国木田「お互いに嘘を言いながら付き合って、幸せなのかな…」その1

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2010/04/18(日)
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 04:41:43.68 ID:mP/FTvlK0
高校一年の夏

俺は朝倉に恋をした。理由なんて何もない

ただ少し趣味と考え方が合って、俺から告白した

見事にオッケーをもらえ、二人で遊園地へ。初デートだった

週末は常にデートだった。SOS団の活動を疎かにしたつもりはない

でも確実にハルヒ達と話す時間は減っていた

このまま二年生になろうかという3月、朝倉から話をされた

朝倉「4月から、私引っ越すんだ」

キョン「え…」

朝倉「県3つ越えた場所なんだけどね。でももう気軽には会えなくなるわね」

キョン「それくらいだったら…会いにいくさ。4、5時間くらいで着くだろう?」

朝倉「でも普段は遠距離恋愛よ…?」

キョン「少しつらいけど…朝倉のためなら頑張れるさ。海外とかだったら流石にお手上げだけどな」

朝倉「…うん…ありがとう…」

今考えると、こんなにも好きだった気持ちが嘘のようだ




2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 04:43:42.81 ID:mP/FTvlK0
SOS団部室

古泉「噂、聞きましたよ」

キョン「ん、何がだ?」

古泉「月に1度、引っ越しした朝倉涼子に会いに行ってるんですってね」

キョン「ああ、そのことか」

古泉「しかし県3つともなると移動費もバカにならないでしょう?」

キョン「高校生にはキツい額だ…だから月に1回が限度でな」

古泉「あなたも、よっぽどですね」

キョン「…」

古泉「…最初は、涼宮さんに何か影響が出るのではと思ってましたが…」

キョン「その様子だと、特に何もないみたいだな」

古泉「ええ、僕の考えすぎのようでした」

月に1度、朝倉に会いに行く以外、俺の日常は何も変わらなかった

SOS団への参加、ハルヒや長門との会話

気付くと俺たちは三年生になり、進路を決める時期にまでなっていた




3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 04:48:26.50 ID:mP/FTvlK0
古泉「なんですって?」

キョン「俺…朝倉がいる街の大学行くよ」

古泉「…」

キョン「呆れたか?」

古泉「そういう訳ではありませんが…いえ…」

キョン「?」

古泉「親御さんはなんと?」

キョン「朝倉と付き合ってることも教えてあったしな。理解は示してくれてるよ」

古泉「そう…ですか…」

キョン「どうした?何か都合が悪いのか?」

古泉「あなたには話してませんでしたが…実は涼宮さんにも恋人が出来たんですよ」

キョン「…!いつから…」

古泉「三年生に進級した2ヵ月後ほどですね。男の方から言い寄ったみたいで」

キョン「へぇ、あのハルヒがなぁ…ハハッ、良いことじゃないか」




4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 04:51:05.06 ID:mP/FTvlK0
古泉「…その彼が住んでる場所がですね…朝倉涼子がいる街なんですよ」

キョン「…!」

キョン「偶然にしては…なぁ…」

古泉「ええ。でも正直意味がわからないのですよ」

キョン「ん…」

古泉「この2年間、あなたと朝倉涼子が付き合ってからも彼女の観察を続けていましたが…」

キョン「何もなかったんだろう?」

古泉「いえ、実は閉鎖空間は発生していたのですが…その…」

キョン「?」

古泉「空間の規模が小さすぎて…」

キョン「小さすぎる?」

古泉「ええ。神人も確かにいるのですが…全く動かないのですよ。機関では、問題無しと判断はしていますが…」

キョン「それがハルヒの付き合い始めた時期と重なると?」




5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 04:57:23.87 ID:mP/FTvlK0
古泉「…いえ空間が発生したのは、あなたが朝倉涼子と付き合い出した時期からですよ」

キョン「な…」

古泉「大事では無かったので言いませんでしたが…でも、やっぱり変なんですよ」

キョン「…」

古泉「考えてもみて下さい。単純にあなたに嫉妬しているなら、もっと直接的な事態が僕らを襲っているはずです」

キョン「確かにな…でも表面上は何もない、と」

古泉「この二年は何もありません…が、今回はそれが起こってしまいました…あなたと彼女が行く大学は、同じ場所なんですよ」

キョン「…は?」

古泉「あなたから大学の名前を聞いた時は冗談だと思いましたよ」

キョン「嘘だろ、そんなの…」

古泉「本当ですよ。大学の事にだけ関して言えば、あなたと一緒の学校に行きたい、と彼女が願ったのでしょう」

古泉「でなければ、こんな偶然はあるはずが…」




6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 05:03:34.42 ID:mP/FTvlK0
キョン「じ、じゃあハルヒが付き合ってる相手の事は…」

古泉「そっち方面は僕らもお手上げです…言ったでしょう。意味がわからない、と」

古泉「本来なら、朝倉涼子と別れさせる、あるいはあなたを別の大学へ連れてくでしょう」

古泉「でも他の男性と付き合い…尚且あなたと同じ大学へ行く…朝倉涼子の近くの、ね」

キョン「…わけがわからんな」

古泉「ええ…ですから我々も多分同じ学校へ行くでしょう。機関からもそう命令されてますので…」
キョン「我々ってことは、長門も…」

古泉「ええ。卒業した朝比奈さんも既にその大学へ転入手続きをしています」

キョン「…」




7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 05:07:55.05 ID:mP/FTvlK0
古泉「また彼女を取り巻く生活になりそうですね」

キョン「…あいつは関係ないさ。あくまで俺は朝倉の傍にいくだけだからな」

古泉「ええ…わかっています。」


もう一度朝比奈さんに会える。もう一度ハルヒや長門と学校生活が送れる

でも今の俺にはその名前はときめかなかった

今は涼子がいて、それだけで幸せ。もうすぐで涼子の近くに住める…

ハルヒが付き合い出した人間やら、他の人間関係はどうでもよかった

そして俺たちは卒業した




8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 05:12:55.04 ID:mP/FTvlK0
年生4月

大学生活が始まり、俺は新しい一歩を踏み出した

何もない部屋に一人…

入学式、着なれないスーツ。制服と雰囲気は似ていたとは言え、やはり別物だ

少しだけ広い体育館、大勢の新入生がいる

?「――キョン?キョンじゃないか!?」

キョン「え、あ…!谷口?国木田も?」
谷口「も…もしかしてお前もこの大学なのか…」

キョン「あ、ああ。そういう二人こそ…」

国木田「僕たちはやりたい活動があってね。学科も魅力だからこの大学にしたんだよ」

キョン「やりたい活動?」

谷口「この大学で推奨しているボランティア活動があってよ。街ぐるみでかなり大規模でな…」

国木田「まあ就職活動にちょっとでも有利になればってさ」




9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 05:15:27.96 ID:mP/FTvlK0
キョン「…それにしたって…谷口や俺はともかく、国木田はもっといい学校に行けただろうに?」

国木田「…正直、勉強も疲れちゃって。…少しだけ、ね」

谷口「ま、何にしろ3人また一緒だぜ!よろしくな!」

キョン「あ、ああそうだな」

ハルヒ「また3バカが、集まってるのね」

3人「――っ!」

ハルヒ「何よ、人の顔見てボケーッとして。バカみたい」

谷口「そ、そういえば涼宮もココだったな…」

キョン「ん、知っていたのか?」

国木田「3年生の時にクラスが一緒だったからね、キョンは別だったけど。彼女は確か…成績優秀で引き抜かれたんだったかな」

キョン「へぇ…そうだったのか(まあ、理由なんてハルヒの前ではどうとでもなるよな)」

ハルヒ「(じーっ)…」




10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 05:19:41.97 ID:mP/FTvlK0
キョン「な、なんだよハルヒ…」

ハルヒ「まあ、女の子のお尻追っかけて大学選ぶ人間とは違うって事よね」

キョン「…なっ「ナニィ!おい、キョン!なんだそりゃ!」

キョン「お、落ち着け谷口…く、苦しい…ぁ、朝倉だよ朝倉…」

谷口「…ああ、朝倉か。まだ付き合ってたのかお前ら。長いなー。2年くらいか?」

キョン「かれこれ3年だな。…というかハルヒ、人の事をなんだと…」

ハルヒはニヤニヤしながらこっちを見ていた

ハルヒ「あらぁ、何か間違ったこと言ったかしら」

キョン「事実だろうが、人前で出していい話題が…いや、まあこのメンバーならいいのか」

国木田「そうそ。みんな知ってるなら余計にさ」

キョン「だな。…さてそろそろ帰るか」

谷口「そうだな…顔合わせできただけでもな」

ハルヒ「…私は用があるから、これで失礼するわ。じゃあね」

プイッとハルヒはその場を去ってしまった




11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 05:22:05.75 ID:mP/FTvlK0
谷口「…なんだよあいつ、相変わらずだよな」

国木田「でも彼女から話してきてくれたんだよ?」

谷口「そう言えば…」

国木田「彼女も高校卒業して変わったんだよ」

谷口「そんなもんかなぁ…ま、俺たちに冗談言うくらいだから、確かにな」

キョン「…俺も帰るぞ。用事があるからな」

谷口「お、朝倉かぁ?」

キョン「…まあな」

国木田「授業の合間とか、僕たち多分学食に集まってるからさ」

キョン「ああ、何かあったら連絡もするし、またな」




12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 05:28:17.14 ID:mP/FTvlK0
家に帰りスーツを着替える

シャワーを浴び終え着替えた頃、ピンポーンと呼び鈴が鳴る

ドアが開く

朝倉「無用心だよ?」

キョン「来る前は開けておくんだ」

朝倉「えへへっ♪…スーツ着替えちゃったの?」

キョン「窮屈だからな」

朝倉「つまんなぁい…見たかったなぁ…」

キョン「そ、そんな甘えた声出されても…」

朝倉「…ふふっ、冗談よ。一緒にいてギューッでできればいいのよ」

そう言いながら彼女は優しく抱きついてくる…




13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 05:33:18.37 ID:mP/FTvlK0
長い髪…シャンプーの匂い…柔らかい…全部が彼女だ…

朝倉「…ねえキョン…」

キョン「…」

朝倉「チューしたい…」

キョン「ん…」

なにも言わず彼女の唇を引き寄せる

彼女がいるだけで…幸せなんだ…




15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 09:15:02.97 ID:mP/FTvlK0
大学に入って1ヶ月…授業にも変わった環境にも慣れ、過ごしていた

涼子が隣にいることも当たり前になっていた。

朝倉「ねぇ、キョン~キョン~♪」

キョン「んー…」

朝倉「晩ごはん何がいい?」

キョン「…いらない」

朝倉「…」

キョン「いらない」

朝倉「…私のご飯美味しくない…?」

キョン「いや…別に」

朝倉「…じゃあ私帰るよ。いても意味ないから…」

キョン「ああ…」

バタン、と玄関のドアが閉まる




16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 09:23:14.12 ID:mP/FTvlK0


……

ピリリリリ

メールだ

朝倉『一緒にいて、変わってしまったのはあなた?それとも私なの?』

俺は何も返さなかった。メールも…電話も

次の日、玄関のチャイムが鳴る。出迎えると、やはり涼子だった

まだ朝10時…今日は学校が休みでよかった。涼子ともう少し朝寝坊をしよう

そんな事を考えながら涼子を迎え入れる

キョン「よう」

彼女にペタリと抱きついてみる。彼女は何も言わず、ニコッと笑った

何も言わず、彼女は部屋に入っていく

バタバタと、部屋に置いてあった涼子の私物を片付け出す…




17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 09:29:01.33 ID:mP/FTvlK0
キョン「…」

その様子をボーッと見ている。何をやってるんだろう…

朝倉「ふぅ…片付け終わり。じゃあ、さようなら」

キョン「…?」

朝倉「あなたとはお別れよ。もう…一緒にいたくないの」

キョン「え…」

背中が痛い?ビリビリする

朝倉「じゃあ、さよなら。元気でね」

バタン

また玄関の閉まる音…何が起こったのか…わからない…

朝倉と別れた

ただそれだけの事みたいだ

ああ




18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 09:31:57.27 ID:mP/FTvlK0
1年生5月

別れてからしばらくは立ち直れなかった

失なって初めてその大切さがわかる…そんな当たり前の事がわかるには、まだ年齢が若すぎた

毎日学校に行きながら、自問自答

ある日、そんな事を考えながら過ごすのがバカらしくなった
キョン「…新しい事始めよう」

生まれ変わるとか、気持ちを切り替える…そんな単純な思いで俺は歩き出した

雨が降っていた

お昼過ぎの学食、生徒は疎らだ…大半が午後の授業に出ているのだろう

国木田や谷口、いつもの場所にみんなはいない

キョン「サボってるのは、俺だけか…」

踵を返し、家に帰ろうとする…もう一度傘をさし雨の中を歩く

キョン「…長…門?」




19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 09:35:45.42 ID:mP/FTvlK0
長門「貴方を…迎えに来た…」

言われるまま来たのは、サークルの部室が集まった棟だった
ガチャリ

長門「入って」

キョン「ここは…?」

長門「サークル活動の部室」

キョン「サークル…」

長門「ひよこ研究会…略してひよ研」

キョン「ひよこ…の割には生き物も何もいないじゃないか?」

長門「名前だけ…活動自体は、好きに集まって雑談するだけ…」




20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 09:37:02.46 ID:mP/FTvlK0
長門「貴方を…迎えに来た…」

言われるまま来たのは、サークルの部室が集まった棟だった
ガチャリ

長門「入って」

キョン「ここは…?」

長門「サークル活動の部室」

キョン「サークル…」

長門「ひよこ研究会…略してひよ研」

キョン「ひよこ…の割には生き物も何もいないじゃないか?」

長門「名前だけ…活動自体は、好きに集まって雑談するだけ…」




21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 09:41:32.61 ID:mP/FTvlK0
キョン「なるほどな。部外者の俺が入っていいのか?」


長門「自由。でも今部員が足りなくて困っている」

キョン「そうか…なら、俺も入れてくれないか」

長門「そのつもりで貴方を呼んだ」

キョン「…なあ、長門がいるって事はやっぱりみんなも…」

長門「残念ながら、SOS団のみんなはいない」

キョン「そうなのか…」

長門「…貴方の知りたい情報を少しなら提供できる」

キョン「情報…?」

長門「まず古泉一樹。彼はひよ研の向かいのボランティアサークルで活動している」

キョン「ボランティア…そういえば谷口と国木田もそんな事を言ってたな」

長門「その二人も活動している。とても積極的」

キョン「そうか…頑張ってるんだな」




22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 09:43:11.12 ID:mP/FTvlK0
長門「次に朝比奈みくる…彼女はこの大学の附属短大に通っている」

キョン「附属…?古泉の話だとこの大学に入る手続きをしていたと…」

長門「涼宮ハルヒのせい」

キョン「ハルヒ…何でハルヒが…」

長門「不明。予測では貴方との接触を妨害するため。これ以上の情報は皆無」

キョン「そうか…その当の本人は?」


長門「涼宮ハルヒ…彼女は…今とても幸せ」

キョン「幸せ…ああ、彼氏の事か」

長門「……コク」

キョン「そいつは結構」




23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 09:46:46.31 ID:mP/FTvlK0
長門「朝はまず彼氏からモーニングコール。学校は違うから、夕方にデート」

長門「夜は二人でメールしながら眠る…」

キョン「別れた後に聞くと、強烈だな」

長門「涼宮ハルヒは貴方に情報を知られることを良としていない…」

キョン「…?」

長門「彼女は貴方に対して特別な感情を抱いている…」

キョン「な…」

長門「でもそれは決して恋愛感情ではない。残念ながらその内容は不明」

キョン「また不明、か…」

長門「多分…乙女心というもの…私が話せるのはこんなところ」




24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 09:48:33.93 ID:mP/FTvlK0
キョン「乙女心ねぇ…まあ、ありがとう長門。今日はそろそろ帰るよ。ひよ研、いつ活動してるんだ?」

長門「曜日は火曜日の放課後だけど、私は大抵ここにいる」

キョン「そうか。話したくなったらここに来るよ」

長門「その方が…私も嬉しい…」

キョン「ああ…じゃあ、またな」

長門「待って…」

キョン「?」

長門「私の…携帯番号を渡しておく。何かあった時に…」

キョン「そうか、ありがとう。長門、じゃあまたな」

サークル棟を後にして、帰路につく

雨はほんの少しだけ小雨になっていた




追加のため番号飛んでます


267 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/03(土) 00:03:22.96 ID:mP/FTvlK0
新しい事?

そうは言っても、大学だけでは何か物足りない…

…バイト?そうだ、バイトだ

社会勉強や出会い、目的は様々だが、今の俺は何より体を動かしたかった

近場の店…この辺りは賑やかな場所だ。お店はたくさんある

そこで目に付くひとつの店…雑貨屋か。




270 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/03(土) 00:06:59.21 ID:mP/FTvlK0
主に10代~20代を客層にしてるであろう、フレッシュな感じの雑貨屋だ

キョン「…考える前に、飛び込めってな」

勢いでお店に飛び込み、すぐに店長と話が出来た

翌日履歴書をもって面接をする…すぐに合格がもらえた

感じのいい、それでいてどこか大人の落ち着きがある…そんな店長だった

次の日から、早速バイトが始まった




278 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/03(土) 01:11:30.59 ID:tKwVb+xi0
店長「じゃあまず…」

キョン「は、はい!何でも頑張ります!」

店長「…ははは、力みすぎだよキョン君?」

キョン「は、はぁ…こういう場所にあまり慣れてないものでして…」

店長「それなら、君と年が同じくらいの人間を付けた方が気持ち的に楽かな?」

キョン「は、はい。近い人がいるんですか?」

店長「ああ、一人元気のいい女の子でね。今日出勤だから…そろそろ」

ガチャ

?「おはようっさ!今日もめがっさガンバ…って、あれ?」

キョン「つ…鶴屋さん…?」




279 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/03(土) 01:16:18.01 ID:tKwVb+xi0
目の前に現れたのは、かつての知り合い…鶴屋さんの姿だった

鶴屋「?なんでキョン君がこんな所にいるんだい?」

店長「今日から新しくアルバイトに入ったんだよ。二人は知り合いなのかな?」

鶴屋「同じ高校に通っていたんだよ!そっかー、今日からバイト仲間かぁ!」

店長「知り合いなら、紹介する手間も省けたね。彼を面倒見てやってくれよ、鶴屋さん?」

鶴屋「了解!じゃあキョン君、早速売り場で研修にょろ!ダッシュで着替えるにょろ」

キョン「は、はい」

されるがまま、鶴屋さんに引っ張られる

再会した驚きもあれば、一緒に働ける喜びもあった




283 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/03(土) 01:24:25.14 ID:tKwVb+xi0
鶴屋「いいかい?まずはレジ打ちを覚えて…」

キョン「レジ…」

鶴屋「ここはスーパーじゃないから、慌てて打つ必要はないっさ!」

キョン「あまり行列ができるわけじゃないですよね」

鶴屋「バーコードをちょろんとするだけの簡単作業!そして次は包装を…」



初日からかなり熱心に教えてもらった

働いたことで、確かに気持ちの充実感はある

朝倉の事も忘れられる




284 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/03(土) 01:26:57.04 ID:tKwVb+xi0
終わった後鶴屋さんが話しかけてくる

鶴屋「仕事は覚えられそうかい?」

キョン「ぼちぼちと…教えてもらった事なら、なんとか」

鶴屋「おおっ、頼もしいねえ!困ったらお姉さんにドンドン相談するがいいさ!」

キョン「ははっ、ありがとうございます。じゃあ電話番号とか…」

やましい気持ちなど…ちょっとはあったのかもしれない

鶴屋「もちろんさ!じゃあコレ…はい」

そんな事は微塵も気にせず、鶴屋さんは快く承諾してくれた

連絡先を教えてもらった

鶴屋さんの優しさ…楽しいバイト先になりそうだ




286 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/03(土) 01:29:24.77 ID:tKwVb+xi0
ここに入って1週間。慣れたとは言い難いが、鶴屋さんが教育熱心なお陰で頑張れている

鶴屋「店長店長!次の仕事はないかい?」

店長「そうだなぁ…この時間暇だから、キョン君と休憩入っちゃいなよ?」

鶴屋「了解っさ!キョン君休憩だよ~」

キョン「はい。じゃあ休憩いってきますね」

店長「うん。何かあったら呼ぶから、行っておいで」

店長は何かと俺達の事を気にかけてくれて、優しい

鶴屋「キョン君。晩御飯買いに行こうよ!向かいの薬局でさ!」

キョン「薬局…そうですね、何か食べ物でも」




289 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/03(土) 01:31:10.76 ID:tKwVb+xi0
薬局

鶴屋「ふふふ~、お姉さんがコーヒーを奢ってあげるにょろ!」

キョン「え、いやいやそんな…」

鶴屋「キョン君は頑張ってるからご褒美さ!店長も誉めてるよ」

キョン「店長が…」

鶴屋「だから奢ってあげるにょろ!ただでさえ一人暮らしで色々食べれないにょろ?」

キョン「まあ、それは…じゃあお給料入ったら何かお返ししますね」

鶴屋「いいね!いいね!楽しみにしてるよ♪」

そんな楽しげな会話をしながら、2人で食料を買って休憩室に入る

ラーメンやパン…まさに休憩中の食事だ

鶴屋「美味しいにょろ!」

…彼女の笑顔が、眩しく見えたのはフラれた直後だからじゃない…よな?




291 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/03(土) 01:40:33.75 ID:tKwVb+xi0
帰る直前、また鶴屋さんに声をかけられる

鶴屋「キョン君、ちょっといいかい?」

キョン「はい?」

鶴屋「はい、これ!」

キョン「ビニール袋?」

中には食料…インスタントラーメンやら、焼きそばやら、カレーやら

キョン「どうしたんです、これ?」

鶴屋「一人暮らしのキョン君に、お姉さんからのプレゼントさ!」

キョン「え!こんなに…悪いですよ…」

鶴屋「後輩の面倒を見るのは当然さ!一人暮らし…飢えは敵だよ?」

キョン「そりゃあ、ありがたいですけど…」

鶴屋「じゃあ決まり!あ、あとこれ…さっきコンビニで買った肉まん。半分あげるさ!」




294 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/03(土) 01:49:16.97 ID:tKwVb+xi0
鶴屋「…焼きそばの作り方とかわかるかい?お湯に入れるんじゃないよ?」

キョン「だ、大丈夫ですよそれくらい!」

鶴屋「それならよかった♪肉まん冷めないうちにお食べよ~」

笑顔…彼女は笑顔だ

キョン「あ、あの…よかったら今日一緒に帰りませんか?」

朗らかさに引き寄せられるように、勇気を出してお誘いしてみる

もしかしたら…

鶴屋「…ごめーん。今日は店長に送ってもらうのさ」

キョン「店長?今日は残業で整理があるって…」

鶴屋「私は待ってて一緒に帰るだけさ!キョン君は早く帰ったほうがいいよ~」

彼女は陽気に手を振って見送りをしてくれる

帰路につきながら考える…残業に付き合ってまで送ってもらう理由が鶴屋さんにあるのだろうか?




296 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/03(土) 01:54:37.45 ID:tKwVb+xi0
今日は鶴屋さんがいない。少しだけ気持ちが乗らない

店長「あ、キョン君このダンボールを運んでくれないかい?」

キョン「はい。ん…店長、その指輪…ご結婚なされてるんですか?」

店長「ああ、そうだよ。私より年下なんだけど、これが気立てがよくてね…いい妻だよ」

店長の顔がほころんでいる…嬉しさが滲み出ている

キョン「まさか鶴屋さん…ですか?」

店長「…」

キョン「どうなんですか…!」




299 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/03(土) 02:02:27.30 ID:tKwVb+xi0
店長「…ハハハ!君って面白いねぇ!」

キョン「え…」

店長「そんなわけないよ。彼女は普通の従業員、私の妻は別人だよ」

キョン「じ、じゃあ前残業に合わせて送迎してたのは…」

店長「彼女はちょっと遠い場所から通ってるんだよ。夜は危ないからね」

キョン「そ、そうだったんですか…なんか変な事言ってすいませんでした」

素直に頭を下げる

店長「いやいや。若いときにはよくある事さ。気にしないよ」

よかった怒ってない…店長も鶴屋さんをそういう目では見てない事がわかった




300 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/03(土) 02:04:27.59 ID:tKwVb+xi0
バイトで面倒を見てくれる…姉御肌、っていうのか?

傷付いた男が惚れるのに、時間はかからなかった

-電話

ピリリリリ

鶴屋『もしもしキョン君?』

キョン『あ、あの…』

鶴屋『ん?』

キョン『俺…鶴屋さんが好きなんです!』

鶴屋『おおっ…いきなり大胆だねぇ…』

キョン『俺は本気です。好きなんですよ…』

鶴屋『…気持ちはありがとう。でも私は…他に好きな人がいるんだよ』

キョン『…誰です?』

鶴屋『…キョン君には話していいかな、店長さんだよ』

キョン『!…でも店長は結婚していて…』




301 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/03(土) 02:08:02.05 ID:tKwVb+xi0
鶴屋『そんなの関係ないよ。私は好きになっちゃったのさ』

キョン『気持ちなら負けません…俺は鶴屋さんをずっと好きでいられる…!』

鶴屋『…簡単にずっととか言うのは感心しないね』

キョン『…!』

鶴屋『気持ちなんてスグ変わるものさ。ずっとなんて言葉の安売りしたら…女の子は悲しむよ?』

キョン『…鶴屋さんだって、報われるかわからないじゃないですか…』

鶴屋『私はいいんだよ…報われなくても。店長と働けるだけで幸せさ』

キョン『…今の俺には、わかりません…』




305 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/03(土) 02:13:01.34 ID:tKwVb+xi0
鶴屋『私と店長はね、以前違うお店で働いていたのさ』

キョン『?』

鶴屋『店長が就職するってなってね…そりゃあ悲しかったさ…』

鶴屋『でも通えないお店じゃない…そうわかったらすぐにその店長と同じお店の面接を受けたんだよ』

キョン『…その気持ちは、なんとなくわかりますよ。俺も同じでした』

鶴屋『うん、そんな感じなのさ。私は近くにいるだけで幸せ。…キョン君がどうだったかは知らないけれどさ』

キョン(俺は…側にいても優しくはできなかった…)




306 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/03(土) 02:16:32.36 ID:tKwVb+xi0
鶴屋『一つだけ厳しく言わせてもらうと、キョン君の恋愛の考えは子供だよ…でも、まだ仕方ないのかな?』

キョン『…そうですね、頭が少し冷えました』

鶴屋『ごめんね、私も上手く言えないのさ。お説教なんてできないからさ』

キョン『いえ…確かに俺が子供でした。もう少し考えてみます…』

鶴屋『うん…それができたら、少しいい男になれる気がするにょろ!』

キョン『はい、じゃあまたバイトで…』

鶴屋『おやすみ!ちゃんとご飯食べるんだよ!』

彼女に告白のつもりが、諭されてしまった

ああ、カッコ悪いんだな俺…

自分の幼稚さを鶴屋さんが教えてくれた…そう思えば、いい体験か




307 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/03(土) 02:20:06.34 ID:tKwVb+xi0
それからすぐに、店長はまた異動となってしまった

もちろん鶴屋さんも…また店長のいる店で面接を受けるんだそうだ

彼女がいなくなってからしばらくはバイトもしていたが、やはり辞めてしまった

変わりに、長門のいるサークルに力を入れてみるのもいいかもしれない…

鶴屋さん…彼女は今日も店長のいるお店で元気に笑っているんだろう




25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 09:52:15.09 ID:mP/FTvlK0
1年生6月

学食

谷口「よう、キョン」

キョン「ん…おう」
国木田「…ここ最近元気無いね。何かあったの?」

キョン「…いや…」

谷口「ハァ…お前は分かりやすすぎるんだよ」

キョン「…」

谷口「フラれたんだろ?」

国木田「そうなの!?」

キョン「…ああ」

谷口「やっぱりな…わかるんだよ、何となくそういうのはな」

キョン「…まあ、今は多少は元気だ。長門の誘いでサークルも入ったしな」




26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 09:53:37.79 ID:mP/FTvlK0
谷口「お、サークルか!俺逹もボランティア活動絶好調だぞ」

キョン「頑張ってるんだってな。そうだ、古泉は元気か?」
谷口「ああ、あいつも元気だよ。…ストレスからか、喫煙し出したけどな」

キョン「タバコ…あいつが…」

国木田「まあ、色々あるんだよ。ところでキョン、今夜予定ある?」

キョン「?いや、特にはないが…」

谷口「実はな、二人で飲み会する予定だったんだよ。楽しくパーッとな」

キョン「へぇ…の割には2人きりなんだな」

谷口「うっ…ま、まあ、ちょっと遅い失恋パーティーも含めて、場所はキョンの家な!」


キョン「お、おいおい…ちょっと待て」
谷口「なんだぁ?もう何も背負うものないからいいだろ?」

キョン「ま、まあな…」

谷口「よし、じゃあ今から早速……!」

ハルヒ「またコソコソ、3馬鹿が密談してるのね」




28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 09:57:37.40 ID:mP/FTvlK0
谷口「おわぁっ!な、なんだ涼宮か…」

キョン「ハ、ハルヒ…と長門か…」

いつの間にか、ハルヒ逹が後ろに立っている

ハルヒ「で、何を話してたの?暇だから私も聞いてあげるわよ」

国木田「ははっ、実は今日キョンの家で飲み会をするんだよ」

谷口「ああ、友情を深めるためにな。何だったら涼宮逹も来るかぁ?」

ハルヒ「…」

キョン「お、おい谷口…ハルヒが来るはずが…」

ハルヒ「いいわよ」

キョン「…へ?」




29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 09:58:55.81 ID:mP/FTvlK0
ハルヒ「私も参加してあげるって言ってんのよ。何、迷惑?」

キッ、とこっちを睨んでくる

キョン「い、いやそんなことは…」

ハルヒ「じゃあ問題ないわね。有希も」
長門「――コク」

ハルヒ「決まりね。で、何時から始めるのよ」

谷口「そうだな…あまり遅くてもアレだから夕方6時くらいか?」

国木田「ご飯も一緒に食べればいいしね」

ハルヒ「それでいいわ」

谷口「決まりだな。じゃあ6時にキョンの家集合で。買い出しは俺達に任せておけ!」

ハルヒ「お金は後で渡すわね、じゃあまた6時に」




30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 10:00:33.65 ID:mP/FTvlK0
谷口「かあーっ!!寂しい男3人が一気に女子2人追加だぜ!」

国木田「興奮しすぎだよ。嬉しい気持ちも解るけどね」

キョン「人数が多いのはいいことだ、それが美人2人ともなればな」

谷口「おっ、キョンもノッてきたな。よしその勢いで買い出しだぁ!」

買い出し中

谷口「買うもの買ったし、そろそろ行くか!」

キョン「そうだな……ん?」

ピリリリリ、と俺の携帯が鳴る

キョン「長門…もしもし」

長門『涼宮ハルヒから色々と情報を聞いた』

キョン『?』

長門『涼宮ハルヒの彼氏は…とても束縛屋。まずサークル活動の参加を禁止。理由は飲み会への参加や他の男性との接触を断つため』

キョン『じゃあ…今回だって…』

長門『でも今回の飲み会は彼には知らせていない。全くのシークレット』




31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 10:02:24.29 ID:mP/FTvlK0
キョン『そりゃあまた…』

長門『貴方がいるから…彼女も参加した』

キョン『』

長門『これは事実。彼女から聞き出した。貴方がいない飲み会だったら彼女はあのまま帰っていた』

キョン『oh…』

長門『それを言っておきたかっただけ。あと…貴方の家の場所がわからない』

キョン『あ、ああ…近くの目印になる建物が…』

長門に場所を説明し、電話を切る
キョン(…恋愛感情が無い…無い…)

長門『乙女心』

キョン(…乙女心、ねぇ…)

国木田「キョン、何ニヤニヤしてるんだい?」

キョン「…俺もわからん」

国木田「変なキョン」




32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 10:04:20.21 ID:mP/FTvlK0
キョン「じゃあ…みんな揃った所で…乾杯」

カンパーイ

目の前には高校からの友人が卓を囲んで晩酌している

ハルヒ「あ、あたしカシスオレンジがいい」

長門「―ゴクリ」

未だにハルヒと長門が目の前にいることが信じられない

しかもさっきの長門の言葉――

長門『貴方がいるから…彼女も参加した』

キョン(ハルヒがねぇ…)

ハルヒ「…なにこっち見てるのよ、ばかキョン!」

キョン「い、いや別に…」

ハルヒ「なによぉ!もう…ばかぁ…」

あ、あれ?もしかしてハルヒ…酔ってる?早くないか…まだ始まってすぐだぞ…





33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 10:07:04.52 ID:mP/FTvlK0
ハルヒ「まったく…もう、ばかキョンがぁ…」

ほんのり頬が赤く…ああ、少しだけ可愛い

谷口「なんだ、もう酔ったのか涼宮?」

ハルヒ「酔って無いわよ!普段からこうなのよ!」

谷口「怖…さっきまで甘々だったじゃねえかよ…」

国木田「あははっ、それは話してる相手が違うからだよ」

谷口「なにぃ…そうなのか、キョン?!」

キョン「何でコッチに振る!俺は知らないぞ」

ハルヒ「もう…キョンったら照れてる。可愛い…」

キョン「いやいやいや…っておいハルヒ。何でこっちに来る…」

フラフラと彼女は近づいてくる

ハルヒ「えへへっ、あたしキョンの隣~♪」




34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 10:10:17.48 ID:mP/FTvlK0
国木田「…二人がいると空気がピンク色だよね」

谷口「ああ…ムカつくくらいにな」

キョン「お、おい…俺はそんな…長門!」

長門「…私は何も見ていない。烏龍茶が美味しい…」

キョン「ああっ、ハンドルキーパー!!」

ハルヒ「えへへ♪キョンちゃん~キョンちゃん~♪」

キョン「頭撫でるな!甘えるな!」

ハルヒ「…にゃ~♪」

キョン「…もう、勝手にしてくれ…」




35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 10:12:39.94 ID:mP/FTvlK0
数時間後

谷口「さて、そろそろお開きにするか。今日はいいもん見れたしな」

キョン「…」

ハルヒ「あ、帰るの…」

国木田「そろそろね。僕たちは近いから歩きだけど…長門さんが車だっけ?」

長門「そう。涼宮ハルヒを送っていく」

キョン「帰るのか…」

また部屋に一人になると思うと、少し寂しい気がした

ハルヒ「…」

長門「…」

谷口「じゃあなキョン」

国木田「またね」




36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 10:14:13.02 ID:mP/FTvlK0


……

ピリリリリ

キョン「メール…知らないアドレス…」

?『寂しそうだったから、谷口にアドレス聞いてメールしてあげたわよ』

キョン「…」

?『別れ際、子犬みたいな目で見られたらほっとけないなじゃないの』

?『おやすみ。風邪ひかないでね。涼宮ハルヒより』

キョン「ハル…ヒ…」

キョン『メールありがとう。ハルヒも風邪ひかないでな、おやすみ』

多分この時くらいから…俺はハルヒに惹かれていったんだと思う




37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 10:16:22.55 ID:mP/FTvlK0
次の日の昼前程

ピリリリリ

携帯が鳴って目が覚める

…ハルヒから?

ハルヒ『キョン、お腹すいた。早く大学来なさいよ』

キョン「なんだこのメール…」

キョン『お腹すいたなら学食で何か食べればいいだろう?』

ハルヒ『一人で食べるのも味気ないでしょ。待ってるから早めに来なさいよ』

キョン「…」

言われた通り、学校へ行ってしまう俺が嫌だ




38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 10:18:32.93 ID:mP/FTvlK0
ハルヒ「あ、やっと来たわね。早くご飯食べに行くわよ」

キョン「あ、ああ。長門は?」

ハルヒ「まだ授業があるんだって。だからあんたを呼んだのよ」

キョン「はぁ…」

今日は谷口も国木田もまだ来ていない



ハルヒ「何買ったの?」

キョン「ラーメン。学食の麺には不思議な魅力がある」

ハルヒ「たまには野菜も食べなさいよ」

キョン「一人暮らしじゃあ中々な。ハルヒは…弁当か?卵焼きにミートボール…家庭的だな」

ハルヒ「ふふっ、誉めてくれたから卵焼き一つあげるわ」

キョン「本当か?!」

ハルヒ「本当よ。はい、あーん」

キョン「…!」

ハルヒ「いらないの?」




39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 10:21:38.57 ID:mP/FTvlK0
キョン「い、いります…あーん…」

ほんのり甘い卵焼き…ああ、ウマい…

キョン(――ポンポン)

ハルヒ「…何よその動き?」

キョン「…癖みたいなもんだ」

ハルヒ「へぇ、食べるとほっぺた手でポンポンするんだ?」

キョン「美味しい物限定で、な」

ハルヒ「…っ!バカキョン!バカ!」

キョン「卵焼きは好物だからな。そんなに大声出すなよ…」

谷口「なんだぁ、またピンクオーラかぁ?」




41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 10:23:48.42 ID:mP/FTvlK0
キョン「げ…た、谷口…」

谷口「いやぁ、ホント2人ともお似合いだよなぁ。雰囲気も似てるしなぁ」

キョン「…馬鹿な事言うな」

そんな事を言いながら少しだけ嬉しかった

以前…朝倉がいた頃はこんな気持ちをハルヒには抱かなかっただろう

キョン(やっぱり昨日の…なのか)

笑いながらハルヒとお昼ご飯を食べる…それも悪くない日常のかもしれない




42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 10:26:40.15 ID:mP/FTvlK0
数日後、久しぶりにひよこ研究会に顔を出す

キョン「よう長門…と…」

長門とその隣には…古泉?

古泉「お久しぶりですね。長門さんから色々お話は伺っておりますよ」

キョン「同じ大学の割になかなか会わなかったな」

長門「…」

キョン「で、何を聞いたって?」

古泉「大学に入ってからの事…朝倉涼子の事…飲み会での事」

キョン「…古泉も、ボランティア頑張ってるみたいじゃないか」

古泉「ええ、おかげさまで。実はそのボランティアの活動で少し…」

長門「彼らのサークルと、ひよこ研で遊びにいく提案を持ちかけられた」

キョン「へぇ…」

古泉「我々のサークルが6人…ひよこ研究会が3人と伺っております」

キョン「ふむ…」

古泉「そこにあと一人、涼宮さんを誘えば丁度10人です」




43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 10:28:16.47 ID:mP/FTvlK0
キョン「ちょっと待て、なんでそこでハルヒを誘う必要がある?」

長門「ひよこ研究会には貴方が所属している。涼宮ハルヒを誘うのは当然」

キョン「そうなるのか…そういえば古泉、閉鎖空間はどうなったんだ」

古泉「消滅しましたよ」

キョン「消滅?」

古泉「ええ、長門さんたちと飲み会した後にスッキと」

キョン「…」

古泉「やはりあなたなのですね」

キョン「でも長門、恋愛感情は相変わらずハルヒには無いんだろう?」

長門「無い」

キョン「…そりゃまた、はっきりと分かるんだな」




44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 10:30:46.88 ID:mP/FTvlK0
古泉「恋愛感情云々ではないのかもしれませんね…」

長門「しかし今貴方にいなくなられては困る」

古泉「…今回の誘いを断れば多分閉鎖空間も…」

キョン「わかってる、それには参加するよ」

古泉「ありがとうございます。では早速カラオケに予約の電話をいれておきますね」

キョン「…女心ねぇ…」

長門「…」




45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 10:33:51.51 ID:mP/FTvlK0
カラオケ

古泉「さあ着きましたよ」

長門「まずは顔合わせ」

古泉「今回は2部屋用意したので、途中で入れ替わりながら親睦を深めるのがよろしいかと」

キョン「なるほどな」

古泉「では行きましょう」

当然と言えば当然…ハルヒと俺は一緒の部屋になった

ハルヒ「あたし歌うのちょっと苦手なのよね」

キョン「ライブまでやって、よく言うよ」

部員1「え、涼宮さんライブとかやったの?」

ハルヒ「学園祭でちょっと歌っただけよ」

部員2「へぇ…すごいんだね!」




47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 10:36:06.54 ID:mP/FTvlK0
ハルヒは見た目が可愛らしい。大学に入ってから少し丸くなった(ように感じる)。性格も拍車をかけて…

部員「どんな歌が好きなの?」

部員「趣味は?」

こんな風に人気者になるのも至極当然だろう

それを見て、ほんの少しだけ胸が痛んだ気がした



カラオケも中盤を過ぎた頃…ハルヒがちやほやされる雰囲気に慣れずトイレに立つ

そこには古泉が立っていた

古泉「どうですか、そちらは?」

キョン「ああ、ハルヒがモテモテだ。多少雰囲気に疲れてきた」

古泉「そうですか。疲れたなら僕たちの部屋に来ませんか?そちらの雰囲気よりは楽になると思いますが」

キョン「そうだな…よし、そっちに行くかな。一応声だけ掛けてくるよ」

元いた部屋の人間に声をかけ、隣の部屋に移動をする




48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 10:42:33.75 ID:mP/FTvlK0
古泉「いらっしゃい」

長門「―そわそわしても、まだ来ない―♪」

キョン「長門、ノリノリだな」

古泉「彼女も、いい具合に変わってる…のかもしれません」

キョン「そう、か…」

古泉「彼女と離れて不安ですか?」

キョン「ハルヒか?モテモテだから、平気だろう」

古泉「その言い方…あまりいい具合に聞こえないのは気のせいでしょうか?」

キョン「…少し疲れたな…」

古泉「…かなり長い時間ここにいますからね。少し横になったらどうです?」

キョン「そうだな…」

古泉「よければ膝をお貸ししますが?」

キョン「しばらく横になるからな。帰るときに起こしてくれ」

古泉「んっふ」

眠りにつく…




49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 10:45:59.96 ID:mP/FTvlK0


ほんの少し寝た気がした頃…耳元で声が聞こえる

?「…ン…キョン…」

キョン「ん…ハルヒ…なんでこっちに…」

ハルヒ「ちょっとうざったいから移動してきただけよ。アンタ寝てたの?」

キョン「ああ…疲れててな」

ハルヒ「ふぅん…膝枕、してあげよっか?」

キョン「はい?」

ハルヒ「膝枕よ。ほら、眠いんでしょ?」

そのまま、ポンとハルヒの太ももに乗せられてしまった

古泉も長門も、こちらはあまり見ていない

キョン「…」

ボーッとしながら、彼女の顔を見上げる

こんな角度で彼女を見た事はない




50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 10:48:28.18 ID:mP/FTvlK0
こっちの目線に気付いた、ハルヒと目が合う

彼女はニコッと微笑んでくれた

覗き込むように、俺だけに笑顔を見せてくれるように

キョン「ハルヒ…」

チョイチョイっと、ハルヒの肩を叩いて耳うちする形をとる

耳元で…彼女にそっと呟く

キョン「本当は…寂しかった…」

言ってしまった弱気な本音

同じくハルヒも耳打ちをしてくる

ハルヒ「…私もよ」

――プツッ

と…自分の中で何かが弾けた

その瞬間からもうハルヒの事しか見えなくなってしまった




51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 10:52:25.95 ID:mP/FTvlK0
キョン「ハルヒ…」

もう一度、耳うちするように肩を叩く

当然ハルヒは耳を寄せてくる…

ハルヒの頬を手で隠し、周りに見えないよう…頬にそっとキスをする

ハルヒ「―!」

キョン「…」

バカな事をしたにも関わらず…ハルヒはゆっくりと頭を撫でてくれた

俺はまた太ももに頭をのせ、甘い匂いとともに眠りに落ちた




52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 10:55:31.56 ID:mP/FTvlK0
あのカラオケから数日

あんな事をした自分が信じられない

ハルヒは俺を受け入れてくれたという事だろうか…

しかし長門が言うには相変わらず

長門『涼宮ハルヒの感情に変化はない。彼氏とも順調』

長門『カラオケに行ったことも、やはり内緒』

キョン「…何も変わってないって事だよな」

キョン「考えすぎても仕方ない…か…」

布団から出て、学校に行こうと思ったその時

――ピンポーン

キョン「呼び鈴…?」

覗き穴から確認をしてみると

キョン「長門?」




53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 10:57:40.66 ID:mP/FTvlK0
こんな朝早くに?すぐにドアを開ける

長門「…」

ハルヒ「起こしにきてあげたわよ。どうせ学校サボるつもりだったんでしょ」

キョン「ハルヒ…もか。なんで2人が一緒に…」

長門「私は毎朝涼宮ハルヒを車で送迎している」

キョン「毎朝?大変だな…」

長門「授業時間が同じだから問題無い。何より私から提案した事だから苦痛でもなんでもない」

キョン「そうなのか…で今日はどうして?」

ハルヒ「アンタを起こしにきたって言ってるでしょ?」

長門「移動中、車内で彼女が眠気を訴えた。なので大学から近い貴方の家に寄った」

キョン「」




55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 10:59:24.39 ID:mP/FTvlK0
ハルヒ「というわけで…ちょっと布団借りるわよ」

キョン「いやいや、わけがわかりません。起こしに来たんでない?学校は?」

ハルヒ「…おやすみぃ…」

ハルヒはさっさと布団に入ってしまう

キョン「長門…」

長門「私は学校へ行く。迎えに来る時に連絡する」

キョン「…マジ?」

長門「―コク」




56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 11:00:45.90 ID:mP/FTvlK0
ハルヒ「スー…スー…」

ハルヒは無邪気に寝息をたてている

キョン「幼なじみが朝起こしに来るシチュエーションとは、こんなにも複雑なものなのか」

キョン「…しかし、無防備すぎるだろう…」

ハルヒ「スー…スー…」

キョン「今朝はよっぽど眠かったんだろうな…」

キョン「しかし…可愛い顔で寝てるよな…」

ハルヒ「うぅん~……」

ヤバい、理性が…

キョン「ハ、ハルヒ?」

ハルヒ「…ん~…?」

キョン「お、俺学校に行く支度するからな。荷物とか…」

ハルヒ「や…」

キョン「え…」

ハルヒ「いやっ。一緒に寝る…布団入って…」




57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 11:03:13.63 ID:mP/FTvlK0
キョン「ハルヒ…な、何言って…」

ハルヒ「一緒に寝るの…」

キョン「ああ…わかっ…」

言い終わる前に布団に引き込まれてしまった

キョン「な…お、おいハルヒ…」

ハルヒ「…」

ちょっとのしかかるように…ハルヒが覆い被さってくる

そして手が下腹部に…大事な部分に伸びてくる

キョン「――!」

ハルヒ「……」

言葉に出す余裕なんてない

ただハルヒは手を動かして…男の気持ちいい部分をさすってくる




58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 11:04:56.76 ID:mP/FTvlK0
ハルヒ「…好きなとこまで、していいからね」

胸…乳首にまで彼女の手が伸びてくる

彼女は俺の気持ちいい場所を全部触っている…

もう何も考えられない



――

ピリリリリ

ピリリリリ

ピリリリリ

ハルヒの携帯電話が鳴っている

ずっと前から…ずっと鳴ってる。多分長門からだろう

でも二人は電話なんて気付かないフリをして…

ずっと抱き合って、ずっと…




59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 11:09:12.75 ID:mP/FTvlK0


……

ピンポーン

呼び鈴が鳴る

ガチャリ、と扉をあけ出迎える

キョン「長門か…」

長門「あまりに連絡がとれないので迎えに来た」

キョン「そ、そうか…ちょうどさっきハルヒも起きてな…」

長門「…」

ハルヒ「あら、有希じゃない。迎えに来てくれたのね」

長門「…」

ハルヒ「ありがとうね。じゃあ今日はそろそろ帰るわね。キョン、明日はちゃんと学校行きなさいよ」

キョン(同じ布団で過ごしておいて…まあバレないようするのは当たり前か)




60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 11:10:57.74 ID:mP/FTvlK0
ハルヒ「じゃあ、またね」

長門「……(ボソッ)」


…二人は帰っていった

もう一度布団に潜り込む

ハルヒの匂いが枕に残っている

キョン「…ハルヒ…」

キョン「最後に長門が言ってた言葉…」

長門『何も変化は―していない』

ハルヒの中にはまだあの彼氏がいて…何も変わってないって事かよ…

キョン「それでも俺は…もうハルヒに惚れちまったんだよ…」

キョン「俺だって男だ…」




61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 11:12:21.12 ID:mP/FTvlK0
次の日の大学…放課後

学食にハルヒがいた

キョン「よう」

ハルヒ「ちゃんと授業出たの?」

キョン「おかげさまで」

ハルヒ「そう」

……

キョン「あのさ、ハルヒ」

ハルヒ「ん?」

キョン「俺、ハルヒの事が好きだ」

ハルヒ「…」




63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 11:15:33.53 ID:mP/FTvlK0
キョン「大学に入ってから…新しくハルヒの魅力に気付いて…好きになった」

ハルヒ「うん…」

キョン「俺と付き合って欲しい」

ハルヒ「…」



長い沈黙

ハルヒ「あのね…私もあなたの事は好きよ。でもね…」

キョン「…」

ハルヒ「キョンとは付き合えないの。ごめんね」

キョン「…ああ、そうか」

ハルヒ「告白してくれて嬉しかったわ、ありがとう」

キョン「ああ…。こっちこそ悪かったよ。彼氏がいるのにさ」

ハルヒ「……」

彼女はそれに関しては何も話してはくれない




64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 11:17:30.98 ID:iEz2Kn2f0
朝倉泣かせたらあかんだろ・・・




65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 11:17:41.88 ID:mP/FTvlK0
キョン「もう好きでいるのも迷惑になるよな…これからは普通に友達でいるよ」

ハルヒ「え…うん…アンタがそう言うなら…それで…」

キョン「じゃあ、俺は帰るよ。またな」

ハルヒ「うん…また…バイバイ」


学食の外に出ると、古泉と長門が立っていた

長門「…」

古泉「言ったんですね」

キョン「ああ。彼氏がいるってスッパリ断られちまった」

古泉「ほう…それはそれは」

キョン「…何かあったのか?」




66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 11:19:27.60 ID:mP/FTvlK0
古泉「実は閉鎖空間が…復活したんですよ」

キョン「閉鎖空間…それは、どっちの?」

古泉「神人が体育座りしている、相変わらずの閉鎖空間ですよ」

キョン「…俺のせいなのか?」

古泉「あなたが要因なのは確かですよ。しかし相変わらずです…どうしようもないのが現状です」

キョン「そう…か」

長門「今は涼宮ハルヒを見守るしかない…」

今の俺には何もできないんだな…




67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 11:21:42.65 ID:mP/FTvlK0
次の日

ピリリリリ

ピリリリリ

またメール…ハルヒだ

ハルヒ『ご飯食べるから学校来なさいよ?』

キョン「…」

昨日あれだけ告白を爆死したにも関わらず…また来なさいよメールか

キョン「女心なんて知るか…知るもんか…」

15分後、俺は走って大学に向かっていた

そんなに大して変わらなかったある日…ハルヒに変化が訪れた




68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 11:23:02.23 ID:mP/FTvlK0
顔を合わせても挨拶もない。昼食も食べない

目に見えて落ち込んでいるその様子はまさに…

キョン(…もしかして、フラれた…のか?)

ピリリリリ

キョン「古泉?もしもし?」

古泉「出ました、久しぶりの閉鎖空間ですよ。原因は涼宮さんがフラれた事のようです」

キョン「ああ、やっぱりな…」

古泉「正直、生きて帰れるかわかりません」

キョン「マジかよ…」

古泉「それほどの規模ですよ。よほど彼氏の事が大事だったのでしょうね」

キョン「それがフラれたとなれば、な…」




69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 11:25:07.89 ID:mP/FTvlK0
古泉「…念のため言っておきますと」

キョン「ん…」

古泉「今あなたが何を言っても、彼女には届きません…閉鎖空間に変化が起こるわけでもありません」

キョン「…ハルヒにとって俺はいらない人間ってわけか」

古泉「恋愛だけに関して言えばそうみたいですね。でも…」

キョン「でも…なんだよ」

古泉「本当にいらない人間ならば、あなたは事故にでもあっているはずですよ」

キョン「怖いことをサラッと言うな」

古泉「ちょっとしたジョークですよ。戦いの前の…ね。ではそろそろ…」

キョン「ああ…またな」

古泉「はい、また会いましょう」




71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 11:27:32.14 ID:mP/FTvlK0
1年生10月

ハルヒがフラれた…

狙ってる男からしたら、落ち込んでる今は攻め時なんだろう

でもハルヒはそれを望んでいない…声をかけても閉鎖空間が消える事はない

メールを送っても返ってきやしない

以前のような笑顔を、もう俺には見せてくれない

だったら俺は…

しばらくハルヒから離れることにした




72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 11:29:06.07 ID:mP/FTvlK0
それくらいの頃からだ。谷口が頻繁に遊びに誘ってくるようになったのは

夜な夜な、サークルの人間と集まっては夜遊びしているらしい

国木田はあまり夜遊びする性質ではなかったらしく、夜はあまり出歩かないらしい

何度か谷口に誘われて、夜の街に出かけた

サークル繋がりで、生還したらしい古泉も何度も合流し遊びに出かけた

毎晩、毎晩…本当に毎晩

誘わないでくれと言った日も家に乗り込んで来ては、つれ回し…

断ると、ノリが悪いと、古泉と谷口に悪態をつかれた

そんな生活に…少し疲れてしまった…




73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 11:31:29.54 ID:mP/FTvlK0
11月頃、俺は限界だった

断っても断っても誘ってくる古泉

学校はもちろん、バイトの終わり際…休日でさえ家まで執拗に迫ってきた

キョン「…」

俺はすっかり元気を無くしていた

休まる日が全くなかった

学校、バイト、気の休まらない友人と朝まで出かける…安息の場所が無い

キョン「…逃げ出したい…」

その時また携帯が鳴った

相手は古泉だ

出ないでいると、30秒後に谷口…また30秒後に古泉…

ウザイ

キョン「…この電話の後、また家に来るんだろうな…」

キョン「…逃げ出そう」

軽く荷物をまとめ…電話を見つめる




74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 11:33:14.03 ID:mP/FTvlK0
ピリリリリ

長門『もしもし…』

キョン『もしもし、長門か。少し相談したいんだ。今から来てもらえないか?』

長門『…わかった。貴方の家に行けばいい?』

キョン『いや家は…そうだな、とりあえず迎えに来てくれ。それから話す』

長門『わかった。すぐに向かう』

キョン『待ってるよ』

ピッ

電話を切った後、何の迷いもなく俺は携帯を床に叩きつけた

ガシャッ!

割れた破片を踏まないよう、俺は家を出た

外には長門の車が止まっている




75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 11:36:50.42 ID:mP/FTvlK0
長門「貴方のから方から連絡が来るのは珍しい」

キョン「…早かったな」

長門「ちょうど外出していた」

キョン「そうか、悪かったな」

長門「構わない…話とは?」

キョン「古泉達の事さ」

長門「…噂は聞いている」

キョン「もう疲れちまったよ…」

長門「古泉一樹…大学に入ってから彼の良い噂は聞かない」

キョン「…」

長門「何かの糸が切れたのか…毎晩遊び回っては、喫煙。喫煙しては遊び回って…」

キョン「そういえばハルヒは…」




76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 11:38:29.08 ID:mP/FTvlK0
長門「やはり良い噂は聞かない。心の隙間を埋めるため様々な男性と付き合っている」

キョン「……」

長門「ただ、どれも愛情と呼ぶには程遠い。彼女が一方的に寄りかかってるだけ」

キョン「恋愛依存みたいなものか…」

長門「閉鎖空間もその度に発生している。古泉一樹もいい加減イライラしている」

キョン「…それが幸せなら、いいんじゃないのか?」

その話を聞いたからか…あの時フラれたからか…今はそれほど彼女に興味は無くなっていた

長門「人間は…」

キョン「?」

長門「自分に好意をもってくれる人間を好む」

長門「敵で無いことが認識できると、人間は心を開く…」




77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 11:40:59.11 ID:mP/FTvlK0
長門「でもそのためには…心を開く側…最初に一歩踏み出す人間が必ずいなくてはならない…」

キョン「…」

長門「貴方はその一歩を…誰に対しても貴方から踏み出す…そんな人間」

キョン「…」

長門「貴方は優しすぎる…だから涼宮ハルヒも貴方に好意を持ち…古泉一樹も調子に乗りすぎてしまう」

キョン「…」

長門「たまには怒ることも大事…自分の気持ちを素直に表す事も…」

キョン「…なあ、長門…ちょっとだけ…」

長門「…何?」

キョン「ちょっとだけ泣いていいか?」

長門「…構わない。もうすぐ家に着く…そこで泣いてくれればいい」




78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 11:44:09.77 ID:mP/FTvlK0
俺は泣いていた

長門の膝の上で

子供のように、赤ん坊のように

弱音を話せた事、煩わしさから解放された事、今夜だけは静かに眠れる事

それを考えると自然と泣きじゃくる形になってしまった

長門「…つらかったのね」

キョン「ああ…ああ…」

長門「気付けなくて、ごめんなさい」

キョン「長門は…何も悪くない…」

長門「貴方がつらいのに、私は何も出来ない…」

キョン「こうして…話を聞いてくれるだけでいい」

長門「…うん…」

泣きつかれて…いつの間にか寝てしまった

長門の胸に抱きつきながら…小さく、丸くなって…ただ眠った




79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 11:47:07.47 ID:mP/FTvlK0


キョン「……」

長門「―おはよ」

キョン「…おはよう」

長門「昨日は眠れた?」

キョン「おかげで…グッスリだ」

長門「よかった…学校は?」

キョン「長門は、ハルヒを迎えに行くんだよな?」

長門「今彼女を送迎してるのは別の男性。私の役目ではない」

キョン「そうなのか…」

長門「家にいるなら…それでも構わない」

キョン「いや…ちょっと行く場所があってな」

長門「…どこ?」

キョン「家にもしばらく帰らない…まあ小旅行みたいなものをな」




85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 12:59:05.16 ID:mP/FTvlK0
長門「…学校は?」

キョン「数日だから何とでもなるさ」

長門「そう…わかった。何かあったら連絡して」

キョン「ああ…っていっても携帯壊しちまったからな…学校に顔出すよ」

長門「そう…わかった」

キョン「ありがとな、本当に」

そう言って長門をギュッと抱き寄せる―

長門「あ…」

キョン「ありがとう…じゃあ、そろそろ行くよ」

長門「…もう少し、このまま…もう少しだけ…」

キョン「ああ…」

―ギュッ





88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 13:08:28.11 ID:mP/FTvlK0
1年生12月
学校

谷口「キョンのやつ…どうしたんだろうな」

国木田「家にもいない、バイト先からも消えた。携帯も連絡つかない…」

古泉「まさに消失、ですね」

谷口「そんな言い方するなよ…」

古泉「全くの音信不通となりますと…おや、あれは涼宮さん」

ハルヒ「ああ、こんにちは古泉君。みんなで集まってどうしたの?」

谷口「キョンの奴が消えちまってさぁ…寂しがってるわけよ」

国木田「涼宮さん、何か聞いてない?」

ハルヒ「アイツの話なんてしないでよ。どうでもいいし、ダメよアイツは」

古泉「随分…嫌ったものですね?」

ハルヒ「アイツ気持ち悪いのよ。ちょっとストーカーっぽいし…もう話したくもないわ」




89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 13:17:36.10 ID:mP/FTvlK0
国木田「…」

谷口「…」

古泉(…やはり彼女が原因で彼は?いや、もしかして…)

古泉「…涼宮さん、よかったら今から遊びにいきませんか?」

ハルヒ「ええ、いいわよ。別に予定も無いしね」

古泉「決まりですね。じゃあ行きましょうか」

古泉(やはり、もう彼がいないから、というのは理由にならないのですね…)

谷口「じゃあ、行こうぜ」

古泉「はい…っと、着信が」

ピリリリリ

古泉「先に行ってて下さい。後から追いかけますので」

国木田「わかったよ。じゃあ向こうで待ってるよ」






90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 13:21:57.75 ID:TDoBed3tO
生々しい話だなwww




91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 13:26:12.61 ID:mP/FTvlK0
古泉「どうしたんですか、長門さん?」

長門「あなたには話しておく…彼は、自らの意思で彼女の元を離れた」

古泉「…我々の会話を聞いてたんですか?」

長門「そんなことは無い。ただの偶然」
古泉「…彼が離れた、とは?」

長門「彼はとても思い悩んでいた。他の誰でもない、古泉一樹のせいで」

古泉「僕が悪者ですか?人のせいにしてれば、楽なものですよね」

長門「彼を追い詰めたのはあなた…」

古泉「彼に気を使えという命令は何一つ指示されてませんので」

長門「…」




93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 13:34:04.09 ID:mP/FTvlK0
古泉「それに、最近少し涼宮さんが可愛く見えてきてしまいましてね」

長門「――!」

古泉「今は他の男性ばかりですが…いずれ、ね。そういう意味でも彼が脱落してくれたのはラッキーでしたよ」

長門「あなたは…」

古泉「では、涼宮さんが待ってるので…また。ああ、最後に一つ」

長門「…」

古泉「涼宮さんが彼のことをもういらない、とね」

長門「…」

古泉「では、また」

そこから4月まで、キョンが学食に姿を見せる事はなかった




96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 13:43:38.96 ID:mP/FTvlK0
2年生4月

食堂

谷口「よう、みんな元気だったか?」

古泉「お久しぶり…でもありませんね。あなたとはよく遊んでましたから」

国木田「よく体がもつよね。僕なんて疲れちゃって…」

ハルヒ「国木田君は昼型だものね」

古泉「涼宮さんはすっかり我々に馴染みましたよね。最初からは考えられないくらい」

ハルヒ「あれだけ遊べば当然よ。みんなとは楽しいから余計にね」

4月、新しい季節。雑談に花が咲いている

少し暖かい春陽気…俺が顔を見せたのもそんな日だった

キョン「相変わらず、元気そうだなみんな」

―!




97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 13:48:25.10 ID:mP/FTvlK0
谷口「おおっ…キョンじゃないか!久しぶり過ぎる…」

国木田「生きてたんだね。11月くらいから姿見えないから心配したよ…」

谷口「お、お前単位は?テストは?」

キョン「学校には来ていたさ。忙しくて学食に顔出さなかっただけでな」

谷口「そうかぁ…まあ安心したぜ」

国木田「そうだよ。フラッと消えちゃうんだもん」

古泉「消失したのかと思ってましたよ」

ハルヒ「本当。死んでなかったのね」

心なしか、古泉とハルヒの視線は冷たい

キョン「よう古泉。ハルヒ。元気だったか?」

古泉「当たり前ですよ」

ハルヒ「見ればわかるでしょ」

キョン「…」




98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 13:52:29.11 ID:Q5d88pVe0
みんなリア充だ・・・




99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 13:58:51.40 ID:mP/FTvlK0
国木田「ま、まあせっかくキョンが来たんだからさ、みんなで久しぶりに出掛けようよ?」

谷口「そうだな!古泉達も来るだろ?」

古泉「僕は構いませんが…」

ハルヒ「私は帰るわよ。忙しいから。じゃあね」

彼女はさっさと行ってしまう


古泉「気にしてはダメですよ?」

キョン「…別に気にしてないさ」

数ヶ月離れた後に友人と遊ぶ…
気持ちの回復もあって、そりゃあ楽しいものだった

一方で、古泉がハルヒの事をどう思ってるか長門から聞けたのは、5月に入ってすぐだった




101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 14:07:33.54 ID:mP/FTvlK0
2年生5月

キョン「古泉がハルヒを本格的に狙っている?」

長門「そう…」

キョン「…最近仲良さげにしていたからな…」

長門「既に何度か2人きりのデートや、よく相談相手になっている姿が目撃されている」

キョン「…」

長門「更に、親しい友人には涼宮ハルヒへの想いを打ち明けている」

キョン「本気なのか…」

長門「今の古泉一樹は機関の足枷が何もないような状態…」

キョン「…」

長門「涼宮ハルヒと付き合おうが、貴方が消えようが、閉鎖空間が広まらなければ何も問題は無い」

キョン「ハルヒのご機嫌一つってのは変わらないんだよな…」

長門「あと、非常に言いにくい事だけれども…」

キョン「ん、なんだ?」




102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 14:16:02.40 ID:mP/FTvlK0
長門「4月に涼宮ハルヒと貴方が接触した瞬間、閉鎖空間が発生した報告が入っている」

キョン「…」

長門「今の貴方は、彼女にとって危険…」

キョン「なるべく…近付かないようにするよ」

長門「…」

古泉「そうしてもらえると、助かりますね」

キョン「古泉…!」

古泉「少しあなたにお話があって。長門さん、彼を少しお借りしても?」

長門「…構わない」

そう言って長門は席を立った




105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 14:24:33.00 ID:mP/FTvlK0
キョン「話ってなんだよ…?」

古泉「実は少し悩み事を聞いてもらいたいのですよ」

キョン「悩み事…?」

古泉「ええ。今夜涼宮さんとお会いしてお話するんですけど…」

キョン「……っ」

古泉「貴方なら、何か彼女の喜ぶ話や考え方を知ってるのではないかと思いまして…」

キョン「…嫌みか?」

古泉「いいえ、情報が欲しいだけですよ。彼女が心の奥底で今何を一番望んでいるか。その切れ端でも掴めれば、と思いまして…」

キョン「…」

古泉「どうです?何か知りませんか?」

キョン「あいつは…家族の事で悩んでいた…」

彼女の事を知ってるんだ、と少しの強がりだった

古泉「それは僕も聞きましたよ。今も親身に相談に乗ってる途中ですから」

キョン「…じゃあ他は知らん」




107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 14:31:32.09 ID:mP/FTvlK0
古泉「そう…ですか。じゃあ最後に。僕は彼女に告白するべきでしょうか?」

キョン「そんなの自分で決めろよ…」

古泉「…心の奥底ではね、もう多分決まってるんですよ。でも誰かの一押しが欲しい。それが相談というものでしょう?」

キョン「…なんで俺に聞くんだよ」

古泉「あんなに近くにいたあなたに背中を押してもらえるなら…自信が持てる気がしましてね」

彼は笑っている

いつもの笑顔より、何だか――

ちょっとだけ含み笑いがあるような顔で、こちらを見て笑っている

キョン「告白…したらいいんじゃないのか。彼女は好き嫌いが分かりやすいから…」

古泉「そうですね…ああ、ありがとうございます。おかげで勇気が出ましたよ」

彼がニコッと笑い席をたつ
一人残った自分の姿が、何だかとても惨めに思えた

古泉とハルヒが付き合い出すまで、そこから1ヶ月とかからなかった




109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 14:41:02.18 ID:mP/FTvlK0
2年生7月

古泉とハルヒが付き合い出した

―電話

古泉『涼宮さんからオッケーもらえましたよ』

キョン『そうかい、そりゃあよかったな』

古泉『個人的に、これが最後の恋愛でいいかな、なんて思いましてね』

キョン『…』

古泉『ああ、それと…あなたとは友人的な関係は続けますが、機関からの情報をもう話す事は無いでしょう』

キョン『ハルヒにとって、そういう存在だものな』

古泉『理解していただいて助かります。それと…僕たちが付き合ってる事は内密でお願いしますね』

キョン『…ああ』

古泉『では、失礼します』


口外するな、ねぇ…




110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 14:47:54.55 ID:mP/FTvlK0
同時期

ひよ研部室

キョン「よう長門」

長門「体調は平気?」

キョン「ああ、おかげで。今はもう大丈夫だ」

長門「そう…よかった」

キョン「…」

長門「…涼宮ハルヒの事を話すのは迷惑?」

キョン「迷惑ではないが…もう俺が聞いても意味無いんじゃいのか?」

長門「…一応。どちらかと言うとこれは雑談…噂話のようなもの」

キョン「雑談か…まあそれなら…」

長門「古泉一樹がサークル活動を辞めた」

キョン「辞めた?」

長門「理由は涼宮ハルヒ。彼女が活動への参加を禁止した。彼は二つ返事で承諾」




112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 14:55:22.40 ID:mP/FTvlK0
キョン「どこかで聞いた話だな…」

長門「理由は他女子への接触の禁止、デートするための時間の確保」

キョン「まあ、わかりやすい…」

長門「更に喫煙の永久禁止。理由はタバコが嫌いだから」

キョン「…ヘビースモーカーには辛いな」

長門「…涼宮ハルヒの方が主導権を握っている様子。今のところは…」

キョン「今のところ?」

長門「男女の仲は変わるもの…」

キョン「そりゃそうだな」

長門「…」

キョン「…」

長門「まだ、つらい?」

キョン「そんなことは無い…」

長門「貴方を見てると…常に何かに悩んでるように見える」

キョン「最近いろんな事があったからな」




113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 15:04:08.96 ID:mP/FTvlK0
長門「…よければ、私に寄りかかってくれて構わない…」

キョン「俺は…長門には迷惑をかけられない…」

長門「私を信頼していない、と?」

キョン「そうじゃない…今長門に寄りかかったら…ハルヒにフラれたから近付くみたいで」

長門「私は気にしない。何よりそうでない事は私が一番知っている」

キョン「…」

長門「…」

キョン「ごめん。俺には…」

長門「そう…」

キョン「ああ…」

長門「じゃあ一つ…貴方に言う事ができた」

キョン「?」

長門「私は今月中に大学を辞める」




115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 15:14:06.28 ID:wVYdA/kt0
長門……




116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 15:14:39.86 ID:mP/FTvlK0
キョン「大学を辞めるって…どういう事だ?」

長門「私はもう涼宮ハルヒに必要とされていない」

キョン「な…」

長門「古泉一樹と付き合った事により、彼女には私がもう必要なくなった」

長門「私がもう大学を訪れる事は無い」

キョン「…それは、もうどうしようもないのか?」

長門「無い。でも大学を辞めるだけで貴方の前から消える訳ではない…」

キョン「つまり、会おうと思えば会えると?」

長門「可能。しかしそこに涼宮ハルヒが絡むと接触は不可能になる」

キョン「…」

長門「最悪の場合、貴方達の前から消えてしまう。今は…例えれば左遷のような状態」

キョン「左遷か…嫌なもんだな」

長門「…」




119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 15:21:02.27 ID:mP/FTvlK0
長門「貴方が家に来たあの日…大切なものをたくさんもらった…」

キョン「…」

長門「あの日は私にとって一番大切な日…お礼を言いたい、ありがとう」

キョン「俺の方こそ…あの時長門に助けてもらわなかったら、今どうなっていたか…ありがとう」

長門「うん…」

キョン「…」

長門「もう行かなきゃ…」

キョン「そうか…」

長門「連絡先は変わってない…それだけ」

キョン「ああ…またな。…有希」

長門「…それも、とても大切なもの。ありがとう」


長門は部室を出ていった

彼女が座っていた椅子を片付けて…俺も部屋を出た

もうここには来ないのだろう




121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 15:31:08.82 ID:mP/FTvlK0
夏休みも終わった、10月前半

ハルヒ「じゃあ、そろそろ私は帰るわね」

谷口「おう、またなー」

国木田「またねー」

古泉「ちょうど僕も帰る時間なので送っていきますよ」

ハルヒ「あら、ありがとう。じゃあ行きましょう」



国木田「…分かりやすいよね、あの二人もさ」

谷口「な、何がだ?」

国木田「夏休みに何かあって付き合い出したのかね?」

谷口「そ、そんなこと無いんじゃないかなぁ…」

国木田「見ればわかるでしょ?学校始まってからほぼ毎日一緒に来ては一緒に帰ってるんだから」

谷口「…ああ、そうだな。アイツら付き合ってるんだよ」

キョン「…(まあ、国木田ならいいのか?)」




124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 15:37:27.50 ID:mP/FTvlK0
国木田「だよね?知らなかったの僕だけ?」

谷口「…サークルが同じだからアイツ(古泉)とは仲良くなってな…まあ早いうちに知ったんだ、俺も」

国木田「ふぅん…」

谷口「まあ、本命彼氏にフラれて、悩んでる所に手を差し出せば…はい、カップル完成ってな」

国木田「嫌な言い方だね?」

谷口「でも実際そうだぜ?彼女できてから付き合いも最悪になったしな…周りはあまり応援してないし」

国木田「何か壁を作ってる感じはあるよねー」

谷口「…で、だんまりのキョンはそれでいいのか?」

キョン「ん、何がだ?」

谷口「涼宮の事だよ。お前好きなんだろ?」

キョン「あんなに嫌われた後じゃあな…お手上げだ」

国木田「彼氏持ちだもんねー」

谷口「お前がそれでいいならいいけどよぉ…」




125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 15:41:11.51 ID:mP/FTvlK0
谷口「なら、なんでいつも涼宮目で追ってるんだよ?」

国木田「あ、それは僕も思ってた」

キョン「……マジ?」

谷口「お前どんだけ見るんだよ、ってくらいガン見してるよ」

キョン「嘘だ…」

国木田「本当だよ。もう好きじゃないのかい?」

キョン「…頭の中では、もう考えて無い…でも、どこかまだ残ってるんだろうな」

谷口「ふ~ん…まあ後悔しないならいいんじゃねえの?」

キョン「ああ、頭の片隅に入れておくよ」




127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 15:47:42.04 ID:U8veO7Z10
ハルヒ変わりすぎだろ・・・




128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 15:48:50.90 ID:mP/FTvlK0
2年生11月

放課後、学食

長門がいなくなった

古泉もハルヒも、付き合いだしてから周りの友人の誘いを断りまくってるようだ

いい話じゃないな、確かに

谷口もボランティアの活動が忙しくて走り回ってるようだ

となると残るのは…

国木田「やあ、キョン」

キョン「…よう、国木田」

国木田「今日は誰もいないの?」

キョン「みたいだな。2年近くも通えば、サボるコツも覚えるもんさ」

国木田「そうだね。みんな何かに力入れてる様子だしね」

キョン「何か…ね」




130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 15:54:46.78 ID:mP/FTvlK0
国木田「…ところでキョン。今週の日曜日空いてる?」

キョン「ああ…今週は大丈夫だ。またどっか行くのか?」

国木田「むふふー、実はね…いや、今はやめておくよ」

キョン「何だよ、気持ち悪いな…変な用事なら俺はパスだ」

国木田「ああ、ごめんごめん。わかったから…実はね、バイト先の女の子と遊ぶ約束があってね」

キョン「…ほうほう、それで?」

国木田「2人きりでデート、ってわけにもいかなくてさ。女友達2人で来るんだよ」

キョン「それで一人男が必要だ、と」

国木田「そうなんだよ。それでね…その女友達がね、高校の時にいた朝比奈さんなんだよ」

キョン「朝比奈さんが!!」




131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 15:55:35.26 ID:wVYdA/kt0
みくるかよwww




132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 15:55:46.33 ID:Ie9PD1SE0
最後まで空気なのかと思ってた>朝比奈さん




133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 15:56:50.65 ID:NJ3Ie/Mc0
みくるの出番があってよかった




134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 16:00:20.21 ID:mP/FTvlK0
国木田「この辺りに来てたのが驚きだよね。来るでしょ?」

キョン「も、もちろん…」

国木田「よかった、じゃあ連絡しておくよ。時間はまた後で知らせるから」

キョン「ああ…じゃあ、な」



朝比奈さんに会える…こんな時期に

ハルヒの影響…もう考えるのも億劫だ

今はただ朝比奈さんに会える…その週末を楽しみに眠ろう




135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 16:07:01.89 ID:mP/FTvlK0
日曜日

国木田「やあ、迎えに来たよ」

キョン「…国木田も車を買ったんだな」

国木田「うん、キョンは車買わないの?」

キョン「俺はまだ免許もとってないからな」

国木田「そっか。まあそのうちかな?」

キョン「そのうちな。…今日はどこへ行くんだ?」

国木田「街外れにある屋内型のスポーツ施設だよ。ボーリング、ビリヤード、ダーツ…何でもあるよ」

キョン「なるほど、選択肢は多い方がいいものな」

国木田「うん。彼女達はもう中で待ってるってさ」

キョン「よし…行くか」

国木田「うん」




137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 16:15:23.14 ID:mP/FTvlK0
施設の中に入ると色んな音…歓声やボーリング玉が床を転がる音…賑やかだ

国木田「あ、いたいた。やあ」

キョン「あ、朝比奈さん…」

朝比奈「キョン君…お久しぶり…ですね」

キョン「2、3年ぶりですね。こっちに来てたのは知ってましたが、ハルヒの…」

朝比奈さんは軽くウィンクをしてサインを送る

キョン(禁則事項…か。懐かしいな)

国木田「二人だけで世界作らないでよ。ほらこっちの子が~~……」



国木田「ふう、今日は楽しかったね」

朝比奈「はい、誘っていただいてありがとうございました」

キョン「俺も楽しかったよ」

朝比奈「あ…キョン君、よかったら連絡先を教えてもらえませんか?」

キョン「そうですね…じゃあ、はい携帯」

朝比奈「…はい大丈夫ですよ」




139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 16:23:34.61 ID:mP/FTvlK0
国木田「じゃあ、また今度誘うよ」

キョン「さよなら朝比奈さん…また」

朝比奈「はい」



帰りの車中

国木田「来てよかったね」

キョン「ああ、朝比奈さん可愛かったなぁ…」

国木田「どれがボーリング玉かわからなかったよね」

キョン「ああ…いい眺めだったな」

国木田「…ねえキョン。朝比奈さん、君に会いたがってたんだよ」

キョン「朝比奈さんが?」




142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 16:29:31.06 ID:mP/FTvlK0
国木田「うん。バイト先の子と色々話していてね。そういう話がね」

キョン「そうなのか…」

国木田「寄ってくる女の子は大事にしなよ?」

キョン「そんなんじゃないだろ。昔の友人に会えるんだから嬉しかったんだろう」

国木田「…の割には僕の事あまり話題に出なかったんだよね」

キョン「…」

国木田「まあ、もうすぐクリスマスだしね。考えてみなよ」

クリスマスか…来月なんだよな…




144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 16:33:54.33 ID:mP/FTvlK0
2年生12月中旬

街がクリスマス色の準備をし出した頃、それは突然やってきた

ピリリリリ

キョン「…朝比奈さん?もしもし?」

朝比奈『あ、こ、こんにちわ。あの、明日の夕方とか暇ですか?』

キョン『え、明日ですか、はい全然大丈夫です!』

朝比奈『よかった。実はお買い物に付き合って欲しくて…ご一緒してくれませんか?』

キョン『は、はい喜んで!』

朝比奈『よかった…じゃあ明日夕方5時に駅前で大丈夫ですか?』

キョン『わかりました。じゃあ明日!』



朝比奈さんとお買い物かぁ…うん、いい

朝比奈さんか…確かに一時期は心奪われていたけどさ…




145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 16:39:28.40 ID:mP/FTvlK0
夕方駅前

人混みをかき分け、駅前に着く

もう朝比奈さんはそこで待っていた

朝比奈「キョン君」

キョン「ごめんなさい、遅れました」

朝比奈「大丈夫ですよ。私が早く着きすぎただけですから」

キョン「そういってもらえると助かります…で、今日は何を買うんですか?」

朝比奈「あ、はい。実はお友達にクリスマスプレゼントを買いたくて…」

キョン「なるほど、確かに駅前にはお店がたくさんですからね」

朝比奈「はい。じゃあ行きましょう」

駅前に一つ、大きなお店がある

雑貨や薬品、何でもありのデパートのような所だ




147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 16:48:26.78 ID:mP/FTvlK0
朝比奈「あ…ここです。このファンシーショップ」

キョン「なるほど…女の子らしいですね」

朝比奈「……」

朝比奈さんはもう品物を探して歩いて

キョン(女性の買い物に口出しはできないからなぁ…)

キョン「朝比奈さん、俺は少し周りのお店を見てますよ」

朝比奈「あ、はいわかりました~」



朝比奈「今日はありがとうございました」

キョン「いえいえ。こちらこそ」

キョン(あれ、俺いなくても良かったのか?)

朝比奈「あの…あの…」

キョン「はい?」

朝比奈「あの、これ…」

差し出されたのは一つの紙袋…




150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 16:54:10.59 ID:mP/FTvlK0
キョン「これは?」

中身を覗こうとすると

朝比奈「ああっ!だ、だめです!見ないで下さい!」

キョン「うおっ…」

朝比奈「あ…お家に帰ってから見て下さいね。そ、それじゃあ…また…」

サササッと、朝比奈さんは駅に入って行ってしまった

キョン「あ、朝比奈さん…行っちゃった」

約束通り、袋は開けず…家に帰った




152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 17:02:24.51 ID:mP/FTvlK0
ガサガサ



キョン「…これは…」

中には小さなクリスマスツリーと…ラベルの貼られていないジャムが瓶詰めされていた

キョン「…」

ピッピッ

ピリリリリ

朝比奈『はい、もしもし?』

キョン『プレゼント、ありがとうございました』

朝比奈『…喜んでもらえましたか?何渡すか迷ってしまって…』

キョン『あれはお店で買ったんですか?』

朝比奈『いえ、ジャムは手作りで…プレゼントも結構前に用意していましたよ』

キョン『そう…なんですか…』




155 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 17:10:53.22 ID:mP/FTvlK0
朝比奈『ご迷惑だったかもしれませんが…』

キョン『そんなことないです!すごく嬉しいですよ!』

朝比奈『よかった…』

キョン『…あの、来週暇な日ありますか?』

朝比奈『来週…ですか?…ええ、23日ならあいてますよ』

キョン『よかった。夕方からまた一緒に出かけませんか?今度は俺が隣町まで行きますよ』

朝比奈『ホントですか!はい…大丈夫ですよ』




156 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 17:17:31.79 ID:mP/FTvlK0
キョン『細かい時間はまた連絡しますよ。じゃあ…今日はありがとうございました。ジャム、大切に食べます』

朝比奈『ふふっ、一人暮らしでも、せめて少しでも栄養とって下さいね…じゃあ、さよなら』

ピッ



ジャム…手作り…買っておいてくれたクリスマスプレゼント、隣町まで来てくれた…

キョン「…さて、俺は何を買いに行こうかな」

コートを着て、外へ出る

心なしか、さっきより寒さが無くなった気がした




157 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 17:27:03.85 ID:mP/FTvlK0
12月23日

夜に近い夕方

肌寒い。2年この地域に居たが隣町まで来たのは初めてだ

キョン「待ち合わせ場所は…近くの公園か…」

この辺りに見て回れるお店は殆ど無いと言われてしまったので、公園を場所に決めた

慣れない道を少し歩く。近くても、最初は遠く感じてしまう

キョン「ここか…」

朝比奈さんはまだ来ていない

キョン「朝比奈さんが来たら俺は…」

言ってしまうんだろう

昔の気持ちを思い出して…今は

―ハルヒ

…なんでハルヒが今出てくる?

今は関係ない。あいつらだってクリスマスは忙しいだろう。俺が気にする事じゃない




158 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 17:34:27.26 ID:mP/FTvlK0


朝比奈「お待たせしました」

キョン「朝比奈さん…」

朝比奈「すいません、わざわざこんな所まで…」

キョン「いいんですよ。この前の…お返しで、その…はい、これ」

朝比奈「え…あ、ありがとうございます…これは…」

キョン「クリスマスプレゼント…中身は家に帰るまで見ちゃダメですよ?」

朝比奈「ふふっ…わかりましたよ」

笑顔だ―

キョン「…あの、朝比奈さん…」

朝比奈「はい?」

キョン「朝比奈さんが好きなんです、俺」

朝比奈「……!」




163 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 17:39:09.34 ID:mP/FTvlK0
キョン「あなたにもう一度会えて嬉しかった。また会えると思ってませんでした」

朝比奈「…あたしも…もう一度会えて嬉しい…もう会えないと思ってました」

キョン「そうなんですか?」

朝比奈「彼女…涼宮さんの影響で…」

キョン「またあいつか…」

朝比奈「キョン君も知っての通り…本当は私もキョン君と同じ大学に入るつもりでした」

キョン「…」

朝比奈「でも私はその大学に入れず…隣町まで近付くのが限界でした」

キョン「今まで会えなかったのも…?」




165 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 17:48:50.38 ID:mP/FTvlK0
朝比奈「はい。彼女の影響が弱まったため、今こうして会えてるんだと思います…」

キョン「なるほど…でも、今はハルヒは関係ありません。俺は朝比奈さんに会いたくてここに来たんです」

朝比奈「キョン君…」

キョン「付き合って下さい。お願いします」

朝比奈「…私でよかったら、ぜひ。お願いします」

そっと2人で手をつなぐ…ぬくもりが懐かしい

朝比奈さんは笑ってくれた

これからは朝比奈さんと一緒に生きていける




166 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 17:51:49.09 ID:Tn5DpSn5P
エロゲの主人公みたいにみんなに好かれるなキョンはwwww




168 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 17:56:18.26 ID:mP/FTvlK0
朝比奈さんと一緒に年を越した

週末には毎回会える

有名な遊園地にも行った

少し遊園地は苦手だったが、朝比奈さんは喜んでくれた

もちろん大学にも顔は出している

国木田とは相変わらずよく遊ぶ

でも谷口も、古泉もハルヒも…長門も今はあまり連絡はとらない

俺も彼女ができてしまったら、付き合いが悪くなってるんだろうか?

…朝比奈さんがいれば、今はどうでもよかった




169 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 18:03:11.92 ID:mP/FTvlK0
3年生5月

俺たちも3年生になった

生活にも余裕が出てきて、平穏に過ごしている

今日も朝比奈さんとデートだ

今回の場所は電車で1時間移動した街の大型デパート

キョン「このデパート…ショッピングセンターですかね。最近できたばかりなんですよ」

朝比奈「そうなんですか?えへへ、楽しみです♪」

キョン「はしゃぐ姿も可愛いですよ」

朝比奈「もう…バカな事言わないで下さい!」

笑いながら叩いてくる、彼女が愛しい

キョン「ははっ、さて何から見ますか?洋服ですか?小物ですか?」

朝比奈「えっと…今日は洋服な気分ですね。キョン君は何かありますか?」

キョン「俺は合わせますよ。気分でフラフラしてもいいですし」

朝比奈「一緒に歩くだけで楽しいですもんね♪じゃあいきましょう」




170 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 18:09:27.41 ID:mP/FTvlK0
歩く

二人で手を繋ぎながら

ゆっくりと幸せだ

目の前からあいつらが現れるまでは


古泉「…!」

ハルヒ「…!」

キョン「…!」

朝比奈「…!」

これだけ目が合ったら、見てみぬフリもできない




171 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 18:17:34.75 ID:mP/FTvlK0
古泉「こんな所で会うなんて…しかも朝比奈さんまで。お久しぶりですね」

朝比奈「ひ、ひえっ…お、お久しぶりで…」

キョン「…」

ハルヒ「…」

俺たち2人は何も話せない

古泉「朝比奈さんがこちらに来ていたのは知ってましたが…いやはや、まさかね…」

チラリ、と俺の方を見てくる

キョン「ああ、去年から付き合ってるんだ俺たち。偶然会ってな」

古泉「ほう…それはそれは」

キョン「…まあだからデートしてるだけだ。じゃあ、またな」

この場からすぐに逃げ出したかった

古泉「そうですね。では…」

それは古泉も同じようだった

じゃあ、と言おうとしたその時…

ハルヒ「待ちなさいよ」




174 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 18:26:03.19 ID:mP/FTvlK0
―!

古泉「…涼宮さん?」

ハルヒ「久しぶりに会ったんだから、少し話しましょうよ。みくるちゃんと少しお話したいの」

朝比奈「ふぇ?わ、私ですか…?」

ハルヒ「そうよ。じゃあ1時間したらまたここに集まりましょう」

古泉「…わかりました。では、また」

―2人は人混みの中に消えて行った

古泉「…僕たち2人、になりますよね」

キョン「そうだな…」

古泉「少し僕たちも話しましょうか。少なくとも、今日会ったのも…やはり偶然では無いでしょう」

キョン「やっぱり、か…」

古泉「はい。とりあえず、朝比奈みくると接触していた事に驚きましたよ」

キョン「ああ、国木田からの紹介でな…」

古泉「その辺りの事は学校で多少噂になってましたね。僕はあまり興味ありませんでしたが」




176 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 18:40:21.67 ID:mP/FTvlK0
キョン「任務以外は興味ないってか?」

古泉「今の僕は、涼宮さん以外の事に興味はありませんね。彼女、いい具合に染まってますよ。僕色にね」

―ズキッ

キョン「うまくいってるなら、そいつは結構」

あれ、何言ってるんだ俺?

古泉「あなたも付き合う人間が見つかってよかったじゃないですか」

キョン「まあ…な。」

古泉「にしても、人に見つからないようにこの場所を選んでいたのに…全く」

そう言うと古泉は懐からタバコを取りだし、慣れた手つきで火をつけた


古泉「あ、喫煙の事は涼宮さんには内緒でお願いしますね」

キョン「…ああ、わかったよ」


古泉「…」

キョン「何か言いたいのか?」

古泉「以前なら何でも話していましたがね…今は…まあ、いいでしょう。一つだけ」




177 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 18:48:33.98 ID:mP/FTvlK0
古泉「涼宮さんはあなたの事、以前より嫌いではありませんよ」

キョン「…!」

古泉「一時期は本当に嫌ってましたけどね。今は…ほら、こうやって会ってるわけですから」

キョン「なるほどな…全部手のひらの上で踊ってるんだな」

古泉「踊ってるのは、あなただけですよ?いや、あなたと朝比奈さん…ですかね」

キョン「なんだと…」

古泉「そのうちわかりますよ…そろそろ電話が来ますから」

―ピリリリリ

古泉「ほらね?…はい…わかりました今から向かいますよ」

古泉「さて、行きますか。彼女達も終わったようですよ」

古泉はさっさと歩き出してしまった

集合場所にもう2人はいた

そのまま古泉達とは別れた。相変わらずハルヒは目線も合わせてくれなかったけど

嫌われてはない…か

俺たちもなんだか、帰る雰囲気になってしまった




178 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 18:55:13.68 ID:mP/FTvlK0
帰りの電車

朝比奈「…」

キョン「…何だか、変な感じでしたね」

朝比奈「ええ…以前にSOS団で活動してた時とは、やっぱ違うものですね」

キョン「そう言えば…ハルヒと何を話していたんですか?」

朝比奈「涼宮さんとは…そうですね、近況とかをお話していて…」

キョン「近況ですか?」

朝比奈「こっちに引っ越してから、彼女とは接触してませんでしたから…色々と」

キョン「まあ確かに…」

朝比奈「涼宮さんが私を遠ざけたとはいえ、彼女に自覚はありませんから…仕方ありません」

キョン「まあ…それは」

朝比奈「で、色々と。あ、キョン君の事も聞かれましたよ?」

キョン「俺の?」




179 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 19:07:25.22 ID:mP/FTvlK0
朝比奈「はい。付き合った経緯とか…そうですね」

キョン「へえ…」

朝比奈「…キョン君の事気にしている様子でしたよ?少なくとも私の目にはそう見えました…」

キョン「…」

朝比奈「私、少し怖いんですよ。また涼宮さんの影響で何かあるんじゃないかと…」

キョン「今は古泉から情報も聞けませんからね…何とも…」

朝比奈「何かあったら…また私遠くに行ってしまいそうで…」

キョン「長門の事もありますしね…」

朝比奈「心配ですね…」




182 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/02(金) 19:11:51.86 ID:mP/FTvlK0
キョン「…考えるのはやめましょう。今は朝比奈さんと一緒にいる。それでいいじゃないですか」

朝比奈「そうですね…」

朝比奈さんはギュッと手を握ってくる

彼女が隣にいる…それだけでいいじゃないか…

古泉とハルヒの事を聞いたあの瞬間の

あの一瞬胸がズキッとした感覚は…今は忘れよう









その2へ




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コメント
この記事へのコメント
  1. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/18(日) 09:05: :edit
    もしもしから1get
  2. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/18(日) 09:06: :edit
    2だろ!!!
  3. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/18(日) 09:52: :edit
           ┌―‐┐
        / l|   ̄ ̄|
        l   l| T " T|  <いんやぁ~あ
         \ l|_ Д |
       >rェュ[ニニニ]∠
       / /`ー‐[H
      〔ニ〕    / /  ガシャーン
      \ \   \\   ガシャーン
        \ \ ∠二¬
       ∠ 二 ¬
    3ゲット顔ロボだよ
    自動でインヤーしてくれるすごいやつだよ

    A ROR?
  4. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/18(日) 09:52: :edit
    余裕の3
  5. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/18(日) 09:59: :edit
    独歩スレかと
  6. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/18(日) 10:21: :edit
    アマゾンwwww
  7. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/18(日) 10:25: :edit
    当然3ですね
  8. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/18(日) 10:45: :edit
    8!
  9. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/18(日) 10:52: :edit
    9かな?
  10. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/18(日) 10:53: :edit
    何か唐突だな
  11. 名前: 通常のナナシ #1FBKC2Is: 2010/04/18(日) 10:57: :edit
    長門の歌に笑った。
    中の人は今頃ツアーの準備中かな?
  12. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/18(日) 11:17: :edit
    古泉「よければ膝をお貸ししますが?」
    古泉「んっふ」

    kimeeeeeeeeeeeeee
  13. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/18(日) 13:28: :edit
    みんな全部読んでる?
    長すぎて無理
  14. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/18(日) 13:51: :edit
    アリフィにスクデイを持ってくるとかwwwww
  15. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/18(日) 15:15: :edit
    みんなほいほい気軽に車買ってるのが
    なんか違和感あった
  16. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/18(日) 15:16: :edit
    だよな
    俺も途中でアマゾンの思いついたわ
  17. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/18(日) 17:19: :edit
    生々しい
  18. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/18(日) 18:20: :edit
    途中でリタイアしたわ…
  19. 名前: 創造力有る名無しさん #-: 2010/04/18(日) 20:29: :edit
    みんなふらふらしすぎだろと思ったが
    しかしリアルじゃこんなもんなんだよな
    だから妙に生々しいわ・・・・
  20. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/18(日) 20:43: :edit
    時々まとめられるこのタイプのSSが
    楽しみでしょうがない
  21. 名前: kusomushi #KTKXTmUA: 2010/04/19(月) 01:12: :edit
    管理人さん鬼作のSSのやつ、まとめてくれない?
    もう本スレ落ちたらしくて見れねーんだ。
  22. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/19(月) 22:27: :edit
    なんかこのハルヒうざい・・・
    でキョンも軟派過ぎんだろ・・・
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c o m m e n t
p a s s
 
俺の妹がこんなに可愛いわけがない 黒猫 白猫Ver.
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