雪華綺晶「痛みを伴った遊び」

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2011/06/28(火)
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 20:25:48.43 ID:0roECq0k0
雪華綺晶「――」

雪華綺晶「――…」

雪華綺晶「……」

雪華綺晶「……ここは」

雪華綺晶「どこ?」




4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 20:41:54.57 ID:0roECq0k0
雪華綺晶「真っ白で」

雪華綺晶「なにも見えない」

雪華綺晶「……」 ペタ

雪華綺晶「…………?」

雪華綺晶「……私は」

雪華綺晶「私はなぁに?」




5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 20:44:09.33 ID:0roECq0k0
雪華綺晶「わからない」

雪華綺晶「ここはどこ?」

雪華綺晶「私はなぁに?」

雪華綺晶「わからない」

雪華綺晶「……」 ペタ

雪華綺晶「……」 ペタペタ

雪華綺晶「…………水晶?」




6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 20:48:06.00 ID:0roECq0k0
雪華綺晶「……」 グッ・・・

雪華綺晶「……」 ジィ

雪華綺晶「これが私」
雪華綺晶「真っ白な」
雪華綺晶「女の子」
雪華綺晶「向こうにもたくさん」

タタッ

雪華綺晶「…全て私」




7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 20:49:44.95 ID:0roECq0k0
雪華綺晶「私はだぁれ?」

雪華綺晶「……」

雪華綺晶「私は!」

ワタシハ・・・ワタシハ・・・

雪華綺晶「……」

雪華綺晶「わからない」


「おお、目覚めましたか!」


雪華綺晶「……!」




8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 20:51:18.22 ID:0roECq0k0
「おめでとう、白い薔薇」

雪華綺晶「だぁれ?」 タッ

「貴方のお父様に代わって祝福を捧げましょう」

雪華綺晶「あなたはだぁれ?」 タタタ

「私はこの世界を漂う道化師にして観客の一人」

雪華綺晶「あなたは観客なのですか?」 タタタ

「ゲームには観客がなくては」

雪華綺晶「ゲームって……」 キョロキョロ
雪華綺晶「!!」 タッ

「…おっと」


雪華綺晶「ぁ……隠れてしまいました」




9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 20:54:48.90 ID:0roECq0k0
「あなたのお名前は?」

雪華綺晶「私は…私は……」

「貴方は雪華綺晶」

雪華綺晶「私は…雪華綺晶?」

「さようですとも。安心なさい、お父様から与えられた名ですから」

雪華綺晶「雪華綺晶が私の名前」

「その通り。雪華綺晶、貴方は最後の薔薇」

雪華綺晶「……」 コク

「少々特別な薔薇」

雪華綺晶「……」 コク

「実体を持たぬアストラル」

雪華綺晶「……」 コクン




11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 20:55:57.78 ID:0roECq0k0

「実体を持たぬ薔薇に精霊は寄り付かない」

雪華綺晶「?」

「人工精霊。後でお見せしましょう」

雪華綺晶「……」 コクン

「人工精霊もマスターも無い貴方に、世界の理を教える者は」

雪華綺晶「いません、か?」

「ブラヴォ、その通り。よって」




12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 20:57:48.88 ID:0roECq0k0
ラプラスの魔「私が教育者に」 ヒョイ

雪華綺晶「……」
雪華綺晶「はい」 コクン

ラプラスの魔「どうぞよろしく」 ギュ

雪華綺晶「これはなんですか?」

ラプラスの魔「握手です」 ブンブン

雪華綺晶「握手」 ブンブン




14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 20:59:41.31 ID:0roECq0k0
雪華綺晶「あなたはだぁれ?」

ラプラスの魔「ラプラスの魔とでもお呼びください」

雪華綺晶「……」
雪華綺晶「……えい」 ギュ

ラプラスの魔「あ」

雪華綺晶「手触りが違います」 グイグイ

ラプラスの魔「私のこれは耳で、貴方のそれは髪の毛ですからね」

雪華綺晶「うさぎの耳は」

ラプラスの魔「ひどく長いのです。そろそろ離してくださいます?」




16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 21:01:24.94 ID:0roECq0k0
ラプラスの魔「今日は目覚めたばかりでお疲れでしょう。ゆっくりお休みなさい」

雪華綺晶「……」

ラプラスの魔「続きはまた明日。場所は…」

雪華綺晶「…どこに行けばいいですか?」

ラプラスの魔「…こちらで。私が迎えに参りましょう」

雪華綺晶「ここに居ればいいのですね」

ラプラスの魔「その通り。それでは……」 ピョンピョン

雪華綺晶「……」

雪華綺晶「私は雪華綺晶」

雪華綺晶「きらきしょう!」

キショウ・・・キラ・・・ショウ・・・・・・

雪華綺晶「…」

雪華綺晶「ここはどこ?」




17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 21:02:42.47 ID:0roECq0k0
雪華綺晶「……」

雪華綺晶「真っ白で」
雪華綺晶「なにも見えない」

雪華綺晶「…」 コロン

雪華綺晶「……」 ジッ・・・

雪華綺晶「私がいっぱい」
雪華綺晶「私だけが」

雪華綺晶「……」

雪華綺晶「…」

雪華綺晶「」




18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 21:04:35.03 ID:0roECq0k0
雪華綺晶「」

雪華綺晶「…」

雪華綺晶「……」

雪華綺晶「……ん」
雪華綺晶「…ぼんやりしてしまったみたい」 ムクリ

雪華綺晶「……」 キョロキョロ

雪華綺晶「…」

ラプラスの魔「どうも~」 ピョンピョン

雪華綺晶「…!」 タッ

ラプラスの魔「今日も霧が濃くていいお日柄ですね」

雪華綺晶「ごきげんよう」

ラプラスの魔「ごきげんよう」




19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 21:06:21.57 ID:0roECq0k0
ラプラスの魔「ところでこの場所がどちらかご存知?」

雪華綺晶「わかりません」

ラプラスの魔「貴方の世界ですよ。水晶の美しいこと!」

雪華綺晶「水晶?」 ペタ

ラプラスの魔「その通り。そして世界はこちらだけでは無い。無数に、無限に広がっております」

雪華綺晶「世界に行くのですね」

ラプラスの魔「世界のごくごくわずかな一面を、覗き見るのです」

雪華綺晶「素敵」

ラプラスの魔「どの世界にしましょうか」 スタスタ

雪華綺晶「…」 タタッ

ラプラスの魔「うーん」 ガチャ

雪華綺晶「こんなところにドアが…」




20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 21:08:22.89 ID:0roECq0k0
雪華綺晶「…まあ」

ラプラスの魔「最初は古い記憶から見せた方がいいのか…人類誕生……」 スタスタ

雪華綺晶「大きな木…」 ペタ

雪華綺晶「…」 ピトッ


雪華綺晶「世界樹の鼓動を感じます…」

ラプラスの魔「それに決めた」




21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 21:09:29.33 ID:0roECq0k0
雪華綺晶「?」

ラプラスの魔「世界についての予備知識は世界樹先生にお任せします」
ラプラスの魔「この世界がどのようにして成り立っているのか、耳を傾けなさい」

雪華綺晶「?」 ピトッ
ラプラスの魔「大正解」

ラプラスの魔「さ、もっとしっかり耳を傾けて…」

雪華綺晶「……」

ラプラスの魔「nのフィールドについてまでお願いしますよ、世界樹さん」 ポンポン

ラプラスの魔「それでは」 ピョンピョン




22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 21:12:39.31 ID:0roECq0k0
雪華綺晶「…」

雪華綺晶「……」

雪華綺晶「……………………」

雪華綺晶「……」

雪華綺晶「…ふぅ」




23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 21:14:33.89 ID:0roECq0k0
雪華綺晶「ああ」
雪華綺晶「すっかり疲れてしまいましたわ」

雪華綺晶「けれど、ここがnのフィールドだということは理解できました…」 クルッ

雪華綺晶「…?」 キョロキョロ

雪華綺晶「いない…」


雪華綺晶「帰りましょう」




25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 21:18:33.91 ID:0roECq0k0
雪華綺晶「ごきげんよう、世界樹」 ペタ


雪華綺晶「あの場所は私の水晶の世界」 スタスタ

雪華綺晶「nのフィールドに作られた私のための世界」 スタスタ


雪華綺晶「……」 キョロキョロ

雪華綺晶「こちらでしょうか」 スタスタ


雪華綺晶「……」 キョロキョロ

雪華綺晶「…ここはどこ?」




26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 21:21:03.54 ID:0roECq0k0
雪華綺晶「あっ」
雪華綺晶「光が…」 タタッ

雪華綺晶「?」 グッ・・・


雛苺『見て、トモエ!』

雪華綺晶「!」


雛苺『おもちゃがいーっぱい!おかしもいーっぱぁい!!なのよ!』

巴『……ええ、見てるわ、雛苺』

雛苺『えへへ、嬉しいな。ヒナね、ここにお友達を連れてくるのとってもとっても久しぶりなの』

巴『ここは?』

雛苺『第822633世界。ヒナのお部屋よ』


雪華綺晶「……」




27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 21:23:28.85 ID:0roECq0k0
巴『そう…雛苺にはお部屋があるんだね』

雛苺『ウィ!ねぇトモエ、遊んで?このお部屋でヒナと遊んでくれる?』


雪華綺晶「……あそんで?」 コキン


巴『いいよ。でも、明日の朝までには戻ろうね』

雛苺『うぃー それじゃあねえ…』


雪華綺晶「……」
雪華綺晶「…」 スタスタ

雪華綺晶「……ここはどこ…」




28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 21:25:00.40 ID:0roECq0k0
雪華綺晶「……」 スタスタ

雪華綺晶「…」

雪華綺晶「……」 スタスタ
雪華綺晶「……」 スタスタ

雪華綺晶「…」 グッ・・・


巴『この格好は恥ずかしいよ…』

雛苺『どうしてぇ?ヒナとお揃いよ』

巴『雛苺には似合うけど、私には似合わないと思う』

雛苺『トモエは美人よ』


雪華綺晶「…向こうは”人間”」
雪華綺晶「向こうは私と同じ」

雪華綺晶「薔薇乙女」




29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 21:27:14.27 ID:0roECq0k0
雛苺『えへへ、トモエ、だぁいすき』

巴『…ふふ』


雪華綺晶「……」

雪華綺晶「…」 キョロキョロ

雪華綺晶「…」

雪華綺晶「……」 スタスタ

雪華綺晶「薔薇乙女ってなぁに?」
雪華綺晶「わからない」

雪華綺晶「世界樹は他の生き物と同じに扱っているみたいでしたから」

雪華綺晶「人間よりだいぶ小さいのは、確かですね…」

ラプラスの魔「薔薇乙女はローゼンによるドール」




30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 21:28:49.94 ID:0roECq0k0
雪華綺晶「…!」 タッ

ラプラスの魔「ごきげんよう」

雪華綺晶「ごきげんよう」

ラプラスの魔「むやみに歩き回らない方がよろしいですよ。nのフィールドは広い」

雪華綺晶「申し訳ありません、私の世界に戻ろうとしたのですけれど」

ラプラスの魔「なるほど」

雪華綺晶「薔薇乙女ってなぁに?」

ラプラスの魔「ドールです。人形師ローゼンの手によって産み落とされた、命のかけらを持つやわらかい人形」




31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 21:30:31.06 ID:0roECq0k0
雪華綺晶「ドール」 ペタ

雪華綺晶「…やわらかい」 ペタペタ

ラプラスの魔「いかがです?」

雪華綺晶「やわらかい気もします」

ラプラスの魔「お父様は貴方にかりそめの触覚を与えられたようですね」

雪華綺晶「私は…実体の無いアストラル」

ラプラスの魔「その通りですとも。されど命のかけらは、貴方の中にもひとつ」

雪華綺晶「…」
雪華綺晶「…こちらですか?」 ス・・・

ラプラスの魔「その通り。命…ローザミスティカの最後のかけらです」




32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 21:31:55.38 ID:0roECq0k0
雪華綺晶「きれい…」

ラプラスの魔「ローザミスティカは全部で7つ」
ラプラスの魔「すなわち、貴方には6人の姉が」

雪華綺晶「お姉さま」

ラプラスの魔「はい」

雪華綺晶「……お姉さまって、どんなもの?」

ラプラスの魔「ふうむ」




33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 21:34:59.38 ID:0roECq0k0
ラプラスの魔「会ってみたいですか?姉達に」

雪華綺晶「是非お会いしてみたいです」

ラプラスの魔「結構。それでは明日にでも、姉の1人に」

雪華綺晶「場所は…」

ラプラスの魔「貴方の世界で構いませんとも」

雪華綺晶「…ここはどこですか?」

ラプラスの魔「…おや」




34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 21:38:07.40 ID:0roECq0k0
・・・
雪華綺晶「ありがとうございました」

ラプラスの魔「お安い御用」
ラプラスの魔「明日は楽しいピクニックです。楽しみのあまり寝付けなくならないようお気をつけて」

雪華綺晶「はい、しっかり休みます」

ラプラスの魔「それでは」

雪華綺晶「さようなら」


雪華綺晶「……」

雪華綺晶「行ってしまいました」

雪華綺晶「休みましょう」 コロン

雪華綺晶「…あの小さな桃薔薇も、私のお姉さまだったのですね」

雪華綺晶「人間と、とても嬉しそうに」

雪華綺晶「私たちは、人間に愛される存在なのですね」

雪華綺晶「……ふふ」

雪華綺晶「…」

雪華綺晶「」




35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 21:42:18.89 ID:0roECq0k0
雪華綺晶「」

雪華綺晶「…」

雪華綺晶「……」

雪華綺晶「……ん」 ムクリ
雪華綺晶「……」 キョロキョロ

雪華綺晶「…」

ラプラスの魔「どうも~」 ピョンピョン

雪華綺晶「…!」 タッ

ラプラスの魔「今日もぬるくて過ごしやすい気候ですね」

雪華綺晶「ごきげんよう」

ラプラスの魔「ごきげんよう。早速行きましょうか」




36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 21:44:00.16 ID:0roECq0k0
ラプラスの魔「これより紹介いたしますのは5番目の薔薇」

ラプラスの魔「薔薇乙女の中で、誰よりもおてんばなお嬢さんです」

ラプラスの魔「アリスゲームにも意欲的」

雪華綺晶「アリスゲーム?」

ラプラスの魔「何故か私と遭遇する率も高い」

雪華綺晶「nのフィールドに?」

ラプラスの魔「nのフィールドから様子を覗きます。勘が鋭いお嬢さんですから」
ラプラスの魔「くれぐれも、おしずかに」 シー

雪華綺晶「…」 シー




37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 21:46:29.56 ID:0roECq0k0

真紅『……』


雪華綺晶「あれが…」 ジィ・・・

ラプラスの魔「5番目のお嬢さんは読書中、残念」

雪華綺晶「…?」

ラプラスの魔「……ふむ」

雪華綺晶「……」 ジィ・・・


真紅『…JUM、そろそろ起きて頂戴。紅茶が飲みたいの』

JUM『うぅ…ん、……まだ…………』

真紅『ねぼすけね』


雪華綺晶「また人間…」
雪華綺晶「…!」 モガッ




38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 21:50:14.38 ID:0roECq0k0
真紅『早くしないといばらの鞭でお尻を百叩きなのだわ』

JUM『むにゃ……なぁんだ…ふへへ』

真紅『…仕様の無い下僕だこと』


雪華綺晶「……」

ラプラスの魔「あのマスター、随分と幸せな夢を見ているご様子」

雪華綺晶「…?マスターって…」
雪華綺晶「…!」 モガッ

雪華綺晶「……マスターとは、人間のことだったのですか?」

ラプラスの魔「如何にも左様にも。犬や猫や兎をマスターにした姉妹はいまだおりませんね」


真紅『――ホーリエ』

ホーリエ『』 ヒュンッ


ラプラスの魔「ビンゴ」

雪華綺晶「!!」




39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 21:54:13.34 ID:0roECq0k0
ホーリエ『』

真紅『…いいえ、やっぱりよしましょう。JUMの夢を確かめようと思ったのだけれど』

JUM『ふふっ……』

真紅『きっと幸せな夢なのだわ。そう思わない?』

ホーリエ『』


ラプラスの魔「ご覧になりましたか?」

雪華綺晶「…!……!」 コクコク

ラプラスの魔「あちらが人工精霊。5番目のお嬢さんについているホーリエは、特に丁寧に躾けられた良い人工精霊です」

雪華綺晶「……」

ラプラスの魔「貴方には付かない」
ラプラスの魔「付いたところで、貴方は人工精霊を壊してしまうかも知れない」

雪華綺晶「…それは」


真紅『待って』




40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 21:55:43.34 ID:0roECq0k0
雪華綺晶「!」 モガッ
ラプラスの魔「!!」


真紅『誰かの気配がするわ。ホーリエ、nのフィールドへ…』


ラプラスの魔「もう気づかれてしまいましたか。ここは退散するとしましょう」

雪華綺晶「…」 コクコク

雪華綺晶「……」

雪華綺晶「…」 ジッ


真紅『JUM、行ってくるのだわ』

JUM『ん…待ってよ真紅……どこに行くんだ?』

真紅『あら、いくら言っても起きなかったのに』 クスクス

JUM『うるさいな』


雪華綺晶「……」

ラプラスの魔「どうしました、早く行きますよ」

雪華綺晶「…はい」




41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 21:58:35.36 ID:0roECq0k0
ラプラスの魔「しばし別行動を。この道をまっすぐお行きなさい、そうすれば貴方の世界に」
雪華綺晶「でも」

ラプラスの魔「私はホーリエと5番目のお嬢さんの相手をつとめます」
ラプラスの魔「さあ」

雪華綺晶「……はい」

雪華綺晶「…」 タタタ

雪華綺晶「…」

雪華綺晶「お行儀がよくないですね」 スタスタ

雪華綺晶「アリスゲーム」
雪華綺晶「マスター」

雪華綺晶「どちらも分からない」

雪華綺晶「お姉さまがたはゲームをしておいでなのかしら?」
雪華綺晶「私も混ぜてもらえるでしょうか…」

雪華綺晶「……」




43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 22:01:18.02 ID:0roECq0k0

『…! ご……ったり………!』

『………』


雪華綺晶「…?」

雪華綺晶「声が…」 スタスタ


翠星石『林檎を食べるとするですよ』

蒼星石『その前にトランクから下りなきゃ』


雪華綺晶「お姉さまがたですわね」


翠星石『そうでした』




45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 22:04:39.65 ID:0roECq0k0

蒼星石『大丈夫?』

翠星石『へーきのへーざですぅ、でもしっかり支えててくださいね』

蒼星石『任せて』


雪華綺晶「まあ、そっくり…」 グ・・・

トプンッ

雪華綺晶「きゃ…!」
雪華綺晶「…!」 モガッ


蒼星石『ああ、そんなに急がないで』

翠星石『へ、へーきですよぅ。林檎食べるんですから』


雪華綺晶「気づかれていない」

雪華綺晶「外の世界に出てしまいましたわ!」




46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 22:07:55.99 ID:0roECq0k0
雪華綺晶「お姉さまがたになんと話しかけようかしら…」


翠星石『とと…ドレスが邪魔ですねぇ』

蒼星石『右足より左足を下げた方が隙間が大きいよ』

翠星石『蒼星石が言うなら間違いないですね、左足を…』


雪華綺晶「そんなに思い切り下ろしたら…」


翠星石『わっ!?』 グラァ
蒼星石『わっ!?』

ドシャッ


雪華綺晶「まあ」


蒼星石『いてて…大丈夫?』

翠星石『林檎、りんごはどこですか?』


雪華綺晶「……」 キョロキョロ




47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 22:08:02.07 ID:x4DpH7jai
翠星石の出番をもっと


48 :ごめん、あんま出ない:2011/06/16(木) 22:10:19.92 ID:0roECq0k0
蒼星石『翠星石ったら…林檎より自分の体の心配をしなよ』

翠星石『蒼星石と2人、姉妹で協力してとった特別な林檎ですよ』


雪華綺晶「…あった」 タタッ
雪華綺晶「お姉さまがた、林檎はここに」


蒼星石『どこもきしんだりしてないかい?』

翠星石『翠星石はへーきです』

蒼星石『林檎、どこかに転がってしまったみたいだね』

翠星石『探すですよ!蒼星石と食べるんですから…』


雪華綺晶「…お姉さまがた?」

雪華綺晶「仕様が無いですわね」 スカッ

雪華綺晶「…?」 スカッ スカッ

雪華綺晶「掴めません」




49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 22:12:54.93 ID:0roECq0k0

翠星石『あっ!』


雪華綺晶「!!」


翠星石『林檎見つけたりですぅ!』 ガバッ
蒼星石『わあ!』 コロン

翠星石『ふふふっ』 タタタ


雪華綺晶「お姉様、やっと気づかれたのですね」


スカッ


雪華綺晶「あ……」


翠星石『よかった、どっこも傷ついてないですね!』


雪華綺晶「……」


ラプラスの魔「こんなところにいましたか」




50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 22:14:51.81 ID:0roECq0k0
雪華綺晶「…!!」 タッ

ラプラスの魔「ごきげんよう」

雪華綺晶「ごきげんよう…!」

ラプラスの魔「なかなかどうして上手なかくれんぼう。ここならば5番目のお嬢さんといえど気づきますまい」

雪華綺晶「こちらのお姉さまがたも気づいてくれません」

ラプラスの魔「当然といえましょう。過去の影に気づけとは酷な話」

雪華綺晶「…?」

ラプラスの魔「ここは夢の中です」

雪華綺晶「まあ」





51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 22:17:17.55 ID:0roECq0k0
雪華綺晶「私のからだをすり抜けていったのも、夢だからなのですね」

ラプラスの魔「おや、すり抜けたと?」


翠星石『蒼星石ぃー!』 ブンブン

スカッ


雪華綺晶「あ…」

スカッ

ラプラスの魔「なるほど、これはひどい」

雪華綺晶「……」 クスクス

ラプラスの魔「普通の夢ならば、簡単な干渉程度は可能なはず」
ラプラスの魔「彼女達のどちらの夢か…どちらにせよ、お互いしか見えていないせいでしょう」

雪華綺晶「仲良し?」

ラプラスの魔「非常な仲良しです。さすがは双子石のドールといったところでしょうか」




52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 22:18:49.09 ID:0roECq0k0
雪華綺晶「双子のお姉さまがたは何番目?」

ラプラスの魔「先ほどすり抜けたのが3番目の薔薇」
ラプラスの魔「あちらにおられるのが4番目の薔薇」

雪華綺晶「こちらが翠薔薇のお姉さま」

ラプラスの魔「はい」


雪華綺晶「……」 スタスタ

雪華綺晶「……」 スタスタ


雪華綺晶「こちらが青薔薇のお姉さま!」

ラプラスの魔「はい!」




53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 22:20:21.20 ID:0roECq0k0

蒼星石『……』


雪華綺晶「こんなに近づいているのに気づかれないなんて…」

雪華綺晶「…」
雪華綺晶「えい」 ツン


蒼星石『……』


雪華綺晶「摩訶不思議ですわ」

雪華綺晶「…」
雪華綺晶「えい」 ツン


蒼星石『……』




54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 22:22:58.93 ID:0roECq0k0

翠星石『蒼星石!こっちに来てください、蝶々が居ますよう!』


ラプラスの魔「私達もそろそろ出ましょう。5番目のお嬢さんもフィールドから出た頃です」

雪華綺晶「はい…」


蒼星石『全く』
蒼星石『どうしてこんなにも違うんだろうね…』 ポツリ


雪華綺晶「…?」

雪華綺晶「青薔薇のお姉さま?」


蒼星石『今行くー!』


雪華綺晶「…」

ラプラスの魔「行きますよ」

雪華綺晶「…はい」




55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 22:24:57.68 ID:0roECq0k0
・・・
ラプラスの魔「さて」

雪華綺晶「ありがとうございます」

ラプラスの魔「お安い御用。ところで、今は何人の姉に会われていましたかね」

雪華綺晶「桃薔薇のお姉さまと、紅薔薇のお姉さまと…」

ラプラスの魔「6番目の薔薇にも会われていたとは素晴らしい!では明日は2番目の薔薇に」

雪華綺晶「はい」

ラプラスの魔「それでは」

雪華綺晶「…あの」

ラプラスの魔「はい、なんでしょう?」

雪華綺晶「…あ」
雪華綺晶「……マスターって、なんですか?」

ラプラスの魔「2番目のお嬢さん程にマスターに愛されたドールはおりません」

雪華綺晶「明日になれば分かるのですね」

ラプラスの魔「その通り」




56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 22:26:20.18 ID:0roECq0k0
ラプラスの魔「それでは今度こそさようなら」

雪華綺晶「さようなら」

雪華綺晶「……」

雪華綺晶「行ってしまいました」

雪華綺晶「…」 コロン

雪華綺晶「蒼薔薇のお姉さま、何故あんなにも哀しそうだったのでしょう」
雪華綺晶「翠薔薇のお姉さまはあんなにも嬉しそうだったというのに」

雪華綺晶「私の中に湧く、この感情はなぁに…?」

雪華綺晶「……おそろしい」

雪華綺晶「…」

雪華綺晶「」




57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 22:33:03.73 ID:0roECq0k0
雪華綺晶「」

雪華綺晶「…」

雪華綺晶「……」

雪華綺晶「……ん」 ムクリ

雪華綺晶「……」 キョロキョロ
雪華綺晶「いない」

雪華綺晶「…」

雪華綺晶「…」

雪華綺晶「…?」 キョロキョロ
雪華綺晶「いつもより遅い気がします」




58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 22:35:05.20 ID:0roECq0k0
雪華綺晶「…そういえば」

雪華綺晶「うさぎさんの事、なんとお呼びすればいいのでしょう」

雪華綺晶「ラプラスの魔…」

雪華綺晶「なにか違いますわ…」

雪華綺晶「うさぎさん?」
雪華綺晶「ラプラス?」
雪華綺晶「魔?」

雪華綺晶「どれも違いますわ」

雪華綺晶「…」

雪華綺晶「まだいらっしゃらない…」




59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 22:38:29.54 ID:0roECq0k0
雪華綺晶「……」

雪華綺晶「…………」

雪華綺晶「…」 キョロキョロ
雪華綺晶「まだ」

雪華綺晶「……」

雪華綺晶「…」 ハッ

雪華綺晶「私」
雪華綺晶「すべて私」
雪華綺晶「真っ白な」
雪華綺晶「真っ白な……」

雪華綺晶「まだ…」

雪華綺晶「…」




60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 22:40:46.72 ID:0roECq0k0
ラプラスの魔「どうも~」 ピョンピョン

雪華綺晶「…!」 タッ

ラプラスの魔「いやあ、すっかり遅くなりました」

雪華綺晶「おじさま…!」


雪華綺晶「あっ」
ラプラスの魔「……」

雪華綺晶「これですわ」

ラプラスの魔「…5番目のお嬢さんには青二才の如くあしらわれる一方で」
ラプラスの魔「おじさまとはこれいかに」

雪華綺晶「ごきげんよう、おじさま」

ラプラスの魔「ごきげんよう」




61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 22:42:33.26 ID:0roECq0k0
ラプラスの魔「そのおじさまという呼び名はなんとかなりませんか」

雪華綺晶「…おじさまはおいくつですか?」

ラプラスの魔「……」

雪華綺晶「……」

ラプラスの魔「…………」

雪華綺晶「…………」

ラプラスの魔「行きましょうか、2番目のお嬢さんの元へ」

雪華綺晶「はい」





雪華綺晶「痛みを伴った遊び、うしろ」

3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 23:43:53.92 ID:0roECq0k0
ラプラスの魔「ゆうべ少しお話ししたとおり、2番目の薔薇はとかくマスターに愛される」
ラプラスの魔「他のドールと比べて、不完全なところが多く」
ラプラスの魔「どのドールよりも情に深い、どこか人間らしいお嬢さんです」

雪華綺晶「ドールなのに人間」

ラプラスの魔「そこが愛される所以なのかもしれません」

雪華綺晶「また、nのフィールドからなのですか?」

ラプラスの魔「何故?」

雪華綺晶「少し確かめてみようと思っただけです」

ラプラスの魔「そうですか。nのフィールドからですよ」

雪華綺晶「…そうなのですね」




4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 23:45:54.06 ID:0roECq0k0
金糸雀『うとうとむにゃむにゃかしら…』


雪華綺晶「鞄の中から声が…」 ジィ・・・

ラプラスの魔「2番目のお嬢さんは就寝中」

雪華綺晶「眠ってらっしゃいますのね」


金糸雀『むにゃ…たまごやき……』


雪華綺晶「たまごやき」


金糸雀『みっちゃん…うふふ』


雪華綺晶「みっちゃん」

ラプラスの魔「おや、今度は口を塞がないのですか?」

雪華綺晶「こちらのお姉さまは大丈夫な気がして…」

ラプラスの魔「否定はいたしますまい」




5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 23:48:19.51 ID:0roECq0k0
ラプラスの魔「さて、そろそろですかね」


『カナ~、朝ごはん出来たよー!』


雪華綺晶「人間が来ました」

ラプラスの魔「2番目のお嬢さんの現在のマスターです」


みつ『もしかしてまだ寝てる?鞄開けてもいいかな』

ガパッ
金糸雀『むにゃ…』

みつ『カナ……』


雪華綺晶「これが2番目の…」


みつ『寝顔もかわいぃいいいい!!!』 ガバーッ
金糸雀『ぴきゃーっ!?』




6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 23:50:50.92 ID:0roECq0k0

金糸雀『いいいい今ししし心臓が飛び出るところだったかしら!?』

みつ『ああんごめんねカナ、でも可愛いの!可愛かったからしょうがないのーっ!』 スリスリスリスリ


ラプラスの魔「なんと情熱的」
ラプラスの魔「どうです?2番目の姉の愛されぶりは…」

雪華綺晶「…………!?」

ラプラスの魔「…いささか刺激が強すぎましたか」

雪華綺晶「い…今まで見たどのお姉さまがたとも違いますわ」

ラプラスの魔「そっくり同じドールなどいませんよ」

雪華綺晶「そうですけれど、これは…」


金糸雀『あわわみっちゃんほっぺがまさちゅーせっちゅーっ!』


雪華綺晶「け…決定的に違う気がいたしますの…」




7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 23:54:06.79 ID:0roECq0k0
金糸雀『ふー…ほっぺが取れるところだったかしら』

みつ『ごめんねー』


ラプラスの魔「落ち着かれましたか」

雪華綺晶「はい…黄薔薇のお姉さまがたも落ち着かれたので、なんとか」


みつ『朝ごはんもすっかり遅くなっちゃったね。あっため直したからたくさん食べて!』

金糸雀『あっ、たまごやき!』


雪華綺晶「あれがたまごやき」


みつ『そうだよ~。今日はお休みだから腕によりをかけちゃった!』

金糸雀『いっただっきまーす』


雪華綺晶「まーす…」


金糸雀『もぐもぐ…』


雪華綺晶「もぐもぐ…」




8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/16(木) 23:56:54.86 ID:0roECq0k0
金糸雀『うーん、ほっぺが落ちそうかしら…』


雪華綺晶「黄薔薇のお姉さまはとても幸せそうに笑うのですね」

ラプラスの魔「愛情というものを誰よりも理解しておりますからね」
ラプラスの魔「それもひとつの強さ。彼女はきわめて敵を作りにくい」
ラプラスの魔「彼女の敵にならざるを得ない者は、彼女を視界からはずしてしまうのが精一杯」

雪華綺晶「…おそろしい」

ラプラスの魔「その通り、おそろしい子」


金糸雀『みっちゃんは今日はお休みだから、たくさん遊ぶ?』

みつ『あっそぶよー!カナに着せたい服もだいぶ溜まっちゃって…』 ぷるるる ぷるるるっ

みつ『はいはい、今でまーす!……あ、もしもしー!はい…はい……』

金糸雀『みっちゃんが電話のときは静かにしているかしら』 シー


雪華綺晶「……」 シー




9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 00:02:43.45 ID:meRIFqTe0

みつ『カナ、ごめん…仕事になっちゃった』

金糸雀『そうかしら…』 ショボン

みつ『うう、元気の無いカナも可愛い…でもかわいそう…でも可愛い…』


雪華綺晶「しごと?」

ラプラスの魔「人間が生きるために必要なことのひとつです」

雪華綺晶「しごとが無ければ死んでしまうの?」

ラプラスの魔「いいえ、無くとも生きてゆけますよ」

雪華綺晶「?」


金糸雀『…カナは平気かしら!今日もアリスゲームに行くもの』


雪華綺晶「アリスゲーム…」


みつ『相変わらず遊びにも真剣なんだからぁ~』 メロメロ

金糸雀『遊びじゃないかしらっ!アリスゲームは…』




10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 00:05:47.56 ID:meRIFqTe0
みつ『そうだ急がなきゃ!』

みつ『カナのためのお弁当とおやつと~』

金糸雀『…かたじけないかしら』


雪華綺晶「アリスゲームは…?」 ジィ・・・

ラプラスの魔「……」
ラプラスの魔「貴方、本当になにもかもを忘れてしまったのですねぇ」
ラプラスの魔「貴方自身のことさえも、空ろな白に塗り固めて」

雪華綺晶「…?」
雪華綺晶「私が、なにもかもを忘れ…?」


みつ『よしっ!』


雪華綺晶「!!」


みつ『名残惜しいけど行ってくるね、カナ』

金糸雀『行ってらっしゃいかしら~』




11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 00:08:28.96 ID:meRIFqTe0
ラプラスの魔「マスターはアリスゲームのためにある者」

雪華綺晶「マスターが行ってしまいました」

ラプラスの魔「時間を置いてまた来ましょうか、あるいは最後の姉のもとへ?」

雪華綺晶「…」


金糸雀『…』 ポツン


雪華綺晶「…もう少し、こちらで」

ラプラスの魔「結構」


金糸雀『みっちゃんは…』

金糸雀『……っ』 ブンブン

金糸雀『…カナも準備しなくちゃ!』


雪華綺晶「あら…黄薔薇のお姉さまもお出かけですのね」




12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 00:13:04.92 ID:meRIFqTe0

金糸雀『鞄かばん』 ゴソゴソ

金糸雀『おべんとつめて…んしょ』

金糸雀『おやつもつめて…んしょんしょ』


雪華綺晶「ピクニックでしょうか?」

ラプラスの魔「屋根の上へ?それとも木の上へ?いいえ」
ラプラスの魔「彼女は偵察に向かおうとしている」

雪華綺晶「アリスゲームの名の下に?」

ラプラスの魔「その通り、アリスゲームの名の下に」

雪華綺晶「そういう、遊びなのですか?」

ラプラスの魔「ブラヴォ!」
ラプラスの魔「遊び、そう、遊びです!これはゲームなのですから!」

雪華綺晶「ゲーム…」


金糸雀『――よーっし』

金糸雀『楽してズルしていただきかしらー!行くわよ、ピチカート!』




13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 00:15:55.67 ID:meRIFqTe0
雪華綺晶「……行ってしまわれましたね」

ラプラスの魔「恐らくnのフィールドを開けるような場所では無いでしょうね。彼女は空を飛ぶ」

雪華綺晶「…」

ラプラスの魔「今日はこれまで。しばしの後にまたお会いしましょう」

雪華綺晶「あ……」

ラプラスの魔「ごきげんよう」 ピョンピョン


雪華綺晶「行ってしまわれました…」

雪華綺晶「……」

雪華綺晶「黄薔薇のお姉さまとマスターの部屋は、お人形がいっぱい」
雪華綺晶「まるで私の世界」

雪華綺晶「なのに、あたたかそう…」 ジィ・・・




14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 00:17:14.66 ID:meRIFqTe0
雪華綺晶「よし、ですわ」 グッ

雪華綺晶「んー…」 ググ・・・

雪華綺晶「少し休憩…」

雪華綺晶「…」

雪華綺晶「んー…っ」 グググ・・・

雪華綺晶「えいっ」 ドンッ

雪華綺晶「えいっ えいっ!」 ドンッ ドンッ

雪華綺晶「…びくともしない……」

雪華綺晶「やはり、この世界には行けませんのね…目の前にあっても」


雪華綺晶「……ああ、この感情はなぁに?」




15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 00:19:34.27 ID:meRIFqTe0
・・・
ラプラスの魔「~♪」 ピョンピョン

ラプラスの魔「……おや」

雪華綺晶「……」

ラプラスの魔「また迷われました?」

雪華綺晶「……」 フルフル

ラプラスの魔「これは失礼」

雪華綺晶「…おじさま」

ラプラスの魔「はい、なにか」

雪華綺晶「あそんで…?」 コキン




17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 00:23:57.42 ID:meRIFqTe0
ラプラスの魔「遊ぶ。私と、貴方が?」

雪華綺晶「…」 コクン

ラプラスの魔「――ふむ、遊びの中の遊び」

雪華綺晶「……だめですか?」

ラプラスの魔「それもまた楽し。遊びましょう」

雪華綺晶「はい…!」




19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 00:26:53.66 ID:meRIFqTe0
雪華綺晶「なにをして遊びますか?」

ラプラスの魔「そうですねえ」

雪華綺晶「…きせかえ?」

ラプラスの魔「そういった趣味はございません」

雪華綺晶「似合うかもしれませんのに…」

ラプラスの魔「なんと、着せ替えられるのは私の方と?」

雪華綺晶「桃薔薇のお姉さまはそのように」

ラプラスの魔「生憎と、そういった趣味もございません」

雪華綺晶「残念ですわ」




20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 00:29:31.68 ID:meRIFqTe0
ラプラスの魔「クロケーをしましょうか」

雪華綺晶「クロケーをするには場所が足りません」

ラプラスの魔「このスペース…」 スタスタ
雪華綺晶「…」 スタスタ

ラプラスの魔「うん、やはりコーカス・レースあたりが丁度いいかも?」

雪華綺晶「コーカス・レースはやったことがありません…」

ラプラスの魔「走るのです。ぐるぐる、ぐるぐると体力の続く限り」
ラプラスの魔「全員が一等賞、全員がビリっけつ」

雪華綺晶「素敵」

ラプラスの魔「決まりですね」

雪華綺晶「コーカス・レースを開催いたします」

ラプラスの魔「遊びといえど負けませんよ」 タッ

雪華綺晶「のぞむところです」 タッ




21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 00:33:16.81 ID:meRIFqTe0
雪華綺晶「アリスゲームはやりませんか?」 タタタ

ラプラスの魔「アリスゲーム!あれは姉妹でやるものです」 タタタ

雪華綺晶「おじさまは観客」 タタタッ

ラプラスの魔「その通り、ゲームには観客がなくては…おっと!」 ピョン

雪華綺晶「アリスゲームってどんなもの?」 タタタ

ラプラスの魔「じきに分かります、もうじきに…」

雪華綺晶「……」 タタタ




22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 00:34:38.75 ID:meRIFqTe0
ラプラスの魔「コーカス・レースは楽しいですか?」

雪華綺晶「はい、とても」 タタタ

ラプラスの魔「輪を小さくすればもっと速く走れますよ」

雪華綺晶「こうですか?」 タタタッ

ラプラスの魔「もっと」

雪華綺晶「こう?」 タンッタンッタンッ

ラプラスの魔「もっと、もっと、ぐるぐると!」

雪華綺晶「これ以上輪を小さくしたら走れません…!」 クルクルクルクル




雪華綺晶「あうっ」 ベシャ




23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 00:39:58.10 ID:meRIFqTe0
雪華綺晶「私の負けです…」

ラプラスの魔「そして私の負け」

雪華綺晶「では、私の勝ちですか?」

ラプラスの魔「そう、すなわち私の勝ち」

雪華綺晶「結末が見えません」

ラプラスの魔「これぞコーカス・レース」

雪華綺晶「アリスゲームは?」

ラプラスの魔「アリスという結末がある…コーカス・レースは楽しかったですか?」

雪華綺晶「はい、とても」

ラプラスの魔「こんなに訳が分からないものを楽しめるとは」




24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 00:44:05.31 ID:meRIFqTe0
雪華綺晶「けれど、足が痛いですわ…思い切り転んでしまいましたもの」

ラプラスの魔「かりそめの痛み」

雪華綺晶「きっとこのいばらのせいです。ねえ、そうでしょう?おじさま」

ラプラスの魔「いいえ、いいえ、いいえ」

雪華綺晶「いいえ、いいえ、おじさま、私は痛い」

ラプラスの魔「ならば貴方に触れましょうか」

雪華綺晶「なぜ?」

ラプラスの魔「貴方がいばらに傷ついたのであれば、この白手袋に、血の一滴でも付くはずでしょう?」

雪華綺晶「いいえ、私はドールですもの…血は流しません」
雪華綺晶「それでも痛いの」

ラプラスの魔「哀れないばら、いばらは貴方を守ったというのに」




25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 00:47:43.67 ID:meRIFqTe0
ラプラスの魔「しっかりと気を持って。明日はいよいよ1番目の姉に会うのですよ」

雪華綺晶「…もう、最後のお姉さま」

ラプラスの魔「その通り、最後で最初」
ラプラスの魔「終わりははじまり、終わりのはじまり」

雪華綺晶「…」

ラプラスの魔「送りましょうか?」

雪華綺晶「いいえ」

ラプラスの魔「それとも立たせましょうか、un bebe」

雪華綺晶「…いいえ」

ラプラスの魔「結構。それでこそ誇り高き薔薇乙女」




26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 00:49:03.96 ID:meRIFqTe0
ラプラスの魔「明日も貴方の世界に迎えにあがりますので、くれぐれも迷子にはなられませんよう」

雪華綺晶「はい、余所見はしませんわ」

ラプラスの魔「くれぐれも、ですよ。それでは」 ピョンピョン

雪華綺晶「ごきげんよう」


雪華綺晶「…」



雪華綺晶「…ごめんなさい」




27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 00:51:56.48 ID:meRIFqTe0
・・・・・・
雪華綺晶「確かこの辺り…」

雪華綺晶「…!」 タタッ

雪華綺晶「…」 ジィ


金糸雀『ただいまかしら…』 カラカラ


雪華綺晶「黄薔薇のお姉さまも丁度帰られたところですのね」


金糸雀『ふぅ…今日もいい情報は得られなかったかしら』


雪華綺晶「マスターはまだ帰っていませんね…」


金糸雀『鞄かばん』 ゴソゴソ

金糸雀『おべんとうばこは流し場に…んしょんしょ』




28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 00:55:01.32 ID:meRIFqTe0
金糸雀『お片づけも終わったかしら』

金糸雀『……』

金糸雀『…』 ペタン


雪華綺晶「お姉さま…昼間と違って、他のお姉さま方と同じに見えます」

雪華綺晶「何故…?」


金糸雀『…』 コテン


雪華綺晶「あれはドア…?ドアになにか?」


金糸雀『みっちゃん…』


雪華綺晶「…マスター」


金糸雀『まだかなあ……』



雪華綺晶「…………ああ」




29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 00:57:00.96 ID:meRIFqTe0
雪華綺晶「お姉さまがたは皆、寂しげなのですね」
雪華綺晶「朝の黄薔薇のお姉さまは幸せそうだったから」
雪華綺晶「それを感じなかった…」


金糸雀『……』


雪華綺晶「……よし、ですわ」

雪華綺晶「――」 スウ
雪華綺晶「おねえさ…!」

グイッ

雪華綺晶「!?」 モガッ




30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 00:59:47.21 ID:meRIFqTe0
ラプラスの魔「くれぐれも、と申したはずです」

雪華綺晶「……!!」

ラプラスの魔「余所見もせずに寄り道とは。少しばかり流されそうになりましたよ、私も」
ラプラスの魔「姉に声をかけてどうするおつもりで?」

雪華綺晶「…!……!」 ペシペシ

ラプラスの魔「騒ぎませんか?」

雪華綺晶「………!」 コクコク

ラプラスの魔「結構」

雪華綺晶「……は…ぁ」

ラプラスの魔「改めて、道化師が問いましょう。姉に声をかけてどうするおつもりで?」




31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 01:01:20.59 ID:meRIFqTe0
雪華綺晶「……外の世界に出てみたかったのです」

ラプラスの魔「それは叶わぬ夢」

雪華綺晶「こちらからは駄目でも、外からひっぱってもらえれば…」

ラプラスの魔「いいえ。貴方はアストラル、外に出ればたちまち空気に溶け消えてしまうでしょう」

雪華綺晶「……」

ラプラスの魔「世界樹に助けられましたね。フィールドが固められていなかったら、今頃貴方は」

雪華綺晶「溶け消えていた」

ラプラスの魔「その通り」

雪華綺晶「……」 ジィ・・・


金糸雀『靴の音…みっちゃんが帰ってきたかしら!!』




32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 01:03:16.24 ID:meRIFqTe0
・・・・
ラプラスの魔「それでは」 ピョンピョン

雪華綺晶「ごきげんよう…」

雪華綺晶「……」

雪華綺晶「…」 コロン

雪華綺晶「…終わりが、はじまってしまいました」

雪華綺晶「明日、あした1番目のお姉さまにお会いしたら」

雪華綺晶「……おそろしい」

雪華綺晶「お姉さまにお会いするのがおそろしいなんて」

雪華綺晶「1番目のお姉さまも、やはり寂しげなのでしょうか…」

雪華綺晶「……そんなのはいや…」

雪華綺晶「…」

雪華綺晶「」




33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 01:06:29.26 ID:meRIFqTe0
雪華綺晶「」

雪華綺晶「…」

雪華綺晶「……ん」
ラプラスの魔「終わりははじまり」

雪華綺晶「!!」

ラプラスの魔「今日は昨日遅れた分早めてみました」

雪華綺晶「早すぎます」 ムクリ

ラプラスの魔「これは失礼。なにぶん、ゲームが白熱しているもので」

雪華綺晶「…アリスゲーム」

ラプラスの魔「1番目の薔薇もすぐ傍に。さあ、急ぎましょう」

雪華綺晶「…」




34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 01:09:10.99 ID:meRIFqTe0
雪華綺晶「1番目のお姉さまはどのような方ですか?」

ラプラスの魔「1番目の薔薇は少々特別な薔薇」
ラプラスの魔「すべてを内包した、最も強い色を持つ薔薇」
ラプラスの魔「背負うは逆十字 身に纏うは闇」
ラプラスの魔「あらゆる生命の輝きを呑み込み、その全てを力に換え」
ラプラスの魔「そうしてその都度壊れ穢れ」
ラプラスの魔「人知れず朽ちゆく、孤独な薔薇――」

雪華綺晶「その、色は」

ラプラスの魔「黒。1番目の薔薇は黒薔薇なのです」

雪華綺晶「…私とは正反対の色ですのね」

ラプラスの魔「正反対だからこそ、誰よりも貴方に似ている」




35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 01:10:53.41 ID:meRIFqTe0
ラプラスの魔「おっと、ここまで」

雪華綺晶「…こんなところで?覗く場所などどこにもありませんのに……」

ラプラスの魔「1番目のお嬢さんはここに居ます」

雪華綺晶「ここ?」

ラプラスの魔「あちら、よく目を凝らして」

雪華綺晶「…?」 ジィ・・・

雪華綺晶「…」

雪華綺晶「…!!」

水銀燈『……』




36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 01:12:54.44 ID:meRIFqTe0
ラプラスの魔「まさに今、nのフィールドの中に」

雪華綺晶「あれが1番目…黒薔薇のお姉さま……」

ラプラスの魔「もっと。しっかりと目を凝らして、黒薔薇のお嬢さんのように」

雪華綺晶「奥の方に……他のお姉さまがたも居る…?」

ラプラスの魔「決して目を逸らしてはなりませんよ」




37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 01:14:36.26 ID:meRIFqTe0
翠星石『心の樹さん…ほんの少し力を貸して下さい』
ヒュッ


雪華綺晶「…そんな」


ヒュンッ
蒼星石『霧にまぎれて枝葉で攻撃か…やるね』 ジャキッ

翠星石『…っ』 ヒュッ ヒュッ
バシッ!
蒼星石『あっ!』


雪華綺晶「……ああ、そんな、あの2人は…」
ラプラスの魔「常に一緒、非常な仲良しの2人」


ガキィ・・・ン!

蒼星石『かくれんぼは終わりだ…』
翠星石『そ…蒼星石』


雪華綺晶「どうして戦っているのですか…!?」




38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 01:19:32.65 ID:meRIFqTe0
ラプラスの魔「戦いこそが薔薇乙女の宿命だから」


『そうだそのまま切り倒せ!』


雪華綺晶「お姉さま方の近くに寄ってはいけませんの…?」


翠星石『だめぇ…っ!』 バッ


ラプラスの魔「いけませんね、特に今は」
ラプラスの魔「貴方はまだまだ何も知らない。知らずして混じるなど、マナー違反もいいところです」
ラプラスの魔「ここがどのシーンなのか知りたいのであれば単行本の第4巻を…いや、これはバーズ版ですから」
ラプラスの魔「完全版ですと3巻?5巻?…全巻揃えてしまうのが確実といえましょう」

雪華綺晶「他のお姉さま方はどうして止めないの?」

ラプラスの魔「トリビァル!止めるなど…?」


『きゃあ!』
ゴゴゴゴゴゴ


ラプラスの魔「……勝手に止まってしまった」

雪華綺晶「あれはあの人間の記憶…」




39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 01:21:35.04 ID:meRIFqTe0
『…ようやく…分かった 縛られていたのは私だけだったのだ…』


水銀燈『…』 ピクッ

ラプラスの魔「おや、物語が動き出した?」
ラプラスの魔「――違いますね。私の後ろに隠れて」 グイッ

雪華綺晶「っ!」

水銀燈『…』 グルン

ラプラスの魔「どうも~、ご苦労様です~」

水銀燈『…………』
水銀燈『…』 フイッ

ラプラスの魔「…ふう。肝を冷やした」

雪華綺晶「…」

ラプラスの魔「いくらなんでも近すぎましたかねぇ…それにしてもまあすっかり動きを止めてしまって」

ラプラスの魔「観客とてあくびのひとつも出ようというもの」 クァ・・・




40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 01:24:02.59 ID:meRIFqTe0
蒼星石『半身なんかじゃない 本当の自分自身になりたくて』
蒼星石『もがいて あがいて』


雪華綺晶「青薔薇のお姉さま…?」

ラプラスの魔「もう少し隠れていてください」

雪華綺晶「でも、見えな…」


蒼星石『僕は 叶えたい…!』

ガシャアアアア・・ア――


雪華綺晶「――――!!」




41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 01:25:54.05 ID:meRIFqTe0
『ローザミスティカ…!』


雪華綺晶「」

雪華綺晶「…」

雪華綺晶「……」

ラプラスの魔「なんという悲劇。自刃とは」

雪華綺晶「じ…?」
ラプラスの魔「おっと、まだです。まだ1番目のお嬢さんがこちらを気にしている」

雪華綺晶「どなたが……?どうして、どうしてこんなこと…」


『目をそらさないで見るの』
真紅『これがアリスゲームなのだわ』


雪華綺晶「……うそ」

ラプラスの魔「5番目のお嬢さんの言う通り、目を逸らしてはならない」
ラプラスの魔「そして、1番目のお嬢さんの意識もそれた様子。もう顔を出しても大丈夫ですよ」




42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 01:28:06.54 ID:meRIFqTe0
雪華綺晶「…」 ソ・・・

水銀燈『……』 バサッ

雪華綺晶「黒薔薇のお姉さまが…」

水銀燈『ふふ…』

雪華綺晶「笑ってる…………」


ヒュ・・・
雪華綺晶「ぁっ…」

ラプラスの魔「おお…!」


水銀燈『あはははははははは!!』

真紅『水銀燈…!貴女…』

水銀燈『うふふふふ…貰っちゃった 貰っちゃったぁ…』

水銀燈『蒼星石のローザミスティカ貰っちゃったぁ』


雪華綺晶「…っ」

ラプラスの魔「特等席でこの瞬間が見られるとは!」




43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 01:30:25.98 ID:meRIFqTe0

翠星石『返してぇッ 水銀燈…ッ!』

水銀燈『やぁよう…これは私の…ずっとこの時を狙ってたんだもの…』


雪華綺晶「あれが……私に似ているお姉さま?」

ラプラスの魔「ええ。誰よりもよく似ています」


真紅『許さない…ッ』


雪華綺晶「!」 ビクッ

雪華綺晶「紅薔薇のお姉さまがお怒りですわ…」

ラプラスの魔「正義感も誰より強いお嬢さんですから」
ラプラスの魔「1番目のお嬢さんは手段を選ばない。人のものであろうとも、欲しいものは欲しい」
ラプラスの魔「そこが彼女の気に食わない」

雪華綺晶「それはいけないことなのですか…?」

ラプラスの魔「さあ?」




45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 01:34:11.87 ID:meRIFqTe0
水銀燈『うふふふ…』

翠星石『あぁッ!』


雪華綺晶「…!」

ラプラスの魔「輝きのひとつは、今戻された」
ラプラスの魔「正しい場所とは限りませんが」
ラプラスの魔「ふうむ、黒薔薇に標された逆十字はどう作用するか…」

ギュウ

ラプラスの魔「おや?」

雪華綺晶「もう…もう……見たくありません」 カタカタ

ラプラスの魔「…本気ですか?」

雪華綺晶「ここから離れたいのです…一刻も早く…!」 カタカタ




46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 01:37:27.33 ID:meRIFqTe0
水銀燈『しぃんくゥゥ!』

ドウッ

真紅『きゃっ…』


雪華綺晶「――きゃ…!?」

雪華綺晶「…」

雪華綺晶「」


ラプラスの魔「…しばし、ごきげんよう」




48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 01:40:54.49 ID:meRIFqTe0
・・・・
雪華綺晶「」

雪華綺晶「…」

雪華綺晶「……」

雪華綺晶「真っ白な世界…」

雪華綺晶「…」 キョロキョロ

雪華綺晶「誰もいない」

雪華綺晶「私は飛ばされてしまったの?」

雪華綺晶「……」

雪華綺晶「ああ、未だに信じられません」

雪華綺晶「あれがアリスゲームだなんて、そんなのうそ…」
雪華綺晶「あんな恐ろしい方に似ているなんて、うそ…」




49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 01:42:37.56 ID:meRIFqTe0
ヒラ・・・

雪華綺晶「紅い薔薇の花びら…」
雪華綺晶「黒い羽根も……一緒に飛ばされてきたのですね」

パラ・・パラ・・・

雪華綺晶「こちらは植物の蔦…?」 ツン


【もうひとりはいやなの】


雪華綺晶「っ?」

雪華綺晶「……」

雪華綺晶「…おじさまのもとに戻らなくては」

雪華綺晶「まだ、全てを知ったわけではありませんもの…きっと」




50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 01:44:46.03 ID:meRIFqTe0
雪華綺晶「…」 タタタ

雪華綺晶「……」 キョロキョロ

雪華綺晶「真っ白」

雪華綺晶「…」 タタタ

雪華綺晶「ここはどこ…」

雪華綺晶「…出口?」 タッ

ゴポ・・・

雪華綺晶「違うわ、ここは」

雪華綺晶「無意識の海…!」

雪華綺晶「はじまりと終わりの源流」
雪華綺晶「こんなところにいたらますます流されてしまいます」
雪華綺晶「流れが速い」
雪華綺晶「早く離れなくては……!」

ゴ・・・ッ




51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 01:46:26.70 ID:meRIFqTe0
――…

【……】 コリ・・・コリ・・・

【】

【…】

【……ん】

【……】 コリ・・・

【…………だぁれ?】

【…】 カタン

【あなたはだぁれ?】

【おはよう、私の娘】

――…




52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 01:47:45.10 ID:meRIFqTe0
――…

【nのフィールド…せかいじゅ…】

【おいで】

【わあ、きれい】

【お前の力となるものだ】

【ありがとうお父様】

【大切におし】

【はい、お父様】

――…




53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 01:48:57.11 ID:meRIFqTe0
――…

【……】 コリ・・・コリ・・・

【ねえ、お父様】

【……】 コリ・・・

【わたしはお父様にお返しがしたい】

【…】

【欲しいものはありませんか?】

【アリス】

――…




54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 01:50:08.19 ID:meRIFqTe0
――…

【アリスとはなんですか?】

【究極の少女】

【わたしはお父様の娘。わたしはアリスになりえませんか?】

【お前ではまだ足りない】

【まだ足りない…】 コリ・・・コリ・・・

【お父様】

【お父様】

――…


雪華綺晶「おとうさま…」




55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 01:52:03.59 ID:meRIFqTe0

【お父様はどなたにもお会いにならない】


雪華綺晶「紅薔薇のお姉様…?」

雪華綺晶「……」
雪華綺晶「いない…」

雪華綺晶「…ドレスについた、薔薇の花びらのせいですね」

雪華綺晶「まあ、黒い羽根も…」


【見て わたしを見て】


雪華綺晶「…」


【見ないで わたしを見ないで】




56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 01:53:30.04 ID:meRIFqTe0
――…

【お父様】

【どこ】

【ここは暗くてとても寒いの】

【まぶしすぎてひどく暑いの】

【体が重いときしみをあげるの】

【お父様】

――…




57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 01:54:44.25 ID:meRIFqTe0
――…

【人間が死ぬわ】

【わたしのせいで】

【大切な人ほど早く倒れてゆく】

【ひとりにしないで】

【さみしい】

――…




58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 01:56:11.27 ID:meRIFqTe0
雪華綺晶「さみしい……」


【さみしいかしら】

【さみしいの】

【人間はいつかいなくなります】

【どれだけ深い絆をつむごうとも】


雪華綺晶「お姉さまがた…」


【私達は絶望するために生まれてきたの】


雪華綺晶「アリスゲーム」


【宿命を胸に】




59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 01:57:45.44 ID:meRIFqTe0

【幾多の出会いと別れを繰り返し】

【記憶のヴェールを幾重にも重ね】

【薔薇乙女は咲き誇るのだわ】

――…


雪華綺晶「……」
雪華綺晶「出会いも別れも知らぬ私は」
雪華綺晶「薔薇乙女といえるのでしょうか…?」

雪華綺晶「無意識の海は抜けられたようですね…」

雪華綺晶「…ここはどこでしょう」 キョロキョロ

雪華綺晶「……!」

蒼星石【……】

雪華綺晶「青薔薇のお姉さま…!」




61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 01:59:12.17 ID:meRIFqTe0
雪華綺晶「まあ、こんなに傷ついて…」

蒼星石【……う…】

雪華綺晶「…」 ハッ
雪華綺晶「いけない、また夢かもしれませんわ」

蒼星石【……きみ、は】

雪華綺晶「…ぁ」

雪華綺晶「私が見えるの?」

蒼星石【…?見えるよ…】

雪華綺晶「…!」




62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 02:00:40.27 ID:meRIFqTe0
雪華綺晶「嬉しい…おじさま以外の方とお話できるなんて」

蒼星石【……】

雪華綺晶「私はずっと、お姉さまがたを見ていました」
雪華綺晶「お姉さまがたをうらやましいと思いながら」

蒼星石【うらやましい、か…】

雪華綺晶「でも何故かは分かりませんの」
雪華綺晶「ほら、また…胸に湧き上がるこの感情」

雪華綺晶「…何故おそろしいと思うのか」

蒼星石【……】




63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 02:02:15.30 ID:meRIFqTe0
雪華綺晶「大丈夫ですか?」

蒼星石【…平気だよ。少しぼんやりとしているけれど】

雪華綺晶「ふふ…」
雪華綺晶「こうして穏やかに話をするのは素敵なことですね」
雪華綺晶「私はやはり、戦いなどしたくはありません」
雪華綺晶「アリスゲームなど」

蒼星石【アリスゲーム】

雪華綺晶「はい、あの恐ろしいゲーム」

蒼星石【アリスゲームは恐ろしいね】
蒼星石【だからといって、戦うことまで止めてはいけない】




64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 02:03:44.22 ID:meRIFqTe0
蒼星石【出会うことも、別れることも出来ず】
蒼星石【戦うことすら出来ない】
蒼星石【それって、一体、なんだろう?】

雪華綺晶「……なぁに?」

蒼星石【僕には分からない…ただ、それはきっと生きていない】
蒼星石【色々なことを落としてしまったけれど、それでも覚えている】
蒼星石【僕は生きていた。僕は…僕とずっと戦っていた】
蒼星石【心の葛藤。自分との葛藤…それだって、戦いなんだ】
蒼星石【誰の目にも止まらなくとも】

雪華綺晶「お姉さま…」




65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 02:05:27.58 ID:meRIFqTe0
蒼星石【……それは僕?】

雪華綺晶「はい、青薔薇のお姉さま」

蒼星石【きみ……だれ?】

雪華綺晶「――」


パァン!!

雪華綺晶「っ!」

ラプラスの魔「ブラヴォ。白い薔薇と6体の姉による小品、堪能させていただきました」 パン パン パン

雪華綺晶「おじさま…」

ラプラスの魔「9秒前の白まで飛ばされるとは大した軽さですね」

雪華綺晶「……」




66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 02:06:57.69 ID:meRIFqTe0
雪華綺晶「おじさま…いつから見てらっしゃったのですか?」

ラプラスの魔「さて?」

雪華綺晶「青薔薇のお姉さま…皆いなくなってしまわれました」

ラプラスの魔「――さて、はて。6体の姉は全て紹介し終えました」

雪華綺晶「おじさ……!」

ラプラスの魔「続いておしまいのおしまい。最後の1体をご紹介」

雪華綺晶「……最後の1体」

ラプラスの魔「7番目の薔薇 それは白い薔薇」

雪華綺晶「わたし…?」

ラプラスの魔「少々特別な薔薇」




67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 02:08:13.86 ID:meRIFqTe0
ラプラスの魔「すべてをはじいた、最も強い色を持つ薔薇」
ラプラスの魔「背負うはもうひとつの十字 身に纏うは空虚」
ラプラスの魔「あらゆる生命の輝きを吸い上げ、その全てに成り代わり」
ラプラスの魔「そうしてその都度潤み育ち」
ラプラスの魔「人知れず咲き誇る、孤独な薔薇――」

雪華綺晶「それが私だというのですか」

ラプラスの魔「はい。マスターにも会わせましょう」

雪華綺晶「マスター…?私にマスターが?」

ラプラスの魔「当然いますよ」




68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 02:10:06.32 ID:meRIFqTe0
ラプラスの魔「薔薇乙女は、マスター…媒介の力を借りねば満足に動くことも出来ぬ、か弱い存在です」

雪華綺晶「……」

ラプラスの魔「貴方はずっと動いていた。まともな睡眠もとらず、それでもなお問題なく動いている」

雪華綺晶「……」

ラプラスの魔「というか、最初に巻かれたぜんまいがまだ動いている。最初に貴方のぜんまいを巻いたのは誰かご存知?」

雪華綺晶「……」

ラプラスの魔「……お父様です。他の姉妹と等しく、貴方もお父様の手によって生み出され、丁重に扱われた」

雪華綺晶「……」

ラプラスの魔「こんな遠いところに隠していたのですね」


ゴトン

雪華綺晶「……水晶」

ラプラスの魔「その中で眠っているのが貴方のマスター。ちなみに第一号」




69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 02:14:11.64 ID:meRIFqTe0
雪華綺晶「……」

ラプラスの魔「ぜんまいを巻かれ、目覚めた貴方が真っ先に行ったのが、マスターとの契約だった」

雪華綺晶「…」

ラプラスの魔「この契約も貴方の場合は少々特殊で。マスターに夢を見せ、その中で契約を交わすというもの」

雪華綺晶「…やめて」

ラプラスの魔「世界の理も知らぬうちからと、お父様と2人驚いたものです」

雪華綺晶「もう、やめて」

ラプラスの魔「その後急に眠ってしまったのには私が驚いた」

雪華綺晶「おじさま…おじさま……」

ラプラスの魔「目覚めた折、なにもかもを忘れていたのは愉快だった…」
ラプラスの魔「ところでどうしました?」

雪華綺晶「私の目からなにかこぼれてくるの…」 ポロポロ

ラプラスの魔「ああ」




70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 02:16:08.33 ID:meRIFqTe0
ラプラスの魔「それは涙ですね」

雪華綺晶「涙?」 ポロポロ

ラプラスの魔「主に哀しいときに流れるものです」

雪華綺晶「まあ」 ポロポロ

ラプラスの魔「おかしな話、哀しいことなど何も起きていないというのに」

雪華綺晶「…ふふ、その通りですね」 ポロポロ

雪華綺晶「哀しいことなど何も起きていないというのに」 ポロポロ

雪華綺晶「ふふふ、本当にどうしたのでしょう」 ポロポロ

ラプラスの魔「愉快ですね」

雪華綺晶「ええ、ええ…」 ポロ




71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 02:18:34.57 ID:meRIFqTe0




雪華綺晶「とっても愉快ですわ……」 クスクス




72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 02:21:41.53 ID:meRIFqTe0
ラプラスの魔「…貴方の場合、どこまでが本気でどこまでが演技なのか、私にも判断しかねる」

雪華綺晶「そんなに怖い目をなさらないで…?」

ラプラスの魔「遊びはおしまい?」

雪華綺晶「…なんのこと?」 コキン

ラプラスの魔「……まあ、よしとしましょう」
ラプラスの魔「程よい狡猾さも、少女の魅力を引き立てる重要なスパイス」
ラプラスの魔「お父様もきっとそのようにお考えです。薔薇乙女に悪感情を込めたのもそのため……」

雪華綺晶「私の悪感情は狡猾と?」

ラプラスの魔「全ての感情は表にも裏にも捉えうるもの。貴方はよくも悪くも空虚だ」

雪華綺晶「白」

ラプラスの魔「純粋な白、からっぽの白」
ラプラスの魔「全ての光を内包した、最も強い色」
ラプラスの魔「全てに成り代われるゼロの色」




73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 02:23:57.47 ID:meRIFqTe0
ラプラスの魔「全て、つまりアリスにも」

雪華綺晶「白は可能性」

ラプラスの魔「その通り。白こそアリスのうつわとして最も相応しい――これも最早、過去の話ですがね」
ラプラスの魔「こんなにも色の溢れる世界で、穢れるなというのも無理な話」
ラプラスの魔「他の姉妹達と同じく、貴方もまた白にさえなりきれなかった。やむをえないことです」

ラプラスの魔「貴方に付いたのは何色?」

雪華綺晶「……さあ、なんでしょう」

ラプラスの魔「力の使い方は思い出しましたか?」

雪華綺晶「ええ」

ラプラスの魔「ならば水晶を貴方の世界へ。このままではこのマスター、夢も見られずに死んでしまいます」

雪華綺晶「ええ…けれど、ひとりで。今はひとりになりたいのです」
雪華綺晶「余所見も寄り道もいたしませんから…」

ラプラスの魔「結構」




74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 02:25:59.31 ID:meRIFqTe0
・・・
ゴトリ

雪華綺晶「…」
雪華綺晶「真っ白な世界」
雪華綺晶「9秒前の世界よりは白くない」
雪華綺晶「白になりきれぬ世界」

雪華綺晶「私ばかり」
雪華綺晶「からっぽの」
雪華綺晶「私はなぁに?」

雪華綺晶「……おそろしい」

雪華綺晶「これは孤独」

雪華綺晶「あるいは嫉妬」




75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 02:27:33.08 ID:meRIFqTe0
雪華綺晶「孤独はいや 嫉妬はいや」

雪華綺晶「欲しい」

雪華綺晶「人工精霊?」
雪華綺晶「マスター?」
雪華綺晶「お姉さま方?」
雪華綺晶「お父様?」
雪華綺晶「おじさま?」

雪華綺晶「いいえ、いいえ、いいえ…どれも違いますわ」
雪華綺晶「どなたも私を見てはくれませんもの」

雪華綺晶「……ああ…あぁ」




76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 02:29:07.76 ID:meRIFqTe0
雪華綺晶「…わたしは!」

ワタシハ・・・タシハ・・・

雪華綺晶「私はなにものでもないのです」
雪華綺晶「私はなにものかになりたいのです」

雪華綺晶「…からだ」

雪華綺晶「体です」
雪華綺晶「愛も絆もその先に」
雪華綺晶「体が欲しい」

雪華綺晶「世界の烈しい彩りに、重みに」

雪華綺晶「私は哀しみたい」

雪華綺晶「喜びたい……」

雪華綺晶「……」

雪華綺晶「…」

雪華綺晶「」




77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 02:31:56.40 ID:meRIFqTe0
――
ラプラスの魔「こうして全てを忘れていた白薔薇はついにアリスへの道を見つけ、進むことを決めた?」

ラプラスの魔「小さく穿たれた穢れを、より強い色で塗り潰してしまうために?」

ラプラスの魔「全ては真実か?あの涙は破瓜の血に値するものだったのか?」

ラプラスの魔「純粋なままに穢れ、強かな娘へと変じた証?」

ラプラスの魔「はて、さて」

ラプラスの魔「真っ白な世界で真実を探すなど、野暮というもの」

ラプラスの魔「真実は光から逃げたがるもの。狡猾に巧妙に隠されてしかるべきもの」

ラプラスの魔「そう、全ては楽しい遊び――長いながい物語のひとひらに過ぎません」

雪華綺晶「…」 クスクス




78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 02:34:30.07 ID:meRIFqTe0
ラプラスの魔「おしまいのおしまいの、おしまい。楽しい遊びはそろそろお終い」

ラプラスの魔「幕は開き、じきに本来の物語が始まるでしょう」

ラプラスの魔「それでは皆様、その時まで…?」

雪華綺晶「ごきげんよう」




ラプラスの魔「やれやれ、最後の挨拶を取られてしまうとは」

Fin




79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 02:38:18.85 ID:7Xbvi4ws0
乙 
割とよかったよ




80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/17(金) 02:38:30.15 ID:meRIFqTe0
もし、ここまで読んでくれた方がいたらまことにありがとうございますかつすみません
特に支援してくれた方、ありがとうございます ありがたさで泣くとは思いませんでした
なお、訳が分からないのはふいんき()最優先による仕様です
雪華綺晶に「おじさま」って言わせたいのと他の姉妹を覗かせたいってだけで書き始めたSSがどうしてこうなったでござる

ではおやすみなさい そしてごきげんよう







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コメント
この記事へのコメント
  1. 名前: 通常のナナシ #-: 2011/06/28(火) 00:14: :edit
    ぷん太ダイスキ!
    ローゼンありがとおおおおおおおおおお
  2. 名前: 通常のナナシ #-: 2011/06/28(火) 00:20: :edit
    2なら3はマエストロ
  3. 名前: 通常のナナシ #-: 2011/06/28(火) 00:34: :edit
    ローゼンイイねー
  4. 名前: 通常のナナシ #-: 2011/06/28(火) 00:37: :edit
    カナリアのふとももにおにんにんはさみたいよぉ
  5. 名前: 通常のナナシ #-: 2011/06/28(火) 00:42: :edit
    雪華綺晶切ないよ...
  6. 名前: 通常のナナシ #-: 2011/06/28(火) 00:54: :edit
    久々に面白い作品だった
    SSらしいSSだな
  7. 名前: 通常のナナシ #-: 2011/06/28(火) 00:57: :edit
    ラプラスの魔がラブプラスの魔に見えたwwwwwwwwww
  8. 名前: 通常のナナシ #-: 2011/06/28(火) 01:02: :edit
    面白かった。
    やっぱり原作ローゼン良いね。
  9. 名前: 通常のナナシ #-: 2011/06/28(火) 01:17: :edit
    きらきーかわいい!
  10. 名前: 通常のナナシ #-: 2011/06/28(火) 01:19: :edit
    雪華綺晶いいキャラしてるね
  11. 名前: 通常のナナシ #-: 2011/06/28(火) 02:08: :edit
    これは笑い話なのか?

    関連物を一切見てないと全くわからない
  12. 名前: 通常のナナシ #-: 2011/06/28(火) 08:32: :edit
    ローゼンなのか
  13. 名前: 通常のナナシ #-: 2011/06/28(火) 08:43: :edit
    これは良いローゼンSS
    やっぱり原作準拠が面白い
  14. 名前: 通常のナナシ #-: 2011/06/28(火) 10:25: :edit
    雪華綺晶の空っぽさと、それ故のおぞましさが出てるな
    そして相変わらずラプラスはそれ以上におぞましい
  15. 名前: 通常のナナシ #-: 2011/06/28(火) 11:44: :edit
    ラプラス単行本とか言うなwww
  16. 名前: 通常のナナシ #-: 2011/06/28(火) 14:37: :edit
    きらきーの記憶が無いってのが、気になったけど乙
  17. 名前: 名無しさん #-: 2011/06/28(火) 14:47: :edit
    なんと正当派なSS
  18. 名前: 通常のナナシ #-: 2011/06/28(火) 18:53: :edit
    下脱いだのに
  19. 名前: にく #-: 2011/06/28(火) 22:47: :edit
    ぶら棒
  20. 名前: 通常のナナン #-: 2011/06/29(水) 16:13: :edit
    久しぶりに原作準拠を見た気がする
    GJ!
  21. 名前: 通常のナナシ #-: 2011/06/29(水) 19:50: :edit
    原作派としては嬉しい限り。
  22. 名前: 通常のナナシ #-: 2011/07/01(金) 05:44: :edit
    新しい書き手さんかな?雪華綺晶の生い立ちとは…良いね!
  23. 名前: 通常のナナシ #-: 2011/07/02(土) 02:40: :edit
    ローゼンマジ不滅。ここにいるみなさんにも、まじ感謝。
  24. 名前: 通常のナナシ #-: 2013/02/18(月) 19:06: :edit
    雪華綺晶の電波っぷりが再現されてて良かった!
    原作じゃ黒幕だもんな~
    和解と共存の道はあるのだろうか?
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俺の妹がこんなに可愛いわけがない 黒猫 白猫Ver.
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