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翠星石「最近蒼星石の様子がおかしいですぅ」 その1

***
2008/06/05(木)
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:00:49.26 ID:sbHZy2pX0
――桜田家。

家の中で3体の人形達が駆け回っている。

金糸雀「今度は翠星石が鬼かしらー」

翠星石「し、してやられたですぅ」

翠星石と蒼星石と金糸雀。彼女達は鬼ごっこをしている。

金糸雀「ちゃんと10秒数えてから動くかしらー」

翠星石「わかってるですよっ。くぅ、金糸雀にタッチされるなんて不覚ですぅ」



前作
真紅「ジュン聞いて……。私はもうじき、動かなくなるわ」




3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:03:14.64 ID:sbHZy2pX0
――7、8、9、10。

翠星石「よし、10秒たったです」

翠星石は走り出す。

廊下の向こうに人影。蒼星石だ。

どうやら大きな鏡のある部屋の入り口に立っているようだ。

翠星石「しめしめ。こちらに気付いてないですぅ」

翠星石は足音を立てないように慎重に近づいていく。




7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:05:52.25 ID:sbHZy2pX0
翠星石「っ?」

翠星石は思わず歩みを止める。

翠星石(蒼星石……?)

部屋の入り口から鏡の方を見つめ続ける蒼星石。

なぜかその口元が、にやりとつりあがる。

翠星石(なんで笑ってるですか?)

翠星石は思い切って蒼星石に聞くことにする。




8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:07:56.39 ID:sbHZy2pX0
翠星石「ターッチ! ですぅ」

蒼星石「っ!? ああ……翠星石か」

翠星石「どうしたです? 鏡の方をみてにやにやして」

蒼星石「いいや。別になんでもないよ」

翠星石「? そうですか。あ、蒼星石が鬼ですよ」

蒼星石「え? ……そうだった。鬼ごっこをやってたんだったね」




9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:09:56.09 ID:sbHZy2pX0
翠星石「そうですよ。ほら、ぼーっとしてないで10秒数えるですよ」

蒼星石「うん……。わかったよ」

翠星石はその場を駆け出す。

翠星石(ここ数日蒼星石の様子が変ですぅ)

翠星石(思い出してみると真紅が動かなくなった日の朝から変になったような気がするです)

翠星石(やっぱり……。まだあの事を……)




10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:12:16.75 ID:sbHZy2pX0
――有栖川大学病院。

めぐ「からたちの花が咲いたよ」

めぐ「白い白い花が咲いたよ」

柿崎めぐは天井を見上げながら歌っていた。

部屋の窓に黒い影。

水銀燈「また歌ってるのね」

水銀燈が窓の外を飛んでいた。




11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:14:36.61 ID:sbHZy2pX0
めぐ「あら水銀燈。こんにちは」

めぐは窓を開ける。

水銀燈「ありがと」

水銀燈は中に入るとめぐのベッドに腰を下ろす。

めぐ「この歌飽きちゃった?」

水銀燈「別に。ただ、いつも同じのばかり歌ってると思ってね」

めぐ「ふふ。からたちのとげは痛いよ」

めぐ「青い青い針のとげだよ」




12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:16:47.97 ID:r9LVgf9L0
予告してたアレか
wktk




13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:17:19.31 ID:kWnsLce30
あれか
wktk




15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:17:41.34 ID:sbHZy2pX0
めぐ「ねえ水銀燈」

水銀燈「なぁにめぐ」

めぐ「私ね、最近思うの」

水銀燈「思うって何を?」

めぐ「こうして生きてるのも、悪くはないなぁって」

めぐの変化に水銀燈は目をぱちくりとさせる。

水銀燈「意外ね。あなたからそんな言葉がでてくるなんて」

めぐ「これも水銀燈のおかげかしら」




19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:20:30.13 ID:sbHZy2pX0
水銀燈「私のおかげ……?」

めぐ「ええ。あなたとこうやって過ごす日々」

めぐ「なんだか幸せな気持ちになってくるのよ」

めぐ「あなたと話してると、とても楽しい」

めぐ「あなたに歌を聞いてもらえると、とても嬉しい」

水銀燈「めぐ……」

めぐ「私は誰にも必要とされてないわ」




22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:23:19.26 ID:sbHZy2pX0
めぐ「パパもママも私のことは見放しちゃったし」

めぐ「私のことを必要としている人なんてこの世には1人もいないわ」

めぐ「そして私も、誰かを必要とする気持ちがなくなったわ」

めぐ「でも、今は違うの」

めぐ「私は今、あなたを必要としているわ」

めぐ「私にはあなたが必要。私にはあなたとすごす時間が必要。そう考えるようになったわ」

水銀燈「私が……必要?」




25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:25:40.61 ID:sbHZy2pX0
めぐ「それから、死ぬのが少し恐くなったわ」

めぐ「あなたとすごす平穏を終わらせたくないと、思うようになったの」

水銀燈「っ!」

水銀燈がピクリと身体を震わせる。

水銀燈「また……またあれが……」

めぐ「水銀燈!? どうしたの?」

水銀燈「どうして……離れないの……どうして」

水銀燈はベッドから立ち上がる。

そして窓の外へと飛んでいってしまった。




26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:28:06.25 ID:sbHZy2pX0
めぐ「どうしたのかしら水銀燈……」

めぐ「ここ数日元気もぜんぜんないし……」

めぐは水銀燈が飛んでいった方向をただ見つめ続ける。

水銀燈「また……思い出した……」

水銀燈の呼吸は荒い。

水銀燈「もう……何度目なのよ」

水銀燈「あの光景が頭に浮かぶのは……」




28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:29:03.18 ID:bGzRIUKWO
追い付いたがあえて今北産業




29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:29:29.94 ID:sbHZy2pX0
――数日前。

水銀燈は蒼星石と戦った。

アリスゲームとは違う、蒼星石の願いをかけた戦い。

――平穏。彼女はそれを望んでいた。

蒼星石は水銀燈を組み伏せ、願いをかなえることができた。

しかし、戦いのダメージによって動かなくなってしまった。




31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:31:10.77 ID:sbHZy2pX0
その時の光景が、水銀燈の頭から離れなかった。

ふとしたきっかけですぐに思い浮かんでしまう。

彼女も最初の頃は平気だった。

だが、1日に何十回もその光景が頭に浮かぶ。それが何日も続く。

精神が磨り減るのも時間の問題だった。

彼女は考える。もしかして私は罪悪感を感じているのではないか、と。

しかし、即座に否定。この私が薔薇乙女の1体を動かなくしただけで罪悪感を感じるわけがない、と。




32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:31:56.94 ID:8uvbx/Iw0
>>28前作終了時点
○ 水銀燈 金糸雀 翠星石 雪華綺晶
× 蒼星石 真紅 雛苺
 





以上





33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:33:35.10 ID:sbHZy2pX0
じゃあ何故あの光景が頭から離れない?

内側の自分が問いかける。

しかし答えはわからない。

水銀燈「どうなっているのよ」

水銀燈「真紅が動かなくなったことにも関係してるのかしら」

再び自問。

否定。自分は真紅を憎んでいた。敵対していた。ならばむしろ喜ばしいはず。

水銀燈「……」

水銀燈「平穏……ね」





34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:35:51.90 ID:sbHZy2pX0
水銀燈は流れるがままに空を飛んでいく。

水銀燈「あれは……」

水銀灯の視界にうつる建物。

桜田家だった。

水銀燈「真紅のマスターの家だったわね」

他のドールたちはいつもあの家で集まっていた。

真紅や蒼星石がいなくなってどうしているのか。

水銀燈はそれが気になり、様子を見る事にした。




35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:38:12.62 ID:sbHZy2pX0
水銀燈「姉妹の気配が3つ。翠星石と金糸雀と雛苺かしらね」

水銀燈「……? 違うわ。真紅が動かなくなったってことは雛苺も動かなくなっているはず」

水銀燈「蒼星石も動かない。じゃあ……3体目の気配は誰なの……?」

加速。水銀燈は急いで桜田家へと向かう。

桜田家の庭に降り立つ。中から見られぬようこっそりと窓に近づく。

水銀燈「あれは……蒼星石っ!?」

リビングには翠星石と金糸雀と一緒に、動かなくなったはずの蒼星石がいた。




36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:38:40.70 ID:bGzRIUKWO
>>32
どういうこっちゃ
アリスゲームをしたのか?




37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:39:52.37 ID:8uvbx/Iw0
>>36
前スレ読むか投下を待つ事をオヌヌメする





38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:40:25.39 ID:sbHZy2pX0
水銀燈「なぜあの子が動いているの……」

水銀燈の頭の中にまたあの光景が浮かび上がる。

身体からローザミスティカが抜け、動かなくなる蒼星石の姿。

水銀燈「ローザミスティカは取らなかったけど、身体から出た以上復活することなんてないはずよぉ……」

水銀燈は蒼星石の姿を食い入るように見る。

するとこちらに気付いたのか蒼星石がこちらに振り向く。そして、

水銀燈「っ!」

水銀燈を見て、にやりと笑った。





39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:43:03.19 ID:sbHZy2pX0
水銀燈は混乱していた。だが、

水銀燈「あの子達にも私の気配がわかるはず」

それに気付くと、慌ててその場から水銀燈は飛びだつ。

すこしは冷静になった。

だがまったくもって彼女は理解できなかった。

水銀燈「自分で確認するしかないわね」

水銀燈「メイメイ。明日の朝、nのフィールドで待つ。と蒼星石に伝えて頂戴」




40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:43:14.38 ID:bGzRIUKWO
>>37
前スレ読むのめんどい(´・ω・`)




41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:44:44.42 ID:5hb79Mzt0
前スレ読まないと、このスレのおもしろさはわからないんでないかい?




42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:45:04.22 ID:sbHZy2pX0
――20時。桜田家。

金糸雀と蒼星石は自分のマスターの家へと戻っていった。

翠星石は2階のジュンの部屋へと向かう。

翠星石「ジュンに話さなきゃです」

コンコン。小さな手で扉をノックする。

ジュン「んー?」

翠星石「翠星石です」

ジュン「入っていいぞ」




45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:48:28.24 ID:sbHZy2pX0
真紅が動かなくなってから、ジュンは前よりもいっそう勉強に励むようになった。

今までの遅れを取り戻すため、早く学校に復帰するため。

彼は信じている。真紅は必ず戻ってくると。

彼は決めた。真紅が戻ってきた時に、成長した自分を見せて惚れ直させてやると。

その目標を動力源に、ジュンは朝から晩まで勉強に励んでいた。

ジュン「どうしたんだ?」

翠星石「相談があるです」

ジュン「珍しいな。言ってみろよ」




47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:50:31.51 ID:sbHZy2pX0
翠星石「最近蒼星石の様子がおかしいのです」

ジュン「蒼星石が? どんな風に?」

ジュンは勉強のために部屋に篭りっきりだったため、

真紅が動かなくなってから他のドールとの交流が少なくなっていた。

その為蒼星石の変化に気付かなかった。

翠星石「なんだか前より物静かになって雰囲気も変わったです」

翠星石「他にも1人で鏡を見てにやにやしていたり……」

ジュン「うーん……」




50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:53:09.08 ID:sbHZy2pX0
ジュン「確かに前よりも雰囲気が静かな感じになったな」

翠星石「どうしちゃったんですかね……」

ジュン「やっぱり真紅のこと引きずってるのかな」

翠星石「そうかもしれないですね」

ジュン「かなり責任感じてたからな」

翠星石「あんまり気負いすぎないで欲しいです」

ジュン「よし! わかった」




53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:55:38.53 ID:sbHZy2pX0
ジュン「明日あたり、僕から蒼星石に話を聞いてみる」

翠星石「ジュン!」

ジュン「蒼星石の言い分は真紅が動かなくなった後いくらでも聞くって言ったしな」

翠星石「そうですね。頼りにしてるですよ」

ジュン「ああ。任せろ」

翠星石「安心したですぅ。じゃあ翠星石は下に戻るですぅ」

翠星石は扉を開ける。

翠星石「ありがとうです。これからも頼りにしてるですよ」

ジュン「ああ」

翠星石は下へと戻っていった。




56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:58:12.60 ID:sbHZy2pX0
――翌朝。

水銀燈は教会で目を覚ます。

水銀燈「さてと。んんー」

起き上がり軽く伸びをする。

水銀燈「nのフィールドにいかないと」

メイメイはしっかりと蒼星石に伝言を伝えてくれた、きっと彼女は来る。

水銀燈はそう信じてnのフィールドへと向かう。




57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 23:00:53.82 ID:sbHZy2pX0
nのフィールドを飛ぶ。

そして目の前に人影が見えてくる。

水銀燈「あら、約束通りきてくれたのね」

蒼星石が立っていた。

水銀燈は蒼星石の前に降り立つ。

水銀燈「戦う気はないの。今日はあなたに話があるわぁ」

蒼星石は何も言わない。




58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 23:01:25.27 ID:5hb79Mzt0
水銀燈、危い!




60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 23:03:28.90 ID:sbHZy2pX0
水銀燈「単刀直入に聞くわぁ」

水銀燈は目つきを鋭くさせる。

水銀燈「あなた、どうしてまだ動いているの?」

蒼星石は何も言わない。

水銀燈「なんとか言ったらどうなの?」

にやり、と蒼星石が笑う。

口元だけが別人のような違和感のある笑み。

蒼星石「さぁ……どうしてだろうね」




61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 23:06:38.36 ID:sbHZy2pX0
水銀燈「答えなさいっ」

水銀燈は叫ぶ。

蒼星石はにやにやと笑うだけ。

水銀燈「戦うつもりはなかったけど、これ以上はぐらかす気なら」

水銀燈は羽を広げる。

水銀燈「力ずくで吐かせるわよ」

蒼星石「物騒なことはやめましょう……黒薔薇のお姉さま」

突如、蒼星石の声色が変わる。




63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 23:09:25.91 ID:sbHZy2pX0
水銀燈「っ!?」

蒼星石「驚いてる……お姉さま」

水銀燈「あなた、何者?」

蒼星石「……誰だと思う? ……ふふ」

水銀燈「まさか、薔薇乙女だなんて言わないでしょうねぇ」

水銀燈は相手はまだ見ぬ第7ドールなのではないかと予想していた。

蒼星石「まさかのまさか……と言ったら?」




66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 23:13:06.23 ID:sbHZy2pX0
蒼星石、否蒼星石の姿をした何者かは不適に笑い続ける。

蒼星石「黒薔薇のお姉さま……あなたはどうするつもり……?」

水銀燈「そうねぇ……ふふ」

相手につられたのか、水銀燈も笑い出す。

水銀燈「あなたと蒼星石のローザミスティカを奪いとって」

表情が一変。

水銀燈「ジャンクにしてわげるわぁっ!」

蒼星石の姿をした何者かを睨みつける。





67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 23:15:09.97 ID:5hb79Mzt0
ヤッチマイナー




68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 23:16:54.30 ID:sbHZy2pX0
――草笛家。

みつ「今日も仕事仕事ーっと」

みつは仕事に行く準備をしていた。

みつ「あー、今日は雨かー。モチベーション下がっちゃうわー」

金糸雀「みっちゃん。今日は何時くらいに帰ってくるのかしら?」

みつ「今日は早く帰れると思うわ」

みつはニコッと笑う。

みつ「今夜はひさびさに一緒にお夕飯食べましょうか」




74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 23:19:45.76 ID:sbHZy2pX0
みつは最近仕事が忙しく、帰ってくるのが遅いため

金糸雀は桜田家で夕飯を食べる事が多くなっていた

金糸雀「ほんとかしら?」

みつ「ほんとよー」

金糸雀「やったかしらー。今夜が楽しみなのかしらー」

金糸雀は久々に大好きなマスターと夕飯が食べれることになり大喜びする。

みつ「ああん。カナかーわーいーいー。抱きしめたーい」

みつ「けどそんなことしてたら遅刻しちゃうっ。いってきまーす」




75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 23:21:53.38 ID:sbHZy2pX0
みつは大急ぎで自宅を出て行った。

金糸雀「カナも翠星石のところに行くかしら」

金糸雀は傘を持ってベランダにでる。

金糸雀「そういえば雨降ってたの忘れてたかしら」

部屋に戻る。

金糸雀「今日はnのフィールド経由ね」

金糸雀は鏡の中へと飛び込んだ。




78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 23:24:45.17 ID:sbHZy2pX0
nのフィールド内を進んで行く。

金糸雀「あれは……!」

蒼星石が前方にいた。

蒼星石「また後で会いましょう……お姉さま」

金糸雀「?」

蒼星石は誰もいない空間で何かを言っていた。

それは独り言ではなく誰かに語りかけるような。

金糸雀は不信に思いながらも声をかける。




80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 23:28:42.05 ID:sbHZy2pX0
金糸雀「蒼星石ー。何してるかしらー?」

蒼星石「っ!? やあ金糸雀。なんでもないよ」

一瞬動揺したように見えたがすぐにいつものように返事をする。

金糸雀「? まあいいわ。一緒に行きましょ」

蒼星石「うん。……いこうか」

金糸雀(蒼星石どうかしたのかしら)

金糸雀(頭脳派のカナには何かあるようにしか見えないかしら)

金糸雀(後で翠星石にも言ってみようかしら)




83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 23:32:10.80 ID:sbHZy2pX0
その日ものりは学校。ジュンは部屋で勉強。ドールたちは1階で遊んでいた。

――昼過ぎ。

翠星石「ふぅ……なんだか喉が渇いてきたですぅ」

金糸雀「カナもかしら」

蒼星石「何か飲み物を入れてくるよ」

蒼星石はそういうとキッチンへと向かっていった。

金糸雀(今なら翠星石に今朝の事を……)

金糸雀「ねえ翠星石」





85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 23:34:50.22 ID:sbHZy2pX0
翠星石「なんですか」

金糸雀「ちょっと蒼星石のことで聞いて欲しい事があるかしら」

金糸雀は今朝nのフィールドで見た事を話す。

翠星石「金糸雀も気付いてしまったですか。蒼星石がおかしいことに」

金糸雀「あの子どうしちゃったのかしら」

翠星石「原因は翠星石にもよくわからんです」

翠星石「でも、ジュンが今日蒼星石と話をするのでジュンに任せるつもりです」

金糸雀「心配かしら……」





87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 23:37:55.85 ID:sbHZy2pX0
蒼星石「おまたせ」

蒼星石がジュースの入ったコップをトレイに乗せて持ってくる。

翠星石「この話はここで終わりです。ありがとです蒼星石」

金糸雀「わかったかしら。いただきまーす」

蒼星石「どういたしまして……ふふ」

翠星石(ジュン……たのむですよ……)




89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 23:40:19.37 ID:sbHZy2pX0
――夜。

金糸雀「今夜はみっちゃんとご飯だからカナは帰るわ」

翠星石「また明日です金糸雀」

蒼星石「僕も帰るよ」

ジュン「蒼星石、ちょっとまってくれ」

蒼星石「ジュン……君?」

ジュン「話があるんだ。部屋まで来てくれるか」

蒼星石「……うん、いいよ」




92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 23:44:51.78 ID:sbHZy2pX0
ジュンは自室に蒼星石を招くとイスに腰をかける。

ジュン「座ってくれ」

ベッドを指差して言う。

蒼星石「うん」

ジュン「なぁお前」

ジュン「真紅が動かなくなったこと、まだ引きずってるのか?」

蒼星石はにやりと笑う。




94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 23:48:22.67 ID:sbHZy2pX0
ジュン「っ!?」

蒼星石「引きずる? ……いったいなんのこと……?」

ジュン「どうゆうことだ?」

ジュン「最近様子がおかしいぞ」

蒼星石「おかしい? 僕が……?」

ジュン「ああ。翠星石も心配してる」

蒼星石「ふふ……。ふふふ……」

ジュン「何でそこで笑う?」




97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 23:51:24.58 ID:sbHZy2pX0
蒼星石「だっておかしいもの……」

蒼星石「私はだあれ……? 私は蒼星石……?」

ジュン「お前……蒼星石じゃない……?」

蒼星石「ふふ。あなたには眠ってもらわないと。……レンピカ」

レンピカがジュンの頭上をくるくると回る。

ジュン「しまっ……――」

ジュンは眠りに落ちる。





100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 23:55:22.02 ID:sbHZy2pX0
蒼星石「あなたも、盾ぐらいにはなるでしょう……」

持ってきた鞄の中から鏡を取り出す。

蒼星石「もち歩いててよかった……」

ジュンの首根っこを掴む。

そして蒼星石の姿をした何かはジュンを連れて鏡の中へと消えていった。




101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 23:58:39.38 ID:sbHZy2pX0
――。

金糸雀はnのフィールドを飛んでいた。

金糸雀「みっちゃんとのご飯。楽しみかしら」

???「おーい」

遠くから声が聞こえる。

金糸雀「誰かしら」

金糸雀は立ち止まると声の方を向く。

蒼星石「おーい」

金糸雀「蒼星石?」




102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 00:00:38.19 ID:k68wI76K0
カナ逃げてー!!




103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 00:01:23.07 ID:eO9ffduM0
蒼星石「やっと追いついた……」

金糸雀「ジュンとお話してたんじゃなかったかしら?」

蒼星石「うん。それはもうすんだよ。それより」

蒼星石「僕は君に大事な用があるんだ」

金糸雀「大事な用? なにかしら」

蒼星石「朝見られたくないとこを見られちゃったからね」

蒼星石「予定よりも早いけれど……」

声色が突如変わる。

蒼星石「あなたを始末します。……お姉さま」





104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 00:02:14.95 ID:0N9fuFdF0
イヤー




105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 00:02:19.12 ID:1YdGjgnG0
なん・・・だと・・・




107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 00:04:22.16 ID:eO9ffduM0
――。

翠星石「思ったより話が長いですね」

翠星石はリビングで2人の話が終わるのをずっと待っていた。

翠星石「うぅ……気になるですぅ」

翠星石「翠星石も関係ないってわけじゃないですし」

翠星石「聞き耳立てても大丈夫ですよね」

翠星石は2階へと上っていく。

ジュンの部屋の前につくと、扉に耳を当てる。

翠星石「っ? ……おかしいです」

翠星石「2人の声が、まったく聞こえないです」




109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 00:06:39.63 ID:eO9ffduM0
――。

ジュン「うぅ……」

ジュン「……ここはいったいどこだ?」

ジュンが四方が水晶に囲まれた場所で目を覚ます。

ジュン「ここも、nのフィールドなのか……?」

ジュンは周りを見回す。

しかし水晶が壁のようにあるだけで他には何も見当たらない。




110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 00:09:46.47 ID:eO9ffduM0
ジュン「あいつ……あいつはいったい何なんだ」

ジュンは蒼星石の姿をした何者かについて考える。

しかし何も思い浮かばない。

ジュン「僕にはわからないことばっかりだ」

ジュン「まずは脱出する事だけを考えなきゃ……」

ジュンは立ち上がり、空間内を歩き始めた。




112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 00:13:44.60 ID:eO9ffduM0
ジュン「駄目だ。出口が無い」

ジュンは空間内をうろうろするがあるのは透明な水晶だけだった。

ジュン「やばいな……。ん? あれは……?」

水晶の向こうに黒い人影が見える。

ジュンはその人影がみえる水晶のところへ走り出す。

ジュン「お、お前はっ」

人影がジュンの声に気付き、こちらを見る。

ジュン「水銀燈っ!」





209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 21:29:22.36 ID:eO9ffduM0
――。

水銀燈「……ここは」

水銀燈は周りが水晶で囲まれた空間で目を覚ます。

水銀燈「私……負けたんだったわね」

水銀燈「蒼星石に……いや」

水銀燈「第7ドールに」




213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 21:33:24.44 ID:eO9ffduM0
――時間は10時間ほど前に遡る。

水銀燈は蒼星石の姿をした何ものかと対峙していた。

水銀燈「あなた、第7ドールなんでしょう? 名乗りなさいよ」

雪華綺晶「私の名前は……雪華綺晶」

水銀燈「雪華綺晶ねぇ。あなた、なぜ蒼星石の姿をしてるのかしら?」

雪華綺晶「私の器として……乗っ取ったから」

水銀燈「器……?」

雪華綺晶「私には……実体がない」





216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 21:37:16.09 ID:eO9ffduM0
水銀燈「実体がないってどういうこと?」

雪華綺晶「第7ドールは幻の中にしか存在し得ない」

雪華綺晶「何故なら私もまた幻……」

雪華綺晶「物質世界に存在を縛られてしまう事自体がアリスへの枷となってしまう不要の形骸なのか」

雪華綺晶「お父様はそう考えて私を作った……」

雪華綺晶「だから私には実体がない」

水銀燈「なるほどね」





218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 21:41:20.69 ID:eO9ffduM0
雪華綺晶「でも私もアリスには届かなかった」

雪華綺晶「私にはまだ足りないものがある……」

雪華綺晶「だから私には、それを補うための器が必要だった……」

水銀燈「それで蒼星石の身体を乗っ取ったわけねぇ」

雪華綺晶「こうして器を手に入れられたのも、黒薔薇のお姉さま。あなたのおかげ」

水銀燈「っ!」

フラッシュバック。

あの時の映像が頭に浮かぶ。





221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 21:46:16.87 ID:eO9ffduM0
雪華綺晶「私としては……無駄な争いは避けたい」

水銀燈「……へぇ、そう」

水銀燈「やぁよ私は。不快だもの。今ここでジャンクにしてあげる」

水銀燈は羽を広げる。

雪華綺晶「そう……。レンピカ」

雪華綺晶は庭師の鋏を取り出す。

水銀燈「その器で戦うってことは、蒼星石と戦闘スタイルは変わらないのね」

勝った。水銀燈はそう思っていた。





223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 21:48:07.34 ID:n25q7035O
なんというきらきー・・・
これほどきらきーが輝いているスレはそうない・・・
きらきー好きの俺歓喜




225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 21:50:09.05 ID:eO9ffduM0
黒い羽の嵐が雪華綺晶を襲う。

だがそれらを鋏でいとも簡単にふせぐ。

雪華綺晶「甘く見ない方がいい……」

水銀燈「こしゃくなっ」

雪華綺晶「今の私には蒼星石のローザミスティカもある」

雪華綺晶「これくらいの攻撃なら、難なく避けれる」

雪華綺晶は距離を詰めてくる。




228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 21:51:59.42 ID:d3pUdwBP0
きらきーは本当はローゼンが姉6体の試練にために
純粋悪として作ったんだろ多分




230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 21:53:46.15 ID:eO9ffduM0
水銀燈「それがどうしたのぉ?」

羽で目の前に壁を作る。

雪華綺晶「こんなもの」

鋏で一閃。壁は一瞬で崩れ去る。

雪華綺晶「っ? いない」

水銀燈「かかったわねぇ」

水銀燈は壁を利用し距離をとった。

水銀燈「くらいなさい」





231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 21:56:33.76 ID:QFvwHjxl0
ニwwwwwwwンwwwwwwジwwwwwャwwwwwwwwwww




232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 21:57:13.82 ID:eO9ffduM0
さっき以上の勢いで羽を飛ばす。

雪華綺晶「くっ……」

水銀燈「まだまだぁ」

今度は羽に火がつく。

これにより鋏で防ぐリスクが高くなり、

雪華綺晶は避けることに専念する。

水銀燈「いつまでも避けれると思わないことねぇ」

激しい勢いの攻撃。

水銀燈は容赦をしない。




233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 21:58:41.52 ID:05OyfuhMO
銀様!銀様!




234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 22:00:39.58 ID:eO9ffduM0
水銀燈「ジャンクよ。ジャンクになりなさぁい……っ」

水銀燈の頭の中に映像が流れ込む。

――。

めぐ「はぁ……はぁ……うぅっ」

看護師「めぐちゃんっ? ドクター めぐちゃんの容態が」

めぐ(苦しい……私死ぬの……)

めぐ(もっと水銀燈と話したりしたかったのに……)

めぐ(あの平穏な時間をもう一度……)

めぐ(死にたく……ない)




235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 22:03:49.91 ID:eO9ffduM0
水銀燈「っ……!」

水銀燈の容赦ない攻撃のせいで、めぐは大量の力を吸い取られていた。

めぐと指輪の契約で繋がっているためにその様子が水銀燈の頭に流れ込む。

水銀燈(めぐっ……)

羽から炎が消え、勢いが弱まる。

雪華綺晶「ふふ……」

雪華綺晶はにやりと笑う。

そして羽をかいくぐりまた距離を詰めてきた。





236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 22:05:40.68 ID:eO9ffduM0
水銀燈の目の前に雪華綺晶が接近。

蒼星石を倒した時のような一転集中させた羽で迎え撃つ。

だが羽があたる直前、雪華綺晶の身体、正確には蒼星石の身体が下へ落下し羽が外れる。

水銀燈「えっ?」

その時、後ろから茨が飛び出し水銀燈の身体に巻きついた。

雪華綺晶「つかまえたぁ……」

雪華綺晶の本体が現れる。

水銀燈「くぅ……あなた、本体はなかったんじゃなかったの?」





237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 22:08:17.85 ID:eO9ffduM0
雪華綺晶「nのフィールド内でなら姿はあるわ……」

水銀燈「そんなっ……くっ」

雪華綺晶「ここで倒すのもいいけれど……」

雪華綺晶「あなたにも協力してもらいたい……」

雪華綺晶は落ちた蒼星石の身体に入りなおすと、

鋏を持って水銀灯のところへ戻ってくる。

雪華綺晶「少し……眠っていて」

鋏で腹部を強打。水銀燈は気を失う。

雪華綺晶「扉は何もないところにも隠れている……」

何も無い空間に穴が開く。

雪華綺晶はそこに水銀燈を投げ込む。

雪華綺晶「また後で会いましょう。……お姉さま」





238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 22:09:00.42 ID:QFvwHjxl0
ぅぁぁぁぁ




240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 22:11:09.81 ID:eO9ffduM0
――。

――――。

――――――――。

水銀燈「めぐは……大丈夫かしらね」

水銀燈「何よ……。私もこの平穏が続く事を望んでたんじゃない」

水銀燈「あの光景が頭にはなれないのも、なんとなくわかったわ」

水銀燈「どうして……あの時蒼星石と戦ってしまったんでしょうね」

水銀燈「ごめんなさいね……蒼星石」




241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 22:14:46.33 ID:eO9ffduM0
水銀燈「私は……まだ動いている」

水銀燈「私は……まだ戦える」

水銀燈「この平穏を守るためにも……私は戦わなきゃ」

水銀燈の中で大きくなる雪華綺晶を止めるという義務。

水銀燈「私だって……めぐともっとお喋りしたいもの」

水銀燈「私だって……めぐの歌をもっと聴きたいもの」

水銀燈「それに……」

蒼星石の顔を思い浮かべる。

水銀燈「けじめを……とらなきゃ」





242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 22:15:07.80 ID:d3pUdwBP0
銀ちゃんがんばれ!!




243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 22:16:21.00 ID:QFvwHjxl0
ああ…あんまり幸せなこと言わないで…




244 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 22:18:21.71 ID:eO9ffduM0
水銀燈は立ち上がる。

周りを見回す。四方が水晶に囲まれている。

水銀燈「さて、ここから出ないとねぇ」

しかし脱出方法が浮かばない。

水銀燈「困ったわ……」

その時水晶の向こうから声が聞こえる。

ジュン「お、お前はっ」

振り返る。

ジュン「水銀燈っ!」

真紅の元マスターであり翠星石の現マスター。

桜田ジュンが、水晶の向こうにいた。





248 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 22:22:00.33 ID:eO9ffduM0
水銀燈「真紅のマスターの人間じゃない」

ジュン「水銀燈、なんでお前がここに? まさか蒼星石に……」

水銀燈「人間、あいつの正体は知ってるのかしら?」

ジュン「蒼星石じゃないことはわかるけど」

水銀燈「あれは薔薇乙女第7ドール、雪華綺晶」

ジュン「第7ドール!?」

水銀燈「ええ、そうよ」




250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 22:25:18.38 ID:eO9ffduM0
ジュン「じゃあなんで蒼星石の姿を! 本物の蒼星石はどうなってるんだ?」

水銀燈「っ!」

本物の蒼星石。その言葉が水銀燈の胸に突き刺さる。

しかし、水銀燈は覚悟が出来ていた。

戦う覚悟。そして罪を受け入れる覚悟が。

水銀燈「人間、今から全てを話すわ」

水銀燈は話した。

自分が何故ここにいるのかという事。

そして、蒼星石は自分が倒したという事を。




252 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 22:29:03.44 ID:eO9ffduM0
ジュン「そんなっ……」

水銀燈「言い訳するつもりはないわ。悪いのは私」

ジュン「なんで、なんでだ」

水銀燈「私にもわからない。なぜあそこで戦ってしまったのか……」

水銀燈「あなたが私を恨んでもかまわない。でも、けじめはとるわ」

ジュン「けじめ?」

水銀燈「今みんなが望んでるのは平穏が続く事」

水銀燈「雪華綺晶はそれを妨害するいわば敵」

水銀燈「私は彼女を止めるわ。何があっても、この平穏を守るために」




253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 22:31:03.64 ID:05OyfuhMO
こんな銀様も悪くないな


寧ろ最高です




254 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 22:31:05.37 ID:eO9ffduM0
ジュン「……わかった」

ジュン「今はもう蒼星石のことは言わない」

ジュンの目に力がこもる。

ジュン「雪華綺晶を止めるのが最優先事項だ」

水銀燈「ありがとう人間」

ジュン「それと僕の名前は桜田ジュンだ。名前で呼んでくれ」

水銀燈「わかったわぁジュン」





262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 22:56:48.47 ID:eO9ffduM0
ジュン「まずはここから脱出しないと」

水銀燈「何かいいアイデアあるぅ?」

ジュン「駄目だ。何にも思いつかない。そっちは?」

水銀燈「同じよ。思いつかないわ」

2人は考え続ける。

水銀燈「っ!」

水銀燈は何かを思いついたかのようにはっとする。

水銀燈「これなら……これなら脱出だけじゃなくてめぐも……」

ジュン「どうした?」

水銀燈「……ジュン、大事なお願いがあるわ」





263 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 22:59:23.48 ID:eO9ffduM0
――。

金糸雀「蒼星石じゃ……ない?」

蒼星石「私はだあれ……? ふふ……」

金糸雀(考えるのよ金糸雀。あれは蒼星石の姿をした別の存在かしら)

金糸雀はその場から全速力で飛びたつ。

金糸雀(まずは翠星石に知らせなきゃ……)

蒼星石もそれを追いかける。




264 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:01:12.71 ID:eO9ffduM0
それはまさに鬼ごっこのようだった。

金糸雀(追いつかれる……かしらっ)

蒼星石が徐々に迫り来る。

金糸雀(こうなったら……)

金糸雀は突如後ろに振り返る。

その手には武器のヴァイオリンが。

金糸雀「攻撃のワルツ!」

衝撃波が蒼星石を襲う。




266 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:03:52.55 ID:eO9ffduM0
蒼星石「くぅっ」

蒼星石は遥か後方へと吹き飛ぶ。

金糸雀「よし、この隙に」

金糸雀は全速力で桜田家へ向かう。

蒼星石「……くっ」

忌々しげに前方を見る。

そして立ち上がると桜田家へと向かっていく。




268 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:05:17.48 ID:eO9ffduM0
――。

翠星石「どうなってるですか」

翠星石は考える。

翠星石「これは……突入するしかないです!」

ドアノブに手をかける。

翠星石「やーっ!」

思い切り扉を開ける。

翠星石「……え?」

部屋の中はもぬけの殻だった。





269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:07:28.67 ID:eO9ffduM0
金糸雀「翠星石っ!」

1階から金糸雀の声が聞こえる。

翠星石「金糸雀?」

翠星石は急いで1階へと向かう。

翠星石「どうしたですか金糸雀」

金糸雀「蒼星石は様子がおかしいんじゃなかったかしら」

翠星石「どういうことです?」

金糸雀「あれは……蒼星石なんかじゃないわ」




270 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:09:16.98 ID:eO9ffduM0
翠星石「もしかして、蒼星石と会ったですか?」

金糸雀「ええ、あったわ。nのフィールドで」

翠星石「ジュンは? ジュンはいたですか?」

金糸雀「蒼星石だけだったかしら」

翠星石「そんな。じゃあジュンは……」

金糸雀「そんなことより時間が無いかしら。早く逃げないと」

のり「ただいまー」




272 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:11:43.38 ID:eO9ffduM0
翠星石「のりが帰ってきたです」

金糸雀「やばいかしら」

翠星石「……金糸雀。のりをつれて逃げるです」

金糸雀「翠星石はどうするの!?」

翠星石「蒼星石には翠星石が話をつけるです」

金糸雀「でも、あれは蒼星石なんかじゃ……」

翠星石「大丈夫です。翠星石が正体を暴いてやるですぅ」

金糸雀「戦闘になったらどうするの?」

翠星石「その時は……真紅のローザミスティカを使うです」




275 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:13:50.73 ID:eO9ffduM0
真紅と雛苺が動かなくなり、そのローザミスティカは体内から出た。

現時点では誰もローザミスティカを使うことなく、鞄の中に保管していた。

真紅のはジュンの部屋。雛苺のは巴の部屋だ。

金糸雀「っ!?」

翠星石「この平穏をまもるためです」

金糸雀「わかったかしら」

翠星石「じゃあ早く行くです! ほら、気配が近づいてきてるですから」

金糸雀は走り出す。





278 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:15:32.25 ID:eO9ffduM0
のり「今日は花丸ハンバーグよぅ……ってあれぇ」

金糸雀はのりの手を引っ張って玄関へ向かう。

金糸雀「逃げるかしら!」

のり「え? ええ? えええ?」

2人は桜田家を出て走り出した。

翠星石「行ったですね」

鏡が歪む。そして、

蒼星石が現れた。





280 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:17:49.94 ID:eO9ffduM0
蒼星石「やぁ翠星石。金糸雀はどこかな?」

翠星石「単刀直入に聞くです。お前は誰ですか?」

蒼星石はその言葉を聞きにやりと笑うと

声色を変えて言った。

蒼星石「なんだ……金糸雀から聞いたの」

翠星石「っ!?」

蒼星石「私の計画がどんどん狂っていく……」

翠星石「いいから名乗れです!」




282 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:19:28.66 ID:eO9ffduM0
雪華綺晶「私は薔薇乙女第7ドール、雪華綺晶」

翠星石「第7ドール!? 目覚めてたんですね」

翠星石「ジュンと本物の蒼星石はどこにやったですか?」

雪華綺晶「あなたのマスターは私が預かった……。蒼星石は知らない」

翠星石「どういうことです?」

雪華綺晶「私はただ空っぽの器に入っただけ……」

翠星石「っ!? 空っぽの器?」




283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:21:58.10 ID:eO9ffduM0
雪華綺晶「そう……。魂の抜け落ちた器に私は入ってるだけ……」

翠星石「じゃあ……蒼星石は誰かにやられたってことですか……?」

雪華綺晶「誰がやったか知りたい……?」

翠星石「お、教えろです!」

雪華綺晶「条件がある」

翠星石「なんです?」

雪華綺晶「真紅の身体とローザミスティカ。……それをくれたら」

翠星石「なっ……そんなん無理に決まってるです」





284 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:23:44.86 ID:eO9ffduM0
雪華綺晶「そう……」

雪華綺晶「なら蒼星石を倒した人は教えないし」

雪華綺晶「あなたはここで動かなくなる」

翠星石「まさかっ」

雪華綺晶「あなたのローザミスティカと真紅のローザミスティカ……両方もらう」

翠星石「させねーです」

雪華綺晶「レンピカ」

雪華綺晶は庭師の鋏を取り出す。





285 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:25:22.47 ID:eO9ffduM0
それと同時に翠星石は2階へ向かって走り出す。

雪華綺晶「逃がさない……」

翠星石「真紅の鞄を……っ」

翠星石はジュンの部屋につくとクローゼットを開ける。

雪華綺晶「その鞄の中にローザミスティカがあったのね……」

雪華綺晶は自分でも取れるチャンスは充分あったと悔やむ。

翠星石「スィドリーム」

翠星石は庭師の如雨露を取り出す。




286 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:27:33.78 ID:eO9ffduM0
雪華綺晶「ここで戦うの……?」

翠星石「……」

翠星石は何も言わない。

雪華綺晶「……? これは」

いつの間にか部屋中に霧が充満していた。

視界が白く濁る。

翠星石「っ」

翠星石は霧に紛れて雪華綺晶の横をすり抜け、

ジュンの部屋から飛び出す。真紅の鞄を持って。





288 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:29:56.23 ID:eO9ffduM0
翠星石は1階の鏡の部屋へ行く。

そしてnのフィールドへと入っていく。

少し遅れて雪華綺晶も鏡の部屋に来る。

雪華綺晶「どうして……うまくいかない」

その言葉には、物静かな雰囲気の中に怒りも感じられた。

そして彼女もnのフィールドへと入っていく。

翠星石「これからどうすれば……」

翠星石「ジュン……助けて……」

翠星石は不安に押しつぶされそうだった。





289 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:30:47.29 ID:d3pUdwBP0
蒼もいないJUMもいない真紅っくもいない雛もいない

そりゃあ…翠星石…つらかろうに…(´;ω;`)ウッ…




291 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:31:57.29 ID:eO9ffduM0
――。

金糸雀とのりは夜道を走っている。

金糸雀(逃げる場所をさがさなきゃ……のりが安全な場所を……)

のり「カナちゃん、どういうことぉ?」

金糸雀「今は聞かないで。カナと翠星石を信じて欲しいかしら」

金糸雀(そうだ、ヒナのマスターだったっていう巴の家に……)

金糸雀(あそこに行けばヒナのローザミスティカもある……)

金糸雀「のり! 巴の家はどこかしら? そこへ行くわ」

のり「こっちよ」

金糸雀はある決意をこめて巴の家へと向かった。




293 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:33:23.67 ID:eO9ffduM0
――。

巴母「巴さーん、お客さんよー」

巴「はーい、今行きます」

巴は玄関へと向かう。

のり「こんな時間にごめんね巴ちゃん」

金糸雀「申し訳ないかしら」

巴「どうしたんですか?」

金糸雀「わけあってのりを匿ってほしいかしら」

巴「? 事情はわからないけど、とりあえず上がって」




295 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:35:19.64 ID:eO9ffduM0
――巴の部屋。

金糸雀「とにかく、カナが戻ってくるまでのりを匿っててほしいかしら」

巴「いいけど、どうして」

金糸雀「詳しくは言えないけど……カナ達は戦わなければいけない。この平穏を守る為に」

金糸雀「巻き添えにしないためにもお願いかしら」

巴「……わかったわ」

のり「た、戦い?」

金糸雀「ええ。けど大丈夫。カナも翠星石も、ちゃんともどってくるわ」




297 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:37:55.58 ID:eO9ffduM0
金糸雀「それと巴」

巴「なに?」

金糸雀「ヒナのローザミスティカはどこかしら」

巴「鞄の中だけど……」

金糸雀「貰って……いいかしら」

巴「どうして?」

金糸雀「戦いに、勝つためかしら」




298 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:39:41.55 ID:eO9ffduM0
金糸雀「その為に使うことを、ヒナが許してくれるかはわからないわ」

金糸雀「でもカナはこの平穏を守りたい」

金糸雀「カナはヒナや真紅がいつか戻ってくると信じてる」

金糸雀「戻ってきた時にこの平穏で迎えてあげるためにも、カナは戦わなきゃいけないかしら」

金糸雀「だから……」

巴「私からは何も言う権利は無いわ」

そういって巴は鞄をもってくる。

巴「使うのはあなたの自由よ。私はそれを咎めない」

巴「雛苺だって、きっとそうよ」

金糸雀「巴……。ありがとう、ありがとうかしら」





299 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:41:38.64 ID:eO9ffduM0
金糸雀は鞄を開ける。

中には動かなくなった雛苺とローザミスティカ、そして人工精霊のベリーベルが入っていた。

金糸雀「ヒナ……力を貸して」

金糸雀はローザミスティカを手に取る。

そして自らに取り込んだ。

金糸雀「力が溢れてくる……。これがローザミスティカ」

金糸雀「これなら……これならいける」

金糸雀は立ち上がる。

金糸雀「じゃあ、行ってくるかしら」

そういうと、金糸雀は部屋の鏡からnのフィールドへと消えていった。





301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:43:56.42 ID:eO9ffduM0
――。

翠星石「追いつかれる……ですっ」

雪華綺晶は翠星石を追いかける。

その速度は翠星石よりも速く、今にも追いついてしまいそうだった。

翠星石「こうなったら……。覚悟を決めるです」

翠星石は逃げるのをやめる。

雪華綺晶「さあ……戦いましょう」

翠星石「いいですよ。翠星石も腹をくくったです」

翠星石は鞄を開ける。中には真紅の身体とローザミスティカ、人工精霊のホーリエが入っている。

翠星石「真紅……あなたの力を借りるですよ」




302 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:46:18.26 ID:eO9ffduM0
翠星石はローザミスティカを手に取る。

そして自らの身体に取り込んだ。

翠星石「さあ来いです雪華綺晶。翠星石が相手してやるですよ」

雪華綺晶「やっかいになった……」

雪華綺晶は鋏を構える。

それにあわせて翠星石も如雨露を構えた。

雪華綺晶「手加減はしないわ……お姉さま」

翠星石「それはこっちのセリフですぅ」




303 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:49:12.83 ID:BqrwIct40
翠がんばれ




304 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:49:18.69 ID:eO9ffduM0
激突。

鋏と如雨露がぶつかり合う。

接近戦ではやはり蒼星石の身体をもつ雪華綺晶が上回る。

翠星石は吹き飛ばされる。

翠星石「くぅ……接近戦なんてするもんじゃねーですぅ」

翠星石はそのまま距離をとると、地面から巨大な木の枝を鞭のように飛び出させる。

それらを雪華綺晶に向けて攻撃する。

雪華綺晶「そんな大雑把な攻撃……あたらない」

それらを全て避け、翠星石に接近してくる。





305 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:51:30.97 ID:eO9ffduM0
翠星石「や、やばいです」

翠星石は如雨露を一振りする。

霧が周りを包み込み、視界を悪くする。

雪華綺晶「また霧……」

霧に紛れて鞭のようにしなる木の枝が雪華綺晶を襲う。

避けきれないのか鋏を使ってガードをする。

雪華綺晶「しゃらくさい……」

翠星石の攻撃は止まらない。




306 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:53:22.25 ID:eO9ffduM0
翠星石「まだまだいきますよ」

木の枝の数をどんどん増やしていく。

雪華綺晶「痛っ」

木の枝が一本、右足に当たる。

そこで動きが鈍り、徐々に他の枝も当たるようになる。

雪華綺晶「霧さえなければ……」

そして、

翠星石「もらったですっ」

木の枝が雪華綺晶の身体を縛り付けた。





309 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:56:24.37 ID:eO9ffduM0
雪華綺晶「動けない……」

雪華綺晶の動きが封じられる。

翠星石「くらえですっ」

翠星石は如雨露で雪華綺晶に一撃を加えようとする。だが、

翠星石「っ!」

当たる直前、翠星石は動きを止める。

翠星石「できない……です」




310 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:59:31.23 ID:eO9ffduM0
翠星石「蒼星石の姿をしてるなんて……ずるいですよ」

翠星石「たとえ敵でも倒せないです……」

翠星石は震えながらうつむき、涙を堪える。

その時、雪華綺晶がにやぁと笑う。

雪華綺晶「甘い……」

雪華綺晶は自らを縛っていた木の枝を鋏で切り裂く。

翠星石「あっ……」

そして鋏をバットのように振るい翠星石に直撃させた。





312 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 00:00:25.71 ID:Oz6ay3x50
あ…




314 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 00:01:55.72 ID:EvUjNZq+0
翠星石「きゃぁっ」

翠星石は思い切り地面へと叩き落される。

雪華綺晶「これで……おしまい」

鋏を構えて翠星石のところまで全力で飛ぶ。

翠星石「いや……」

当たれば突き刺さり砕けるであろうほどの速さで雪華綺晶は飛ぶ。

翠星石(ジュン、のり、金糸雀。ごめんなさいです……)

金糸雀「攻撃のワルツ!」




315 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 00:02:19.22 ID:+3nj4SFb0
翠は優しすぎる




318 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 00:04:05.65 ID:EvUjNZq+0
衝撃波が雪華綺晶に直撃する。

翠星石に当たる寸前。まさに間一髪だった。

金糸雀「間に合ったかしら」

翠星石「金糸雀!」

金糸雀「大丈夫かしら翠星石。助けにきたわ」

翠星石「ありがとうです金糸雀」

金糸雀「さっきのでだいぶダメージを受けてるでしょ? 下がっててかしら」

翠星石「大丈夫ですぅ」

翠星石は立ち上がるがその表情は辛そうだ。




321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 00:06:37.96 ID:EvUjNZq+0
金糸雀「いいから下がってて」

翠星石「でもっ」

金糸雀「あなたはカナが守ってあげるわ」

翠星石「金糸雀……?」

金糸雀「真紅と約束したの」

金糸雀「私は第2ドール金糸雀。あなたのお姉さん」

金糸雀「姉としてあなたを守るって。だから任せてほしいかしら」

翠星石「……しかたねーです。好意に甘えて翠星石はちょっと休んでるです」

金糸雀「おりこうね翠星石」




323 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 00:09:04.29 ID:EvUjNZq+0
吹き飛ばされた雪華綺晶が戻ってくる。

雪華綺晶「あなたの技……風かしら。……やっかいね」

金糸雀「翠星石には手はださせないかしら」

雪華綺晶「ふふ……。守りきれるかしらね……」

金糸雀「それで、あなたは結局何者かしら?」

雪華綺晶「私は第7ドール雪華綺晶……」

金糸雀「どうして蒼星石の姿をしているかは知らないけれど」

金糸雀「妹に負けるわけにはいかないかしら」

金糸雀はヴァイオリンを構える。




324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 00:11:30.18 ID:EvUjNZq+0
金糸雀「さぁ、かかってくるかしら」

雪華綺晶は物凄い速さで飛ぶ。

フィールド内を縦横無尽の飛び回り、狙いをつけさせないようにしながら距離を詰める。

金糸雀「沈黙のレクイエム」

金糸雀の周りに強い風が吹く。

雪華綺晶を狙うのではなく、自らの壁のように放出するため、

本人を狙わずとも動きを抑えることに成功していた。

雪華綺晶「こんなもの……」

しかし、雪華綺晶は止まらない。





325 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 00:11:58.31 ID:Oz6ay3x50
蒼は唯一の刃物持ちだから強いよな




327 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 00:14:16.27 ID:EvUjNZq+0
金糸雀「クレッシェンド!」

風の勢いがさらに強くなる。

雪華綺晶「近寄れない……」

金糸雀「守ってばかりってわけにもいかないかしら」

金糸雀「終わりのないカノン!」

音符の形をした衝撃波が動きの鈍った雪華綺晶を襲う。

雪華綺晶「くぅっ」

間一髪で避ける。

雪華綺晶「相性が悪い……」

雪華綺晶「でも……弱点はわかった……」




328 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 00:16:48.36 ID:EvUjNZq+0
金糸雀の猛攻は続く。

雪華綺晶はひたすら避け続ける。

蒼星石の身体を使い、蒼星石と同じ戦闘スタイルで戦っているせいで

遠距離攻撃がメインの金糸雀との相性は悪かった。

突如雪華綺晶は動きを止める。

そして鋏の刃を開き、自らの首にあてる。

翠星石「やめるですぅっ」

金糸雀「どういうことかしら?」

翠星石「あれは……正真正銘蒼星石の身体なのです」

金糸雀「えっ!?」




330 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 00:18:09.10 ID:uMZZ4GOw0
さすがきらきー…純粋悪か




331 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 00:18:55.74 ID:EvUjNZq+0
翠星石「蒼星石は誰かに倒されて……空になった身体に雪華綺晶が入ってるのです」

金糸雀「そんな……」

金糸雀は攻撃の手を止める。

金糸雀「蒼星石の魂はどうなったの?」

翠星石「……どこか遠くへ……いってしまったです」

金糸雀「蒼星石……」

雪華綺晶「ふふ……」

突如茨がヴァイオリンめげてて伸びてくる。

金糸雀「しまった……っ」

茨はヴァイオリンに絡みつき、棘のせいで弦が全て切れてしまった。




334 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 00:22:41.65 ID:EvUjNZq+0
雪華綺晶「これであなたは攻撃手段を失った……」

金糸雀「卑怯……者っ」

雪華綺晶「さぁ……続けましょう……」

雪華綺晶が鋏をもって接近してくる。

金糸雀はヴァイオリンを手放し、弓を構える。

雪華綺晶「そんなもので」

鋏を一閃。弓で防御。

バキッ

金糸雀「ああっ」

翠星石「金糸雀ーっ」




336 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 00:25:22.74 ID:EvUjNZq+0
翠星石が木の枝を2本、雪華綺晶に向けて伸ばす。

翠星石の顔に苦痛の表情が浮かぶ。今の彼女にはそれが限界のようだ。

雪華綺晶「こざかしい……」

しかしそれをなんなく鋏で切断する。そして鋏での一撃。

金糸雀「ぐぅっ」

思い切り吹き飛ぶ金糸雀。

金糸雀「いいの……貰っちゃったかしら」

翠星石は金糸雀のもとに駆け寄る。





339 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 00:27:35.70 ID:EvUjNZq+0
金糸雀「大丈夫よ翠星石……」

金糸雀は胴を押さえながらも立ち上がる。

金糸雀「守らなきゃ……」

金糸雀「蒼星石は守れなかったけど」

金糸雀「平穏と……翠星石は……絶対に守ってみせるかしら」

翠星石「無理するんじゃねーです金糸雀。翠星石に任せて休むですっ」

金糸雀「あなただってまだダメージが残ってるでしょう? カナが守るから……」

雪華綺晶「2人まとまってて都合がいい……。まとめてとどめをさしてあげる……」




341 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 00:29:39.20 ID:EvUjNZq+0
翠星石と金糸雀の身体に茨が巻きつく。

雪華綺晶「ふふふ……」

雪華綺晶の不適な笑み。

鋏の刃を開き、2人のところへと歩み寄る。

雪華綺晶「これで……おしまい」

翠星石(こんなところで……ジュンッ……)

その時、黒い嵐が雪華綺晶を襲う。

雪華綺晶「こ、これは……くぅっ」

雪華綺晶に嵐は直撃。大きなダメージを与える。

???「なぁに? 面白そうなことしてこの私だけ仲間はずれだなんて」

上空から黒い人影が大きな羽を羽ばたかせながら現れる。

???「不快ねぇ。ジャンクにしてほしいのかしら」

――黒衣の天使が、舞い降りた。




342 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 00:30:39.85 ID:dyjdvbh60
キターーーーー!!!!!!!!!1111




343 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 00:30:40.05 ID:jq0jdsppO
銀様ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ




344 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 00:33:37.45 ID:EvUjNZq+0
今日の投下はこれで終わりです

前作とはガラッと雰囲気を変えてみたつもり
視点移動多くて読みづらいだろうけど簡便


なんか厨二テイストな話になったきがしないでもない
ちなみに今作の主役はもちろん銀ちゃん






その2へ



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コメント
この記事へのコメント
  1. 名前: 通常のナナシ #-: 2008/06/05(木) 18:49: :edit
    けじめを付ける(けじめをつける) 「けじめ」とは、区別という意味で、それを付けるということから、きちんと筋道を通すこと。
    ・けじめを取る(けじめをとる) 1.機先を制して、優劣、強弱の差をはっきりと付ける。2.動きが取れないように念を押す。駄目を押して決め付ける。


  2. 名前: 通常のナナシ #-: 2008/06/05(木) 21:09: :edit
    カナかっこいい!
    最高!
  3. 名前: 通常のナナシ #-: 2008/06/05(木) 22:21: :edit
     けじめを取るって言葉あったのか。でもこの作者は誤用とから抜き言葉とか、言葉遣いが雑すぎて困る。
  4. 名前: 通常のナナシ #-: 2008/06/05(木) 22:38: :edit
    蒼にツルを出す能力あったっけ?
  5. 名前: 通常のナナシ #-: 2008/06/05(木) 23:12: :edit
    カナがとってもお姉さん!
  6. 名前: 通常のナナシ #-: 2008/06/06(金) 07:55: :edit
    戦闘描写多いのもありだなw
  7. 名前: 通常のナナシ #-: 2008/06/10(火) 03:24: :edit
    米3
    書いてるのは素人だし嫌なら読まないって選択肢も有るし大目に見なさいな
  8. 名前: 通常のナナシ #-: 2008/10/30(木) 14:48: :edit
    米3
    ツルを出す能力は蒼じゃなくて白の能力じゃない?
  9. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/10/09(土) 02:43: :edit
    このころはまだゲッターもいなかったのかー懐かしいな~
  10. 名前: 通常のナナシ #-: 2010/10/29(金) 20:57: :edit
    2桁
  11. 名前: MCC #-: 2013/02/06(水) 16:53: :edit
    再アニメ化おめでとう!
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