせが私とあんたなの?」

一方通行「…おい、周りに土御門や海原、もしくは怪しい監視カメラはねェか?」

結標「え?」

一方通行「俺とお前、なんとも愉快な組み合わせだよなァ?」

結標「…まさか」

一方通行「そんな二人を見てニタニタ影から笑う奴がいたとしたら、そいつァ生かしちゃおけねェよなァ?」




287 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 01:58:45.08 ID:MWu/wMqh0
その瞬間だった

垣根「(嘘!?こんな店の中で!?)」

とっさの判断で垣根は、自分と心理定規の周りをダークマターで覆った。

心理定規「え…ど、どうしたの?」

垣根「あいつ、何を血迷ったか…この空間全域にベクトル操作をかけようとしてやがる…ッ!」

心理定規「もしかして私たちがいることバレちゃったから?」

垣根「いや、それは関係ねぇと思うが…」

しかし危なかった。垣根のとっさの能力発動がなければ、二人とも一方通行に存在を気付かれていた
かもしれない。基本的に未元物質には彼の操作が効かない…。ゆえに、とりあえずは難を逃れた。
その代わり、とある絶叫が聞こえた。

??「ぎいいぃぃぃぃやああぁぁぁぁぁッ!!!!!」

一方通行「こんにちはァ!!一体店内で何やってたンですかァ??端っこでこそこそ何やってたンですかァ??
死ぬ準備できてますかァッ!!?え?土御門クゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!?」

天国に一番近い男、その名は土御門元春




337 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 20:32:23.73 ID:MWu/wMqh0
どういう原理かは不明だが、どうやら一方通行の探索網にキャプチャーされてしまったらしい。
悲鳴も上げてることから、言わずもがな何かしらの攻撃も喰らったっぽい。

垣根「(あいつ死んだな…)」

垣根は遠い目をして、その哀れな生き物を見守っていた。というか、ぶっちゃけそれしかできなかった。

一方通行「さァ、洗いざらい吐いてもらおうかァ!!?海原はどうしたァ??
あいつもテメェのくだらねえ計画に噛んでんのかァ!!?アァン!?」

土御門「あ、あいつは知らんッ!!もとから、あいつは今日用があるとかで来る予定じゃなかったからなッ!」

垣根「(踊りながら女の子を見る、あれってそんなに大事な用だったのか…)」

一方通行「最期の最期に、正直に話してくれてご苦労ォさン?」

もはや彼の眼は笑っていなかった

土御門「これは…本格的にまずい!!結標!俺を安全な所までとばしてくれッ!!」

結標「ええ、わかったわ」

土御門「!ありがとうだぜ結標!やっぱお前は最高の親友だにゃー!」

結標「ふふっ。痛みすら覚えない安全な所だから大丈夫よ?コンクリートの中とかどうかしら?」




338 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 20:38:42.53 ID:MWu/wMqh0
土御門「あ、ぁ、ぁぁ…」

一方通行「さ、土御門クウウン。ここで死ぬと店の人に迷惑だからよォ、とりあえずお外に出ようやァ?」

結標「手伝うわ一方通行。あ、こんなときこそムーブポイントの出番なのかも」

その後、彼の生死がどうなったかは不明である

垣根「……」

心理定規「……」

垣根「食べるか」

心理定規「そうね」

垣根「すげー迫力だったな」

心理定規「そうね!」

垣根「あれ。今、語尾にビックリマークが付いてたのは気のせい?」

心理定規「だって、見てて凄くドキドキしたじゃない!?連れて行かれた彼には悪いけど…
あんな光景、めったに目撃できるものじゃないもの(キラーン」




339 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 20:47:34.93 ID:MWu/wMqh0
垣根「いやいや…。目を輝かせてるところ悪いが…お前、仮にも暗部の人間なら、
今までだってあーゆーデンジャラスな光景は何度も見てきたろ?」

心理定規「デンジャラス…だった?今の、どっちかというとコミカルだったような」

垣根「一体どういうことなの」

心理定規「私には、あの3人が仲良く見えたな。普通の友達でもボケ&ツッコミの関係で
頭叩いたりとかはよくあるじゃない?その延長線上って感じがしたわ」

垣根「待て。ツッコミで人は死なないから」

心理定規「何を言ってるの?」

垣根「え、だって一方通行は明らかにあの金髪グラサンを…。いや、なんでもない」

殺す、と言いかけたが、それは思いとどめた。確かに彼女の言う通りかもしれない。
この前の打ち止めの面倒を見ていた一方通行を鑑みる限り、彼は本当に人を殺したりはしないだろう。

垣根「(もっとも、そのツッコミは『痛ぇ』ってレベルを通り越しちまってるがな…)」

明日にでもどこかの病院に入院してるかも。そんな彼に、垣根は静かに黙祷を捧げてみた。




341 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 20:57:25.10 ID:MWu/wMqh0
心理定規「さ、食べ終わったし店を出ましょう」

垣根「正直、一方通行たちのせいで喉によく食べ物が通らなかったんだが」

心理定規「私は通ったけど」

垣根「お前ってさ、絶対ずぶといよな」

そういうわけで外に出る二人

??「絹旗の野郎ォォォッ!いくら場所が近いからって3分以内で戻ってこいとか冗談じゃねえぞ!!?」

心理定規「っ!?」

??「あ、すんません!」

危うくぶつかりそうになった彼は頭を下げ、そのまま繁華街のほうへと行ってしまった。

垣根「大丈夫か?」

心理定規「別に。彼が直前の所で止まってくれたから大丈夫よ。それより…」

垣根「?」

心理定規「私って『当たり屋』の素質があると思ってたのに、まさか向こうから避けてくれるなんて…」

垣根「は?」




342 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 21:02:56.60 ID:MWu/wMqh0
心理定規「以前上条当麻と会ったって言ったでしょ?あのときも、出会いはこんな感じだったの」

垣根「ぶつかったってか?お前、結構ドジなんだな」

心理定規「ドジっ娘って萌える?」

垣根「うるせぇ。っていうか、さっきの『当たり屋』って何だよ」

心理定規「誰かとぶつかることに定評がある私って感じ?」

垣根「…『当たり屋』って、わざと事故起こして法外な損害金・賠償金を要求してくる
イカれた連中のこと指す用語じゃなかったっけ」

心理定規「私ってそんなひどい人間だったんだ」

垣根「いや、違ぇだろ」

心理定規「というわけで、ぶつかったんだから上条当麻と同じく彼にも話しかけなきゃ!
急いで彼を追いかけましょう!」

垣根「もしもし?『ぶつかったんだから』の意味がいくら考えてもわからんのだが」

心理定規「あっ!彼もうあんな遠くに。あなたが『当たり屋』云々話すから見失いそうじゃない」

垣根「その歳にして痴呆かテメェは。お前がそれ言い出したろ。ってかさっきの質問に答えろや」




344 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 21:09:59.74 ID:MWu/wMqh0
心理定規「質問攻めね」

垣根「お前が変なことばっか言うからだろ!?」

心理定規「一番の理由は、これ」

そう言って、彼女は落ちていたお菓子を拾い上げる。

垣根「…じゃがりこが二つ?」

心理定規「それもサラダ味とチーズ味ね」

垣根「味なんてどうでもいいわ。で、何だそれ?もしかしてあいつが落としてったのか?」

心理定規「そ。だから届けてあげようと思って」

垣根「親切すぎだろ…」

心理定規「しゃべってる暇があったら動く!」

二人は繁華街へと向かう彼を追いかける




345 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 21:15:27.87 ID:MWu/wMqh0
垣根「しっかし、そいつも変な野郎だよな」

心理定規「どうして?」

垣根「あの男、両手いっぱいに菓子持ってたろ」

心理定規「そうだけど」

垣根「何でビニール袋とか使わなかったんだ?」

心理定規「……」

心理定規「4円が惜しかったんじゃない?ほら、最近ビニール袋って有料じゃない」

垣根「4円惜しむとかどんだけ貧乏なんだよ!!?」

心理定規「塵も積もれば山となるって言うし」

垣根「お前それマジで言ってんの?」

心理定規「冗談よ。たぶん彼急いでたんじゃない?店員に袋に入れてもらう、その時間すら惜しかったとか」

垣根「5秒もかからないあの作業が??」




346 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 21:25:00.69 ID:MWu/wMqh0
心理定規「でも、実際問題彼急いでたじゃない?だからこそ私にもぶつかりそうになったんだし」

垣根「じゃあもうそれでいいわ」

??「おし!なんとか、ギリギリ3分以内じゃね?俺もやればできるじゃねぇか!!」

そう言って、彼はとある建物へと入っていく。

垣根「何だここ」

心理定規「映画館みたいね」

垣根「にしては何か違和感が…(人少なすぎじゃね)」

心理定規「ショートフィルムの上映店ですって。人気(ひとけ)がないのもそのせいね」

垣根「ショートフィルム?そりゃまた珍しい。で、俺らもこん中入るのか?金取られるぜ?」

心理定規「せっかくだし映画も観ましょ。なんか面白そう」

垣根「…まぁ、安いからいいけど」

心理定規「旅は道連れ世は情けってやつ?」

垣根「バカなこと言ってねーで入るぞ」




348 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 21:32:51.36 ID:MWu/wMqh0
垣根は唖然とした。自分たち含め、観客が6人しかいないという驚愕の事実に。

垣根「おいおい…経営大丈夫なのかこの映画館」

心理定規「ショートフィルムなだけに、他の映画館とは事情が違うんじゃないかな」

垣根「そんなもんか…?まぁ知ったこっちゃねぇけどよ」

心理定規「ええっと、彼は…」

垣根「前から数えて5番目か。近すぎず遠すぎずって位置にいやがる」

その彼の横には、連れがもう一人

心理定規「あら?女の子ね。もしかして彼女さんかしら?」

垣根「かもな」

心理定規「ということは、その彼女のためにお菓子を買ってきてあげたって感じ?可愛いとこあるじゃない」

垣根「それよりさっさと菓子渡すぞ。上映が始まってからじゃまともに話もできねぇ」

そんな彼らに視点は変わる

絹旗「残念でした浜面。わずかに3分から6秒すぎてます。超すぎてます」

浜面「あんなに頑張ったのに!?袋ももらわずに走ったのに!?嘘だろおおぉぉぉぉぉッ!!?」




349 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 21:39:00.05 ID:MWu/wMqh0
絹旗「結局、浜面は超浜面にふさわしい末路を迎えたってことです」

浜面「間に合ったと思ったのに…っ!」

絹旗「あの、さっさとお菓子渡してください。超上映始まりますよ。
浜面の葛藤とか超どうでもいいですから」

浜面「わかったよ、ったく。ポテチにポップコーンに… あれ?」

絹旗「どうしたんです?」

浜面「じゃがりこが…ない」

絹旗「…まさかとは思いますが、二つともないんですか?」

浜面「……」

絹旗「浜面が無能だってことは知ってましたけど、正直ここまで無能だったとは超思いませんでした」

浜面「どっかで落とした…のか?なんてこった…」

絹旗「幻滅です。超幻滅です」

心理定規「あの、ちょっといいですか?」




350 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 21:43:29.07 ID:MWu/wMqh0
絹旗「?」

心理定規「そちらの方がお菓子を落としていかれまして。これ…ですよね?」

浜面「!あなたはあのときの!って、わざわざ拾って持ってきてくれたんですか!?こんな所まで!?」

心理定規「ええ。困ってらっしゃると思って」

浜面「な、なんて親切な人なんだ…。本当にありがとうございます!!
まったくよお…どっかの誰かさんに見習わせたいくらいだぜ」

絹旗「何で私のほうを見てるんですか?浜面。それも蔑しんだ目で。超死にたいんですか?」

浜面「うるせぇ!確かに、俺はアイテムの下っ端だけどなぁ!それを差し引いてもお前は勝手すぎるッ!!」

絹旗「へぇ。どうやら窒素の塊で超押し潰されたいようですね」

心理定規「まぁまぁ。彼だって頑張ったんだから許してあげて?可愛い彼女さんのためにね」

浜面「えっ」

絹旗「彼女!?」




351 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 21:46:37.01 ID:MWu/wMqh0
絹旗「っていうか、何ですかその『えっ』って反応!?なんか超むかつくんですけど!?」

浜面「いや…。俺としても、彼女が絹旗ってのは正直どうなのかなと…」

絹旗「殺す。浜面超殺す」

浜面「じゃあ何か??お前は俺と付き合いたいのか!?」

絹旗「それこそ超冗談じゃないですよ!?何で浜面みたいな超キモいやつとこの私が!
彼氏彼女の関係にならなきゃぁいけないんですか!?あなた頭超沸いてんですかッ!?」

浜面「どっちなんだよッ!?」

心理定規「(あらあら、仲が良いのね♪)」

自分の役目は終わったかなと感じ、彼女は垣根のいる席まで戻っていく。

垣根「おい…。お前、場をかき乱しておいて放置か…」

心理定規「何のこと?」

垣根「いやいやいや。あの二人、明らかにさっきより何か険悪になってるから…」




352 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 21:52:13.19 ID:MWu/wMqh0
そして、その近くの席では

初春「なんか、カップルばかりですね」

佐天「あっれー?初春、そんなに恋人が欲しい?」

初春「べ、別にそんなことは言って!?」

佐天「大丈夫大丈夫!だって、初春はすでに私の彼女なんだから!」

初春「意味わかんないですよ!?ってか抱きつかないでくださーいっ!!」

6人の観客とは、まさかの浜面、絹旗、垣根、心理定規、初春、佐天だった。

そして映画は始まる。

……

心理定規「あれ、もう終わり?」

垣根「15分もなかったな」

心理定規「なるほど、これがショートフィルム…」




353 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 21:56:58.22 ID:MWu/wMqh0
心理定規「どうだった?」

垣根「正直なんて答えたらいいか…」

心理定規「?話の筋ははっきりしてたじゃない。少年が夜の街でいろんな幽霊や怪物に襲われて、
実はそれは着ぐるみを被った、あるいは変装した友達のどっきりだったっていう」

垣根「ってか短すぎ」

心理定規「だって『ショート』だもん」

絹旗「これは予想外C級にしては、かなりの良作に入るとみましたよ浜面!」

心理定規「良作らしいわよ」

垣根「マジで??」

上映が終わり無音になったのに加え、観客は6人だけ。他人の声も筒抜けなのであった。

絹旗「たいてい、こういうショートフィルムは時間が短いだけに…いかにして超インパクトを与えるか
という点を重視しすぎて話の展開が超意味不明になったりする愚かなケースが多いんですけど、
この作品はその二つをギリギリですがクリアしてたように思います。久々に私は超好感触ですよ浜面!」

浜面「確かに、手ごたえはあったな。こんな短い時間でよく頑張ったと思うよ」




354 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 22:00:30.55 ID:MWu/wMqh0
心理定規「話を聞く限り、あの二人は『ショートフィルム』をそれなりに経験してるみたいね」

垣根「オチがしょぼすぎと思ったのは俺だけか…??あんだけホラーな演出して最後がどっきり!って…」

心理定規「それでよかったんじゃない?むしろ時間が短いだけに、
壮大すぎるオチのほうがダサくなると思うけど」

初春「こ、こ、怖かったですぅぅぅ…」

佐天「いやー、なかなか迫力あったね!『ショートフィルム』とかいって少し舐めてたかも」

初春「って佐天さん!?どさくさに紛れて私を触ったりしたでしょ!?」

佐天「えーだって。私はね、怖がってる初春を安心させようと思って、
わざわざ肌をくっつけてあげたんだよ?」

初春「それ嘘ですよね!?それどころか私を怖がらせようとしてましたよね??化け物が現れた瞬間にだけ
掌をそっと首筋に置くって、どういうことですか??心臓が止まるかと思いましたよ!?」

佐天「なんのことかなぁ。でもでも、スリルあって楽しかったでしょ?(キラキラ」

初春「佐天さんと一緒にいると、いつもスリルだらけです…」

心理定規「あちらも好評だったみたいね」

垣根「テンションに差がありすぎるみたいだけどな…」




355 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 22:08:49.93 ID:MWu/wMqh0
心理定規「ところで、この映画館って『ショートフィルム』一本しかないの?他のも見てみたいんだけど」

垣根「まぁ、いくらなんでも一つしかねぇってことはないと思うが」

心理定規「こういうのは経験者に聞くに限るわね。すみませーん、ちょっと聞きたいことあるんですけど」

絹旗「あ、さっきの…浜面ごときに善意を見せてくれた稀に見る親切な人!」

浜面「ホント、いちいち癇にさわる言い方をする奴だよなお前ってッ!!」

心理定規「ここって、これ以外にも見れる映画はあるかしら?」

絹旗「ありますよ。ここ以外にももう一つ部屋あって、そこで別の『ショートフィルム』超やってます」

心理定規「そうなんだ。教えてくれてありがとね」

絹旗「いえいえ。…あの、あちらにいる長身の男性って、もしかして彼氏さんですか?」

心理定規「そうよ。私自慢の彼氏さん」

絹旗「それもイケメン…。はぁ…」

浜面「!?テメェ、その視線は何だ!?悪かったなぁ!!お前の付添い人がカッコよくなくて!!!」

垣根「(っていうか今気付いたけど、あの二人ってアイテムのメンバーじゃなかったっけ…)」




356 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 22:15:02.05 ID:MWu/wMqh0
絹旗「私たちもそこの部屋に超行こうと思ってたんですよ。よかったら一緒に見ます?」

心理定規「いいわね。できれば感想も聞かせてくれたら嬉しいわ。私こういう映画には疎くて…」

絹旗「キラーン!もしかしてこの手の映画は超初めてですか!?
じゃぁ私が『ショートフィルム』の奥深さについて超いろいろ」

浜面「お前がそれ話すと止まらなくなるからやめろ!!」

垣根「…なぁ(小声で」

心理定規「ん?どうしたの?」

垣根「こいつらってアイテム…だよな?さっきも男がアイテム云々言ってたし…(小声で」

心理定規「そうね」

垣根「やっぱお前すげぇわ(遠い目で」

相手の素性を知ってる、にもかかわらずいつもと変わらない態度。それどころか相手に話を合わせる。
弁当屋の麦野のときもそうだったがこの女…タダ者ではないッ!!?

垣根「(あ、そういやこいつって暗部の人間だったっけ)」

たまに忘れそうになるから困る




357 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 22:21:58.42 ID:MWu/wMqh0
その後、彼女たちは別のショートフィルムを見たわけだが…。何やら一回見ただけでは飽き足らなかったらしく、
同じ映画を繰り返し観賞したのだった。そして、その感想を絹旗と語り出す始末だった。もちろん心理定規が。

垣根「(すっかり意気投合してやがる)」

浜面「なんかすんません…こっちの世界(C級のショートフィルムetc...)に引きずり込んじまって…」

垣根「いや、まぁいいって。正直俺は見飽きたところだが…。あいつが楽しんでるなら、それでいいってことよ」

浜面「(この人、性格までイケメンだ!?)」

そんなこんなで時間は経過していった

心理定規「いやー、こんな短い映画にこれだけの要素があったなんて…。私、世紀の大発見をした気分!」

絹旗「私も、久々にあなたのような人と話せて超嬉しかったですよ!」

心理定規「ねぇ、また何か良い映画があったら、メールで知らせてくれたら嬉しいなっ」

絹旗「そのへんは超任せてください!まぁ、このへんは運も若干絡むんですが…
なるべく良いのをチョイスしてメルマガみたく超送信しちゃいますよ!」

心理定規「運も絡むってとこが味噌ね。私、偶然を楽しむのって大好き!じゃぁ期待してる♪」

垣根「(メルアド交換もしちゃってるし仲良くなりすぎだろ常識的に考えて)」




358 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 22:27:31.79 ID:MWu/wMqh0
映画館を出て、絹旗、浜面と別れた頃には…時はすでに夕方だった。

垣根「なぁ、一つ聞いてもいい?お前、もしかして暗部の諜報活動の一環としてメルアド交換した?」

心理定規「何を言ってるのかわかんないんだけど?」

本当に『何を言ってんだこいつは』って顔をしている

垣根「絹旗って奴、アイテムの構成員だろ。動向を探るためにやったんじゃねぇかと」

心理定規「はぁ…。考えすぎよ。もしそれが本当なら、私は絹旗さんじゃなく麦野に接触してるわ。
リーダーでもない彼女から何らかの機密を得られるとは思ってないもの。
基本、クライアントとの接点をもってるのは組織のまとめ役だけだものね」

垣根「あの、マジでプライベート目的??」

心理定規「だって、私と絹旗さんは友達になったんですもの♪」

垣根「あーそう(棒読み」




359 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 22:33:45.98 ID:MWu/wMqh0
心理定規「そういうあなたも、せっかく『しばらく殺しません』宣言したのなら
一方通行と友達になったらいかが?」

垣根「……」

垣根「オイ、お前は今どういうつもりでヤツの名前を出した?10字以内で懇切丁寧に説明しろや」

心理定規「前にもこんな流れあったわね…。そんなに第1位の名前出されたのが嫌だった?」

垣根「嫌すぎる。ったく、このバカ野郎が」

心理定規「…ツンデレ?」

垣根「今の単語は聞こえなかったフリをすればいいのか」

心理定規「さっきのツンって、私に向けたもの?それとも一方通行?両方に解釈できるんだけど」

垣根「後者だけは死んでもねぇから!!」

心理定規「じゃぁ、私だけのツンデレ?」

垣根「いい加減黙れ」

心理定規「ていとくん可愛い♪」

垣根「(何なのこの人…)」




360 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 22:41:54.51 ID:MWu/wMqh0
垣根「で、これからどうする?夕方だからな。もう回れる所も少ねぇぞ」

心理定規「実はね、それについては考えてたの」

垣根「へぇ?目的地もなくぶらぶら歩くお前にしちゃ珍しいな」

心理定規「確か…こっちだったかしら」

垣根「ん?繁華街から抜けんのか」

そんなこんなで二人が辿り着いた場所は

垣根「…公園?」

まごうことなき公園だった

心理定規「そ。公園」

垣根「これまたどうして?」

心理定規「嫌だった?」

垣根「いや、そういうわけじゃないんだが…」

心理定規「前からね、私…こういう所、あなたと一緒に来てみたかったんだ」

垣根「?」




361 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 22:45:16.53 ID:MWu/wMqh0
心理定規「静かでしょ?ここ」

垣根「…静かってんなら、俺そういう喫茶店知ってんだけど」

心理定規「そういう不粋なこと言う人嫌い」

垣根「悪かったな」

心理定規「夕方…人も動物もいなくなる時間帯。
自然に囲まれてるココなら、それが嫌ってほど実感させられるわよね」

垣根「…さっきから何を言おうとしてんだ?」

心理定規「あなたも暗部の人間なら、私の言ってることがわかると思うけど」

垣根「……」

垣根「そうだな。珍しい場所だな。『俺たちのような存在』からすれば、な」

心理定規「……」

垣根「…まだ過去のことは話しちゃくれねぇのか」

心理定規「いつかは話すわ。ただ、今はまだそれだけの覚悟が、私にはできてないから」

垣根「ま、無理は言わねぇよ」




363 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 22:48:29.98 ID:MWu/wMqh0
心理定規「ただ、なんとなく想像はつくんじゃない?あなただってそう。
私と背負ってるものが、そんなに違うとは思わない」

垣根「実験漬けの幼少時代か?」

心理定規「…随分とまぁ、ストレートに言うのね」

垣根「遠回しに言ったってしょうがねぇだろ」

心理定規「辛かった?」

垣根「はっ。バカ言え。むしろ心地良かったぞ?小さい頃から優秀だ優秀だと囃したてられ、
実際に俺はその通りの実績を築き上げてきたんだからな。今じゃこの学園都市の誇る第2位だ」

心理定規「やっぱり、あまり良いものではなかったのね」

垣根「ぁ?」

心理定規「『囃したてる』って言葉の意味知ってる?あまり縁起の良いときに使うものじゃないわ。
無意識のうちにそういう言葉が出ちゃったってことは、どこかそういう人生に負い目を感じてる」

垣根「……」

心理定規「公園っていいわよね。普通…なんだもの」

そう言いながら、彼女は近くの遊具へと手をはべらす。




364 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 22:51:04.94 ID:MWu/wMqh0
心理定規「けれど私たちにとっては、公園は『普通』じゃない。私たちにとっての『普通』は、あっち」

入ってきた公園の入口へと目を向ける。その先は…さっき自分たちがいた街。学園都市。
もっとも、この公園だって学園都市の敷地内なのだが…都市特有の空気がないせいか、若干気分は緩和される。

心理定規「もちろん、これは超能力者や暗部に潜む人間なら誰しもが通った道。
決して自分だけが特別だったとも思わないし、ましてや被害者面するつもりなんかさらさらない。
あの絹旗さんだって五月計画の被験者。一方通行のシスターズ計画なんかは…言うまでもないわよね」

垣根「…まぁ、過去の自分があって今の自分があるわけだからな」

心理定規「うまいこと言うのね。でも、その通り。今の私の人格やメジャーハート、
それによる今の地位だってそんな過去がなかったら存在しえないものだもの。ただ…」

垣根「…ただ?」

心理定規「そうじゃない人生送ってる人を、ちょっと羨ましいと思ったことはある。
無い物ねだりって言うんでしょうけど」

垣根「はっ。そんなのスキルアウトの連中に言ってみろ。お前殺されっぞ」

心理定規「…そうね。この学園都市では超能力が全てといっても過言じゃない。
レベルによる区分けや順位といった序列があるようにね。昇進や名誉、地位だってそれがある人間は厚遇され、
ない人間は冷遇される。彼らのもつ闇だって、そりゃ比較にならないと思うし、そういう環境下には
いなかった私には、たぶん彼らの闇は一生理解できない。けれど、それって同時に彼らにも言えることとは
思わない?超能力者がもつ闇っていうのも、彼らには理解できない。違う?」

垣根「…違いねぇ」




366 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 23:00:19.59 ID:MWu/wMqh0
心理定規「結局のところ、みんな青い鳥を探してるんじゃないかって。
完全に満たされてる人間なんか、たぶんいない」

垣根「随分大きく出たな。悟ったつもりか?」

心理定規「学園都市第2位という、1位に次ぐ最高の地位を得たあなたはどう?満たされてる?」

垣根「なわけねぇだろ。というかな、お前の言ってることは少々仰々しいんだよ。
いいか?そもそも欲がねぇ人間なんざ存在しねぇ。生きてる限り人間ってのは欲を求めて延々と彷徨う。
逆を言えば、欲がなくなったとき人間は死ぬ。まぁ、これは人間に限らず他の動物でも言えるだろうが」

心理定規「欲…か。そうね、私は今まで自分がやってこなかったことをしたかった。
普通に生きる人が普通にやってたこと、それをしたかった。でも、それ以上に私は…」

向き直り、垣根の目を見つめる彼女

心理定規「私は、そういうことを『あなたと一緒にしたかった』」

垣根「…お前」

心理定規「私ね?今日楽しかったわ。ゲームセンターにファミレス、映画館…とても楽しかった。
そこに、あなたがいてくれたから」

垣根「……」

心理定規「本当にありがとう。嬉しかったっ」




367 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 23:06:28.91 ID:MWu/wMqh0
垣根「お前…もしかして暗部を」

心理定規「その先は言わないで」

垣根「……」

心理定規「私は…そういう感情に気付きたくない。だって、気付いてしまったら。
私という『心理定規』はその時点で…この世から消え去るわ」

垣根「……」

心理定規「大丈夫。私は今までだって暗部の人間だった。
そして、これからだってきっと上手くやっていける。それは、過去の私が証明してくれている」

垣根「…ちょっと、落ち着いて俺の話を聞けや」

心理定規「え…?」

垣根「上層部からアイテムの連中を始末しろって言われたらどうする?」

心理定規「何を言って…??」

その言葉は唐突だった。訳も分からないまま頭の中が真っ白になる。
そして次に発せられる彼の言葉を、彼女は聞きたくなかった。

垣根「絹旗最愛を殺せって言われたらどうする」




368 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 23:15:06.58 ID:MWu/wMqh0
心理定規「……」

心理定規「…殺すわ」

垣根「待てや。今の間は何よ?」

心理定規「殺すって言ったのが聞こえなかった?」

垣根「……」

垣根「喉でも渇いたろ?自販機で何か買ってくるわ」

誰の目から見てもわかる建前だった。正直、今の彼女にどういう言葉を投げかけたらいいか彼には全く
わからなかった。とりあえず…落ち着いて考えてみる必要があった。時間稼ぎにすらならないかもしれないが。

垣根「(さて…何買おう。無難にオレンジジュース辺りでいいか)」

小銭を入れボタンを押したが、ジュースは出てこなかった。

垣根「……」

嫌なことがあったときには、嫌なことが重なるものだ。

垣根「まったく、ため息が出るな…」

この自販機は壊れてしまってるのか?おつりを取り出すレバーを動かしても、入れた小銭は出てはこない。
イライラした。フラストレーションでどうにかなりそうだった、まさにそのときだった。




369 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 23:20:03.48 ID:MWu/wMqh0
??「もしかして、ジュースが出てこないんすか?」

ふと、横に一人の少年が立っている。ツンツン頭が目立ちそうな少年だった。

??「この自販機ってちょっとクセがありましてね…
ええっと、ビリビリはいつもどこらへん蹴ってたっけ」

自販機の表面を隅から隅まで見つめ、視線がある一点に集中した。
そこは…どこかへこんでるような気がした。まるで誰かがそこを過去蹴ったかのごとく。

??「俺にもできるかぁ…?いや、ここはやるしかないよな」

拳を握りしめた状態で手を交差させる。彼なりの集中の合図だった。そして

??「っ!チェストオオオオォォォォーッ!!」

ドゴッ!

垣根「!?」

少年はその一点目がけ、飛び蹴りを放っていた。

??「くっ…!普段やらねぇから股が…痛いっす。やっぱ、俺にはあいつの真似ごとは」

ゴトン




370 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 23:28:13.19 ID:MWu/wMqh0
垣根が押していたはずだった、指定のオレンジジュースが落ちてきた。

??「うおぉ!?俺にもあいつと同じことができたぞッ!?俺って案外凄かったり!?」

勝手に蹴りを入れ勝手に納得し、勝手に喜ぶ少年

垣根「…よくわからんが、とりあえず礼を言わせてもらう。ありがとな少年」

??「いえいえ、このくらいどうってことないっすよ。それよりどうしたんです?
何か顔色が悪いみたいですけど…」

垣根「(…何だって)」

仮にも彼は暗部の人間である。少なくとも、一般人の前で露骨な表情をすることは一切ない。
いつも平静を装ってられた…はずだった。

垣根「(今の俺には、そんな最低限のことすらしてられる余裕がないってか)」

??「ええっと…大丈夫っすか?」

垣根「……」

彼は超能力者特有の闇を抱えてる人間ではないなと、垣根は直感でそう思った。一般人だと思った。
普通の暮らしを享受し、普通の毎日を生きている少年だと思った。そんな彼が、なぜか今はまぶしく思えた。
意味がわからなかった。学園都市第2位の自分が何でもないこの少年を羨む理由が、垣根には全くわからなかった。




371 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 23:33:56.18 ID:MWu/wMqh0
垣根「実はな…」

言ってから気付く。自分は今何をしようとしてる?今から、この少年に何を話そうとしている?
自分で自分の行動の意味がわからなかった。わからないままに、彼の言葉はそのまま綴られてゆく。

垣根「俺の彼女…なんだけどな。過去のことで悩んでるようで…俺は一体どうすればいいか」

こんな通りすがりの一般人に相談したってどうにもならない。そうわかっていても…話してしまう。
藁にもすがる思いとはこのことか。

??「うーん、事情はよくわかんないんすけど」

そして、こんなワケの分からない相談に彼は答えようとしていた。

??「過去も大切とは思います。…けど、一番大事なのは『その人が今何をしたいか?』
じゃないっすか?自分はそう思いますけどね」

垣根「っ」

あまりに単純すぎる回答。あまりにそっけない回答。いや、だからこそ…だったのかもしれない。
『その人が今何をしたいか?』そんな単純明快な言葉は、彼の心を動かすには十分と言えた。

垣根「(あいつはさっき何を言っていた…)」

彼女の言葉を思い出す




372 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 23:40:41.21 ID:MWu/wMqh0
【私は今まで自分がやってこなかったことをしたかった。
普通に生きる人が普通にやってたこと、それをしたかった。でも、それ以上に私は…】

【私は、そういうことを『あなたと一緒にしたかった』】

【私ね?今日楽しかったわ。ゲームセンターにファミレス、映画館…とても楽しかった。
そこに、あなたがいてくれたから】

【本当にありがとう。嬉しかったっ】

……

正直、彼女の話を聞くうちに自分自身も頭に血がのぼっていたのかもしれない。
のぼっていたから、彼女の言ってたことを冷静に捉えられなかったのかもしれない。
噛みしめられなかったのかもしれない。なぜ頭に血がのぼったのか?

垣根「(まさか、あいつ以上に俺が自分に酔っちまうとは…)」

というのも、この暗部にかかわる問題は『彼女だけの問題』というわけでもない。
そう。『垣根帝督』だって、その例外ではなかったのだから。

【もちろん、これは超能力者や暗部に潜む人間なら誰しもが通った道。
決して自分だけが特別だったとも思わないし、ましてや被害者面するつもりなんかさらさらない。
あの絹旗さんだって五月計画の被験者。一方通行のシスターズ計画なんかは…言うまでもないわよね】

『垣根帝督』もその例外ではない。もしかすると、彼は彼女の言ってたことを自分のことのごとく
受け止めてしまったのではないか?だからこそ、逆上するような物言いになってしまったのではないか…




373 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 23:44:37.25 ID:MWu/wMqh0
垣根「…なんか、それ聞いてスカッとした。ありがとな」

??「いや、こっちこそ事情も知らないで偉そうなこと言ってしまって…」

??「(でも、俺の本心だったには違いねぇ。だって俺には…インデックスを助けたらしい
それ以前の記憶がねえんだ。ねぇけど、今俺はこうやって生きている。地面に足をついている。
そりゃ、その記憶喪失のことを誰にも話してないって点じゃ俺は過去に縛られてるのかもしれねえけど…
それ以外に関しちゃ何とか立ち回ってる。少なくとも…俺はそう考えてる。…俺だけじゃねえな。
インデックスなんか、それこそこれまでに何度記憶を消された??御坂だって自分の妹が
あんだけ虐殺された、その過去を背負って今を生きてる。過去がどうであったって人は生きていける。
俺は…それを間違いだとは思わない)」

??「あ、それともう一つ」

垣根「?何だ?」

??「もう少し、笑った方がいいですよ」

垣根「え…」

??「その…相手は彼女さんなんですよね?俺にはそういうのいねぇから分かんねえっすけど…
大切に思ってる人はいます。その人の前では、俺はなるべく笑顔にしてるよう心がけてるんすよ。
さすがに…いつもいつもそういうわけにはいきませんけどね。その彼女さんはあなたにとって
大切な人ですよね?なら理屈は同じだと思います。だって、相手が楽しかったら自分も楽しくなりません?
それにその人もあなたのことを大切に思ってるのなら…絶対笑っていたほうがいいと思いますよ」




375 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 23:50:07.20 ID:MWu/wMqh0
垣根「……」

何者だと思った。決して、彼は美辞麗句を並び立てているわけではない。
おそらく高尚なことを言っているわけでもない。なのに、どうしてここまで心に響くんだろうか。
一言一句に重みがあった。聞いていて心地よかった。彼に相談して、本当に良かったと心の底から思えた。

垣根「…お前、名前は何ていうんだ?」

聞かずにはいられなかった

??「俺の名前とか聞いても面白くないと思いますけどね…」

そして彼は答える

上条「ええっと、上条当麻っていいます」

垣根「……」

垣根「…そうか。そういうことか」




376 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/11(金) 23:53:54.94 ID:MWu/wMqh0
上条「?ど、どうしたんすか?」

垣根「いや…なんでもないぜ」

垣根「……」

垣根「(こいつが…メジャーハートが言ってたあの男…)」

垣根「(第1位を…)」

……

【レベル0の上条当麻がレベル5の第1位に挑むなんていう馬鹿げた無謀な行い…
それをさせるにいたった動機だけは何となく予想できるわ。今日初めて彼と出会った私、でもね】

【誰かのために戦ったんじゃないかしら】

垣根「……」

垣根「ははっ…」

上条「??」

垣根「(そうだな。こいつはそんなことができそうな…野郎だよな)」




377 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/12(土) 00:00:11.90 ID:uM1Gpxld0
垣根「…何かお礼がしたいところだな」

上条「いや、お礼って!?俺別にそんなの貰うためにやったわけじゃないっすから!じゃあ、俺はこれで!」

垣根「お、おいっ!」

上条「彼女さん、幸せにしてあげてくださいね!!」

垣根「……」

それだけ言い残し、少年は垣根のもとから立ち去った

垣根「…まったく、つくづくお人好しなバカ野郎だな。あーゆう何事も善意にとらえるヤツってのは、
他人に利用され、騙されるのが関の山だ。暗部にいたら真っ先に死ぬタイプの人間だぜ?だが…」

……

垣根「誰かれあいつの真似をできるってわけでもねぇよな」

垣根「……」

垣根「『今までの俺たち』ならともかく…。『これからの俺たち』にはあんな野郎の考え方でも…」

……

垣根「戻るか。あいつのもとに。このオレンジジュースと…一緒にな」




378 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/12(土) 00:06:09.40 ID:uM1Gpxld0
心理定規「…あっ」

垣根「よっ。ちょっと買うのに時間かかっちまったが許せ。ほら、飲みもんだぜ」

心理定規「…うん」

垣根「いやぁ、なんせ自販機が壊れててよ?偶然通りすがったお人好しの野郎がいなかったら、
今頃お前に満足にオレンジジュースも届けられなかったってわけだ。笑える話だろ?」

心理定規「ふふっ…。確かに、仮にも学園都市第2位のあなたがそんなお使い程度もできない
っていうのは、思わず笑いが込み上げちゃう話よね」

垣根「加えて、俺は暗部の人間なんだぜ?スタントマンびっくりの任務もこなす
スクールのリーダーの俺が、自販機でジュースも買えないときた」

心理定規「はははっ!!何それ、バカみたいじゃないの?ふふ…っ!」

垣根「バカでも結構」

心理定規「…ねえ、何か良いことでもあった?」

垣根「え?」

心理定規「だって、さっきよりも明るい表情をしてるんだもの」




380 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/12(土) 00:12:07.41 ID:uM1Gpxld0
垣根「俺に、明るい表情は似合わねぇか?」

心理定規「誰もそんなこと言ってないでしょ。むしろ、そっちのほうが好きよ。私は」

垣根「…そっか」

心理定規「じゃ、遠慮なくそのジュースもらうわね。…あら?あなたの分は買ってこなかったの?」

垣根「あ」

心理定規「もしかして忘れちゃった?本当にバカな人なんだから…」

垣根「(あの少年とのことがあって、自分の買うのすっかり忘れてたな…)」

心理定規「……ゴク…ゴクっ…」

垣根「(嗚呼、本格的に飽きられちまったかな)」

心理定規「はい」

垣根「?」

心理定規「残り、あげる。間接キスだね」




381 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/12(土) 00:16:41.74 ID:uM1Gpxld0
垣根「いいのか」

心理定規「ドジな彼氏のために彼女が一肌脱ぐって言ってんの。素直に受け取ったら?」

垣根「一肌脱ぐって、お前が言うとなんかエロいな」

心理定規「エロいこと考えてるの?」

垣根「うるせぇ」

そう言って、垣根は彼女が口づけた…そのジュースを飲み干した。

心理定規「水分を捕ったせいかな。なんか気持ちよくなってきちゃった」

垣根「濡れた?」

心理定規「変なこと言ってからかう人は嫌い」

垣根「(女が『気持ちいい』って言うとそういう意味で受け取る男は俺だけだろうか…)」

心理定規「頭の中がすっきりしたって言いたかったの」

垣根「なら始めからそう言え」




382 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/12(土) 00:19:50.65 ID:uM1Gpxld0
心理定規「ねえ…。ちょっと、頭を預けてもいい?」

垣根「んぁ?構わねぇけど」

そう言って、彼女はベンチに座ったまま…自分の頭を横に座ってる垣根の肩に、静かにくっつけた。

心理定規「もうすぐ日も暮れるね」

垣根「…そうだな」

心理定規「さっきまで聞こえてた…子供たちの声も聞こえなくなっちゃった。みんな帰ったのかな」

垣根「ガキは帰る時間だからな」

心理定規「…私たちも帰る?」

垣根「俺らってガキだったの?」

心理定規「私は、それでもいいかな」

垣根「また意味わかんねぇことを」

心理定規「……」

心理定規「…あのね、さっきの話なんだけど」




384 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/12(土) 00:27:18.46 ID:uM1Gpxld0
心理定規「まず最初に。変なこと言ってゴメンなさい」

垣根「……」

心理定規「たぶん、逃避してみたかっただけなの。私」

垣根「…誰でもあるだろそういうのは」

心理定規「そうかもしれない。けど、それを言って私はあなたに嫌な思いをさせた」

垣根「……」

心理定規「だから、『なかったこと』にしてくれないかなって」

垣根「話しておいて忘れろ、か。お前勝手すぎ」

心理定規「そうね…。とても自分勝手。ゴメンなさい」

垣根「って、何でさっきから俺に謝ってばかりなの?」

心理定規「え…。だって」

垣根「そもそもお前、何で俺のこと好きになった?自分の胸に手をあてて考えてみろ」




385 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/12(土) 00:35:23.69 ID:uM1Gpxld0
心理定規「……」

垣根「お前、強い俺が好きなんじゃなかったのかよ」

心理定規「それは…」

垣根「はっ、惚れた女の愚痴も満足に聞いてられないようじゃ、
一方通行を倒すなんざ夢のまた夢だろが。それにだ…。お前、奴を倒した幻想殺しのこと、
なんて言ってた?まさか、忘れちまったわけじゃねぇよな」

心理定規「…優しい人」

垣根「そうだよ。それと、誰かのために戦った男でもある」

心理定規「……」

垣根「なぁ。もう少し俺に背中を預けてくれたって、いいんじゃねぇの。
お前からすりゃ、俺はいずれ第1位を倒すような男になるんだろ」

心理定規「…優しい人?」

垣根「あぁ。そのためなら優しい人にもなってやる。だから、もうちょっと俺に甘えろよ」

心理定規「優しいね…ていとくん…」




387 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/12(土) 00:43:31.74 ID:uM1Gpxld0
心理定規「じゃ、これは優しいあなたへの、私からのお礼」

垣根「え?」

チュッ

垣根「…っ?!」

突然のことだった。垣根の頬に…温かいものが触れた。

垣根「……」

たったそれだけの一瞬の行為…。だが、幸せを感受するには十分といえた。

心理定規「私、やられてばっかは嫌だから」

垣根「じゃぁ、もっと優しくしたらどうなる?ディープでもしてくれんの?」

心理定規「はぁ…。ここでそんなこと言うの?あなたって本当にスケベ。せっかくのイケメンも台無し」

垣根「突然頬にキスしてきたお前にゃ言われたくねぇな」

心理定規「ああ言えばこう言う」

垣根「…なぁ」

心理定規「?」

垣根「お前が嫌なこと、ぜってぇにさせねえから」




389 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/12(土) 00:46:39.71 ID:uM1Gpxld0
心理定規「え…?」

垣根「絹旗は殺させねぇって言ってんだよ」

心理定規「…??そんなの、上層部から命令きたら従うしか」

垣根「お前、俺を誰だと思ってやがる」

心理定規「……」

垣根「第2位なら学園にとっても、こういう野郎は従順であってほしいよなぁ?」

心理定規「…条件を突き付けるつもり?」

垣根「別にお前のためだけじゃねぇぞ。前にも言ったろ…俺は『仕事を選ぶ』ってな」

心理定規「…確かに。あなたはそう言ってた」

垣根「そういうこった。最初からテメェがグチグチ悩む必要もなかったんだよ。
ってか、俺がそのために何もしねぇと思ってた、テメェのその脳味噌に俺は大いに失望した」

心理定規「私と約束して」

垣根「ぁ?改まっていきなり何をー」

心理定規「私を守るために、絶対に自分自身を交渉の道具には使わないって。
私が守られる影であなたが傷つくようなことあれば、私は死んだ方がマシだから」

垣根「……」




391 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/12(土) 00:52:10.49 ID:uM1Gpxld0
垣根「そんな俺を見るのは嫌か?」

心理定規「当たり前のことを聞かないで…っ」

垣根「……」

心理定規「あなたには…笑っていてほしいから」

……

【だって、相手が楽しかったら自分も楽しくなりません?
それにその人もあなたのことを大切に思ってるのなら…絶対笑っていたほうがいいと思いますよ】

……

垣根「(…相手が傷つくことは自分も傷つく。相手が楽しいなら自分も楽しい。相手が笑えば自分も笑える…ってか)」

垣根「…わかった。面倒だが、約束してやる」

心理定規「…破らないでね。絶対に」

垣根「そっくりそのままテメェに返す」

心理定規「え?」

垣根「俺もお前と同じってことよ。いつだったか、何でもしてあげたいとか言ってたな?
約束しろ。俺のために身を滅ぼすような真似はしねぇって。もしやったらぜってぇに許さねえ」

心理定規「……」




393 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/12(土) 00:57:26.19 ID:uM1Gpxld0
心理定規「うん。約束する」

垣根「聞き分けの良いヤツだ」

心理定規「やっぱり私、あなたを好きになってよかった」

『よかった』、その言葉の部位が出る頃には…すでに彼女は垣根に身を乗り出していた。
顔が近づき来たるべき部分に、それが触れた。

心理定規「ん…ぁ…ぅぅ…んっ、ぁぁ…っ…む…ぁ…っ」

さっきの頬とは違う、正真正銘のキス。

垣根「(…何でこいつの喘ぎ声ってこんなエロいんだ)」

彼女の官能的な声が彼の頭を刺激する。その後の流れは自然だった。何度も何度もキスをした。
何回したのか分からないくらい、たった一つのその行為に二人は没頭した。
何回やっても飽きなかった。快感だった。時間を忘れた。当然嫌なことも忘れた。…至福の時間だった。

……

しかし、物事にも終わりはある。彼女が不意に唇を逸らしたとき…その行為は終わりを告げた。

心理定規「くしゅんっ!」

垣根「……」

垣根「そういやこんな時間か…。冷えてきたよな」




395 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/12(土) 01:00:14.40 ID:uM1Gpxld0
心理定規「……」

垣根「ど、どうした??そんなに体調が悪いのか?寒いのか??」

心理定規「…そうじゃなくて」

垣根「…??」

心理定規「せっかくの良いムードをクシャミでぶち壊しちゃった私に…凄く自己嫌悪してるの(ズーン」

垣根「いや…それはまぁ…」

さっきとは違う意味で、どういう言葉を投げかけたらいいか分からなかった。

垣根「生理現象だし、仕方ねぇよ」

とりあえず無難に正論を吐いておくことにした。

心理定規「そう…ね。うん、そうかもね…。」

垣根「はぁ。くだらねぇこと言ってねぇで帰るぞ」

心理定規「ちょ、ちょっと待って!最後に…」

垣根「?」




396 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/12(土) 01:05:15.16 ID:uM1Gpxld0
垣根「何のマネだこりゃ」

心理定規「手をつないでるの」

垣根「それも、思いっきり指を絡めてるよな」

心理定規「そうね♪」

垣根「……」

垣根「(そういや今日、こいつに振り回されてろくに手もつないでなかったっけ)」

心理定規「最後くらい、こうやって恋人らしいことして帰りたいじゃない。
クシャミしたさっきのお詫びも兼ねて」

垣根「お詫びっつうか、テメェがしてーだけだろ」

心理定規「じゃ、離す?」

垣根「断る」

心理定規「素直じゃないんだから」

……

長かった二人の一日が終わろうとしていた。
しかし…話はもう少しだけ続く。

上条「インデックス、今頃小萌先生の家で何してんのかなー」




398 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/12(土) 01:10:19.02 ID:uM1Gpxld0
その頃。上条当麻は垣根帝督と別れた後、公園近くの路地を徘徊していた。

上条「あいつが今朝急に倒れたときは…本当にびっくりしたぜ。ただの腹痛って聞いて
思わず腰がぬけたけど。魔術書の暴走や敵に襲われたとか、そんな物騒な理由じゃないだけ本当によかった。
そりゃぁなあ…あんだけ菓子を毎日食べてりゃ腹痛(はらいた)も起こすだろうに。
今日は小萌先生が介抱してくれるようで、ひとまず安心だ」

上条「……」

上条「で、だ。そういう騒動があったせいで何か忘れてるような気がするんだが…
気のせいだよな?うん、そう思うことにしよう」

美琴「あ」

上条「おっ。御坂じゃねえか。こんな所で会うなんて奇遇ー」

美琴「(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ」

上条「あれ?何かどす黒いオーラが出てるような気がするのは気のせいでせうか?」

美琴「あんたは…!!あんたはぁ…ッ!!!よくもまぁ抜け抜けと!!私に顔合わせできるわねッ!?!」

上条「え!?え!?」

美琴「何で来なかったのか理由も聞きたいとこだけど。とりあえず、覚悟はできてるかしら?(ビリビリビリ」

上条「何で来なかった、だって??一体何を言って…」

上条「……」




401 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/12(土) 01:16:54.92 ID:uM1Gpxld0
上条「(遊ぶ約束してたんだった)」

時すでに遅し

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!!!!

上条「……」

嫌な汗が流れた

上条「御坂さん?もしかして今の、雷撃の槍だったりして…」

美琴「次は当てるわ」

上条「ま、待てッ!!?俺が悪かった!!俺が悪かったから!!!忘れてたことに関しては
後で何回でも土下座する!!だからっ、頼むから雷撃だけはやめてくれーっ!!!」

美琴「逃げんなコラァ!!!」

上条「逃げねえと死ぬから!!っていうか、お前もお前で
電話かメールで俺に知らせてくれりゃ、いつだって駆け付けたのに!!」

美琴「どうやら本格的に死にたいみたいねぇ…
私が、何回あんたに電話やメールしてやったと思ってんのッ!!?」

上条「えっ??だって、そんな連絡一度も…」

上条「……」

上条「(ポケットに携帯がないってのはどういうこと?家に置き忘れてきてしまったんでせうか)」




402 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/12(土) 01:22:23.50 ID:uM1Gpxld0
上条「不幸だあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!!!!!!!!!」

上条はこのとき思った。嗚呼…確かに過去も重要だと。過去を忘れてしまったせいで、
というか約束を忘れてしまったせいでまさに今、命の危険にさらされているのだから。

……

心理定規「なんか今、向こうで凄い爆発がしなかった?」

垣根「したな。明らかに大きな爆発が」

心理定規「最後の最後でこんな…」

垣根「…まぁ、元気出せよ」

心理定規「何を言ってるの?」

垣根「え」

心理定規「最初に言ったでしょ。明確な目的地に縛られず、その過程や偶然を楽しむことこそ
旅の醍醐味だって。まさか最後の最後で、こんな凄い光景を目の当たりにできるなんて…」

垣根「感動?してるとこ悪いが、普通に旅してて爆発に立ち会うことは絶対にねぇから」

心理定規「でも現に今起こったじゃない」

垣根「さて…。どう返答したものか」




403 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/12(土) 01:29:11.99 ID:uM1Gpxld0
心理定規「まぁ結局、わたしにとっては何でもいいのかもしれないな」

垣根「…どういうことだ?」

心理定規「あなたがそばにいてくれるなら、それだけで見る光景や聞こえる音に意味があるんだってこと」

垣根「……」

心理定規「これからも。わたしと一緒にいてくれる?」

垣根「…死ぬまで一緒にいてやる」

心理定規「絶対に、わたしをおいていかないでね」

垣根の腕にしがみつく彼女。その『おいていかないでね』には物理的距離のみならず、
死別の意味も含まれていることは…言うまでもなかった。そして、それは垣根も理解していた。

垣根「わかってる。ずっと一緒だ」

心理定規「……」

心理定規「好きって言っていい?」

垣根「…勝手にしろよ」

心理定規「ていとくんっ!大好きっ!愛してる♪好きっ!大好きっ♪」

垣根「言いすぎだ(もう嬉しいからどうでもいいや)」

本当におわり




405 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/12(土) 01:32:41.91 ID:uM1Gpxld0
正直、ここまでスレを保守して維持してもらえるとは思ってませんでした
感謝してます。ここまで読んでくれた人、本当にありがとうございました!




406 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/12(土) 01:34:40.26 ID:VQ1kHuAkO
こんな幸せそうなていとくん見たことねえ・・・




408 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/12(土) 01:35:13.16 ID:iQwqIVgg0
乙でした~









--------------------
載せわすれでした。遅くなりすいません。



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この記事へのコメント
  1. 名前: 通常のナナシ #-: 2011/08/11(木) 16:12: :edit
    あわきんのふとももにおにんにんはさみたいよぉ
  2. 名前: 通常のナナシ #-: 2011/08/11(木) 16:38: :edit
    001getだぜ!
  3. 名前: 通常のナナシ #-: 2011/08/11(木) 16:55: :edit
    中二の人載せて混乱したとみた
  4. 名前: ゆとりある名無し #-: 2011/08/11(木) 17:40: :edit
    ていとくんマジでこうゆうとこありそうだよなぁ
    ・・・・・ていと×3になっちゃったけど
  5. 名前: 通常のナナシ #-: 2011/08/11(木) 20:54: :edit
    心理定規ちゃん可愛いよ心理定規ちゃん
  6. 名前: 通常のナナシ #-: 2011/08/11(木) 23:11: :edit
    これはいい定規ちゃん。できる女を見せてもらった。
  7. 名前: チハリス #-: 2011/08/12(金) 00:15: :edit
    ていとくーーん!早くテレビに出ておいでー!
  8. 名前: 通常のナナシ #-: 2011/08/12(金) 04:49: :edit
    出てきたら即死だろうが
  9. 名前: 通常のナナシ #-: 2011/08/12(金) 12:25: :edit
    米8
    オイこらwwwwwwwwww
  10. 名前: 通常のナナシ #-: 2011/08/13(土) 22:43: :edit
    やっぱり上条さんは説教するのか
  11. 名前: 通常のナナシ #-: 2011/08/14(日) 01:28: :edit
    懐かしいの引っ張ってきたな
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俺の妹がこんなに可愛いわけがない 黒猫 白猫Ver.
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