【SS】美琴がお湯を借りに来たりするスレ【18禁】 その2

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2010/09/01(水)
191 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/05/28(金) 12:55:42.39 ID:YErYAJco

その2です。


191 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/05/28(金) 12:55:42.39 ID:YErYAJco
インデックスが上条家を後にして1週間が経つ。

あの後、つまり、上条当麻が2人の処女の初体験を頂いた後のこと。

「出て行く!?なんでだよ、急に?」
「もう決めたんだよ。わたしは出てくの。こもえの家にいる方が
 ご飯もきっと美味しいものをたらふく食べられるんだよ」
「・・・そりゃ苦学生と教師には天地黒白の差があるだろうけどさ・・・」

当麻には納得がいかない。
異国のシスターが自室のベランダに引っかかって以来
彼女を助けもした。助けられもした。

そしていつの間かインデックスは当麻の日常になっていた。

大食らいで口うるさい、それこそ口から生まれたんじゃないかという少女。
それでもどんな時も彼女がいた。それが当たり前だった。

その彼女が、出て行くと言う。到底納得がいく理由ではない。
彼女が食事の優劣くらいで出て行くほど、即物的ではない事くらい、知っているつもりだった。

しかし、彼女の顔にはただ静かな決意が宿っているのが
鈍感な当麻にも良く分かった。

(そんな顔されちゃ・・・何も言えねーだろ・・・チクショウ・・・)




192 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/05/28(金) 12:57:01.62 ID:YErYAJco
「・・・分かったよ。分かんねーけど分かった。どうせ何言っても行くんだろ?」
「うん。今までの恩は忘れないんだよ。とうま。今まで本当にありがとう」
「止せよ・・・今生の別れじゃあるまいし、縁起でもねーや」

そういって当麻は左手を差し出した。

「右手で触れちゃ、下手するとまた服が吹っ飛ぶからな」
「変なの」

そう言いながらインデックスは笑いながら左手を伸ばした。

「たまに顔出しに行くから、お前も顔見せに来いよな」
「うん。そうする」

柔らかく、温かい、小さな手。握り締めて、別離を告げる。

「それじゃあな。お前と一緒にいたの、楽しかった。ありがとな」
「・・・ううん、こっちこそ、楽しかったんだよ。本当にありがとう」

そしてどちらともなく、少しだけ名残惜しそうに手を離す。

そんな様子を、御坂美琴は複雑な心境で見ていた。




193 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/05/28(金) 12:58:14.67 ID:YErYAJco
『とうまをお願いね、みこと』

インデックスは、彼女に託したのだ。

己の右手があるために、決して自然発生的には彼を訪れない幸福を、
どうか誰か人の手で。美琴の手で。心で。どうか幸せにしてほしいと。

本当なら、それはインデックスが自分の手で、成し遂げたかったのだろうに。

美琴は、彼女に託されたのだ。

それでも、当麻とインデックスの2人を見ていると、一抹の不安が胸をよぎる。

(・・・本当に、インデックスじゃなくて、アタシで良いのかな・・・)

横から強引に彼女の居場所を奪った―――例えインデックスがそうは思っていなくとも
美琴にはその罪の意識が、思考と理性がクリアになった今、芽生えていた。




194 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/05/28(金) 12:59:53.07 ID:YErYAJco
常盤台中学女子寮。
その一室、ベッドの上に座り御坂美琴は浮かない顔で思案に耽っている。

当麻のこと。当麻とのこと。

彼女は言った。幸せにしてあげて、と。

当麻にとって幸せとは何なのだろう?
どんな時に、どんな事で、どんな場所で、どんな風に彼は幸せを感じるのだろう?

体の全てを曝け出したほど好きなのに、何も分からない。何も知らない。

「・・・こんなんでホントにアイツを幸せになんかできんのかな・・・」

ぽふりと倒れこみ、枕に顔をうずめ、身を引いた恋敵のことを思う。

「貴女なら・・・どうしたのかな・・・インデックス・・・」

その時ガチャリと部屋のドアが開いた。

「ただいま帰りました・・・と、あらお姉様。もうお休みですの?」
「黒子お帰りー。別に寝ちゃいないわよ」

当麻との一件があってからというもの、黒子は以前のように攻撃的に積極的になる事はなくなった。
もっとも、美琴はそれをほんの少しだけ心寂しく思っているのだが、そんな事は口が裂けても言えない。

「それで?何かお悩みなのでしょう、あの殿方のことで」
「・・・バレバレ?」
「お姉様のお考えなど、黒子にはいつでもお見通しですわ」

敵わないなーとため息混じりに美琴は訥々と語り始める。
当麻、インデックス、自分。黒子は黙って美琴の言葉に耳を傾けた。




195 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/05/28(金) 13:00:32.34 ID:YErYAJco
「・・・まさかお姉様の処女がすでに貫かれていたとは・・・少々驚きですわ」
「・・・第一声がそれ?」
「いえ、そうですわね、申し訳ありません。大変驚きですわ、と申し上げるべきでした」
「そこじゃないわよ!!」

美琴は真っ赤になって突っ込みを入れた。
思い返すと、まさに顔から火花が出るほど恥ずかしい。
勢いに任せて男に跨り処女を奪わせた、なんて。

「まぁ、お姉様が直情タイプなのは存じておりましたが・・・そうですか・・・処女を・・・」
「繰り返し言わないでよ!わざとでしょ!」
「もちろんですわ」

ニッコリ言い切る黒子を見て、美琴は肩から腰から力が抜けた。

「・・・アンタ、ちょっと性格変わったんじゃない・・・?」
「あら、どなたが原因だとお思いなのでしょう」

返す言葉もない。

「とまぁ、お姉様をからかうのはこの辺にしまして」

コホンと溜めを作って黒子が切り出した。

「殿方の幸せ。それは即ち、3大欲求を満たしてやる事に尽きますわ」
「・・・3大欲求って、つまり食欲、性欲、睡眠欲のこと?」
「そうですわ。至極簡単にして単純で純粋。男なんてそんなものですの」

むう、と美琴は考える。
なるほど、原点過ぎる気がしなくもないが、逆に言えば、そういうところから始めるべきか。
なにしろまだ自分と当麻には、―――何もないのだから。

「んじゃ手作り料理でも振舞ってやりますか」
「ええ、それが宜しいかと」

すべき事が決まったら、あとは早い。それが御坂美琴という人間である。
早速携帯電話を取り出し、メールをしたためるのであった。




196 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/05/28(金) 13:01:09.41 ID:YErYAJco
テレビから笑い声が聞こえる。
そこそこ人気のお笑い芸人が、そこそこ人気のバラエティー番組で、そこそこに話している。
関西弁の司会者が弄るたびに、他のゲストや観客が声をあげて笑っていた。

当麻には、それがひどく遠い場所での出来事に感じられる。

それまでなら、口やかましい少女がテレビに突っ込みを入れていたものだ。

「この人はなにもわかってないんだよ!ねぇ、聞いてる?聞いてるの、とうま!?」

ぞんざいに返事をすると、声量を倍にして怒鳴り散らす。そんな日常が、やけに懐かしく感じられた。

ヴヴヴ・・・ヴヴヴ・・・。

そんな静かな部屋で、携帯電話が震える音は一際大きく響いた。

「・・・携帯・・・メールか?」

おっくうな手つきで当麻は携帯を開いた。メール1件。送信者は御坂美琴。
メールを開くと、そこには嬉しい誘いの言葉が書かれている。

「大歓迎に決まってんだろ・・・」

すぐさま返事を出す。

――今暇?お夕飯まだなら、よかったら今からそっち行ってお夕飯作ってあげようと思ったんだけど――




197 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/05/28(金) 13:01:56.88 ID:YErYAJco
上条家の玄関の呼び鈴が鳴ったのは、当麻がメールを返信して15分後の事だ。

ピンポーン。

「え、あれ?まさかビリビリか?それにしちゃちょっと早くないか?」

そう思いながらも玄関まで歩く足はどこか軽やかだ。

「は、はーい、どちらさまですか?」
「アタシだけど・・・」

ガチャリとドアを開いて。

「は、早かったな。もうちょい時間かかるかと思ったぜ」
「お買い物してから、黒子に送ってもらったから・・・」

なるほど、と当麻は納得すると同時に、便利だなぁと感心せざるを得ない。

「で、お夕飯まだなのよね?」
「ああ。正直かなりハラ減ってる」
「じゃあ急いで準備しなきゃね」

靴を脱いで、美琴はそのまま台所へと滑り込んだ。




198 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/05/28(金) 13:03:29.47 ID:YErYAJco
「あ、あのさ、なんか手伝おうか?」
「ん?大丈夫よ。居間でテレビでも見てなさいよ」

それはさっきまでもやってたんですけどね・・・。
当麻はそう思いながら、素早い手つきで準備を始める美琴の姿に多少身が引けてしまう。

(・・・こ、コイツ・・・家事スキルまでレベル5ですか・・・!?)

当麻も1人暮らしの学生として最低限の家事スキルを持ち合わせている。
しかし、それは決して得意という訳ではなく、好きという訳でもない。
必然的にそのスキルはそれ相応のレベルで止まってしまうのだ。

が、仮にも御坂美琴はお嬢様学校に通う、れっきとした、正真正銘のお嬢様。
一昔前なら、お嬢様と言えば何もできない、執事やメイド、家政婦やコックを
アゴで使うようなイメージが強かったが、今は違う。
家名に恥じない、どこに出しても文句の出ない淑女になるべく
万事において学校でもみっちりと鍛えられているのだ。

当麻との差はまさに歴然であった。

素早く米を研ぎ、魚の下ごしらえを行い、野菜を切る。
その手並みは鮮やかの一言に尽きる。

もっとも、それでも当麻は落ち着かない。
誰かが料理をして、自分は待つだけ。
それまでの『日常』ではありえなかったのだ。

そわそわと。特に意味もなくベッドのシーツを直したり、部屋の隅にどかした雑誌を取り出したり。
美琴から声をかけられるまでの20分。当麻は自室で挙動不審の危ない人間になっていた。




199 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/05/28(金) 13:04:40.57 ID:YErYAJco
「できたわよー」
「おっおう!?」

そう言って美琴が運んできたのは、大皿に綺麗に盛り付けられた魚の野菜あんかけ。

「おぉぉ・・・」

彩りも鮮やかで、鼻腔をくすぐる香ばしい匂いがいっそう食欲をそそる。

(俺の適当な野菜炒めとはレベルが違う・・・!同じ皿なのに違うみてぇだ・・・)

「ねー、ちょっと配膳手伝ってくんない?」
「あ、あぁ!そうだよな!わりぃわりぃ!」

ふっくらと炊き上がったご飯に、味噌汁、それに野菜の胡麻和え。
決して豪勢ではないかもしれないが、それでも当麻の目にはこの上ないご馳走に映った。

「急いでたからこれしか作れなかったけど・・・」
「いや十分過ぎますよ、御坂先生!あぁもういただきます!」

両手を拝むように合わせると、がむしゃらにかっ込んだ。

「う、うめぇ!なんなんですかこの魚!?こんな旨い魚、食べたことありませんよ!」
「大げさね・・・イシモチって言うんだけど・・・知らない?」

全然知らない魚だった。メザシと秋刀魚ぐらいしか食べた事がない当麻には十分驚嘆に値した。

「すげえ!すげえっすよ!感動ですよ!」
「ちょ、ちょっと落ち着きなさいよ・・・ちゃんと噛んで食べなさいってば」

もちろん美琴は悪い気など全くしない。むしろ嬉しい。嬉しすぎて仕方ない。
自分の手料理でこんなに喜んでくれるなんて思いもよらなかったのだから。

「あ、えっとーご飯のおかわりあるかな?」
「はやっ!?あ、あるわよ・・・よそってこようか?」
「良いんですか!?いやぁ、何から何まですんません!」

当麻のテンションの高さには少々どころかかなり驚きだが、
今のところは黒子の言うとおり上手くいっている。気がする。




200 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/05/28(金) 13:06:00.54 ID:YErYAJco
『良いですか、お姉様』

人差し指を立てて黒子は続けた。

『殿方は、華美なフランス料理より、家庭的な料理を喜ぶものですの』
『家庭的・・・』
『まぁ、豪華な料理イコールフランス料理という発想自体古臭いですがこの際置いておきまして』

ポーズを変え、今度は腕を組む。

『兎にも角にも日本の一般家庭で食卓に並ぶような、料理が望ましいですわ』
『・・・一般家庭・・・ねえ』

美琴も黒子も一般の家庭に育っていない。そこで白羽の矢が立ったのは初春だ。

『えー、好きな料理ですか?うーん、そうですねえ。カレーとか好きですよ』

残念ながらちょっと論外だったので佐天に電話をかける。
(いやカレーは確かに当麻も好きそうだったが、美琴が行って作るという
 状況を考えると、やはり即したものではなかった)

『んーなんだろう。やっぱ魚かなあ。日本人に生まれて良かったー!みたいな?』
『魚料理・・・なるほど、日本の家庭っぽいですわね。どんな料理とかないんですの?』
『料理ですか・・・白身魚のあんかけとか、弟たちも大好きでしたよ』

それで方針は固まった。特に弟も好きというのは大きい。
男の子が好きならおそらく当麻もそうであるはずだ。
スーパーで必要な食材を買い求め、上条家に急行した。

『お姉様、ご武運をお祈りしておりますわ!』
『まっかせなさい!』

結果これだ。当麻は幸せそうに、美味しそうに食べている。
黒子には朗報を持って帰れそうだった。




201 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/05/28(金) 13:06:32.98 ID:YErYAJco
「あー食った食った」

当麻は結局ご飯3杯をたいらげた。

「御坂、ありがとな。すげー旨かったよ」
「ま、口にあって良かったわよ」
「いやいや。お前、きっと良い嫁さんになれるな」
「は、はぁ!?バッカじゃないの!?」

瞬間沸騰。そんなつもりで言っている訳じゃない。これはただの賛辞の一端だ。
それでも、それでもだ。美琴には、とてつもなく恥ずかしくて、――そして嬉しかった。

「いやーこんな旨いメシ食ったのいつぶりだろうなぁ・・・」

そう言ってベッドに体を投げ出した。

「食べてすぐ寝ると牛になるわよ?」
「この学園都市でそんな迷信がまかりとおるかー」

弛緩しきっているのだろう。当麻の声も間延びしている。

「それじゃお皿洗っちゃうね」
「え、いや良いって!それくらい俺が後でやっとくからさ!」
「んーでもこういうのって早めにやった方が汚れも落ちやすいし」
「まぁそうだな・・・しかたねぇなっと」

ベッドから身を起こして当麻はシャツを腕まくり、

「んじゃ俺が洗ってくるからお前はその辺に座ってな」
「え、あ、うん・・・」

そう言って少し伸びをすると、当麻はキッチンへと消えていった。




202 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/05/28(金) 13:07:05.41 ID:YErYAJco
「座ってろ・・・って・・・ねぇ」

美琴は所在なく、ベッドに腰を下ろした。
1週間ぶりの、上条家のベッド。

そこで美琴は、処女を喪った、捧げた。

(あれからもう1週間かぁ・・・)

実はあの後、美琴は少々不便な思いをしていたのだ。
異物の進入、あるいは侵入を許した代償。

(・・・アソコに、なんか挟まったままみたいっていうか・・・なんていうか・・・歩きづらい・・・)

黒子や同級生、寮生たちから怪我の心配をされたものだった。
が、とてもではないが、本当のことなど言えやしなかった。

放課後ぶらぶらと歩くのも自粛して、部屋でだらだらして過ごした。
ようやく股の違和感がなくなったのは、あれから4日後の事だった。
しかしその頃には、美琴は当麻の事で思い悩み、部屋に閉じこもるハメになったのだが・・・。

何となしに倒れこんでみる。
枕に顔をうずめたりシーツに頬擦りしたり。
当麻がこのベッドに寝るようになってまだ1週間と経っていないのだが
そんな事は美琴にはあまり関係がない。

(やだ、アタシったら当麻の布団の匂い嗅いじゃってる・・・!)

1人で顔を紅くし、しかしその行為が止まる事はなく無駄に盛り上がってしまう。

「あのー、御坂サン・・・一体何をしておいでなんでせうか・・・」
「っひゃぁぁぁ!!」

沸いたお湯に差し水をしたように美琴は我に返った。

「あー、いやこれはそのー・・・」
「ていうかなんつーかな、その、あれだ」
「え?」

目を逸らし、頬をポリポリと掻きながら当麻はぽそりと言う。

「・・・スカートの中見えちゃってるんですが・・・」

脳内の温度はせっかく下がったというのに再び急上昇する事になった。




203 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/05/28(金) 13:07:32.53 ID:YErYAJco
「ば、バカ!何見てんのよ!」
「待て待て!見えてたんだ!見てた訳じゃねぇ!」
「同じでしょうがぁぁぁああ!」
「うわぁぁぁビリビリすんなぁぁあ!」

当麻が急いで美琴に駆け寄り、電撃の根源である頭にその幻想殺しを載せた。

「あ、な、なに、すんのよ・・・」
「流石にうちの家電製品を端から見殺しにはできねぇよ・・・」

ここで少し冷静さを取り戻した美琴が俯くと、大変なものを発見してしまった。

「悪かったわよ」
「まぁ、分かってくれたら良いんだけどな」
「で」

「なんでココはこんな風になっちゃってんの?」
「!?」

そう、カッコよく、あるいは颯爽と上条家の被害を防いだ当麻だったが
その股間は情けないほどに、はちきれんばかりに盛り上がっていた。

「・・・ねぇ、なんでよ、答えなさいよ」

ニヤリと。小悪魔のような笑みを浮かべて美琴は当麻を見上げた。

「そりゃ・・・スカートの中が見えちゃったりしてたら・・・そりゃ・・・仕方ねぇだろ」
「ふうーん?」

今日も短パンなのに。それでも当麻は色気を感じたのだろうか?
美琴は黒子の事を思い出す。

『無粋ですがお姉様』
『ん?』
『これで食欲は満たせるでしょうが、他の2つはお姉様の手で解決なさってくださいまし』

他の2つ。つまりは睡眠欲と、――性欲。
だから、美琴は下唇をキュッと軽く噛んで覚悟を決める。

「じゃあ、仕方ないから」

「当麻の胃袋だけじゃなくて、こっちも面倒みてあげる」




204 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/05/28(金) 13:08:04.93 ID:YErYAJco
「お、おい、御坂・・・大丈夫なのかよ・・・」
「男なら黙ってでっかく構えてなさいよ」

美琴は慣れない手つきで当麻のベルトを外していく。
カチャカチャと鳴るバックルの音がやけに大きく聞こえる。

やや緊張気味の当麻であったが、それでもこれから始まる事に考えを巡らせると
どうしても息子が反応してしまうのがどうにも面映い。

「ちょっと、腰浮かしてくれる?」
「あ、あぁ」

ベルトを外し、ジッパーを下ろし、ズボンと下着の両方を同時にずり下げた。

トランクスに引っ張られるように頭を下げさせられていた当麻のイチモツが
勢いよく飛び跳ねて美琴の前に姿を現した。

「わ・・・」

これまでに何度か見てきたが、今日ほど至近距離だった事はない。

(こんなのが・・・ホントにアタシに入ってたの・・・?)

初体験は完全に勢いで、我を忘れたような状態だったので
あまり深く考えたりもしなかったが、改めて見るとなかなかグロい。

しかし、ココが当麻の隠された場所であり、限られた人間しか
見る事を許されないという事実は美琴の独占欲を素直に満足させる。

「う、御坂・・・」
「ん、なぁに?」
「ちょ・・・っとその、息がかかる、と言いますか・・・」

照れた当麻の顔から視線を再び下げると、当麻の息子も恥ずかしそうに
あるいはくすぐったがるように、ピクピクしている。

(なんか、ちょっと可愛いかも・・・?)

そうだ。多少見た目はアレかもしれないが、これが今から自分の中に入ってくるのだ。
そして、当麻と自分を気持ちよくしてくれる。丁重に扱わなくては。




205 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/05/28(金) 13:09:07.36 ID:YErYAJco
「あーん」
「ちょ、ま、まままて!御坂!」
「・・・なによ?」

美琴はせっかく自分の気持ちが高まってきてるのに、ブレーキを踏まれムッとした。

「ええええとその、く、くちはちょっと怖いと言いますか・・・」
「・・・あ・・・」

そういえば。以前インデックスが口に咥えた際、負傷した事を思い出した。
彼女のことを思い出して美琴の胸はチクリと痛んだが、
今となっては、インデックスができなかった分まで当麻を気持ちよくしなければ。
そう思って、できるだけ優しい声で、顔で、当麻に告げた。

「大丈夫。歯は立てないから。ね?」
「お、おう・・・」

それでもまだ緊張の色が見える当麻のために、まずは舌をチロっと出す。
右手で横髪が邪魔にならないように抑え、左手を当麻のイチモツに添える。

ぺろ。

軽く先端と先端をキスさせるように。
それだけで当麻は情けない声をあげ、半身も身震いした。

「くっ・・・は・・・」

(ふふっ、かーわいー・・・)

徐々に徐々に。少しずつ少しずつ。舌と男性器の接触を長く、広くしていく。
亀頭を丁寧にねぶり取るように舐める。

「はぁっ・・・」

裏筋に沿って舌を上下にゆっくり這わせる。

「うっ・・・うぁ・・・!」

(もう大丈夫かな?)

頃合十分と見た美琴は口を目いっぱい大きく開いて当麻の愚息にかぶせていった。




206 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/05/28(金) 13:09:48.83 ID:YErYAJco
「うっ!?お、ぅぁ・・・!」

当麻の腰が一瞬引けたのを逃がさないために、左手を腰に回して待ったをかけた。

(う、お、おおきい・・・)

美琴の口に全ては入りきらない。
半分ほど当麻を飲み込み、舌を動かし、当麻の男性器を全方位360度から攻める。

「くぁ・・・ぁっ!」

美琴にとってもフェラチオなど、本での知識しかない。
細かな詳細など知る由もないので、とりあえず口に含んで懸命に舌を動かした。
これで大丈夫なのか少し不安だったが、どうやら悦んでくれているらしい。

美琴は嬉しくなって、顔を上下に動かし始めた。

「ふぐっ・・・!み、みさ、か!」
「はーひ?」
「う、しゃ、しゃべ・・・んな・・・!」

当麻の脳裏にあの痛みがフラッシュバックする。

「はいほーふお。はわはんはいふほはひへはいはは」

大丈夫よ、歯はあんまり動かしてないから。

確かに当麻は痛い記憶を思い起こして言ったのだが、違う側面も持ち合わせている。

(口に入れたまま喋られるとスゲー気持ち良いんですがっ!)

しかしそんな事はとてもではないが言えなかった。
彼も男なのだ。そんな情けない真似は見せたくなかった。




207 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/05/28(金) 13:10:15.80 ID:YErYAJco
美琴の舌がぐるぐるれろれろ。上下に動きながら複雑に肉棒に絡みつく。
唾液でべちょべちょになっている自分の性器はいやらしくてかって見える。

(あれ?なんかちょっと味が・・・?ちょっとしょっぱくなった?)

これはつまり、尿道球腺液、カウパー。
フリでも嘘でも演技でもなく。当麻が真に感じているからこそ分泌されるモノ。
嬉しくなった美琴は顔の上下を幾分か早めた。
さらに口に入らない棹の下半分を左手でしごき始めた。

「っ!や、やば・・・やばいって、みさか・・・!」

(ラストスパート、かな?)

当麻の反応に、美琴は最後の攻勢をかける。

じゅるっじゅじゅじゅっ。じるじるっ。

「うぉ、ぉぉっ!?」

男性器をねぶりながら、先走り汁を強く吸い上げていく。

「ちょ、それやべ・・・!で、でる!く、ぐぅっ・・・!」

美琴はとっさに口をすぼめた。

びぐんびぐん!びくっ、びくっ・・・。

口の中で当麻の性器が激しく暴れたが決して美琴は口と手を離さなかった。




208 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/05/28(金) 13:10:44.70 ID:YErYAJco
「う、う・・・ぅ、す、すまん、御坂・・・口に、出しちまった・・・」
「・・・」

強烈な射精を終え、解放された当麻はティッシュを探して手を伸ばした。

「ほら、とりあえずこっちに出し・・・」

しかし美琴は

「んっ・・・んく・・・ぅ・・・」
「・・・御坂?」

ふう、と一息付くと舌を少し出した美琴はウインクして当麻を見上げた。

「これ、なんか苦くて、ヘンな味だね」
「んな・・・っなに言ってんだよ!」

(や、やべえ、なんだこれ、めちゃめちゃ可愛いぞ!?
 あれ?御坂ってこんな可愛いかったっけ?あれ?あれ??)

当麻には美琴が眩しく見えて、つい顔を逸らしてしまった。

「・・・ねぇ・・・」
「な、なんだよ?」

つい、返答もぶっきらぼうになってしまう。そんなつもりはないのに。

(なんか調子狂っちまう・・・)

「まだまだ全然元気そうだね」
「え、何が・・・って、うあ!」

美琴の視線は下、それを追って当麻も気が付いた。

「ね、する?」

嬉しそうに、そう問いかけてくる美琴があんまりに可愛くて。
当麻が首を振れる訳はなかった。




209 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/05/28(金) 13:11:11.40 ID:YErYAJco
目線を合わせられなかったが、顔を紅くして頷いた。

「・・・おう・・・」
「うん!」

美琴は嬉しそうに、それはもう本当に嬉しそうにベッドに飛び乗った。

「ねぇ、当麻」
「ん、ん?」

美琴は照れくさそうに、寝台に膝立ちの当麻を見上げて

「えっと、その・・・脱がせて?」

反則的に可愛かった。
それでも男として、冷静に、落ち着いて対応しなければならない。
当麻は一呼吸入れてゆっくり答えた。

「アぁ」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「ぷっ・・・くっくっ・・・」

当麻は半泣きで、美琴は半笑い。

「あっはっは!何、声裏返ってんのよ~!」
「う、うるせえ!笑うなちくしょー!」
「だ、だって・・・うくく・・・!な、涙出てきた・・・」
「お前な・・・」

当麻としてはちっとも面白くない。というか情けない。
しかし、目の前でお腹をかかえて笑う女の子が、あんまりに楽しそうだから。

「ちぇ・・・」

おとなしく頭をぽりぽりと掻いて、それ以上何も言わなかった。




210 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/05/28(金) 13:11:57.04 ID:YErYAJco
ひとしきり笑った美琴は満足気な顔で当麻に向かって両手を伸ばす。

「はい。じゃ、お願いね」
「・・・リョーカイしましたよ。御坂オジョーサマ・・・」

その顔はずるいと思う。何も言い返せない。
美琴の笑顔に、それでも悪い気はちっともしない。
サマーセーターの脇の部分を掴んで、ゆっくりと捲り上げた。

お腹はあっさりと何の問題もなくズリ上げたが、何かに引っかかった。

(あ、そうか・・・胸・・・)

ちらりと美琴の顔を盗み見る。ん?と美琴が顔を傾げた。

「・・・御坂でも、胸はあるんだよな・・・」
「は・・・?」
「え?あれ?なんか聞こえましたか、御坂サン・・・いえ、御坂サマ・・・」
「・・・ダダ漏れ・・・」

ビリッと。嫌な音がする。

躾けられた犬のように、なかば反射的に、当麻は右手を思い切り突き出した。




211 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/05/28(金) 13:12:40.25 ID:YErYAJco
奇妙な沈黙と間。何秒経ったのか。

(あ、あれ、電撃が飛んでこねえ?)

ふにふに。

(ん、この感触はなんだ・・・?)

右手の先には、美琴の控えめな胸と、片目を閉じて何か我慢している風な美琴の姿があった。

「あっれー・・・?」
「ど、どこ触ってんよー!」

真っ赤な顔で美琴はベッドの上を壁際まで後退った。

「す、すまん!悪気はなかったんだ!本当だ!」
「ふん、そうよね。どうせアタシは胸ないもんね」

頬を膨らませてソッポを向く。

「い、いや、意外とちゃんとボリュームがあったというか・・・」
「・・・ほ、他に感想は?」
「へ!?え、えーとその、や、柔らかかったデス・・・」
「ふ、ふーん?」

目線だけ当麻に戻して、美琴は控えめに尋ねた。

「も、も、もっと、その・・・触りたい?」

当麻は、ごくりと生唾を飲み込んだ。
そんな魅惑的な誘いに応じないという選択肢などありえなかった。




212 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/05/28(金) 13:13:06.23 ID:YErYAJco
テレビはいつしか新しい番組が始まっている。別のバラエティー番組。
時折笑い声が聞こえてくる。が、2人には聞こえない。

当麻と美琴の耳に入るのは、お互いの呼吸音と声だけだ。

サマーセーターとシャツを脱がされ、スカートとブラジャー、それに靴下と
扇情的な格好で、美琴はベッドの上に座っている。

先ほど自分は当麻の男性器をマジマジと見たが
今度は美琴が自分の肌を至近距離で見られている。
どうにも恥ずかしくて落ち着かないし、緊張してしまう。

それだけに、それゆえに、当麻の一挙手一投足に
――いや正確には今のところ手の動きだけなのだが――
美琴の意識は否が応にも向けられてしまう。

少し緊張気味の当麻が、恐る恐る自分の胸に手を伸ばしてくるとか
当麻の指が自分の胸に触れた瞬間だとか
そんなものをイチイチ心の中でセルフ実況解説していた。

優しく、壊れ物に触れるように、当麻は優しくゆっくりと手に力をこめる。

「あ・・・ん・・・っ」

胸を押した分だけ、美琴の口から息が漏れた。
ブラ越しに触れた胸はそれでも柔らかいと当麻は思った。




213 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/05/28(金) 13:13:35.72 ID:YErYAJco
美琴の付けているブラジャーは、当麻が思い描いていたような女性用下着ではなかった。
当麻にとって女性用下着とはレースがフリフリついていて、やたら可憐で扇情的なものだったはずだが
美琴のそれはいわゆるスポーツブラだった。

さすがに美琴も当麻に脱がされてから自らの失態に気が付いた。
そういえば料理の事にばかり気を取られすぎて下着にまで考えが回らなかった。

いつも通りの色気も情緒もない格好。

普段黒子に口うるさく言われていた時はちっとも気にしなかったのに
今まさに当麻の前ではそれがひどく恥ずかしい。

しかし、当麻にはそれでも良かった。というか関係なかったくらいだった。
むしろここでスケスケの、世に言う勝負下着的なものが出てきたら
あまり否全く女性に免疫のない当麻は返って怯んでしまっていたに違いない。

だから、美琴の、年相応の姿に当麻は心のどこかで安堵したものだった。

しかしその一方で美琴が見せる、健康的な美琴とは真逆の貌に、
そのギャップに余計ドギマギしてしまう。

当麻の手に、徐々に力と気持ちが入り始める。
あくまで控えめに、胸に軽く添える程度だった手が、指が大胆さを纏い始める。

「ふ・・・う・・・ぅ・・・」

片手から両手に、手のひら全体から指ごとの複雑な動きに。
当麻の手から、少しずつ、刺激が増していく。

うっすらと美琴の肌に朱がさし始める。息が深くなる。
当麻も美琴も息が荒くなっていく。

「ね、ねぇ」
「あ、え?」

美琴はキュッと目を瞑ってぽそりと漏らした。

「直接触っても、良いよ?」




214 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/05/28(金) 13:14:03.29 ID:YErYAJco
「お、おう・・・」

必死にブレーキを踏んでいた当麻の理性が、ほんの少し緩む。
思い切ってブラを捲り上げるとそこには可愛らしい2つの乳首が充血して、硬くなっていた。

「御坂・・・ここ、硬くなってんぞ・・・」
「ば、ばか・・・言わないで・・・よ・・・」

可愛いと、当麻は素直に思った。御坂も、乳首も。可愛い。可愛すぎて困る。
そっと指で、激しく自己主張中の乳首に触れた。

「ーーーーっ!!」

びくんと美琴の体が跳ね、腕の支えをなくした上半身がベッドに倒れこむ。

「え、御坂さん、大丈夫ですか・・・?」
「・・・ら、らいじょう・・・ぶぅ・・・」

しかし、美琴は肩で息をしていて、なんだか消耗しきっているようにも見える。

「いやあの、キツかったらそう言えよ?俺なら、その、我慢・・・できっから」
「・・・ばか」

横になったまま、美琴は当麻の股間で硬くなっている性器に人差し指で触れる。

「ここはそうは言ってないわよ?」
「うぁっ・・・そ、それは・・・」

紳士ぶってるのにあたふたしている当麻が、美琴にはとても愛しく見える。
指で裏筋をつつっとなぞりながら、

「うん・・・アタシももう高まってきちゃったから・・・その・・・」

そんな美琴に生唾を飲んで、

「・・・して・・・?」

消え入るように、しかし何よりハッキリと、当麻の耳にその声は届いた。
もう、テレビの音など、完全に世界の外だった。




215 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/05/28(金) 13:15:53.86 ID:YErYAJco
「んじゃ、脱がすから腰上げて・・・」
「う、うん・・・」

先ほどズボンを脱がされた当麻が、今度は美琴を脱がす。
美琴の可愛らしいお尻と、そして濡れそぼった秘肉が露になる。

もう一度、いや何度となく当麻は生唾を飲む。
ぬらぬらと光る美琴の秘部は今か今かと、当麻の男根を待っているかのように怪しく蠢いて見える。

当麻は、黙ったまま自らの、痛いほどいきり立ったイチモツに手を添えてソコへと導く。

美琴も、当麻も。息を飲み込んで凝視する。

じゅぶ、じゅぶっ。

「あ・・・く・・・っ」
「う、おっ・・・」

2人とも久しぶりの感覚、異物を挿入し、あるいは挿入される感触に声が漏れる。
しかし当麻は途中で止めず、そのまま自らの男性器を美琴に埋めていく。

「あ、あぁぁ・・・っ!」

美琴がシーツを強く握り締めてこらえる。

ぐじゅじゅじゅ。

「御坂・・・全部、入ったぞ・・・」
「う、うん・・・入っ・・・てる・・・奥まで、入ってるよ・・・当麻ぁ・・・」

はあはあと。美琴の息が荒い。それに少し苦しそうでもある。

「だい、じょうぶか、みさか」
「あ、あたしは、だいじょうぶ、だから・・・まえより・・・へーきだから・・・」
「わかった・・・きつかったら、いえよ?」

言わないような気がする。が、一応それは伝えておかなければ。
自分は、美琴を陵辱したい訳ではないのだから。




216 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/05/28(金) 13:16:37.08 ID:YErYAJco
「うん・・・うごい、て、いいよ・・・とうまの、すきに・・・」
「・・・あぁ・・・」

ゆっくりと、当麻は抽送を開始する。
ずちゅっずちゅっ。

「ん、あっ、ぁっ、ふぁ、んぅっ・・・」

突く度に美琴があげる声が、当麻の心をさらにピンクに塗り込めていく。
美琴の膣内は、最初の時よりも幾分か柔らかいように感じる。
と言っても、その圧力は強く、動かすたびに射精感を覚えるほどだった。
しかし、愛液や自分の先走り汁もあって中の滑りは前回とは比べ物にならない。

ばちゅっばちゅっ。

腰の肉と骨がぶつかり合うような音。お互いの体液が混ざり合う音。
いやらしい音。淫らなおと。

美琴の中から出てくる度に、当麻の男根は愛液を掻き出してくる。
それがまた、たまらなく蠱惑的だった。

「はぁ、んっ!・・・ぁん!あ、はぁっ!」

美琴の声に、膣内に頭がどうにかなってしまいそう。
ひたすら、当麻は腰の動きを強く激しくしていく。
とめどなく溢れてくる美琴の愛液が苦もなくそれを受け止める。

ピストンの度に腰から背中、頭へ痺れたように電流が走っていく。
美琴に包まれた当麻のイチモツはもはや彼自身のものではないような気さえした。




217 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/05/28(金) 13:17:03.16 ID:YErYAJco
「ふぁっ、ぃぃ、きも、ひ、ぃ、ぃよぉっ、とー、まぁ!」

美琴の声は聞こえているのに、当麻にはそれに答える余裕がない。
ただがむしゃらに腰を打ち付けていく。
ぐ、と。当麻は自分の下腹部に熱いものが溜まっていくのを感じた。
そしてソレは一気に当麻の中を駆け巡っていく。

「ぐっ、や、っべ、いく、いっちまう!」
「あっ、あぁっあたひも・・・あたひも、いちゃう、よぉっ!」

一際強く、腰を打ちつけ、限界を自ら引き寄せる。

「あっあぁぁっ、らめ、んぅぅ~~~っ!」

美琴が一瞬先に達したのを確認した当麻は咄嗟に一気に自分を引き抜く。

「く、うっ・・・はぁっ!」

びゅぐっ、どぐっ、びゅるっ。

マグマのような精液が、大量に美琴のふとももへと射出された。

「あ、あつ・・・い・・・」
「はぁ、・・・はぁ」

ふらふらになりながら、当麻は美琴の上に倒れこんだ。

「・・・抜かなくても、よかったのに・・・」
「い、いや・・・そういう訳にも・・・いかんだろう・・・」
「ちゃんと安全日よ?」
「・・・そういうのは、アテにならんと聞いた・・・」

2人とも、まだ息が荒い。

「わりぃな・・・重い、だろ?」
「ううん。大丈夫。重くないよ」

当麻は、そんな事はないだろうと思ったが、強烈な射精後の虚脱感で動く気が持てない。
一方の美琴は、自分に体重を預ける当麻の体重に心地よさを感じていた。

お互い、相手の体温を、肌の温もりを感じながら、しばし時間を過ごすのだった。




218 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/05/28(金) 13:18:06.97 ID:YErYAJco
「じゃあ、そろそろ・・・」
「おう・・・」

あまり遅くなっては消灯前の点呼になってしまう。
既に門限など過ぎているのだが、やはり点呼には自分がいないとまずい。
黒子にも迷惑がかかってしまうのも避けたかった。

制服を身につけ、スカートのしわをのばし、身なりを整えると美琴は玄関へ赴いた。
その後ろを当麻が2歩送れてついていく。

「んと、また、メールするね」
「あぁ」
「たまに、電話もして良いかな?」
「あぁ」
「・・・当麻・・・?」

なんだか当麻の声が心なしか固い。気になって、靴を履き終えてから振り向いた。

「あの、さ」
「うん?」

当麻は視線を逸らしたまま尋ねた。

「次、いつ来れる、かな、と」

美琴は、天にも昇りそうな気持ちになるのを隠せず答えた。

「じゃあ、明日!」
「・・・あぁ!待ってるからな!」
「うん!」

「じゃ、おやすみ」
「うん、おやすみなさい」

上条家はまた当麻1人。

それでも、心の中に温かいものが残っている。
美味しい食事に、心地よい疲労。

美琴はすっかり忘れていたが、最後の欲求も無事満たせそうだ。

「御坂、ありがとな」

もう帰ってしまった少女の事を思って、
当麻は1週間ぶりに穏やかな気持ちで眠りにつくのだった。




256 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/10(木) 06:59:55.89 ID:fFXaU/go
雲ひとつない、とは言えないまでも、それは抜けるような澄んだ青空で
昂揚している美琴の気分を一層底上げするには十分だった。

当麻との関係は至って良好。
あれからは毎日のように上条家に赴いては夕飯を準備する日々が続いている。

「まるで通い妻ですわね」
「は、はぁっ!?なっなななななに言ってんの!?」

中学からの帰り道。黒子の横で美琴は真っ赤になって噛み付いた。
が、もちろん悪い気はしていないようだ。

「あれからというもの、毎日殿方家に赴いては身の回りの世話。これが妻でなくてなんだと?」

そう言う黒子はどこかふてくされているようだった。
以前の美琴なら気がつかなかったかもしれないが、そうか、と思い至る。

「黒子、もしかして・・・妬いてる?」
「・・・当たり前ですわ・・・」

ジト目の黒子だった。

「今日は夕方まで付き合ったげるから、そんな顔しないの!」

そう、今日は土曜日。午後はすっぽり空いているのだ。
もちろん初春や佐天とも会う。
いつもの4人で過ごす時間がやけに久しぶりに感じられた。




257 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/10(木) 07:00:45.87 ID:fFXaU/go
青春を謳歌しているのは美琴だけではない。
上条当麻もまた、美琴とは別な場所、別な形で学生を満喫していた。

「いやーまさにこれこそ学生って感じだよなぁ」
「はーい、上条ちゃん。補習中の私語は慎んでくださいね」

追試、補習、追試。
いつもの3バカは揃って土曜の昼下がりに居残りさせられている。

彼らも遊びたい盛りの男子高校生。
不本意極まりないのだが、しかしそれなら日頃からしっかりやっとけという話でもある。

「空はこんなに眩しいのに・・・あぁ、不幸だ・・・」

当麻は本来なら美琴とどこか遊びに行こうか、などと思ったりしていたのだ。

インデックスが小萌先生の家に行ってからというもの、
食事の準備もそうだし、掃除や洗濯までしてくれたりもする。

前時代的な、家事は女のもの、という考えを持っている訳ではない当麻は
ありがたいと思いながらも、やや申し訳ないとも考えていた。

(『彼女でもないのに』何から何までやってもらうってのは悪いよな・・・)

そう。そもそもそこなのだ。御坂美琴は、上条当麻の彼女ではない。
だからこそ疑問に思ってしまう。なぜ、と。

なぜ御坂は自分なんかに初めてを貫かせたのだろう。
インデックスもだ。そういえばあの時は大変だった。

『なんで2人揃ってワタクシめとエッチされたんでせうか?』

あれは紛う方無き本心だった。
答えの代わりに言葉と電気と暴力が返ってきた。

当麻には分からない。2人の少女の想い、気持ちが。




258 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/10(木) 07:01:11.67 ID:fFXaU/go
そもそも美琴に関しては自分を嫌っているとさえ思っていた。敵視と言ってもいい。
街中で会えば勝負勝負としつこくうるさい。
いざ戦うとレベル5の全力でもってぶつかってくる。
事実、この右手がなければとっくに黒コゲになっていただろう。

そこに好意が発生するなど、意識の外だった。ある訳がない、のだ。少なくとも当麻には。

しかし、どうやら最近、嫌われている訳ではなかったのかとは思い始めるようになった。
奇妙な縁だとは思ったが、嫌悪の対象にああまで家事を手伝ってくれるというのは
さすがに考えにくい、というのは当然の帰結であるといえた。

それでも、恋愛感情がある、という考えまでは及ばない。

(俺と御坂って・・・なんなんだろうな・・・)

そんな漠然とした疑問の片隅で、控えめに声をあげる感情に、当麻はまだ気づかないのだった。




259 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/10(木) 07:01:37.52 ID:fFXaU/go
「白井さーん、御坂さーん」
「あ、初春さんに佐天さん」

やや離れたところから2人が手を振って駆け寄った。

「お待たせしちゃいました?」
「ううん、大丈夫よ。それよりなんか久しぶりね」

そうですねぇと笑顔で相槌を打つ初春の横で、佐天が意味ありげに笑う。

「御坂さんってば、上条さんでしたっけ?あの人にゾッコンなんですね~」
「え、えぇぇぇぇ!?」

カラカラ笑う佐天に、初春は、え?え?とまるで状況を飲み込めていない。

「く、黒子ぉ!アンタ何か言った訳!?」
「お、お放しください、お姉様・・・!あ、でもこういうプレイも、アリ・・・かも・・・」

さすがの美琴もドン引きして掴み上げたシャツを放した。

「あ、あらもう終わりなんですの?」
「いやもうそれは良いから・・・で、どうなのよ」
「わたくしは何も喋ってなどおりませんわ」
「そうですよー御坂さん」

真っ赤な顔で美琴はの涙目のまま振り向いた。
今日の天気のように晴れ渡った笑顔の佐天がそこにいた。




260 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/10(木) 07:02:04.09 ID:fFXaU/go
「いやぁ、御坂さん可愛いなぁ。そうじゃなくて、大体察しはつきますよ。
 だからちょっとカマかけてみたんです」
「え・・・」
「だからまぁまだ半信半疑だったんですが確信が持てました。ありがとうございます」

美琴は何かがガラガラと音を立てて崩れていくのを確かに聞いた。

一方の佐天はそれをまるで気にする事もなく、

「それじゃーセブンスミスト行っきましょう!」
「なんか良い服ないかな~」

初春と一緒に、ハイテンションで歩を進めていく。

「お姉様・・・今のは自業自得ですわ・・・」

黒子のボヤキは青空に吸い込まれていった。




261 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/10(木) 07:02:34.48 ID:fFXaU/go
お馴染みのショッピングセンターに着いた一行は
いつものようにお気に入りの店をハシゴしていく。

基本的には見るだけのウィンドウショッピング。
美琴や黒子はともかく、初春と佐天は、そうそうと
外見にお金をかけられるほど財布に余裕がある訳ではないのだ。

「おっ、これ可愛い!初春に似合いそう!」
「えー、そうですかぁ?確かに可愛いですけどー」
「あら、そのデザインでしたらこっちの色の方が良いんではなくて?」

セブンスミストのどこでも見かける光景。
周りを見れば、年頃の女の子のグループがあちらこちらで
黄色い声を上げて盛り上がっている。

そんな中で、美琴は苦悩していた。
今は黒子たちと一緒にいるのだから、彼女らの事を最優先にすべきだ。
それは分かっている。分かっているのだが、
斜め奥にアレを見た瞬間から別の考えが頭を離れなくなってしまった。

下着。

数日前の大失態。
好きな男に抱かれるって時にさすがにスポブラはなかった。
いくら色気と無縁遠縁な世界の住人である美琴であっても、あれはないと思った。




262 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/10(木) 07:03:25.66 ID:fFXaU/go
普段からそういう下着ばかり身に着けているのかと言われれば
決してそのような事はないのだが、世の一般女性と比べると
下着に対する頓着は相当に低い事を今では自覚している。
と言ってもそれはこの3人とつるむ様になってからなのだが。

正直言って下着なんて布当てくらいに思っていたものだ。
しかし、そういった意識も美琴の中で少しずつ変わりつつあった。

「お姉様」
「んにゃうっ!?」

何枚か選んだ服を初春の体に当てて吟味していた佐天たちも
何事かと美琴たちを見たが黒子が後ろから胸を揉んでるだけだった。

つまり、特に変わったことなど何もなかった。
佐天プロデュースの簡易式初春ファッションショーが続行された。

「ちょ、ちょっと何すんのよ!」
「物憂げなお姉様の胸というのも存外良い物でしたわ」
「嘘をつくんじゃないわよ!嘘を!」

室内用に調整された電撃で黒子に一撃を食らわせてようやく解放される。




263 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/10(木) 07:03:55.41 ID:fFXaU/go
「まぁ、冗談はさておきまして」
「冗談ではなかったでしょ・・・」
「お姉様、またあの殿方の事を考えていたんですの?」
「うぐ・・・」

美琴の心に後ろめたさが顔を覗かせた。

「わ、悪かったわよ・・・みんなと一緒にいるのに・・・」
「お分かりでしたら結構ですが・・・それでも気になってしまうんですのね」

図星だった。引け目、罪悪感が顔を覗かせる。
それでも、気持ちが止まったり引き返す事はありえない。
恋は盲目と言われる所以だ。

「うん・・・」
「下着売り場が・・・」
「うん・・・って、えぇぇぇ!?なんでよ!」
「あら。お姉様の事ならなんでもお見通しですわよ」

黒子恐るべし。どうやら本当に看破されているようだ。

(黒子みたいに、アタシも当麻のことが分かるようになれたらな・・・)

そう思わずにいられない美琴であった。




264 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/10(木) 07:04:22.01 ID:fFXaU/go
一通り試して満足した佐天と初春を加え、臨時の会議が開かれた。
場所はセブンスミスト女性用下着ショップの前だ。

「はぁ…男の人が好きそうな下着ですかぁ?」
「う、うん」
「ん~やっぱ黒のレースとか、Tバックとか…あ、スケスケとかも良いかもしれないですね!」
「てぃーばっく…すけすけ…」

美琴は自分が身に着けている姿を想像して即座に打ち消した。

「む、無理!ムリムリよ、そんなの!」
「まぁどれも白井さんのストックにある訳ですけど」
「ありますわねぇ」
「黒子はちょっとノーマルじゃなさすぎんのよ」

んまっひどいですわお姉様!という抗議は何もなかったかのようにスルーされた。

「でもアタシもレズビアンだから、ある意味アブノーマルですよ?」
「えっ」
「えっ」

さすがの黒子まであっけに取られてしまう。

「佐天さん。レズビアンってなんですか?」
「んっと~、ま、簡単に言うと女の子を愛しちゃってる女の子のことかなー」
「あ、なーんだ。私たちの事ですね」
「そうそう。初春大正解~」
「・・・」
「・・・」

もしかして、あの日をきっかけに目覚めてしまったのだろうか。
嫌な汗を背中に感じつつ美琴は、そして黒子すら何も追求できなかった。




265 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/10(木) 07:04:50.04 ID:fFXaU/go
「それにしても御坂さんが下着を気にするなんてすごい進歩じゃないですか」
「えっいや、そういう訳じゃ…」
「いやバレバレですから!そうですか、上条さんですか」
「なっなななっ!」

先ほどから年下の佐天に良いようにされてしまっている。
が、仕方ない。これは数少ない美琴のモロバレな弱点なのだ。

「良い人そうでしたし、アタシ応援しますから!」
「私もですよ、御坂さん!」
「佐天さん、初春さん・・・」
「あ、でも白井さんは・・・」
「あ・・・」

一瞬気まずい空気が流れた。
そうだ。白井黒子は御坂美琴を盲信崇拝と言っても過言でないほど愛的な何かを向けていた。
その彼女の前で美琴の別な方向への恋路を応援するのが後ろめたくなるのは当然だった。

「ん?ああワタクシの事でしたら良いんですのよ。」

しかし、黒子はそんな場の雰囲気を軽く一掃してみせた。




266 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/10(木) 07:06:49.45 ID:fFXaU/go
「現時点では負けを認めざるを得ませんが、勝負はまだ分かりませんの」

天才肌で知られる黒子だが、その本分は努力家だ。
毎日美琴がいない時やジャッジメントの事務所にいて時間のある時など
手首や指を鍛えたり、体力トレーニングに精を出したりしている。

もちろん知識の探求にも余念はない。
昼休みなどに時間を作り、図書館に足を運んでは
耽美小説から江戸時代の文献に至るまで借り入れている。

「お姉様の幸せが、ワタクシにとって最も重要なんですの」

黒子が含みのない笑顔で言ったので、佐天も初春もホッとした。

「まぁ、流石に白井さんみたいな下着をいきなりつけるのはちょっとハードル高いですよね」
「う、うん・・・あれは無理・・・」
「とりあえず、人並みに可愛いヤツを買うとこから始めましょうよ」

そう言って佐天は店に足を踏み入れると、店内を物色し始めた。

「人並み・・・ねぇ・・・」

まぁ可愛いだけのキャラ物下着からそろそろ卒業すべきなのかもしれない。
ため息交じりに美琴も佐天にならって店内へと進んでいくのだった。




267 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/10(木) 07:07:30.74 ID:fFXaU/go
冬が近づくとさすがに陽が落ちるのも早い。
まだ5時前だというのに空は夕焼けで燃えるような橙色に染まっている。

心象に強く焼き付くような夕焼けというのは未だに数えるほどしかない当麻だが
夕焼けという事象にはよくよくノスタルジックな気分にさせられる。

それが視界を埋め尽くすオレンジ色が脳になんらかの影響を与えているのか
人間と言う種が本能的に信仰している太陽が沈んでいく事に漠然と不安を感じさせるのか。

細かい事は当麻には分からなかったが、夕日が当麻をいつもより
少しだけセンチメンタルな気分にさせてしまうのは、事実なのだ。

そんな当麻の住むマンションの一室の前、
世界を塗りつぶすオレンジ色の中に女の子が1人立っていた。

「み、御坂・・・?」
「あ、おかえり、当麻」

いつもの制服に、ビニール袋。夕食用の食材だろうか。

「どうしたんだよ?今日は5時過ぎまで白井たちと遊ぶって・・・あれ?もうそんな時間か?」
「ううん」

「なんか顔見たくなってさ、ちょっと早めに来ちゃった」

照れ臭そうに、少し俯きがちに、頬を掻きながらそう言う美琴。
不意に、当麻の胸にこみ上げてくるものがあったのを、当麻は自覚していた。

鼓動がやけに高まる。心臓が鷲掴みにされたみたいに痛む。

「と、とりあえず家ん中入ろうぜ」
「うん、お邪魔しまーす」

それを振り払うように当麻は部屋の鍵を開けた。




268 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/10(木) 07:08:12.25 ID:fFXaU/go
「・・・・・・」
「・・・・・・」

(わ、話題が・・・ない・・・)

とりあえずテレビを点けてはあるが、この時間帯だとニュースしかやっていない。
話題のネタとしてはイマイチだ。国際情勢や経済に話の華を咲かせるというのは
男子高校生と女子中学生の会話としてはちょっと、いやかなりおかしい。

「まだお夕飯にはちょっと早い・・・わよね」
「あ、あぁ…そ、そうだな」

考えてみると、『何もない時間』というのは当麻と美琴のこれまでではあまりなかった。
美琴は上条家に来ると大抵何かしらの家事を行っていたからだ。

今この『2人一緒に』『何もしていない』という状況は、
2人が互いの事を、まだあまり理解できていないと再認識させるに十分なものだった。

「ん~何か・・・しよっか?」
「な、何かってなんだよ?」
「うーん」
「・・・」

パッと思いつかない。何だか気まずい。それを破るように美琴が口を開いた。

「え、えっちな事・・・とか?」

吹き出した。

「ばっ・・・何バカな事、言ってんだよ!」
「あ、そう、だよね。あはは・・・何言ってんだろ・・・ごめんごめん」
「・・・」




269 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/10(木) 07:09:17.87 ID:fFXaU/go
当麻には、美琴が分からない。

「あはは・・・」
「・・・」
「えっと、さ・・・その・・・」
「な、なんだよ」

美琴の気持ちが、考えが、分からない。

「も、もうアタシには、飽きちゃったかな?」
「は、はぁ!?おい御坂、さっきから何言ってんだ?」
「ほら、最近毎日のように・・・その、してるから・・・アタシじゃ満足できなくなっちゃったかなーって・・・」
「んな訳・・・ねーよ・・・」

どういう事なんだろうと当麻は頭を悩ませた。

だが男には女心は永遠に理解しがたいものらしい。

ならこれ以上考えてもどうにもならないのか。
それでも今、この瞬間にも消えてしまいそうな美琴の存在を、当麻は惜しいと思った。
自然と当麻の腕が美琴に伸びた。

「・・・と、当麻?」

そしてゆっくり美琴を抱き締めた。

「わ、わっ、わわ!?」
「・・・あんま・・・バカな事言うんじゃねーよ」

美琴の腕が当麻の腰にやんわり添えられる。

「・・・うん・・・ありがとう、当麻」

何秒か何十秒か。
どちらからともなく腕に込められた力が抜けると、ちゅ、と。美琴は当麻の唇を啄んだ。

「・・・えへへ・・・」

美琴が頬を朱に染めてはにかむように笑っている。
セックス中の紅潮とは違う顔。

そんな年相応のあどけない笑顔にたまらなくなった当麻は
美琴を優しくベッドに押し倒すのだった。




270 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/10(木) 07:09:56.16 ID:fFXaU/go
はぁはぁと2人の吐息が聞こえる。

正常位と騎乗位の計2回に及ぶ性交の後、ベッドで折り重なるようになっていた。

「・・・いつもなんだけどさ」
「ん・・・?」
「その、終わった後って何もする気が起きなくなっちゃうね・・・」

情事の後の気だるさ、倦怠感が2人を優しく包んでいる。

「・・・俺はこういうのも悪くねーと思ってるけど・・・」
「ふふ・・・そだね・・・」

生まれたままの姿で、美琴は当麻に擦り寄った。

「な、なんだよ?」
「えへへ、当麻あったかいなぁって」

邪気のない顔でそんな事を言われると当麻は何も言えなくなってしまう。
やばい。可愛い。可愛すぎる。思わず顔を背けてしまった。

「・・・当麻?」

何かまずい事を言ったかと美琴は一瞬不安になったが

「・・・も、もっとくっついても良いぞ・・・」

当麻の言葉に喜色満面の笑みで当麻に抱きつくのだった。




271 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/10(木) 07:10:50.09 ID:fFXaU/go
セックス前にもあった沈黙が今もある。
だがそれは今の2人には気まずさなどなく、むしろ心地よくすらある。

(不思議なもんだな・・・)

そうやってどのくらい時間が流れただろうか。
美琴が当麻の胸の上に置いていた頭をあげて、当麻を見た。

「ねぇ、当麻・・・」
「・・・ん?」

ころんとベッドの上を当麻に肌を寄せるように移動した美琴は1つのお願いをした。

「一緒にさ、お風呂入らない?」




272 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/10(木) 07:11:16.83 ID:fFXaU/go
お互い裸を晒した仲とは言え、羞恥心がなくなった訳ではない。
ベッドから風呂場まで2人して全裸で闊歩というのは、当麻は当麻でどうかと思ったし
美琴は恥ずかしくてムリだったので、結局当麻が先に浴場へ向かった。

当麻が風呂場に着いたのを確認して、美琴は自分の体にシーツを巻いて
ベッドから滑り降り、着替えを手に浴場へ向かった。

ちなみに『こういう』関係になってからシーツは買い増しした。

初めての時に血がついてしまったものは処分してしまったし
毎日のようにシーツを洗濯する事になってしまったので
元々上条家にあった必要最低限の数では到底足りなくなってしまったのだ。

洗面所まで来た美琴はスルリとシーツを床に落とすと、
胸と下腹部に申し訳程度に手をあて、恐る恐る浴場へ入る。

「なんかさ、懐かしい」
「ん?」

当麻のたくましい背中を初めて見たあの日。
あの時はこんな事になるなんて想像もしていなかった。

「いやー、当麻の背中流したなって」
「あ、あぁ・・・そうだな。懐かしいな」

あの時はお互いタオルを巻いて、風呂場に2人っきり、なんていう
今考えてもとんでもないシチュエーションだったが、今はあの時ほどテンパってはいない。




273 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/10(木) 07:11:43.78 ID:fFXaU/go
「ね、また背中流してあげよっか?」
「んー・・・じゃお願いすっかな」
「まいどー」

楽しそうに言うものだからつい当麻は吹き出してしまった。

「んじゃ頭からね」

シャワーの温度を手で確かめ、当麻の頭にお湯を当てる。

「熱くない?」
「あぁ。大丈夫。丁度良いよ」
「はーい」

満遍なくお湯で流し、手ぐしで髪を軽く撫でるように梳いていく。
次いでシャンプーを手に取り、手のひら全体を使い、
頭皮をマッサージするようにゆっくり丁寧に髪を洗う。

「カユイトコロ、ナイデスカー」
「なんでカタコトだよ!いや、気持ちいいです、はい」

美琴は髪を洗うのが上手いと思う。
他人と比べて、ではないが自分でやるより遥かに気持ち良く感じる。

(なんかスゲー落ち着くっつーか、リラックスできるっつーか・・・)




274 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/10(木) 07:12:13.75 ID:fFXaU/go
「ねぇねぇ、当麻」
「んー?」
「ほら、ウルトラマーン!」

弛みきっていたところに不意打ちだ。
思わず当麻は鏡に映った自分を見て吹き出してしまった。

「な、何してんだよ!」
「あはは!やってみたくなっちゃってね~」
「ったく・・・」

今どき小学生だってやらないだろうに。
さっきまで自分の下で上で艶声をあげていたオンナノコと
同一人物にはとてもじゃないが見えないあどけなさだ。

「よし、流すわよー」
「お、おう」

強めのシャワーでしっかり濯いでいく。
丹念に髪の根元から先端まで丁寧にシャンプーを落とす。

「はい、頭終わりっ」
「おう、サンキュー」
「んじゃ背中ね」

続いて美琴はボディーソープをタオルに出して泡立てた。
うなじ、肩、背中を、円を描くように優しく擦っていく。

当麻としては普段はもっと力を入れてガシガシ洗っているので
少し歯がゆいようなくすぐったいような気もするのだが
美琴が一生懸命やってくれている事はよく分かっていたので、何か言う気にはなれなかった。




275 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/10(木) 07:12:39.82 ID:fFXaU/go
両腕を泡で包んだところで、美琴は控えめに尋ねる。

「ね、ねぇ、前は・・・どうする?」
「まっ!前、は、じ、自分でやります!」
「あはは、慌てすぎだし」
「・・・なんか良いようにからかわれてる気がするんですが・・・」

気にしない気にしないと快活に笑いながら美琴は美琴用のシャンプーを手に取る。

蛇足だが、当麻と美琴はそれぞれ専用のシャンプーその他諸々を用意してある。
美琴が通うようになってから、上条家は1人暮らしの部屋でありながら
2人暮らしと変わらない日用雑貨が揃えられているのだ。

先に体を洗い終えた当麻は湯船へ移動し、シャワーの前を美琴に譲る。
その際もできるだけ美琴の方を向かないように意識せざるを得ない。

やがて美琴も体まで洗い、流し終わって、湯船へ脚を伸ばす。
細くすらりと伸びた脚に当麻は一瞬目が釘付けになるが慌てて顔を背けた。

「はぁーサッパリスッキリしたぁ」
「そうかい」
「んー・・・やっぱり横に2人並ぶとちょっと狭いわよね、このお風呂」
「そりゃー、まぁ、な・・・」

1人暮らしの学生用ワンルームのお風呂に
手足を存分に広げられるようなスペースを確保してある訳はない。

「ね、当麻。アンタこっち向きなさいよ」
「え?そっち向くって・・・」
「あー違う違う。顔じゃなくて、体ごと」

そう言って美琴は体育座り状態の当麻の脚を、強引に掴んで自分の側に引き寄せる。

「なっ、なっ、ちょま」
「そいで、脚を広げて・・・これでよしっと」

すっぽりと。当麻が左右に広げた足の間に美琴が収まった。




276 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/10(木) 07:13:06.70 ID:fFXaU/go
「うん、この方が快適っ」
「い、いや、御坂さん・・・これはちょっと・・・」
「なに?アンタも脚畳んでるよりは良いでしょ?」

そりゃ多少こちらの方が脚には余裕があるかもしれないが
これはこれで別の部分の余裕がなくなりそうだ。

濡れ髪の貼りついたうなじとか。
お風呂の熱で赤みがかった肌とか。
ふんわりと漂う甘い香りとか。

気づいた時には手遅れだった。

「・・・当麻・・・」
「・・・なんでせうか・・・」
「・・・お尻に、当たってるんだけど・・・」

言い逃れは、できなかった。




277 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/10(木) 07:13:35.82 ID:fFXaU/go
「うーん結局また1回しちゃったわね」
「申し訳ございません・・・」

さすがに当麻もバツが悪そうにしている。

「ううん、アタシもその・・・なんと言いますか、気持ち良かった・・・し・・・」

その後はごにょごにょして続かない。

せっかく体を洗った後だったのにまた汗をかいてしまった2人は
さすがに再度髪から何から洗い直すのを面倒くさがりシャワーで軽く汗を流すに留めた。

「いや、ホントすまん・・・」

まるで猿だと当麻は思った。
それとも一般の男子高校生としてはこれくらい日常チャメシゴトなのだろうか。
とは言えこんな事、土御門にも青ピにも相談できる訳もなく。

『女子中学生と毎日ハメすぎな自分が心配・・・やて・・・?』
『なぁ、カミやん・・・そろそろ一回死んどくか・・・?』

間違いなく不幸な目に合わされるだろう。触らぬ神になんとやらだ。

(まして・・・相手は彼女じゃない・・・なんてな・・・)

まるで、夢のような、悪夢だ。
3回もやって、下半身はこれ以上ないほど気持ちよくなったのに
上半身にはどうもしこりのような、スッキリしないようなものが残る。

それは、まだ当麻には分からないものだったのだが。

「さ、それじゃお夕飯食べよっか。今日は肉じゃがよ!」

美琴の笑顔を見ていると、そんな事も隅に置いやってしまうのだった。




287 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/10(木) 21:54:29.63 ID:BkDsdEAO
>『女子中学生と毎日ハメすぎな自分が心配・・・やて・・・?』
>『なぁ、カミやん・・・そろそろ一回死んどくか・・・?』
 
いやつっちーと青ピじゃなくてもこうなるだろwwwwwwwwwwwwwwww




308 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/23(水) 10:49:25.98 ID:tea8o6Io
ごめん、シリアスに行き詰って自分の遅筆っぷりに嫌気が差し始めたので
気分転換に番外的なインセックスさん書いてしまった。
ちょっと投下させてちょ。




309 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/23(水) 10:50:01.12 ID:tea8o6Io
―――、―――。

だれ?わたしをよぶのは?

――ックス――イン――。

懐かしい声。安心する声。大好きな声。
もっと呼んで。わたしの名前。それだけで嬉しくなっちゃうんだから。

――とうま――。

「・・・とうま?」
「インデックス、起きたか?」

まだ暗い。わずかに差し込む月の光が部屋を優しく照らしている。
わたしはベッドの上にいた。寝てたのだから当たり前なんだけど。

「とうま、どうかしたの?」
「わりぃ、インデックス」
「うん?」
「俺、もうガマンできねぇよ」

そう言ってとうまがわたしの上に被さってきた。




310 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/23(水) 10:51:25.41 ID:tea8o6Io
「と、ととととうま!?」

組み敷かれて、両腕を拘束されて、何するのか分からないほど
お子さまじゃないけど、それでもやっぱり聞いてしまう。

「な、なにするの・・・?」
「・・・こういうこと・・・」

とうまはわたしの顔の横、髪の中に顔をうずめて、
そして優しく首筋に口づけた。

「あっ」

とうまの熱い吐息が耳にかかってくすぐったい。
とうまの熱が胸にお腹に脚にのしかかって心地いい。

「インデックス」

わたしの名前を呼びながら小さく何度も首にうなじに耳に、キスを繰り返した。

「ふぁ・・・や・・・とう、まぁ・・・」
「インデックス、好きだ」

そう言われた瞬間、身体に残ってたわずかな力も良心も抜け落ちてしまう。

「やさしく、するから」
「うん、うん。・・・いっぱいやさしくしてね、とうま」




311 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/23(水) 10:51:53.48 ID:tea8o6Io
とうまが少し身体を離してシャツのボタンに手をかける。

「脱がし・・・ちゃうの・・・?」
「インデックスを全部見たいんだ」
「はぅ・・・」

そんな目で見られたら、拒める訳ないんだよ、とうま・・・。
わたしは自分でも下の方からボタンを外し始める。

全部ボタンを外してシャツを脱いだわたしはショーツ1枚。

「インデックス、めちゃめちゃ綺麗だよ」
「あ、や・・・はず、かしい、よぉぅ・・・」

自分の顔がどこまでも紅くなっていくのが分かる。
今、ひどい顔をしてるんじゃないかって思うと、恥ずかしさがどんどんこみ上げてくる。

「かわいい。インデックス」
「は・・・ぁ、ぁ・・・」

まだ何も触られていないのに、胸の鼓動と呼吸だけが浅く速くなる。

ちゅ、とほっぺに軽く触れた、とうまの唇。
耳のあたりをさわさわしながら熱っぽく見つめられて、わたしは身動きがとれない。

「インデックス、好きだぞ」
「わ、わた、わたしも・・・すき・・・」

今度は唇と唇を重ねる。一拍の呼吸を置いて、
そこからはお互いに貪るように貪られたくて、キスに没頭していく。
舌をからませ、歯ぐきを、頬の裏を、歯の裏を、舐めまわして。




312 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/23(水) 10:52:22.03 ID:tea8o6Io
呼気に含まれるわずかな酸素だけで生きていけると錯覚するくらい長い、深いキス。

それを止めたのはとうまの手。

「んっ、ひゃぅん!」

とうまの大きな手がわたしの小さな胸に軽く添えられた。
それだけでわたしは電気が走ったみたいな衝撃に声を出してしまった。

なのにとうまは口を解放してくれない。
むしろわたしは一度引いてしまったから、完全に受けに回ってる。

「ふっ、にゃ・・・あ、と、ま・・・らめ・・・んぷ、ぅう、ぁ、はぁ・・・」

わずかに漏れる吐息に声を混ぜて主張しても、とうまは聞く耳もたず。

もうどちらかのなんて分からない、むしろ考えるだけヤボな唾液を嚥下して
それでも自分からも舌をからめる。負けっぱなしではいられないんだよ。

わたしは脚を少し折って、膝をとうまの股間に触れさせた。

「――っ!」

とうまが一瞬ひるんだ。チャンス。
ぐりぐりと膝を動かして、とうまの可愛い半身に刺激を与えた。

もっとも、そんな事をしなくても、そこは既にパンパンに膨れ上がってたんだけど。

さらにわたしは右手をとうまから逃れさせて、素早くそこへ向かわせる。

「い、インデックス・・・」
「へへ・・・とうまのここ、もうこんなに大きくなってるんだよ・・・」




313 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/23(水) 10:52:48.80 ID:tea8o6Io
そこはとても熱くて、わたし相手にこうなってくれたんだと思うとすごく嬉しい。

「インデックスだって、乳首すげー勃ってるぞ」
「ひゃっ!?」

それまで手のひら全体で胸を撫でていたとうまに初めて摘まれて
はしたない声をあげてしまった。慌てて空いてる手で口を覆った。

「隠すなよ。可愛いぜ、インデックス」
「や・・・ぁ・・・はずかし、よ・・・とうま・・・」
「バカ」
「え?」

とうまは耳を甘噛みして囁いた。

「余計可愛くなっちまったじゃねぇか」
「~~~!」

今日のとうまはすごく優しくて、すごくたくさん誉めてくれる。
だからだ。きっと。とうまの、せいなんだ。

「インデックス・・・ここ、すげぇ濡れてる・・・」

わたしが、そんな風になっちゃってるのは。

とうまの手がわたしのショーツを優しく脱がせる。

「じゃ、挿入るぞ・・・」

もうお互いこれ以上準備が必要ないほど出来上がっちゃってる。
それが恥ずかしくもあり、嬉しくもあった。




314 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/23(水) 10:53:16.85 ID:tea8o6Io
とうまのそこは猛々しく屹立していて、ぬらぬらしてる。
そんなのが、これからわたしに入ってくる。

じゅぷ。

「ーーーーーーっ!」
「っは・・・せま・・・」

ゆっくりと、とうまがわたしを傷つけないように気を使ってくれているのが
はっきりと分かるくらいの速度で腰を進めてくる。

「は、はっ・・・はっ・・・!」

一方のわたしはそれでもゼンゼン余裕がない。
とうまが1ミリ入ってくるごとに自分の中が押し広げられてく感覚と
強くわたしを打ち据える圧倒的な快感に視界がチカチカする。

「はい、った・・・ぞ・・・」
「う、うん・・・うん・・・!」

息をしてるのに酸素が足りない。おさかなみたいにぱくぱく。
肩も胸も頑張ってくれるけど、ぜんぜん追いつかない。

「うごいて・・・だいじょうぶか?」
「はっ、はっ・・・うん、らいじょぶ・・・だ、から・・・いっぱ・・・はっ、うご、て・・・」

荒い呼吸で途切れ途切れになる。正確には意識も途切れ途切れなくらいだけど。

「むり、すんなよ・・・」

そう言ってとうまはゆっくり抽送を開始した。




315 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/23(水) 10:54:09.83 ID:tea8o6Io
ずちゅっ、ぱちゅっ。

大量の液体が、とうまのピストンに合わせて、わたしの膣内から掻き出される。
そしてその度に愛液が、それを上回るくらいに、とめどなく溢れてくる。

「インデックス・・・気持ち、イイか?」
「きも、ち、い・・・とうまの・・・おっき、おっきぃよぉ」

奥に当たるたびに、出っ張った部分が引っかかるたびに
意識が空の上まで飛んでいくような気分。

「と、とうま」
「ん?」
「わ、わたし、きもちいい?」

そう聞いた瞬間、とうまがお腹の中で反り上がった。

「ひゃ・・・ぁっ!?」
「すげー、きもちいいって、言ってる」
「ふぁ、ぁっ!ぁっ!あぁぁっ!!」
「最高に、気持ちいいってんだよ!インデックス!」

とうまの抽送がさらに速度を上げていく。
わたしは小さく何度もイっちゃってたけど、とうまももうすぐなんだと直感した。




316 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/23(水) 10:54:54.46 ID:tea8o6Io
「インデックス、そろそろ・・・イ、イく・・・ぞ・・・っ!」
「うん!うん!」

もうわたしはことばがしゃべれない。いしきがまともにうごいてない。

「だ、だっ・・・から・・・あ、脚・・・外せ、ばか・・・!」

いつからかじぶんではいしきしてなかったけど、わたしのあしは、とうまのこしにからみついていた。

「やら・・・やらぁ・・・らめなんらよぉ・・・!」
「な、中に出ちまうだろ・・・!」
「いいからぁ」

わたしはうわごとみたいにおねがいした。

「ちょうらぃ、とうまの、あかちゃんのもと・・・ちょうらぃぃ」
「くっ、も、げんっ、かい・・・!」

つよく とうまが わたしを だきしめて。

どぐどぐっ、どびゅるるるるっ!

「ーーーーーーーーッ!!」

どぷごぷっ。びゅくっ、びゅくっ。

「ぐっ・・・ぁ・・・」

まっしろな、セカイ。
まるでじぶんが、ひかりのナカにいるみたい。

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
「とう、ま・・・」
「いっぱい・・・出しちまった・・・ぞ・・・?」

ごぽり。と音を立てて当麻が引き抜かれて、そこからどろりと白いものが零れ落ちた。

「あ・・・もっ、たいない・・・」
「バカ・・・」

そういうとうまの顔はひどく優しくて、わたしは幸せな気持ちで――。




317 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/23(水) 10:55:22.03 ID:tea8o6Io
―――、―――。

だれ?わたしをよぶのは?

――ックス――イン――。

「・・・こもえ?」
「インデックスちゃん、起きましたかー?」

部屋はもう明るくて、朝が来た事を知る。

「なんだかうなされてましたけど、大丈夫でした?」
「え、あ、ほんと?」
「ええ。なんかちょっと色っぽかったですけど」
「な、ななななにいってるんだよ!こもえ!」

あははと笑って仕事に向かおうとするこもえを追っかけようとして
わたしは自分のショーツがぬるぬるに濡れてる事に気がついた。

(や、やだ・・・わたし、夢見てこんなにしちゃったの・・・?)

こもえを追っかけるより早く、わたしは替えのショーツをこっそり持ってトイレに駆け込んだ。




「・・・ふふふ、インデックスちゃんの愛液、ごちそうさまでした」

おわり?




319 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/23(水) 17:41:46.55 ID:qPexGWwo
小萌先生はレベル5の淫夢使い(サキュバス)




320 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/06/23(水) 22:23:30.11 ID:wG5nOEY0
小萌×禁書か

なるほど




333 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 20:58:30.61 ID:MJE5H1ko
ぐちゅっ、ずちゅっ。

静かな空間に肉と肉、液と液がぶつかり合う音が反響しては吸い込まれていく。

はぁっ、はぁっ。

くぐもった吐息が漏れて周囲の温度を高めていく。

「み、みさかっ・・・!」
「とうま、とうまぁ・・・」

相手の体温と共に興奮が互いに伝わり、感覚を共有しているような錯覚。
それが、交わりをより官能的なものに変えていく。

「きもひいぃよ、ぉ、ぅんっ!そ、そこ、だめ・・・!」

溺れていく。まるで底なし沼に嵌り込んでしまったかのように。

「んっ、ぁっ!ふあぁっ!だめ、だめ!イっちゃ、ぅぅううッ!!」
「お、俺も・・・!ぐ・・・っ!」

抽送の音が一際激しくなって、愛液もカウパーも辺りに無遠慮に撒き散らして。

「んーーーーーーーーーっ!!」

美琴の体が強張り、美しく背中を反らせて絶頂に達したのを見届けて
当麻は美琴の一番奥に肉棒を突き刺す。
強烈な膣圧に射精感が堪え切れず瓦解した。

どくっどくっ、ごぷっ。

「あっ、ぅ・・・あぁ・・・とうまの・・・熱いの・・・いっぱい出たあ・・・」

白濁とした体液を放出しきった当麻の半身がズルリと抜け落ちる。
美琴の中からドロリと精液が零れ落ちた。

2人とも息が荒い。が、ここではそのまま寝転がることもできなかった。

美琴は抜けそうな足腰にかろうじて力を込めながら、この状況について思い返していた。




334 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 20:59:19.57 ID:MJE5H1ko
「映画?」
「あぁ。たまにはほら、2人で外に出かけるのも良いんじゃないかって思ってさ」

2人で映画。それってそれって。いわゆるデートというやつなんではなかろうか?

「ま、まぁ、もし良かったら、だけどな」

目を逸らし頬をポリポリかきながら苦笑する当麻を
美琴は正面から見据えて元気いっぱいに快哉を叫んだ。

「行く!行くに決まってる!」

そんな話をしたのが昨日の夜、別れ際の玄関での事だ。
土曜の午後なら何も問題はないし、黒子たちは、まぁ、事情を汲んでくれるだろう。

今の関係が始まって、初めてのデートのお誘い。断る手はなかった。
もっとも、勢いで了解してしまった後、冷静になって考えるとかなり恥ずかしくなってしまった。

「デートですの?」
「う、うん」
「それはまぁ、良かったではありませんか」

いつも通り寮の門限を過ぎてしまった美琴は黒子に迎えを頼み、
自室に戻るとまず礼を述べた。

しかし真っ赤になってベッドに座り、俯く姿を不審に思った黒子が
追求しない訳はなかったのだ。

「そうだけど・・・」
「何か嫌なんですの?嫌なら今から断っても良いんですのよ?
 何ならワタクシが代わりに断りの電話を・・・」
「いやいやいや!そういうのはないわよ!ただちょーっと・・・」
「ちょっと?」

ぷいと顔を逸らして美琴は呟いた。

「で、でーとって・・・初めてだから緊張しちゃって・・・」




335 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 21:00:15.08 ID:MJE5H1ko
困り顔の美琴に黒子は辛抱たまらない。
次の瞬間には美琴の目の前にテレポートして抱きついた。

「きゃっ、く、黒子!?」
「お姉様!可愛らしいですわ!ん~~~っ!!」
「や、やめっ!こらっ!どこ触って・・・んっ・・・!」

美琴が力任せに振り解こうとした時には既に自分のベッドの上に戻っていた。

「お、お姉様の喘ぎ声・・・頂いてしまいましたわーー!」
「なっ・・・ば、バカ黒子!何言ってんのよ!」
「ふふ、こればかりはあの類人猿に感謝すべきかもしれませんわ」
「は?」

ふふふと黒子は黒い笑みを浮かべ、涎も拭かずに自分の世界に陶酔してしまう。

「お姉様、昔より感じやすくなってますのね」

一瞬何を言われたか分からない風の美琴だったが次の刹那には、
さながら瞬間沸騰器のように顔を真っ赤にして叫んだ。

「こっこのアホ黒子ーーーーーーーーー!」
「ホホホ、トマトみたいな赤いお姉様も可愛いですわー!」

「御坂ぁ!白井ぃ!また貴様らかぁぁぁぁあああ!」

「りょっ、寮監!!すっすみま・・・ギャーーーー」

寮の外まで、美琴と黒子の断末魔の叫びが響き渡ったのだった。




337 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 21:00:49.56 ID:MJE5H1ko
そんな賑やかな常盤台学生寮とは正反対に、上条家では1人苦悩する少年がいた。

誘った。誘えた。誘ってしまった。
人生初と言える、女の子との1対1での外出。
つまり世間で言うところのデートってヤツだ。

断られることはないだろうと思っていた。
というか断られたら今の関係が足元が崩れ落ちてしまうようで、考えたくもなかった。

もちろん、相手の気持ちに対して自信がある訳ではないのだが。

「・・・御坂にとって、俺ってなんなんだろうな・・・」

ちょっと前までは街中で顔を合わす度に喧嘩(というか戦闘)になってた
面倒くさい女子中学生。ビリビリ。
でも今では何故か家まで来てご飯を作ってくれる。家事をやってくれる。そして――。

(・・・っとイカンイカン!俺は何を考えてるんだ!)

ふとベッドを見る。数十分前まで、そこで淫らに互いを貪り合った現場がそこにある。

(いつか、ちゃんと話をしないと、ダメ・・・だよな・・・)

学園都市に現存する全ての異能を悉く打ち消し、砕き、下してきた彼も
自身の中に蠢くこの問題だけは打破できないのだった。




338 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 21:01:15.39 ID:MJE5H1ko
翌日、学校が終わると2人はクラスメイトとの会話もそこそこに打ち切って
待ち合わせ場所の公園にを足早に目指した。

周知の事実であるが、美琴の通う常盤台中学は外出時でも制服着用を生徒に義務づけている。
デートだろうと何だろうと、着飾る事が許されないのは良くも悪くも生徒の枷である。

学園都市に名だたるお嬢様学校と言えど、女子は女子。それもお年頃だ。
ファッション雑誌を見てきゃいきゃいと流行について話したりもするし
そういった格好に憧れない事はない。

美琴はどちらかと言うと、面倒だから制服でも何の問題もないと思っていた側だったが
ことデート、しかも初となると途端に自分の格好が気になってしまうのだから不思議だ。

せめて髪の毛の乱れとか、スカートの裾とかシワとか。何度も何度も確認した。
生まれて初めて手鏡の必要性が分かったような気がした。
そんな事を言ったら黒子に怒られてしまいそうだが・・・。

「当麻!」
「お、おう」
「待った?」
「んにゃ、さっき来たところだから」

まるでありきたりな漫画やドラマのようだと美琴は思って少し笑ってしまった。

「な、なんだよ?なんか変ですか?」
「ううん、何でもない。それより、さっ、行こ!」
「あ、ああ」

こんな『普通』なことが、アタシにもできるなんて思ってなかったな。

それが美琴には嬉しくて仕方なかった。




339 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 21:01:45.01 ID:MJE5H1ko
第七学区にあるシネコン。その中のカフェで2人は先に昼食をとる事にした。

「へー、お洒落なところね」
「そうだな。上条さんはこういうとこ初めてだから、なんだか落ち着かないですよ」
「ふうん?」
「・・・御坂は結構慣れてそうだよな・・・こういうトコ」

貧乏苦学生の自分と違って、なんせ相手はお嬢様だ。
別に身分の差云々だとかそんな事を気にするようなタマではないが
それは厳然たる事実であり、それに伴って生活圏や
普段の金銭感覚にも違いが生じるのは当然である。

「うーん。黒子たちとはファミレスとかしか行かないわよ?」
「へー、そうなのか?」
「ご注文はお決まりですか?」
「あ、はい。アタシはカニとバジルのリングイネを1つ」
「かしこまりましたー」

りんぐいねってなんだよ・・・?
あまり、いや全く聞きなれない言葉に打ちひしがれそうになったが耐えた。

「じゃあえーと、俺は・・・」

メニューをさっきから見ていたが実は書いてある事がサッパリ分からない。
とりあえずパスタのページなので恐らくスパゲティーっぽいものが出てくるのだろう。
とアタリをつけてはいるのだが。

なんとなくカッコつけてお洒落っぽいメニューを選ぼうかとも思ったのだが
それで変なものが出てきたら困るのは当麻自身だ。

こういうところではやけに小心者になる当麻は結局無難な選択に及んだ。

「・・・ミートソースのスパゲティー1つで・・・」
「はい、かしこまりました。ご注文は以上で宜しいですか?」

シンプルで清潔感のある制服に身を包んだ店員が注文を繰り返して確認し、去っていった。




340 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 21:02:14.47 ID:MJE5H1ko
「ミートソース好きだったっけ?」
「・・・そういう訳でもないけど、何が出てくるか予想もつかなかったんだよ・・・」
「なーんだ、それなら聞いてくれれば教えてあげるのにー」
「いやでもほら、店員サンも来ちゃってましたから・・・」
「そんなの、まだ決まってませーんって言えば良いのよ」

やはり美琴の方が数倍場慣れしている。
それがちょっと悔しかったので、とりあえず話題を変える事にした。

「まぁそれは置いといて、今日どの映画見ようかね」
「んーっと、今上映してるのはー」

そう言って美琴は先ほど映画館の前でもらってきた、
今月の上映予定リストが載った小さなパンフをテーブルに広げる。

とりあえず今の時間帯にやっているのは5つ。
ラブロマンス、アクション、伝奇などジャンルは様々だ。

「あ、この映画、クラスの子達が話してた」
「へー。面白いのか?」
「全米が泣いたらしいよ」
「それはあんまり信の置けないキャッチコピーだな・・・」

やっぱデートだったらラブロマンスとか見た方が良いのか?などと当麻は考えたりするのだが
実はさっきから美琴が別の映画のタイトルとその説明をチラチラ見ているのに気づいている。

『ゲコ太の大冒険 黒蛇襲来』

アニメだった。それも美琴の大好きなアニメだ。
通学カバンにもゲコ太のストラップが付いている事くらいは当麻も知っていた。

「なぁ、御坂」
「ん?」
「あのさ・・・そんなに気になるならゲコt」
「いやぁぁぁこっちの映画気になるなぁぁぁあ!見てみたいぃぃぃいいい!」

美琴は何を取り乱したのか慌てて別の映画を指差した。
先ほど美琴が、同級生の話題に挙がっていたとするラブロマンスものだった。

「お待たせしました~。こちらミートソースのスパゲティーのお客様」

タイミング良く運ばれてきた昼食に、映画の話題は一旦そこで打ち止めとなった。




341 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 21:02:58.30 ID:MJE5H1ko
「当麻、美味しい?」
「あぁ。やっぱウチで食べるレトルトのパスタとは訳が違うよな」

美琴はぷっと吹き出した。

「ちょっとちょうだい」
「あっ!」

サッとフォークを突き出すと器用に麺を絡め、くるりと回して当麻の皿から引き抜いた。

「・・・なんつー早業だ」
「へっへー、うん、おいしいね~」
「だろ?・・・でもさ」
「ん?」
「・・・やっぱ御坂の作ってくれるメシの方が美味いよな」
「なっ!?」

美琴が真っ赤になったのを見て、当麻も赤くなってしまった。
慣れない事言うもんじゃないとつくづく思ったものだが、言ってしまったからには仕方ない。
いたたまれなくなった当麻は目の前の食事を片付ける事にした。

その様子を見ていて美琴の方はすっかり微笑ましい気持ちになっていた。

当麻が『そういう方面』に鈍感だったり不器用だったりするのは分かっている。
そんな男が自分の料理を真正面から誉めてくれた事に深い喜びを感じたのだ。

(当麻は、アタシと一緒にいて、少しは幸せに感じてくれているのかなぁ?)

インデックスと交わした約束。それを少しは果たせているのだろうか。

「当麻当麻、そんな急いで食べるから口の周りにソースついてるよ」
「うぇっ?」

もー。そんな風に笑いながらナプキンで当麻の口を拭いてやる。
それでまた余計に照れて赤くなるのを見て、美琴は大きな幸せを感じるのだった。




342 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 21:03:38.84 ID:MJE5H1ko
真っ暗な広い空間。目の前には大きなワイドスクリーン。
お堅い女性弁護士が初めて恋に落ちた相手は中学生の男の子で
葛藤やら苦悩やら障害やらを乗り越えていくみたいな話らしい。

始まる前までは自分で選んでおきながら正直どうかなと美琴は思っていた。
そもそもラブロマンスとか自分のガラじゃないし、
当麻だってこの手の話はあまり好きそうなタイプだとは思えない。

さすがにデートでゲコ太を見ようとは思わないがせめてアクションものだったら
お互いそれなりに楽しく見れたんじゃないだろうか。

そう思うと当麻が誘ってくれたせっかくの機会を
みすみすドブに捨てたような気になってしまった。

隣を向いて当麻が寝てたらどうしよう?
間違いなく初デートは失敗だ。

恐る恐る横を盗み見てみた。

「・・・・・・」

ぎょっとした。見てる。物凄く見てる。食い入るように見てる。
間違いなく感情移入して見てる。なんかハラハラしながら見てる。

どういう理由かわからないけどとりあえず退屈はしてないようだ。
控えめな胸を撫で下ろし、美琴は前に向き直った。

一方その当麻は美琴が受けた印象通り、映画に見入っていた。

日頃はこういった方面の映画やストーリーにはあまり興味がなかった彼なのだが
世間的社会的、あるいは経済的、物質的な面で何不自由なく暮らす女性が
片や何も持たない男子中学生と恋に落ちる様は何故だろう。

なんとなく自分に近いような境遇、そんな錯覚を感じたのだ。




343 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 21:05:27.60 ID:MJE5H1ko
ただ、どうなんだろう。果たして美琴は自分と・・・。
チラリと横目に美琴に視線を移す。

静かに映画を見ている美琴の顔は端整でありながら
年相応の幼さ、あどけなさを残していて、当麻の目を釘付けにする。

長い睫毛。勝気な瞳。暗い館内でも柔らかく艶が光る髪。
少し朱がかった頬。ふっくらした唇。通った鼻筋。透き通るような肌。

(やっぱコイツ・・・可愛い・・・よな・・・)

いつからなのだろう。気がつくと美琴を追っかけてしまう自分がいた。

屈託ない笑顔。ちょっと拗ねたようなふくれっ面。無邪気な笑い声。
そんな美琴が当麻の頭の中で駆け巡っていく。

映画では主人公の男の子がなかなか女性の気持ちに気づかないでいるが
自分はすっかり美琴のことばかり考えるようになってしまっている。

それは、美琴と共有している感覚、感情なのだろうか。
小さな、決して抜けないトゲが1本だけ。
当麻の心の中に刺さったままだった。




344 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 21:06:13.53 ID:MJE5H1ko
映画は中盤を過ぎ、少しずつ女性に惹かれた男の子がとうとう自分の想いに気がつき
お互いの気持ちに触れ合い、認め合い、告げ合ったところ。

背の低い男子が背伸びをして、女性と口付ける。
触れ合わせるだけの軽いキス。

そっと離れると、どうやらお堅い女性弁護士は我慢の限界に達したらしい。

今度は女性から唇を押し付ける。奪うように。肩を掴んで、背中に腰に腕を回し。
強く引き寄せ、腰を密着させ、胸を潰すくらいに押し付ける。

滑り込まされた舌は一瞬の躊躇を除いてほぼスムーズに受け入れられた。
交わされる唾液。早まる鼓動。高まっていく期待と膨らんでいく不安。
それでも昂ぶる心は少年の背中を後押しする。

一際熱い吐息と一緒に唇を離した2人は吐息以上に熱い視線を交わす。
そしてそれ以上の交わりを求めて寝台にゆっくりと倒れこむのだった。

(あれ?こんなの中学生とか高校生が見ちゃって良いの?)

女性が慣れない手つきで、いや緊張した手つきでスーツのジャケットを脱ぎ、
ブラウスのボタンを1つ1つ外していく。

少年の手が女性の胸に手を――。

(いやいや、これはマズイ、だろ・・・?)

当麻がさすがにこれはR15どころか下手したらR18もんなんじゃねーのかとか考え始め、
美琴の手を取って劇場を後にしようと思い至り、小さく呟く声で美琴に話しかけた。

「お、おい、御坂・・・」

しかし、そこには熱く瞳を潤ませた美琴がいた。
頬を赤らめ、恥らうような表情をしている。

(え、あれ?)

「と、とうま・・・」
「みさか・・・サン・・・?」

むわりと美琴の匂いが立ち込めたような気がした。クラクラする。

美琴の手を掴んで、席を立って、

どちらが手を引くでもなく、

2人は男子トイレの個室へと入っていったのだった――。




345 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 21:06:57.02 ID:MJE5H1ko
燃え上がるような、本能をぶつけ合うような性交。
思い返すだけで恥ずかしくなってしまう。
それもこんな場所、つまり男子トイレ、でなんて。
ゆでだこのように自分の顔が赤くなるのを美琴は自覚していた。

場所が場所だけに、あまりのんびりともしていられない。
いそいそと体液を拭い取って、着衣の乱れを整え、
周囲の様子を窺ってからさながら忍者のような足取りでトイレを抜け出した。

「・・・なんかスパイみたいね」

好きな男に抱かれて胸に残ったのは大きな満足と小さな棘。

映画の2人とちょっと違う。それが小さな、でも決して消えないわだかまり。
心が埋められたのに、埋まりきらない不足感。

その正体を、美琴はどこかで分かっていた。

だから映画の2人があまりに美しい様子で交わるのを見て、いても立ってもいられなかった。
そして自分たちだって、この2人と同じなんだと、必死に肯定しようとして、できなかった。
埋めたいところがどうしても埋まらない。
それは自分1人でどうにかなる問題ではない。

それが、美琴にはどうしようもなく悔しく、悲しかった。




346 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 21:07:44.66 ID:MJE5H1ko
「そう、だな・・・」

美琴の発言を弱々しく肯定した当麻は、なんでかなぁ、と思う。

結構良い雰囲気なんじゃないかと思ったのだ。
普通に街中で待ち合わせて、一緒にカフェでご飯食べて、2人で映画を鑑賞。

まるでありふれた、平均的な、普遍的な、一般的な男女のデートそのものじゃないか。

でもきっとそういう2人は映画の途中にトイレに篭ってセックスしたりしないだろう。

俺たちは、そういう関係にはなれないんだろうか。

美琴はどう思っているんだろう。

ぐるぐると。当麻の中にさまざまな思惑が巡っていく。

「でも、なんかこういうのって楽しいね」
「・・・上条さんはかなりハラハラしましたけどね・・・」

一番大事なこと。
それを確認できないまま、当麻は美琴と手も握らず、
残りわずかになった映画を一応最後まで見るために戻っていった。

心に燻り続ける傷をトイレに置き去りにできるように。
自分たちの関係に足りないものを、確認するために。




347 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 21:08:18.74 ID:MJE5H1ko
なんとなく気まずい。

セックスはとてつもなく気持ちよかった。のだが、この虚無感はどうした事だろう。

いや、原因は分かっている。分かっているのだ。
しかしそこから先に踏み込めない。

お互いにそうやってどこか後ろ暗い気持ちを抱いていたので
雰囲気や口調にもそういったものが滲み出てしまう。

映画館を出た後、セブンスミストにでも行こうと歩いていた最中、
自然と口数は減り、とうとう会話が尽きてしまった。

そんなところに現れたのは美琴の後輩だった。

「あら、お姉様・・・とるい・・・もとい、上条さんではありませんか」
「黒子じゃないの。どうしたの?」
「今日は夜までジャッジメントの仕事ですの」

そう言って黒子は腕章を引っ張った。

「お姉様、デートはいかがですの?」
「えっ!?あ、いや・・・あはは・・・」

改めて今の状況を第三者からデートと言われて悪い気は
微塵もしないのだが、先ほどから若干気まずい空気が流れているので
少々美琴としては複雑な心境だ。

「ヤボな事を聞いてしまいましたわね。失礼しましたわ」

しかしなにやら美琴も当麻も表情が硬い。
自分が登場した事で2人の世界に水を差してしまったのだろうか。
そんなつもりは毛頭なかったのだが。




348 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 21:08:58.62 ID:MJE5H1ko
本心ではあまりこの2人を応援するつもりもなかった黒子だが
進んでヒビを入れようとは思っていないのも事実だったので
もし自分のせいで空気を悪くしてしまったのならバツが悪い。

「それにしてもお姉様。どこからどう見ても仲の良いカップルですわねぇ」
「え、えぇぇ!?やだ何言ってるのよ黒子ってば・・・あ、あはは・・・」
「またまたご謙遜を~」

とフォローを入れてみたものの、どうにも2人の表情が暗い。
むしろなんだか悪化したような気さえした。

「ホント・・・そんなんじゃ・・・」
「・・・お姉様・・・?」

これは、照れ隠しじゃない。

その瞬間、黒子の脳裏に1つの仮説が浮かび上がってしまった。
慌ててそれを撤回しようとして、あえなく失敗に終わった。

この雰囲気は、違う?

「お姉様」
「う、うん?」

口から出た自分の言葉に自分で驚いた。

「1つ確認させて頂きますが」

恐ろしく冷たい声。
美琴も、そして当麻さえも、怯えているのが見て取れるほどに。

「お2人は、正式に恋仲としてお付き合いしていらっしゃるんですの?」

当事者たちが、皮肉にも揃って目を逸らした。

「・・・お姉様・・・」
「く、黒子・・・その・・・これは」

黒子の目の前が暗転した。




349 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 21:09:40.75 ID:MJE5H1ko
「・・・そうですか」
「・・・黒子・・・」

視線を逸らして黒子は小さく、しかしハッキリと聞こえるように呟いた。

「まさか未だに曖昧なまま、なあなあの関係を続けてらっしゃったとは、思いませんでしたの」

直後、黒子は美琴の前に立っていた。瞬間移動だ。

「睦まじい恋仲の2人でしたら、口を出さずにいようと思っておりましたが」
「黒子・・・?」
「本来学生の身でありながら、いかがわしい行為に耽るのは由々しき風紀の乱れですの」

射抜く眼光は美琴がこれまでに見たどんなものより鋭い。

「お姉様を連行させて頂きます」
「・・・」
「もう、金輪際、会わないでくださいな」

それはどちらに告げた言葉だったか。
その声が当麻の耳に届く頃には、黒子は美琴と2人、姿を消していた。




350 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 21:10:07.15 ID:MJE5H1ko
常盤台学生寮の自室まで美琴と一緒に瞬間移動で跳んできた黒子は
途中一切口を開かなかった。

ただ、部屋に入り、美琴をベッドの上に置くと携帯を取り出して電話をかけた。

「ああ、初春ですの?ワタクシですが、今ちょっと小さな問題がありましたので
 終わり次第、巡回に戻りますわ。ええ、援護は必要ありませんの」

難しい顔をしたまま電話を切った。

1つ吐いたため息が重い。

「別に恋仲でなくとも肌を重ねること自体を悪いとは思いませんわ」

ただ、とため息混じりに区切って続けた。

「最初の時からどれだけ経ってるとお思いですの?
 黒子はとっくに2人が愛を確かめ合っているものだと思い込んでおりましたわ」
「・・・それは・・・」
「お姉様も肝心なところで色事には奥手ですし、あの男もまぁ奥手で極度の鈍感なようですから
 時間がかかってしまう事も止むを得ないのは理解しております。
 しかし、そのまま会う度会う度にセックスを重ねるだけでは、
 それは俗に言う『セックスフレンド』。体だけが目的の関係ですわ」




351 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 21:10:39.70 ID:MJE5H1ko
ベッドに座り込んで黙って聞いていた美琴もその言葉には反応した。

「そ、そんな・・・!」
「いいえ、お姉様。言わせて頂きます。そんな関係ならワタクシは応援できませんわ。
 いわゆる不純異性交際、性的逸脱行為ですが、それでもお姉様のお気持ちを
 考えて、理解したと思い込んで、何も言わず、時には僭越ながら手助けさせて頂きました。」

違う。

「ですが、2ヶ月は経っているというのに、恋仲に発展していないなんて問題外ですの。
 これ以上の進展は望むべくもありません。お姉様はあの男の事は忘れて、
 真っ当な道に戻るべきですわ」

そんな事はない。まだ、きっとこれからだったんだ。アタシと当麻は。

叫びたいのに口が動かないのはなんでなんだろう。それはきっと――。

「もし仮に、お姉様をお連れしようとした際に、あの男が止めようとすれば
 ワタクシももう少し様子を見ましたのに。」

言わないで。

「なぜあの男は――」

なんで当麻は――


――ナニモイワナカッタンダロウ――。




352 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 21:11:29.19 ID:MJE5H1ko
「ま、ともかく永遠にとは言いませんが当分の間、あの男とは会わないでくださいまし」

美琴には、もう何も言えない。

「えーと、お姉様の携帯借りますわね。『もう会えない。さようなら』っと」

黒子が美琴の携帯から当麻にメールを送信して、ようやくハッとなった。

「ちょ、ちょっと黒子・・・!」
「な・に・か?」
「・・・」

気迫に打ち勝てるだけの気力が、美琴にはもう残されていなかった。
ただただ、暗い、黒い、ドロドロとした何かに、引っ張り込まれるように沈んでいく。

もう、そこから足を踏み出すことも、できなくなっていた。

美琴は、ただ項垂れてそこに立ち尽くすのだった。




353 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 21:12:01.85 ID:MJE5H1ko
一方の当麻は美琴と黒子が目の前から消えた後も、しばらくその場に立ち尽くしていた。

黒子の問いかけに、自分もそして美琴も、それに対する答えを持ち合わせていなかった。

自分も即答できなかったのだ。美琴1人を責めるつもりは毛頭ない。
ただ、事実だけが当麻の肩に重くのしかかっている。

(やっぱり俺って、美琴からは何とも思われてなかった、のか・・・?)

どのくらいそこにいたのか。
やがて1人のサラリーマン風な男性が肩にぶつかり、小さな舌打ちを残して去っていく。

「・・・帰ろう・・・」

ため息も零れない。当麻は黙って自宅への帰路についた。




354 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 21:12:36.30 ID:MJE5H1ko
どこをどう通って帰ってきたのかほとんど覚えていない。
身体に染み付いた習慣にこの時ばかりは感謝した。

「ただいま・・・」

陽はまだ高い。南向きの部屋には十分な光が差し込んでいるはずだ。
にもかかわらず当麻の目にはどこかほの暗く写った。

ぎしり、ぎしり。当麻が一歩また一歩踏み出す度に床がわずかに音を立てて軋む。
しかしてそんな小さな音がやけに大きく聞こえる。

見慣れた我が家。ベッド、テレビ、テーブル。
何も変わらない。

なのにどうした事だろう。ポッカリと穴が開いたような錯覚。
そう言えばインデックスがいなくなった時もしばらくこんな感じだった。
でも今はあの時よりもさらに喪失感がひどい。

ぼすっとベッドに身体を投げ出すように横たえた。

『もう、金輪際、会わないでくださいな』

目を閉じると黒子の言い残した台詞が頭の中に反響する。

「くそ・・・なんだってんだよ・・・」

言い返したいのは山々だった。

『お2人は、正式に恋仲としてお付き合いしていらっしゃるんですの?』

ぐうの音も出ない。悔しいくらい、自分は無力だった。
レベル0であることがどうでも良くなるくらい。
今は自分の無力が腹立たしかった。




355 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 21:13:13.38 ID:MJE5H1ko
あれから数日。美琴のメールにあった通り、ここのところ全く顔を見ていない。

でも今はそれでも良かった。
今は、どんな顔をして美琴と会えば良いか分からない。

それでも少しずつ当麻の思考は動きはじめている。

(俺は、どうしたいんだ?)

当麻はこのところそればかりを考えてきた。
月並みだが、寝ても覚めても。授業中も登下校の最中も。

その手の問題にはからっきしの彼は、それを十分に自覚しながら
しかし決してその答えを他人に求めようとはしなかった。

それが、美琴へのせめてもの誠意だと。
心のどこかで考えた。




356 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 21:14:35.02 ID:MJE5H1ko
第七学区のとある居酒屋。その裏方スタッフとして当麻は臨時バイトに従事していた。

師走も半ばという事もあって忘年会シーズンの真っ只中たる居酒屋はまさに書き入れ時。
尋常ならざるペースでビールに焼酎にと消費されていく。

もちろん料理の勢いも相当なもので、第七学区屈指の収容規模を誇る店の
冷蔵倉庫と調理場は正しく修羅場と化している。

「上条くん!瓶ビールの補充もお願い!」
「わ、わかりましたぁっ」

しかし同日に始めた他のバイトが次々に脱落する中、
当麻はひたすら文句1つこぼさず真面目に働いたため、
社員や他の店員からも信頼されるまでになっていた。

「…うーん上条くん頑張ってますね」
「高校生じゃなきゃ正式にオファー出したいくらいだね」

そもそもなぜ当麻がバイトに精を出しているのかと言えば、それは数日前に遡る。

美琴と会わなくなって10日が経つ頃になってようやく当麻は1つの指針を固めるに至った。

『クリスマスプレゼントと一緒に美琴に告白する』

と言っても親からの仕送りをやりくりして買うというのはどうにもカッコ悪いし、誠意に欠けると思う。
そんな訳で自力でお金を稼ぐためバイトに手を出したのである。

それに。

家に1人でいるのは、正直辛かった。

学校でバイト開始にあわせて課題をやって、バイトへ直行し、
家に帰宅したらシャワーを浴びて、あとは寝るだけの生活。

そんな生活が10日ほど続いた。




357 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 21:15:18.48 ID:MJE5H1ko
「もしもし。こもえのいえだよ」
「あ、インデックス、か?」
「と、とうま!?とうまなの!?」

電話口の女の子が名乗る前から少年の名前を言い当てた。
そんな些細な事が今はなんだか嬉しかった。

「ど、どうしたの?」
「いやちょっと…インデックスに相談ってかさ」
「わたしに?なんの相談かな?」
「…実はな…」

そして当麻は訥々と経緯を語り始めた。

インデックスがいなくなってからのこと。
美琴とのこと。黒子に言われたこと。
そして、自分が決めたこと。

インデックスはそれを複雑な心境で聞いていたが
そんな様子はおくびにも出さなかった。

「ふうん…なるほどねえ」
「んで、プレゼント選び手伝ってくんねぇかなぁ」
「わたしで良いの?」
「あぁ、むしろインデックスしか頼めねぇ」

そういうつもりで言ったんじゃないんだけど、な・・・。

でも、まぁ。みこととは会えないみたいだし?
この状況じゃ仕方ないのかな?

「わかったよ。それじゃいつがいいかな?」
「おぉ、助かるぜ。それじゃ――」




358 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 21:15:47.26 ID:MJE5H1ko
当麻が携帯を切るのを確認して受話器を置いたインデックスは頬を膨らませた。
するとタイミングよく玄関から家主が現れた。

「ちぇ」
「インデックスちゃん、どうかしましたかー?」
「なんでもないよ、こもえー」

ビニール片手にピンクのワンピースといういつもの格好で
リビングに入り、テーブルの上に惣菜とビールを並べていく。

「おゆうはん!おゆうはん!」
「もう、インデックスちゃん、はしたないですよー」
「むっ!こう見えてもわたしは礼儀作法の国、イギリスからきた淑女なんだよ!」

お箸をむんずと握りしめ、足をドタバタするシスターの姿は
とてもレディーには見えないシロモノだったのだが。

「はいはい。それじゃいただきまーす」
「いただきまーす!」

ぷしっと缶ビールをあけ、ぐびっと喉を鳴らして流し込む。
そんな小萌を尻目にインデックスは端から手を付ける。

(・・・わたしは今までプレゼントなんてもらった事ないのにな・・・)

そんな心の声はおくびにも出さず、小萌のおつまみにも手を出した。

「あ、だ、ダメですよ!それは私の・・・!あーっ!」
「こもえおそいよー!ふっふっふ!」

今宵も小萌家の夕餉は賑やかに過ぎていくのだった。




359 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 21:16:20.74 ID:MJE5H1ko
「カミやーん。今日は帰りどっか寄ってくか?」
「いや、わりぃな。この後ちと、な」
「なんやー。ツレないなぁ。まぁしゃーないわ。気ぃつけてなぁ」

当麻は3バカの2人と校門で別れ、1人歩き出した。

「・・・最近元気ないにゃー」
「せやねぇ。まぁカミやんが自分で元気になるまで待つしかないんかなぁ」

そんな2人の心配も露知らず。当麻は待ち合わせ場所へと急ぐ。

しばらく歩くと、やや離れたところから声が聞こえた。

「あ、とうま~、おそいおそいー」

手を振ってこっちを呼んでいるのはインデックスだった。

「わりぃわりぃ。ちょっと長引いちまって・・・」
「まったくもー。レディーを待たせるなんて問題外なんだよ」

久々に会ったインデックスが以前と同じように接してくれるのが嬉しい。

「そいじゃ行くか」
「うん!」

当麻とインデックスは連れ立って第七学区を彷徨い始めた。




360 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 21:16:54.83 ID:MJE5H1ko
「で、とうま?なにを買うか考えてるの?」
「んー・・・考えたんだけど、正直全然決まらんのですよ」

それまで女性に贈り物をした事などないし、
そっち方面の事柄にもてんで疎かったのだから当然とも言える。

「大まかには、お菓子か花かアクセサリ・・・とか?」
「とうまにしては悪くないセン行ってるんだよ」
「ま、まぁな!一応雑誌とか見て勉強っぽい事したんですよ」

んー。とインデックスは小さなアゴに細く白い指を1本当てて唸った。

「まぁ、お菓子は今回は除外だね」
「ですよね」
「花・・・って言うのもちょっと今回は違うかも」
「となると・・・」

アクセサリー。今度は当麻が唸る番だ。

「とうま?もしかしてアクセサリは高いから嫌だなとか思ってない?」
「ちげーよ。えーと、その、だな」
「うん?」




361 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 21:17:23.48 ID:MJE5H1ko
当麻は頭をポリポリと掻きながら続けた。

「その、雑誌にさ、『アクセサリはセンスが要求される』みたいな事書いてあってさ」
「うん」
「・・・わたくしめにそういったセンスは微塵もないような気がするんですよ・・・」

なるほどもっともだ。とインデックスは思った。
高校生にもなると今ではアクセサリに興味を持ったり身につけたりする人が
かなり増えてくるが、当麻はまるでそういう事とは無縁なのだ。

「あと高すぎても相手が引くし、かと言って安すぎてもなんだかなぁ、みたいな感じなのですよ」
「そーだねえ。それにみことはお金持ちなんだよね?」
「うっ・・・そ、そうなんですよね・・・」

学園都市トップクラスのお嬢様学校、常盤台中学。
当麻のアルバイトくらいでは買えるものにも限度がある。

「まぁ、センスに関してはわたしに任せておけば良いんだよ」
「そうだな・・・頼りにしてますよ、インデックス先生」
「イングランドのハイセンスなレディーのセンスを見せてあげるんだよ!」

あれ?そういえばコイツ、以前は1年ごとに記憶消してたんだよな・・・。

本当に任せてしまっても良いのだろうかという疑念が頭を過ぎったが
そもそも自分の力ではどうにもならないのだ。

泥舟でない事を祈って、当麻はインデックス号に命運を託した。




362 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 21:17:52.90 ID:MJE5H1ko
セブンスミスト。第七学区で女子中高生向けの買い物と言えばココ、と言える人気を誇るスポットである。

そこに少々異質な2人組がいた。

ツンツンのウニ頭な男子高校生と白い修道服を着たシスター。
その2人は間違いなくこのファッションビルで浮きまくっている。

「さて、アクセサリーショップに着いた訳だけど」
「着きましたね、先生」
「まずとうまが自分で良さそうと思ったものを選んでみて。わたしがそれを判定するから」
「わ、わかった」

若干挙動不審だったが、それでも女の子と一緒に店内に入ったので
店員や他の客にはそれほど不審がられずには済んだようだ。
どちらかというと、微笑ましいようなそんな生暖かい視線が送られている。

「んーと・・・こ、コレとかどうだ?いや、どうですか、先生?」

まず最初に当麻が選んだのはゴールドのリングだった。
ラインこそシンプルで細いが、波状のデザインと取り入れてあって
当麻のチョイスにしては、なかなか可愛いと言えた。のだが。

「きゃっかー」
「えぇぇ!?な、なんでだよ?」
「とうま。まず女の子に指輪をあげるっていうのは意味深すぎるよ」

一般的に彼氏が彼女にあげるアクセサリとしてもあまり指輪、リングは好まれない。
どうしても婚約や結婚を連想させ、そういった約束がない男女間においては
かえって重いプレゼントとして女性に受け取られてしまう傾向にあるからだ。

「そ、そうなのか・・・」
「まあ、デザイン自体はそんな悪くなかったよ。あ、それからもう1つ」
「うっ・・・まだあるんですか」

あからさまに当麻は肩をしょげて見せたがインデックスは構うことなく続けた。




363 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 21:18:25.06 ID:MJE5H1ko
「みことは金より銀が似合うと思うんだよ。髪留めもソッチ系の色だしね」
「・・・よく覚えてんな・・・」
「わたしの記憶力、バカにしてる?」

そういえば完全記憶能力の持ち主だったっけと当麻は今更ながら思い出した。

「そのアクセサリ自体のデザインとかも大事だけど、やっぱり身につけた時に
 似合ってるかどうかってことも大事なんだよ」
「む、むずかしすぎるぜ・・・」

しかしヘコたれてはいられない。当麻は次の候補を探し始めた。

「・・・銀で・・・うーん、あんま派手過ぎたりコテコテなデザインのも・・・」
「うんうん。みことの事を考えながら選ぶんだよー」

そうは言ったものの、インデックスの胸に一抹の悲しさが走る。
しかし、自分で決めた事なのだ。
それを振り切って、インデックスは当麻のプレゼント選びに付き合うのだった。




364 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 21:18:56.61 ID:MJE5H1ko
2時間後。

どうにも難航していたプレゼント選びも、ようやく当麻インデックスの2人が
納得のいくものを見つけ、購入してラッピングしてもらうところまで漕ぎ着けた。

「・・・すげえ時間がかかってしまった・・・」
「さすがに予想以上だったかも・・・」

結局決めたのはネックレス。もっともこれも当初インデックスから少々反対を受けた。

「いい、とうま?ネックレスはリングほどじゃないにせよ、相手を縛るって意味を持つんだよ」
「どういうこっちゃ?」
「ペットの犬に首輪を付けるのと似たようなニュアンスだよ」
「あー」

なるほど確かになんとなく分からないでもない。

「でもさぁ、・・・これ良いと思うんですよ・・・」
「確かに可愛いし、みことに似合うと思うけど・・・」

むー、とインデックスが黙り込む。
このアクセサリーショップに入店してから幾度となく繰り返された光景に
他の店員たちも近寄りがたいものを感じていた。




365 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 21:19:24.82 ID:MJE5H1ko
「ていうか指輪もネックレスもだめって・・・他になんなら良いって言うんですか?」
「むー。・・・ピアスとか・・・」
「お嬢様中学生が付けるかぁ?」

またしても2人して考え込んでしまったが、はたと当麻は気がついた。

「あのさ、まぁ指輪は確かに重過ぎるから却下するとしてさ」
「ん?」
「その、インデックスが反対するのって、
 御坂にとって、俺の束縛が重いかもしれないって思うからなんだよな?」
「そう、だね」
「だけどぶっちゃけ、今回俺が伝えるのって、結局そういう事、だよな」

当麻の胸の中に芽生えた気持ち。
それはつまり、友人という関係より一段上の関係であり、縛りなのだ。

「うん」
「なら、これでも良いんじゃねぇかな」
「とうま・・・」

こんな風に表現すると、何1つ良い事がないような気さえしてしまう。
でも本質的な部分では、そういう事。

人を好きになる、というのは、相手を縛りたい、という事に他ならない。

自分に縛られたいと、相手に思ってほしい。

友人同士で過ごすより、濃厚で密度の高い時間を過ごしたい。

もっと近くにいたい。心も、身体も。

「・・・そう思えるなら、良いんじゃないかな」
「ああ。・・・ありがとうな、インデックス」
「どういたしまして、なんだよ。とうま」

そんなやり取りがあって、材質と値段を確認し、インデックスのお墨付きを頂いた。




366 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 21:20:11.21 ID:MJE5H1ko
そして会計を済ませて10分もしない内に店の奥から店員が小さな手提げ袋を
両手で恭しく持ってきて、当麻に渡した。

「ありがとうございました~」

店を出たところで当麻が足を止めた。

「今日はホントにありがとな」
「ううん。わたしも楽しかったし」
「んでさ、これ」

そう言って当麻はポケットから小さな紙袋を取り出した。

「・・・え?」
「いや、今日のお礼。それに、他にもいろいろありがとう、みたいなもんだよ」
「・・・」

当麻が何を言ってるのか理解したインデックスは内心激しく動揺し、葛藤した。

(なんで?なんで今になってそういう事するんだよ、とうま・・・!)

ていうか美琴へのプレゼントを買いにきたアクセサリーショップで
他の女の子にもアクセサリ買うなんて、どうなの?
でもでも、これは当麻の純粋な感謝の気持ちで、それを受け取らないなんて出来る訳がない。

どれだけ自分や、そこにいない美琴に言い訳をしても、嘘はつけない。

だって、とんでもなく嬉しいのだ。

初めての当麻からのプレゼントなのだ。
あぁどうしよう。すごく嬉しい。
きっと今、わたしの顔は大変なことになってる。

「あ、あり・・・がとう・・・」

顔を真っ赤に、くしゃくしゃにして、目に涙すら浮かべてインデックスはそれを受け取った。

――偶然にも、それを見ている女性がいることに、気がつかなかった。




371 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/06(火) 22:05:42.91 ID:TvHbEp2o
美琴か黒子かそれ以外かでかなり展開が変わるよな




404 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 22:50:37.98 ID:Ds4ZixMo
黒子は苦悩していた。
あれからというもの、美琴は誰の目にも明らかに覇気を喪くしてしまった。

ギラギラと照りつける太陽のような気の強さも
同級生にも後輩にも、分け隔てなく接する温かい優しさも
雲に陰ってどこかにナリを潜めてしまった。

上条当麻。

その存在がどれだけ今の美琴にとって大きいか。
そんな事は他ならぬ黒子が一番よく分かっていた。
恐らく美琴よりも。

だって今までずっと側で見てきたのだ。

美琴が自分の能力で倒せなかった1人の少年について
心底悔しそうに、あるいは不思議そうに話すのを。

そしていつしかその表情に少しずつ親愛の情が混ざり始めていくのを。

それまでの美琴は誰からも慕われ敬われ、しかし心のどこかで疎まれていた。

学園都市に7人のレベル5、その第三位たる電撃使い(エレクトロマスター)。
血のにじむような努力の果てに得たその座についた時、
その高みは常人が手を伸ばすにはあまりにも遠すぎた。

後輩たちから『お姉様』『御坂様』と呼ばれても
1人として友人と呼べる呼ばれる存在はいない。

常盤台中学の絶対不可侵的存在。それが御坂美琴だったのだ。

そんな彼女が始めて自分自身以外に得た『支え』。

それが、あの男。上条当麻だった。




405 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 22:51:31.23 ID:Ds4ZixMo
寂しくはあった。悔しくもあった。そして妬ましかった。
それでも美琴が楽しそうに幸せそうに笑っているなら、黒子はよかった。

だが、美琴の笑顔は到底正しいと思えるものではなかった。
価値観の違い、倫理観、道徳観、貞操観念。
そんなことは黒子にとってなんの問題にもならなかった。

『お姉様がそんななあなあの関係のままで置かれているなんて度し難い』

だから引き離した。

自分にも責任の一端はある。
門限を過ぎれば迎えに行ったし、相談されれば喜んで一緒に悩んだ。

今の自分のポジション――つまり同室――だって力づくで手に入れたのだから
ならせめて、美琴の『本当の幸せ』のために、出来うる限りの事をする。
でなければ譲ってもらった(あるいは譲らせた)生徒たちにも申し訳がたたない。

「・・・黒子は、黒子の信じるまま、お姉様を幸せにしてみせますの・・・」

誰も聞こえぬ声で、黒子は1人、決意したのだった。




406 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 22:51:58.98 ID:Ds4ZixMo
「ただいま帰りましたわ」
「・・・」

返事はない。美琴は黙って机に向かっている。
学校の課題に勤しんでいるのだろうか。

「さすがにコートとマフラーがあっても寒さが厳しいですわね・・・」
「・・・」

やはり、返事はない。

黒子の決意に揺らぎはない。
それでも、それゆえに、それだからこそ、今は美琴を元気付けたかった。

「お姉様」
「・・・」
「お・ね・え・さ・ま」
「え、あ、あぁ、黒子・・・おかえりなさい」

今まで全く気づいていなかったように返事をする美琴。
もしこれが意図して無視されていたんだとしたら、
などと考えると背筋に悪寒が走るがそれを全力でスルーした。

「明日の土曜日、初春たちと街に出ませんこと?」
「え・・・」
「偶然にもワタクシと初春は明日ジャッジメントのお仕事が休みなんですのよ」
「そう、なんだ」

美琴の顔は晴れない。

「でも、アタシなんかが行っても・・・」
「そんなことありませんわっ!それにたまには外に出ませんと!」
「・・・わかった・・・」

黒子が折れないことを悟ったのか、どこか諦観したような面持ちで美琴は受諾した。

「楽しみですわっ!」
「・・・ありがとね・・・黒子・・・」
「とーんでもないっ!お姉様と出かけられるだけでワタクシ天にも昇る勢いですわっ!」

ふふ、と美琴の口から息が漏れるような笑い声が聞こえたが、
その目は少しも笑っていない。

ずっと、鈍色の曇天なままだった。




407 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 22:52:32.79 ID:Ds4ZixMo
いつものクレープ屋の前で待ち合わせ。
いつものように黒子が前で美琴は一歩下がってついていく。

しかし美琴の表情だけがいつものようではない。
普段なら、やれやれ仕方ないなぁくらいにちょっと呆れたりしているのだが
今は眉に力なく、伏し目がち。口角は平坦で顔に力もない。

「あ、白井さーん、御坂さーん」
「初春!佐天さん!お待たせしてしまいました?」
「いえいえ、大丈夫っすよー。アタシたちもさっき着いたとこですし」
「御坂さんもおひさ・・・」

初春と佐天の2人が美琴に会うのは、前回4人でセブンスミストに行った時以来だ。

その時との違いに2人は一瞬言葉を詰まらせてしまった。

あのキラキラした美琴の面影が少しも残っていない。
そして同時に。あぁ、なるほど。と2人は納得した。




408 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 22:52:59.57 ID:Ds4ZixMo
金曜夜。つまり昨夜のこと。

初春と黒子は2人ともジャッジメントのシフトで事務所に詰めていた。
例によって佐天も事務所に入り浸っており、たまに風紀委員のためにお茶を淹れたり、
コピーを取ったりと小間使い的なことをするようになっていたのだがそれは余談だ。

「御坂さんが、ですか?」

あくまで理由は言わず、――秘密、というよりはかなり踏み込んだプライベートだったからだが――
黒子は2人に『美琴がどうにも元気がないので元気付けたい』とだけ伝えたのだ。

「うーん。まぁ詮索はしませんが、ぶっちゃけお2人だけの方が良いってこともあるんじゃ?」

そう述べたのは佐天涙子。
かなり強引で、それが目に余ることもあるが、こういう繊細な話題の時は
敏感に空気を読めるスキルを持っている。

「佐天さん、そんな言い方ないですよ」

と初春飾利が反論すると、黒子がそれをやんわり押し留める。

「佐天さん、それはどういう意味ですの?」
「んー。もちろんアタシらも御坂さんの友達だと思ってますし、
 力になれる時はなりたいって思ってますよ?」




409 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 22:53:32.90 ID:Ds4ZixMo
でもー。と一度視線を天井に向けた後、黒子の目を見て続けた。

「やっぱ、御坂さんと白井さんの2人の絆にはどうしたって届かないんですよ。
 で、こういうのってある程度の関係がないと、何人いたって正直意味ないでしょう?」
「そうですわね」
「なら、アタシたちがその力になれるラインの上にいるのか下にいるのか。
 上にいるなら光栄ですけど、もし下なら返ってお邪魔なんじゃないかなって」

ふむ、と黒子はそこで1つ思案した。
佐天の言う事にも一理あると思ったからだ。

それでも、美琴のことを何の迷いも衒いもなく、
『友達』と言い切ってくれた事には密かに感謝したのだが。

「部外者だけど」

そんな黒子の思考を遮って固法が口を開いた。

「そこまで御坂さんの事を考えて、気を遣ってあげられる貴女たちなら
 きっと大丈夫なんじゃないかしら?」

そう言われて佐天も初春も少し照れくさそうにした。

そして黒子はその言葉で、心の火が強まった事に気づいた。
この2人は黒子に、そして美琴にも必要な『親友』なのだと確信した。

「お願いしますわ。初春、佐天さん。お2人の力を、貸してくださいませ」
「・・・うん、アタシで良ければ、こちらこそ」
「はいっ!いつも助けられてばかりの私も頑張ります!」

シフトに入っていた黒子と初春は休みになり
急遽、他の生徒に代わりを頼む事になったが、どちらも快諾してくれた。

「良いって良いって。どうせ遊びに行く彼女もいないしね」
「ま、今度佐天さんの淹れてくれる美味いお茶にあうお菓子でも差し入れしてよ」




410 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 22:54:14.70 ID:Ds4ZixMo
そんなこんなで今日の『お出かけ』に漕ぎ着けた訳だが
思ったより深刻だと佐天は感じた。

そもそもあの白井さんが他人を頼る時点でこれは大事だと思ったものだが
なるほど今の御坂さんは御坂さんであって御坂さんではない。

あの大きな人がこうまで空虚になるなんて予想もしていなかった。

(こりゃ、気合入れないとな)

「御坂さん、おっひさっしぶりー!ちょっと痩せたんじゃないっすか!?」

バシバシと背中を笑顔で叩く佐天に、美琴はちょっと驚いたようだ。

「え、あ・・・どう、かな・・・」

まだ曇ったままだが、それでも少し表情が動いたことに黒子は安堵する。

「さぁ、今日は食べて見て買いますよっ!」
「あ、う、うん・・・」
「行きましょう、御坂さん!」

初春と佐天が美琴の手を取って歩き出す。

(ワタクシは、自分で思っている以上に良い友達を持ったようですわ)

そんな事を思って黒子は駆け出した。

「もうっ!ワタクシを置いていくなんて許されませんわよっ!」




411 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 22:54:51.67 ID:Ds4ZixMo
佐天涙子は学園都市ではレベル0、無能力者という扱いだが、
今この集団において最も有能であることに、黒子はなんの疑いもなかった。

話を切り出すタイミング、相槌、話題の振り方、目線の動かし方、
どれを取っても黒子が遠く及ばないレベルでの話術を身に付けている。

その方面専門でジャッジメントにスカウトできないか真剣に考えるほどだ。

ぎこちないながら美琴の表情は今朝に比べて遥かに柔らかくなった。
佐天のテンションはいつもに比べて2割増しくらいで高いが
それも彼女の考えがあっての事だったのだろうし、それはここまで成功している。

(佐天涙子・・・侮り難し・・・ですわ・・・!)

「白井さーん、次どこ行きましょっか」
「えっ、そ、そうですわね・・・セブンスミストで冬物見てもよろしいかしら?」
「冬真っ只中なのにこれから準備ですか・・・?」
「違いますわよ。昨日コートを一着ダメにしてしまったんですの。多分仕事中だと思うのですが」

多少の汚れならばクリーニングにでも出せば良かったのだが
生憎穴が空いてしまったので、こればかりはどうしようもなかった。

ちなみにコートについては常盤台の指定するコートも存在するのだが
これは制服ではないため、基本的に個人のセンスによる。
言い換えれば、年頃の女子達の腕の見せ所という訳だ。

「あーそれじゃあ仕方ないですね。んじゃ行きましょう♪」




412 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 22:55:43.45 ID:Ds4ZixMo
セブンスミストは季節柄イルミネーションの装飾がされ、華やかに彩られていた。

「わぁ・・・綺麗です・・・」
「ふふ・・・初春の方が綺麗よ」
「な、なな何を言ってるんですか!こんな所で!」

(・・・こんな所でなければ良いんですの・・・?)

はしゃぐ佐天と初春を見る美琴の目はどこか優しくて、黒子もホッとした。

「ほら、御坂さんと白井さんも一緒に写メ撮りましょうよ!」
「え、あ、はいですの」

佐天がイルミネーションをバックに、腕を目一杯に伸ばしてパシャリとシャッターを閉じる。

「よっしゃ!良い写真撮れちゃった~」
「あ、私に送ってくださいよ!」
「分かってる分かってるって。皆にちゃんと送りますとも!」

ピロリンと音がして3人に画像添付されたメールが送信された。

「わーい、ありがとうございます~」
「へっへっへー。お礼はまとめて初春に体で払ってもらおっかな~」
「え、えぇぇぇぇっ」

真っ赤になって初春は俯いてしまった。

(嫌ではないんですのね・・・)

思えばこの2人も自分達が仲を取り持ってしまったようなものだ。結果的には。
なんだか複雑な心境だった。




413 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 22:56:29.78 ID:Ds4ZixMo
和気藹々。丁度そんな表現があてはまるような空気でショッピングは進んでいく。

黒子のコート選びは難航した。
サイズは小さいのにデザインは大人びたものを探すので
絶対的に種類が少ないのだ。

何軒か探し回ってようやく妥協できるものが見つかり佐天も初春も安堵した。

その後はぶらぶらとお気に入りのお店をハシゴ。
いつものようにお互いに服を合わせてきゃいきゃいと声をあげた。

「あっ、これ白井さんに似合いそうですよ」
「確かに悪くありませんわね・・・」
「こっちはどうですかぁ?」

冷え切った表情と心が柔らかくなってきたと言っても、
まだその中に積極的に入っていくことはできない。
しかし、側で軽く相槌を打てるくらいには美琴も回復してきていた。

それが災いした。

もし今朝までの美琴なら、視線を横に動かしたり、
自分に話しかけていない人間の声が聞こえたりしなかった。

興味が『外』に向かなかったはずなのだ。

だが、たまたま、向いてしまった。懐かしい、顔が、見えたような、気がしたから。


当麻が、インデックスに、プレゼントを手渡している。

恥ずかしそうな当麻と、嬉しそうなインデックス。


ちょっと疲れたからと黒子にメールでかろうじて伝え、


たまらず、走り出した。




414 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 22:56:55.71 ID:Ds4ZixMo
インデックスと別れ、家路に着く当麻。
すっかり日は傾いている。
晴れていれば夕焼けでビルも寮も地面も人も
茜色に染まっている頃合である。

学生が多く住む静かな住宅街を1人歩く。

当麻は揺れていた。

今は、バイトの後のように思考が停滞するほど疲れている訳ではないので
こうして1人になると、いろいろと考えが錯綜し始めてしまう。

美琴にこれまでの事を謝罪して、それから想いを告げる。

言うのは簡単だが、実行するのは酷く困難だ。

美琴はどう思うだろうか。困るだろうか。惑うだろうか。怒るだろうか。泣くだろうか。

考えても分かる訳もない、出口もない。

いや、そもそも、果たして美琴は会ってくれるのか・・・。

「会えない・・・って言われちまったんだもんな・・・」

メールは見てもらえるのか。電話をかけたら出てくれるのか。
あれからというもの、どちらも試していない。

「さすがに寮に押しかけるってのはちょっとなぁ・・・」

そんな事をブツブツと呟きながら階段を昇り、自室のある階に到達し、廊下を右に。

ジャリと小さな音。人の気配に当麻は顔を上げると、そこには――。


「み、さ・・・か・・・?」




415 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 22:57:27.17 ID:Ds4ZixMo
強い逆光という訳でもない。だがそれでも表情は見えにくい。
少なくとも当麻には、美琴の顔が再会を喜んでいるようには思えなかった。

「み、御坂・・・おま・・・なんでここに・・・」

ジャリ。

会いたい。会いたい。
会って話がしたい。謝りたい。
湧き出る泉のような思いが急展開についていけない。

上条家のドアにもたれかかっていた身体を起こして一歩、一歩と
美琴は当麻との距離をゆっくり詰めていく。

当麻は動けない。

死んだような美琴の目を見るのは初めてだった。
当麻の知っている彼女はいつもキラキラした輝きと自信で満ちていた。

なのに今はまるで覇気がなく、体も一回り縮んでしまったかのようだ。

ジャリ。

美琴が足を止めた位置は腕を伸ばせば互いが届く距離。
しかしそこに至っても当麻にはそれが地球と月より遠いように感じる。

「――――」
「――――」

美琴を見つめる当麻。当麻と目を合わせようとしない美琴。

「あの、ね」

永い沈黙を破ったのは、美琴だった。

目を上げない。
下唇をキュッと噛む。

「イン、デックスと・・・おしあわせ・・・に、ね」




416 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 22:57:54.31 ID:Ds4ZixMo
「な・・・」

当麻には訳がわからない。

なんでここでインデックスの名前が出てくる?
いやそれよりアイツとお幸せに?それは一体どういう意味で・・・。

戸惑った時間はわずかに刹那。
しかしそれが2人の明暗を分けた。

猛ダッシュで美琴は当麻の横をすり抜け階段に消える。

当麻は反転して追いかける。
しかし、階段を降り、道路に出た時には既に美琴の姿はどこにもなく。

「・・・なんっ・・・だってんだよ・・・」

茫然自失となった当麻は、拳を握り締める。

ぐるぐると。さっきのわずかな邂逅がいつまでも胸の中に渦巻いていた。




417 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 22:59:07.77 ID:Ds4ZixMo
一大決心をして働いて稼いで、いよいよ決戦間近と思っていた矢先
出鼻を完全にくじかれた当麻はプレゼントを机の上に置き、
部屋の隅、壁にもたれるように座りこんでいた。

頭の中に巡るのは美琴の事。

なぜ会わないと言っていた美琴はここまで来たのだろう。
あの一言を自分に伝えるために?

『インデックスと、しあわせに』

つまり決別、ということか。
告白する前に正式に振られてしまったという事なのだろうか?

美琴を追う足が止まってしまったのは
それをもう一度肯定されてしまうのが怖かったのだろうか。

自分の覚悟が足りなかったのだろうか。


果たして、自分は美琴にふさわしいのだろうか――。


ピリリリリ。ピリリリリ。

携帯電話がコールを告げる。3回、4回。

「・・・誰だよ・・・」

それは意外な人物からの呼び出しだった。

「・・・もしもし、白井か」




418 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 22:59:37.69 ID:Ds4ZixMo
電話をかけてきたのは白井黒子。
自分と美琴の関係に終止符を打った張本人。
しかし責める気はなかった。

彼女は何も間違ってはいなかった。
明らかに自分にあった非。それに異を唱えるつもりはない。

だからこそ何故だと思う。

もう自分には何の用もないだろうに。

「・・・お久しぶりですの」

黒子の声も強張っているのがハッキリ分かる。
そもそも仲が良かった訳ではない。
尋常ならざる異常な交友関係の一。

「あぁ、久しぶりだな」

黒子は言葉を選んでいるようで多少の間があったものの、平坦な声を出した。

「ちょっとお尋ねしますが、今そこにお姉様はいらっしゃいませんわよね?」
「・・・いる訳ないだろう?なんで俺なんかの所にいると思うんだよ」
「万が一、いえ、億が一、ですの。いらっしゃらないなら結構ですわ」

では、と電話を切りかけた黒子を当麻は引き止めた。

「ちょっと待てよ、白井」
「・・・なんですの?」

舌打ちが聞こえたような気がしたがここは敢えてスルー。

「・・・御坂、いないのか?」
「・・・ええ・・・わたくし達とセブンスミストで買い物をしている最中、
 体調をお崩しになって先に帰られたはずなんですの」
「でも、まだ寮には帰ってこない、か」
「ええ、それで、もしやわたくしの目を盗んで、と思ったのですが
 そんな事はなかったようで安心しましたわ」

そこまで言って黒子はこれ以上何もないと言わんばかりに電話を強引に打ち切った。




419 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 23:00:09.80 ID:Ds4ZixMo
当麻には別に黒子との会話に執着する必要はない。

だが当麻の中でまたぐるぐるといろんなモノが回りまわって巡っていく。

(くそ・・・まただ)

最近の自分の悪い癖だと思う。
身動きが取れなくなるほど、考え込んでしまう。

自分はこんな人間だったかと思う。

(俺は・・・俺は――)

当麻は意を決して、握ったままの携帯電話からアドレス帳を開き、発信。

トゥルルル。トゥルルガチャッ。

「はーい、こもえのいえだよー」
「インデックスか?」
「あれ?と、とうま?どうしたの?」
「あのさ、御坂見かけなかったか?」
「みさか・・・って、みことの事?わたしは見てないけど・・・」

やっぱそう上手くいかないよな、と当麻は心の内で呟く。

インデックスと別れた場所から、ウチまでの距離と小萌先生の家までの距離は
やや小萌先生の家の方が遠いかどうかというところだ。
自分が寮についた頃には、ほとんどインデックスも帰宅寸前というところ。

その後に美琴は駆けて行ってしまったのだから、
インデックスが美琴を目撃する可能性は
限りなく0に近いことを当麻は百も承知である。

「とうま・・・みこと、どうかしたの?」
「実は――」




420 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 23:00:39.81 ID:Ds4ZixMo
インデックスは黙って聞いた。

自分と別れた後の事を。
美琴とのわずかな再会を。

そして思わず大きなため息を1つ、吐き出した。

「・・・で、とうまはみことを追いかけず、今までずっと部屋で悶々としてたっていうの?」
「あ、あぁ・・・」

はぁー。重いため息だった。

「自分でも情けねえとは思ってるよ。・・・だけど」
「だけどじゃないよ、とうま」

優しい声で、しかしハッキリと強く、インデックスは否定する。

「らしくないんじゃない、とうま?」
「どういうことだよ」
「とうまは後先考えず突っ込んでっちゃうのが持ち味なんだよ」
「・・・」
「わたしを助けてくれた時も、そうだったでしょ?」

魔術師2人との戦い。当麻の人生が大きく動いたあの時。

「わたしは一度、拒絶したのに、それでもとうまは救ってくれたんだよ」
「あれは・・・」
「損得とか、後先じゃなくて、その時、とうまが正しいと感じた事を行動にうつせる。
 それはとても危ういけれど、同時にとても尊いものなんだよ」
「あの時は、お前はひでぇ怪我してたし、考える暇もなかったからな・・・それに」

それに、と1つ息を呑んで当麻は続けた。

「今回は俺が加害者になるかもしれない。御坂を、傷つけるかもしれない。
 いや、もう傷つけてるかもしれないけど、もっと傷つけるかもしれない。
 そう考えると、怖いんだよ・・・俺は・・・」
「・・・それが、とうまが足を進められない理由?」
「多分、な」




421 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 23:01:13.28 ID:Ds4ZixMo
「そっか・・・」

もし、美琴が当麻を嫌っていたら。
インデックスにとってはありえない前提も当麻には大きな問題となりうる。

そしてそこに第三者の言葉はひどく無力だ。
インデックスは目を閉じ、優しく囁いた。

「ねぇ、とうまは、みことと一緒にいる時、しあわせだった?」
「えっ」

目を閉じてまぶたの裏に浮かぶのは美琴の笑顔。

他愛のないメールのやり取り。
一緒に食べた温かいご飯。
2人で笑ったテレビ番組。
熱くなった対戦ゲーム。
手伝ってもらった課題。

そして、重ねた肌。

戸惑う事もあった。けれど、けれど――。

「――ああ」

間違いなく。言い切れる。

「楽しかった。幸せだったんだ」

(みこと、約束守ってくれたんだね・・・)

右手には今日当麻から初めてもらったプレゼント。
インデックスは、それをゆっくり、そして優しく握りしめた。




422 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 23:01:39.45 ID:Ds4ZixMo
「じゃあとうま、行かなきゃ」
「・・・」
「とうまのハッピーエンド、諦めちゃだめなんだよ」
「俺、の?」

インデックスの澄んだ声が、福音のように当麻の頭の中に響き渡る。

「みことが傷つくかどうかなんて、些細なことなんだよ」
「なっ」
「だって」

「とうまが、みことの事、それ以上にしあわせにしてあげれば良いんだから」

インデックスの声に迷いはない。彼女はすでにそれを断ち切ったのだ。

「俺が・・・」
「そうだよ。大丈夫、わたしが保証するよ。とうまは必ずみことをしあわせにできるんだよ」

当麻の心に火が点る。小さな、しかし2度と消えないであろう火。

本来自分と無関係だった少女が、こんなに信頼してくれている。
それに応えないほど、応えないでいられるほど、自分は腐っていなかったらしい。

「インデックス」
「うん?」
「ありがとうな」
「・・・さ、まずはみことを見つけ出すんだよ。くろこより早くね」
「あぁ。行ってくるぜ、インデックス!」
「いってらっしゃい、とうま」

電話を切って当麻は部屋を飛び出した。
いつの間にか外は陽が落ち、雨が降り出している。
しかしそんな事はそれこそ瑣末な事だ。

それまでの鬱憤を晴らすかのように、久しぶりに火が入ったエンジンは
フル稼働で上条当麻の身体を前へ前へと駆り立てた。


「ただいま・・・あれ、インデックス、ちゃん・・・?なんで泣いてるんです?」
「なん・・・でも、ないんだよ、こもえ・・・」
「インデックスちゃん・・・」
「だって、嬉しいんだもん・・・うっ、うれしい、はず・・・なん、だも゙ん゙・・・!」




423 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 23:02:05.56 ID:Ds4ZixMo
12月の雨は容赦なく体温を奪っていく。
時折吹き付ける風がさらに追い討ちをかける。

美琴はただガムシャラに走った。
どこをどう進んだかなんて分からない。
途中、車のクラクションが何度か鳴っていた気がするが構わず駆け抜けた。

それでもしばらくすると息が続かなくなって足が止まった。
そこでようやく美琴は自分が雨に濡れている事に気がついた。

必死に酸素を体内に取り込んで呼吸を整える。

ここまで何も考えず、何も考えないように、何も考えないで済むように走った。
けど、それがずっと続く訳ももちろんなかった。

(・・・終わっ・・・ちゃったんだ・・・)

『あの日』からずっと美琴の中に燻っていた最後の灯りがとうとう消えてしまった。

残ったのは強烈で巨大な虚無感。
空っぽの洞のような錯覚。

(帰って・・・ご飯食べて・・・お風呂に入って・・・)

(あぁ、でも遅くなると寮監に怒られるなぁ)

(・・・それで・・・)

これから、どうするんだろう、アタシは。

もう、何も考えられない。

美琴は、足の向くまま、雨の学園都市を漂い始めた。




424 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 23:02:34.09 ID:Ds4ZixMo
「――隣の支部から応援要請です!酔っ払った集団が暴れている模様!」
「ま、またですの!?手が回りきりませんわよ・・・!」
「白井さん、御坂さんはまだ見つからないんですか?」

買い物の後、差し入れを持ってやってきた風紀委員の事務所は
さながら修羅場の様相を呈していた。

師走も佳境、学園都市も『外』と同様に12月はあらゆる意味で騒がしくなる。

交通事故の発生件数も右肩上がりだし、スキルアウトを含め、
犯罪の発生数及び検挙数、風紀委員、アンチスキルの出動要請回数も年間トップだ。

「これでは応援も頼めませんわね・・・」

前日に急遽シフトを入れ替えてもらったとは言え、彼らもプロフェッショナル。
出勤しているメンバーだけで十分回せるようになっている。

それでも多忙はここに極まっている。
迷子の案内やら暴力沙汰、それに加えて管轄地域の巡回業務。

発生している事件数も多いのでそれに関連して処理する書類の量も尋常ではない。

「あ、佐天さん、この書類3部コピーしてください」
「ほいほーい」

さすがに見て見ぬフリもできず、3人は通常業務を手伝う事にしたのだ。

「一応監視カメラの映像を画面の端に表示してチェックしているんですが・・・」
「いえ、ありがとう、初春。それだけでも助かりますわ」




425 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 23:03:01.67 ID:Ds4ZixMo
それにしても、と黒子はため息混じりに頭を悩ませた。

セブンスミストで買い物中、美琴は体調の不調を訴え、先に帰った。
もともと強引に引っ張り出したのだし、それ以上の無理強いもできなかった。

『疲れたから先に帰るね。黒子は2人に付き合ってあげて』

尤も、引き止める暇もなく、美琴は姿を消していたのだが。

それから1時間後、無事に帰りついたか分からなかったため
一度黒子は美琴に連絡を入れた、が、メールに返信もなく、電話も繋がらない。

さらに1時間後、そのまた1時間後の2回に渡り、
変わらず美琴に連絡がつかない黒子は寮監に連絡を入れた。

『御坂か?いや帰寮してるという記録はないぞ』
「そうですか・・・」

あれから3時間経ってもまだ寮に戻っていない、となればいくつかの予測が立つ。

まず帰る途中で倒れたという推測。

しかしこれなら通行人や風紀委員、アンチスキルなどの通報により
病院へ搬送されるだろうし、そうなれば寮監にも連絡が行くはずである。
それがないのだから、まずその心配はないだろう。

次に、帰らずどこかで寄り道をしているという考え。

平常時の快活な美琴であればコンビニに寄って雑誌を立ち読み
という事もあろうが、『あの』状態の美琴がそんな事をするとは、できるとは思えない。

そしてこの推測の中で浮かび上がるのが、あの類人猿、上条当麻だ。

黒子の目を盗んで、逢瀬を愉しんでいる・・・とも正直思えない。
が、それでも美琴が行きそうな心当たりが他にない。
仕方なく、黒子は当麻に電話を入れたのだった。

結果的には空振りの三振。
こうなると黒子には見当もつかない。

そこで情報とデバイスを求めて、差し入れを持って
第一七七支部に顔を出した訳なのだが、支部はそれどころではなかった。

仕方ない。黒子は腹をくくって目の前の書類を猛烈な勢いで片付けていった。




426 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 23:03:29.03 ID:Ds4ZixMo
一方の上条当麻は、勢い良く飛び出してきたものの、
どこに行ったかもわからない美琴を探すのに迷走していた。

学園都市は広いのだ。ただ無闇にアテもなく走り回っても仕方ない。

(落ち着け。落ち着いて考えろ)

当麻は自分の中であの時の事を思い浮かべた。

(御坂は、ハッキリいって正常な精神状態じゃなかった)

(心神喪失・・・って言うんだっけか、ああいうのって・・・そんな感じだったよな)

(そんな状態で歩いたり走ったりする時、人間ならどう動く?)

つい最近、自分も似たような状況に陥っている。
そう、黒子が現れ、美琴共に、決別の言葉を残して消えた時。

自分は無意識的に自宅へと帰りついた。

『自分の知っている道を通って、自分の知っている場所へ着いた』

もしかしたら、アイツも似たような行動を取るかもしれない。
もちろん確信も何もない、が、闇雲に動くよりは余程マシだろう。

「・・・とりあえず、常盤台の学生寮まで走ってみるか・・・?」

黒子が帰ってないと言ったのだから、寮には恐らくいないし、
自分1人で帰ろうとはしないのではないか、『あの』状態の美琴は。
『まだ帰っていないのなら、恐らく自分では帰らない。』
それは、1つの確信だった。

もし帰るならとっくに帰っている。あれから2時間以上経っているのだ。
今帰っていないなら帰るつもりはない。
しかし、美琴が本当に知らない場所には行かないだろう。

雨の学園都市を、服が濡れるのも構わず、当麻は駆け出した。




427 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 23:03:57.13 ID:Ds4ZixMo
その頃、美琴はまだ第七学区を歩いていた。

しかしその足取りは重く、鈍い。
まるで靴の裏にタールがまとわりついているようだ。

肩を落とし、背を丸め、俯きながらのろのろ歩く美琴を
周囲の通行人は一瞥しながら邪魔臭そうに避けていく。

(・・・もう・・・もう・・・なにも・・・かんがえたく、ない・・・)

美琴は学園都市を漂う。

ふらふらとおぼつかない足取りではあるが、
『どこか』へ向かって、美琴は着実に進んでいくのだった。




428 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 23:05:36.37 ID:Ds4ZixMo
時刻はもう20時を過ぎた。日没から3時間以上が経過している。

『白井か、御坂ならまだ戻っていないぞ』

まだ帰っていない。
さすがに寮監も訝しんでいる。

これ以上は誤魔化せそうになかった。

『4時間強、か。何か問題に巻き込まれている可能性が強いな』
「ええ・・・ジャッジメントで事務作業を行いながら情報が得られればと思ったのですが・・・」

『念のため、アンチスキルにも連絡を入れておけ。
 今日は動くのも大変かもしれんが何もしないよりは良い』
「はい、お姉様に何かあってからでは遅すぎますから・・・」

『そういう事だ。こちらの手続きはしておく。何かあったら連絡を入れるように。
 あぁそれから、白井は門限後の帰宅予定という事にしておくぞ』
「お願いいたします。ありがとうございます」

電話を切った黒子は天井を仰いだ。

「・・・お姉様・・・いったいどちらにいらっしゃるんですの・・・」




429 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 23:06:16.54 ID:Ds4ZixMo
一層温度が低くなった風が、強く美琴を打ち据える。

前方には橋。学園都市に流れる川に架けられた大橋だった。


ここで、誰かと、戦った。


ソイツはレベル0の無能力者のくせに、なぜかレベル5の自分の攻撃が効かない。

ソイツはレベル0の無能力者のくせに、なぜかレベル5の自分と同じ高さの目線。


それが、鬱陶しくて嫌いだった。

学園都市の誰もが一目置く自分を、ただの女子中学生扱いする『アイツ』が嫌いだった。


そんなアイツが、文字通り命がけで、自分を助けてくれた事が
どうにかなりそうなくらい嫌だった。

いつからか、アイツを失う事が、嫌だった――。




430 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 23:06:46.32 ID:Ds4ZixMo
「あれあれ?かーのじょ、こんなトコで何してんの?」
「雨に濡れてビジョビジョじゃんって・・・おいおい、もしかして常盤台の制服?」
「ひょー!お嬢様かよー!こりゃ丁重に扱ってやらねぇとなぁ!」

遠くで誰かの声がする。

「うっは!めちゃ可愛いじゃん!俺好みだぜぇ!」
「あんま胸はねぇけどまぁそれもオツなもんだな」

カラダが、誰かに触られてる。

「なんだ、抵抗しねぇの?つっまんねーなぁ」
「いやいや、こりゃつまり同意ってことだろ?レイプじゃありませーんってな」
「なるほどな!まっ、ここんとこレイプばっかだったし、たまにはこういうのもアリかぁ!?」

いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。

頭の中で警報がうるさく鳴り響くのに、冷え切った体はピクリともしない。電気も発生しない。

気持ち悪い。気持ち悪い。気持ち悪い。気持ち悪い。気持ち悪い。気持ち悪い。
気持ち悪い。気持ち悪い。気持ち悪い。気持ち悪い。気持ち悪い。気持ち悪い。

下衆な笑い声。まさぐられる体。煙草と酒の混じった臭い。

なのに、抵抗できない。できる体力と気力がもうない。

(もう・・・アタシには・・・なにも、ない・・・)




431 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 23:07:23.01 ID:Ds4ZixMo
視界に映るのは降り続ける雨と灰色の雲。
何もない自分には格好の視界。


モウゼンブ、オワッチャエ・・・。


――――――。


なんで・・・なんで・・・。

もう、何もかも、いらないのに。

もう、何も、残ってないのに。

なんで、アンタが、浮かんでくるのよ・・・!

「い、やぁっ・・・」
「お?」
「やめっ・・・やめ、て・・・」

あらん限りの力で振り絞った声は蚊が鳴いたように小さい。

「おいおい、やっぱ抵抗するのかよ」
「まっ、和姦が強姦になっても全然かまわねぇけどな」
「それに俺、この子の声聞いたら一気に興奮したわ」

ただ、男達の欲望を加速させるだけ。
その手は、美琴のスカートへと伸びていく。




432 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 23:08:18.84 ID:Ds4ZixMo
「い、や・・・」
「おっ、なんで短パンなんて穿いてんだぁ?」
「こういうのもアリだろ、マニアックで」
「ちげぇねぇわ」
「たす、けて・・・」

ぐじゃぐじゃに。でたらめに。空っぽのままで。

「こんな辺鄙なところ、誰も来ないぜ。ご愁傷様」

それでも、美琴は、声を上げた。

「助けて、当麻ーーーーーーーーーーーーーー!!!」

「俺の女に何してやがんだ、てめぇらぁぁぁああああ!!」

ゴスッ

「がっ!?」
「な、なんだてめぇ!!」

容赦なく、しゃがんで下半身を露出していた男達の背中を、頭を蹴り飛ばした。

「・・・」
「こ、コイツ・・・ふざけやがって・・・」

男の1人が右手から炎が現れる。

「レベル3の発火能力、食らってみろぉぉぉおお!」
「・・・」

勢い良く放たれた炎の塊はしかし、何の効果もなく空中に霧散した。




433 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 23:08:59.25 ID:Ds4ZixMo
「な、なんだ・・・と・・・?」
「てめぇ・・・ナニ、モンだぁ・・・?」

無言で、傍若無人に距離を詰める。

「ひっ・・・!」
「う、おぉ・・・」

「俺が誰だとか、そんなもんは関係ねぇ」

「だがよ」

「その女に手ぇ出した代償は高くつくぜ」

さらに距離をつめる。

「す、すま・・・悪かった!悪かったって!ああああ謝るから!な!?」
「ゴメンで済んだらジャッジメントもアンチスキルもいらねぇんだよ!!」

駆け出して、腕を思い切り振り上げた。

「お待ちなさい!」

雨夜を切り裂くように響いたのは

「・・・その3人、ジャッジメントが預かりますわ」

風紀委員 第一七七支部所属、白井黒子だった。




434 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 23:09:41.07 ID:Ds4ZixMo
「白井・・・」
「だから、その物騒な右腕を降ろしなさいな、上条当麻」

地面に這い蹲った男達は突然の展開についていけない様子で2人を恐る恐る観察していた。

「学園都市最強である一方通行を打倒した貴方にかかれば
 こんなチンピラ、ものの5分とかからないでしょうけど
 貴方の右手はこんなところで汚して良い物ではないでしょう?」
「・・・白井・・・」
「お姉様のことは、お願いいたします」

深深と頭を下げる黒子に、当麻は腕をおろし、くるりと後ろを向いた。

「さて、貴方がたはアンチスキルの詰め所近くまで連行します。初春、佐天さん」
「はいっ、白井さん」

手錠といくつかの道具を手に、現れたのは初春と佐天の2人。
観念した様子の男達に手際よく装着していった。

「サンキュな、白井」
「いえ・・・貴方からの連絡があったからこそ、ですわ」




435 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 23:10:16.87 ID:Ds4ZixMo
「大橋、ですか?」

15分前、黒子は当麻と電話越しにコンタクトを取っていた。
電話をかけたのは当麻から。

黒子は電話を取るか迷ったが、先ほど自分から連絡した以上、
ここで無視する訳にもいかなかった。

『ああ。行くとしたら多分あそこだ』
「根拠があって言ってるんでしょうね?」
『そんなもんはねぇよ』
「・・・」
『でも、確信に近いもんはある』

言い切った。そんな当麻に、黒子は先ほどまでの当麻とは違うように感じる。

「ならさっさと迎えに行って差し上げるべきなのでは?」

探るように黒子は尋ねてみる。

『言われなくても今走って向かってる。ただ、気になるのは時間だ。
 もしかしたら何か事件に巻き込まれてるかもしんねぇ。
 そうなったらジャッジメントとかそっちの管轄だろ?』

それは痛いほど分かっている。そしてその一事を黒子たちは案じていた。

「分かりましたわ。わたくし達もすぐに出ます」
『ああ。なんか嫌な予感がする。頼むぜ』

電話を切って顔を上げる。

「どなたからだったんですか?」
「・・・上条当麻からですの」
「えっ?上条さんですか?どうかしたんですか?」
「出ますわよ、初春、佐天さん!」
「えぇっ!?は、はいっ!」

大橋と言っても学園都市にはいくつかの橋が存在する。
この川に掛かる橋だって複数あるのだ。

正確にどの橋か分からない黒子たちが
結果的に2つ目で当たりを引いたのは僥倖だった。




436 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 23:11:02.60 ID:Ds4ZixMo
当麻は美琴を抱き起こし、肩に寄りかからせた。

冷たすぎる体にギョッとして、強く抱き寄せた。

「・・・止めるか、白井?」
「・・・答えは出たんですの?」
「あぁ――」

「俺は美琴が好きだ」

冷え切った美琴の身体がやにわに熱を帯び始めた。
ただ力を失って当麻にもたれていただけの美琴の身体が当麻にぴたりと寄り添う。

「なら何も言う事はありませんわ。それと、寮監にはうまく話を通しておきます。
 今夜は寮に帰らなくても結構ですわよ」
「・・・そ、それって・・・」

満足そうに告げる黒子に美琴は顔を赤らめた。
ああ。何も悔いはない。
美琴のこの幸せそうな表情が戻ってきた事が、何よりの喜びだ。

近くまで迫っていたサイレンの主が姿を現した。
アンチスキルの護送車だ。

「ワタクシたちの仕事はここまでですわね。初春、佐天さん。帰りましょうか」
「はーい」
「御坂さん、上条さん。お2人とも、お幸せに~」

佐天の言葉に顔の紅潮をさらに高めた美琴と、照れくさそうに笑う当麻。

それを見届けて、黒子たち3人はテレポートでその場を後にしたの。

「帰るか、俺達も」
「うん」




437 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 23:12:14.44 ID:Ds4ZixMo
そこから当麻の家に帰り着くまで、2人は無言だった。

と言っても、2人の顔から微笑が絶えることはなかったし
いつかのデートの時のような、気まずい沈黙ではありえなかった。

それに、美琴も当麻も、疲れきっているのが正直なところだ。

12月の雨の中、傘も指さずに走り回っていたのだから。

「ただいまーっと」

沈黙を破るように当麻が。それに続けて美琴も。

「・・・アタシも、ただいまって言って、良いのかな?」
「当たり前だろ?」
「・・・ただいま」
「おかえり!御坂!」

温かい安堵が美琴の心の中を満たしてゆく。

「当麻も、おかえりなさい」
「あぁ、ただいま、御坂」

そうして2人とも、どちらからともなくおかしくなって笑い声をあげ、
ひとしきり笑うと唇を重ねた。

舌も絡めない。唾液の交換もしない。ただ唇と唇を重ねるだけのキス。
でもそれがあまりに甘美で、相手の体温を感じるのが幸せで、
それまでのどんなキスより、互いに1つになれた気がした。

「と、とりあえずさ、風呂入れよ。身体冷えてるだろ?」
「う、うん・・・でも、それを言ったら当麻だって・・・」
「まぁ、良いんだよ。上条さんは男の子ですから!」

と強がってみたものの、寒くない訳がない。
ごくごく自然に、美琴は提案した。

「じゃあ、一緒に・・・はいろ?」




438 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 23:13:13.78 ID:Ds4ZixMo
冷えた身体を急激に温めるのはあまり良くない。
少し温めのお湯にして2人は浴槽に身体を埋めた。

「あー・・・あったけぇ・・・」
「だね・・・」

お互いの肌が触れると、驚くほど冷たい。

当麻は悪い事したなと反省し、
一方の美琴は、こんなに冷たくなるまで探してくれたんだと感謝した。

濡れた髪を肌に貼り付けたまま当麻の肩に頭を載せる美琴。
当麻も、美琴の頭の上に頭を載せ返した。

やはり無言。でも心地良い。

「へへ・・・」

思わず美琴が笑いを零した。

「・・・なんだよ・・・」
「えへへ」

美琴は答えない。

「・・・はは・・・」
「なによー?」

当麻も、答えなかった。




439 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 23:13:41.79 ID:Ds4ZixMo
入浴し始めてから20分。美琴も当麻もだいぶ体温が戻ってきたようだ。

「ちょっと温くなってきたかなぁ」
「そうね・・・もうちょっと熱くしても良いかも、でも・・・」
「ん?」
「・・・当麻に直接、温めてほしいなー・・・なんちゃって」

心臓がどっくんと大きく跳ね上がった。

上目遣いにこちらを窺う美琴が可愛くて仕方ない。
ほっぺも耳まで赤く染めてニコニコしている。

「い、いや」

だが当麻は踏みとどまった。

すぐにソッチへ流されてばかりというのは良くないのではなかろうか。
前回芽生えた一種の罪悪感が当麻を苛んでいる。

「ねぇ、当麻」

しかし、美琴は変わらず。当麻の不安を見透かしたように。

「恋人同士なら、いいでしょ?」

満面の笑み。

恋人。こいびと。

その響きに当麻の小さな葛藤は脆くも崩れ去ったのだった。




440 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 23:14:25.15 ID:Ds4ZixMo
「優しく、するかんな」
「いつもやさしーじゃない」

軽く唇を触れ合わせるキス。
短く、それでいてゆっくりとリズムを刻むように。

「へへ」
「な、なんだよ?」
「とうまのキス、好き」
「なっ・・・!」

にへらと笑顔で、美琴は当麻の唇を更に追撃する。

「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ」

当麻ももちろんそれに応える。
浴室に2人が唇を重ねる音で満ちていく。

温かい、そしてどこかくすぐったい気持ちで満たされていく。

(くそ・・・なんでこんな可愛いんだよ・・・)

目の前の美琴は、にこにこして至福の顔で当麻のキスを受け入れている。
優しくする、なんて言ったけれど、軽い気持ちで言った訳じゃないけれど
強く抱きしめて、強く求めたい気持ちが外に出ようと必死に暴れている感覚。

変な緊張で震わせる腕を、美琴の腰へと巻きつける。

「あ・・・」

美琴の肩にゆっくりと顔を埋める。

「・・・とうま・・・」




441 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 23:14:57.46 ID:Ds4ZixMo
はむ、と上下の唇で美琴の肩を啄ばんでやるとピクリと身体を震わせた。

「は、ん・・・」

鼻に掛かった声のような息、または息のような声が漏れる。
少しずつ、少しずつ。ゆっくりと下へ、唇を這わせていく。

ぴくぴくと美琴の身体が反応する。

胸の辺りに差し掛かるところで当麻は顔を上げて美琴の顔を見た。

「とう、ま・・・」

するりと美琴の白くほっそりした指が当麻の肉棒に絡められた。

「う・・・」
「へへ・・・もうこんなにおっきくなってるんだね」

言いながら美琴はゆっくりと竿を上下に扱き出した。
円運動を加えながら、いとおしい物を扱うように。

すると当麻も負けじと手を伸ばす。美琴の秘所、その割れ目へと。

「あっ・・・!」

美琴が目を閉じ、さらに顔を赤らめた。
そこは、お湯とは違う何かでぬるぬると濡れていた。

「ん・・・んっ・・・」

当麻は割れ目には指を入れず、その周りを撫でるように、掬うように手を動かす。
一方の美琴も、自らに及ぶ快感に抗いながら当麻の肉棒を丹念に擦り続けた。




442 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 23:15:36.64 ID:Ds4ZixMo
(やべ・・・)

当麻を襲う一種の予感。

(最近ヌいてなかったしご無沙汰だったから、すぐに出ちまいそうだ・・・!)

美琴とのデート以来、性欲も湧かなかったので文字通り手付かずのままだったのだ。
それがいきなり女の子の手にシゴかれては溜まったものではない。
いや、溜まっているからこそ果ててしまいそうだった。

「とうま・・・?」
「・・・っ!」

すぐにでも入れたかったが、優しくすると言った手前、それはまだ我慢すべきだ。
だが身体はそう簡単に言う事を聞いてくれないのが現実。
もし、一度でも射精感が起きれば止めるのは不可能に近いだろう。

「・・・ねぇ、とうま?」
「な、なんだよ?」

ちょっと声が裏返ったような気がするが全力でスルーすることにする。

「もしかして、もう出そう?」
「!!」

いきなり言い当てられた当麻はドキッとしたがここは男の威厳だ。

「そ、そんな訳ないだろ?いくら御坂の手が気持ちよくてもだな」
「んーでも、とうまって、出そうになるとピクピクして、こっちがきゅってなるのよ」

そう言ってもう片方の手でふぐりを優しく包み込んだ。

「っ・・・!」
「うんうん、やっぱりちょっときゅっとなってる」

少し余裕を取り戻したのか美琴の目には怪しげな光が宿っていた。




443 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 23:16:19.51 ID:Ds4ZixMo
「ほらほら、正直に言いなって~♪」

なんだか楽しそうである。
美琴にはこういう一面もあるのだ。
基本的に根がS、攻めらしく、こういったシーンではその貌が表に出る。

観念した当麻は白状せざるを得なかった。

「あぁ、そうだよ。そうでございますよ・・・久しぶり過ぎて溜まってるんですよ・・・」
「もしかして、アタシと会えない間、一度もヌいてない?」

首肯。

それを見て美琴は、にへらと笑った。

「ねぇ、ここに腰掛けてよ」

言われるがまま当麻が座ったのは浴槽の『へり。』
お湯に膝下だけを突っ込み、その脚の間に美琴が鎮座した。

「お口でしてあげる」

にっこり笑って唇を指差す美琴を見て、また当麻の肉棒がびくんと動いた。

「ふふ、こっちも喜んでるみたいだね」

そう言って、ちゅっと亀頭に口づける。
びくっと今度は当麻が腰ごと身体を浮かせた。

「あーもう、動いちゃだめよ」

美琴は右手を当麻の屹立した男根に添え、左腕で当麻の脚をホールドする。

「イく時は、先に教えてね」

上目遣いにそう頼む恋人に、当麻は顔を真っ赤にして頷くしかなかった。




444 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 23:16:47.52 ID:Ds4ZixMo
「あーむっ」

嬉しそうに当麻のモノを咥え込む美琴がたまらなくエロ可愛い。
ああそうか、エロ可愛いとかどこの世界のスイーツの修飾語だよ
と思っていたけどこんなすぐ近くに存在するなんて。

美琴がだらだらとじるじるじゅくじゅくと甘い唾液まみれになった肉棒を
なめまわし、ねぶり、すすり、ほおばり、吸い上げる。

美琴の痴態に当麻の思考回路までどろどろになってしまいそうだ。

わざと音を立てて男の股間にむしゃぶりつく美琴は
あまりに下品であまりに優雅で、あまりに淫靡だった。

「わらわらほんはほんにゃやいあやえ」

まだまだ、こんなものじゃない。
これ以上何があるってんだと当麻は身構えた。

今でさえ、とてつもなく気持ちよくて、果ててしまいそうで
しかしもっと味わっていたいがために懸命に堪えているというのに。

美琴は当麻の腿をロックしたままの左腕をもぞりとズラして肘から先を
当麻の股間へと這わせていく。

そして、その手は怒張した男根の下を過ぎ、睾丸を無視して、1つの孔へ辿り着いた。

「が、ぁっ!?」

呻く。

「ここって、気持ち良いらしいよ?」

それは絶妙の加減で。
微弱に放出された電気が、当麻の菊門を堅く閉じる括約筋が強制的に収縮させられた。
すかさず美琴の人差し指が捻じ込まれ、瞬間。

「ぐ、アッー」

腰から迸ったのは圧倒的な超絶の快感。
いや、快感などと呼称するのもおこがましい程の衝撃。

申告などできようもない。
当麻は美琴の顔に、物凄い勢いで大量の精液を放出した。




445 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 23:17:13.08 ID:Ds4ZixMo
「も~、ちゃんと先に教えてって言ったのに・・・」
「いや・・・お前な・・・あれはムリだろう・・・」

あまりの衝撃に当麻の虚脱感は大変なものだった。
これほどの射精は今までに体験した事がないほどのものだ。

かつて美琴と浴室で自慰した時も衝撃的だったが、
インパクトで言えば今回はアレ以上だ。

「へへー。まぁ実は前から試したかったのよね」
「今のか?」

うん、と。美琴は得意そうに頷く。

「でもアンタに触られてると電気出せないから、ちょっと心配だったんだよね」

それは、確かにそうだ。右手で触れていなければ大丈夫なのだろうか?
しかしそれを美琴に教える事が、今後の2人にとって良いのかどうか。
未来を想像して、今回は黙っておくことにした。

「にしてもすっごいいっぱい出たね♪」
「っ・・・!」

美琴は顔にぶちまけられた精液に嫌がる素振りもなく
丁寧に指で掬い取って、口に入れた。

「お、おい?」
「これニガいんだね・・・」
「いや、そもそも食べるもんじゃないですから」

そう言ったにも関わらず美琴はそれを丹念に掬っては口へ運ぶ。

「マズいだろ?ていうか身体に悪くないんだろうか・・・」
「タンパク質でしょ?大丈夫よ」

かなりの量があったにも関わらず、結局美琴は髪についたもの以外は全て飲み込んでしまった。

「さて、まだまだ元気みたいだし。第2ラウンド、良いわよね?」




446 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 23:17:44.09 ID:Ds4ZixMo
(コイツなんかちょっと余裕って感じだな・・・)

主導権を握られたと見るべきか。
しかし先ほどのアレがあっては致し方ない。
当麻は面白くないと思いながらも、魅力的な美琴の申し出を断る理由は皆無であった。

というか、もう我慢できない。

こちらに向けられた可愛らしいヒップを下から抉るように、肉棒を突きたてた。

「あっ、あぁ、ぁんっ!」

久しぶりに挿入する美琴の膣内は少々以前より狭く感じた。
しかし、既にお互い弄りあっていた段階からだろう。
中は愛液に溢れていて侵入を拒むどころか、飲み込まれていくような感覚さえあった。

「いっきに・・・きたぁ・・・」
「・・・いや、だったか?」
「う、ううん!ううん!」

かぶりを振って否定する美琴。

「きもち、いいっ、よぉ・・・!」

先ほどまでの余裕はどこかへ行ってしまったらしい。
そしてそれは美琴だけでなく、当麻にも同じだ。

少しキツめの膣内は別にイく直前でもないだろうにきゅんきゅんと当麻の息子を締め付ける。
大量の愛液が結合部から溢れ、抽送によって泡を作りながら浴槽の中、お湯へと落ちて混ざる。

「あっ、うくぅっ、ひゃ、あぁっ」

(さっき射精してなかったら、すぐイっちまうとこだったな)

それでも襲い来る射精感。
とにかく美琴の中はキモチイイ。熱くて温かくて柔らかい。
気を紛らわそうと当麻は美琴の背中に覆いかぶさって、手のひらを胸に回した。




447 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 23:18:15.75 ID:Ds4ZixMo
「あ、い、いま、胸・・・らめ・・・」

胸を揉むと大きくなるというのは都市伝説だと思っているが
初めての頃に比べて少し成長したような気がする。

それでもまだまだ控えめという表現が正しい。が、感度は抜群だった。

手のひら全体で胸を撫でながら指の先でピンと固く立った乳首を摘む。

「ひゃっ!」

円を描くようにこねくり回す。

「あぁっ」

くりっと押し込む。

「んぅっ!」

くいっと引っ張る。

「ふあぁぁっ!」

面白いように美琴と膣が反応する。
可愛くなって背中にキスをした。

「ふゎ・・・」

美琴の反応1つ1つがいとおしい。嬉しい。

「と、とうまぁ・・・キス・・・キスぅ・・・してぇ・・・!」

ぐちゃぐちゃに唾液が零れるのも厭わずに舌を貪るように絡める。
美琴は懸命に舌を動かしながら当麻の唾液を啜る。
当麻は更に腰の動きを加速させていった。




448 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 23:18:47.50 ID:Ds4ZixMo
腰と腰、骨と骨、肉と肉がぶつかる音。
とめどなく溢れる愛液がぱぢゅんぱぢゅんと激しく音を立てて飛沫を作る。

「はっ、あっ、あっ、あぁっ、や、はぁっ」

美琴の肌もいつしか冷え切った青白から染め上がったような桃色に熱を帯びている。
さっきから、つまりは乳首を弄った辺りから、美琴の膣圧は如実に変化しており
キスによってその流れはさらに加速した。

「あっ、ふぁ、はっ、はっ、あんっ、あぁっ、あんっ」

美琴が、当麻の絶頂の前触れが分かるように、
当麻もまた、美琴のそれを既に学習している。

短い、音楽で言うスタッカートのような息遣い。
小刻みに痙攣するような断続的な膣圧。
そして、当麻の身体に、まさぐるように手を這わせてくる。
さらにこれが正常位だと脚を腰に強く絡める。
要は、ありとあらゆるところをできるだけ当麻と密着するように動く。

まさに今、そうなのだ。つまり、美琴の絶頂が近い。
それを感じた当麻はピストンの動きをさらに速めた。

「とうまっ、とうまっ!すき!すき!すきぃっ!」
「お、俺も、好きだっ!み、『美琴』!」

応えた瞬間、美琴の膣がかつてないほど急激に収縮した。

「~~~っ!?」
「ーーーーっ!!」

搾り取られる。根元から咥え込んで離さない。
それは射精と言うより最早搾取。

背中を弓のようにしならせて身体ごと痙攣させながら絶頂に達する美琴。
そしてその中に注ぎ込まれる精液の量は、先ほどより多いくらいだった。




449 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 23:19:22.70 ID:Ds4ZixMo
膣圧がようやく落ち着いて弛緩し、当麻はズルリと肉棒を引き抜くと、
子宮内に入りきらなかった精液が、カリに掻き出されるように美琴の中から零れ落ちた。

ぽたんぽたんと、お風呂のお湯に白濁とした粘液が波紋を作るのを
当麻はどこか遠い場所のように感じていた。

「はぁ、はぁ・・・あ、もったい、ないね・・・」

ようやく『帰って』きた美琴もまた自分の中から滴る精液をぼんやりと見ていた。

「いきなりイくなよな・・・ビックリしただろうが」
「うー・・・いきなりって言うなら当麻でしょお」
「な、なんだよ?」

美琴はもじもじと恥ずかしそうに指を動かし、顔をやや背けて言った。

「だって、当麻が急に名前で呼ぶんだもん・・・」
「え・・・」

怒ったような顔、うなだれたような顔、考えるような顔、睨むような顔、しかし最後には恥ずかしそうな顔で。

「・・・普段、苗字でしか呼んでくんないし・・・さ・・・」
「う・・・」

なんとなく沈黙。

「あー、もう、仕方ねぇなぁ」
「な、なによ」
「可愛いっつってんだよ、美琴」
「な、えっ、あ・・・?」

そうして美琴は顔を真っ赤にして。

「ぷっ・・・くっ、あっはっはっは」
「な、なによもう!ば、ばか!」

2人で笑ったのだった。




450 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 23:19:57.29 ID:Ds4ZixMo
シャワーで汗やら愛液やら精液やら唾液やらなんやらを洗い落とし
2人は浴室から外へ出た。

いつからか買い備えられた美琴用のタオルと着替えの予備。
すでに上条家は2人の家になっていた。

「制服どうしよう・・・とりあえず洗って干すっきゃないかぁ」
「今日のところは仕方ないな」

ふと、美琴が外の様子に気がつく。

「あ・・・雪だぁ」
「ホントだ。いつの間に変わってたんだ?」

窓際に立つ2人。
しんしんと静かに降り積もる雪を眺めていると、不思議と気持ちが落ち着いた。

「・・・ねえ」
「ん?」
「・・・なんで、インデックスとデートしてたの?」

視線を外から美琴へと移して、美琴を真正面から見据えた。
その点は、説明しなければならないところだろう。

「いやまぁ、確かにそれはうーん、軽率だった、のか?」
「・・・」

そう言って当麻は部屋の中、机の上に置いておいた1つの紙袋を手に取った。

「これ買うのに選ぶ手伝いしてもらったんだよな。俺1人じゃどうにも不安でさ」

ツヤ消しされた黒くてちっちゃな紙袋。
その中にどう言った類のものが入っているかは容易に予想がつく。

「え、も、もしかして、それって・・・」




451 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 23:20:53.05 ID:Ds4ZixMo
「ホントはな、お前に謝って、これ渡そうと思ってたんだよ」

ゆっくりと美琴に歩み寄る。

「なんか順番がめちゃくちゃになっちまったなぁ。いろいろ考えたんだけど」

そして当麻は美琴の目の前で立ち止まった。

「美琴。不安にさせてごめん。曖昧なままでごめん。ハッキリできなくてごめん」
「当麻・・・」
「お前のことが、好きだ」

「とう、ま・・・」

美琴の目に涙が溢れる。

「それで、良かったらコレ、受け取ってくんねーかな」

「どゔま゙ぁ・・・っ」

みっともないくらい、子どもみたいな大粒の涙を零して、美琴は当麻に抱きついた。




452 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 23:21:20.60 ID:Ds4ZixMo
美琴は当麻の胸に、当麻は美琴の髪に、それぞれ顔を埋めていたが
どちらからともなく、名残惜しそうに離れた。

「これ、開けても良い?」
「もちろん。あーでもやっぱテレる!あ、後にしませんか?」

クスッと笑うと美琴は、

「やーだ。一秒でも早く見たいもん♪」

そう言って丁寧に袋を開けた。

「あ・・・」

入っていたのはネックレス。
プラチナのクロスの真ん中にピンクサファイヤがあしらわれている。

「綺麗・・・」

頬を赤らめて目をキラキラ光らせてアクセサリに見入る姿は
どこからどう見ても年相応の女の子だ。

「ねぇ!これ着けて良い?」
「むしろ着けてもらえなかったら割と凹むと思います」

慣れた手つきで、鼻歌さえ歌いだしそうな浮かれっぷりで美琴はネックレスを身につけた。
さすがに女の子だけあって、その動きは淀みなく。
一方の当麻はチラッと見えたうなじにドギマギしたりして。

「かわいー」
「気に入ってもらえたようで良かったよ」
「うん、ありがとう、とうま」

「すっごい嬉しい」




453 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 23:21:48.28 ID:Ds4ZixMo
「あー・・・」
「ん?」
「いや、今ふと気がついたんだけど、今日ってクリスマスイブなんだな」
「そういえば・・・」

最近日付とか曜日とかあまり考えずに過ごしてきた2人である。

「なんかクリスマスプレゼントと一緒になっちまったな」
「それを言ったら、アタシなんて用意してないわよ」
「いーよ」

ポリポリと頬をかいて当麻は。

「お前以上のプレゼントなんてねーからな」
「・・・アンタ、随分恥ずかしい事言ってるの、自覚してる?」
「・・・ええ、はい」

しかしジト目でこう切返した。

「でもお前、顔真っ赤だかんな」
「う、うるさいわね。嬉しいんだから仕方ないでしょ!」

照れ隠しか、美琴は力いっぱい当麻に抱きついて。

「へへ」
「・・・なんだよ」
「とうまー」


「だいすきっ」


おわり





455 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 23:27:08.27 ID:Pr7qg2w0
怒涛の投下ラッシュ乙




456 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/22(木) 23:36:11.36 ID:o9HkCkco
よかった。エロだとかどうだとか抜きで普通に感動した!
上条さんかっこいい!美琴かわいい!黒子もかっこいい!




465 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/07/23(金) 11:39:54.62 ID:EVKPbLgo
VIPでの乗っ取り(ていうか丸投げ)から随分遠くまで来たもんだ・・・。

この話の中での登場人物がある程度成長という名の改変だったり何なりがあって
原作とはだいぶ違う感じになってるけど、まぁ半分願望みたいなとこもあって
特にそれが如実に出たかなってのは佐天ちゃんとインデックスちゃん。

禁書さんはホントは可愛い子だと思うんだよ。
佐天さんは何気に頭良いんじゃないかと思う訳ですよ。

原作でももうちょい活躍の場があると良いなぁ。

ヒロインの座についてはすでに五和さんたちに大差つけられた感は否めないけど。

まぁそんな訳で。どんな訳で。多分もうスレ立てする事はないと思う。
総合はちょいちょい見てるしたまに短編書いたりしてるけどね。

寂寥感は尽きないけど、長い挨拶ほど無用のもんはないって事で。
最後にもう一度ありがとう。趣味と妄想の話しに付き合ってくれて。

あばよ!












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コメント
この記事へのコメント
  1. 名前:   #-: 2010/09/01(水) 22:31: :edit
    以下ゲッターイカ娘でゲソ!!
  2. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/01(水) 22:40: :edit
    02getだゲソ!
  3. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/01(水) 22:46: :edit
    ・・・・うむ!
  4. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/01(水) 22:48: :edit
    再びげっつ
  5. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/01(水) 22:54: :edit
    問題ない
         今読んでいる。
  6. 名前:   #-: 2010/09/01(水) 22:54: :edit
    インスマウスさんのふとももにおにんにんはさみたいよぉ
  7. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/01(水) 23:20: :edit

    ふぅ...

    作者乙です
  8. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/01(水) 23:27: :edit
    滑り込み一桁!!
  9. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/01(水) 23:33: :edit
    事後、そけいぶが吊ったんだが。
  10. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/01(水) 23:45: :edit
    て~ん!
  11. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/01(水) 23:55: :edit
    これは綺麗なインデックスさんでした
  12. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/02(木) 00:16: :edit
    ※6
    偽者めっ!

    こもえせんせいのふとももにおにんにんはさみたいよぉ
  13. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/02(木) 00:54: :edit
    まだ出てないよ~出てないよ~
  14. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/02(木) 01:27: :edit
    今なら正確に言える

    インテグラルさんえぇ奴や~
  15. 名前: 通常のナナシ #mQop/nM.: 2010/09/02(木) 01:29: :edit
    な…なんでインデックスルートじゃないんだよっ!(´;ω;`)ブワッ
    インデックスかわいそうなんだよ!(´;ω;`)ブワッ
    幸せになってほしいだろっ!(´;ω;`)ブワッ
  16. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/02(木) 01:32: :edit
    すげぇよかった
    感動しちまったじゃねぇか
  17. 名前: 名無しさん@ニュース2ちゃん #-: 2010/09/02(木) 02:18: :edit
    インポさん輝いたね!
  18. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/02(木) 02:52: :edit
    上条さんってインデックス助ける時のこと
    覚えてないよな
  19. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/02(木) 04:55: :edit
    ああ一気に読んだら時間ががが
    乙!みんなエエ子や…
  20. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/02(木) 05:11: :edit
    ホンマイングリッドさんはエエ人やでぇ・・・
  21. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/02(木) 10:22: :edit
    でっていう










                でっていう
  22. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/02(木) 11:31: :edit
    何だこの可愛いいきものは‥
  23. 名前: 名無しさん@ニュース2ちゃん #LkZag.iM: 2010/09/02(木) 12:30: :edit
    インなんとか…いや、インデックス良かったわ。
    佐天も黒子も。

    ただ、イブの行為はやっぱプレゼント後の甘甘でやって欲しかったわけですよ。
  24. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/02(木) 17:27: :edit
    こういう話はくっついて、一度離れて、またくっついて、ってお約束な上に、その布線をわざわざ分かりやすく提示してくれるから、ありきたりで面白みに欠けるな。
  25. 名前: ナナシと書いてナナシと読む #-: 2010/09/02(木) 18:06: :edit
    最後まで読んだけど

    やっぱ朝倉いいね
    てか鶴屋さんが活躍するとは
    思っていなかったから

    驚いたよ
  26. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/02(木) 18:46: :edit
    ※24
    だから良いんだろう
  27. 名前:    #JalddpaA: 2010/09/02(木) 20:56: :edit
    >>※24
    演出や心理描写次第で、どんなにありきたりな設定の物語でも面白く出来る、ってばっちゃんに向かってじっちゃんがピロートークで言ってた。

    なんか明確に恋愛までハッテンする話だと、上条さんが鈍すぎてぶん殴りたくなる展開が多いなw

    あとスポーツブラは、肌触り、極限までシンプルな見た目など、色々含めても最高だと言わざるを得ない。
    汗をかいた後や地味な色合いまで言及しているとレポート用紙10枚でも足りなくなるから手短に。
  28. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/02(木) 21:07: :edit
    なんでこんな駄作まとめたん?
  29. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/02(木) 21:41: :edit
    なんでインデックスルートじゃないの
  30. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/02(木) 21:57: :edit
    スフィンクス・・・
  31. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/02(木) 22:36: :edit
    ※28
    てめぇは俺を怒らせた。
    表ぇ出ろ
  32. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/02(木) 23:11: :edit
    本当の幸せを考えて好きな男から身を引くインポテンツさんマジ大人の女
  33. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/03(金) 00:46: :edit
    ぐ、アッーwwww
  34. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/03(金) 02:30: :edit
    インデラックスさんは結局どこに行ってしまった
  35. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/03(金) 04:36: :edit
    ぷん太さん、作者さん感謝!
    正直、早く先を読みたくて、途中で抜く事は出来ませんでした。
    これからゆっくり読み返してみたいと思います。
  36. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/03(金) 06:55: :edit
    結局この作品
    正ヒロインは誰なのよ
  37. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/03(金) 10:16: :edit
    ※31
    コメも明らかに伸びてねーし
    駄作なのは確定的に明らか
    作者涙目wwwwwwwwwww
  38. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/03(金) 21:26: :edit
    kome28
    お前の両親がお前見て何でこんな駄作になったんだろって言ってたぞ
  39. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/04(土) 01:59: :edit
    ベタだがそれがいい。
    そして米欄にインなんとかさん派多すぎて吹いたw

    俺もその一人だが。
  40. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/04(土) 11:57: :edit
    コメントが伸びてないのは
    製速だからじゃねーのってミサカは
  41. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/04(土) 12:10: :edit
    みこととかいう厨房かまってちゃんがなんで人気高いのか理解できないんですがwwwwww
  42. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/04(土) 16:42: :edit
    なんか後半ケータイ小説化してたな
    VIPまででやめとけばよかったのに
  43. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/04(土) 18:04: :edit
    米38が図星で顔真っ赤にしてる37が見えた

    米41お前鏡みてみろ 構ってちゃんが映ってるぞ
  44. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/04(土) 22:11: :edit
    顔真っ赤ってレスする奴って大抵自分も顔真っ赤だな・・・
  45. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/05(日) 12:09: :edit
    そげぶとビリビリが幸せそうで何よりです
  46. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/05(日) 15:14: :edit
    米41
    好きな人にかまってもらいたいのって当たり前じゃね?
  47. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/08(水) 17:10: :edit
    とりあえず俺得
  48. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/09(木) 02:44: :edit
    一気読みしてもうたじゃねえか!

    なによりです
  49. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/09/09(木) 04:29: :edit
    ごちそうさまでした!

    インデックス…けなげすぐる
  50. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/10/16(土) 22:27: :edit
    女攻めはいいな!
    積極的な御坂は実にいい!

    そして丁寧な小説だな。
    恋愛模様に嫌味がなくて、感情移入で胸が高鳴った。
    いい雰囲気なのに最後の暴漢のうるさいセリフがちょっと余計だったかも。
    でも面白かった。GJ
  51. 名前: あわきんマジあわきん #-: 2010/11/15(月) 01:43: :edit
    な、泣いちまったぜ
    最高だった!
    個人的にはまた作ってほしい
               でごわす
  52. 名前: 通常のナナシ #-: 2011/01/12(水) 07:22: :edit
    感動しますた!!!
  53. 名前: 通常のナナシ #-: 2011/03/19(土) 03:48: :edit
    ヒロインがいっぱいいすぎて必ず誰かが泣きを見るから悲しいぜ・・・
  54. 名前: 通常のナナシ #-: 2012/03/10(土) 21:13: :edit
    これは良い感動するSS
  55. 名前: マキト #-: 2013/02/24(日) 15:57: :edit
    文句の付け様があらへん!
    最高や!!!!!
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俺の妹がこんなに可愛いわけがない 黒猫 白猫Ver.
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