fc2ブログ

ハルヒ「有希、その本面白い?」その2

***
2009/03/11(水)
276 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 21:56:47.52 ID:EeECp8pj0

※その2です。


276 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 21:56:47.52 ID:EeECp8pj0


黒塗りの車に乗り込む。
中には、運転手と僕だけ。彼は乗らないということだった。

「何か進展があれば連絡します。それでは」

至極簡潔に別れを告げて、冷気を遮断するために窓を閉じる。
運転手に行き先を告げた僕は、窓の外に広がる家々に目を細めた。

この世界を、僕らは守っている。
ここの人々を、僕らは守っている。
行きかう人も、飛ぶ鳥も、誰も知らない暗い場所で、密かに戦いを続けている。
功績が明るみに出ることは無い。

それでも、僕は貧乏籤を引いたとは少しも思っていない。
世界のために働き、世界を守り続ける。なんと名誉な仕事だろう。

窓の外に現れては消えていく人々。
僕らの存在を知ることは無い。

それでいい。
それでいいんだ。




281 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 22:12:26.73 ID:EeECp8pj0
「着きましたよ」

柄にも無く感慨に耽っていた僕は、運転手の言葉で現実に引き戻された。
途中から目を瞑っていたらしい。眠ってはいなかった様で幸いだ。

着いた場所は、どこにでもある公園。
遊具が少なく、遊べるものは砂場とブランコしかない。
そんな理由もあってか、子供達が訪れることがほとんどない公園であり、そして、

「少し遅かったわね」

……それゆえに、機関のメンバーとの待ち合わせ場所の一つにもなっている公園だ。

「道が混んでいたもので」

適当に嘘を吐く。目を瞑っていたから実際は分からない。
まあ、おそらくその手の理由だろうとは思うが。

「それで、彼女の方は?」

黒のスーツに身を包んだ森さんの姿はどう贔屓目に見ても白昼の公園で制服姿の男子高校生と
談笑するのにふさわしいものではなかったが、そんなことは今はさして重要ではない。




286 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 22:38:29.33 ID:EeECp8pj0
「彼に任せました」

僕は極めて簡潔に任務報告をする。
森さんは無駄の一切省かれた僕の報告を、伝えるべきことが含まれていない失格の報告と捉えたらしく、

「具体的にはどういう風に?」
「言葉どおりです。彼が涼宮さんの家まで様子を見に行くと自分から言い出してくれたので、僕は予定通りそのまま彼女のことを彼に一任しただけですよ」
「なるほど。で、結果的にあなたは未来人の側の情報を探ることになったと、そういうこと?」

説明の必要は無い様で助かった。
さすがは森さんだと思ったが、次に続けられた言葉が僕の心を曇らせる。

「でもね、わたしたちにははっきりいって、未来へ行ってしまった
未来人に関する情報を得る手段はほとんどないわよ」

風が砂を巻き上げて、僕らのほかには誰もいない公園が少しだけ霞む。
僕は風上にあるベンチを指差して、

「座りませんか」

森さんに提案する。彼女は少し溜息のようなものをつくと、僕よりも先にベンチへと歩き出した。




294 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 23:04:21.61 ID:EeECp8pj0
「機関は一応、何人か未来人とコンタクトを取ってはいるけどね」

僕がベンチに座ると、先に腰掛けていた森さんが切り出した。

「彼らもあくまで利害の一致のもとに我々と接触を保っているだけ。彼らの核心に迫ってしまうような質問にはおそらく答えてくれないわ」

もっともだった。
未来人には未来人なりの考えがある。それはどの組織も同じ。
僕らだって余りに自分たちの不利益になってしまうようなことは口にしないだろう。

「ダメもとで聞いてみることも出来ない。なぜかは分かるわね?」
「……ええ」

僕らが彼らの核心的な情報を知りたがっていると知られれば、彼らの上層部が危険と判断し、結果、コンタクトを取っている未来人は警戒して、僕らは今まで以上に情報を入手しにくくなってしまうだろう。

中途半端な詮索は、かえって情報の流動性を弱めるのだ。

「それで」

森さんが再び口を開いた。

「古泉、あなたには何か考えはあるのかしら」

彼に約束した手前、何も収穫を得ずにのこのこと顔を合わせることは出来ない。
が、現状、かなり詰んでいるのも確かだ。

未来のことは、僕の専門ではない。僕は超能力者なのだから。




297 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 23:22:53.03 ID:EeECp8pj0
「仕方ないわね」

しばらく黙っていた僕を見かねたように、森さんが溜息をついてそう言った。

「いい古泉、今からわたしが言うことを他の誰かに聞かれたら、おそらくあなたもわたしも、良くても機関にいられなくなるわ」

森さんがいつになく真剣な表情で僕を見る。
いや、森さんはいつも真剣なのだが、どことなく……熱さを感じる。

「"良くても"ですか。つまり……」

聞き逃したかったのに聞き逃せなかった部分を口に出して繰り返す。
森さんは僕の言葉を途中でさえぎって言った。

「悪かった場合のこともわたしに言わせる気?」
「いえ、すみません」

気圧されて顔をそらす。笑ってなどいられない。

「それでなんでしょう。大丈夫ですよ。盗聴器などはどこにも仕込んでありませんし」
「当然よ。あなたに限らずもしどこかに仕込まれていたらわたしの探知機が反応するから」

どこに機械を隠し持っているのかは下らぬ小事だと思い、僕は彼女の話に耳を傾けることにした。

「未来人が未来へ行ってしまって、この時代では何も手掛かりを得られないんだったら、するべきことは一つしかない。わたしたちも、未来へ行ってしまえばいいのよ」

おそらく僕は驚きと困惑がないまぜになったような顔をしていることだろう。対して森さんは微笑。
こういう時の彼女の大胆さと行動力はどこかの団長に通ずるものがある。




301 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/25(水) 23:40:25.81 ID:EeECp8pj0
「……具体的には?」
「コンタクトをとっている未来人のうち、弱そうなのを一人適当に見繕って奇襲をかけます」

ああ、おそらく僕はもうこの人からは一生逃げられないんだ。
話してしまったのは間違いだったのか?

「適切な交渉の上、時間遡行の方法を教えてもらって未来へ向かうの」

適切な交渉。
それは相手の態度によっていかようにもその姿を変える。
あっという間に、ごく簡単に。
相手が従順なら、事は穏やかに進むだろう。
しかし、相手が抵抗の意を見せたなら……。

「でもね。問題もあるのよ」

まるでたった今僕に言ったことが問題ではないとでも言うような口ぶりで、森さんは続ける。

「時間遡行の方法が未来人特有の能力だったりするとお手上げになるわ。機械のようなものを使ってのことだったらまだしも……でもそれも、機械が未来人の体内とかにあれば手は出せないわね」

一人で盛り上がってしまっているようだ。
僕はしばらく言葉を失っていたが……。

「落ち着いてください森さん。そんなことをすれば、例え真相を究明できたとしても、そのあと機関と未来人勢力は戦争状態になってしまいます」

森さんは、これまたどこかの誰かによく似た感じで少し口を尖らせた。




310 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 00:10:57.66 ID:rxKIHavw0
「じゃあどうするの?何かいい案でも?」

森さんが不満たらたらといった感じで僕に問いかける。
ここで止めないとこの人は本当にこういうことをやってしまいそうで怖い。
いや、大丈夫だ。仲間は信じなくては。

とはいえ、協力を求めているのはどちらかと言えば僕の方な訳で。
オルタナティヴを出せずに喚いても、何の解決にもならないのも確かだ。

「いい案……ですか……」

森さんとこれ以上視線をつき合わせているのが居た堪れなくて、僕は顔をそらして公園の入り口に目をやる。

その時、僕は一人の女性が公園に入ってくるのを認めた。

その女性の髪は赤みの強い栗色で。
その女性はどこぞの教師のようないでたちで。
そして僕は、その女性の顔に少しだけ、よく知る人物の面影を見た。

「古泉?」

女性に視線を釘付けている僕を不審に思ったのだろう。
森さんが僕に声をかける。僕は言葉を返さない。

「こんにちは。古泉くん。こうして会うのは初めてかしら」

僕の前に立ち、そう言った。

その女性に、僕は会ったことはなくて。
しかしその女性は、紛れもなく朝比奈さんだった。




424 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 14:09:40.84 ID:7+a7S13t0
「朝比奈……さん?」

言葉が零れる。その人物が僕の良く知る朝比奈さんでないことは明白だったが、しかし僕は、その名以外に言うべき答えを持ち合わせてはいなかった。

「始めまして、朝比奈といいます」

それは、僕ではなく森さんに向けられた言葉。
森さんは怪訝そうな目で僕をちらりと見て、然る後に朝比奈さんに向かって口を開いた。

「あなたが朝比奈みくる?」
「そうです。もっとも、古泉くんの良く知る朝比奈みくるよりも、もっと未来から来た朝比奈みくるですけど」

繋がった。
この人は確かに朝比奈さんだったのだ。
ただ、元いた時代が違うだけのこと。

「なんの御用ですか?」

事態を完全に把握したわけではないが、時間は待ってくれない。
僕は笑顔を取り繕って、同時に内で気を引き締める。
もうすでに、組織と組織の交渉は始まっているのだ。




426 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 14:20:25.40 ID:7+a7S13t0
「古泉くんにお願いがあるんです」

目の前の女性の顔をよく見る。
穏やかな表情だが、目が笑っていない。

「わたしについて来てもらえませんか」

逡巡。
いきなり現れたと思ったら提案もいきなりだ。
ここで乗れば間違いなく新しい手掛かりは得られるだろうが、その後僕が無事に戻れる保証はない。
今更わが身に危険が降りかかることは怖くはないが、それではするべきことが果たせない。
朝比奈さんの足跡を追い、退団の原因を突き止め、あわよくばそれを止めさせるという彼との約束が。

僕は森さんの顔を見る。
仄かに楽しげな色すら孕んでいた先程とうって変わって、彼女の顔からは感情が消えていた。

「どこへついて行けと?」

繋ぎの言葉だ。出来るだけ情報を引き出しておくに越したことはない。
朝比奈さんは少しだけ目を細めて、ただ一言。

「未来へ」




431 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 14:36:30.21 ID:7+a7S13t0
「それはあなたのいる時代へということですか?」

いつだったか、彼が朝比奈さんに付いて時間遡行を行った話を聞かせてくれたとき、僕もいつか連れて行ってほしいなどと考えたことを思い出しながら僕は聞いた。

「いいえ、ほんの数日後です」
「数日後?」
「はい。そこでは……まあとにかく、実際に見てもらえば分かると思います」

知りたければついてこい。要約すればそういうことだった。
僕は一分ほどの沈黙を挟み、彼女の目を見据えて言った。

「分かりました。行きましょう」
「……ありがとう。それではその前に、お連れの方には外してもらえますか?」

森さんの顔を見る。眉毛が少しだけ動いたような気がしたが、それ以外に目立った変化は見られない。

「森さん、いいですか?」
「大丈夫なの?」
「はい、多分」

言い終えてから、僕は多分という言葉は余計だったと後悔する。
しかし森さんは、「そう」とだけ言って、僕から視線をそらした。

「古泉をよろしくお願いします」




433 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 14:50:34.90 ID:7+a7S13t0
森さんが公園の入り口から消えていくのを認めてから、朝比奈さんは僕のほうに向き直った。

「ごめんね。あとで怒られたりするのかしら?」
「いつものことですから。大丈夫です」

たわいもない会話。
それでも、緊張はいくらか解れた。
僕は立ち上がったが、

「いえ、ベンチに座ったままでいてください」

朝比奈さんに言われて再度腰を下ろした。

彼女は僕を座らせると、部室でよく見るあの朝比奈さんからは想像もできないようなきびきびとした歩き方で僕の後ろに回った。

「目を瞑ってください」

柔らかな声で朝比奈さんが言う。
言われて目を瞑った僕は、朝比奈さんの声を思い返してやっぱりあの頃とは変わったなと思った。
あどけなさを絵に描いた様な可愛らしい声とは違い、今の彼女の声は大人っぽさを孕んだ、ともすれば妖艶な声だ。

「少し気分が悪くなるかもしれませんが、我慢してください。それでは行きます」

最高に気分が悪くなったとの彼の話を一瞬思い出した僕は、脳を揺さぶられるような強烈な眩暈に襲われた。
座っていたはずのベンチの感覚がなくなる。
どこまでも落ちていくのかも分からず、ただ、口を固く結んで吐き気に抵抗した。




437 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 15:15:13.95 ID:7+a7S13t0
不意に感覚を取り戻す。
どこかに座っているという感触でこれほど安心できたことはかつてない。
目を開けたいという衝動と、絶対に開けたくないという衝動に板ばさみなっていた僕の耳に、誰かの声が届いた。

「もう大丈夫です。目を開けてください」

それが朝比奈さんの言葉だと気づき、僕はゆっくりと目を開く。
固く閉じていたまぶたが、光を受け入れる。

そこは僕のよく知る場所だった。
部屋の中央にテーブルが一つ。窓際にはパイプ椅子。その間にパソコンの置かれた小さな机。
壁際の本棚には、厚いものも薄いものも入り乱れて本が何冊も並べられている。

――つまり、そこは北高の文芸部室だった。


「……」

朝比奈さんが僕にかけた言葉以降、沈黙は破られない。
喋ることよりも大事なことがあった。

重い感触。何かがそこに存在している感覚。
僕はこの感覚を知っていた。

閉鎖空間だ。




440 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 15:31:35.70 ID:7+a7S13t0
「これは……」
「閉鎖空間、ですよね?」

朝比奈さんが言葉を継いだ。
僕は自分が座っていた椅子から立ち上がり、窓際に寄る。

「わたしもなんとなくは分かるんです。ごく微小ではありますが、時空震が観測されていますから」

朝比奈さんも、窓の方に歩いてきて、僕の隣に立ってそう言った。

「あの空間の中では何もかもが普通じゃありません。時間の乱れも、普通は気づかない程度ですが起きているんです」

不自然なことではなかった。納得はいく。しかしそれは、朝比奈さんが閉鎖空間の存在を感じ取ることが出来ていることまでだ。

「しかし……この大きさは……」

尋常ではなかった。
今までの経験上見てきた全ての閉鎖空間の遥か上をいく規模。
しかも恐ろしいことに、

「拡大しています……」

それは、かつてないスピードで。

「やっぱりそうなんですか……。わたしたちは存在自体はかろうじて感じ取ることは出来ても、中に入ったり実際に見たりは出来ないので、確証はなかったんです」




443 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 15:50:30.96 ID:7+a7S13t0
世界の創生。
広がり往く重苦しい灰色はそれを連想させた。

「何が起きているんですか。この時間軸の機関は……」
「いえ、いいんです。わたしはこれが閉鎖空間だと言うこと、すなわち涼宮さんが発生させているものだということを確認したかっただけですから」

悲しそうな顔で朝比奈さんはそう言って、僕の手を引いた。

「もう一度、座ってください」
「もしかして、もう戻るんですか?」
「そうです。これ以上いたらここも危険でしょう?」

僕はもう一度感覚を鋭くさせる。
閉鎖空間の拡大がいくらかつてないスピードだと言ってもそれはすぐに世界を覆ってしまうというものではなかったが、それでも確実に、それは広がっていた。

「しかしこの世界を放っては……」
「古泉くん」

言葉をさえぎって、朝比奈さんが僕の手を強く握る。

「この事態を打開するために、わたしたちがやるべきことはあなたの時代にあるの」

僕はもう、それ以上抵抗することは出来なかった。




447 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 16:16:18.02 ID:7+a7S13t0
こんな短時間にこんな気分の悪さを二回も体験してしまうのはどう考えても身体に悪い。
そんな不満を少しだけ感じながら、僕は再び目を開いた。

先程の公園だった。

「付き合ってくれてありがとう。おかげで確証が持てました」
「なんの確証ですか?教えてください」

僕は言葉を早めた。逸る気持ちを抑えるのは難しい。
あんな規模の閉鎖空間など、今まで見たことはない。
あれがどれほど危険なものなのか、超能力者だからこそ僕はよく分かる。

「ですから、あの時空震は閉鎖空間であり、涼宮さんが発生させているということです」

結論をなかなか口にしないその物言いは、どこか記憶の隅にひっかかる物がある。

「それはさっき聞きました。でも……」
「古泉くん、それについては、わたしからは話せません」

朝比奈さんはまたもや僕の言葉を遮る。
僕の顔から、目が逸らされた。
高台の公園からは、建設途中のビル群が見える。




451 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 16:30:10.45 ID:7+a7S13t0
「ごめんなさい」

ただ一言。
放たれた言葉に力は無くて、僕は用意していたいくつかの言葉を述べる気力を失った。

「では、誰が……?」

僕は朝比奈さんの顔に視線を戻す。
彼女も同時に僕を見た。かみ合う視線。
悲しげな光は消えていなくて、僕は目を逸らさないようにいささか顔に力をいれなければならなかった。

「長門さんに聞いてください。教えてくれると思います」
「長門さんに……ですか」

推測の域を出ない表現。
それでも、霧が晴れるのなら。

「長門さんとお知り合いなんですか?」

大して重要ではなさそうなことを聞いてしまう。

「ええ」

彼女の答えも、簡潔だった。




452 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 16:35:49.06 ID:e5PhN0kl0
お知り合いなんですかってみくる(大)はみくる(小)の成長した姿だろ




453 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 16:39:47.58 ID:Z0RksguXO
>>452
「ある人物」が長門とお知り合い、だろ




454 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 16:40:12.26 ID:7+a7S13t0
「わたしは、これからやることがあります。古泉くん、あなたはどうする?」

これから。
僕の成すべき行動の候補が、いくつか頭に浮かんで回る。

「とりあえず、彼に連絡を取る事にします」
「そう。分かったわ。それじゃあ、ありがとう」

礼を述べられる。
僕も礼を返した。

「いええ、こちらこそ」

自分が何に対して礼を言っているのかも、分からないまま。


公園に立つのは僕一人だけとなった。
本当にここは、昼間だと言うのに誰も来ない。通りがかりすらしない。
好都合ではあったが、行政はもう少しここらの子供への周知を徹底させた方がいいんじゃないだろうか。
それとも近くに他の公園でもあるのか?

成すべきことが在るときにどうでもいいことばかりを考えてしまうのは僕の悪い癖だ。
直す気にもならないほどに染み付いた慣習に溜息をつきつつ、僕は森さんに連絡を取る。




456 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 16:57:36.32 ID:7+a7S13t0
森さんはすぐにやってきた。
さっき僕が乗ってきたのと同じ黒塗りの車が、公園の入り口で待つ僕の前に滑り込む。

「それで?収穫はあったのかしら、ほとんど時間はたっていないようだけど」

なるほど。朝比奈さんは僕らがこの時間軸を発った時と同じ時間に僕を戻したのか。

「ええ、。とりあえず彼に会おうと思います。よろしいでしょうか?」
「わたしは別に構わないわよ。早く乗りなさい」

促されて助手席に乗り込む。
ドアを閉める。
さっきと違うのは運転手が森さんであることだけだった。
朝比奈さんがやるべきこととはなんだろう、と考えようとしたが、未来人の成すべきことが超能力者に分かるはずも無い。

「彼を拾ったら、学校に向かってください」

森さんの許可を得た僕は、彼に連絡するべく携帯電話を取り出す。

「学校……ね。了解。あと、シートベルトを締めなさい」

言われて僕は片手間にシートベルトを引き出しつつ、彼の番号を探す。
車が緩やかに走り出した。
番号を見つけ、かける。

コールが一回、二回、三回……。
八回目のコールが鳴り終わろうとしたとき、音がフッと途絶え、彼の声が聞こえた。




458 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 17:14:12.03 ID:7+a7S13t0
―――――――

―――――――――――――――

―――――――――――――――――――――――


「もしもし」
「どうも」

古泉の声だった。
聞くのは随分久々のことに思える。

「今、どちらです?」
「ハルヒの家を出たところだ」
「それはちょうどよかった。今からそちらに車で向かいますので、どこか寒さを凌げるところで時間を潰していてもらえますか」
「それで、どこに行く気なんだ?」
「学校です」

奇遇だな。俺もちょうど行きたかったところだ。
通りがかる車を避けるために道路の端に身を寄せつつ、

「分かった。待ってるぞ」
「おそらく十五分ほどで着けるかと。それでは」

電話が切られた。向こうにもそれなりに収穫があったらしい。
携帯を閉まった俺は、すぐ近くに会ったコンビニに駆け込んだ。




460 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 17:32:20.90 ID:7+a7S13t0
直前の電話連絡を含めてそれからきっかり十五分後、黒塗りの車が近づいてくるのをコンビニの駐車場で見つけた俺は、なんどか見たことがある機関の車との間に特徴の一致を見る。
目の前に緩やかに停車した車の助手席に古泉が座っているのが見えた。

「乗ってください」

窓越しに古泉が言う。
俺は急いでドアを開けようとして、静電気の激しい攻撃を被った。

「お疲れ様です。電話で申し上げたとおり、これから学校に向かいます」

ドアを閉めると、古泉が後ろを向いてそう言った。
隣にいたのは……

「森さん……?」
「お久しぶりです。シートベルトをお忘れにならないでください」

事務的な口調で告げられた。
俺は急いでベルトを引き出す。

「さっそくですが」

古泉が切り出した。

「お互いの収穫を確認しておきましょうか」




466 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 17:58:44.15 ID:7+a7S13t0
それから、俺と古泉は森さんの軽やかなハンドルさばきの横で情報を交換し合った。
その上で話を整理するとこうなる。

まずハルヒについて。

ハルヒは昨日の朝比奈さんの脱退で大いに精神に打撃を受け、閉鎖空間をいくつか発生させた。
しかしその後の精神状態は安定しており、現在までその他の閉鎖空間の発生は無い。
今日、ハルヒは学校を休んでおり、その理由は「本を読みたいから」らしい。
その本は長門が前日ハルヒに渡したものであり、解読不能の文字で記されている。俺がこの本を見て気を失ってしまったことから考えても、ただの本ではない。また、精神状態が安定している理由もこの本を読むことに精神が集中されているからではないかと考えられる。


次に長門。

長門は朝比奈さんが退団した件に関して、「情報統合思念体が静観の構えを見せている」ことを理由に、干渉できない旨を俺たちに伝えてきた。喜緑さんによれば、長門の様子が少しおかしいとのこと。
また朝比奈さん(大)の話すところによると、長門は何かを知っているらしい。
ハルヒに謎の本を渡したのもこいつだ。

最後に朝比奈さん。

昨日、突然退団宣言をした後、朝比奈さんはこの時空から消失。その後の足取りは掴めない。
古泉が接触した朝比奈さん(大)は、古泉を彼女曰く「数日後の未来」に連れて行った。
そこでは閉鎖空間が急速に拡大していたが、朝比奈さんはそれがハルヒが発生させたものであるということが分かるだけでよかったらしく、そのまま古泉を連れて元の時間軸に帰還。長門に話を聞けと言い残して去った。




470 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 18:12:06.34 ID:7+a7S13t0
「…………」

一頻り情報をシェアして、俺達は沈黙した。
最初の頃に比べて情報は大分増えたが、これは真相に近づいたと言えるのだろうか。

「着きますよ」

森さんの声で我に返る。見慣れた風景が窓の外を通り過ぎていく。
見慣れた坂道を登り終え、見慣れた校門の前で車は停車した。

「ありがとうございました。森さん」
「とんでも御座いません。ご健闘を祈っています」

車から降りた俺達を灰色の空から吹き降ろす風が容赦なく撫でる。
雨の心配も必要な空模様だが、そのような心配は家を出る前にすべきことだ。

「大丈夫ですよ。雨が降ってきても我々の車でお送りします」

俺の心を見透かしたかのように笑顔で述べる古泉。

「ああ、頼むよ」

顔を古泉に向けることなく俺は言い、下駄箱に向かって歩き出した。







ハルヒ「有希、その本面白い?」
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 18:35:24.80 ID:7+a7S13t0
下駄箱で靴を履き替える折、ふと、朝比奈さんのことを思い出す。
思えば、未来からの指示はいつもこうやって届いていたんだよな。


部室の前。
少し力を込めて扉を開く。

「…………」

長門は俺達がこの部室を後にしたときと全く同じ体勢で椅子に座っていた。
まるで俺達が来ることなど知っていたとでもいうような反応の無さだ。
長門には限ってはそれでも驚きはしないが。

鞄を置いて、深呼吸。
古泉が扉を閉める。

「長門。お前に聞きたいことがある」

長門はそこで初めて俺の顔を見た。

「朝比奈さんがな、お前に話を聞けってさ」
「あの朝比奈さんではなく、もっと未来から来た朝比奈さんです」

古泉が補足する。

「教えていただけますか。これまでのこと」


長門が本を閉じた。




31 : ◆Mene.OWFJw :2009/02/26(木) 20:46:28.17 ID:OatfxhSh0
小さな声で長門は話し始めた。
俺と古泉は、テーブル横の椅子にそれぞれ腰を下ろしている。

「彼女は、わたしにの前に現れて頼みがあると言ってきた。未来人と対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェースは、接触をすることはあれど取引を行うことはほとんど無い。この時点で、わたしは異常事態の発生を察知した」

朝比奈さん(大)が長門の前に現れる。
なるほど確かに余り普通のこととは思えない。

「そういえばお前とあの朝比奈さんは面識があるんだったな」

一年の頃を思い出して俺は言う。
しかし長門は、少しだけ首を傾げてこう続けた。

「わたしと彼女に面識があるのは事実。でも、初めて会ったのはあなたが考えている時よりももっと前のこと」

今度は俺が頭をひねる番だった。あの、俺が朝倉に襲われた次の日よりも前に、二人は既に会っていたと言うのか?




36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 21:00:14.11 ID:OatfxhSh0

「彼女はこう言った。『いつになるかは言えないけれど、涼宮ハルヒはまた情報爆発を起すことになる』と」

情報爆発。
奇しくも今思い出した朝倉も言っていた言葉だ。
それのせいで厄介な現象が色々と起きたんだっけな。

「その情報爆発の及ぶ範囲は広大。その広さは、世界そのものを創りかえるほど」

俺はいつだったかの古泉の話を思い出した。


『万が一、この世界が神の不興を買ったら、神はあっさり世界を破壊して一から創り直そうとするかもしれません』


この世界がハルヒによって創り上げられたのではないかという考えは古泉たち機関では主流と言うことだった。
情報爆発の規模や内容は詳しくは分からんが、恐らく似たようなものなんだろう。

その古泉は、いつもの両手を顔の前で組むポーズをしながら難しい表情を浮かべていた。




37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 21:15:55.87 ID:OatfxhSh0
「そしてその情報爆発が起こったとき、わたしやあなたを含めた全ての情報体は消失し、再構築される」

とんでもないことを聞いた様な気がする。気のせいか?
古泉の顔を見る。驚きを隠せていない。なるほど、気のせいではないらしい。

「我々が……消失すると?」

古泉が信じられないといった声色で言った。

「そう。そして然る後に再構築された世界に、我々は存在しない」
「そんな……それじゃ……」

古泉が冷静さを失っているのを見たのは初めてだった。

確かに自分の存在が消えると言われれば絶望してしまうのは不自然なことじゃない。
しかし、こと古泉にとって、その絶望がアイデンティティの問題にまで波及してしまうことを俺は知っていた。

古泉は今まで、世界を守るために戦ってきた。放っておけばどんどん勢力を増してしまう神人を退治し、世界が閉鎖空間に飲み込まれるのを防ぐ。そうして日々、こいつは俺達の済む世界の安寧のために働き、実際に健全に維持してきた。


それなのに、「実は世界はどの道消え去る運命だった」などと言われてしまったら。




42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 21:32:23.63 ID:OatfxhSh0
超能力者にとって、それは矜持のようなものなのだと俺は思う。
古泉にとって、世界が消える運命にあると言われるのはまさに今までの自分の存在理由を否定されるのと同じ。


――それは超能力者のアイデンティティとプライドへの、決定的な侮辱に他ならない。


「待て待て待ってくれ長門」

俺はたまらず口を挟んだ。

「おかしいじゃないか。俺達がみんな消えてしまう運命にあるのなら、なぜ朝比奈さんは存在できているんだ?」

朝比奈さん(大)の過去の姿である俺達の良く知る朝比奈さんがいなくなってしまったら、その時間的にその延長線上にいる朝比奈さん(大)の存在も消えてしまうのではないか。

「だから、朝比奈みくるは呼び戻された。世界が消失することが分かっていたから、その前に未来へと帰ってくるように」

じゃあ朝比奈さんがあの時退団宣言をしたのは……。

「語弊があったかもしれない。この帰還は彼女の意思ではない。彼女に指示を下した人がいる」

あの朝比奈さんに指示を与える人物と言われて、俺の頭が思い浮かべることが出来た人物は一人しかいなかった。




43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 21:42:06.43 ID:OatfxhSh0
「朝比奈みくるの異時間同位体。彼女があの朝比奈みくるに、未来へ帰還するよう指示を下した」

別に、俺達を助けてくれないことを恨みはしない。
自分だけ助かろうと思う気持ちが低俗だとは思わない。
それでも、俺は胸の奥で蟠りを感じざるを得なかった。


――せめて一言、一言くらい、何か言ってくれてもいいじゃないか。
別れも告げずに帰還させてしまうなんて、そんなの少し酷過ぎやしないだろうか。


「朝比奈みくるは」

長門が話を再開した。

「自分が助かろうとして自分の異時間同位体を呼び戻したのではない」

どういうことだろう。その行動にそれ以外の意味があると?

「彼女が助けたかったのは、自分ではなくこの時代の朝比奈みくる」

長門が諭すように言う。


「そして、わたしたち」




45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 21:53:24.15 ID:OatfxhSh0
「それはどのような意味でしょう、長門さん」

世界消失の話以来、俯いて口を開かなかった古泉が、長門の方に向き直ってそう言った。

「世界の崩壊は、規定事項。規定事項と言うものは、一つの未来に向かって道筋をつけるときに必ず必要な事象。だから、未来人はいくつもの規定事項を過去への干渉により達成することで、その過去が自分達の未来へ向かうように、道筋を固定する」

今が未来へいくために必要な事象。そうだ。
だから俺達は何度もそれを達成するために動くよう言われたんだ。

「規定事項の中には、それまでに行うべき規定事項を達成していないと規定事項として意味を成さないものがある。涼宮ハルヒがいずれ起すであろう規定事項はそれに該当する」

規定事項のための規定事項。それまでに達成されるべき事象。
つまり……。

「要するに」

再び古泉が口を挟む。

「適切な規定事項をいくつか達成していないと、その規定事項は達成できないと言うことですね」

長門は首肯で答えた。




48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 22:08:09.15 ID:OatfxhSh0
「必要な規定事項が達成されていない状況でその規定事項に行き当たった場合、その事象は完全な形では達成されない」

だんだん、分かってきたような気がした。

「涼宮ハルヒの情報爆発は、それまでに行うべき規定事項が行われていなかった場合、不完全な状態で達成されることになる」
「つまりその結果……あるいは……?」
「本来、それが達成されるべきだった時間よりも早ければ早いほど、なすべき規定事項は達成されなくなる」

よく分からんな。

「つまりこういうことですよ」

大分余裕を取り戻したらしい古泉が、俺の方に向き直って言った。

「涼宮さんの情報爆発という規定事項。これが完全な形、すなわち、我々の情報が全て消失し、再構築されるれると言う形ですが、この完全な形で達成されるためにはそれ以前にA、B、C、Dの規定事項を達成する必要があるとします」

古泉は指を折りながら必要な規定事項の数を数える。




49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 22:20:28.07 ID:OatfxhSh0
「このAからDまでの規定事項を達成できれば、情報爆発と言う規定事項も完全に達成されます。
しかし、もし涼宮さんの情報爆発が起こる前の段階で、Aの規定事項しか達成出来なかったとしたらどうでしょう?」

必要な規定事項の数が足りない。つまり……情報爆発は……。

「完全な形では達成されない。お分かりですね。つまり涼宮さんの情報爆発という規定事項が前倒しにされればされるほど……」
「……それは不完全な形で達成されることになる」
「すなわち、完全な条件の下でなら達成できたはずの『全情報体の消失』は限りなく達成されにくくなる、ということです」

ようやく理解できた。ハルヒの情報爆発の前に達成される規定事項が少なければ少ないほどいいってことか。

「だから、そのために朝比奈みくるは」

二人で勝手に盛り上がっていた俺と古泉は、再び長門の話に耳を傾ける。

「涼宮ハルヒの情報爆発の発生時間を前にずらそうとした」
「では僕が彼女に連れて行かれた『数日後』は……」
「正確には明日」

明日だって?随分急じゃないか。

「おそらく数日後と言う表現を使ったのはあなたたちを焦らせない為」




52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 22:36:03.01 ID:OatfxhSh0
「涼宮ハルヒの情報爆発が発生したかどうかは、厳密には朝比奈みくるら未来人には判断できない」
「だから僕を連れて行って、本当にそれが涼宮さんの発生させたものなのかを確認してもらった」

忘れもしない一年の春。ハルヒと迷い込んだ閉鎖空間の中、赤の光体として空間に侵入してきた古泉は俺に言った。ハルヒは新しい世界の創造に着手したようだと。つまり、ハルヒが新世界の創生に入った場合、情報爆発は『大規模かつ特殊な閉鎖空間』という形で顕現するってことか。

「あの程度の閉鎖空間で済めばいいものだ、とは立場上言いたくはありませんけどね」

世界の消失よりは確かにマシです、と言って古泉は方をすくめる。

「当然、閉鎖空間の発生への対処に追われている明日の機関のメンバーには何も頼めない。だから僕を連れてきて確認させた。おそらく前もって教えておくことで明日それを目の当たりにしたときにも、慌てないで対処する出来るようにする意味合いもあったんでしょう」
「予定通り閉鎖空間の発生を確認した朝比奈さんは、この時代に戻ってきて、古泉を……」

長門のところへ向かわせた、と続けようとして言葉を切った。
己の愚かさへの憤りが縦横無尽に身体を駆け巡る。

古泉も俺の少し前に気づいたようで、顔をしかめている。

「規定事項の達成の意味するものはその未来の実現。そして規定事項の不達成の意味するものは」

長門の話す、その言葉の先をそれ以上聞きたくなかった。


「その未来の消失」





54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 22:41:09.80 ID:OatfxhSh0
浮かれていたのかもしれない。
消失を免れるという事実に。
人は何かを失うことなしに、何物も得られはしないのに。

「あの朝比奈みくるのいる未来は達成されなくなる可能性がある。少なくとも、わたしたちがいるこの時間軸との繋がりは断絶される」

あるべき規定事項を不達成に終わらせると言うことは、その先に繋がる未来の存在を危ぶませるということだ。

「長門さんが僕らに何も教えなかったのは……」

長門は、いつか見たあの悲しげな光を双眸に宿らせた。

「あななたちが、朝比奈みくるの行動を止めようとするのを防ぐため」

少し間を置いて、長門は続ける。

「そう、頼まれた。朝比奈みくるから」




57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 22:53:02.82 ID:OatfxhSh0
俺達が、あの朝比奈さんが自身の未来の消失すら賭して俺達を消失から守ろうとしてくれていると知ったら。
間違いなく俺達は止めていただろう。

他の方法がある。これから探せばいい。

そんな、根拠の無い推測を散りばめて。

でも、おそらく朝比奈さんは知っていたんだ。他に方法などないこと。
甘い考えは確率論を覆しはしないと。わずかな可能性にかけることの無謀さを。

しばらくの間、部室を支配していた沈黙を古泉が破った。

「長門さん、涼宮さんに渡したあの本。あれは何なんですか?」

確かにその疑問はまだ解決されていなかった。
項垂れつつも俺は長門が口を開くのを待つ。

「時間遡行の概念を、わたしが記した」

とたんに、思い返される。

「朝比奈みくるに頼まれて、最後にこう付け加えた。『朝比奈みくるは未来人』」

あの時の、あの言葉。




59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 23:04:29.82 ID:OatfxhSh0
――ひょっとしてお前も時間移動とか出来るのか?――

『わたしには出来ない。でも時間移動はそんなに難しいことではない』

――コツを教えてもらいたいね――

『言語では概念を説明できないし理解も出来ない』

――そうかい――

『そう』


「記したといっても、それは本の形にしてページに情報を焼き付けたと言うこと。普通の人間には理解できないし、見れば脳が拒否反応を起す」

あの時、ハルヒが見ていたのは、時を駆ける方法。

「朝比奈みくるに強く執着し、さらに一種の興奮状態にあってその情報を得た涼宮ハルヒは、ためらい無く概念の行使を試みる」

閉鎖空間の中では、微小なれども時間の変化がある、朝比奈さんはそう言ったと古泉に聞いた。

「時間遡行とは、情報の移動。涼宮ハルヒほどの情報体が急激な時間遡行を行えば、それは」

……情報爆発になる。


「――――零時を回った」




61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 23:12:33.56 ID:OatfxhSh0

世界が泣いているような気がした。
灰色の風が辺りを走るような、ざわざわとした嫌な感覚に包まれる。

「あそこに記された遡行の概念は一部だけ。たった今情報爆発を起した涼宮ハルヒは、そのまま自分の知る概念で飛べるところへ向かう」

そこにいるのは。

「……来る」

長門がそう呟いた数秒後、窓際に座っている長門の方を向いていた俺たちの後ろでドサッという音がした。
急いで振り向く。
部室の扉の前に三人の人間が居た。

二人は眠っているようにぐたったりとしており、そして一人は……。

「久しぶりねキョンくん。古泉くんは、また会ったわね、かな」





64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 23:19:40.87 ID:OatfxhSh0
その女性の髪は赤みの強い栗色で、その女性はいつか見た懐かしいいでたちで、そして俺は、その人のことを良く知っていた。

「朝比奈さん……」

脇の二人はハルヒとこの時間軸の朝比奈さんのようだ。
二人ともぐっすりと眠っているらしい。

「長門さんに、もう全部聞いたかな」

俺と古泉は首肯する。

「ごめんね、何も言わずに」

少なくとも、今何も言えないのは俺のほうだった。

「でもね、わたしは」

言葉を詰まらせる。
そして隣に眠る小さな朝比奈さんの頭に手を置いて、朝比奈さんは双眸を潤ませた。

「わたしじゃなくて、この子に生きていって欲しいから」




65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 23:26:06.44 ID:OatfxhSh0
「朝比奈さん……」

名前を繰り返して呼ぶことしか出来ない自分の無力さを呪う。
古泉は口を固く引き結び、朝比奈さんのことを見つめている。

「ありがとう、長門さん」

俺達の後ろに、朝比奈さんは声をかけた。
振り返る。長門はいつもの無表情な顔で見つめ返した。

「……よかった。最後にお礼が言えて」

朝比奈さんは少しだけ目を閉じて、そして再び俺の方へ向けて開いた。

「規定事項をいじっちゃったから、この情報爆発が収まればもうこの時間軸とわたしのいる未来との繋がりは消失します」


――その人はただ、微笑んでいて。


「ほら、そんな顔しないで。未来は自分達で作っていくものでしょ?」


――俺はただ、泣いていた。




68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 23:36:27.05 ID:OatfxhSh0
「この子をよろしくね。もちろん、涼宮さんも」

両脇の二人の頭に再び手を置いて朝比奈さんは言う。

「古泉くん、あなたにもお願いします。ちゃんと涼宮さんを支えていってあげてね、副団長さん」
「……はい」
「うん、じゃあ……そろそろ行きます。あ、少ししたらこの部屋、空けてね。わたしと古泉くんが来ると思うから。もちろん、情報爆発のさなかだから長くはいられないし、みんなが会うわけにもいかないけど」

朝比奈さんが扉に手をかける。
とっさに俺は言う。

「ありがとうございました。朝比奈さん」

自分が何に対しての礼を言っているのかも、決められないまま。


「丁度揃っているし、最後にSOS団のみんなに言っておきます。涼宮さんが起きたら、伝えてね」


扉が開かれて、


「わたしは、楽しかったから」


扉は、閉められた。




72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 23:50:03.11 ID:OatfxhSh0

世界は、結局朝を迎えた。
灰色がかった昨日の空が嘘のように晴れ渡り、陽光に照らされた坂道を途中で出くわした谷口と一緒に登る。

――時間は飛んで放課後。

ハルヒはいつぞやの疲れに満ちた顔がこれまた嘘なんじゃないかと思えるほどの太陽の輝きを取り戻しており、百ワットの熱に焼かれそうになった俺は朝比奈さんの淹れてくれたお茶でなんとか身体を潤す。

朝比奈さんもハルヒも、結局何も覚えていないようで、それがあの朝比奈さんによるもなのかはたまた長門の情報操作によるものなのかは俺も古泉も知る術は無い。
聞くつもりも無いしな。

長門は読書、朝比奈さんは編み物、ハルヒはネットサーフィン、俺と古泉はオセロ。
いつも通り過ぎて、思えばこれはハルヒの嫌う"退屈"には当たらないのだろうかと一考しそうになった、俺は古泉の駒に痛い場所を取られて珍しく劣勢に陥っていた。


古泉の顔を見る。目が語っていた。

――僕は忘れていませんよ――

駒を置きつつ、俺も返す。

――俺もだよ――


自分の番を終えた俺は、窓の外に視線を逸らした。




75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 23:53:56.22 ID:OatfxhSh0

過去、俺はあなたを知った。

――あなたは俺に言った。白雪姫を思い出せ。


今、俺はあなたを覚えている。

――記憶は今も、鮮烈に。


そして未来に、俺は誓います。

――あなたをずっと忘れない。



いつまでも。



いつまでも。


~fin~




76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 23:54:37.20 ID:2UcsuIeM0
乙ッ!




77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 23:54:57.18 ID:jq+UpBCKO
>>75





78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 23:55:52.38 ID:MhL/IN7w0
乙!




79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/26(木) 23:57:20.45 ID:M58H5TWpO
これは乙と言わざるを得ない




83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/27(金) 00:04:38.02 ID:Z0p6P4s+O
素晴らしかったの
乙と言わざるをえない




84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/27(金) 00:04:53.66 ID:Hxpt22PR0

無数の情報の海の中から、意識が選り分けられてすくい上げられる感覚。
わたしという個体は、そうして生まれた。

涼宮ハルヒ。情報爆発。様々な情報がわたしの中にインプットされている。
感情は、いらない。一般的な人間が持つ、趣味も必要無い。
生み出されてから三年間、わたしはそうやってすごしていく、そう思っていた。

「こんにちは」

有機生命体の区分では"女性"とされる、赤みがかった髪を揺らす人だった。
突然ごめんなさい、でも、あなたにお願いがあるの。彼女はわたしに、そう言った。

「いつになるかは言えないけれど、涼宮さんはまた情報爆発を起すことになるんです」

記憶媒体にある名を聞く。彼女の話に興味を持った。
そうして話をして、知った。

世界は、消失するかもしれない。




85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/27(金) 00:06:29.54 ID:C2SH3eVD0
なん……だと……?




90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/27(金) 00:12:55.93 ID:Hxpt22PR0
話をほとんど終えた後で彼女はこう言った。

「これに、時間遡行の概念を記して涼宮さんに渡してもらえますか?」

"本"と呼称されるその物体は、薄い紙が何枚も重ねられて綴じられたもので、人間はこれを"読む"そうだ。

「長門さん、これはね、あなたには分からないかもしれないけど、人間にとってはとても重要な情報取得手段なの」

わたしには、よく分からない。

「そう、まあいいわ。あ、そうだ」

彼女は何かを思いついたようだった。

「じゃあ長門さん、これから学校に入学して、涼宮さんの観察に回ると思うんだけど、暇な時は本を読んでいて」
「なぜ」
「わたしの、異時間同位体っていうのかな。その子も涼宮さんのところへ行くの。その子には宇宙人の子は本を読んでいるって教えておくから」

理由を聞いていない。

「常に本を読んでいないとね。涼宮さんはあなたの持っている本に関して興味を持ってくれないでしょう?」

概念には、自ら興味を持つことが大切。そうでないと、彼女はそれに集中してくれない。そう言われた。




94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/27(金) 00:27:10.12 ID:Hxpt22PR0

本は、面白かった。
やがて自分でも、もっと他の本を読んでみたいと思うようになった。
苦痛ではなかった。少しだけ、新しい感情というものを覚えた気がした。

時はたち、わたしは涼宮ハルヒのもとへ。
そこには、確かにあの「朝比奈みくる」という女性に雰囲気の似た女子生徒が紛れていた。

長い時間をかけて、涼宮ハルヒにわたしの読む本に対しての興味を少しずつ引き出してきたつもりだった。
それでも、彼女は他のことに目を向け続けている。わたしは、ただ待った。

生み出されてから四年以上が経ったある日、兆候が見られ始める。
それは、彼女が本に興味を持ち始めたということではない。
不思議な、人間的に表現すれば"嫌な"感覚。朝比奈みくるに教えられていた。情報爆発の兆し。
そう、涼宮ハルヒは、情報爆発の小さな欠片を持ってはいたのだ。わたしが渡すべき本は、ただその顕現を早める手助けをするだけ。
やがてその小さな情報の奔流は、涼宮ハルヒの側にいるわたしの情報接続を時折阻害するまでになる。

わたしは、朝比奈みくるに渡されて、わたしが時間遡行の概念を記したあの本を、常に持っておくようになった。




97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/27(金) 00:41:07.66 ID:Hxpt22PR0
もうすぐ。もうすぐその時が来るはず。わたしがそれを手渡すときが。
涼宮ハルヒ、朝比奈みくる、古泉一樹、そして彼と一緒に過ごすうちに、わたしはこの本に込められた"想い"を理解するようになった。

ただの、時間遡行の概念が記された本ではない。朝比奈みくるの、「救いたい」という想いが込められているのだと。



あの朝比奈みくるに出会ってから、幾日が経っただろう。
彼女はわたしの顔を見て、言った。

「有希、その本面白い?」

――驚きはしなかった。感慨もわかなかった。
わたしは信じていた。そう言ってくれることを。
なぜなら、涼宮ハルヒはこの本に興味を持つと、朝比奈みくるが信じていたから。




99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/27(金) 00:48:09.70 ID:Hxpt22PR0

窓の外が、灰色だったことを覚えている。
わたしは彼女の想いを、願いを渡す。


未来に続く、道しるべ。そしてこの後に、もう標は無い。
その先は、わたしたちが創り上げていかなくてはならないのだから。


朝比奈みくるがわたしに残してくれた、これが一つの約束ならば、成功を信じつつ。彼女を信じつつ。
わたしは生み出されて初めて、祈ろうと思う。





――最後の規定事項に、未来への祝福を。










100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/27(金) 00:48:47.89 ID:cEQkIbJL0
乙!




101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/27(金) 00:49:52.75 ID:vyyu1Lp0O
>>1好きです




102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/27(金) 00:50:49.61 ID:nsie+814O
なんというポエマーw
消失の長門より長門っぽくない長門だな




105 : ◆Mene.OWFJw :2009/02/27(金) 00:52:35.24 ID:Hxpt22PR0
前に書いたシリアスものではみくる(大)を悪役っぽくしてしまったので、今回はこういうポジションに。
もう一度なんとかスレタイを出したくて、もしかしたら蛇足になっちゃったかもしれないけど一応お話が始まる前の
エピソードも書かせてもらいました。

次スレまで立てるという失態をおかしてしまって申し訳ない。
遅筆にもかかわらず保守・支援してくれた方々、ありがとうです。







----------------
当ブログについて
※欄343さんありがとうです。


涼宮ハルヒの憂鬱 朝比奈みくる 大人Ver. (1/8スケールPVC塗装済み完成品)
涼宮ハルヒの憂鬱 朝比奈みくる 大人Ver. (1/8スケールPVC塗装済み完成品)
Max Factory 2009-05-25
売り上げランキング : 674

おすすめ平均 star
star大人みくるちゃんかわいいよぅ

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



読み物:ハルヒ
お絵かき掲示板
画像掲示板
コメント
この記事へのコメント
  1. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 16:50: :edit
    1ゲット
  2. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 16:51: :edit
    2ゲトか?
  3. 名前: 山 #-: 2009/03/11(水) 16:59: :edit
    3ゲット
  4. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 17:09: :edit
    4ゲット
  5. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 17:11: :edit
    以下ゲッター死亡
  6. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 17:12: :edit
    ※5
    キミも感想ぐらい書きなさいな
    まあ・・・これといって感想もないが・・・
  7. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 17:33: :edit
    ※6
    んなわけねえだろカスポン
  8. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 17:58: :edit
    良かったよ
  9. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 18:52: :edit
    これは久々に良い読後感
    作者ぷん太GJなんだぜ
  10. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 18:53: :edit
    >>431
    シリアスな場面なのに眉毛で吹いたwww
  11. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 18:55: :edit
    面白かったよ、スレタイでは朝比奈さんが主役になるとは思わなかった
    情報爆発以降の朝比奈さん(小)はもしかして未来人じゃないのかな?
    というか、キョン達と同じ時間の人間になったのかな。
  12. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 19:04: :edit
    やべえええおおえうえおえ!!!!!!!


    こんだけwktkしたのは久しぶりだ
    終盤の分かりにくさも谷川と似ててGJ!
  13. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 19:52: :edit
    これはいいものだ
  14. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 19:55: :edit
    作者すごいわぁ。わくわくしたよ。
    面白かった!ありがとう!
    ぷん太もありがとう!
  15. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 19:56: :edit
    なぜ高評価なのか理解できない。それくらい、最近の子供は本を読んでいないのだろうか。


    大体、この作者はキャラクターを生かしきれてない。SS自体も、思い付きのネタをただ詰め込んだだけの低レベルな作品だ。

    あの富樫状態の原作やライトノベル(笑)を読むよりも、純文学を読んでこの作者には創作の勉強をして欲しいものだ。


    まったく面白味のないSSだが、私でも最後まで読めた。

    そこだけは評価する。


    星★★☆☆☆
  16. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 20:10: :edit
    売り物として出すような小説じゃないんだからそんなに厳しくすんなよ。私は評価とかそんなことするために読んでない。ただ面白そうだから読んだだけ。それで楽しめたならそれでいいじゃん(・ω・`)
    面白くないのによんでもつまんねーだろw


    それにしても面白かったー
  17. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 20:11: :edit
    これは良いシリアス
  18. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 20:20: :edit
    米15
    ん?もっかい言って、聞こえない
  19. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 20:25: :edit
    ※15がネタか本気かわからない
  20. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 20:27: :edit
    ※15
    アマゾンレビューかと…

    全体的にくどいけどな。
    しかし面白かった乙。
  21. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 20:32: :edit
    以下※15はスルーで。
  22. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 20:44: :edit
    とりあえずこれってほぼ即興やろ?
    ある程度は話が出来上がってたとしてもすげーわ
    もしかして前の古泉がハルヒに恋をして未来が~ってのの作者かな?
    なんせおもしろかった!

    ちなみに米15はいくらなんでも気持ち悪い
  23. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 20:50: :edit
    うーん…乗っ取りにしちゃ完成度は高いとは思うけど

    この作者さん前のSSもだけどタイムパラドクス的なネタが好きなのかな、
    それにしてはそこら辺の説明が適当にごまかしてる感が

    まぁたかがSSに何求めてんだよカスって言われたらその通りなんだけどw
  24. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 20:51: :edit
    わかりにくーい。
    つまるところ、キョンも古泉も長門も居ない未来から来た朝比奈さんが過去を弄ったって理解で良いんだよな?
    その後の未来がどうなったのかは分からない、と。
  25. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 20:53: :edit
    米15
    おまえには純文学(笑)を読む前に空気を読む勉強をして欲しいものだ
  26. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 20:56: :edit
    米25
    米15を馬鹿にするのは勝手だが、純文学に(笑)をつけるな。
    絶対にやめろ。
  27. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 20:56: :edit
    ※25
    激しく同意www
  28. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 21:00: :edit
    評価とかどうでもいいだろ。
    ただ面白かった。それで十分。
  29. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 21:08: :edit
    サッパリ読める良いSSだと思いました。
    個人的にはシリアス風味がもうちょっとあるといいなと思いました。
    即興で書いてこれだけのものが出来上がるんですから、ネタをもっと練ってから作ればもっと素晴らしい作品が出来ると思います。
    今後の作品に期待です。

    米15みたいに欠点と主観を並べただけの評価には一切価値はないと思います。
  30. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 21:08: :edit
    ※15はどっかからのコピペだろ
    わざわざそんなモン貼った米15は普通にキモイけど

    それにしても面白かった
    これが即興とか嫉妬が止まらない
  31. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 21:14: :edit
    お前ら釣られ過ぎ
  32. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 21:23: :edit
    ※15の人気に嫉妬
  33. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 21:24: :edit
    ここの米欄は釣られやすいな
    ゆとりが多いのか?
  34. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 22:12: :edit
    変態もいいけど
    シリアスもいい
  35. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 22:16: :edit
    ぷん太乙!
    普通に楽しめたw
    久々の良SSだと思うわ
  36. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 22:21: :edit
    米25はただのかまってちゃん
    つまりはスルーだね
  37. 名前: あ #-: 2009/03/11(水) 22:40: :edit
    ハルヒにシリアスって案外合うんだな。
    良かった。
  38. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 22:57: :edit
    最後に原作の伏線も回収しちゃってるのがすごい
    これは名作でいいと思う
  39. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 22:59: :edit
    お前ら!※15は初めてのコメントで緊張してたんだよ


    ここは暖かく見守ろうじゃないか
  40. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 23:15: :edit
    ※15
    なぜ高評価なのか理解できない。

    いや、ゆとりに評価されてもwww
    純文学とか言ってる自分カッコイイ?
  41. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/11(水) 23:15: :edit
    ぷん太はゆとりの集まりになっちゃたのかな?
  42. 名前: 通常のナナシ #SFo5/nok: 2009/03/11(水) 23:40: :edit
    すんばらすぃい。
  43. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/12(木) 00:23: :edit
    まさか即興じゃあないよね?ね??
  44. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/12(木) 00:24: :edit
    いいねぇ
    単発スレというよりはSSスレに投下されるタイプの名作だった
  45. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/12(木) 00:30: :edit
    みくるメインと言えるかはわからないが、みくるが活躍する作品の中では俺的にトップクラス
    まともな作品でもみくるはオドオドしてるかキョンをビンタするくらいしか役割ないからな
  46. 名前: 通常のナナシ #cRy4jAvc: 2009/03/12(木) 00:42: :edit
    純文学至高主義を主張しながらぷん太を閲覧してコメントまでつけるってw

    釣り(笑)にもなってない
    痛すぎる
  47. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/12(木) 00:50: :edit
    面白かった。
    つまり「消失」の後だか古泉が言ってたように、未来を書き換えても元の未来は無くなったわけじゃなくて、上書きされた状態になってるってことだな。
    即興とは思えない完成度だと思う。
  48. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/12(木) 01:06: :edit
    乗っ取りで実現できるレベルとは思えないです

    でも、このみくる(大)は(そのみくる(大)の時間軸の)未来人にしたら、
    世界を過去から崩壊させた悪魔になるのか
  49. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/12(木) 01:27: :edit
    いや、普通に面白かったな
  50. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/12(木) 01:56: :edit
    「何読んでるの?」
    「『復刊薔薇族』」

    で始まったスレだった気がするんだが……。
    随分と化けたな。面白かった。
  51. 名前: 栄 #-: 2009/03/12(木) 02:35: :edit
    長門がおかしい理由がわからん
  52. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/12(木) 03:32: :edit
    米51
    おかしくなってるのはハルヒの影響を受けてるから…って長門のエピソードになかったっけ?
    SSは面白かった!でも、ラストはもっと盛り上げてほしかったな
  53. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/12(木) 03:57: :edit
    米38

    「わたしの、異時間同位体っていうのかな。その子も涼宮さんのところへ行くの。その子には宇宙人の子は本を読んでいるって教えておくから」

    ここだよな?
    アニメのあの描写ふっと思い出した瞬間感動したわ・・・
  54. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/12(木) 04:14: :edit
    これを即興か……とんでもない才能だなw
  55. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/12(木) 05:11: :edit
    卒論やめて読みふけってた\(^0^)/
  56. 名前: あ #NkOZRVVI: 2009/03/12(木) 05:28: :edit
    今日ハルヒを嫌いになりました
  57. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/12(木) 05:45: :edit
    朝比奈さんて三年前の七夕に長門と会ってね?
  58. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/12(木) 07:36: :edit
    三年前の七夕の前でしょ?

    よく即興で書けるなー。
    尊敬します。
    言葉の紡ぎ方が綺麗です。
  59. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/12(木) 07:43: :edit
    流さんこんなん書いてないで仕事して下さいwwwwwwww
  60. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/12(木) 08:02: :edit
    即興じゃねえだろさすがに
  61. 名前: 通常のナナシ #EGJcd8Ww: 2009/03/12(木) 09:02: :edit
    むむむ・・・?

    最初から本なんぞ読まないという選択肢はないのか?
    いつか爆発するのは既定事項・・・
    前倒し・・・


    よく分からないな・・・
  62. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/12(木) 10:54: :edit
    ※15を見て「ああまたスルーできないやつがいるんだろうな」
    と思ったらできない馬鹿が多すぎて笑えた
    お前ら少しは学習しろ
  63. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/12(木) 11:48: :edit
    鏡を見ればいいと思うよ
  64. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/12(木) 12:41: :edit
    このわかりにくさは谷川ゆずり
  65. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/12(木) 13:18: :edit
    目がチカチカする。
    パソコンで長文はきついな。
  66. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/12(木) 14:08: :edit
    即興ってのがすげーわ
  67. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/12(木) 15:43: :edit
    また朝比奈さん(大)が悪者かよと思って読んでました
    朝比奈さん(大)ごめんなさい
  68. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/12(木) 16:11: :edit
    朝比奈(大)の時代が規定事項を消化した上で成り立ってるんだったら、情報爆発が起きても朝比奈(大)の未来に繋がるんじゃないの?
    みくるの話だとハルヒが原因でハルヒの時代より前の時間に干渉できなくなったから調べにきたみたいな事
    を言ってた気がするからハルヒの時代とみくるのいた未来は繋がってるハズだし。

    良くわからん???
    自分が言ってる事も良くわからん?????
  69. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/12(木) 18:38: :edit
    面白かったんだけど、こんなんしたら朝比奈(大)がいる時代だけじゃなく、朝比奈(小)がもともと生きてた時代も変わるんじゃね?って思った
  70. 名前: 名無しさん #-: 2009/03/12(木) 22:09: :edit
    多少難解だったが
    最高ぷん太傑作の次点ぐらいには入るな
    読後感も悪くないし名作ですよ
  71. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/12(木) 23:41: :edit
    ※15に
    GOODLUCK!!BABY!!
    と書いてあれば完璧だった
  72. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/13(金) 00:35: :edit
    朝比奈みくる(中)
  73. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/13(金) 00:53: :edit
    純文学も読まない低学歴の集いはここですか^^

    お前等が馬鹿にするケータイ小説(笑)となにが違うの
  74. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/13(金) 04:06: :edit
    純文学(笑)
  75. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/13(金) 14:28: :edit
    みくると長門が二人でお話って違和感あるな。
  76. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/13(金) 16:26: :edit
    純文学は良いものだよ。それは間違いない。俺だって純文学が好きだ。
    けど、だからってコレにケチを付ける理由にゃなるまいよ。優劣の議論なんぞナンセンスだと思わんのかい?

    とても楽しめたぜ、>>1乙
    ぷん太もまとめ乙
  77. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/13(金) 18:11: :edit
    KRP最高!!
  78. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/13(金) 19:06: :edit
    ※68
    >朝比奈(大)の時代が規定事項を消化した上で成り立ってるんだったら、情報爆発が起きても朝比奈(大)の未来に繋がるんじゃないの?

    まさにその通りだよ.
    そこがパラドクシカルな部分.
    情報爆発で世界が消えることが規定事項→朝比奈さん(大)が存在する未来もないはず
    ……ですよねー.
    でもまぁ,そこさえ目を瞑れば十分すぎるほど面白かったから個人的には満足.
    伏線回収もうまいなーって思ったし.

  79. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/13(金) 20:49: :edit
    確かみくるがハルヒが情報爆発起こした時代から前に遡れなくなったとか言ってた気がしたから、最後の長門の件は微妙に見えた。
    原作のパロディとして書いてるからこういうシリアス系はムズいかもな、でもまっそれなりに面白かったかと
  80. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/14(土) 01:04: :edit
    >>米38&53
    ハルヒに引っ張られてきたみくるが
    長門を見て「あっ」って反応したところか、言われて気づいたわ。

    ところで最後は結局、小さいほうのみくるはハルヒ達の時代の人間になったって事で良いんだよな?
  81. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/14(土) 07:10: :edit
    みくる(小)はこの後どうなるんだろう。
    本来いた未来と交信できないどころか
    帰れなくなってしまって。

    みくる(大)の辿ってきた過去と違う
    別の人生を生きていくってことなのだろうか。
    ハルヒ達の同時代人として。

    それはともかく面白かったです。乙です。
  82. 名前: VIPPERな名無しさん #-: 2009/03/19(木) 21:07: :edit
    即興・・・か?
    だとしたらとんでもないな。
  83. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/03/24(火) 23:43: :edit
    少し分かりにくかった。けど最後まで読めたし面白かった。」
  84. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/05/15(金) 01:05: :edit
    ※78
    なんで「自分のもつ概念が正しく、この作者の考えは間違いである」っていうスタンスなんだ?
  85. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/06/10(水) 17:44: :edit
    米68
    飽くまでも一説によるものだが

    時間軸ってのは概念的なものでなX軸Y軸方向で計れるものじゃないんだ。

    ちょっと極端な例をあげよう。
    ゲームのセーブデーターと同じ事をこの朝比奈(大)は行ったと思えばよい。
    お前さんは、あるゲームのあるプレイで、最終ダンジョンの究極の剣を手に入れた所でセーブをした(これが未来からきた朝比奈(大)のせかい)

    しかし、個人的な理由でお前さんはその手前からやり直して、再度同じ武器を手に入れてセーブをした(これが作中で行ったこと)

    さて、結果(レヴェル、スターテス、装備)も同じこのデータであるがこのデータは同一のものであろうか?

    数値としては同じだろう。

    しかし、ダンジョンに入り、武器を入手に至るまでのモンスターとのエンカウト数や戦闘時間(総プレイ時間)を含めて考えれば、このデータは同一と言えるだろうか?

    答えはNO。

    当たり前だが、エンカウトや戦闘時間、武器に至るまで費やした時間は全く別物だ。

    つまり同一であって同一でない。

    朝比奈(大)は同一であって、全く別物のなんだ。しかも上書きしたもんだから、作中の朝比奈(大)は消える。(まぁそれが同一時間におけるパラレル・ワールドであり異時間における時間軸を多次元に広げるものなんだが)
  86. 名前: 通常のナナシ #-: 2009/11/18(水) 20:50: :edit
    情報爆発起きたら時間遡れないから、長門が嘘ついてるパターンかと思ったんだが、違うのか
コメントを投稿する
c o m m e n t
p a s s
 
俺の妹がこんなに可愛いわけがない 黒猫 白猫Ver.
俺の妹がこんなに可愛いわけがない 黒猫 白猫Ver.