2009/12/20(日)
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 19:48:06.09 ID:0/gkCRFA0
初春「あー。そういえばありましたね、そんな噂」
佐天「本当だったらすごいよね。なんの能力も無いのに最強の超能力者(レベル5)を倒すなんてさ」
初春「たしかにすごいですけどどうやって勝ったのかが全然想像できませんね」
佐天「つまんないこと気にしないのよ初春! どうやって勝ったかなんてのは問題じゃないの!
勝てるはずがないのに勝つ! そこにこそロマンがあるのよ!!」
初春「ろ、ロマンですかー」
佐天「ロマン、ロマンよ! 無能力者が勝てるはずの無い超能力者に勝つ!
それってつまりあたしたち無能力者(レベル0)には無限の可能性があるってことでしょ!」
初春「そ、そうかもしれませんね! おお、なんだか私もロマンを感じてきましたよ!」
佐天「でしょでしょ!? 感じなさい感じなさいどんどん感じなさいそして旅立つの無限の宇宙へ!」
初春「お、おー! なんだか燃えてきました! レベルとか関係ないですよね! 私たちには無限の可能性が
佐天「ま、所詮噂は噂なんだけどね」
初春「燃えてきたのにいきなり元のテンションにもどらないでくださいよ!」
初春「あー。そういえばありましたね、そんな噂」
佐天「本当だったらすごいよね。なんの能力も無いのに最強の超能力者(レベル5)を倒すなんてさ」
初春「たしかにすごいですけどどうやって勝ったのかが全然想像できませんね」
佐天「つまんないこと気にしないのよ初春! どうやって勝ったかなんてのは問題じゃないの!
勝てるはずがないのに勝つ! そこにこそロマンがあるのよ!!」
初春「ろ、ロマンですかー」
佐天「ロマン、ロマンよ! 無能力者が勝てるはずの無い超能力者に勝つ!
それってつまりあたしたち無能力者(レベル0)には無限の可能性があるってことでしょ!」
初春「そ、そうかもしれませんね! おお、なんだか私もロマンを感じてきましたよ!」
佐天「でしょでしょ!? 感じなさい感じなさいどんどん感じなさいそして旅立つの無限の宇宙へ!」
初春「お、おー! なんだか燃えてきました! レベルとか関係ないですよね! 私たちには無限の可能性が
佐天「ま、所詮噂は噂なんだけどね」
初春「燃えてきたのにいきなり元のテンションにもどらないでくださいよ!」
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 19:54:05.73 ID:0/gkCRFA0
佐天「簡単につられちゃって初春はかわいいなーもう!」
初春「佐天さんひどいですよう。私はちょっと本気で燃え始めてたのにー」
佐天「あははごめんごめん。
でもさ、そんな都合のいい話あるわけないじゃん」
初春「ろ、ロマンがないですね。もしかしたらあるかもしれないじゃないですか」
佐天「ないない。レベル0がレベル5にどうやって勝つって言うのよ。
素手で戦車に挑むようなものじゃない」
初春「まあ、その通りですけど…」
佐天「あったら面白いけど、現実はそんなに都合よくはいかないものでしょ」
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 20:00:44.76 ID:0/gkCRFA0
初春「でも、なんであんな噂が流れたんでしょうね。
やけにいきなりな話でしたし、どうも信憑性が高かった、っていうか…」
佐天「噂が突拍子もないのはごく普通でしょ。
結局第一位が健在だってことですぐ消えちゃったし。
しょせんは低レベル能力者の願望だったのよ」
初春「…うーん……今思うとあの噂、消え方も不自然だったような…」
佐天「初春夢見すぎよー」
初春「ですかねー」
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 20:01:03.11 ID:3nsyycmDO
第四波動はまだかね
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 20:03:11.57 ID:I1oAzKYZO
>>8
いま熱を吸収してるとこ
もうちょっとまって
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 20:11:53.60 ID:0/gkCRFA0
そんな話で、盛り上がって。
いつも通り、ふざけたおしゃべり。
少しの夢と大半の諦めや自嘲。
そんな日常のなかで。
佐天「……あれ、御坂さんだ」
初春「ほんとですねー、って、なんだかすごくびりびりしてますね」
佐天「うん、なんかびりびりしてるわね」
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 20:12:38.07 ID:0/gkCRFA0
その光景は、何か、
佐天「ちょ、御坂さん、それは…!?」
初春「確実に殺人クラスの電流ですよ!? ああ!? 撃っちゃ!?」
あたしのくすんだ世界を、突き破るかのような。
佐天「……え?」
初春「あ、あれ?」
そんな、衝撃だった。
佐天「………消え、た? ううん、消した…?」
30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 20:21:17.12 ID:0/gkCRFA0
美琴「くそ、あんにゃろ。逃げ足の速さは本当に驚異的ね…。
…あ、しまった。アイツ追いかけてたせいでまた見慣れない場所に…」
初春「こ、こんにちわ、御坂さん」
美琴「あら、初春さん。佐天さんも。奇遇ね」
佐天「そ、そうですね…」
美琴「あ、ちょっと悪いんだけど、一番近いバス停ってどこかしら。
私ここあんまり知らないのよね」
初春「あ、それなら…」
佐天「あ、あの! 御坂さん!」
美琴「え、なに?」
佐天「その、さっきの、って…」
美琴「あ……み、見てた?」
佐天「そりゃーこんな道の真ん中であんな能力使ってれば…」
美琴「あ、あははは」
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 20:24:52.78 ID:0/gkCRFA0
美琴「いや、そのね? 別にいつもあんな風にやってるわけじゃないのよ?
いつもはもっと…」
佐天「そ、そうじゃなくてですね」
美琴「え?」
佐天「さっき…御坂さんの電撃、防がれてましたよね?」
40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 20:31:40.63 ID:0/gkCRFA0
美琴「…あー……そうね。いつものことだけど思い返すと腹立たしいわ。
そう、そうなのよいつもアイツは私のこと相手にしようともせずこっちの攻撃なんてものともしないのよね」
佐天「い、いつものことなんですか?」
美琴「そうね。むかつくけどいつものことだわ」
佐天「レベル5の御坂さんの能力をそんな簡単に防ぐなんて……
あの、さっきのツンツン頭の人もやっぱりレベル5、なんですか?」
美琴「……違うわ」
佐天「え、じゃあ…」
美琴「4でもないわ。3でも2でも1でもね」
佐天「……え?」
美琴「……ふざけたことにね。アイツあれで、レベル0の無能力者なのよ。
本当、ふざけてるわ」
73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 21:42:17.69 ID:0/gkCRFA0
佐天「レベル0って…そんな。能力もなしで御坂さんの電撃が防げるはずが…」
御坂「あー、詳しいことは知らないけどあいつはなんていうか…『違う』のよ」
佐天「違う?」
御坂「私たち…能力開発で能力を得た、学園都市の一般的な生徒のカテゴリーじゃないみたいなのよね」
能力開発で能力を得た、一般的な生徒。
それじゃあ、能力開発でもなんの能力も得られなかった、あたしは。
77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 21:47:53.42 ID:0/gkCRFA0
初春「一般的じゃない、ですか…? じゃあ、あの人はどういう…?」
学園都市最高クラスの優等生の何気ない言葉で劣等感を引きずり出され、
動けなくなったあたしのかわりに、初春が質問を続ける。
御坂「私にもよくわかんないのよ。アイツが詳しく話したこともないし。
ただまあ、はっきりしてるのは…」
初春「はっきりしてるのは?」
御坂「アイツが…あらゆる意味でイレギュラーなやつ、ってことね」
81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 21:51:51.07 ID:0/gkCRFA0
イレギュラー。それはつまり、特別。
佐天「です、よね……」
美琴「…佐天さん?」
納得だ。
当たり前の話だ。
佐天「特別じゃなかったら、レベル5の御坂さんと、張り合えるわけないですもんね」
笑おうとする。
どこまでも、卑屈な気分。
83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 21:56:45.82 ID:0/gkCRFA0
美琴「佐天さん? 大丈夫?」
目の前の『違う』存在が、あたしを心配している。
きっと、この人たちとあたしじゃあ、見えてる世界も違うんだろうな。
初春「佐天さん? あの、」
佐天「ごめん、初春。帰るね。用事あったの忘れてたっ、あは。
御坂さんも、ごめんなさい」
初春「あ、」
佐天「じゃねっ! また明日っ!」
耐えられない。
そんなにあたしは、強くないんだ。
86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 22:04:06.58 ID:0/gkCRFA0
・・・・・・・・・・・
初春「……佐天さん……」
美琴「……何か、悪いことしちゃった、ぽいね」
初春「あ、いえっ! そんな」
美琴「だめだなあ……何しちゃったのかしら。初春さん、分かる?」
初春「ええと、その…」
美琴「……言いにくい?」
初春「いえ、ええと……はい」
美琴「そっか。ごめんね。……うん、なんとなく予想ついた。
…ごめんなさい」
初春「そんな、御坂さんが悪いってわけじゃないですし」
美琴「悪いのよ、私が。まだまだだわ、私」
87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 22:07:01.91 ID:0/gkCRFA0
美琴「でも、そういうことなら、最後のはちょっと……違うわね」
初春「え?」
美琴「伝えておいてもらえないかしら」
美琴「アイツは別に、特別だから、レベル5の…特別な存在の前に立つわけじゃない、って」
90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 22:12:00.02 ID:0/gkCRFA0
・・・・・・・・・・・・
佐天「……あー……やっちゃった……」
自室のベッドで、丸くなる。
自分の情けなさに耐え切れず、逃げ出してしまった。
佐天「…でも無理だって……無理なんだもん……」
友達の初春、初春の同僚の白井さんから、学園都市第三位の御坂美琴さんと知り合ったわけだけど。
知り合うべきじゃなかったし、知り合いたくもなかった。
こんな気持ちになるのなら。
91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 22:14:39.91 ID:0/gkCRFA0
・・・・・・・・・・・・
日付は変わった。
気分も変わった!
佐天「よっし! 忘れろあたし! 寝て食って忘れたぞあたし!」
96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 22:18:09.00 ID:0/gkCRFA0
佐天「う・い・は~るっ! おはよっ!」 ペロンッ
初春「わあっ!」
佐天「おっ! 今日はお気に入りの水色ですか~、ノリノリだねっ!」
初春「佐天さん!」
佐天「ごめんごめん。てへっ」
初春「も~…」
99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 22:22:07.94 ID:0/gkCRFA0
初春「………」
佐天「でさー、結局今日もパン食だったんだけど……って、なによ初春」
初春「えっ!? あ、いえ、その…」
佐天「なによなによ。そんな熱い視線向けられてもあたしにはそういう趣味は…」
初春「そんなのじゃないですよっ」
佐天「あははっ」
初春(……御坂さんの伝言……伝えたら昨日のこと思い出しちゃいますよね…)
103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 22:28:05.59 ID:0/gkCRFA0
佐天「ああああっ!!!」
初春「ひぇっ!? な、なんですか佐天さん!?」
佐天「忘れてた……気分変えようとハイテンションになってたけど…
今日能力テストじゃん……」
初春「わ、忘れてたんですか?」
佐天「覚えていたくもないじゃない」
無理矢理テンションあげようとしてたから頭の中から抜けてたんだけど。
107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 22:33:03.46 ID:0/gkCRFA0
佐天「うわー、テンションさがるわー」
初春「そんなに気にしなくても」
佐天「テストのたびに自分の才能のなさが浮き彫りにされるんだよー
落ち込まないでいられるわけないでしょ」
初春「そこまでもことじゃないと思いますけど…」
佐天「…初春はレベル1だし。情報処理は天才的だもんね」
初春「さ、佐天さん…」
佐天「……ごめん」
だめだ。初春にもひがみを向けてしまう。
やっぱりそう簡単には気分はかえようもないか。
105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 22:31:34.25 ID:K+mRWB0EP
どうでもいいけど佐天と初春って部屋同じだったよな
108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 22:33:46.59 ID:0/gkCRFA0
>>105
しまったw
そこらへんはまあなんとか…脳内補完で
109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 22:35:10.48 ID:nkgoM4h20
こまけぇこたぁいいんだよ!
110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 22:35:48.31 ID:ixnndSWz0
初春と佐天って同じ部屋だったのか
風邪引いた時にメシ作りに来たって言ってたのは何だったんだ
111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 22:37:10.78 ID:hOmPleiQ0
部屋違うんじゃね? しらんけど
113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 22:39:28.56 ID:0/gkCRFA0
忘れよう、忘れよう。
とにかく、昨日なんて日はなかった。
なにもなかったのようんうん。
初春「あっ! そういえばですね」
佐天「え、なになに?」
初春「いい話がありますよ!」
佐天「いい話? なになに? 儲け話?」
初春「違いますよー、ロマンのある話です」
佐天「ロマン?」
初春「昨日調べてみたんですけど、昨日話してたレベル0が第一位を倒したって噂がですね、
どうやら本当にあった事実みたいなんですよ!」
佐天「クリティカルに嫌がらせか初春」
初春「えぇっ!?」
114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 22:41:41.39 ID:ixnndSWz0
この二人の掛け合いは良いな
115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 22:42:15.27 ID:SJ3f9uYzO
三十九度ォォォォのオオオオオオオオオオオオ
116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 22:42:56.60 ID:qgjWiEPnO
トロけそうな日ィィィィィィィィィィィィ
117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 22:49:22.38 ID:0/gkCRFA0
佐天「まあいいわ…
でもあんなの実際にあるわけないじゃない。昨日も言ったけどさ」
初春「ところがそうでもないんですよ。
ネット上の記録とか、風紀委員(ジャッジメント)が把握してる情報とか
私の手の届く範囲の情報をすり合わせてみたんですけど、
あの噂のあった時期に、第一位が、『あの』第一位がですよ? 負傷してるんです」
佐天「負傷? …事故じゃないの? あたしはその第一位のことよく知らないけど、怪我ぐらいするでしょ」
初春「しませんよ! 第一位は怪我どころか紫外線すらとどかないっていう無敵の超能力者なんですよ!
その人が怪我したなんて記録はそのときの一度だけなんです!
まあ、怪我っていっても仔細は分からなくて、負傷して病院に搬送された記録があるだけなんですけど」
120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 22:56:56.55 ID:0/gkCRFA0
佐天「うらやましい体質してるわねその第一位。
まあ記録があるっていうならそうなんでしょうけど、それがレベル0に負けた、って話につながるの?」
初春「そこは、まあ…微妙なんですけど。
第一位の負傷の様子が、「殴られて倒された」って感じだったらしくて。
第一位が倒れていた周囲の学区の記録から、その第一位を倒した容疑者が絞り込まれたりしててですね」
佐天「誰が調べてたのよそれ…」
初春「さあ…? 色んな人が調べてたみたいですよ。
それで、一人の無能力者が第一位のいたところに向かっていた、ってのがわかって…」
佐天「そのレベル0が第一位を倒したんだろう、って? 無茶苦茶な話じゃない…」
123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 23:04:46.57 ID:0/gkCRFA0
初春「確かに無茶な話ですけど、状況的にはそうだったんですよ。
そういうわけで、その調べてた人たちはそのレベル0を襲撃しようとしたらしいんですが…」
佐天「大変ね。 ……何よ、その『ここからが面白いんですよ』的な笑いは」
初春「ふふふ、その通りです。ここからが大事なんですよ。
その危険な人たちは無力な一学生を襲撃するはずだったんですが…
……そのレベル0はですね、学園都市理事会の権限で学園都市外に外出してました」
佐天「……は?」
初春「これは、確実な記録です。たしかに学園都市理事会の権限行使によって、外出を許可された記録があります」
125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 23:12:58.24 ID:0/gkCRFA0
学園都市は、機密に満ちている。
街中にあるあらゆるものが最先端の技術を使われており、街の外には流出させまいと様々な手段を講じられている。
さらに学園都市のカリキュラムを受けた学生となれば、紛れもない機密の塊。
簡単には学園都市から出られない。それなりの理由と面倒な手続きで許可を取らなければならない。
初春「レベル0の学生からの申請はなかったにも関わらず、学園都市からの許可がおりたわけです。
普通なら、こんなことはありえません」
佐天「……なるほどね。確かにワクワクしてくる話だわ」
初春「ですよね! しかもそのレベル0っていうのは」
佐天「でもさー」
初春「はい?」
佐天「そんな無敵のレベル5に勝ってる時点で、あたしたちみたいな無能なレベル0とは別の存在よね」
128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 23:17:14.28 ID:0/gkCRFA0
初春「え…」
佐天「昨日のあの人もレベル0らしいけどさ、なんかすごい力もってたじゃん。
その第一位に勝ったっていうレベル0も、同じなんじゃない? 同一人物だったりするかもね」
初春「あ、その、」
佐天「そんな、さ。普通とは違う人が普通とは違うことをしてもさ。
別にロマンとかないような気がするのよね」
初春「………」
佐天「ごめんね、初春。せっかく面白い話持って来てくれたのに」
131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 23:22:27.09 ID:0/gkCRFA0
佐天「あ、やばい。もう始まるよ。早く…」
初春「伝言、です」
佐天「え?」
初春「御坂さんから、伝えておいて欲しい、って」
佐天「……御坂さんから?」
初春「あの人は。あの、レベル0なのに、レベル5の前に立つあの人は」
初春「 自分が特別だから、特別な人の前に立つわけじゃない、って」
267 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 23:41:14.50 ID:K6NtBFQj0
・・・・・・・・・・
佐天「………はぁぁ……」
傘から滴る雨水を見るだけでも憂鬱になれるぐらい憂鬱な気分。
いつも通り、能力テストの結果は虚しくなるものだった。
結果を見て落ち込んでしまうのはいつものことなのだが、やっぱり昨日のこともあって今日はいつも以上だ。
朝は晴れてたのに、テストの最中に降りだして、今はどしゃ降り。
あたしの気分とリンクでもしてんのかこのやろう。
初春はジャッジメントの仕事とかで先に行っちゃったし、もう憂鬱に向かう以外どこに行けというのか。
佐天「………あたしってこんなキャラだったかなあ…」
270 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 23:47:40.97 ID:K6NtBFQj0
佐天「やっぱり、御坂さんと知り合ったのが一番の原因だよね……」
自分とは全く違う、才能と力にあふれてて、しかも才色兼備という完璧超人。
普通ならあたしなんかと関わるはずもないような人。
友達の同僚の知り合いとかいう近いのか遠いのか分からない関係だったせいで、知り合ってしまった。
すごい人だと思う。レベル1から学園都市第三位までのぼりつめたという、一種の伝説の人。
憧れているのは間違いないし、かっこいいし綺麗なお姉さんだと思う。
でも、あの人を見るたびに自分の情けなさを自覚しちゃうのも確かなんだ。
272 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 23:50:39.31 ID:K6NtBFQj0
佐天「………忘れる。忘れたほうがいい、んだけど」
そう簡単には忘れられない。
佐天「……ううん。なめてもらっちゃ困るよ? あたしは佐天さんだよ?」
だから何かっていえば。
佐天「何が何でも忘れてやるわ!!!」
我ながら変な方向に情熱が。
273 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 23:54:50.53 ID:K6NtBFQj0
佐天「はっ。女々しい女々しい。佐天さんともあろう者が一体何をうじうじと」
これは、だめじゃないかなあ。
佐天「変なことにこだわっちゃって。まけるな佐天涙子。前を見て生きるのよ!」
いや、絶対後ろ向いてるわあたし。
佐天「よっし! まずはおいしいものを食べて気分転換! 先に行っちゃった初春を悔しがらせてやるわ!
初春のかわいい泣き顔が目に浮かぶっ」
ああ、本格的に、あたしは―――
276 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 00:08:09.84 ID:TaKpEQr80
―――少年が、駆け抜ける。
佐天「うんうん、じゃあまずは第6学区の…」
―――傘を差していない、小学生の男の子。
佐天「おっ、元気だねえ。やっぱ男の子は」
―――雨から顔を守りながら、早く帰るためだろう、見向きもせずに突っ走って。
佐天「ちょ、」
―――車道、へ。
佐天「だ、め」
―――赤い、スポーツカー。
佐天「だめ―――!」
277 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 00:08:51.25 ID:TaKpEQr80
一歩、踏み出す。
間に合わない。
―――――追い抜いていく、学生服の背中。
佐天「、」
―――――叫びながら飛び込む、男の人。
佐天「きゃ――」
―――――男の子を抱きしめて、その人は。
佐天「、…あ」
―――――泥水で濡れた、ツンツン頭の少年は。 向かいの歩道に、転がり込んだ。
279 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 00:10:43.52 ID:FaQOjpc+O
上条さんキター
284 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 00:14:52.31 ID:TaKpEQr80
上条「し、ししし、死ぬかと思ったマジでさすがに今のは死ぬかと思った」
雨に降られながら、その人は息を切らしていた。
上条「ってっか、大丈夫か? 怪我とかは?」
固まっている男の子に、心配の声をかける。
上条「つーか、あぶねーだろ! 今のは本当に死ぬとこだったんだぞお前!」
怒っている。いや、叱っている。
上条「……おい。大丈夫…」
反応しない男の子を、また心配して。
いきなり大声で泣き出した男の子に、慌てはじめた。
290 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 00:22:27.79 ID:TaKpEQr80
上条「……ったく…。
そうだよな、恐かったよな。でももう大丈夫だ。だから泣くなって」
上条「あああ、いやだから、泣くなって! 男だろ!?」
上条「ああくそ、こんな雨の中じゃカゼひくぞ。とりあえず雨宿りできるところに……」
男の子とその人の上に、傘を差し出す。
佐天「大丈夫、ですか?」
292 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 00:26:29.26 ID:TaKpEQr80
上条「あ、ああ。さんきゅ。怪我はないみたいだ。だよな?」
佐天「いえ、あの…その子もですけど…あなたは?」
上条「へ?」
佐天「………いえ、大丈夫なら、いいです」
294 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 00:31:21.00 ID:TaKpEQr80
佐天「……ね、少年。名前は?」
佐天「泣いてちゃわかんないぞー、名前だよ、名前」
佐天「へえ、タクヤくんか。よろしくタクヤくん。あたしは佐天さんだっ。お姉ちゃんと呼ぶがいいっ」
佐天「かーっ! いいねぇこの響き。遠い弟を思い出すねっ」
佐天「そうそう、あたし弟いるのよ。タクヤくんぐらいのやつなんだけど…」
上条「……おお、泣き止んだ」
296 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 00:37:10.33 ID:wXef4/aXO
タクヤ君がレベル2だったりしたら佐天死ぬな
298 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 00:40:02.16 ID:TaKpEQr80
男の子と話して、男の子の家という施設まで送っていった。
施設の人は感謝の言葉を繰り返しながら、あたしたち、特にずぶ濡れの彼を引きとめようとしたけど、
この人は大したことじゃない、と言わんばかりにさっさとその場を去った。
あたしも、ひとつの傘の下で、一緒に歩く。
上条「でもすごかったな。佐天…だっけ? 簡単に泣きやませちゃってさ」
佐天「いえ、あたし弟がいるので、あれくらいの子の扱いに慣れてるだけですよ」
299 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 00:42:58.54 ID:TaKpEQr80
佐天「……でも本当に、大丈夫なんですか?」
上条「へ? なにが?」
佐天「あなたですよ。あんなことして。怪我とか……」
上条「ああ、いや。全然大丈夫だ」
佐天「そう、ですか……」
300 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 00:49:06.77 ID:TaKpEQr80
佐天「……やっぱり、すごいですね」
上条「? …なにが?」
佐天「いえ、なんていうか、全部というか。
やっぱり、違う人は違うんですよね」
上条「………?」
佐天「あ、ごめんなさい。
でも、あなたがいてくれてよかったです。
あたしじゃ、何もできなかったから」
301 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 00:51:41.26 ID:TaKpEQr80
上条「いや、俺はそんな大したことしてないけど」
佐天「…それ、さっきも言ってましたけど、十分大したことですよ。
あなたがいなかったら、タクヤくん、死んじゃってたかもしれないんですから」
上条「……そうか?」
上条「俺がやったことなんて、誰でもできることだろ」
304 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 00:55:56.54 ID:TaKpEQr80
馬鹿にしてるんですか。
そう言葉にできなかったのは、あまりに急激に怒りが沸点に達してしまったからだと思う。
ずれているような気はしていた。
なにかが違うのは分かっていた。
でもまあ、当たり前だと思っていた。
この人と、あたしが違うのは、当たり前。
特別なこの人と、無能なあたしが違うなんて、分かりきったこと。
だから、その違いを気にするのは、抑えていた。
だけど、いくらなんでもふざけすぎだと思う。
305 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 00:58:46.94 ID:TaKpEQr80
佐天「……誰でも、できることじゃないと思いますよ」
一度詰まった言葉は、もう出てこない。
勢いで言えなかったから、怒りは抑えて、会話の言葉を返す。
上条「いやいや、普通っつーか、当たり前のことだろ」
どこまで馬鹿にしてるんですか。
306 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 00:59:26.18 ID:FaQOjpc+O
この流れは…説教が聞けるのか
307 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 01:05:47.99 ID:TaKpEQr80
いくらなんでもずれすぎだ。
どういうふうにずれてるのかもよく分からない。
佐天「……できませんって。
普通の人は、あんなことできません。
できるのは、ヒーローみたいな人だけですよ」
上条「そんなことはないだろ。
危ないところ見たら、助けるのは普通だろ」
佐天「助ける、助けないじゃなくてですね、」
あ。
佐天「あ。」
分かった。
ここがずれてるんだ。
309 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 01:08:52.52 ID:TaKpEQr80
上条「?」
この人は、助けるのが普通なんだ。
助けられるのが普通だから、「助けられない」なんて考えはないんだ。
……やっぱり、違いすぎる。
佐天「……普通の人は、あそこで、助けようと思っても助けられないものなんですよ。
あなたみたいな特別な人と違って」
完璧に嫌味だけど。
でも、言わないと気がすまない。
313 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 01:14:06.06 ID:TaKpEQr80
上条「……? 特別って」
佐天「普通の人はですね、あそこでとっさに走り出したりできないですし、
走っても間に合わないんですよ」
この人に。
気づかずにあたしたちを無能と言っているこの人に。
あたしたちがおかしいんじゃないって。
お前がおかしいんだって、言ってやる。
佐天「あなただからできるんです。
普通じゃないあなただから。
普通じゃないから……あんたはあれができたんだ」
317 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 01:19:14.68 ID:TaKpEQr80
上条「…………」
あたしが怒っているのにやっと気づいたんだろう。
はじめて真剣な顔になった。
佐天「あたしたちみたいな普通の人間はですね、できませんから。
しないんじゃなくって、できないんですよ。
あなたにはわからないかもしれませんけど」
……今さらだけど、これって八つ当たりもいいとこよね
言いたいことを言いきったせいで、少し冷静になってしまった。
なんか悪いことしちゃったな。
318 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 01:21:26.64 ID:TaKpEQr80
やばい。なんか気まずい。そりゃあたしのせいだけど。
よし。謝って帰ろう。てか逃げよう。
佐天「……あー、ごめんなさい。ちょっと変なこと言っちゃ」
上条「俺は、普通なつもりだけどな」
挑発された。
320 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 01:23:45.87 ID:TaKpEQr80
佐天「……そーですか?」
挑発に乗っちゃだめよ、あたし。
もう暴走しすぎちゃってるからこれ以上は…
上条「っつーか、さ。俺とお前でなんか違うのか」
何を。
324 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 01:28:44.57 ID:TaKpEQr80
上条「俺は別にスーパーマンみたいなすごい身体能力持つわけでもないし、
超能力なんか使えないしな。
ごく普通の高校生だぞ。そりゃ、男と女とか、高校生と中学生の違いはあるだろうけど…」
そんなウソ。
佐天「なに言ってるんですか。あなたは何か、すごい力持ってるんでしょ?」
上条「……?」
佐天「とぼけないでください。御坂さんが言ってましたよ。
あなたは、普通と『違う』って」
325 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 01:31:18.04 ID:TaKpEQr80
上条「お前、御坂の知り合いか」
佐天「それにあたし見ました。あなたが御坂さんの能力を防いでるところ。
あんなの、普通の人にできることなんですか」
反論できるなら、してみなさいよ。うそつき。
上条「……………」
佐天「どうなんですか」
329 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 01:34:50.47 ID:TaKpEQr80
上条「………確かに、俺は普通と違う能力を持ってる」
やっぱり。
上条「それが異能の力なら、神の奇跡も魔術ももちろん超能力だって消せる力だ」
佐天「……なんかすごそうですね」
レベル5に匹敵するすごい力。
そんな力の持ち主が、普通だなんてふざけるにも程が…
上条「だけど、それだけだ」
佐天「……は?」
335 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 01:39:23.53 ID:TaKpEQr80
上条「だから、それだけなんだよ」
何を、この人は。
佐天「それだけって…なんですかそれ。
そんな力を持ってるくせに、『ただそんな力を持ってるだけの普通の人間』とか言うんですか」
本当に、本当に……!ふざけるにも程がある!
佐天「そんなすごい力を持ってる時点で、普通なわけ…!」
上条「そういう意味じゃない」
佐天「、じゃあ、どういう」
上条「俺の能力は、『異能の力を消す』。それだけの力だ」
佐天「………え?」
338 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 01:43:54.31 ID:TaKpEQr80
それは、どういう。
上条「俺の能力は、『幻想殺し』っていうんだけどな。
俺の右手が触れた異能の力を打ち消す。そういう能力だ。
そう、それだけの能力だ」
それは、どういう意味を。
上条「だから、すごいって言えばすごいのかもしれない。
だけどさ、速く動けるようになるわけでもないし、身体が頑丈になるわけでもない」
だったら、……え?
上条「そういう意味で、俺は普通の人間だ」
346 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 01:50:02.50 ID:TaKpEQr80
普通の力の、普通の身体の、普通の人間。
それはたしかに、普通だ。
でも、だったら。
佐天「、だったら、なんで、そんなに『違う』んですか…っ!」
普通なら、普通のことをするはずだ。
でも、この人は。
佐天「普通の人は、踏み出さないっ!
普通の人は、踏み切れないっ!
なのになんであなたは、あそこで…っ!」
上条「……お前の言う、『普通』ってのが、よくわかんないけどさ」
その人は。
困ったように、言う。
上条「でもさ。
……お前も、踏み出してただろ」
349 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 01:55:48.89 ID:TaKpEQr80
佐天「……え…?」
上条「俺はお前の後ろにいたけどさ。あの時お前も走り出しかけてたじゃねえか」
それは、
佐天「……違いますよ。あたしは勝手に足が一歩進んだだけです。
走り出したわけじゃ」
上条「でも、踏み出したんだろ?
それが、普通じゃないのか」
351 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 01:58:29.62 ID:TaKpEQr80
無茶な、話。
一歩前に出るのと、走るのとは、違う。
その、はず。
上条「踏み出したんなら、もう少し頑張れば踏み切れるだろ。
踏み切ったなら、後は走るだけじゃねえか」
佐天「簡単に、言いますね。すごく難しいと思いますよ、それ」
上条「でも、できないことじゃない」
ああ、だめだ。
なにを無茶苦茶なこと言ってるんだ、この人。
そんなこと言われたら、できるような気がしてきちゃうじゃない。
354 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 01:59:10.33 ID:+/rDW1NiO
これは惚れるわ
355 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 02:00:22.23 ID:HSeyxQ8JP
おまえらKJさん大好きだな
356 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 02:00:56.78 ID:yelwcIM10
だって上条さんだもの
359 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 02:03:17.33 ID:TaKpEQr80
佐天「無理、です。無理ですよ。無理なんです」
認めたくないのか、あたしは。
この、胸の内に、芽生えた気持ちを。
上条「なんでだよ。できない理由こそないだろ」
やめてください。やめてくださいよ。
さっきまで、あたしは完っ璧うつむいて生きてたのに。
なんで今、前を見そうになってる気がしてるんですか。
上条「やってみりゃ、できると思うぞ」
無責任だなあ、この人は。
勝手に、人の背中を押さないで下さい。
前を見るように、顔を上げさせないでくださいよ。
365 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 02:08:12.78 ID:TaKpEQr80
その人は、あたしの答えを待っている。
あたしはなんだかもう、笑うしかない。
佐天「……降参です。こりゃ完璧にあたしの負けですね」
あきれてしまう。
こんなバカみたいにまっすぐなこの人に。
そして、そんな人にまいってしまったバカなあたしに。
佐天「そうですね。普通になれてなかったのは……あたしです」
心の底から、笑う。
その人も、笑った。
372 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 02:16:56.90 ID:TaKpEQr80
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「う・い・は~るっ!」 ピランッ
「わあっ!?」
「あはははは! なになに、ニューカラーじゃないの!
気分一新? なにか面白いことでもあった?」
「もうっ! 佐天さん!」
「あははっ! ごめんごめん」
374 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 02:27:18.59 ID:TaKpEQr80
「あれ? 髪形変えたんですか?」
「ん? うん、ちょっとねー。似合う?」
「なんだか新鮮ですねー。佐天さんといえばロングでしたし。
あ、でもすっごく似合ってますよ」
「でしょでしょ。あたしにはどんな髪型でも似合うのだ。なんせ元がいいからっ」
375 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 02:29:02.54 ID:TaKpEQr80
「あははっ。
でも結構大胆なイメチェンですねー」
「イメチェンっていうか、ちょっと実用性にこだわっただけなんだけどね」
「実用性ですか?」
「ほら、髪長いと走るとき邪魔じゃない」
「そうみたいですねー。あれ、ということは佐天さん、スポーツとか始めたんですか?」
「ん。体鍛えよっかなーと思ってさ。
それに、踏み切るのに邪魔なものは少しでもどかしとこうかな、ってのもあったり」
「踏み切る??」
「あとはまあ……誓いみたいなものかな」
377 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 02:30:59.71 ID:TaKpEQr80
「……佐天さん?」
「ん?」
「何かあったんですか?」
「あったよ」
「……なんか、よかったです」
「ん? なにが?」
「佐天さんが、楽しそうで」
「あははっ! あたしはいつだって楽しんでるよ」
380 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 02:36:19.76 ID:TaKpEQr80
「ね、初春」
「はい?」
「あたしさ、自分が普通だと思ってたんだ」
「え?」
「でもさ、全然だった。全然普通になんか届いてなかった」
「そう、なんですか?」
「そう。だからあたしは、これからちゃんと、普通になる」
「普通になる、ですか」
「あたしってやっぱり、超能力の才能とかないわけよ」
「え、そ、それは」
「でもさ、」
「でも?」
「普通にぐらい、なれると思うのよ」
382 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 02:43:21.88 ID:TaKpEQr80
「超能力者になんかなれなくていい。
スーパーマンにだって、なる必要なんかない。
あたしはただ、普通になるの」
「当たり前のことを、当たり前にやれるように。
できるできないじゃなくて、やれることをやれるように。
バカみたいにまっすぐに。バカみたいに前を見て」
「簡単じゃない普通になって。ヒーローみたいな普通になって」
広く広い、青く青い、空を見て。
佐天涙子は、楽しげに、宣言する。
「――― あたしはいつか、あの人に届いてやる 」
~ fin ~
383 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 02:44:28.96 ID:sfdrkkTmO
乙!
良作だった……
384 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 02:44:43.88 ID:c0TZCs+j0
いやあ、ええ話やで
387 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 02:46:15.17 ID:SCHk5XPxO
お疲れ様なんだよ?
391 :帰れ ◆GETOUT//lU :2009/11/19(木) 02:47:57.97 ID:TaKpEQr80
これにてこの物語は完結とさせていただきます。
長い中断時間失礼しました。
この拙筆を最後まで読んでいただいた方々、ありがとう。
佐天さん。
前を向いたこの子はかわいい。
ではまた、機会があれば、お願いします。
401 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 05:03:18.22 ID:+VXEYK850
第乙波動
------------------
当ブログについて
※欄713さんありがとうです。
読み物:その他
お絵かき掲示板
画像掲示板
佐天「簡単につられちゃって初春はかわいいなーもう!」
初春「佐天さんひどいですよう。私はちょっと本気で燃え始めてたのにー」
佐天「あははごめんごめん。
でもさ、そんな都合のいい話あるわけないじゃん」
初春「ろ、ロマンがないですね。もしかしたらあるかもしれないじゃないですか」
佐天「ないない。レベル0がレベル5にどうやって勝つって言うのよ。
素手で戦車に挑むようなものじゃない」
初春「まあ、その通りですけど…」
佐天「あったら面白いけど、現実はそんなに都合よくはいかないものでしょ」
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 20:00:44.76 ID:0/gkCRFA0
初春「でも、なんであんな噂が流れたんでしょうね。
やけにいきなりな話でしたし、どうも信憑性が高かった、っていうか…」
佐天「噂が突拍子もないのはごく普通でしょ。
結局第一位が健在だってことですぐ消えちゃったし。
しょせんは低レベル能力者の願望だったのよ」
初春「…うーん……今思うとあの噂、消え方も不自然だったような…」
佐天「初春夢見すぎよー」
初春「ですかねー」
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 20:01:03.11 ID:3nsyycmDO
第四波動はまだかね
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 20:03:11.57 ID:I1oAzKYZO
>>8
いま熱を吸収してるとこ
もうちょっとまって
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 20:11:53.60 ID:0/gkCRFA0
そんな話で、盛り上がって。
いつも通り、ふざけたおしゃべり。
少しの夢と大半の諦めや自嘲。
そんな日常のなかで。
佐天「……あれ、御坂さんだ」
初春「ほんとですねー、って、なんだかすごくびりびりしてますね」
佐天「うん、なんかびりびりしてるわね」
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 20:12:38.07 ID:0/gkCRFA0
その光景は、何か、
佐天「ちょ、御坂さん、それは…!?」
初春「確実に殺人クラスの電流ですよ!? ああ!? 撃っちゃ!?」
あたしのくすんだ世界を、突き破るかのような。
佐天「……え?」
初春「あ、あれ?」
そんな、衝撃だった。
佐天「………消え、た? ううん、消した…?」
30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 20:21:17.12 ID:0/gkCRFA0
美琴「くそ、あんにゃろ。逃げ足の速さは本当に驚異的ね…。
…あ、しまった。アイツ追いかけてたせいでまた見慣れない場所に…」
初春「こ、こんにちわ、御坂さん」
美琴「あら、初春さん。佐天さんも。奇遇ね」
佐天「そ、そうですね…」
美琴「あ、ちょっと悪いんだけど、一番近いバス停ってどこかしら。
私ここあんまり知らないのよね」
初春「あ、それなら…」
佐天「あ、あの! 御坂さん!」
美琴「え、なに?」
佐天「その、さっきの、って…」
美琴「あ……み、見てた?」
佐天「そりゃーこんな道の真ん中であんな能力使ってれば…」
美琴「あ、あははは」
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 20:24:52.78 ID:0/gkCRFA0
美琴「いや、そのね? 別にいつもあんな風にやってるわけじゃないのよ?
いつもはもっと…」
佐天「そ、そうじゃなくてですね」
美琴「え?」
佐天「さっき…御坂さんの電撃、防がれてましたよね?」
40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 20:31:40.63 ID:0/gkCRFA0
美琴「…あー……そうね。いつものことだけど思い返すと腹立たしいわ。
そう、そうなのよいつもアイツは私のこと相手にしようともせずこっちの攻撃なんてものともしないのよね」
佐天「い、いつものことなんですか?」
美琴「そうね。むかつくけどいつものことだわ」
佐天「レベル5の御坂さんの能力をそんな簡単に防ぐなんて……
あの、さっきのツンツン頭の人もやっぱりレベル5、なんですか?」
美琴「……違うわ」
佐天「え、じゃあ…」
美琴「4でもないわ。3でも2でも1でもね」
佐天「……え?」
美琴「……ふざけたことにね。アイツあれで、レベル0の無能力者なのよ。
本当、ふざけてるわ」
73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 21:42:17.69 ID:0/gkCRFA0
佐天「レベル0って…そんな。能力もなしで御坂さんの電撃が防げるはずが…」
御坂「あー、詳しいことは知らないけどあいつはなんていうか…『違う』のよ」
佐天「違う?」
御坂「私たち…能力開発で能力を得た、学園都市の一般的な生徒のカテゴリーじゃないみたいなのよね」
能力開発で能力を得た、一般的な生徒。
それじゃあ、能力開発でもなんの能力も得られなかった、あたしは。
77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 21:47:53.42 ID:0/gkCRFA0
初春「一般的じゃない、ですか…? じゃあ、あの人はどういう…?」
学園都市最高クラスの優等生の何気ない言葉で劣等感を引きずり出され、
動けなくなったあたしのかわりに、初春が質問を続ける。
御坂「私にもよくわかんないのよ。アイツが詳しく話したこともないし。
ただまあ、はっきりしてるのは…」
初春「はっきりしてるのは?」
御坂「アイツが…あらゆる意味でイレギュラーなやつ、ってことね」
81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 21:51:51.07 ID:0/gkCRFA0
イレギュラー。それはつまり、特別。
佐天「です、よね……」
美琴「…佐天さん?」
納得だ。
当たり前の話だ。
佐天「特別じゃなかったら、レベル5の御坂さんと、張り合えるわけないですもんね」
笑おうとする。
どこまでも、卑屈な気分。
83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 21:56:45.82 ID:0/gkCRFA0
美琴「佐天さん? 大丈夫?」
目の前の『違う』存在が、あたしを心配している。
きっと、この人たちとあたしじゃあ、見えてる世界も違うんだろうな。
初春「佐天さん? あの、」
佐天「ごめん、初春。帰るね。用事あったの忘れてたっ、あは。
御坂さんも、ごめんなさい」
初春「あ、」
佐天「じゃねっ! また明日っ!」
耐えられない。
そんなにあたしは、強くないんだ。
86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 22:04:06.58 ID:0/gkCRFA0
・・・・・・・・・・・
初春「……佐天さん……」
美琴「……何か、悪いことしちゃった、ぽいね」
初春「あ、いえっ! そんな」
美琴「だめだなあ……何しちゃったのかしら。初春さん、分かる?」
初春「ええと、その…」
美琴「……言いにくい?」
初春「いえ、ええと……はい」
美琴「そっか。ごめんね。……うん、なんとなく予想ついた。
…ごめんなさい」
初春「そんな、御坂さんが悪いってわけじゃないですし」
美琴「悪いのよ、私が。まだまだだわ、私」
87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 22:07:01.91 ID:0/gkCRFA0
美琴「でも、そういうことなら、最後のはちょっと……違うわね」
初春「え?」
美琴「伝えておいてもらえないかしら」
美琴「アイツは別に、特別だから、レベル5の…特別な存在の前に立つわけじゃない、って」
90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 22:12:00.02 ID:0/gkCRFA0
・・・・・・・・・・・・
佐天「……あー……やっちゃった……」
自室のベッドで、丸くなる。
自分の情けなさに耐え切れず、逃げ出してしまった。
佐天「…でも無理だって……無理なんだもん……」
友達の初春、初春の同僚の白井さんから、学園都市第三位の御坂美琴さんと知り合ったわけだけど。
知り合うべきじゃなかったし、知り合いたくもなかった。
こんな気持ちになるのなら。
91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 22:14:39.91 ID:0/gkCRFA0
・・・・・・・・・・・・
日付は変わった。
気分も変わった!
佐天「よっし! 忘れろあたし! 寝て食って忘れたぞあたし!」
96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 22:18:09.00 ID:0/gkCRFA0
佐天「う・い・は~るっ! おはよっ!」 ペロンッ
初春「わあっ!」
佐天「おっ! 今日はお気に入りの水色ですか~、ノリノリだねっ!」
初春「佐天さん!」
佐天「ごめんごめん。てへっ」
初春「も~…」
99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 22:22:07.94 ID:0/gkCRFA0
初春「………」
佐天「でさー、結局今日もパン食だったんだけど……って、なによ初春」
初春「えっ!? あ、いえ、その…」
佐天「なによなによ。そんな熱い視線向けられてもあたしにはそういう趣味は…」
初春「そんなのじゃないですよっ」
佐天「あははっ」
初春(……御坂さんの伝言……伝えたら昨日のこと思い出しちゃいますよね…)
103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 22:28:05.59 ID:0/gkCRFA0
佐天「ああああっ!!!」
初春「ひぇっ!? な、なんですか佐天さん!?」
佐天「忘れてた……気分変えようとハイテンションになってたけど…
今日能力テストじゃん……」
初春「わ、忘れてたんですか?」
佐天「覚えていたくもないじゃない」
無理矢理テンションあげようとしてたから頭の中から抜けてたんだけど。
107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 22:33:03.46 ID:0/gkCRFA0
佐天「うわー、テンションさがるわー」
初春「そんなに気にしなくても」
佐天「テストのたびに自分の才能のなさが浮き彫りにされるんだよー
落ち込まないでいられるわけないでしょ」
初春「そこまでもことじゃないと思いますけど…」
佐天「…初春はレベル1だし。情報処理は天才的だもんね」
初春「さ、佐天さん…」
佐天「……ごめん」
だめだ。初春にもひがみを向けてしまう。
やっぱりそう簡単には気分はかえようもないか。
105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 22:31:34.25 ID:K+mRWB0EP
どうでもいいけど佐天と初春って部屋同じだったよな
108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 22:33:46.59 ID:0/gkCRFA0
>>105
しまったw
そこらへんはまあなんとか…脳内補完で
109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 22:35:10.48 ID:nkgoM4h20
こまけぇこたぁいいんだよ!
110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 22:35:48.31 ID:ixnndSWz0
初春と佐天って同じ部屋だったのか
風邪引いた時にメシ作りに来たって言ってたのは何だったんだ
111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 22:37:10.78 ID:hOmPleiQ0
部屋違うんじゃね? しらんけど
113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 22:39:28.56 ID:0/gkCRFA0
忘れよう、忘れよう。
とにかく、昨日なんて日はなかった。
なにもなかったのようんうん。
初春「あっ! そういえばですね」
佐天「え、なになに?」
初春「いい話がありますよ!」
佐天「いい話? なになに? 儲け話?」
初春「違いますよー、ロマンのある話です」
佐天「ロマン?」
初春「昨日調べてみたんですけど、昨日話してたレベル0が第一位を倒したって噂がですね、
どうやら本当にあった事実みたいなんですよ!」
佐天「クリティカルに嫌がらせか初春」
初春「えぇっ!?」
114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 22:41:41.39 ID:ixnndSWz0
この二人の掛け合いは良いな
115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 22:42:15.27 ID:SJ3f9uYzO
三十九度ォォォォのオオオオオオオオオオオオ
116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 22:42:56.60 ID:qgjWiEPnO
トロけそうな日ィィィィィィィィィィィィ
117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 22:49:22.38 ID:0/gkCRFA0
佐天「まあいいわ…
でもあんなの実際にあるわけないじゃない。昨日も言ったけどさ」
初春「ところがそうでもないんですよ。
ネット上の記録とか、風紀委員(ジャッジメント)が把握してる情報とか
私の手の届く範囲の情報をすり合わせてみたんですけど、
あの噂のあった時期に、第一位が、『あの』第一位がですよ? 負傷してるんです」
佐天「負傷? …事故じゃないの? あたしはその第一位のことよく知らないけど、怪我ぐらいするでしょ」
初春「しませんよ! 第一位は怪我どころか紫外線すらとどかないっていう無敵の超能力者なんですよ!
その人が怪我したなんて記録はそのときの一度だけなんです!
まあ、怪我っていっても仔細は分からなくて、負傷して病院に搬送された記録があるだけなんですけど」
120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 22:56:56.55 ID:0/gkCRFA0
佐天「うらやましい体質してるわねその第一位。
まあ記録があるっていうならそうなんでしょうけど、それがレベル0に負けた、って話につながるの?」
初春「そこは、まあ…微妙なんですけど。
第一位の負傷の様子が、「殴られて倒された」って感じだったらしくて。
第一位が倒れていた周囲の学区の記録から、その第一位を倒した容疑者が絞り込まれたりしててですね」
佐天「誰が調べてたのよそれ…」
初春「さあ…? 色んな人が調べてたみたいですよ。
それで、一人の無能力者が第一位のいたところに向かっていた、ってのがわかって…」
佐天「そのレベル0が第一位を倒したんだろう、って? 無茶苦茶な話じゃない…」
123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 23:04:46.57 ID:0/gkCRFA0
初春「確かに無茶な話ですけど、状況的にはそうだったんですよ。
そういうわけで、その調べてた人たちはそのレベル0を襲撃しようとしたらしいんですが…」
佐天「大変ね。 ……何よ、その『ここからが面白いんですよ』的な笑いは」
初春「ふふふ、その通りです。ここからが大事なんですよ。
その危険な人たちは無力な一学生を襲撃するはずだったんですが…
……そのレベル0はですね、学園都市理事会の権限で学園都市外に外出してました」
佐天「……は?」
初春「これは、確実な記録です。たしかに学園都市理事会の権限行使によって、外出を許可された記録があります」
125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 23:12:58.24 ID:0/gkCRFA0
学園都市は、機密に満ちている。
街中にあるあらゆるものが最先端の技術を使われており、街の外には流出させまいと様々な手段を講じられている。
さらに学園都市のカリキュラムを受けた学生となれば、紛れもない機密の塊。
簡単には学園都市から出られない。それなりの理由と面倒な手続きで許可を取らなければならない。
初春「レベル0の学生からの申請はなかったにも関わらず、学園都市からの許可がおりたわけです。
普通なら、こんなことはありえません」
佐天「……なるほどね。確かにワクワクしてくる話だわ」
初春「ですよね! しかもそのレベル0っていうのは」
佐天「でもさー」
初春「はい?」
佐天「そんな無敵のレベル5に勝ってる時点で、あたしたちみたいな無能なレベル0とは別の存在よね」
128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 23:17:14.28 ID:0/gkCRFA0
初春「え…」
佐天「昨日のあの人もレベル0らしいけどさ、なんかすごい力もってたじゃん。
その第一位に勝ったっていうレベル0も、同じなんじゃない? 同一人物だったりするかもね」
初春「あ、その、」
佐天「そんな、さ。普通とは違う人が普通とは違うことをしてもさ。
別にロマンとかないような気がするのよね」
初春「………」
佐天「ごめんね、初春。せっかく面白い話持って来てくれたのに」
131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/17(火) 23:22:27.09 ID:0/gkCRFA0
佐天「あ、やばい。もう始まるよ。早く…」
初春「伝言、です」
佐天「え?」
初春「御坂さんから、伝えておいて欲しい、って」
佐天「……御坂さんから?」
初春「あの人は。あの、レベル0なのに、レベル5の前に立つあの人は」
初春「 自分が特別だから、特別な人の前に立つわけじゃない、って」
267 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 23:41:14.50 ID:K6NtBFQj0
・・・・・・・・・・
佐天「………はぁぁ……」
傘から滴る雨水を見るだけでも憂鬱になれるぐらい憂鬱な気分。
いつも通り、能力テストの結果は虚しくなるものだった。
結果を見て落ち込んでしまうのはいつものことなのだが、やっぱり昨日のこともあって今日はいつも以上だ。
朝は晴れてたのに、テストの最中に降りだして、今はどしゃ降り。
あたしの気分とリンクでもしてんのかこのやろう。
初春はジャッジメントの仕事とかで先に行っちゃったし、もう憂鬱に向かう以外どこに行けというのか。
佐天「………あたしってこんなキャラだったかなあ…」
270 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 23:47:40.97 ID:K6NtBFQj0
佐天「やっぱり、御坂さんと知り合ったのが一番の原因だよね……」
自分とは全く違う、才能と力にあふれてて、しかも才色兼備という完璧超人。
普通ならあたしなんかと関わるはずもないような人。
友達の同僚の知り合いとかいう近いのか遠いのか分からない関係だったせいで、知り合ってしまった。
すごい人だと思う。レベル1から学園都市第三位までのぼりつめたという、一種の伝説の人。
憧れているのは間違いないし、かっこいいし綺麗なお姉さんだと思う。
でも、あの人を見るたびに自分の情けなさを自覚しちゃうのも確かなんだ。
272 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 23:50:39.31 ID:K6NtBFQj0
佐天「………忘れる。忘れたほうがいい、んだけど」
そう簡単には忘れられない。
佐天「……ううん。なめてもらっちゃ困るよ? あたしは佐天さんだよ?」
だから何かっていえば。
佐天「何が何でも忘れてやるわ!!!」
我ながら変な方向に情熱が。
273 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 23:54:50.53 ID:K6NtBFQj0
佐天「はっ。女々しい女々しい。佐天さんともあろう者が一体何をうじうじと」
これは、だめじゃないかなあ。
佐天「変なことにこだわっちゃって。まけるな佐天涙子。前を見て生きるのよ!」
いや、絶対後ろ向いてるわあたし。
佐天「よっし! まずはおいしいものを食べて気分転換! 先に行っちゃった初春を悔しがらせてやるわ!
初春のかわいい泣き顔が目に浮かぶっ」
ああ、本格的に、あたしは―――
276 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 00:08:09.84 ID:TaKpEQr80
―――少年が、駆け抜ける。
佐天「うんうん、じゃあまずは第6学区の…」
―――傘を差していない、小学生の男の子。
佐天「おっ、元気だねえ。やっぱ男の子は」
―――雨から顔を守りながら、早く帰るためだろう、見向きもせずに突っ走って。
佐天「ちょ、」
―――車道、へ。
佐天「だ、め」
―――赤い、スポーツカー。
佐天「だめ―――!」
277 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 00:08:51.25 ID:TaKpEQr80
一歩、踏み出す。
間に合わない。
―――――追い抜いていく、学生服の背中。
佐天「、」
―――――叫びながら飛び込む、男の人。
佐天「きゃ――」
―――――男の子を抱きしめて、その人は。
佐天「、…あ」
―――――泥水で濡れた、ツンツン頭の少年は。 向かいの歩道に、転がり込んだ。
279 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 00:10:43.52 ID:FaQOjpc+O
上条さんキター
284 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 00:14:52.31 ID:TaKpEQr80
上条「し、ししし、死ぬかと思ったマジでさすがに今のは死ぬかと思った」
雨に降られながら、その人は息を切らしていた。
上条「ってっか、大丈夫か? 怪我とかは?」
固まっている男の子に、心配の声をかける。
上条「つーか、あぶねーだろ! 今のは本当に死ぬとこだったんだぞお前!」
怒っている。いや、叱っている。
上条「……おい。大丈夫…」
反応しない男の子を、また心配して。
いきなり大声で泣き出した男の子に、慌てはじめた。
290 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 00:22:27.79 ID:TaKpEQr80
上条「……ったく…。
そうだよな、恐かったよな。でももう大丈夫だ。だから泣くなって」
上条「あああ、いやだから、泣くなって! 男だろ!?」
上条「ああくそ、こんな雨の中じゃカゼひくぞ。とりあえず雨宿りできるところに……」
男の子とその人の上に、傘を差し出す。
佐天「大丈夫、ですか?」
292 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 00:26:29.26 ID:TaKpEQr80
上条「あ、ああ。さんきゅ。怪我はないみたいだ。だよな?」
佐天「いえ、あの…その子もですけど…あなたは?」
上条「へ?」
佐天「………いえ、大丈夫なら、いいです」
294 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 00:31:21.00 ID:TaKpEQr80
佐天「……ね、少年。名前は?」
佐天「泣いてちゃわかんないぞー、名前だよ、名前」
佐天「へえ、タクヤくんか。よろしくタクヤくん。あたしは佐天さんだっ。お姉ちゃんと呼ぶがいいっ」
佐天「かーっ! いいねぇこの響き。遠い弟を思い出すねっ」
佐天「そうそう、あたし弟いるのよ。タクヤくんぐらいのやつなんだけど…」
上条「……おお、泣き止んだ」
296 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 00:37:10.33 ID:wXef4/aXO
タクヤ君がレベル2だったりしたら佐天死ぬな
298 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 00:40:02.16 ID:TaKpEQr80
男の子と話して、男の子の家という施設まで送っていった。
施設の人は感謝の言葉を繰り返しながら、あたしたち、特にずぶ濡れの彼を引きとめようとしたけど、
この人は大したことじゃない、と言わんばかりにさっさとその場を去った。
あたしも、ひとつの傘の下で、一緒に歩く。
上条「でもすごかったな。佐天…だっけ? 簡単に泣きやませちゃってさ」
佐天「いえ、あたし弟がいるので、あれくらいの子の扱いに慣れてるだけですよ」
299 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 00:42:58.54 ID:TaKpEQr80
佐天「……でも本当に、大丈夫なんですか?」
上条「へ? なにが?」
佐天「あなたですよ。あんなことして。怪我とか……」
上条「ああ、いや。全然大丈夫だ」
佐天「そう、ですか……」
300 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 00:49:06.77 ID:TaKpEQr80
佐天「……やっぱり、すごいですね」
上条「? …なにが?」
佐天「いえ、なんていうか、全部というか。
やっぱり、違う人は違うんですよね」
上条「………?」
佐天「あ、ごめんなさい。
でも、あなたがいてくれてよかったです。
あたしじゃ、何もできなかったから」
301 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 00:51:41.26 ID:TaKpEQr80
上条「いや、俺はそんな大したことしてないけど」
佐天「…それ、さっきも言ってましたけど、十分大したことですよ。
あなたがいなかったら、タクヤくん、死んじゃってたかもしれないんですから」
上条「……そうか?」
上条「俺がやったことなんて、誰でもできることだろ」
304 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 00:55:56.54 ID:TaKpEQr80
馬鹿にしてるんですか。
そう言葉にできなかったのは、あまりに急激に怒りが沸点に達してしまったからだと思う。
ずれているような気はしていた。
なにかが違うのは分かっていた。
でもまあ、当たり前だと思っていた。
この人と、あたしが違うのは、当たり前。
特別なこの人と、無能なあたしが違うなんて、分かりきったこと。
だから、その違いを気にするのは、抑えていた。
だけど、いくらなんでもふざけすぎだと思う。
305 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 00:58:46.94 ID:TaKpEQr80
佐天「……誰でも、できることじゃないと思いますよ」
一度詰まった言葉は、もう出てこない。
勢いで言えなかったから、怒りは抑えて、会話の言葉を返す。
上条「いやいや、普通っつーか、当たり前のことだろ」
どこまで馬鹿にしてるんですか。
306 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 00:59:26.18 ID:FaQOjpc+O
この流れは…説教が聞けるのか
307 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 01:05:47.99 ID:TaKpEQr80
いくらなんでもずれすぎだ。
どういうふうにずれてるのかもよく分からない。
佐天「……できませんって。
普通の人は、あんなことできません。
できるのは、ヒーローみたいな人だけですよ」
上条「そんなことはないだろ。
危ないところ見たら、助けるのは普通だろ」
佐天「助ける、助けないじゃなくてですね、」
あ。
佐天「あ。」
分かった。
ここがずれてるんだ。
309 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 01:08:52.52 ID:TaKpEQr80
上条「?」
この人は、助けるのが普通なんだ。
助けられるのが普通だから、「助けられない」なんて考えはないんだ。
……やっぱり、違いすぎる。
佐天「……普通の人は、あそこで、助けようと思っても助けられないものなんですよ。
あなたみたいな特別な人と違って」
完璧に嫌味だけど。
でも、言わないと気がすまない。
313 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 01:14:06.06 ID:TaKpEQr80
上条「……? 特別って」
佐天「普通の人はですね、あそこでとっさに走り出したりできないですし、
走っても間に合わないんですよ」
この人に。
気づかずにあたしたちを無能と言っているこの人に。
あたしたちがおかしいんじゃないって。
お前がおかしいんだって、言ってやる。
佐天「あなただからできるんです。
普通じゃないあなただから。
普通じゃないから……あんたはあれができたんだ」
317 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 01:19:14.68 ID:TaKpEQr80
上条「…………」
あたしが怒っているのにやっと気づいたんだろう。
はじめて真剣な顔になった。
佐天「あたしたちみたいな普通の人間はですね、できませんから。
しないんじゃなくって、できないんですよ。
あなたにはわからないかもしれませんけど」
……今さらだけど、これって八つ当たりもいいとこよね
言いたいことを言いきったせいで、少し冷静になってしまった。
なんか悪いことしちゃったな。
318 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 01:21:26.64 ID:TaKpEQr80
やばい。なんか気まずい。そりゃあたしのせいだけど。
よし。謝って帰ろう。てか逃げよう。
佐天「……あー、ごめんなさい。ちょっと変なこと言っちゃ」
上条「俺は、普通なつもりだけどな」
挑発された。
320 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 01:23:45.87 ID:TaKpEQr80
佐天「……そーですか?」
挑発に乗っちゃだめよ、あたし。
もう暴走しすぎちゃってるからこれ以上は…
上条「っつーか、さ。俺とお前でなんか違うのか」
何を。
324 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 01:28:44.57 ID:TaKpEQr80
上条「俺は別にスーパーマンみたいなすごい身体能力持つわけでもないし、
超能力なんか使えないしな。
ごく普通の高校生だぞ。そりゃ、男と女とか、高校生と中学生の違いはあるだろうけど…」
そんなウソ。
佐天「なに言ってるんですか。あなたは何か、すごい力持ってるんでしょ?」
上条「……?」
佐天「とぼけないでください。御坂さんが言ってましたよ。
あなたは、普通と『違う』って」
325 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 01:31:18.04 ID:TaKpEQr80
上条「お前、御坂の知り合いか」
佐天「それにあたし見ました。あなたが御坂さんの能力を防いでるところ。
あんなの、普通の人にできることなんですか」
反論できるなら、してみなさいよ。うそつき。
上条「……………」
佐天「どうなんですか」
329 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 01:34:50.47 ID:TaKpEQr80
上条「………確かに、俺は普通と違う能力を持ってる」
やっぱり。
上条「それが異能の力なら、神の奇跡も魔術ももちろん超能力だって消せる力だ」
佐天「……なんかすごそうですね」
レベル5に匹敵するすごい力。
そんな力の持ち主が、普通だなんてふざけるにも程が…
上条「だけど、それだけだ」
佐天「……は?」
335 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 01:39:23.53 ID:TaKpEQr80
上条「だから、それだけなんだよ」
何を、この人は。
佐天「それだけって…なんですかそれ。
そんな力を持ってるくせに、『ただそんな力を持ってるだけの普通の人間』とか言うんですか」
本当に、本当に……!ふざけるにも程がある!
佐天「そんなすごい力を持ってる時点で、普通なわけ…!」
上条「そういう意味じゃない」
佐天「、じゃあ、どういう」
上条「俺の能力は、『異能の力を消す』。それだけの力だ」
佐天「………え?」
338 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 01:43:54.31 ID:TaKpEQr80
それは、どういう。
上条「俺の能力は、『幻想殺し』っていうんだけどな。
俺の右手が触れた異能の力を打ち消す。そういう能力だ。
そう、それだけの能力だ」
それは、どういう意味を。
上条「だから、すごいって言えばすごいのかもしれない。
だけどさ、速く動けるようになるわけでもないし、身体が頑丈になるわけでもない」
だったら、……え?
上条「そういう意味で、俺は普通の人間だ」
346 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 01:50:02.50 ID:TaKpEQr80
普通の力の、普通の身体の、普通の人間。
それはたしかに、普通だ。
でも、だったら。
佐天「、だったら、なんで、そんなに『違う』んですか…っ!」
普通なら、普通のことをするはずだ。
でも、この人は。
佐天「普通の人は、踏み出さないっ!
普通の人は、踏み切れないっ!
なのになんであなたは、あそこで…っ!」
上条「……お前の言う、『普通』ってのが、よくわかんないけどさ」
その人は。
困ったように、言う。
上条「でもさ。
……お前も、踏み出してただろ」
349 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 01:55:48.89 ID:TaKpEQr80
佐天「……え…?」
上条「俺はお前の後ろにいたけどさ。あの時お前も走り出しかけてたじゃねえか」
それは、
佐天「……違いますよ。あたしは勝手に足が一歩進んだだけです。
走り出したわけじゃ」
上条「でも、踏み出したんだろ?
それが、普通じゃないのか」
351 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 01:58:29.62 ID:TaKpEQr80
無茶な、話。
一歩前に出るのと、走るのとは、違う。
その、はず。
上条「踏み出したんなら、もう少し頑張れば踏み切れるだろ。
踏み切ったなら、後は走るだけじゃねえか」
佐天「簡単に、言いますね。すごく難しいと思いますよ、それ」
上条「でも、できないことじゃない」
ああ、だめだ。
なにを無茶苦茶なこと言ってるんだ、この人。
そんなこと言われたら、できるような気がしてきちゃうじゃない。
354 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 01:59:10.33 ID:+/rDW1NiO
これは惚れるわ
355 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 02:00:22.23 ID:HSeyxQ8JP
おまえらKJさん大好きだな
356 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 02:00:56.78 ID:yelwcIM10
だって上条さんだもの
359 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 02:03:17.33 ID:TaKpEQr80
佐天「無理、です。無理ですよ。無理なんです」
認めたくないのか、あたしは。
この、胸の内に、芽生えた気持ちを。
上条「なんでだよ。できない理由こそないだろ」
やめてください。やめてくださいよ。
さっきまで、あたしは完っ璧うつむいて生きてたのに。
なんで今、前を見そうになってる気がしてるんですか。
上条「やってみりゃ、できると思うぞ」
無責任だなあ、この人は。
勝手に、人の背中を押さないで下さい。
前を見るように、顔を上げさせないでくださいよ。
365 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 02:08:12.78 ID:TaKpEQr80
その人は、あたしの答えを待っている。
あたしはなんだかもう、笑うしかない。
佐天「……降参です。こりゃ完璧にあたしの負けですね」
あきれてしまう。
こんなバカみたいにまっすぐなこの人に。
そして、そんな人にまいってしまったバカなあたしに。
佐天「そうですね。普通になれてなかったのは……あたしです」
心の底から、笑う。
その人も、笑った。
372 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 02:16:56.90 ID:TaKpEQr80
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「う・い・は~るっ!」 ピランッ
「わあっ!?」
「あはははは! なになに、ニューカラーじゃないの!
気分一新? なにか面白いことでもあった?」
「もうっ! 佐天さん!」
「あははっ! ごめんごめん」
374 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 02:27:18.59 ID:TaKpEQr80
「あれ? 髪形変えたんですか?」
「ん? うん、ちょっとねー。似合う?」
「なんだか新鮮ですねー。佐天さんといえばロングでしたし。
あ、でもすっごく似合ってますよ」
「でしょでしょ。あたしにはどんな髪型でも似合うのだ。なんせ元がいいからっ」
375 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 02:29:02.54 ID:TaKpEQr80
「あははっ。
でも結構大胆なイメチェンですねー」
「イメチェンっていうか、ちょっと実用性にこだわっただけなんだけどね」
「実用性ですか?」
「ほら、髪長いと走るとき邪魔じゃない」
「そうみたいですねー。あれ、ということは佐天さん、スポーツとか始めたんですか?」
「ん。体鍛えよっかなーと思ってさ。
それに、踏み切るのに邪魔なものは少しでもどかしとこうかな、ってのもあったり」
「踏み切る??」
「あとはまあ……誓いみたいなものかな」
377 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 02:30:59.71 ID:TaKpEQr80
「……佐天さん?」
「ん?」
「何かあったんですか?」
「あったよ」
「……なんか、よかったです」
「ん? なにが?」
「佐天さんが、楽しそうで」
「あははっ! あたしはいつだって楽しんでるよ」
380 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 02:36:19.76 ID:TaKpEQr80
「ね、初春」
「はい?」
「あたしさ、自分が普通だと思ってたんだ」
「え?」
「でもさ、全然だった。全然普通になんか届いてなかった」
「そう、なんですか?」
「そう。だからあたしは、これからちゃんと、普通になる」
「普通になる、ですか」
「あたしってやっぱり、超能力の才能とかないわけよ」
「え、そ、それは」
「でもさ、」
「でも?」
「普通にぐらい、なれると思うのよ」
382 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 02:43:21.88 ID:TaKpEQr80
「超能力者になんかなれなくていい。
スーパーマンにだって、なる必要なんかない。
あたしはただ、普通になるの」
「当たり前のことを、当たり前にやれるように。
できるできないじゃなくて、やれることをやれるように。
バカみたいにまっすぐに。バカみたいに前を見て」
「簡単じゃない普通になって。ヒーローみたいな普通になって」
広く広い、青く青い、空を見て。
佐天涙子は、楽しげに、宣言する。
「――― あたしはいつか、あの人に届いてやる 」
~ fin ~
383 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 02:44:28.96 ID:sfdrkkTmO
乙!
良作だった……
384 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 02:44:43.88 ID:c0TZCs+j0
いやあ、ええ話やで
387 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 02:46:15.17 ID:SCHk5XPxO
お疲れ様なんだよ?
391 :帰れ ◆GETOUT//lU :2009/11/19(木) 02:47:57.97 ID:TaKpEQr80
これにてこの物語は完結とさせていただきます。
長い中断時間失礼しました。
この拙筆を最後まで読んでいただいた方々、ありがとう。
佐天さん。
前を向いたこの子はかわいい。
ではまた、機会があれば、お願いします。
401 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/19(木) 05:03:18.22 ID:+VXEYK850
第乙波動
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この記事へのコメント
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 03:01: :edit一げっとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおあfgbndgfgbaefgd]b ae
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 03:02: :edit今から読む
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名前: 凪 #-: 2009/12/20(日) 03:12: :editこれはいいものです
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 03:16: :edit佐天さんはやっぱりいいわ~
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名前: 通常のナナシ #OIBUzKVU: 2009/12/20(日) 03:16: :editまたフラグを立ておったわ
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 03:20: :edit上条さん・・・かっこいいッ!
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 03:28: :edit面白かったでsぷんたケコーンしてくれ
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 03:28: :edit115-116の流れにワロタ
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 03:30: :editまた懐かしいSSを
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 03:31: :edit115-116でワロタ
佐天さんいいな -
名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 03:35: :editカミジョー属性全開だな
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 03:44: :edit浜面の話かと思ったのに全然違うという
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 03:47: :editしょーかふりょー
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 03:47: :edit普通にいい話だったな
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名前: #-: 2009/12/20(日) 03:50: :editさすがわしらの上条さんやで
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名前: 通常のナナシ #Lpcq8t4.: 2009/12/20(日) 03:55: :edit※よくわかるあらすじ
上条さん
「……お前が無能力だからって何もできないできるわけがないって思い込んでんじゃねぇ!
お前にだってあるだろ、夢を掴もうとしたその手が足が!
なら飛び出せばいいじゃねぇか!
その足で遠くまで跳んでその手で掴まなきゃ一生手に入れねぇだろ!
足が竦んで動けない、できるわけがないって思い込んでんなら、
まずは、その鎖からぶっ壊す!」 -
名前: アフォな名無し #-: 2009/12/20(日) 03:57: :edit流石上条さんだぜ。
佐天さんの普通っぽさってあの世界では自然で良いよね。 -
名前: 通常のナナシ #vy1S65Xo: 2009/12/20(日) 04:08: :editこれ前見たな
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 04:16: :editもう上条さん大好きだ
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 04:25: :editイイハナシダナー
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 04:40: :editあれ?
ここからアクセロリータを倒したのが
上条と知ってストーキングするんじゃぁ・・・ -
名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 05:28: :editはまづらが出るかと期待してしまった
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 05:44: :edit説教SSキターーー
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 05:52: :editついに佐天相手にまでフラグをたてたか
それでこそ上条さんだ -
名前: 通常のナナシ #JalddpaA: 2009/12/20(日) 08:29: :edit流石外人に説教するために英語覚えようとする上条さん。
ナチュラルに科学側のサテンさんの危険回避(劣等感からレベルアッパーを使用)と、フラグ立てと説教(初対面であるにもかかわらず)をやってのけてみせた。
そこにしびれるぅッ!あこがれるぅッ! -
名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 09:27: :editスレタイでポケモンの話かと思った
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 09:56: :edit主人公補正最強って話だったな
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名前: VIPPERな名無しさん #lZtjbfm.: 2009/12/20(日) 10:02: :editこの佐天さんならアンチスキルのエースになれる。
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 10:17: :edit上条さんはとんこつのような人だ。
無いと物足りないというか味がしないというか。
欠点は…お察しください -
名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 10:37: :edit流石上条さんやで…
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 10:44: :editぶっちゃけ幻想殺しってそこまで強い訳でもないしな。中途半端。
それを上条さんの喧嘩センスで補ってるだけで、その喧嘩センスも土御門みたいなプロには通じないし。 -
名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 11:01: :edit浜面「・・・・・・・」
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名前: #-: 2009/12/20(日) 11:02: :edit佐天さんまでもって行くというのか・・・
許さん・・・許さんぞ!!! -
名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 11:25: :edit佐天さんとどんどん中良くなって御坂をギギギ言わせて欲しい
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 11:26: :editこっから先がが更に大事になってくというときに終わっちゃうだなんてイヤァァァアアアアアアアアア!!!!!!!!!!
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名前: 通常のナナシ #NUFSOYss: 2009/12/20(日) 11:41: :editなんか途中から禁書読まなくなった理由も
途中から上条さんの事嫌いになっちゃた理由も
よーーーーく分かった気がするんだよなぁぁぁ
くそっ……「ロマン」という幻想と「主人公補正」という現実はどっちをぶっ壊せばいいのか教えて下さいよ上条さん
そこはかとなく神裂さんにはエロメイド以外の方向で頑張って欲しいかもっ! -
名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 11:41: :edit最初は浜面かと思ったのに
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 12:14: :edit上条さんはやっぱスゲー!!
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 12:25: :editイケメンで異常能力もっててもって生まれた性格がいいんだからそりゃ強いわな。
ライブアライブ思い出した -
名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 12:30: :edit誰か佐天さんに能力を与えてやってください。
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 12:42: :edit佐天さんのAIM拡散力場発生能力は異常だろ、視聴者と登場人物をかなりイラつかせたと同時に褒められる行いをしたよな
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 12:56: :edit上条さんの真の能力は説教だからな。
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名前: 創造力有る名無しさん #-: 2009/12/20(日) 12:57: :edit佐天フラグまで立てたか・・・病院に行く回数が増えるのに
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 13:01: :editこれはいい
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名前: #JalddpaA: 2009/12/20(日) 13:23: :edit超電磁砲からの人は浜面?誰?状態だろうし
たとえ浜面が出てきたとしても話的におかしいだろw
駒場さんがまだ健在だからスキルアウトの活動してるだろうし。
まだそげぶされてないただの悪ガキだ
とガチレスしてみる -
名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 13:28: :edit上条さんの能力は
常人の1/3のフラグで相手を言い負かせる
コストパフォーマンスのいいSEKKYOUだろ -
名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 13:34: :editなんでレールガンでは上条さんの出番が少ないんだ?
女の子ばっかりでクッチャべる話には飽き飽きだ。
オレはもっと上条さんの説教を聞きたいんだよ・・・! -
名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 14:53: :edit幻想殺しがあるとはいえ、素手で1位に勝った上条さん。
能力はないが、拳銃で4位に勝った浜面。 -
名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 15:04: :editニードレスネタに吹いたw
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 15:13: :edit上条さんのお説きになられる御話しはもはや説法
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 15:16: :editアニメしか見てないけど上条の敵って抜けているというか主人公補正?ご都合主義?単純に疑問
ステイルの時は水で落ちるインクとか油性使え!って言いたくなったし一方通行は接近戦なんか挑まずともいい。それに近接でも高速で動けるんだし
と思ったりもしたけどレールガンも毎週見てます。
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 15:53: :editレールガンも面白いが禁書2期もたのむ・・・また説教が聞きたい・・・
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名前: #-: 2009/12/20(日) 16:13: :editやっぱ上条さんがいないとね!
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 16:53: :edit早くアニメ化しろ
-
名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 17:50: :edit>なんでレールガンでは上条さんの出番が少ないんだ?
女の子ばっかりでクッチャべる話には飽き飽きだ。
オレはもっと上条さんの説教を聞きたいんだよ・・・!
>アニメしか見てないけど上条の敵って抜けているというか主人公補正?ご都合主義?単純に疑問
ステイルの時は水で落ちるインクとか油性使え!って言いたくなったし一方通行は接近戦なんか挑まずともいい。それに近接でも高速で動けるんだし
どうも原作(と外伝)を見ないでコメントしてる奴が多くて滑稽ww -
名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 18:03: :edit最後サテン違いじゃねーかw
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名前: #-: 2009/12/20(日) 18:26: :edit※55
oh... -
名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 18:31: :edit米55
すげえ… -
名前: #-: 2009/12/20(日) 18:48: :edit禁書SSこれからも頼むよぷん太
もっと読みてぇ -
名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 19:45: :editいい話だな
でも佐天は救いのない人生を辿って欲しいわw -
名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 19:45: :editさいっこうじゃねぇかw
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 20:16: :editあれ?第四波動の話じゃ…
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/20(日) 22:35: :edit「俺たちは実は凄い力を持っているんだが、ソファに座ってビール片手にテレビを見ているだけだ。
スーパーパワーがあったって、やっぱりソファに座ってビール片手にテレビを見てるだけだろう。
馬鹿がコスチュームを着たところで、変な格好のおかしな奴が1人増えるだけだ。
ヒーローってのはスーパーパワーがあるとか、コスチュームを着てるって事じゃない。
自らの意思でもって世界を良くしようと戦う人々の事を言うんだ 」アラン・ムーア -
名前: #-: 2009/12/21(月) 01:02: :edit良かった
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/21(月) 14:05: :edit>>47
そりゃ、タイトルが「超電磁砲」なんだから当然だ
超電磁砲の主人公は御坂であって上条さんじゃない
外伝で本編の主人公がほとんど出てこないのはよくある事だよ -
名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/21(月) 21:36: :edit第4波動が使える日がきますように
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/21(月) 22:32: :edit範馬勇次郎かと思った>第一位を倒した
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名前: 通常のナナシ #-: 2009/12/26(土) 05:48: :editいい話だった……。
だが、佐天さんフラグが立つ前にそげぶ! -
名前: 名無すZ #-: 2009/12/26(土) 08:51: :edit佐´さんになんか能力を!と思っていた時期が私にもありました。
佐´さんは読者側の人なんだな
第四波動ってサテン違いかよ!
39度のオオオオオオオ
の次は
体温抱いてエエエエエエ
だろ常考 -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/01/03(日) 07:43: :edit佐天さんに能力ができたらいいなと思う反面
佐天さんは“一般人”であって欲しい
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名前: #-: 2010/01/13(水) 02:59: :editカミジョーさんは「誰でも出来る事」と言って憚らないが、その実「出来るからってやっちゃいけない事」ばかりしている気がする。
右手が殺しているのは果たして「幻想」なのか? -
名前: nanashi #-: 2010/01/14(木) 15:15: :edit佐天さんは無能力者でいい
無能力ながらLV5と互角で戦うアンチスキルのエースみたいなのになって欲しい -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/01/15(金) 05:19: :editアニメでも上条さんと佐天さんが出会って欲しいと望んでいる幻想を誰かぶち殺してくれ
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名前: 通常のナナシ #-: 2010/01/24(日) 01:03: :editみことさんが上条さんを追いかけてるのってLv0である上j(ryに負けたからだよな、、、 それでレベルなんて関係ないっていう発言はどうよ、、、 ちなみにアニメね。
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名前: #-: 2010/02/11(木) 02:18: :edit↑能力使いであることが偉いわけではないって考えじゃないの?
だから能力者の枠組みの中で格下に負けたことが腹立たしいのは別問題なんだろう -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/02/11(木) 03:54: :edit米74
単に負けず嫌いなだけじゃない?
んで勝負を挑んでる内に気になってきたみたいな -
名前: #-: 2010/02/15(月) 12:34: :edit原作敬遠してたけどこれは中々面白いな
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名前: 通常のナナシ #-: 2010/02/15(月) 12:45: :editええ話や
でも上条さんは普通じゃないけどな
相手に丸腰を強要させ、自分は好きに武器を選べるってやり方が出来る時点でそりゃ普通とは呼べんわ
(能力者なのに普通の武器使用をメインにしてたら別だけど) -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/02/15(月) 13:43: :editちょw良作w
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名前: 通常のナナシ #-: 2010/02/15(月) 15:10: :editまたこいつは収集する気も無いフラグをたておって…
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名前: 通常のナナシ #-: 2010/02/15(月) 16:36: :edit※51
好意的に解釈するなら、魔術サイドの人間は基本的に文明の利器を倦厭する傾向があるから、
(ビタミンB2とルーン文字を掛け合わせた霊装を編み出した魔術師が身内に処分されかけたレベル)
そもそも油性インキを使うって発想がない。あの戦闘で負けてようやくそういう方向に気を使い出したぐらい
脳の記憶の仕組みついでありえないくらい無知だったステイルを舐め過ぎ
一方通行はプライドの問題。あと能力把握するまでは「いつものように」馬鹿みたいに突っ込んでたけど、
把握してからはプラズマで攻撃する戦術を「編み出した」 -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/02/15(月) 23:51: :edit初春はレベル1だろ
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名前: 通常のナナシ #-: 2010/02/19(金) 08:02: :editなぜ説教が清々しいのか
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名前: 通常のナナシ #-: 2010/02/25(木) 22:14: :edit浜面だと説教が暴言になりかねん
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名前: # #-: 2010/02/28(日) 10:42: :edit※84
ありえる -
名前: 通常のナナシ #-: 2010/04/14(水) 18:35: :edit禁書嫌いの人はCG映画とかにもマジレスしてそだな・・ おもしろけれればいいんだよ
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名前: うっちぃ #-: 2010/06/11(金) 01:20: :editおもしおいもんなぁ
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名前: 通常のナナシ #-: 2010/08/28(土) 17:32: :editコメディエンヌになるんじゃないかな
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名前: 通常のナナシ #-: 2010/10/05(火) 12:06: :editKJさんって略すの初めて見たw
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名前: 通常のナナシ #-: 2010/11/27(土) 22:32: :editこれ本当傑作だと思う
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名前: 通常のナナシ #-: 2011/02/17(木) 21:30: :edit爽快感があってよかった
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名前: 通常のナナシ #-: 2011/04/30(土) 02:04: :edit感動!
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名前: タロ #-: 2011/06/08(水) 17:47: :editキレイに纏まった良質の作品ですね。
上条と佐天の掛け合いが、とても良いですね。
今後も頑張ってください。 -
名前: 名無しさん #-: 2012/09/25(火) 17:02: :edit上条さんは二次創作で男を上げまくってるから本編も予想以上にかっこ良く見える時がたまにある たまに
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名前: JUM #-: 2012/11/21(水) 23:36: :edit上条サンは本当にカッコイイよな。
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名前: MCC #-: 2013/01/24(木) 17:48: :edit惚れた
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名前: 通常のナナシ #-: 2013/02/24(日) 10:33: :editどうあれ、上条さんは恰好良い!!!

俺の妹がこんなに可愛いわけがない 黒猫 白猫Ver.